画像形成体
【課題】 本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【解決手段】 基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【解決手段】 基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の貴重品は、その性質上、偽造、変造されにくく、さらに、その貴重品が本物か否か判断できる技術要素が要求される。例えば、その技術要素の一つとしては、貴重品を傾けて観察することで潜像画像が視認され、その視認の有無によって真偽判別を行う技術が知られている。例えば、インキの盛り又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する基材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術、また、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術等が挙げられる。
【0003】
前記基材にインキの盛りによって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術として、例えば、印刷素材に、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかを印刷素材と同色又は近似した色のインキによって隆起した印刷を施し、該印刷画線上に一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを該印刷画線の色及び無色透明以外の異なった他の有色のインキによって該印刷画線に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該隆起した印刷画線と該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該隆起した画線によって構成した図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像印刷物が開示されている(特許文献1)。
【0004】
前記基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術として、例えば、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかのエンボスによって形成された凹凸形状を有する素材に、素材の色及び無色透明以外の異なった他の色のインキによって、一定な間隔を持つ各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを前述の凹凸形状の図柄以外の部分を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定の間隔の直線で構成された各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該凹凸形状と、該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該凹凸形状によって形成された図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像模様形成体が開示されている(特許文献2)。
【0005】
前記基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術として、例えば、前記穿孔の形状の差異を利用し、潜像画像を出現させるもの、例えば、基材に、背景部を構成する微細な穿孔と、情報部を構成する穿孔を形成し、背景部の穿孔と情報部の穿孔を、穿孔の形状、寸法及び画素の角度の少なくとも一つ以上が異なるように形成し、真偽判別形成体を反射光で観察した場合に背景部と情報部は区分けして視認できないが、透過光で傾けて観察した場合に背景部と情報部は区分けして視認される技術が開示されている(特許文献3)。
【0006】
基材に、目視しにくい程度の多数の微細な背景穿孔と、この背景穿孔とずらして配列した情報穿孔を形成して真偽判別形成体を構成し、この基材を、RGB(赤、緑、青)のいずれかを呈する色要素が多数配列されて成る色要素画面上に置いて真偽判別を可能とする技術が開示されている(特許文献4)。
【0007】
【特許文献1】特許第2600094号公報(第1−6頁、第1−10図)
【特許文献2】特許第2615401号公報(第1−4頁、第2−7図)
【特許文献3】特許第3385461号公報(第1−5頁、第1−3図)
【特許文献4】特許第3388388号公報(第1−10頁、第1−9図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術である。特許第2600094号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像は視認することはできなかった。特許第2615401号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に印刷画線の影響を受けてすき入れによって形成される潜像画像の視認性が低下する問題があった。また、基材に対して透過光で傾けて観察した場合にすき入れによって形成される潜像画像が視認し難い問題があった。また、特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、凹凸形状によって潜像画像を形成するものであった。また、特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、一表面から潜像画像が視認されるものであり、両面から潜像画像を視認できるようにするためには、表面及び裏面に印刷画線を形成する必要があった。
【0009】
上記特許第3385461号公報は、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認されるものであるが、基材をほぼ水平方向に傾けなければ潜像画像は視認することはできなかった。上記特許第3388388号公報は、判別フィルタを重ね合わせなければ潜像画像は視認することができなかった。
【0010】
このようなことから特許第2600094号公報、特許第2615401号公報、特許第3385461号公報及び第3388388号公報は限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものであった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものではなく、凹凸形状によって潜像画像を形成することなく、反射光及び透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、また、本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成した場合は、表面及び裏面に印刷画線を形成することなく、表面及び裏面の両面から潜像画像が視認され、さらに、判別フィルタを用いることなく、基材を水平方向まで傾けることなく潜像画像が視認できる画像形成体を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0013】
また、本発明は、基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、ドット状の凹部とドット状の凸部を有し、前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、縦方向及び横方向に交互に配列されてマトリックス状に形成され、前記マトリックス状に形成される前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0014】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状よって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体である。
【0015】
また、本発明は、前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成体である。
【0016】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部は、すき入れによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0017】
また、本発明は、前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部は、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0018】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部は、エンボスによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0019】
また、本発明は、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする画像形成体である。
【0020】
また、本発明は、前記線状の凹部と前記線状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【0021】
また、本発明は、前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成体は、複数の条件下で潜像画像が視認されるものであり、反射光及び透過光で画像形成体を傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、潜像画像の視認性の有無、複数の条件下での潜像画像の視認性の有無によって真偽判別が可能となる。よって、特別な真偽判別装置等を用いることなく、その場で上記効果が得られるか否かによって真偽判別することができる。
【0023】
本発明の構成である凹凸形状を形成することによって判別フィルタを用いることなく、基材を水平方向まで傾けることなく浅い角度で潜像画像が視認できるため、容易に真偽判別ができる。
【0024】
また、本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成した場合は、表面及び裏面に印刷画線を形成することなく、表面及び裏面の両面から潜像画像が視認される。
【0025】
本発明の構成である凹凸形状は、従来の特許第特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報のように凹凸形状によって潜像画像を形成する必要がないため、凹凸形状を作製する際に複雑な形状にする必要がないため作製に手間がかからない。
【0026】
以上のことから、本発明の画像形成体は、真偽判別効果が高く、微細な穿孔で形成するため改ざん、複製防止効果のあり、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重品に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0028】
本発明の構成である万線状又はドット状の凹部と凸部について図1及び図2を用いて説明する。本発明の構成である凹部と凸部をすき入れで形成する場合は、図1(a)乃至図1(f)の形態が実施可能であり、本発明の構成である凹部と凸部を印刷で形成する場合は、図1(a)又は図1(b)の形態が実施可能である。さらに、本発明の構成である凹部と凸部をエンボスで形成する場合は、図2(a)乃至図2(f)の形態が実施可能である。
【0029】
図1(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図1(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図1(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。
【0030】
図1(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図1(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図1(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。
【0031】
図1(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図1(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図1(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い場合もある。
【0032】
図1(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図1(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図1(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0033】
図1(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図1(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図1(e)に示すように領域2の範囲である。
【0034】
図1(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図1(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図1(f)に示すように領域2の範囲である。
【0035】
図1の構成は下記に示す画像形成体A1乃至A6に用いることができる。図1に示すように基材1の表面は凹部及び凸部が形成され、基材1の裏面は基材1の表面に比べて平滑を有している。本発明の構成である凹部と凸部をすき入れで形成する場合は、すき入れが作製できる抄紙機によって、紙を作製する段階で形成される。すき入れで形成する場合の基材は紙基材である。本発明の構成である凹部と凸部を印刷で形成する場合は、インキ盛りを有する印刷(凹版印刷、スクリーン印刷、発泡印刷等:インキ盛りが形成できれば印刷方式は限定されるものではない)によって作製される。インキの色彩は、基材と等色又は透明インキによって形成され、基材の種類は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、印刷、すき入れ以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部と凹部の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0036】
図2(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図2(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図2(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。
【0037】
図2(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図2(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図2(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。
【0038】
図2(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図2(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図2(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い形状となる場合もある。
【0039】
図2(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図2(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図2(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0040】
図2(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図2(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図2(e)に示すように領域2の範囲である。
【0041】
図2(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図2(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図2(f)に示すように領域2の範囲である。
【0042】
図2の構成は下記に示す画像形成体A7乃至A12に用いることができる。図2に示すように基材1の表面及び裏面は凹部及び凸部が形成される。本発明の構成であるエンボスは、エンボスが作製できるプレス機によって、紙等に圧力をかけて作製される。基材は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、エンボス以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部と凹部の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0043】
次に、本発明の構成であるすき入れ又は印刷で形成する凹凸形状の断面形状について図3を用いて説明する。図3(a)は三角形状の凸部3である。図3(b)は三角形状の凹部2である。図3(c)は台形状の凸部3である。図3(d)は台形状の凹部2である。図3(e)は四角形状の凸部3である。図3(f)は四角形状の凹部2である。図3(g)は蒲鉾状の凸部3である。図3(h)は蒲鉾状の凹部2である。図3(i)は直角三角形状の凸部3である。図3(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図3に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図3(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0044】
次に、本発明の構成であるエンボスで形成する凹凸形状の断面形状について図4を用いて説明する。図4(a)は三角形状の凸部3である。図4(b)は三角形状の凹部2である。図4(c)は台形状の凸部3である。図4(d)は台形状の凹部2である。図4(e)は四角形状の凸部3である。図4(f)は四角形状の凹部2である。図4(g)は蒲鉾状の凸部3である。図4(h)は蒲鉾状の凹部2である。図4(i)は直角三角形状の凸部3である。図4(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図4に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図4(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0045】
(画像形成体A1)
図5に画像形成体A1とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4aが形成される。穿孔画像4aは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A1が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A1の効果を以下に説明する。
【0046】
画像形成体A1は、図6(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図6(b)に示すように、穿孔画像4aは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4aは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0047】
画像形成体A1は、図5に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図7(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図7(b)に示すように、穿孔画像4aの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図7(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aは、凸部3の線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0048】
画像形成体A1は、図8(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図8(b)に示すように、穿孔画像4aが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3の万線が確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図8(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部の領域及び潜像領域8の凸部の領域は穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0049】
画像形成体A1は、図5に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図9(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図9(b)に示すように、穿孔画像4aの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図9(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3の線によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0050】
画像形成体A1は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図7、図9で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0051】
(画像形成体A2)
図10に画像形成体A2とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4bが形成される。穿孔画像4bは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A2が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図1(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A2の効果を以下に説明する。
【0052】
画像形成体A2は、図11(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図11(b)に示すように、穿孔画像4bは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4bは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0053】
画像形成体A2は、図10に示したX1方向から特定角度で、図12(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図12(b)に示すように、穿孔画像4bの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図12(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができない。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガとポジが反転する。
【0054】
画像形成体A2は、図13(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図13(b)に示すように、穿孔画像4bが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3の万線が確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図13(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の第1の傾斜領域11a及び潜像領域8の第2の傾斜領域11bは穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0055】
画像形成体A2は、図10に示したX1方向から特定角度で、図14(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図14(b)に示すように、穿孔画像4bの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図14(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成に形成される穿孔9aの透過光は、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガとポジが反転する。
【0056】
画像形成体A2は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図12及び図14で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0057】
(画像形成体A3)
図15に画像形成体A3とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4cが形成される。穿孔画像4cは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成されるドット状の凹部2とドット状の凸部3が交互にマトリックス状に形成され、凸部間のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A3が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に形成される。画像形成体A3の効果を以下に説明する。
【0058】
画像形成体A3は、図16(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合に、図16(b)に示すように、穿孔画像4cは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4cは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0059】
画像形成体A3は、図15に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図17(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図17(b)に示すように、穿孔画像4cの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図17(c)に示すように潜像領域8の凸部3のドットに形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aは、凸部3によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0060】
画像形成体A3は、図18(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合に、図18(b)に示すように、穿孔画像4cが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3のドットが確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図18(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部の領域及び潜像領域8の凸部の領域は穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0061】
画像形成体A3は、図15に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図19(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図19(b)に示すように、穿孔画像4cの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図19(c)に示すように潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0062】
画像形成体A3は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に形成しても良い。このように作製した場合は、図17、図19で説明した潜像画像(T)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0063】
画像形成体A1乃至A3において、凹部2及び凸部3の万線又はドットで形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0064】
(画像形成体A4)
図20に画像形成体A4とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4dが形成される。穿孔画像4dは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる曲万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる曲万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる曲万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A4が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図1(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A4は、画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0065】
画像形成体A1乃至A4において、凹部2及び凸部3の線は、背景領域及び潜像領域内を形成しているが、背景領域内のみで形成することができる。又は、潜像領域内のみで形成することができる。
【0066】
(画像形成体A5)
図21(a)に画像形成体A5とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4eが形成される。穿孔画像4eは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。背景領域7において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A5が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域の凹部2に沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8である第2の領域内に形成される。画像形成体A5は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に潜像画像が視認できる。
【0067】
(画像形成体A6)
図21(b)に画像形成体A6とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4fが形成される。穿孔画像4fは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A6が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8の凹部2に沿って形成される。画像形成体A6は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A1とネガポジが反転して潜像画像が視認される。
【0068】
画像形成体A1乃至画像形成体A6は、凹部及び凸部からなるすき入れと穿孔によって潜像画像を形成しているが、本発明はこれに限定されることなく、すき入れの変わりに印刷によって凹部及び凸部を形成してもよい。この場合の印刷で形成される凸部、又は、凹部及び凸部は、基材と等色のインキ又は透明インキによって形成する必要がある。ここで言う基材と等色の色とは、CIE色差△Eが4以下としている。凸部は画線で形成し、凹部は非画線で形成する形態、又は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量の高い画線で形成してもよい。なお、図22(a)は、凸部は、印刷画線、凹部は、非画線で形成されており、図22(b)は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成されている。
【0069】
(画像形成体A7)
図23に画像形成体A7とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4gが形成される。穿孔画像4gは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A7が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A7の効果を以下に説明する。
【0070】
画像形成体A7は、図24(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合に、図24(b)に示すように、穿孔画像4gは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4gは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0071】
画像形成体A7は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図25(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図25(b)に示すように、穿孔画像4gの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図25(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aは、凸部3の線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0072】
画像形成体A7は、図26(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合に、図26(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0073】
画像形成体A7は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図27(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図27(b)に示すように、穿孔画像4gの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図27(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3の線によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0074】
画像形成体A7は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図25、図27で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0075】
画像形成体A7の裏面は、表面に形成した凹部2の線は、凸部となり、表面に形成した凸部3の線が、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A7の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、凸部に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、凹部に沿って形成される。画像形成体A7の裏面は、特定方向及び特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に、潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の凸部の線に形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の凹部の線に形成される穿孔は、凸部の線によって遮断され視認することができない。このため、背景領域の凸部の線に形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(P)が視認できる。つまり、画像形成体A7の表面から確認できた潜像画像とはネガとポジが反転して視認される。
【0076】
(画像形成体A8)
図28に画像形成体A8とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4hが形成される。穿孔画像4hは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A8が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図2(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A8の効果を以下に説明する。
【0077】
画像形成体A8は、図29(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合に、図29(b)に示すように、穿孔画像4hは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4hは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0078】
画像形成体A8は、図28に示したX1方向から特定角度で、図30(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図30(b)に示すように、穿孔画像4hの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図30(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができない。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガポジが反転する。
【0079】
画像形成体A8は、図31(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合に、図31(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0080】
画像形成体A8は、図28に示したX1方向から特定角度で、図32(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図32(b)に示すように、穿孔画像4hの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図32(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成に形成される穿孔9aの透過光は、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガポジが反転する。
【0081】
画像形成体A8は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図30及び図32で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0082】
画像形成体A8の裏面は、表面に形成した凹部2の線は、凸部となり、表面に形成した凸部3の線が、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A8の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、第2の傾斜領域に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、第1の傾斜領域に沿って形成される。画像形成体A8の裏面は、X1方向から特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の第2の傾斜領域に形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の第1の傾斜領域に形成される穿孔は、視認することができない。このため、背景領域の第2の傾斜領域に形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(P)が視認できる。つまり、画像形成体2の表面から確認できた潜像画像とはネガポジが反転して視認される。
【0083】
(画像形成体A9)
図33に画像形成体A9とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4iが形成される。穿孔画像4iは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成されるドット状の凹部2とドット状の凸部3が交互にマトリックス状に形成され、凸部間のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A9が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に形成される。画像形成体A9の効果を以下に説明する。
【0084】
画像形成体A9は、図34(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合に、図34(b)に示すように、穿孔画像4iは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4iは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0085】
画像形成体A9は、図33に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図35(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図35(b)に示すように、穿孔画像4iの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図35(c)に示すように潜像領域8の凸部3のドットに形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aは、凸部3によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0086】
画像形成体A9は、図36(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合に、図36(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0087】
画像形成体A9は、図33に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図37(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図37(b)に示すように、穿孔画像4iの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図37(c)に示すように潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0088】
画像形成体A9は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に形成しても良い。このように作製した場合は、図35、図37で説明した潜像画像(T)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0089】
画像形成体A9の裏面は、表面に形成した凹部2のドットは、凸部となり、表面に形成した凸部3のドットが、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A9の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、凸部に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、凹部に沿って形成される。画像形成体A9の裏面は、特定方向及び特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に、潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の凸部のドットに形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の凹部のドットに形成される穿孔は、凸部のドットによって遮断され視認することができない。このため、背景領域の凸部のドットに形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(T)が視認できる。つまり、画像形成体1の表面から確認できた潜像画像とはネガポジが反転して視認される。
【0090】
画像形成体A7乃至A9において、凹部2及び凸部3の万線又はドットで形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0091】
(画像形成体A10)
図38に画像形成体A10とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4jが形成される。穿孔画像4jは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる曲万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる曲万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる曲万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A10が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図2(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A10は、潜像画像(T)が視認できる。裏面では潜像画像(T)のネガのポジが反転して確認できる。画像形成体A7と同様な効果を有する。
【0092】
画像形成体A7乃至A10において、凹部2及び凸部3の線は、背景領域及び潜像領域内を形成しているが、背景領域内のみで形成することができる。又は、潜像領域内のみで形成することができる。
【0093】
(画像形成体A11)
図39(a)に画像形成体A11とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4kが形成される。穿孔画像4kは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。背景領域7において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A11が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一形状同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域の凹部2に沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8である第2の領域内に形成される。画像形成体A11は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に潜像画像(P)が視認できる。
【0094】
(画像形成体A12)
図39(b)に画像形成体A12とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4lが形成される。穿孔画像4lは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A12が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8の凹部2に沿って形成される。画像形成体A12は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A11とネガポジが反転して潜像画像が視認される。
【0095】
次に、凹部2と凸部3と穿孔の位置関係の一例を図40を用いて説明する。なお、図40はすき入れ又は印刷によって凹部2と凸部3を形成した場合である(エンボスの場合は図示せず)。図40(a)に示すように穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成しても良い(図示せず)。
【0096】
図40(b)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。ここで言う、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域とは、図40に示すように凸部の最高部から凹部に接続される傾斜部分のことである。
【0097】
図40(c)に示すように穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成しても良い(図示せず)。
【0098】
図40(d)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。
【0099】
図40(e)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成される例である。穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成される。この場合の穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。この場合は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成するか、若しくは、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成する(図示せず)。
【0100】
凸部の線、凹部の線、凸部の曲線、凹部の曲線、凸部の円状の線、凹部の円状の線等のからなる万線のピッチは、150〜1500μmの範囲であることが好ましい。
【0101】
凸部の長手方向の幅は50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、幅方向の幅は、50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、凹部の長手方向の幅は50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、幅方向の幅は、50μm〜500μm程度の範囲が好ましい。凸部及び凹部のピッチは、100〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。
【0102】
穿孔で形成される万線状のピッチは、3:1乃至1:3程度が好ましい。さらに好ましくは、穿孔で形成される万線状のピッチは、1:1程度が好ましい。穿孔の径は、特に限定させるものではないが、50μm〜500μm程度が好ましい。50μmより小さいと作製上困難となり、500μmより大きいと複製しやすくなり偽造防止効果が低下する。穿孔の大きさを徐々に変えることによって後述する潜像画像に明暗が得られる。よって、穿孔9のX方向のピッチ、Y方向のピッチは、150〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。穿孔の形状は特に限定されることはなく、円形、多角形、特殊形状等で作製でき、また、これらを組み合わせることも可能である。図41に示すように微細な穿孔群によって文字(A)を形成し、文字を所定のピッチで配列しても良く、さらに特殊形状(文字:A)の穿孔を所定のピッチで配列してもよい。穿孔はレーザ加工機で作製可能であり、レーザの種類は特に限定されるものではない。また、穿孔は基材に対して垂直方向に形成することが好ましい。ただし、基材に対して斜めの方向に穿孔を形成しても、観察角度は基材に対して垂直方向に穿孔を形成したものとは異なるが、本発明の効果を得ることができる。また、図42(a)に示すように穿孔の径は基材の深さ方向に対して径が小さくなっても良い。また、図42(b)に示すように基材に対して斜めの方向に穿孔を施してもよい。また、穿孔画像4は、図43(a)に示すように文字、図柄等を形成することができる。図43(b)に示すように各穿孔の径は異なっていても良い。
【0103】
本発明の構成である凹部2と凸部3をすき入れで形成した場合、用いる基材は紙基材である。印刷、エンボスで形成した場合は、紙葉類、プラスチック等、特に限定されるものではないが、透明以外の基材が好ましい。基材の厚さは、特に限定されるものでなく60μm程度の薄い材から、800μm程度のカード基材等でも有効である。
【0104】
本発明の潜像領域に形成される潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つであることにより、特定方向から観察した場合に容易に真偽判別することができる。当然、本発明の画像形成体に印刷を施すことが可能である。
【実施例】
【0105】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0106】
(実施例1)
抄紙機によって所定領域に万線状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のすき入れは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図5参照)。
【0107】
実施例1の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【0108】
(実施例2)
抄紙機によって所定領域に万線状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のすき入れは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図10参照)。
【0109】
実施例1の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【0110】
(実施例3)
抄紙機によって所定領域に複数のドット状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。ドット状のすき入れは幅100μm、長さ300μmの凹部のドットと、幅300μm、長さ300μmの凸部のドットが所定のピッチで交互にマトリックス状に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部のドットに形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部のドットに形成し実施例3の画像形成体を得た。ピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図15参照)。
【0111】
実施例3の画像形成体は、反射光又は透過光で360度、どの方向から特定角度で肉眼で観察しても穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。
【0112】
(実施例4)
エンボスプレス機によって所定領域に万線状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のエンボスは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例4の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図23参照)。
【0113】
実施例4の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0114】
(実施例5)
エンボスプレス機によって所定領域に万線状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のエンボスは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例51の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図28参照)。
【0115】
実施例5の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0116】
(実施例6)
エンボスプレス機によって所定領域に複数のドット状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。ドット状のエンボスは幅300μmの凹部のドットと、幅300μmの凸部のドットが所定のピッチで交互にマトリックス状に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部のドットに形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部のドットに形成し実施例6の画像形成体を得た。ピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図33参照)。
【0117】
実施例6の画像形成体は、反射光又は透過光で360度、どの方向から特定角度で肉眼で観察しても穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0118】
(実施例7)
黄色の厚さ約100μmの紙基材に紙基材と等色のインキで複数の万線からなる画線を印刷した。印刷は凹版印刷で行った。万線の各画線の幅は、幅300μmの凸部の画線と、幅300μmの凹部の非画線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って非画線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って画線の形状に形成し実施例7の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである。
【0119】
実施例7の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の構成である凹凸形状をすき入れ又は印刷で形成する場合の説明図である。
【図2】本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成する場合の説明図である。
【図3】本発明の構成であるすき入れ又は印刷での凹凸形状の断面形状についての説明図である。
【図4】本発明の構成であるエンボスでの凹凸形状の断面形状についての説明図である。
【図5】画像形成体A1とその一部拡大図を示す図である。
【図6】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図7】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図8】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図9】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図10】画像形成体A2とその一部拡大図を示す図である。
【図11】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図12】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図13】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図14】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図15】画像形成体A3とその一部拡大図を示す図である。
【図16】反射光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図17】反射光で肉眼で画像形成体A3に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図18】透過光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図19】透過光で肉眼で画像形成体A3に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図20】画像形成体A4を示す図である。
【図21】画像形成体A5及び画像形成体A6を示す図である。
【図22】印刷によって凸部のみで形成された例、又は、印刷によって凹部及び凸部を形成した例を示す図である。
【図23】画像形成体A7とその一部拡大図を示す図である。
【図24】反射光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図25】反射光で肉眼で画像形成体A7に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図26】透過光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図27】透過光で肉眼で画像形成体A7に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図28】画像形成体A8とその一部拡大図を示す図である。
【図29】反射光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図30】反射光で肉眼で画像形成体A8に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図31】透過光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図32】透過光で肉眼で画像形成体A8に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図33】画像形成体A9とその一部拡大図を示す図である。
【図34】反射光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図35】反射光で肉眼で画像形成体A9に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図36】透過光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図37】透過光で肉眼で画像形成体A9に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図38】画像形成体A10を示す図である。
【図39】画像形成体A11及び画像形成体A12を示す図である。
【図40】凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を示す図である。
【図41】穿孔9の一例を示す図である。
【図42】穿孔9の一例を示す図である。
【図43】穿孔画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 基材
1a、1b、1c、1d、1e、1f 表面のベースの高さ
2、2、2、2c、2d、2e、2f 凹部
3、3、3、3c、3d、3e、3f 凸部
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4i、4j、4k、4l 穿孔画像
5 所定領域
7 背景領域
8 潜像領域
9、9a、9b 穿孔
11a 第1の傾斜領域
11b 第2の傾斜領域
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12 画像形成体
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、真偽判別、複写防止が必要とされる貴重品に適用する画像形成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の貴重品は、その性質上、偽造、変造されにくく、さらに、その貴重品が本物か否か判断できる技術要素が要求される。例えば、その技術要素の一つとしては、貴重品を傾けて観察することで潜像画像が視認され、その視認の有無によって真偽判別を行う技術が知られている。例えば、インキの盛り又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する基材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術、また、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術等が挙げられる。
【0003】
前記基材にインキの盛りによって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術として、例えば、印刷素材に、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかを印刷素材と同色又は近似した色のインキによって隆起した印刷を施し、該印刷画線上に一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを該印刷画線の色及び無色透明以外の異なった他の有色のインキによって該印刷画線に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該隆起した印刷画線と該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該隆起した画線によって構成した図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像印刷物が開示されている(特許文献1)。
【0004】
前記基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術として、例えば、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかのエンボスによって形成された凹凸形状を有する素材に、素材の色及び無色透明以外の異なった他の色のインキによって、一定な間隔を持つ各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを前述の凹凸形状の図柄以外の部分を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定の間隔の直線で構成された各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該凹凸形状と、該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該凹凸形状によって形成された図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像模様形成体が開示されている(特許文献2)。
【0005】
前記基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認できる技術として、例えば、前記穿孔の形状の差異を利用し、潜像画像を出現させるもの、例えば、基材に、背景部を構成する微細な穿孔と、情報部を構成する穿孔を形成し、背景部の穿孔と情報部の穿孔を、穿孔の形状、寸法及び画素の角度の少なくとも一つ以上が異なるように形成し、真偽判別形成体を反射光で観察した場合に背景部と情報部は区分けして視認できないが、透過光で傾けて観察した場合に背景部と情報部は区分けして視認される技術が開示されている(特許文献3)。
【0006】
基材に、目視しにくい程度の多数の微細な背景穿孔と、この背景穿孔とずらして配列した情報穿孔を形成して真偽判別形成体を構成し、この基材を、RGB(赤、緑、青)のいずれかを呈する色要素が多数配列されて成る色要素画面上に置いて真偽判別を可能とする技術が開示されている(特許文献4)。
【0007】
【特許文献1】特許第2600094号公報(第1−6頁、第1−10図)
【特許文献2】特許第2615401号公報(第1−4頁、第2−7図)
【特許文献3】特許第3385461号公報(第1−5頁、第1−3図)
【特許文献4】特許第3388388号公報(第1−10頁、第1−9図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、印刷又は基材の形状によって形成した凹凸形状を有する素材上に印刷画線を形成し、反射光で傾けて観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像が視認できる技術である。特許第2600094号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に凹凸形状によって形成された潜像画像は視認することはできなかった。特許第2615401号公報は、基材に対して透過光で垂直方向から観察した場合に印刷画線の影響を受けてすき入れによって形成される潜像画像の視認性が低下する問題があった。また、基材に対して透過光で傾けて観察した場合にすき入れによって形成される潜像画像が視認し難い問題があった。また、特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、凹凸形状によって潜像画像を形成するものであった。また、特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報は、一表面から潜像画像が視認されるものであり、両面から潜像画像を視認できるようにするためには、表面及び裏面に印刷画線を形成する必要があった。
【0009】
上記特許第3385461号公報は、基材に背景領域と潜像領域で穿孔の形状、配置等を異ならせて形成し、透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認されるものであるが、基材をほぼ水平方向に傾けなければ潜像画像は視認することはできなかった。上記特許第3388388号公報は、判別フィルタを重ね合わせなければ潜像画像は視認することができなかった。
【0010】
このようなことから特許第2600094号公報、特許第2615401号公報、特許第3385461号公報及び第3388388号公報は限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものであった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、限られた条件下のみで潜像画像が視認できるものではなく、凹凸形状によって潜像画像を形成することなく、反射光及び透過光で傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、また、本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成した場合は、表面及び裏面に印刷画線を形成することなく、表面及び裏面の両面から潜像画像が視認され、さらに、判別フィルタを用いることなく、基材を水平方向まで傾けることなく潜像画像が視認できる画像形成体を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0013】
また、本発明は、基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、更に、前記基材は、ドット状の凹部とドット状の凸部を有し、前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、縦方向及び横方向に交互に配列されてマトリックス状に形成され、前記マトリックス状に形成される前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0014】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状よって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体である。
【0015】
また、本発明は、前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成体である。
【0016】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部は、すき入れによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0017】
また、本発明は、前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部は、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0018】
また、本発明は、前記凹部及び前記凸部は、エンボスによって形成されていることを特徴とする画像形成体である。
【0019】
また、本発明は、前記線状の凹部と前記線状の凸部は、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする画像形成体である。
【0020】
また、本発明は、前記線状の凹部と前記線状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【0021】
また、本発明は、前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする画像形成体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成体は、複数の条件下で潜像画像が視認されるものであり、反射光及び透過光で画像形成体を傾けて観察した場合に潜像画像が視認され、潜像画像の視認性の有無、複数の条件下での潜像画像の視認性の有無によって真偽判別が可能となる。よって、特別な真偽判別装置等を用いることなく、その場で上記効果が得られるか否かによって真偽判別することができる。
【0023】
本発明の構成である凹凸形状を形成することによって判別フィルタを用いることなく、基材を水平方向まで傾けることなく浅い角度で潜像画像が視認できるため、容易に真偽判別ができる。
【0024】
また、本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成した場合は、表面及び裏面に印刷画線を形成することなく、表面及び裏面の両面から潜像画像が視認される。
【0025】
本発明の構成である凹凸形状は、従来の特許第特許第2600094号公報及び特許第2615401号公報のように凹凸形状によって潜像画像を形成する必要がないため、凹凸形状を作製する際に複雑な形状にする必要がないため作製に手間がかからない。
【0026】
以上のことから、本発明の画像形成体は、真偽判別効果が高く、微細な穿孔で形成するため改ざん、複製防止効果のあり、銀行券、パスポート、カード、商品タグ、ブランドプロテクション等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重品に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0028】
本発明の構成である万線状又はドット状の凹部と凸部について図1及び図2を用いて説明する。本発明の構成である凹部と凸部をすき入れで形成する場合は、図1(a)乃至図1(f)の形態が実施可能であり、本発明の構成である凹部と凸部を印刷で形成する場合は、図1(a)又は図1(b)の形態が実施可能である。さらに、本発明の構成である凹部と凸部をエンボスで形成する場合は、図2(a)乃至図2(f)の形態が実施可能である。
【0029】
図1(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図1(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図1(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。
【0030】
図1(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図1(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図1(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。
【0031】
図1(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図1(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図1(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い場合もある。
【0032】
図1(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図1(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図1(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0033】
図1(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図1(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図1(e)に示すように領域2の範囲である。
【0034】
図1(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図1(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図1(f)に示すように領域2の範囲である。
【0035】
図1の構成は下記に示す画像形成体A1乃至A6に用いることができる。図1に示すように基材1の表面は凹部及び凸部が形成され、基材1の裏面は基材1の表面に比べて平滑を有している。本発明の構成である凹部と凸部をすき入れで形成する場合は、すき入れが作製できる抄紙機によって、紙を作製する段階で形成される。すき入れで形成する場合の基材は紙基材である。本発明の構成である凹部と凸部を印刷で形成する場合は、インキ盛りを有する印刷(凹版印刷、スクリーン印刷、発泡印刷等:インキ盛りが形成できれば印刷方式は限定されるものではない)によって作製される。インキの色彩は、基材と等色又は透明インキによって形成され、基材の種類は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、印刷、すき入れ以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部と凹部の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0036】
図2(a)は基材1の表面のベースの高さ1aより高い三角形状の凸部3aが繰り返し配置され、凸部3aが繰り返し配置されることによって凹部2aが形成される。凸部3aの領域は、図2(a)に示すように領域3の範囲であり、凹部2aの領域は、図2(a)に示すように領域2の範囲である。凸部3aは基材1の表面のベースの高さ1aより高く形成され、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aとなる。ただし、凹部2aの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1aより高い形状となる場合もある。
【0037】
図2(b)は基材1の表面のベースの高さ1bより高い三角形状の凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置され、凸部3bが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凹部2bが形成される。凸部3bの領域は、図2(b)に示すように領域3の範囲であり、凹部2bの領域は、図2(b)に示すように領域2の範囲である。凸部3bは基材1の表面のベースの高さ1bより高く形成され、凹部2bの最低部は、基材1の表面のベースの高さ1bとなる。
【0038】
図2(c)は基材1の表面のベースの高さ1cより低い三角形状の凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2cが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3cが形成される。凹部2cの領域は、図2(c)に示すように領域2の範囲であり、凸部3cの領域は、図2(c)に示すように領域3の範囲である。凹部2cは基材1の表面のベースの高さ1cより低く形成され、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cとなる。ただし、凸部3cの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1cより低い形状となる場合もある。
【0039】
図2(d)は基材1の表面のベースの高さ1dより低い三角形状の凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置され、凹部2dが特定の間隔で繰り返し配置されることによって凸部3dが形成される。凹部2dの領域は、図2(d)に示すように領域2の範囲であり、凸部3dの領域は、図2(d)に示すように領域3の範囲である。凹部2dは基材1の表面のベースの高さ1dより低く形成され、凸部3dの最高部は、基材1の表面のベースの高さ1dとなる。
【0040】
図2(e)は基材1の表面のベースの高さ1eより高い三角形状の凸部3eが繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1eより低い三角形状の凹部2eが繰り返し配置される。凸部3eの領域は、図2(e)に示すように領域3の範囲であり、凹部2eの領域は、図2(e)に示すように領域2の範囲である。
【0041】
図2(f)は基材1の表面のベースの高さ1fより高い三角形状の凸部3fが特定の間隔で繰り返し配置され、基材1の表面のベースの高さ1fより低い三角形状の凹部2fが特定の間隔で繰り返し配置される。凸部3fの領域は、図2(f)に示すように領域3の範囲であり、凹部2fの領域は、図2(f)に示すように領域2の範囲である。
【0042】
図2の構成は下記に示す画像形成体A7乃至A12に用いることができる。図2に示すように基材1の表面及び裏面は凹部及び凸部が形成される。本発明の構成であるエンボスは、エンボスが作製できるプレス機によって、紙等に圧力をかけて作製される。基材は、紙、プラスチック等が挙げられる。また、エンボス以外に射出成型等で画像を形成することが可能である。基材1の厚さは、60〜800μmが好ましい。また、凸部と凹部の凹凸差は、10μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0043】
次に、本発明の構成であるすき入れ又は印刷で形成する凹凸形状の断面形状について図3を用いて説明する。図3(a)は三角形状の凸部3である。図3(b)は三角形状の凹部2である。図3(c)は台形状の凸部3である。図3(d)は台形状の凹部2である。図3(e)は四角形状の凸部3である。図3(f)は四角形状の凹部2である。図3(g)は蒲鉾状の凸部3である。図3(h)は蒲鉾状の凹部2である。図3(i)は直角三角形状の凸部3である。図3(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図3に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図3(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0044】
次に、本発明の構成であるエンボスで形成する凹凸形状の断面形状について図4を用いて説明する。図4(a)は三角形状の凸部3である。図4(b)は三角形状の凹部2である。図4(c)は台形状の凸部3である。図4(d)は台形状の凹部2である。図4(e)は四角形状の凸部3である。図4(f)は四角形状の凹部2である。図4(g)は蒲鉾状の凸部3である。図4(h)は蒲鉾状の凹部2である。図4(i)は直角三角形状の凸部3である。図4(j)は直角三角形状の凹部2である。本発明の構成である凹部及び凸部の形状は、図4に示すような形状が考えられるが、本発明はこれに限定されることがない。また、図4(a)乃至図(j)を組み合わせて形成することもできる。
【0045】
(画像形成体A1)
図5に画像形成体A1とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4aが形成される。穿孔画像4aは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A1が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A1の効果を以下に説明する。
【0046】
画像形成体A1は、図6(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図6(b)に示すように、穿孔画像4aは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4aは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0047】
画像形成体A1は、図5に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図7(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図7(b)に示すように、穿孔画像4aの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図7(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aは、凸部3の線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0048】
画像形成体A1は、図8(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合に、図8(b)に示すように、穿孔画像4aが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3の万線が確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図8(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部の領域及び潜像領域8の凸部の領域は穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0049】
画像形成体A1は、図5に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図9(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図9(b)に示すように、穿孔画像4aの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図9(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3の線によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0050】
画像形成体A1は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図7、図9で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0051】
(画像形成体A2)
図10に画像形成体A2とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4bが形成される。穿孔画像4bは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A2が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図1(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A2の効果を以下に説明する。
【0052】
画像形成体A2は、図11(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図11(b)に示すように、穿孔画像4bは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4bは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0053】
画像形成体A2は、図10に示したX1方向から特定角度で、図12(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図12(b)に示すように、穿孔画像4bの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図12(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができない。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガとポジが反転する。
【0054】
画像形成体A2は、図13(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合に、図13(b)に示すように、穿孔画像4bが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3の万線が確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図13(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の第1の傾斜領域11a及び潜像領域8の第2の傾斜領域11bは穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0055】
画像形成体A2は、図10に示したX1方向から特定角度で、図14(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図14(b)に示すように、穿孔画像4bの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図14(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成に形成される穿孔9aの透過光は、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガとポジが反転する。
【0056】
画像形成体A2は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図12及び図14で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0057】
(画像形成体A3)
図15に画像形成体A3とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4cが形成される。穿孔画像4cは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成されるドット状の凹部2とドット状の凸部3が交互にマトリックス状に形成され、凸部間のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A3が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に形成される。画像形成体A3の効果を以下に説明する。
【0058】
画像形成体A3は、図16(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合に、図16(b)に示すように、穿孔画像4cは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4cは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。
【0059】
画像形成体A3は、図15に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図17(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図17(b)に示すように、穿孔画像4cの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図17(c)に示すように潜像領域8の凸部3のドットに形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aは、凸部3によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0060】
画像形成体A3は、図18(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合に、図18(b)に示すように、穿孔画像4cが視認することができる。さらに凹部2及び凸部3のドットが確認できる。すき入れは、反射光では視認することができなく、一般的に透過光で視認できる技術である。さらに、図18(c)に示すように、背景領域7の凹部及び潜像領域8の凹部の領域は、背景領域7の凸部及び潜像領域8の凸部の領域よりも基材1の厚さが薄いため、透過光量が強い。さらに、背景領域7の凹部の領域及び潜像領域8の凸部の領域は穿孔が形成されているため、透過光量が強い。このように透過光量が強くなることによって、すき入れの視認性が向上する。ただし、この場合は、約80μm〜150μmの厚さ基材(特に紙基材)に限られ、階調等を有する鮮明なすき入れの場合は、穿孔によって鮮明度を失う場合もある。
【0061】
画像形成体A3は、図15に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図19(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図19(b)に示すように、穿孔画像4cの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図19(c)に示すように潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0062】
画像形成体A3は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に形成しても良い。このように作製した場合は、図17、図19で説明した潜像画像(T)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0063】
画像形成体A1乃至A3において、凹部2及び凸部3の万線又はドットで形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0064】
(画像形成体A4)
図20に画像形成体A4とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4dが形成される。穿孔画像4dは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる曲万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる曲万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にすき入れから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる曲万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A4が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図1(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A4は、画像形成体A1と同様な効果を有する。
【0065】
画像形成体A1乃至A4において、凹部2及び凸部3の線は、背景領域及び潜像領域内を形成しているが、背景領域内のみで形成することができる。又は、潜像領域内のみで形成することができる。
【0066】
(画像形成体A5)
図21(a)に画像形成体A5とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4eが形成される。穿孔画像4eは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。背景領域7において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A5が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域の凹部2に沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8である第2の領域内に形成される。画像形成体A5は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に潜像画像が視認できる。
【0067】
(画像形成体A6)
図21(b)に画像形成体A6とその一部拡大図を示す。基材1の一表面の所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4fが形成される。穿孔画像4fは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8において、基材1にすき入れから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A6が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図3(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8の凹部2に沿って形成される。画像形成体A6は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A1とネガポジが反転して潜像画像が視認される。
【0068】
画像形成体A1乃至画像形成体A6は、凹部及び凸部からなるすき入れと穿孔によって潜像画像を形成しているが、本発明はこれに限定されることなく、すき入れの変わりに印刷によって凹部及び凸部を形成してもよい。この場合の印刷で形成される凸部、又は、凹部及び凸部は、基材と等色のインキ又は透明インキによって形成する必要がある。ここで言う基材と等色の色とは、CIE色差△Eが4以下としている。凸部は画線で形成し、凹部は非画線で形成する形態、又は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量の高い画線で形成してもよい。なお、図22(a)は、凸部は、印刷画線、凹部は、非画線で形成されており、図22(b)は、凹部は盛量の低い画線で形成し、凸部は盛量が高い画線で形成されている。
【0069】
(画像形成体A7)
図23に画像形成体A7とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4gが形成される。穿孔画像4gは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A7が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に沿って形成される。画像形成体A7の効果を以下に説明する。
【0070】
画像形成体A7は、図24(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合に、図24(b)に示すように、穿孔画像4gは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4gは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0071】
画像形成体A7は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図25(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図25(b)に示すように、穿孔画像4gの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図25(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aは、凸部3の線によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0072】
画像形成体A7は、図26(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合に、図26(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0073】
画像形成体A7は、図23に示したX1方向又はX2方向から特定角度で、図27(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図27(b)に示すように、穿孔画像4gの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図27(c)に示すように潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2の線に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3の線によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3の線に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。
【0074】
画像形成体A7は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図25、図27で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0075】
画像形成体A7の裏面は、表面に形成した凹部2の線は、凸部となり、表面に形成した凸部3の線が、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A7の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、凸部に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、凹部に沿って形成される。画像形成体A7の裏面は、特定方向及び特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に、潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の凸部の線に形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の凹部の線に形成される穿孔は、凸部の線によって遮断され視認することができない。このため、背景領域の凸部の線に形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(P)が視認できる。つまり、画像形成体A7の表面から確認できた潜像画像とはネガとポジが反転して視認される。
【0076】
(画像形成体A8)
図28に画像形成体A8とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4hが形成される。穿孔画像4hは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A8が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図2(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A8の効果を以下に説明する。
【0077】
画像形成体A8は、図29(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合に、図29(b)に示すように、穿孔画像4hは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4hは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0078】
画像形成体A8は、図28に示したX1方向から特定角度で、図30(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図30(b)に示すように、穿孔画像4hの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図30(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができない。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガポジが反転する。
【0079】
画像形成体A8は、図31(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合に、図31(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0080】
画像形成体A8は、図28に示したX1方向から特定角度で、図32(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図32(b)に示すように、穿孔画像4hの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図32(c)に示すように潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の第1の傾斜領域11aに沿って形成に形成される穿孔9aの透過光は、第1の傾斜領域11aに沿って形成されているため視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の第2の傾斜領域11bに沿って形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(P)が視認できる。X2方向から特定角度で観察した場合に潜像画像のネガポジが反転する。
【0081】
画像形成体A8は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第2の傾斜領域11bに沿って形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第1の傾斜領域11aに沿って形成しても良い。このように作製した場合は、図30及び図32で説明した潜像画像(P)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0082】
画像形成体A8の裏面は、表面に形成した凹部2の線は、凸部となり、表面に形成した凸部3の線が、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A8の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、第2の傾斜領域に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、第1の傾斜領域に沿って形成される。画像形成体A8の裏面は、X1方向から特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の第2の傾斜領域に形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の第1の傾斜領域に形成される穿孔は、視認することができない。このため、背景領域の第2の傾斜領域に形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(P)が視認できる。つまり、画像形成体2の表面から確認できた潜像画像とはネガポジが反転して視認される。
【0083】
(画像形成体A9)
図33に画像形成体A9とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4iが形成される。穿孔画像4iは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成されるドット状の凹部2とドット状の凸部3が交互にマトリックス状に形成され、凸部間のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A9が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成される。つまり、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、基材1の最低部である凹部に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、基材1の最高部である凸部に形成される。画像形成体A9の効果を以下に説明する。
【0084】
画像形成体A9は、図34(a)に示すように反射光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合に、図34(b)に示すように、穿孔画像4iは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。これは、背景領域7に形成される穿孔9aと潜像領域8に形成される穿孔9bの位相のずれは肉眼で識別できない程度の範囲である。よって、穿孔画像4iは視認することができるが、潜像領域8及び背景領域7を識別することができない。凹部2と凸部3のエンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であるが、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0085】
画像形成体A9は、図33に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図35(a)に示すように反射光で肉眼で観察した場合に、図35(b)に示すように、穿孔画像4iの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図35(c)に示すように潜像領域8の凸部3のドットに形成される穿孔9bは、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aは、凸部3によって遮断され視認することができない。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bのみが視認され、穿孔9bによって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0086】
画像形成体A9は、図36(a)に示しように透過光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合に、図36(b)に示すように、凹部2と凸部3のエンボスが視認することができなく、穿孔画像のみが視認される。エンボスは、一般的に、反射光で視認できる技術であり、透過光量が多く得られる基材ではエンボスは視認しにくくなる。さらに、凹部2と凸部3は、穿孔9によってカムフラージュされているため肉眼では視認し難い状態となる。
【0087】
画像形成体A9は、図33に示したX1方向、X2方向、X3方向又はX4方向から特定角度で、図37(a)に示すように透過光で肉眼で観察した場合に、図37(b)に示すように、穿孔画像4iの潜像領域8及び背景領域7を識別され、潜像画像8が視認することができる。図37(c)に示すように潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光は、そのままの状態で視認できるが、背景領域7の凹部2に形成される穿孔9aの透過光は、凸部3によって遮断され視認することができないか、若しくは、透過光量が減少する。このため、潜像領域8の凸部3に形成される穿孔9bの透過光が視認され、穿孔9bの透過光によって形成された潜像画像(T)が視認できる。視認できる方向は、X1方向、X2方向、X3方向又はX4方向に限定されることなく、360度、どの方向から傾けて観察しても潜像画像が視認可能である。
【0088】
画像形成体A9は、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凹部2に形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凸部3に形成されているが、背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、凸部3に形成し、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、凹部2に形成しても良い。このように作製した場合は、図35、図37で説明した潜像画像(T)は、それぞれネガとポジが反転して視認される。
【0089】
画像形成体A9の裏面は、表面に形成した凹部2のドットは、凸部となり、表面に形成した凸部3のドットが、凹部となる。よって基材の裏面は、画像形成体A9の裏面は、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、凸部に沿って形成され、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、凹部に沿って形成される。画像形成体A9の裏面は、特定方向及び特定角度で、反射光又は透過光で肉眼で観察した場合に、潜像領域と背景領域が識別され潜像画像が視認することができる。背景領域の凸部のドットに形成される穿孔は、そのままの状態で視認できるが、潜像領域の凹部のドットに形成される穿孔は、凸部のドットによって遮断され視認することができない。このため、背景領域の凸部のドットに形成される穿孔のみが視認され、穿孔によって形成された潜像画像(T)が視認できる。つまり、画像形成体1の表面から確認できた潜像画像とはネガポジが反転して視認される。
【0090】
画像形成体A7乃至A9において、凹部2及び凸部3の万線又はドットで形成しているが曲線、同心円で形成することができる。下記に曲線の例を示す。
【0091】
(画像形成体A10)
図38に画像形成体A10とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4jが形成される。穿孔画像4jは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、曲万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる曲万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる曲万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8及び背景領域7において、基材1にエンボスから形成される第1の傾斜領域11aと第2の傾斜領域11bを有する凹部2と凸部3からなる曲万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチを有し、かつ、同一位相(潜像領域8及び背景領域7で凹部2と凸部3にずれがない)で画像形成体A10が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図2(a)の断面形状で作製される。背景領域7である第1の領域に形成される穿孔9aは、第1の傾斜領域11aに沿って形成され、潜像領域8である第2の領域に形成される穿孔9bは、第2の傾斜領域11bに沿って形成される。画像形成体A10は、潜像画像(T)が視認できる。裏面では潜像画像(T)のネガのポジが反転して確認できる。画像形成体A7と同様な効果を有する。
【0092】
画像形成体A7乃至A10において、凹部2及び凸部3の線は、背景領域及び潜像領域内を形成しているが、背景領域内のみで形成することができる。又は、潜像領域内のみで形成することができる。
【0093】
(画像形成体A11)
図39(a)に画像形成体A11とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4kが形成される。穿孔画像4kは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。背景領域7において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A11が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一形状同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域の凹部2に沿って形成され、穿孔9bは潜像領域8である第2の領域内に形成される。画像形成体A11は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に潜像画像(P)が視認できる。
【0094】
(画像形成体A12)
図39(b)に画像形成体A12とその一部拡大図を示す。基材1に所定領域5を設け、所定領域5に穿孔画像4lが形成される。穿孔画像4lは背景領域7である第1の領域と、潜像領域8である第2の領域に区分けされ、背景領域7である第1の領域に基材1を貫通する穿孔9aが所定のピッチで配列され、万線状に形成され、潜像領域8である第2の領域に、基材1を貫通する穿孔9bが所定のピッチで配列され、万線状に形成される。背景領域7である第1の領域の穿孔9aからなる万線状の配列方向と、潜像領域8である第2の領域の穿孔9bからなる万線状の配列方向が一方向(同一方向)に形成される。さらに、背景領域7となる万線状の所定のピッチと、潜像領域8となる万線状の所定のピッチの所定のピッチは、同一のピッチで、かつ、位相がずれて形成される。背景領域7となる所定のピッチと潜像領域8となる所定のピッチは、同一のピッチであり、互いに略半ピッチずれていることが好ましい。潜像領域8において、基材1にエンボスから形成される凹部2と凸部3からなる万線のピッチが、穿孔で形成される万線状のピッチと同一のピッチで画像形成体A12が形成される。凹部2は、同一の深さであることが好ましい。凸部3は、同一の高さであることが好ましい。穿孔9aと穿孔9bは同一の径、同一の形状であることが好ましい。凹部2と凸部3は図4(f)の断面形状で作製される。なお、穿孔9aは背景領域7である第1の領域内に形成され、穿孔9bは潜像領域8の凹部2に沿って形成される。画像形成体A12は、反射光又は透過光で特定方向及び特定角度から肉眼で観察した場合に画像形成体A11とネガポジが反転して潜像画像が視認される。
【0095】
次に、凹部2と凸部3と穿孔の位置関係の一例を図40を用いて説明する。なお、図40はすき入れ又は印刷によって凹部2と凸部3を形成した場合である(エンボスの場合は図示せず)。図40(a)に示すように穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成しても良い(図示せず)。
【0096】
図40(b)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。ここで言う、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域とは、図40に示すように凸部の最高部から凹部に接続される傾斜部分のことである。
【0097】
図40(c)に示すように穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凹部2の線又はドットに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凹部2の線又はドットに形成してもよい(図示せず)。なお、凹部に形成される穿孔は最低部に形成しても良い(図示せず)。
【0098】
図40(d)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成される例である。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の線又はドットの最高部に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の線又はドットの最高部に形成され、穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。
【0099】
図40(e)に示すように穿孔9aは背景領域7である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第1の傾斜領域11aに形成される例である。穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成される。この場合の穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成してもよい(図示せず)。また、穿孔9aは背景領域7である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成され、同様に穿孔9bは潜像領域8である凸部3の第2の傾斜領域11bに形成してもよい(図示せず)。この場合は、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の高い領域に形成するか、若しくは、穿孔9aは穿孔9bよりも凸部の低い領域に形成する(図示せず)。
【0100】
凸部の線、凹部の線、凸部の曲線、凹部の曲線、凸部の円状の線、凹部の円状の線等のからなる万線のピッチは、150〜1500μmの範囲であることが好ましい。
【0101】
凸部の長手方向の幅は50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、幅方向の幅は、50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、凹部の長手方向の幅は50μm〜500μm程度の範囲が好ましく、幅方向の幅は、50μm〜500μm程度の範囲が好ましい。凸部及び凹部のピッチは、100〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。
【0102】
穿孔で形成される万線状のピッチは、3:1乃至1:3程度が好ましい。さらに好ましくは、穿孔で形成される万線状のピッチは、1:1程度が好ましい。穿孔の径は、特に限定させるものではないが、50μm〜500μm程度が好ましい。50μmより小さいと作製上困難となり、500μmより大きいと複製しやすくなり偽造防止効果が低下する。穿孔の大きさを徐々に変えることによって後述する潜像画像に明暗が得られる。よって、穿孔9のX方向のピッチ、Y方向のピッチは、150〜1500μm程度の範囲であることが好ましい。穿孔の形状は特に限定されることはなく、円形、多角形、特殊形状等で作製でき、また、これらを組み合わせることも可能である。図41に示すように微細な穿孔群によって文字(A)を形成し、文字を所定のピッチで配列しても良く、さらに特殊形状(文字:A)の穿孔を所定のピッチで配列してもよい。穿孔はレーザ加工機で作製可能であり、レーザの種類は特に限定されるものではない。また、穿孔は基材に対して垂直方向に形成することが好ましい。ただし、基材に対して斜めの方向に穿孔を形成しても、観察角度は基材に対して垂直方向に穿孔を形成したものとは異なるが、本発明の効果を得ることができる。また、図42(a)に示すように穿孔の径は基材の深さ方向に対して径が小さくなっても良い。また、図42(b)に示すように基材に対して斜めの方向に穿孔を施してもよい。また、穿孔画像4は、図43(a)に示すように文字、図柄等を形成することができる。図43(b)に示すように各穿孔の径は異なっていても良い。
【0103】
本発明の構成である凹部2と凸部3をすき入れで形成した場合、用いる基材は紙基材である。印刷、エンボスで形成した場合は、紙葉類、プラスチック等、特に限定されるものではないが、透明以外の基材が好ましい。基材の厚さは、特に限定されるものでなく60μm程度の薄い材から、800μm程度のカード基材等でも有効である。
【0104】
本発明の潜像領域に形成される潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つであることにより、特定方向から観察した場合に容易に真偽判別することができる。当然、本発明の画像形成体に印刷を施すことが可能である。
【実施例】
【0105】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0106】
(実施例1)
抄紙機によって所定領域に万線状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のすき入れは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図5参照)。
【0107】
実施例1の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【0108】
(実施例2)
抄紙機によって所定領域に万線状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のすき入れは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例1の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図10参照)。
【0109】
実施例1の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【0110】
(実施例3)
抄紙機によって所定領域に複数のドット状のすき入れを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。ドット状のすき入れは幅100μm、長さ300μmの凹部のドットと、幅300μm、長さ300μmの凸部のドットが所定のピッチで交互にマトリックス状に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部のドットに形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部のドットに形成し実施例3の画像形成体を得た。ピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図15参照)。
【0111】
実施例3の画像形成体は、反射光又は透過光で360度、どの方向から特定角度で肉眼で観察しても穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。
【0112】
(実施例4)
エンボスプレス機によって所定領域に万線状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のエンボスは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って線の形状に形成し実施例4の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図23参照)。
【0113】
実施例4の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0114】
(実施例5)
エンボスプレス機によって所定領域に万線状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。万線状のエンボスは幅300μmの凹部の線と、幅300μmの凸部の線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の第1の傾斜領域に沿って線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の第2の傾斜領域に沿って線の形状に形成し実施例51の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図28参照)。
【0115】
実施例5の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0116】
(実施例6)
エンボスプレス機によって所定領域に複数のドット状のエンボスを有する厚さ約100μmの紙基材を形成した。ドット状のエンボスは幅300μmの凹部のドットと、幅300μmの凸部のドットが所定のピッチで交互にマトリックス状に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部のドットに形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部のドットに形成し実施例6の画像形成体を得た。ピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである(図33参照)。
【0117】
実施例6の画像形成体は、反射光又は透過光で360度、どの方向から特定角度で肉眼で観察しても穿孔で形成した潜像画像が視認することができた。表面と裏面では潜像画像のネガポジが反転して確認できた。
【0118】
(実施例7)
黄色の厚さ約100μmの紙基材に紙基材と等色のインキで複数の万線からなる画線を印刷した。印刷は凹版印刷で行った。万線の各画線の幅は、幅300μmの凸部の画線と、幅300μmの凹部の非画線が所定のピッチで交互に配列されている。所定領域は、背景領域である第1の領域と、潜像領域である第2の領域に区分けし、背景領域である第1の領域に形成される穿孔は、背景領域の凹部に沿って非画線の形状に形成し、潜像領域である第2の領域に形成される穿孔は、潜像領域の凸部に沿って画線の形状に形成し実施例7の画像形成体を得た。線の形状に形成される穿孔のピッチは450μmで、穿孔の径は150μmのである。
【0119】
実施例7の画像形成体は、反射光又は透過光で特定角度及び特定方向で肉眼で観察した場合に穿孔で形成した潜像画像として視認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の構成である凹凸形状をすき入れ又は印刷で形成する場合の説明図である。
【図2】本発明の構成である凹凸形状をエンボスで形成する場合の説明図である。
【図3】本発明の構成であるすき入れ又は印刷での凹凸形状の断面形状についての説明図である。
【図4】本発明の構成であるエンボスでの凹凸形状の断面形状についての説明図である。
【図5】画像形成体A1とその一部拡大図を示す図である。
【図6】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図7】反射光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図8】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図9】透過光で肉眼で画像形成体A1に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図10】画像形成体A2とその一部拡大図を示す図である。
【図11】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図12】反射光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図13】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図14】透過光で肉眼で画像形成体A2に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図15】画像形成体A3とその一部拡大図を示す図である。
【図16】反射光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図17】反射光で肉眼で画像形成体A3に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図18】透過光で肉眼で画像形成体A3に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図19】透過光で肉眼で画像形成体A3に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図20】画像形成体A4を示す図である。
【図21】画像形成体A5及び画像形成体A6を示す図である。
【図22】印刷によって凸部のみで形成された例、又は、印刷によって凹部及び凸部を形成した例を示す図である。
【図23】画像形成体A7とその一部拡大図を示す図である。
【図24】反射光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図25】反射光で肉眼で画像形成体A7に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図26】透過光で肉眼で画像形成体A7に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図27】透過光で肉眼で画像形成体A7に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図28】画像形成体A8とその一部拡大図を示す図である。
【図29】反射光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図30】反射光で肉眼で画像形成体A8に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図31】透過光で肉眼で画像形成体A8に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図32】透過光で肉眼で画像形成体A8に対して特定方向及び特定角度から観察した場合を示す図である。
【図33】画像形成体A9とその一部拡大図を示す図である。
【図34】反射光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図35】反射光で肉眼で画像形成体A9に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図36】透過光で肉眼で画像形成体A9に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図37】透過光で肉眼で画像形成体A9に対して特定角度から観察した場合を示す図である。
【図38】画像形成体A10を示す図である。
【図39】画像形成体A11及び画像形成体A12を示す図である。
【図40】凹凸形状と穿孔の位置関係の一例を示す図である。
【図41】穿孔9の一例を示す図である。
【図42】穿孔9の一例を示す図である。
【図43】穿孔画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 基材
1a、1b、1c、1d、1e、1f 表面のベースの高さ
2、2、2、2c、2d、2e、2f 凹部
3、3、3、3c、3d、3e、3f 凸部
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4i、4j、4k、4l 穿孔画像
5 所定領域
7 背景領域
8 潜像領域
9、9a、9b 穿孔
11a 第1の傾斜領域
11b 第2の傾斜領域
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12 画像形成体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、
前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、
更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、
前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、
前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、
前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、
更に、前記基材は、ドット状の凹部とドット状の凸部を有し、
前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、縦方向及び横方向に交互に配列されてマトリックス状に形成され、
前記マトリックス状に形成される前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状よって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体。
【請求項4】
前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、
前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成体。
【請求項5】
前記凹部及び前記凸部は、すき入れによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項6】
前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部は、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項7】
前記凹部及び前記凸部は、エンボスによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項8】
前記線状の凹部と前記線状の凸部は、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする請求項1、3、4、5、6又は7記載の画像形成体。
【請求項9】
前記線状の凹部と前記線状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【請求項10】
前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【請求項1】
基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、
前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、
更に、前記基材は、線状の凹部と線状の凸部を有し、
前記線状の凹部と前記線状の凸部は、交互に配列されて万線として形成され、
前記万線として形成される前記線状の凹部と前記線状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
基材に潜像領域と背景領域とを有する画像形成体であって、
前記潜像領域と前記背景領域は、前記基材を貫通する穿孔によって形成され、前記穿孔が一方向に沿って万線状に形成され、
前記潜像領域と前記背景領域では、前記万線状の所定のピッチが同一ピッチで、かつ、位相がずれており、
更に、前記基材は、ドット状の凹部とドット状の凸部を有し、
前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、縦方向及び横方向に交互に配列されてマトリックス状に形成され、
前記マトリックス状に形成される前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部は、前記潜像領域及び前記背景領域において、前記所定のピッチを有し、かつ、同一位相で形成されていることを特徴とする画像形成体。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部の断面形状は、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する蒲鉾状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する鋸状、第1の傾斜領域及び第2の傾斜領域を有する台形状又は四角形状よって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体。
【請求項4】
前記背景領域に形成される前記穿孔は、前記背景領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、
前記潜像領域の前記凸部、前記凹部、前記第1の傾斜領域、又は、前記第2の傾斜領域の種類のうち、いずれか一つの領域に沿って配列され、かつ、前記背景領域の前記穿孔が形成される前記種類とは、異なった種類の領域に沿って配列されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成体。
【請求項5】
前記凹部及び前記凸部は、すき入れによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項6】
前記凸部、又は、前記凹部及び前記凸部は、前記基材と等色又は透明インキによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項7】
前記凹部及び前記凸部は、エンボスによって形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成体。
【請求項8】
前記線状の凹部と前記線状の凸部は、直万線、曲万線又は同心円万線であることを特徴とする請求項1、3、4、5、6又は7記載の画像形成体。
【請求項9】
前記線状の凹部と前記線状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【請求項10】
前記ドット状の凹部と前記ドット状の凸部のピッチは、150〜1500μmの範囲であり、前記穿孔によって形成される万線状のピッチは、150〜1500μmの範囲で、穿孔の径は、50〜500μmの範囲で形成されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2007−237416(P2007−237416A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59018(P2006−59018)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
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