説明

画像形成体

【課題】 本発明は、銀行券、パスポート、有価証券、カード、商品タグ、印紙類等の偽造防止、改ざん防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【解決手段】 第1の基材に第1の穿孔群及び第2の基材に第2の穿孔群を形成し、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独で潜像画像が視覚的に確認できないが、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、前記第1の穿孔群の穿孔と前記第2の穿孔群の穿孔が重なり合わない穿孔は光遮断部となり、前記第1の穿孔群の穿孔と前記第2の穿孔群の穿孔が重なり合った穿孔は透光部となり、前記透光部によって形成された潜像画像が視認されてなる画像形成体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、パスポート、有価証券、カード、商品タグ、印紙類等の偽造防止、改ざん防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、切符や定期券等の通行券、有料道路等の回数券、各種チケット、商品券等の貴重品は、その価値を保証・維持するために、偽造防止及び改ざん防止技術が施されている。この防止策として、これらの貴重品の基材に、複数の穿孔で数字等を形成したり、複数の穿孔を有する基材を傾けて観察することにより潜像領域を視認できるようにして真偽判別を行う技術も知られている。また、印刷された2枚以上の基材を重ね合わせることによって、暗号が顕在化する技術が知られている。
【0003】
スイスの銀行券に用いられており、数字を穿孔によって表現している。また、孔の直径は、反射状態においては裸眼でそれらのなすパターンが見えない点に特徴を有する、 安全マークが、透過状態においては見える文書面のパターンを形成する複数個の孔からなる、偽造を防止するための安全マークを備える安全保管文書が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2000−501036号公報(第2頁、第1−2図)
【0004】
基材を有し、該基材に形成され、背景部と特定のパターンからなる情報部とを形成する目視しにくい多数の微細な穿孔を有する真偽判別形成体であって、上記背景部を形成する穿孔と上記情報部を形成する穿孔とは、穿孔の形状、寸法及び配列方向の少なくとも一つ以上が異なるように形成されていることを特徴とする真偽判別形成体が開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献2】特許第3385461号公報(第2頁、第1−2図)
【0005】
視覚復号型暗号を利用し割符機能を有するタグにおいて、基材上に、暗号画像データが設けられた割符機能を有するタグを商品又はそのパッケージに添付し、購入者が商品を購入したとき、そのタグを外し、同時若しくは以前に購入した時に得た、又は別に配布されるタグと重ねることで暗号が復号し、それが示す内容に応じて景品や特典が得られることを特徴とするタグを利用した商品販売方法が開示されている(特許文献3参照)。
【特許文献3】特開2002−372914号公報(第1−3頁、第1−3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特表2000−501036号公報及び特許第3385461号公報は、基材に穿孔によって数字等を形成するものや、基材に一部の穿孔の形状を異ならせるものであるため、配列されている穿孔が複雑なものでなく、情報が入っていることが容易に解析されるため、複製されるおそれがあった。このようなことから、穿孔の配列を複雑にして、偽造を防ぐ必要があった。更に、近年、一般家庭においてスキャナ、プリンタ等が普及されており、特開2002−372914号公報の技術は誰でも容易に複製される可能性がある。また、基材は透明なもの、半透明なものに限定する必要があり、不透明基材では形成することができなかった。このようなことから、更なる偽造防止効果の高いエレメントが要求されてきている。
【0007】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、不透明基材に印刷によって形成することなく、穿孔によって第1の穿孔群及び第2の穿孔群を形成し、第1の穿孔群及び第2の穿孔群は、単独で潜像領域が視覚的に確認できないが、第1の穿孔群及び第2の穿孔群を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が顕在化する。よって、潜像領域が埋め込まれているか否か偽造者は解らないため、真偽判別効果に優れ、また、微細な穿孔群によって形成するため、スキャナ、プリンタ等では複製することが不可能である。本発明は、上記記載の画像形成体を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の基材に第1の穿孔群及び第2の基材に第2の穿孔群を形成し、前記第1の基材と前記第2の基材を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、前記第1の基材及び前記第2の基材は、潜像領域及び背景領域を有し、前記潜像領域と前記背景領域は、前記第1の基材と前記第2の基材を所定の位置関係で重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0009】
また、本発明は、基材に第1の穿孔群及び第2の穿孔群を形成し、前記基材を所定の折り曲げ位置を基準に、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群を重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、潜像領域及び背景領域を有し、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を所定の折り曲げ位置を基準に、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群を重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0010】
また、本発明は、冊子媒体の特定頁に第1の穿孔群及び前記第1の穿孔群が形成されていない頁に第2の穿孔群が形成され、前記第1の穿孔群が形成された頁及び前記第2の穿孔群が形成された頁を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、潜像領域及び背景領域を有し、前記潜像領域と前記背景領域は、前記第1の穿孔群が形成された頁及び前記第2の穿孔群が形成された頁を所定の位置関係で重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0011】
また、本発明は、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、p(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の単位の穿孔ユニットが複数配置することによってマトリックス状に形成され、前記マトリックス状内に穿孔が形成されてなる画像形成体である。
【0012】
また、本発明は、前記p(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の単位の穿孔ユニットは、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット、又は、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットであって、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至3個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成され、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至8個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成されてなる画像形成体である。
【0013】
本発明は、前記穿孔の大きさが40μm〜1,000μmからなる画像形成体である。
【発明の効果】
【0014】
不透明基材に印刷によって形成することなく、穿孔によって第1の穿孔群及び第2の穿孔群を形成し、第1の穿孔群及び第2の穿孔群は単独で潜像領域は視覚的に確認できないが、第1の穿孔群及び第2の穿孔群を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が顕在化する。潜像領域が埋め込まれているか否か偽造者は解らないため、真偽判別効果に優れ、また、微細な穿孔群によって形成するため、スキャナ、プリンタ等では複製することが不可能である。また、微細な穿孔で形成しているため、一般的には作製が困難であるため、複製防止効果を有する。よって、銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、切符や定期券等の通行券、有料道路等の回数券、各種チケット、商品券等の貴重品に適用することができる。
【0015】
また、本デバイスを偽造、複製、改ざんしようとした場合、第1の穿孔群と第2の穿孔群の位置関係を忠実に再現する必要があり、微細な穿孔自体の再現のみならず、それらの配置までも再現することは非常に困難となる。また、第1の穿孔群と第2の穿孔群は、同一の基材の対称領域に設ける形態、冊子の異なった頁に設ける形態等に形成可能であり、誰でも容易に真偽判別することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0017】
図1は穿孔ユニット(2a)で構成されたマトリックス状(3)を示す。穿孔ユニット(2a)は本発明の穿孔群において、印刷等で施すものではなく、穿孔の配置位置を記載するために示すものである。よって実際には肉眼で視認されるものではない。基材(1)に2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット(2a)がX方向に8倍、Y方向に8倍され、マトリックス状(3)に配置されている。マトリックス状(3)に配置された穿孔ユニット(2a)は第1の区域(4a)、第2の区域(4b)、第3の区域(4c)、第4の区域(4d)に区分けされる。第1の区域(4a)は第1の潜像領域となり、第2の区域(4b)は第1の背景領域となる。第1の潜像領域は英文字(L)を表している。第3の区域(4c)は第2の潜像領域となり、第4の区域(4d)は第2の背景領域となる。第2の潜像領域は英文字(T)を表している。
【0018】
図2(a)は第1の穿孔群(A1)を示す。図2(a)に示すように、第1の穿孔群(A1)は、図1に示したマトリックス状(3)内に第1の潜像領域(L字)となる第1の区域(4a)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成され、同様に、第1の背景領域となる第2の区域(4b)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成される。更に、第2の潜像領域(T字)となる第3の区域(4c)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成され、同様に、第2の背景領域となる第4の区域(4d)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成される。通常、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に第1の潜像領域である第1の区域(4a)と、第1の背景領域である第2の区域(4b)は区分けして視認することができない。同様に第2の潜像領域である第3の区域(4c)と、第2の背景領域である第4の区域(4d)は区分けして視認することができない。これは、穿孔の大きさが40μm〜1,000μmの微細なこと、また、第1の区域(4a)と第2の区域(4b)の1穿孔ユニット内に形成される穿孔の個数は1乃至3個であり、穿孔の個数はほとんど変わらないため、各穿孔ユニットは明暗が付き難く、全体に均一に近い濃度になる。
【0019】
図2(b)は第2の穿孔群(B1)を示す。図2(b)に示す第2の穿孔群(B1)は、図2(a)に示した第1の潜像領域(L字)となる第1の区域(4a)と、第1の背景領域となる第2の区域(4b)を判別するためのものである。図2(b)に示すように、第2の穿孔群(B1)は、図1に示したマトリックス状(3)内に第1の潜像領域である第1の区域(4a)を区分けするための第1の区域(6a)と、第1の背景領域である第2の区域(4b)区分けするための第2の区域(6b)からなる。第1の区域(6a)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成され、同様に、第2の区域(6b)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成される。
【0020】
図2(a)に示した第1の穿孔群(A1)のトンボ位置(P1)と、図2(b)は第2の穿孔群(B1)のトンボ位置(P2)を重ね合わせて透過光で観察した場合に、図3に示すように、第1の穿孔群の第1の潜像領域である第1の区域(4a)の穿孔(5)と、第2の穿孔群(B1)の第1の潜像領域である第1の区域(4a)を区分けするための第1の区域(6a)の穿孔(5)は、同一の位置に穿孔が施されているため、光透過部となり、第1の穿孔群の第1の背景領域である第2の区域(4b)の穿孔(5)と、第2の穿孔群(B1)の第1の背景領域である第2の区域(4b)を区分けするための第2の区域(6b)の穿孔(5)は、異なる位置に穿孔が施されているため、光遮断部となる。よって、光透過部と光遮断部によって形成された潜像領域(L)が視認される。
【0021】
図4(a)は図2(a)と同一の第1の穿孔群(A1)を示す。図4(b)は第3の穿孔群(B2)を示す。図4(b)に示す第3の穿孔群(B2)は、図4(a)に示した第2の潜像領域(T字)となる第3の区域(4c)と、第2の背景領域となる第4の区域(4d)を判別するためのものである。図4(b)に示すように、第3の穿孔群(B2)は、図1に示したマトリックス状(3)内に第2の潜像領域である第3の区域(4c)を区分けするための第3の区域(6c)と、第2の背景領域である第4の区域(4d)区分けするための第4の区域(6d)からなる。第3の区域(6c)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成され、同様に、第4の区域(6c)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至3個の穿孔が形成される。
【0022】
図4(a)に示した第1の穿孔群(A1)のトンボ位置(P1)と、図24(b)は第3の穿孔群(B2)のトンボ位置(P2)を重ね合わせて透過光で観察した場合に、図5に示すように、第1の穿孔群の第1の潜像領域である第3の区域(4c)の穿孔(5)と、第3の穿孔群(B2)の第2の潜像領域である第3の区域(4c)を区分けするための第3の区域(6c)の穿孔(5)は、同一の位置に穿孔が施されているため、光透過部となり、第1の穿孔群の第2の背景領域である第4の区域(4d)の穿孔(5)と、第3の穿孔群(B2)の第2の背景領域である第4の区域(4d)を区分けするための第4の区域(6d)の穿孔(5)は、異なる位置に穿孔が施されているため、光遮断部となる。よって、光透過部と光遮断部によって形成された潜像領域(T)が視認される。
【0023】
つまり、図6に示すように第1の穿孔群(A1)を第2の穿孔群(B1)と重ね合わせて透過光で観察した場合に、潜像領域(L)が視認され、第3の穿孔群(B2)と重ね合わせて透過光で観察した場合に、潜像領域(T)が視認される画像形成体である。
【0024】
次に穿孔ユニットが3×3の例を示す。図7は穿孔ユニット(2b)構成されたマトリックス状(3)を示す。穿孔ユニット(2b)は本発明の穿孔群において、印刷等で施すものではなく、穿孔の配置位置を記載するために示すものである。よって実際には肉眼で視認されるものではない。基材(1)に3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニット(2b)がX方向に6倍、Y方向に6倍され、マトリックス状(3)に配置されている。図8に示すようにマトリックス状(3)に配置された穿孔ユニット(2b)は第1の区域(4a)、第2の区域(4b)、第3の区域(4c)、第4の区域(4d)、第5の区域(4e)、第6の区域(4f)に区分けされる。第1の区域(4a)は第1の潜像領域となり、第2の区域(4b)は第1の背景領域となる。第1の潜像領域は英文字(L)を表している。第3の区域(4c)は第2の潜像領域となり、第4の区域(4d)は第2の背景領域となる。第2の潜像領域は英文字(T)を表している。第5の区域(4e)は透過画像となり、第6の区域(4f)は背景となる。画像は図柄(十字)を表している。
【0025】
図9は第1の穿孔群(A2)を示す。図9に示すように第1の穿孔群(A2)は、図8に示したマトリックス状(3)内に透過画像(十字)となる第5の区域(4e)と、背景となる第6の区域(4f)の3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内の穿孔の数は、第5の区域(4e)>第6の区域(4f)の関係を有する必要がある。また、第5の区域(4e)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に2乃至8個の穿孔が形成され、同様に、第6の区域(4f)は、40μm〜1000μmの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至7個の穿孔が形成される。第1の潜像領域(L字)となる第1の区域(4a)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成され、同様に、第1の背景領域となる第2の区域(4b)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成される。更に、第2の潜像領域(T字)となる第3の区域(4c)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成され、同様に、第2の背景領域となる第4の区域(4d)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成される。図10に示すように、第1の穿孔群(A2)を透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に、透過画像(十字)である第5の区域(4e)と、背景である第6の区域(4f)は区分けして視認するできる。特に透過光で観察した場合に明瞭に視認され、これは、透過画像(十字)となる第5の区域(4e)は、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に2乃至8個の穿孔が形成され、同様に、背景となる第6の区域(4f)は、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至7個の穿孔が形成される。第5の区域(4e)は、第6の区域(4f)より穿孔ユニット内の穿孔の数が多いため、穿孔から得られる透過光量が異なってくる。穿孔の数が多い第5の区域(4e)は明るく視認され、第5の区域(4e)より穿孔の数が少ない第6の区域(4f)は暗く視認される。よって明度の違いが生じ、透過画像(十字)が視認される。ただし、潜像を暗く視認したい場合は、上記背景が潜像となり、上記潜像が背景となる。
【0026】
また、通常、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に第1の潜像領域である第1の区域(4a)と、第1の背景領域である第2の区域(4b)は区分けして視認することができない。同様に第2の潜像領域である第3の区域(4c)と、第2の背景領域である第4の区域(4d)は区分けして視認することができない。これは、第5の区域(4e)と第6の区域(4f)が区分けして視認されるため、第1の区域(4a)と第2の区域(4b)は明暗差が付くことがない。
【0027】
図11(a)は図9と同一の第1の穿孔群(A2)である。図11(b)は第2の穿孔群(B3)を示す。図11(b)に示す第2の穿孔群(B3)は、図11(a)の第1の潜像領域(L字)となる第1の区域(4a)と、第1の背景領域となる第2の区域(4b)を判別するためのものである。図11(b)に示すように、第2の穿孔群(B3)は、図7に示したマトリックス状(3)内に第1の潜像領域である第1の区域(4a)を区分けするための第1の区域(6a)と、第1の背景領域である第2の区域(4b)区分けするための第2の区域(6b)からなる。第1の区域(6a)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成され、同様に、第2の区域(6b)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成される。
【0028】
図11(a)に示した第1の穿孔群(A2)のトンボ位置(P1)と、図11(b)は第2の穿孔群(B3)のトンボ位置(P2)を重ね合わせて透過光で観察した場合に、図12に示すように、第1の穿孔群の第1の潜像領域である第1の区域(4a)の穿孔(5)と、第2の穿孔群(B3)の第1の潜像領域である第1の区域(4a)を区分けするための第1の区域(6a)の穿孔(5)は、同一の位置に穿孔が施されているため、光透過部となり、第1の穿孔群の第1の背景領域である第2の区域(4b)の穿孔(5)と、第2の穿孔群(B3)の第1の背景領域である第2の区域(4b)を区分けするための第2の区域(6b)の穿孔(5)は、異なる位置に穿孔が施されているため、光遮断部となる。よって、光透過部と光遮断部によって形成された潜像領域(L)が視認される。
【0029】
図13(a)は図9及び図11(a)と同一の第1の穿孔群(A2)を示す。図13(b)は第3の穿孔群(B4)を示す。図13(b)に示す第3の穿孔群(B4)は、図13(a)の第2の潜像領域(T字)となる第3の区域(4c)と、第2の背景領域となる第4の区域(4d)を判別するためのものである。図13(b)に示すように、第3の穿孔群(B4)は、図7に示したマトリックス状(3)内に第2の潜像領域である第3の区域(4c)を区分けするための第3の区域(6c)と、第2の背景領域である第4の区域(4d)区分けするための第4の区域(6d)からなる。第3の区域(6c)は、40μm〜1,000μmの大きさの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成され、同様に、第4の区域(6c)は、40μm〜1,000μmの穿孔(5)が、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の1穿孔ユニット内に1乃至8個の穿孔が形成される。
【0030】
図13(a)に示した第1の穿孔群(A2)のトンボ位置(P1)と、図13(b)は第3の穿孔群(B4)のトンボ位置(P2)を重ね合わせて透過光で観察した場合に、図14に示すように、第1の穿孔群の第1の潜像領域である第3の区域(4c)の穿孔(5)と、第3の穿孔群(B4)の第2の潜像領域である第3の区域(4c)を区分けするための第3の区域(6c)の穿孔(5)は、同一の位置に穿孔が施されているため、光透過部となり、第1の穿孔群の第2の背景領域である第4の区域(4d)の穿孔(5)と、第3の穿孔群(B4)の第2の背景領域である第4の区域(4d)を区分けするための第4の区域(6d)の穿孔(5)は、異なる位置に穿孔が施されているため、光遮断部となる。よって、光透過部と光遮断部によって形成された潜像領域(T)が視認される。
【0031】
つまり、図15に示すように第1の穿孔群(A2)を第2の穿孔群(B3)と重ね合わせて透過光で観察した場合に、潜像領域(L)が視認され、第3の穿孔群(B4)と重ね合わせて透過光で観察した場合に、潜像領域(T)が視認される。各穿孔群を重ね合わせないで透過光又は反射光で観察した場合、透過画像(十字)が視認できる画像形成体である。
【0032】
上記記載では、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット又は3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットで説明しているが、本発明はこれに限定されることなく、図16に示すようにp(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の単位の穿孔ユニットでマトリックス状(3)を形成することができる。p×qの単位の穿孔ユニット内には、1乃至(p×q−1)個の穿孔が、任意の位置に形成される必要がある。好ましくは、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット、又は、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットであって、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至3個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成され、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至8個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成する必要がある。3×3以上の最小単位になると、潜像領域の視認性が悪くなる。
【0033】
また、上記記載では、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット(2b)がX方向に8倍、Y方向に8倍され、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニット(2b)がX方向に6倍、Y方向に6倍され、マトリックス状(3)に配置されているが本発明はこれに限定されることなく、X方向にr(rは正の整数)倍、Y方向にs(sは正の整数)倍することができる。また、X方向及びY方向に規則的にマトリックス状(3)に配置されているが、図17(a、b)に示すようにズレ(t)を持たせても良い。
【0034】
本発明に用いる基材は、特に限定されることはなく、紙葉類、半透明フィルム、プラスチック、アルミ箔、金属箔等を用いる。また、ホログラムを用いることで偽造防止効果が向上する。基材の厚さは0.1mmから1.0mm程度までが好ましい。不透明の基材が潜像領域の視認性が最も良い。
【0035】
各々の穿孔群の形状は同一形状で形成する必要が好ましく、その形状は特に限定されるものではなく、円、楕円、多角形、特種形状等の少なくとも一つで形成することができる。多角形又は特殊な形状の穿孔を用いることによって、複製され難くなるため偽造防止効果が向上する。また、深さ方向に伴って、穿孔の直径が同一及び穿孔の直径が小さくなる形状(切頭円錐)の少なくとも一つで形成することによって、複製されにくくなるため偽造防止効果が向上する。また、基材に対して直角及び特定の角度で斜めの形状の少なくとも一つで形成することができる。特定の角度で斜めに形成した場合、複製されにくくなるため偽造防止効果が向上する。特定の角度で斜めの角度を深めると潜像が視認される観察角度も多少深くなる。穿孔はレーザ加工機で形成することができ、レーザの種類はYAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザが好ましい。穿孔群の穿孔の径は、40μm〜1,000μmの範囲で形成する必要がある。穿孔の大きさは基材の厚みと表現したい潜像領域の画像の解像度や数と関係がある。当然、特定の領域に高い解像度の潜像領域の画像を表現する場合にはできるだけ小さな径の穿孔が必要である。穿孔の径が40μmより小さいと作製する上で困難となり、1,000μmより大きいと基材が切れやすくなり、耐久性が劣る原因となる。更に穿孔群と穿孔群を重ねた場合に出現する潜像領域の画像が粗いものとなってしまう。穿孔群の穿孔のピッチは、X(横)方向及び/又はY(縦)方向において等しいピッチであることが好ましい。
【0036】
また、上記記載では、各穿孔群は別の基材で形成しているが、各穿孔群を同一基材の特定領域に付与し、例えば、第1の穿孔群と第2の穿孔群を対称位置に付与することも可能である。つまり、図18に示すように上記記載した第1の穿孔群(C)を特定領域に形成し、第1の穿孔群(C)と対称位置に上記記載した第2の穿孔群(D)を形成する。真偽判別するには、基材の所定の折り曲げ位置(W)を基準に第1の穿孔群(C)と第2の穿孔群(D)を重ね合わせて透過光で観察する。つまり、第1の穿孔群(C)と第2の穿孔群(D)は、折り曲げ位置(W)を基準に対称位置に形成される。更に、冊子媒体に形成することが可能である。第1の穿孔群を冊子のある頁に付与し、第1の穿孔群が形成された頁以外に第2の穿孔群を付与することも可能である。つまり、図19(a)に示すように、ある頁に上記記載した第1の穿孔群(C)を形成し、それ以外の頁に第2の穿孔群(D)を形成する。真偽判別するには、第1の穿孔群(C)と第2の穿孔群(D)を重ね合わせて透過光で観察する。また、図19(b)に示すように、ある頁に上記記載した第1の穿孔群(C)を形成し、それ以外の頁に上記記載した第2の穿孔群(D1)、第3の穿孔群(D2)を形成する。真偽判別するには、第1の穿孔群(C)と、第2の穿孔群(D1)又は第3の穿孔群(D2)を重ね合わせて透過光で観察する。
【0037】
第1の穿孔群と第2の穿孔群のどちらか一方を、穴を形成するのではなく、透明基材に非印刷領域で形成した画素群を形成し、画素群は、あたかも穿孔で形成されているようなものでもよい。この場合、例えば、第1の穿孔群は穿孔で形成し、第2の画素群は透明基材に印刷によって形成して、第1の穿孔群と第2の画素群を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認される。
【0038】
本発明の潜像領域の形状は、特に限定されることなく、文字、数字、記号、図柄、二次元バーコード等のコード情報を形成することが可能である。また、穿孔群を文字、数字、記号、図柄、二次元バーコード等のコード情報で形成することもできる。
【0039】
上記記載では、第1の穿孔群、第2の穿孔群、第3の穿孔群と3枚の基材で説明しているが、本発明はこれに限定されることなく、n枚の基材にそれぞれ穿孔群を形成し、重ね合せる基材ごとにそれぞれ異なった潜像領域が視認できるようにすることも可能である。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
厚さ約0.15mmの紙を1枚用意し、穿孔ユニット(P11,P21,P12,P22)をX方向及びY方向にそれぞれ8倍し、穿孔ユニットが2×2で直径0.1mmの穿孔を0.8mmの一定のピッチで形成した。穿孔ユニット内には1乃至3個の穿孔を付与し、穿孔群を形成した。穿孔群は第1の区域、第2の区域、第3の区域、第4の区域に区分けされ、第1の区域を第1の潜像領域とし、第2の区域を第1の背景領域とし、第3の区域を第2の潜像領域とし、第4の区域を第2の背景領域とし、第1の穿孔群(A3)を作製した。
【0042】
次に、厚さ約0.15mmの紙を2枚用意し、第1の紙に穿孔ユニット(P11,P21,P12,P22)をX方向及びY方向にそれぞれ8倍し、穿孔ユニットが2×2で直径0.1mmの穿孔を0.8mmの一定のピッチで形成した。穿孔ユニット内には1乃至3個の穿孔を付与し、穿孔群を形成した。穿孔群は、第1の穿孔群(A3)の第1の区域を判別するための判別用の第1の区域と、第2の区域を判別するための判別用の第2の区域に区分けする。第1の区域の穿孔と判別用の第1の区域の穿孔は、同一の位置に穿孔を施し、第2の区域の穿孔と判別用の第2の区域の穿孔は、異なる位置に穿孔を施し、第2の穿孔群(B5)を作製した。また、第2の紙に穿孔ユニット(P11,P21,P12,P22)をX方向及びY方向にそれぞれ8倍し、穿孔ユニットが2×2で直径0.1mmの穿孔を0.8mmの一定のピッチで形成した。穿孔ユニット内には1乃至3個の穿孔を付与し、穿孔群を形成した。穿孔群は、第1の穿孔群(A3)の第3の区域を判別するための判別用の第3の区域と、第4の区域を判別するための判別用の第4の区域に区分けする。第3の区域の穿孔と判別用の第3の区域の穿孔は、同一の位置に穿孔を施し、第4の区域の穿孔と判別用の第4の区域の穿孔は、異なる位置に穿孔を施し、第3の穿孔群(B6)を作製した。
【0043】
第1の穿孔群(A3)は単独では、情報が視認できないが、図20に示すように第1の穿孔群(A3)と第2の穿孔群(B5)を所定の位置で重ね合わせて透過光で観察した場合に第1の潜像領域が視認できた。第1の穿孔群(A3)は単独では、情報が視認できないが、第1の穿孔群(A3)と第3の穿孔群(B6)を所定の位置で重ね合わせて透過光で観察した場合に第2の潜像領域が視認できた。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】穿孔ユニット(2a)構成されたマトリックス状(3)を示す図である。
【図2】第1の穿孔群(A1)と第2の穿孔群(B1)を示す図である。
【図3】第1の穿孔群(A1)と第2の穿孔群(B1)を重ね合わせて透過光で観察した場合の図である。
【図4】第1の穿孔群(A1)と第3の穿孔群(B2)を示す図である。
【図5】第1の穿孔群(A1)と第3の穿孔群(B2)を重ね合わせて透過光で観察した場合の図である。
【図6】に第1の穿孔群(A1)、第2の穿孔群(B1)、第3の穿孔群(B2)との関係を示す図である。
【図7】穿孔ユニット(2b)構成されたマトリックス状(3)を示す図である。
【図8】マトリックス状(3)内の第1の区域(4a)、第2の区域(4b)、第3の区域(4c)、第4の区域(4d)、第5の区域(4e)、第6の区域(4f)を示す図である。
【図9】第1の穿孔群(A2)を示す図である。
【図10】第1の穿孔群(A2)を透過光又は反射光で肉眼で観察した場合の図である。
【図11】第1の穿孔群(A2)と第2の穿孔群(B3)を示す図である。
【図12】第1の穿孔群(A2)と第2の穿孔群(B3)を重ね合わせて透過光で観察した場合の図である。
【図13】第1の穿孔群(A2)と第3の穿孔群(B4)を示す図である。
【図14】第1の穿孔群(A2)と第3の穿孔群(B4)を重ね合わせて透過光で観察した場合の図である。
【図15】第1の穿孔群(A2)、第2の穿孔群(B3)、第3の穿孔群(B4)との関係を示す図である。
【図16】穿孔ユニットがp(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の例を示す図である。
【図17】穿孔ユニットにズレ(t)を持たせてマトリックス状(3)を形成した場合の図である。
【図18】第1の穿孔群が形成された領域以外で、且つ、第1の穿孔群が形成された基材の所定の折り曲げ位置(W)を基準に対称位置に第2の穿孔群が形成された場合の図である。
【図19】冊子形態の場合を示す図である。
【図20】第1の穿孔群(A3)、第2の穿孔群(B5)、第3の穿孔群(B6)との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 基材
2a 穿孔ユニット
3 マトリックス状
4a 第1の区域
4b 第2の区域
4c 第3の区域
4d 第4の区域
4e 第5の区域
4f 第6の区域
5 穿孔
6a 第1の区域
6b 第2の区域
6c 第3の区域
6d 第4の区域
A1、A2、A3 第1の穿孔群
B1、B3、B5 第2の穿孔群
B2、B4、B6 第3の穿孔群
C 第1の穿孔群
D、D1 第2の穿孔群
D2 第3の穿孔群
P1、P2 トンボ位置
t ズレ
W 所定の折り曲げ位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基材に第1の穿孔群及び第2の基材に第2の穿孔群を形成し、前記第1の基材と前記第2の基材を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、
前記第1の基材及び前記第2の基材は、潜像領域及び背景領域を有し、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記第1の基材と前記第2の基材を所定の位置関係で重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
基材に第1の穿孔群及び第2の穿孔群を形成し、前記基材を所定の折り曲げ位置を基準に、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群を重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、
前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、潜像領域及び背景領域を有し、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を所定の折り曲げ位置を基準に、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群を重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項3】
冊子媒体の特定頁に第1の穿孔群及び前記第1の穿孔群が形成されていない頁に第2の穿孔群が形成され、前記第1の穿孔群が形成された頁及び前記第2の穿孔群が形成された頁を所定の位置関係で重ね合わせて透過光で観察することによって、潜像領域が視認されてなる画像形成体において、
前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、潜像領域及び背景領域を有し、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記第1の穿孔群が形成された頁及び前記第2の穿孔群が形成された頁を所定の位置関係で重ね合わせた時に、重なり合った穿孔群の光の透過濃度に差が出るように穿孔が形成されるとともに、前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、単独では前記潜像領域が視認されないように重なり合わない穿孔が形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項4】
前記第1の穿孔群及び前記第2の穿孔群は、p(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の単位の穿孔ユニットが複数配置することによってマトリックス状に形成され、前記マトリックス状内に穿孔が形成されてなる請求項1、2又は3記載の画像形成体。
【請求項5】
前記p(pは任意の自然数)×q(qは2以上の整数)の単位の穿孔ユニットは、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニット、又は、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットであって、2×2(P11,P12,P21,P22)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至3個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成され、3×3(P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33)の単位の穿孔ユニットの場合は、1乃至8個の穿孔が1穿孔ユニット内に形成されてなる請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項6】
前記穿孔の大きさが40μm〜1,000μmからなる請求項1、2、3、4又は5記載の画像形成体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2006−110820(P2006−110820A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299553(P2004−299553)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】