画像形成体
【課題】 本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【解決手段】 基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【解決手段】 基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の貴重品は、その性質上、偽造又は変造がされにくく、さらに、その貴重品が本物か否か判断できる技術要素が要求される。例えば、その技術要素の一つとしては、貴重品を傾けて観察することで潜像画像が視認され、その視認の有無によって真偽判別を行う技術が知られている。例えば、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状から成る潜像画像が視認できる技術、また、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術等が挙げられる。
【0003】
前記印刷の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状から成る潜像画像が視認できる技術として、例えば、印刷素材に、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかを印刷素材と同色又は近似した色のインキによって隆起した印刷を施し、該印刷画線上に一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを該印刷画線の色及び無色透明以外の異なった他の有色のインキによって該印刷画線に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該隆起した印刷画線と該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該隆起した画線によって構成した図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像印刷物が開示されている(特許文献1)。
【0004】
前記基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像が視認できる技術として、例えば、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかのエンボスによって形成された凹凸形状を有する素材に、素材の色及び無色透明以外の異なった他の色のインキによって、一定の間隔を持つ各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを前述の凹凸形状の図柄以外の部分を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定の間隔の直線で構成された各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該凹凸形状と、該一定の間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該凹凸形状によって形成された図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像模様形成体が開示されている(特許文献2)。
【0005】
前記基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術として、例えば、前記穿孔の形状の差異を利用し、潜像画像を出現させるもの、例えば、基材に、背景部を構成する微細な穿孔と、情報部を構成する穿孔を形成し、背景部の穿孔と情報部の穿孔を、穿孔の形状、寸法及び画素の角度の少なくとも一つ以上が異なるように形成し、真偽判別形成体を反射光で観察した場合に背景部と情報部を区分けして視認できないが、透過光で傾けて観察した場合に背景部と情報部を区分けして視認されてなる技術が開示されている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特許第2600094号公報(第1−6頁、第1−10図)
【特許文献2】特許第2615401号公報(第1−4頁、第2−7図)
【特許文献3】特許第3385461号公報(第1−5頁、第1−3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像が視認できる技術である。特許第2600094号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像は視認することはできなかった。特許第2615401号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に印刷画線の影響を受けてすき入れからなる潜像画像の視認性が低下する問題があった。また、基材に対して透過光で傾けて観察した場合にすき入れからなる潜像画像が視認し難い問題があった。上記特許第3385461号公報は、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認されるものであり、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に潜像画像は視認することはできなかった。また、反射光で傾けて観察した場合に潜像画像は視認し難い問題があった。さらに、潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせなければならなかった。このようなことから特許第2600094号公報、特許第2615401号公報及び特許第3385461号公報は限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものであった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものではなく、潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせることなく、穿孔によって潜像画像を形成することなく、反射光及び透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認される。潜像画像をすき入れで形成した場合は、基材を傾けることなく基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合にすき入れの視認性が低下することがない画像形成体を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0010】
また、本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で、前記一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0011】
また、本発明は、前記潜像領域と前記背景領域の境界部において、前記凹部と前記凸部が連続的に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0012】
また、本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、前記潜像領域の前記凹部と前記凸部の配列方向と、前記背景領域の前記凹部と前記凸部の配列方向は、異なって形成され、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0013】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状によって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0014】
また、本発明は、前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、且つ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成体である。
【0015】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部が、すき入れによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0016】
また、本発明は、前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部が、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0017】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部が、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする画像形成体である。
【0018】
また、本発明は、前記凸部間のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像形成体は、複数の条件下で潜像画像が視認されるものであり、反射光及び透過光で画像形成体を傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、さらに、潜像画像をすき入れで形成した場合は、基材を傾けることなく基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に潜像画像が視認されるため、潜像画像の視認性の有無、複数の条件下での潜像画像の視認性の有無によって真偽判別が可能となる。よって、特別な真偽判別装置等を用いることなく、その場で上記効果が得られるか否かによって真偽判別することができる。
【0020】
本発明の構成である穿孔は、従来の特許第3385461号公報のように潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせる必要がない。穿孔の形状が同一であっても形成可能であり、配置が一定間隔であっても形成可能である。よって、従来よりも穿孔の配置等のデザインに手間がかかることない。
【0021】
以上のことから、本発明の画像形成体は、真偽判別効果が高く、微細な穿孔で形成するため改竄、複製防止効果があり、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重品に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0023】
本発明の構成であるすき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状について図1を用いて説明する。本発明の構成であるすき入れ画像は、図1(a)乃至図1(f)の形態が実施可能であり、本発明の構成である印刷画像は、図1(a)又は図1(b)の形態が実施可能である。
【0024】
図1(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図1(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図1(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。この場合の凸部3aは、すき入れ画像の場合は、基材1と同様に繊維で形成され、印刷画像の場合はインキによって形成される。
【0025】
図1(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図1(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図1(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。この場合の凸部3bは、すき入れ画像の場合は、基材1と同様に繊維で形成され、印刷画像の場合はインキによって形成される。
【0026】
図1(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図1(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図1(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い場合もある。
【0027】
図1(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図1(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図1(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0028】
図1(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図1(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図1(e)に示すように領域2の範囲である。
【0029】
図1(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図1(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図1(f)に示すように領域2の範囲である。
【0030】
図1の構成は下記に示す画像形成体A1乃至A9に用いることができる。図1に示すように基材1の表面は凹部及び凸部が形成され、基材1の裏面は基材1の表面に比べて平滑性を有している。本発明の構成であるすき入れ画像は、すき入れが作製できる抄紙機によって、紙を作製する段階で形成される。すき入れ画像で形成する場合の基材は紙基材である。本発明の構成である印刷画像は、インキ盛りを有する印刷(凹版印刷、スクリーン印刷、発泡印刷等:インキ盛りが形成できれば印刷方式は限定されるものではない)によって作製される。インキの色彩は、基材と等色又は透明インキによって形成される。印刷画像で形成する場合の基材は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、印刷、すき入れ以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部3と凹部2の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0031】
次に、本発明の構成である凹凸形状の断面形状について図2を用いて説明する。図2(a)は三角形状の凸部3である。図2(b)は三角形状の凹部2である。図2(c)は台形状の凸部3である。図2(d)は台形状の凹部2である。図2(e)は四角形状の凸部3である。図2(f)は四角形状の凹部2である。図2(g)は蒲鉾状の凸部3である。図2(h)は蒲鉾状の凹部2である。図2(i)は直角三角形状の凸部3である。図2(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図2に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図2(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0032】
(画像形成体A1)
図3に画像形成体A1とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4aが形成される。すき入れ画像4aは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4aは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A1が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A1の効果を以下に説明する。
【0033】
画像形成体A1は、図4(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図4(b)に示すように、すき入れ画像4aは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4aは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0034】
画像形成体A1は、図3に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図5(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図5(b)に示すように、すき入れ画像4aからなる潜像画像8が視認することができる。図5(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aは、凸部3aの線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0035】
画像形成体A1は、図6(a)に示すように透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図6(b)に示すように、すき入れ画像4aが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図6(c)に示すように、背景領域7の凹部2a及び潜像領域8の凹部2bの領域は、背景領域7の凸部3a及び潜像領域8の凸部3bの領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部2aの領域及び潜像領域8の凸部3bの領域は穿孔9が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れ画像4aの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0036】
画像形成体A1は、図3に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図7(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図7(b)に示すように、すき入れ画像4aからなる潜像画像8が視認することができる。図7(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3aの線によって遮断され視認することができないか、又は、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0037】
画像形成体A1は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図5、図7で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0038】
(画像形成体A2)
図8に画像形成体A2とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4bが形成される。すき入れ画像4bは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4bは図1(a)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凸部3aの線と凸部3bの線は、同一の高さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A2が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A2の効果を以下に説明する。
【0039】
画像形成体A2は、図9(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図9(b)に示すように、すき入れ画像4bは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4bは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認しにくい状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0040】
画像形成体A2は、図8に示したX1方向から特定角度で、図10(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図10(b)に示すように、すき入れ画像4bからなる潜像画像8が視認することができる。X1方向から特定角度で観察した場合は、第2の傾斜領域11bの領域は視認することができるが、第1の傾斜領域11aの領域は視認することができない。よって、背景領域7となる第1の領域に形成される第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは視認されることなく、潜像領域8となる第2の領域に形成される第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、視認される。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aのみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0041】
画像形成体A2は、図11(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図11(b)に示すように、すき入れ画像4bを視認することができる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図11(c)に示すように、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているため、透過光量が強くなる。よって、透過光量が強くなることによってすき入れ画像4bの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0042】
画像形成体A2は、図8に示したX1方向から特定角度で、図12(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図12(b)に示すように、すき入れ画像4bからなる潜像画像8が視認することができる。X1方向から特定角度で観察した場合は、第2の傾斜領域11bの領域は視認することができるが、第1の傾斜領域11aの領域は視認することができない。よって、背景領域7となる第1の領域に形成される第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aの透過光は視認されないか、又は、透過光量が減少する。潜像領域8となる第2の領域に形成される第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、視認される。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aの透過光のみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0043】
画像形成体A2は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図10及び図12で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0044】
(画像形成体A3)
図13に画像形成体A3とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4cが形成される。すき入れ画像4cは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4cは図2(g)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、また、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bをつなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A3が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。
【0045】
つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。又は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔2bは、画像形成体A2に示したように第1の傾斜領域11a又は第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A3は画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0046】
画像形成体A3は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。又は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aの第1の傾斜領域11a又は第2の傾斜領域11bに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔2bは、凹部2bに沿って形成しても良い。
【0047】
(画像形成体A4)
図14に画像形成体A4とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4dが形成される。すき入れ画像4dは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4dは図2(c)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、背景領域7と潜像領域8の境界部において、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bを連続的につなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。図14では角度90度の例を示す。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A4が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、同様に潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成される。
【0048】
X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成されている。
【0049】
画像形成体A4は、図15に示すように反射光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合に、図15(b)に示すように、すき入れ画像4dは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4dは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0050】
画像形成体A4は、図14に示したX1方向から特定角度で、図16(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図16(b)に示すように、すき入れ画像4dからなる潜像画像8が視認することができる。図16(c)に示すように凸部3aの線によって、背景領域7の凹部2aの穿孔9aが形成された領域は遮断され、凸部3bの線によって、潜像領域8の凹部2bの一部の領域は遮断されるが、穿孔9bが形成された領域は遮断されることがないため、穿孔9bは、そのままの状態で視認できる。このため、潜像領域8の凹部2bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aのみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0051】
画像形成体A4は、図17(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合に、図17(b)に示すように、すき入れ画像4dが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図17(c)に示すように、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成されているため、透過光量が強くなる。よって、透過光量が強くなることによってすき入れ画像4dの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0052】
画像形成体A4は、図14に示したX1方向から特定角度で、図18(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図18(b)に示すように、すき入れ画像4dからなる潜像画像8が視認することができる。図18(c)に示すように凸部3aの線によって、背景領域7の凹部2aの穿孔9aが形成された領域は遮断され、穿孔9aの透過光は視認されないか、又は、透過光量が減少する。凸部3bの線によって、潜像領域8の凹部2bの一部の領域は遮断されるが、穿孔9bが形成された領域は遮断されることがないため、穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できる。このため、潜像領域8の凹部2bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aの透過光のみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0053】
画像形成体A4は、X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成されているが、X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成してもよい。このように作製した場合は、図16、図18で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0054】
(画像形成体A5)
図19に画像形成体A5とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4eが形成される。すき入れ画像4eは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が異なる方向に形成される。すき入れ画像4aは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定の配列方向と、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定の配列方向が異なっている。図19では90度配列方向が異なっているが本発明はこれに限定されることなく、配列方向が異なっていれば良く、例えば、10°〜170°の範囲で配列方向を異ならせても良い。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであることが好ましい。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A5が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A5の効果を以下に説明する。
【0055】
画像形成体A5は、図20(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合に、図20(b)に示すように、すき入れ画像4eは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4eは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0056】
画像形成体A5は、図21に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図21(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図21(b)に示すように、すき入れ画像4eからなる潜像画像8が視認することができる。図21(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aは、凸部3aの線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0057】
画像形成体A5は、図22(a)に示すように透過光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合に、図22(b)に示すように、すき入れ画像4eが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図22(c)に示すように、背景領域7の凹部2a及び潜像領域8の凹部2bの領域は、背景領域7の凸部3a及び潜像領域8の凸部3bの領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部2aの領域及び潜像領域8の凸部3bの領域は穿孔9が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れ画像4eの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0058】
画像形成体A5は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図23(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図23(b)に示すように、すき入れ画像4eからなる潜像画像8が視認することができる。図23(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3aの線によって遮断され視認することができないか、又は、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0059】
画像形成体A5は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。さらに、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9は、凹部2bに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図21、図23で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0060】
画像形成体A1乃至A5において、凹部2a、凹部2b、凸部3a及び凸部3bの線は直線で形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0061】
(画像形成体A6)
図24に画像形成体A6を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4fが形成される。すき入れ画像4fは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの曲線と凸部3aの曲線が所定のピッチで交互に配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの曲線と凸部3bの曲線が所定のピッチで交互に配列され、曲万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4fは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凹部2aの曲線と凹部2bの曲線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が曲線の形状に配列され画像形成体A6が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A6は、潜像画像(T)が視認できる。画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0062】
画像形成体A1乃至A6において、凹部2a、凹部2b、凸部3a及び凸部3bの線で背景領域及び潜像領域を形成しているが、背景領域の凹部2a及び凸部3aの線のみで形成することができる。又は、潜像領域の凹部2b及び凸部3bの線のみで形成することができる。
【0063】
(画像形成体A7)
図25(a)に画像形成体A7を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4gが形成される。すき入れ画像4gは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域には、凹部の線と凸部の線は形成されることがない。すき入れ画像4gは図2(f)の断面形状で作製される。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A7が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。なお、穿孔9aは背景領域7となる第1の領域の凹部2aに沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8となる第2の領域内に形成される。画像形成体A7は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0064】
(画像形成体A8)
図25(b)に画像形成体A8を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4hが形成される。すき入れ画像4hは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部の線と凸部の線が形成されることなく、潜像領域8となる第2の領域には、凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成される。すき入れ画像4hは図2(f)の断面形状で作製される。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A8が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。なお、穿孔9aは背景領域7となる第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに沿って形成される。画像形成体A8は、画像形成体A6とネガポジが反転されて潜像画像が視認される。
【0065】
画像形成体A1乃至A8において、凹部2a、凹部2b、凸部3a又は凸部3bの線に沿って穿孔9は形成しているが、凹部2a、凹部2b、凸部3a又は凸部3bの複数の線と、穿孔によって形成される複数の線の形状が交差して形成することができる。下記に示す。
【0066】
(画像形成体A9)
図26に画像形成体A9とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4iが形成される。すき入れ画像4iは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4iは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、背景領域7と潜像領域8の境界部において、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bを連続的につなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。図26では角度90度の例を示す。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A9が形成される。基材を貫通するように形成した穿孔が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で、凹部及び凸部が配列される一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成される。凹部2aの線、凸部3aの線、凹部2bの線及び凸部3bの線の配列方向に対して、線の形状に形成される穿孔9の配列方向が異なっており、図26では異なった配列方向から得られる所定の角度が30度で形成されている。所定の角度は特に限定されることはないが、1度から45度の範囲が好ましい。画像形成体A9は、X1方向又はX2方向から特定角度で、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に、すき入れ画像4iからなる潜像画像8が視認され、潜像画像は明暗からなるグラデーションを有する。
【0067】
画像形成体A1乃至画像形成体A8は、すき入れ画像と穿孔によって潜像画像を形成しているが、本発明はこれに限定されることなく、すき入れ画像の代わりに印刷画像を用いて、印刷画像と穿孔によって潜像画像を形成することができる。この場合の印刷画像は、基材と等色のインキ又は透明インキによって印刷画像を形成する必要がある。ここで言う基材と等色の色とは、CIE色差△Eが4以下としている。印刷画像はすき入れ画像と同様に背景領域7及び潜像領域8を有し、凸部は画線で形成し、凹部は非画線で形成する形態、又は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成する形態が挙げられる。この場合は、透過光又は反射光で特定方向及び特定角度で肉眼で観察した場合に、印刷画像からなる潜像画像が視認される。しかしながら、透過光又は反射光で垂直方向から観察した場合は、穿孔群のみが視認される。なお、図27(a)は、印刷画像6aは凸部の画線と非画線で形成されており、図27(b)は、印刷画像6bは、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成されている。
【0068】
次に、すき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を図28を用いて説明する。図28(a)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成してもよい(図示せず)。
【0069】
図28(b)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。ここで言う、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域とは、図28に示すように凸部の最高部から凹部に接続される傾斜部分のことである。
【0070】
図28(c)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成してもよい(図示せず)。
【0071】
図28(d)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。
【0072】
図28(e)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成される例である。穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成される。この場合の穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。この場合は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成するか、又は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成する(図示せず)。
【0073】
以上の図28をまとめると、すき入れ画像の場合の背景領域に形成される穿孔は、背景領域の凹凸形状の第1の傾斜領域、凹凸形状の第2の傾斜領域、凹凸形状の高部の領域及び凹凸形状の低部の領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、潜像領域に形成される穿孔は、潜像領域の凹凸形状の第1の傾斜領域、凹凸形状の第2の傾斜領域、凹凸形状の高部の領域及び凹凸形状の低部の領域の種類のうち、いずれか一つの領域で、且つ、背景領域の穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列すればよい。
【0074】
また、印刷画像の場合の背景領域に形成される穿孔は、背景領域の凸形状の第1の傾斜領域、凸形状の第2の傾斜領域、画線の高部の領域及び非画線の領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、潜像領域に形成される穿孔は、背景領域の凸形状の第1の傾斜領域、凸形状の第2の傾斜領域、画線の高部の領域及び非画線の領域の種類のうち、いずれか一つの領域で、且つ、背景領域の穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列すればよい。
【0075】
凸部の線、凹部の線、凸部の曲線、凹部の曲線、凸部の円状の線、凹部の円状の線等のからなる万線のピッチは、150〜1500μmの範囲であることが好ましい。
【0076】
穿孔のピッチは、3:1乃至1:3程度が好ましい。さらに好ましくは、穿孔のピッチは、1:1程度がよい。穿孔の径は、特に限定させるものではないが、50μm〜500μm程度が好ましい。50μmより小さいと作製上困難となり、500μmより大きいと複製しやすくなり偽造防止効果が低下する。穿孔の大きさを徐々に変えることによって後述する潜像画像に明暗が得られる。よって、穿孔9のX方向のピッチ、Y方向のピッチは、150〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。穿孔の形状は特に限定されることはなく、円形、多角形、特殊形状等で作製でき、また、これらを組み合わせることも可能である。図29に示すように微細な穿孔群によって文字(A)を形成し、文字を所定のピッチで配列しても良く、さらに特殊形状(文字:A)の穿孔を所定のピッチで配列してもよい。穿孔はレーザ加工機で作製可能であり、レーザの種類は特に限定されるものではない。また、穿孔は基材に対して垂直方向に形成することが好ましい。ただし、基材に対して斜めの方向に穿孔を形成しても、観察角度は基材に対して垂直方向に穿孔を形成したものとは異なるが、本発明の効果を得ることができる。また、図30(a)に示すように穿孔の径は基材の深さ方向に対して径が小さくなっても良い。また、図30(b)に示すように基材に対して斜めの方向に穿孔を施してもよい。また、穿孔群10は、図31(a)に示すように文字、図柄等を形成することができる。図31(b)に示すように各穿孔の径は異なっていてもよい。
【0077】
本発明に用いる基材はすき入れ画像を形成する場合は紙基材である。印刷画像を形成する場合は、紙葉類、プラスチック等、特に限定されるものではないが、透明以外の基材が好ましい。基材の厚さは、特に限定されるものでなく60μm程度の薄い材から、800μm程度のカード基材等でも有効である。
【0078】
本発明の潜像領域に形成される潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも1つであることにより、特定方向から観察した場合に容易に真偽判別することができる。当然、本発明の画像形成体に印刷を施すことが可能である。
【実施例】
【0079】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0080】
(実施例1)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから300μmずらして幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図3参照)。
【0081】
実施例1の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0082】
(実施例2)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅500μmの凹部の線と凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから250μmずらして幅500μmの凹部の線と凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凸部の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成され、潜像領域の凸部の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例2の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図8参照)。
【0083】
実施例2の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例2の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例2の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0084】
(実施例3)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は40度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例3の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は100μmである(図13参照)。
【0085】
実施例3の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例3の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例3の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0086】
(実施例4)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は90度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凹部に沿って線の形状に形成し実施例4の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は100μmである(図14参照)。X1方向からは、背景領域となる第1の領域の凹部に形成される穿孔は、潜像領域となる第2の領域の凹部に形成される穿孔よりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域となる第1の領域の凹部に形成される穿孔は、潜像領域となる第2の領域の凹部に形成される穿孔よりも、凸部から離れて形成されている。
【0087】
実施例4の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例4の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例4の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0088】
(実施例5)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる凹部と凸部の所定の配列方向と、潜像領域となる凹部と凸部の所定の配列方向が90度、異なっている。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例5の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは600μmで、穿孔の径は150μmである(図19参照)。
【0089】
実施例5の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例5の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例5の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0090】
(実施例6)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の曲線と、幅300μmの凸部の曲線が所定のピッチで交互に配列し、曲万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから300μmずらして幅300μmの凹部の曲線と、幅300μmの凸部の曲線が所定のピッチで交互に配列し、曲万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って曲線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って曲線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。曲線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図24参照)。
【0091】
実施例6の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0092】
(実施例7)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は40度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例7の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は150μmである(図26参照)。凹部の線及び凸部の線の配列方向に対して、線の形状に形成される穿孔の配列方向が異なっている。異なった配列方向から得られる所定の角度が30度で形成した。よって、凹部の線及び凸部の線と、穿孔で形成させる線の形状は交差することになる。
【0093】
実施例7の画像形成体は、X1方向又はX2方向から特定角度で、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に、すき入れ画像からなる潜像画像が視認され、潜像画像は明暗からなるグラデーションを有していた。
【0094】
(実施例8)
黄色の厚さ約100μmの紙基材に紙基材と等色のインキで印刷画像を印刷した。印刷は凹版印刷で行った。印刷画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凸部の画線と200μmの非画線を所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凸部の画線と200μmの非画線を所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の非画線に沿って線の形状に形成され、潜像領域の凸部の画線に沿って線の形状に形成し実施例8の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである。
【0095】
実施例8の画像形成体は、反射光又は透過光で肉眼で実施例8の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合に印刷画像が視認されることなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に印刷画像が潜像画像として視認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の構成であるすき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状についての説明である。
【図2】本発明の構成である凹凸形状の断面形状についての説明である。
【図3】画像形成体A1とその一部拡大図を示す図である。
【図4】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図5】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図6】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図7】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図8】画像形成体A2とその一部拡大図を示す図である。
【図9】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図10】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図11】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図12】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図13】画像形成体A3とその一部拡大図を示す図である。
【図14】画像形成体A4とその一部拡大図を示す図である。
【図15】反射光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図16】反射光で肉眼で画像形成体A4に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図17】透過光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図18】透過光で肉眼で画像形成体A4に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図19】画像形成体A5とその一部拡大図を示す図である。
【図20】反射光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図21】反射光で肉眼で画像形成体A5に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図22】透過光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図23】透過光で肉眼で画像形成体A5に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図24】画像形成体A6とその一部拡大図を示す図である。
【図25】画像形成体A7及び画像形成体A8を示す図である。
【図26】画像形成体A9を示す図である。
【図27】印刷画像6aは凸部のみで形成された例、又は、印刷画像6bは凹部及び凸部された例を示す図である。
【図28】すき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を示す図である。
【図29】穿孔9の一例を示す図である。
【図30】穿孔9の一例を示す図である。
【図31】穿孔群10の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 基材
1a、1b、1c、1d、1e、1f 表面のベースの高さ
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f 凹部
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f 凸部
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4i すき入れ画像
5 所定領域
6a、6b 印刷画像
7 背景領域
8 潜像領域
9、9a、9b 穿孔
10 穿孔群
11a 第1の傾斜領域
11b 第2の傾斜領域
12 レリーフ画像を形成するための接続線
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9 画像形成体
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の貴重品は、その性質上、偽造又は変造がされにくく、さらに、その貴重品が本物か否か判断できる技術要素が要求される。例えば、その技術要素の一つとしては、貴重品を傾けて観察することで潜像画像が視認され、その視認の有無によって真偽判別を行う技術が知られている。例えば、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状から成る潜像画像が視認できる技術、また、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術等が挙げられる。
【0003】
前記印刷の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状から成る潜像画像が視認できる技術として、例えば、印刷素材に、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかを印刷素材と同色又は近似した色のインキによって隆起した印刷を施し、該印刷画線上に一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを該印刷画線の色及び無色透明以外の異なった他の有色のインキによって該印刷画線に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該隆起した印刷画線と該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該隆起した画線によって構成した図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像印刷物が開示されている(特許文献1)。
【0004】
前記基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像が視認できる技術として、例えば、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかのエンボスによって形成された凹凸形状を有する素材に、素材の色及び無色透明以外の異なった他の色のインキによって、一定の間隔を持つ各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを前述の凹凸形状の図柄以外の部分を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定の間隔の直線で構成された各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該凹凸形状と、該一定の間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該凹凸形状によって形成された図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像模様形成体が開示されている(特許文献2)。
【0005】
前記基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術として、例えば、前記穿孔の形状の差異を利用し、潜像画像を出現させるもの、例えば、基材に、背景部を構成する微細な穿孔と、情報部を構成する穿孔を形成し、背景部の穿孔と情報部の穿孔を、穿孔の形状、寸法及び画素の角度の少なくとも一つ以上が異なるように形成し、真偽判別形成体を反射光で観察した場合に背景部と情報部を区分けして視認できないが、透過光で傾けて観察した場合に背景部と情報部を区分けして視認されてなる技術が開示されている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特許第2600094号公報(第1−6頁、第1−10図)
【特許文献2】特許第2615401号公報(第1−4頁、第2−7図)
【特許文献3】特許第3385461号公報(第1−5頁、第1−3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像が視認できる技術である。特許第2600094号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に凹凸形状からなる潜像画像は視認することはできなかった。特許第2615401号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に印刷画線の影響を受けてすき入れからなる潜像画像の視認性が低下する問題があった。また、基材に対して透過光で傾けて観察した場合にすき入れからなる潜像画像が視認し難い問題があった。上記特許第3385461号公報は、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認されるものであり、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に潜像画像は視認することはできなかった。また、反射光で傾けて観察した場合に潜像画像は視認し難い問題があった。さらに、潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせなければならなかった。このようなことから特許第2600094号公報、特許第2615401号公報及び特許第3385461号公報は限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものであった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものではなく、潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせることなく、穿孔によって潜像画像を形成することなく、反射光及び透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認される。潜像画像をすき入れで形成した場合は、基材を傾けることなく基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合にすき入れの視認性が低下することがない画像形成体を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0010】
また、本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で、前記一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0011】
また、本発明は、前記潜像領域と前記背景領域の境界部において、前記凹部と前記凸部が連続的に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0012】
また、本発明は、基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、且つ、前記潜像領域の前記凹部と前記凸部の配列方向と、前記背景領域の前記凹部と前記凸部の配列方向は、異なって形成され、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、且つ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0013】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状によって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0014】
また、本発明は、前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、且つ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成体である。
【0015】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部が、すき入れによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0016】
また、本発明は、前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部が、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0017】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部が、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする画像形成体である。
【0018】
また、本発明は、前記凸部間のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像形成体は、複数の条件下で潜像画像が視認されるものであり、反射光及び透過光で画像形成体を傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、さらに、潜像画像をすき入れで形成した場合は、基材を傾けることなく基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に潜像画像が視認されるため、潜像画像の視認性の有無、複数の条件下での潜像画像の視認性の有無によって真偽判別が可能となる。よって、特別な真偽判別装置等を用いることなく、その場で上記効果が得られるか否かによって真偽判別することができる。
【0020】
本発明の構成である穿孔は、従来の特許第3385461号公報のように潜像領域と背景領域の穿孔の形状、配置等を異ならせる必要がない。穿孔の形状が同一であっても形成可能であり、配置が一定間隔であっても形成可能である。よって、従来よりも穿孔の配置等のデザインに手間がかかることない。
【0021】
以上のことから、本発明の画像形成体は、真偽判別効果が高く、微細な穿孔で形成するため改竄、複製防止効果があり、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重品に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0023】
本発明の構成であるすき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状について図1を用いて説明する。本発明の構成であるすき入れ画像は、図1(a)乃至図1(f)の形態が実施可能であり、本発明の構成である印刷画像は、図1(a)又は図1(b)の形態が実施可能である。
【0024】
図1(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図1(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図1(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。この場合の凸部3aは、すき入れ画像の場合は、基材1と同様に繊維で形成され、印刷画像の場合はインキによって形成される。
【0025】
図1(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図1(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図1(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。この場合の凸部3bは、すき入れ画像の場合は、基材1と同様に繊維で形成され、印刷画像の場合はインキによって形成される。
【0026】
図1(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図1(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図1(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い場合もある。
【0027】
図1(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図1(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図1(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0028】
図1(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図1(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図1(e)に示すように領域2の範囲である。
【0029】
図1(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図1(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図1(f)に示すように領域2の範囲である。
【0030】
図1の構成は下記に示す画像形成体A1乃至A9に用いることができる。図1に示すように基材1の表面は凹部及び凸部が形成され、基材1の裏面は基材1の表面に比べて平滑性を有している。本発明の構成であるすき入れ画像は、すき入れが作製できる抄紙機によって、紙を作製する段階で形成される。すき入れ画像で形成する場合の基材は紙基材である。本発明の構成である印刷画像は、インキ盛りを有する印刷(凹版印刷、スクリーン印刷、発泡印刷等:インキ盛りが形成できれば印刷方式は限定されるものではない)によって作製される。インキの色彩は、基材と等色又は透明インキによって形成される。印刷画像で形成する場合の基材は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、印刷、すき入れ以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部3と凹部2の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0031】
次に、本発明の構成である凹凸形状の断面形状について図2を用いて説明する。図2(a)は三角形状の凸部3である。図2(b)は三角形状の凹部2である。図2(c)は台形状の凸部3である。図2(d)は台形状の凹部2である。図2(e)は四角形状の凸部3である。図2(f)は四角形状の凹部2である。図2(g)は蒲鉾状の凸部3である。図2(h)は蒲鉾状の凹部2である。図2(i)は直角三角形状の凸部3である。図2(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図2に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図2(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0032】
(画像形成体A1)
図3に画像形成体A1とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4aが形成される。すき入れ画像4aは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4aは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A1が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A1の効果を以下に説明する。
【0033】
画像形成体A1は、図4(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図4(b)に示すように、すき入れ画像4aは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4aは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0034】
画像形成体A1は、図3に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図5(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図5(b)に示すように、すき入れ画像4aからなる潜像画像8が視認することができる。図5(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aは、凸部3aの線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0035】
画像形成体A1は、図6(a)に示すように透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図6(b)に示すように、すき入れ画像4aが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図6(c)に示すように、背景領域7の凹部2a及び潜像領域8の凹部2bの領域は、背景領域7の凸部3a及び潜像領域8の凸部3bの領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部2aの領域及び潜像領域8の凸部3bの領域は穿孔9が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れ画像4aの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0036】
画像形成体A1は、図3に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図7(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図7(b)に示すように、すき入れ画像4aからなる潜像画像8が視認することができる。図7(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3aの線によって遮断され視認することができないか、又は、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0037】
画像形成体A1は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図5、図7で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0038】
(画像形成体A2)
図8に画像形成体A2とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4bが形成される。すき入れ画像4bは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4bは図1(a)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凸部3aの線と凸部3bの線は、同一の高さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A2が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A2の効果を以下に説明する。
【0039】
画像形成体A2は、図9(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図9(b)に示すように、すき入れ画像4bは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4bは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認しにくい状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0040】
画像形成体A2は、図8に示したX1方向から特定角度で、図10(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図10(b)に示すように、すき入れ画像4bからなる潜像画像8が視認することができる。X1方向から特定角度で観察した場合は、第2の傾斜領域11bの領域は視認することができるが、第1の傾斜領域11aの領域は視認することができない。よって、背景領域7となる第1の領域に形成される第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは視認されることなく、潜像領域8となる第2の領域に形成される第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、視認される。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aのみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0041】
画像形成体A2は、図11(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図11(b)に示すように、すき入れ画像4bを視認することができる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図11(c)に示すように、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているため、透過光量が強くなる。よって、透過光量が強くなることによってすき入れ画像4bの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0042】
画像形成体A2は、図8に示したX1方向から特定角度で、図12(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図12(b)に示すように、すき入れ画像4bからなる潜像画像8が視認することができる。X1方向から特定角度で観察した場合は、第2の傾斜領域11bの領域は視認することができるが、第1の傾斜領域11aの領域は視認することができない。よって、背景領域7となる第1の領域に形成される第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aの透過光は視認されないか、又は、透過光量が減少する。潜像領域8となる第2の領域に形成される第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、視認される。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aの透過光のみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0043】
画像形成体A2は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図10及び図12で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0044】
(画像形成体A3)
図13に画像形成体A3とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4cが形成される。すき入れ画像4cは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4cは図2(g)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、また、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bをつなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A3が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。
【0045】
つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。又は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔2bは、画像形成体A2に示したように第1の傾斜領域11a又は第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A3は画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0046】
画像形成体A3は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。又は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aの第1の傾斜領域11a又は第2の傾斜領域11bに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔2bは、凹部2bに沿って形成しても良い。
【0047】
(画像形成体A4)
図14に画像形成体A4とその一部拡大図を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4dが形成される。すき入れ画像4dは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4dは図2(c)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、背景領域7と潜像領域8の境界部において、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bを連続的につなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。図14では角度90度の例を示す。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A4が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、同様に潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成される。
【0048】
X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成されている。
【0049】
画像形成体A4は、図15に示すように反射光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合に、図15(b)に示すように、すき入れ画像4dは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4dは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0050】
画像形成体A4は、図14に示したX1方向から特定角度で、図16(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図16(b)に示すように、すき入れ画像4dからなる潜像画像8が視認することができる。図16(c)に示すように凸部3aの線によって、背景領域7の凹部2aの穿孔9aが形成された領域は遮断され、凸部3bの線によって、潜像領域8の凹部2bの一部の領域は遮断されるが、穿孔9bが形成された領域は遮断されることがないため、穿孔9bは、そのままの状態で視認できる。このため、潜像領域8の凹部2bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aのみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0051】
画像形成体A4は、図17(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合に、図17(b)に示すように、すき入れ画像4dが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図17(c)に示すように、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成されているため、透過光量が強くなる。よって、透過光量が強くなることによってすき入れ画像4dの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0052】
画像形成体A4は、図14に示したX1方向から特定角度で、図18(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図18(b)に示すように、すき入れ画像4dからなる潜像画像8が視認することができる。図18(c)に示すように凸部3aの線によって、背景領域7の凹部2aの穿孔9aが形成された領域は遮断され、穿孔9aの透過光は視認されないか、又は、透過光量が減少する。凸部3bの線によって、潜像領域8の凹部2bの一部の領域は遮断されるが、穿孔9bが形成された領域は遮断されることがないため、穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できる。このため、潜像領域8の凹部2bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。また、X2方向から観察した場合に背景領域の穿孔9aの透過光のみが視認され、背景領域の穿孔9aで形成した潜像画像(P)が視認される。
【0053】
画像形成体A4は、X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成されているが、X1方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部から離れて形成され、X2方向からは、背景領域7となる第1の領域の凹部2aに形成される穿孔9aは、潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに形成される穿孔9bよりも、凸部の近くに形成してもよい。このように作製した場合は、図16、図18で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0054】
(画像形成体A5)
図19に画像形成体A5とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4eが形成される。すき入れ画像4eは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が異なる方向に形成される。すき入れ画像4aは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定の配列方向と、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定の配列方向が異なっている。図19では90度配列方向が異なっているが本発明はこれに限定されることなく、配列方向が異なっていれば良く、例えば、10°〜170°の範囲で配列方向を異ならせても良い。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであることが好ましい。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A5が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A5の効果を以下に説明する。
【0055】
画像形成体A5は、図20(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合に、図20(b)に示すように、すき入れ画像4eは視認することができなく、穿孔群10のみが視認される。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術であり、さらに、すき入れ画像4eは、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。また、穿孔9は基材を貫通しているため、穿孔9が形成された領域と穿孔9が形成されていない領域でコントラストが生じるため、穿孔群10が視認可能となる。
【0056】
画像形成体A5は、図21に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図21(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図21(b)に示すように、すき入れ画像4eからなる潜像画像8が視認することができる。図21(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aは、凸部3aの線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0057】
画像形成体A5は、図22(a)に示すように透過光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合に、図22(b)に示すように、すき入れ画像4eが視認することができる。すき入れは、反射光では視認できず、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図22(c)に示すように、背景領域7の凹部2a及び潜像領域8の凹部2bの領域は、背景領域7の凸部3a及び潜像領域8の凸部3bの領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部2aの領域及び潜像領域8の凸部3bの領域は穿孔9が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れ画像4eの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0058】
画像形成体A5は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図23(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図23(b)に示すように、すき入れ画像4eからなる潜像画像8が視認することができる。図23(c)に示すように潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2aの線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3aの線によって遮断され視認することができないか、又は、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3bの線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0059】
画像形成体A5は、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成されているが、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2bに沿って形成しても良い。さらに、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3aに沿って形成し、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9は、凹部2bに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図21、図23で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0060】
画像形成体A1乃至A5において、凹部2a、凹部2b、凸部3a及び凸部3bの線は直線で形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0061】
(画像形成体A6)
図24に画像形成体A6を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4fが形成される。すき入れ画像4fは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの曲線と凸部3aの曲線が所定のピッチで交互に配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの曲線と凸部3bの曲線が所定のピッチで交互に配列され、曲万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4fは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。凹部2aの曲線と凹部2bの曲線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が曲線の形状に配列され画像形成体A6が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2aに沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3bに沿って形成される。つまり、背景領域7となる第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8となる第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A6は、潜像画像(T)が視認できる。画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0062】
画像形成体A1乃至A6において、凹部2a、凹部2b、凸部3a及び凸部3bの線で背景領域及び潜像領域を形成しているが、背景領域の凹部2a及び凸部3aの線のみで形成することができる。又は、潜像領域の凹部2b及び凸部3bの線のみで形成することができる。
【0063】
(画像形成体A7)
図25(a)に画像形成体A7を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4gが形成される。すき入れ画像4gは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域には、凹部の線と凸部の線は形成されることがない。すき入れ画像4gは図2(f)の断面形状で作製される。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A7が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。なお、穿孔9aは背景領域7となる第1の領域の凹部2aに沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8となる第2の領域内に形成される。画像形成体A7は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0064】
(画像形成体A8)
図25(b)に画像形成体A8を示す。基材1の一表面に所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4hが形成される。すき入れ画像4hは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部の線と凸部の線が形成されることなく、潜像領域8となる第2の領域には、凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成される。すき入れ画像4hは図2(f)の断面形状で作製される。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A8が形成される。基材1を貫通するように形成した穿孔9が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で万線状に形成されている。なお、穿孔9aは背景領域7となる第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる第2の領域の凹部2bに沿って形成される。画像形成体A8は、画像形成体A6とネガポジが反転されて潜像画像が視認される。
【0065】
画像形成体A1乃至A8において、凹部2a、凹部2b、凸部3a又は凸部3bの線に沿って穿孔9は形成しているが、凹部2a、凹部2b、凸部3a又は凸部3bの複数の線と、穿孔によって形成される複数の線の形状が交差して形成することができる。下記に示す。
【0066】
(画像形成体A9)
図26に画像形成体A9とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5にすき入れ画像4iが形成される。すき入れ画像4iは背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に区分けされ、背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線が所定のピッチで交互に配列され、万線状に形成され、凹凸形状を有して形成される。背景領域7となる第1の領域に凹部2aの線と凸部3aの線の配列方向と、潜像領域8となる第2の領域に凹部2bの線と凸部3bの線の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。すき入れ画像4iは図2(f)の断面形状で作製される。さらに、背景領域7となる凹部2aと凸部3aの所定のピッチと、潜像領域8となる凹部2bと凸部3bの所定のピッチは、同一のピッチで、且つ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。さらに、背景領域7と潜像領域8の境界部において、背景領域7となる凹部2aの線及び潜像領域8となる凹部2bの線をつなぐ接続線12、背景領域7となる凸部3aの線及び潜像領域8となる凸部3bを連続的につなぐ接続線12を形成し、すき入れ画像4cがレリーフ画像となっている。凹部2bの線と凸部3aの線、凸部3aの線と凸部3bをつなぐ接続線12の角度は特に限定されるものではない。図26では角度90度の例を示す。凹部2aの線と凹部2bの線は、同一の深さであることが好ましい。背景領域7となる第1の領域と、潜像領域8となる第2の領域に所定のピッチで基材を貫通した穿孔9が線の形状に配列され画像形成体A9が形成される。基材を貫通するように形成した穿孔が、潜像領域8及び背景領域7において、凹部及び凸部と同一の所定のピッチを有し、且つ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で穿孔のずれがない)で、凹部及び凸部が配列される一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成される。凹部2aの線、凸部3aの線、凹部2bの線及び凸部3bの線の配列方向に対して、線の形状に形成される穿孔9の配列方向が異なっており、図26では異なった配列方向から得られる所定の角度が30度で形成されている。所定の角度は特に限定されることはないが、1度から45度の範囲が好ましい。画像形成体A9は、X1方向又はX2方向から特定角度で、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に、すき入れ画像4iからなる潜像画像8が視認され、潜像画像は明暗からなるグラデーションを有する。
【0067】
画像形成体A1乃至画像形成体A8は、すき入れ画像と穿孔によって潜像画像を形成しているが、本発明はこれに限定されることなく、すき入れ画像の代わりに印刷画像を用いて、印刷画像と穿孔によって潜像画像を形成することができる。この場合の印刷画像は、基材と等色のインキ又は透明インキによって印刷画像を形成する必要がある。ここで言う基材と等色の色とは、CIE色差△Eが4以下としている。印刷画像はすき入れ画像と同様に背景領域7及び潜像領域8を有し、凸部は画線で形成し、凹部は非画線で形成する形態、又は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成する形態が挙げられる。この場合は、透過光又は反射光で特定方向及び特定角度で肉眼で観察した場合に、印刷画像からなる潜像画像が視認される。しかしながら、透過光又は反射光で垂直方向から観察した場合は、穿孔群のみが視認される。なお、図27(a)は、印刷画像6aは凸部の画線と非画線で形成されており、図27(b)は、印刷画像6bは、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成されている。
【0068】
次に、すき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を図28を用いて説明する。図28(a)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成してもよい(図示せず)。
【0069】
図28(b)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。ここで言う、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域とは、図28に示すように凸部の最高部から凹部に接続される傾斜部分のことである。
【0070】
図28(c)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凹部2aの線に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凹部2bの線に形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成してもよい(図示せず)。
【0071】
図28(d)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの線の最高部に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの線の最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。
【0072】
図28(e)に示すように穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第1の傾斜領域11aに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第1の傾斜領域11aに形成される例である。穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成される。この場合の穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7となる凸部3aの第2の傾斜領域11bに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8となる凸部3bの第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。この場合は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成するか、又は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成する(図示せず)。
【0073】
以上の図28をまとめると、すき入れ画像の場合の背景領域に形成される穿孔は、背景領域の凹凸形状の第1の傾斜領域、凹凸形状の第2の傾斜領域、凹凸形状の高部の領域及び凹凸形状の低部の領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、潜像領域に形成される穿孔は、潜像領域の凹凸形状の第1の傾斜領域、凹凸形状の第2の傾斜領域、凹凸形状の高部の領域及び凹凸形状の低部の領域の種類のうち、いずれか一つの領域で、且つ、背景領域の穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列すればよい。
【0074】
また、印刷画像の場合の背景領域に形成される穿孔は、背景領域の凸形状の第1の傾斜領域、凸形状の第2の傾斜領域、画線の高部の領域及び非画線の領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、潜像領域に形成される穿孔は、背景領域の凸形状の第1の傾斜領域、凸形状の第2の傾斜領域、画線の高部の領域及び非画線の領域の種類のうち、いずれか一つの領域で、且つ、背景領域の穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列すればよい。
【0075】
凸部の線、凹部の線、凸部の曲線、凹部の曲線、凸部の円状の線、凹部の円状の線等のからなる万線のピッチは、150〜1500μmの範囲であることが好ましい。
【0076】
穿孔のピッチは、3:1乃至1:3程度が好ましい。さらに好ましくは、穿孔のピッチは、1:1程度がよい。穿孔の径は、特に限定させるものではないが、50μm〜500μm程度が好ましい。50μmより小さいと作製上困難となり、500μmより大きいと複製しやすくなり偽造防止効果が低下する。穿孔の大きさを徐々に変えることによって後述する潜像画像に明暗が得られる。よって、穿孔9のX方向のピッチ、Y方向のピッチは、150〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。穿孔の形状は特に限定されることはなく、円形、多角形、特殊形状等で作製でき、また、これらを組み合わせることも可能である。図29に示すように微細な穿孔群によって文字(A)を形成し、文字を所定のピッチで配列しても良く、さらに特殊形状(文字:A)の穿孔を所定のピッチで配列してもよい。穿孔はレーザ加工機で作製可能であり、レーザの種類は特に限定されるものではない。また、穿孔は基材に対して垂直方向に形成することが好ましい。ただし、基材に対して斜めの方向に穿孔を形成しても、観察角度は基材に対して垂直方向に穿孔を形成したものとは異なるが、本発明の効果を得ることができる。また、図30(a)に示すように穿孔の径は基材の深さ方向に対して径が小さくなっても良い。また、図30(b)に示すように基材に対して斜めの方向に穿孔を施してもよい。また、穿孔群10は、図31(a)に示すように文字、図柄等を形成することができる。図31(b)に示すように各穿孔の径は異なっていてもよい。
【0077】
本発明に用いる基材はすき入れ画像を形成する場合は紙基材である。印刷画像を形成する場合は、紙葉類、プラスチック等、特に限定されるものではないが、透明以外の基材が好ましい。基材の厚さは、特に限定されるものでなく60μm程度の薄い材から、800μm程度のカード基材等でも有効である。
【0078】
本発明の潜像領域に形成される潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも1つであることにより、特定方向から観察した場合に容易に真偽判別することができる。当然、本発明の画像形成体に印刷を施すことが可能である。
【実施例】
【0079】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0080】
(実施例1)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから300μmずらして幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図3参照)。
【0081】
実施例1の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0082】
(実施例2)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅500μmの凹部の線と凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから250μmずらして幅500μmの凹部の線と凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凸部の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成され、潜像領域の凸部の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例2の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図8参照)。
【0083】
実施例2の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例2の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例2の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0084】
(実施例3)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は40度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例3の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は100μmである(図13参照)。
【0085】
実施例3の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例3の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例3の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0086】
(実施例4)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は90度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凹部に沿って線の形状に形成し実施例4の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は100μmである(図14参照)。X1方向からは、背景領域となる第1の領域の凹部に形成される穿孔は、潜像領域となる第2の領域の凹部に形成される穿孔よりも、凸部の近くに形成され、X2方向からは、背景領域となる第1の領域の凹部に形成される穿孔は、潜像領域となる第2の領域の凹部に形成される穿孔よりも、凸部から離れて形成されている。
【0087】
実施例4の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例4の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例4の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0088】
(実施例5)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる凹部と凸部の所定の配列方向と、潜像領域となる凹部と凸部の所定の配列方向が90度、異なっている。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例5の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは600μmで、穿孔の径は150μmである(図19参照)。
【0089】
実施例5の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例5の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例5の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0090】
(実施例6)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅300μmの凹部の曲線と、幅300μmの凸部の曲線が所定のピッチで交互に配列し、曲万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから300μmずらして幅300μmの凹部の曲線と、幅300μmの凸部の曲線が所定のピッチで交互に配列し、曲万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って曲線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って曲線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。曲線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである(図24参照)。
【0091】
実施例6の画像形成体は、反射光で肉眼で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合にすき入れ画像が視認することができなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合にすき入れ画像が潜像画像として視認することができた。透過光で実施例1の画像形成体に対して垂直方向から肉眼で観察した場合にすき入れ画像が視認することができた。
【0092】
(実施例7)
抄紙機によって所定領域にすき入れ画像を有する厚さ約80μmの紙基材を形成した。すき入れ画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凹部の線と、幅200μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。さらに、背景領域と潜像領域の境界部において、背景領域となる凹部の線及び潜像領域となる凹部の線を繋ぐ接続線、背景領域となる凸部の線及び潜像領域となる凸部を連続的に繋ぐ接続線を形成し、すき入れ画像がレリーフ画像の形状とした。なお、接続線の成す角度は40度である。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域となる第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例7の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは300μmで、穿孔の径は150μmである(図26参照)。凹部の線及び凸部の線の配列方向に対して、線の形状に形成される穿孔の配列方向が異なっている。異なった配列方向から得られる所定の角度が30度で形成した。よって、凹部の線及び凸部の線と、穿孔で形成させる線の形状は交差することになる。
【0093】
実施例7の画像形成体は、X1方向又はX2方向から特定角度で、透過光又は反射光で肉眼で観察した場合に、すき入れ画像からなる潜像画像が視認され、潜像画像は明暗からなるグラデーションを有していた。
【0094】
(実施例8)
黄色の厚さ約100μmの紙基材に紙基材と等色のインキで印刷画像を印刷した。印刷は凹版印刷で行った。印刷画像は背景領域となる第1の領域と、潜像領域となる第2の領域に区分され、背景領域となる第1の領域に幅200μmの凸部の画線と200μmの非画線を所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成し、潜像領域となる第2の領域に背景領域のピッチから200μmずらして幅200μmの凸部の画線と200μmの非画線を所定のピッチで交互に配列し、万線状に形成した。背景領域となる第1の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向と、潜像領域となる第2の領域に凹部の線と凸部の線の配列方向が一方向(同一方向)に形成した。背景領域となる第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の非画線に沿って線の形状に形成され、潜像領域の凸部の画線に沿って線の形状に形成し実施例8の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmである。
【0095】
実施例8の画像形成体は、反射光又は透過光で肉眼で実施例8の画像形成体に対して垂直方向から観察した場合に印刷画像が視認されることなく、穿孔群のみが視認された。反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に印刷画像が潜像画像として視認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の構成であるすき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状についての説明である。
【図2】本発明の構成である凹凸形状の断面形状についての説明である。
【図3】画像形成体A1とその一部拡大図を示す図である。
【図4】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図5】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図6】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図7】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図8】画像形成体A2とその一部拡大図を示す図である。
【図9】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図10】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図11】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図12】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図13】画像形成体A3とその一部拡大図を示す図である。
【図14】画像形成体A4とその一部拡大図を示す図である。
【図15】反射光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図16】反射光で肉眼で画像形成体A4に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図17】透過光で肉眼で画像形成体A4に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図18】透過光で肉眼で画像形成体A4に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図19】画像形成体A5とその一部拡大図を示す図である。
【図20】反射光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図21】反射光で肉眼で画像形成体A5に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図22】透過光で肉眼で画像形成体A5に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図23】透過光で肉眼で画像形成体A5に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図24】画像形成体A6とその一部拡大図を示す図である。
【図25】画像形成体A7及び画像形成体A8を示す図である。
【図26】画像形成体A9を示す図である。
【図27】印刷画像6aは凸部のみで形成された例、又は、印刷画像6bは凹部及び凸部された例を示す図である。
【図28】すき入れ画像又は印刷画像を形成する凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を示す図である。
【図29】穿孔9の一例を示す図である。
【図30】穿孔9の一例を示す図である。
【図31】穿孔群10の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 基材
1a、1b、1c、1d、1e、1f 表面のベースの高さ
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f 凹部
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f 凸部
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4i すき入れ画像
5 所定領域
6a、6b 印刷画像
7 背景領域
8 潜像領域
9、9a、9b 穿孔
10 穿孔群
11a 第1の傾斜領域
11b 第2の傾斜領域
12 レリーフ画像を形成するための接続線
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9 画像形成体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で、前記一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項3】
前記潜像領域と前記背景領域の境界部において、
前記凹部と前記凸部が連続的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体。
【請求項4】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、前記潜像領域の前記凹部と前記凸部の配列方向と、前記背景領域の前記凹部と前記凸部の配列方向は、異なって形成され、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、
前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項5】
前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状によって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項6】
前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成体。
【請求項7】
前記凹部及び前記凸部が、すき入れによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成体。
【請求項8】
前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部が、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成体。
【請求項9】
前記凹部及び前記凸部が、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【請求項10】
前記凸部間のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の画像形成体。
【請求項1】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で、前記一方向に対して所定の角度を有する方向に沿って万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項3】
前記潜像領域と前記背景領域の境界部において、
前記凹部と前記凸部が連続的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体。
【請求項4】
基材の一表面に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、凹部と凸部が万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域の前記凸部間の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、前記潜像領域の前記凹部と前記凸部の配列方向と、前記背景領域の前記凹部と前記凸部の配列方向は、異なって形成され、前記基材を貫通するように形成した穿孔が、
前記潜像領域及び前記背景領域において、
前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で万線状に形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項5】
前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状によって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項6】
前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成体。
【請求項7】
前記凹部及び前記凸部が、すき入れによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成体。
【請求項8】
前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部が、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成体。
【請求項9】
前記凹部及び前記凸部が、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【請求項10】
前記凸部間のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の画像形成体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2007−196412(P2007−196412A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14660(P2006−14660)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
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