説明

画像形成装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】ネットワークを介して受信した画像データの送信先を事前に登録する必要がなく、接続された複数のパーソナルコンピュータの中で適切なパーソナルコンピュータへ画像データを送信する画像形成装置、その制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】本画像形成装置は、ネットワークに接続された装置の中から、画像データの転送先となる装置を登録し、登録された装置からのアクセスが発生していない時間を計時し、計時された時間が所定時間を超えると、画像データの転送先となる装置を、ネットワークに接続された装置の中の他の装置に切り替え、登録された装置からアクセスを受けると、画像データを当該装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファクス機能を内蔵した画像形成装置において、ネットワークや所定のインタフェースを介してパーソナルコンピュータから受信した画像データを、直接ファクス回線に送信する機能がある。また、逆にファクス回線より受信した画像データをパーソナルコンピュータに送信(転送)し、紙に出力することなく画像データを利用できる機能がある。ここで、ファクス回線を介して受信した画像データを送信する際の送信先となるパーソナルコンピュータを、1台に限定すると、当該パーソナルコンピュータが受信不能状態に陥った場合に画像データの送信が行えないという問題が発生する。この場合、リソースの少ない画像形成装置では、受信したファクス画像を記憶しておくためのメモリの空き容量がなくなり、ファクス受信が継続できなくなってしまう。
【0003】
そこで、特許文献1では、受信した画像データを事前に送信するパーソナルコンピュータを登録し、登録してあるパーソナルコンピュータが通信可能であるか否かを確認して受信データを送信することが提案されている。なお、登録してあるパーソナルコンピュータが通信不可状態であった場合は、登録済みの他のパーソナルコンピュータから通信可能なものを再度選択し、通信可能な装置へ画像データを送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−304125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には以下に記載する問題がある。例えば、特許文献1に記載のファクシミリ装置では、画像データの送信先となるパーソナルコンピュータを予め指定しておく必要があり、ユーザは複数のパーソナルコンピュータを事前に登録しなければならず、ユーザの利便性を損なうという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、ネットワークを介して受信した画像データの送信先を事前に登録する必要がなく、接続された複数のパーソナルコンピュータの中で適切なパーソナルコンピュータへ画像データを送信する画像形成装置、その制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネットワークを介して画像データを受信する画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、ネットワークに接続された装置の中から、画像データの転送先となる装置を登録する登録手段と、登録手段によって登録された装置からのアクセスが発生していない時間を計時する計時手段と、計時手段によって計時された時間が所定時間を超えると、画像データの転送先となる装置を、ネットワークに接続された装置の中の他の装置に切り替える切替手段と、登録手段によって登録された装置からアクセスを受けると、画像データを当該装置へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ネットワークを介して受信した画像データの送信先を事前に登録する必要がなく、接続された複数のパーソナルコンピュータの中で適切なパーソナルコンピュータへ画像データを送信する画像形成装置、その制御方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るシステム構成例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るシステムのシーケンスを示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<第1の実施形態>
<画像形成装置の構成>
以下では、図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態の画像形成装置100のハードウェア構成例について説明する。各ブロックはモジュールを示しており、ブロック間の矢印はデータもしくは指示の流れを示している。
【0012】
画像形成装置100は、印刷部107、読取部109、操作パネル110、回線I/F112、及び、これらの制御を司るコントローラ101を備える。コントローラ101は、CPU102、RAM103、ROM104、印刷部I/F106、読取部I/F108、モデム111、USB I/F115、ネットワークI/F118を備え、各ブロックはシステムバス105にて接続されている。
【0013】
CPU102は、各種制御プログラムに従って前記の各ブロックを統括的に制御する。各種制御プログラムは、ROM104のプログラム領域に記憶された制御プログラムを読み出すことによって実行される。或いは、ROM104のプログラム領域に記憶された圧縮されたデータをRAM103へ伸張、展開して実行される。また、図示しないハードディスクドライブ(HDD)に前述の各種制御プログラムを圧縮状態/非圧縮状態で格納してもよい。
【0014】
ネットワークI/F118は、ネットワーク(LAN)120などを介してホストコンピュータ(PC:パーソナルコンピュータ)121/122との通信処理を行う。ネットワークI/F118とネットワーク網120とは、LANケーブル119などの通信ケーブルで接続される。モデム111は、回線I/F112を介して公衆回線網114と接続し、図示しない他の画像形成装置やファクシミリ装置、電話機などと通信処理を行う。回線I/F112と公衆回線網114とは、一般的に電話線113などで接続される。
【0015】
印刷部I/F106は、印刷部107(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインタフェースである。また、読取部I/F108は、読取部109(スキャナエンジン)からの読取画像信号を入力するインタフェースである。CPU102は、読取部I/F109より入力された画像信号を処理し、記録画像信号として印刷部I/F106へ出力する。
【0016】
CPU102は、ROM104のフォント領域に記憶されたフォント情報を用いて、操作パネル110の表示部に文字や記号を表示したり、ユーザの指示を受けた操作パネル110からの指示情報を受けたりする。また、ROM104のデータ領域には、CPU102によって画像形成装置100の装置情報や、ユーザの電話帳情報、部門管理情報などが記憶され、CPU102により必要に応じて読み出され、必要に応じて更新される。図1では、読取部109及び印刷部107を複写機100の内部に設けた構成としたが、それぞれもしくは両方とも外部に設ける構成にしてもよい。
【0017】
<システム構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成システムについて説明する。本画像形成システムは、図2に示すように、画像形成装置100と、ネットワーク120を介して画像形成装置100に接続された複数のPC121、122とを備える。画像形成装置100は、ネットワーク120を介して、外部装置から画像データを受信する。本実施形態では、画像データの一例として、ファクス回線を介して受信したファクス画像データについて説明する。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、ネットワーク120を介して受信した画像データであれば適用することができる。201はファクス回線を介した画像形成装置100へのファクス受信を示す。ファクスを受信した画像形成装置100は受信した画像データをRAM103に格納する。
【0018】
202はPC121から画像形成装置100に対する画像データの取得要求を示す。当該取得要求に対して、画像形成装置100は、ファクス画像を受信済みであれば、203において画像データをPC121へ送信する。一方、画像データの取得要求に対して、画像形成装置100は、ファクス受信済みでなければ、送信可能な画像データがない旨をPC121に対して返答する。
【0019】
204はPC122から画像形成装置100に対するファクス受信履歴情報の取得要求を示す。当該取得要求に対して、画像形成装置100は、自身が保持するファクス受信履歴情報を205においてPC122へ送信する。206はPC122からPC121に対する受信済み画像データの取得要求である。当該取得要求に対して、PC121は、自身が保持するファクス画像データを207においてPC122へ送信する。
【0020】
このように、本画像形成システムにおいて、画像形成装置100は、ネットワーク120を介して接続されたPC121、122の何れかからの画像取得要求に応じて、ファクス回線を介して受信した画像データを画像取得要求を発行したPCに転送する。また、画像形成装置100は、画像データを受信していない他のPCに対してファクス受信の履歴情報を提供する。これにより、他のPCは、画像データを受信しているPCから当該画像データを取得することができる。このように、本実施形態に係る画像形成装置100は、ファクス回線を介して受信した画像データをPCへ転送することにより、自装置のメモリ消費を抑え、その後のファクス受信に備える。一方、画像形成装置100は、画像データを何れのPCに送付したかを他のPCに通知することにより、他のPCにおいても当該画像データを取得できるように制御する。
【0021】
<システムシーケンス>
次に、図3を参照して、本実施形態に係るシステムのシーケンスについて説明する。なお、以下で説明するシーケンスは、PC121、122にそれぞれ画像形成装置100のドライバをインストールする処理から、画像形成装置100においてファクス受信した際に当該画像データを送信するまでの処理を示す。S301及びS305は、それぞれPC121、122において画像形成装置100のドライバをインストールするステップを示す。これにより、PC121、122は画像形成装置100よりファクス画像データ/ファクス受信履歴を取得することが可能となる。
【0022】
S302において、PC121は、画像形成装置100に対して通信可能な状態であることを登録する。図3に示すように、ここでは、PC121が画像形成装置100に対して登録を行う最初のPCとなる。具体的には、S303において、PC121は、ポーリングパケットを画像形成装置100に対して発行し、画像形成装置100はPC121をデータ取得許可PCとして認識し、データ取得許可情報をS304においてPC121に返す。ここで、データ取得許可PCとは、許可装置の一例であり、画像形成装置100が受信したファクス画像データを送信することが許可されたPCを示す。一方、当該データの送信が許可されていないPCを以下ではデータ取得不許可PCと称する。
【0023】
一方、S306において、PC122は、S302のPC121と同様に画像形成装置100に対して通信可能な状態であることを登録する。具体的には、S307において、PC122は、ポーリングパケットを画像形成装置100に対して発行してデータの転送先となる装置として登録しようとする。しかし、PC121が既にデータ取得許可PC(転送先となる装置)として登録されているため、画像形成装置100はデータ取得不許可情報をS308においてPC122に返す。以降、PC121はデータ取得許可PCとして動作し、PC122はデータ取得不許可PC(他の装置)として動作する。また、図示していないがPC122と同様にデータ取得不許可PCは複数存在し得る。
【0024】
次に、S309において、画像形成装置100は、ファクス回線を介して画像データを受信する。画像形成装置100は、受信したファクス画像データをデータ取得PCからのデータ取得要求を受信するまで自装置のメモリに保持する。その後、S310において、PC122は、画像形成装置100に対してファクス画像データの受信履歴を問い合わせる。具体的には、S311において、PC122は、S311でポーリングパケットを画像形成装置100に対して発行する。続いて、S312において、画像形成装置100は、PC122がデータ取得不許可PCであるため、当該ポーリングパケットに対する応答として、ファクス受信履歴情報をPC122に返す。図3においては、ファクスは受信済みであるが、画像データはデータ取得許可PC、即ちPC121には送信していないので、画像形成装置100は、ファクス受信履歴情報として、ファクス受信あり/データ未送信を示す情報を通知する。ファクス受信あり/データ未送信情報には、ファクス画像データを受信済みであること示す情報と、当該データをPCに送信していないことを示す情報とが含まれる。
【0025】
次に、S313において、PC121は、画像形成装置100に対してファクス画像データの問い合わせを行う。具体的には、S314において、PC121はポーリングパケットを発行する。続いて、S315において、画像形成装置100は、PC121がデータ取得許可PCであるため、ファクス画像データをPC121に返す。さらに、画像形成装置100は、ファクス画像データをPC121に送信したことに伴って、自身が保持していた画像データを削除すると共に、ファクス受信履歴に当該画像データがデータ取得許可PCに送信されたことを記録する。
【0026】
S316において、PC122は、S310と同様に画像形成装置100に対して受信履歴の問い合わせを行う。具体的には、S317において、PC122は、ポーリングパケットを画像形成装置100に対して発行する。続いて、S318において、画像形成装置100は、ポーリングパケットの応答として、ファクス受信履歴情報をPC122に返す。ここでは、既にS315において画像データがデータ取得許可PCに送信されているため、ファクス受信あり/データ送信先情報を通知する。ファクス受信あり/データ送信先情報には、ファクス画像データを受信済みであることを示す情報と、当該データを送信した送信先(ここでは、PC121)を示す情報とが含まれる。
【0027】
S319において、PC122は、S318で受信したファクス受信履歴情報に基づきデータ取得許可PCであるPC121に対して画像データの問い合わせを行う。具体的には、S320において、PC122は、ポーリングパケットをPC121に対して発行する。その後、S321において、PC121は、ポーリングパケットに対する応答として、保持しているファクス画像データをPC122に返す。
【0028】
次に、S322において、PC121がダウンすることにより、通信不能状態となる。ここで、PC121は事前にダウンすることを画像形成装置100に通知することなく通信不能状態へ遷移していることとする。したがって、ここでは、データ取得許可PCであるPC121がダウンしたため、S315で画像形成装置100が送付した画像データを他のPCが取得できない状態となっている。
【0029】
次に、S323において、PC122は、S310と同様に画像形成装置100に対して受信履歴の問い合わせを行う。具体的には、S324において、PC122は、ポーリングパケットを画像形成装置100に対して発行する。画像形成装置100は、データ取得許可PCからのポーリングパケットを一定時間受信できなくなるまでは、データ取得許可PCの切り替えを行わない。したがって、この時点では、タイムアウトが発生しておらず、画像形成装置100は、データ取得許可PCがPC121であると認識している。そのため、S325において、画像形成装置100は、S312と同様に、PC122がデータ取得不許可PCであるため、S324のポーリングパケットに対する応答として、ファクス受信履歴情報をPC122に返す。
【0030】
その後、S326において、PC122は、再びS310及びS323と同様に画像形成装置100に対して受信履歴の問い合わせを行う。ここでは、画像形成装置100においてデータ取得許可PCの切替に関するタイムアウト時間が経過している。したがって、S327のPC122からのポーリングパケットに対して、S328において、画像形成装置100は、データ取得許可PCの切り替えを行う旨をPC122に通知する。データ取得許可PCの切替先として、例えば、データ取得許可PCの切替に関するタイムアウト時間が経過した後に、最初に画像形成装置100に対して受信履歴の問い合わせを行ったPCとしてもよい。
【0031】
次に、S329において、PC122は、データ取得許可PCの登録を行う。具体的には、S330において、PC122は、ポーリングパケットを画像形成装置100に発行する。その後、S331において、画像形成装置100は、PC122をデータ取得許可PCとして認識し、データ取得許可情報をPC122に返す。以降、PC122はデータ取得許可PCとして動作する。
【0032】
<制御フロー>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、CPU102がROM104等のメモリから制御プログラムをRAM103に読み出して実行することによって実行される。
【0033】
S401において、CPU102は、データ取得許可PCが決定されていない状態として画像形成装置100を初期化する。続いて、S402において、CPU102は、ポーリングパケットを受信したか否かを判定し、受信した場合はS403へ進み、受信していない場合はS409へ進む。
【0034】
S403において、CPU102は、現在、データ取得許可PCが決定されているか否かを判定し、決定されている場合はS405へ進み、決定されていない場合はS404に進む。S404において、CPU102は、受信したポーリングパケットの送信元をデータ取得許可PCとして設定し、S405に進む。なお、S405において、CPU102は、ポーリングパケットがデータ取得許可PCからのものであれば後述するポーリングタイマにおいて計時された計時時間をクリアする。
【0035】
S405において、CPU102は、受信したポーリングパケットの送信元を確認し、送信元がデータ取得許可PCであるか否かを判定する。送信元がデータ取得許可PCである場合はS406へ進み、送信元がデータ取得許可PCではない場合はS408へ進む。
【0036】
S406において、CPU102は、データ取得許可PCからのポーリングパケット受信に際し、ファクス画像データを受信済みであるか否かを判定する。ファクス画像データを受信済みである場合はS407に進み、CPU102は、データ取得許可PCに対するファクスデータ送信処理を実施し、S409へ進む。一方、S406でファクス画像データを受信していないと判定した場合はS409に進む。また、S405で送信元がデータ取得許可PCでないと判定されると、S408において、CPU102は、データ取得不許可PCからのポーリングパケット受信に際し、データ取得不許可PCに対する受信履歴送信処理を実施し、S409へ進む。
【0037】
S409において、CPU102は、各PCからのポーリングパケット間隔を計測するポーリングタイマを更新し、S410に進みデータ取得許可PCがタイムアウトしたか否かを判定する。S410においてデータ取得許可PCからのポーリングパケットが一定期間到達していないことが判明した場合、CPU102は、S411へ進み、画像形成装置100の設定をデータ取得許可PCが不定な状態である旨に変更し、S402に戻る。一方、S410においてタイムアウトが発生していない場合はそのままS402へ処理を戻す。ここで、ポーリングタイマとは、データ取得許可PCからのアクセスが発生しない継続時間をカウントするためのタイマであり、当該継続時間が所定時間を超えるとCPU102はデータ取得許可PCが通信不可状態に陥ったと判断する。なお、ポーリングタイマは、上述したように、データ取得許可PCからのアクセスが発生したと判断した時点で当該継続時間をクリアし、新たにカウントを行わせる。このポーリングタイマが計時する所定時間は、ユーザの操作によって任意に設定可能にしてもよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、ネットワークを介して接続されたPCの中から、画像形成装置が外部から受信する画像データの転送を許可するPC(許可装置)を選択して登録する。さらに、本画像形成装置は、当該許可装置からアクセスを監視し、当該アクセスが発生しない期間(継続時間)が所定時間を超えると、他のPCから許可装置を選択して登録する。なお、許可装置でない他の装置からアクセスを受けると、画像形成装置は、画像データの受信履歴と、許可装置を示す情報とを当該他の装置に送信する。これにより、他の装置は、許可装置から画像データを取得することができる。このように、本実施形態に係る画像形成装置は、ユーザが事前に許可装置を登録する必要がなく、現在の許可装置が通信不可状態に陥った場合でも他の装置を許可装置に切り替えることができる。よって、本画像形成装置は、メモリが枯渇して外部から画像データを受信することが不可能な状態に陥ることを防止することができる。
【0039】
<変形例>
次に、変形例について説明する。上記実施形態では、PC121が画像形成装置100に対して通信不可状態に移行することを通知することなく通信断となった場合について説明した。この場合、画像形成装置100は、PC121からの通信が一定時間到達しなくなったことを検知すると、PC121が通信不可状態になったと判断し、代替のデータ取得許可PCを選択する処理に移行した。しかしながら、本発明は上記実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、PC121が自らの意志でシャットダウンするような場合、通信不可状態に移行する旨を画像形成装置100に通知することで、画像形成装置100が即座に代替のデータ取得許可PCを選択する処理に移行することも可能である。この場合についても、データ取得許可PCからの通信不可状態に移行する旨の通知を受けた後に、受信履歴を問い合わせてきた他のPCを新たにデータ取得許可PCとして設定してもよい。
【0040】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して画像データを受信する画像形成装置であって、
前記ネットワークに接続された装置の中から、前記画像データの転送先となる装置を登録する登録手段と、
前記登録手段によって登録された装置からのアクセスが発生していない時間を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時された時間が所定時間を超えると、前記画像データの転送先となる装置を、前記ネットワークに接続された装置の中の他の装置に切り替える切替手段と、
前記登録手段によって登録された装置からアクセスを受けると、該画像データを当該装置へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記他の装置からアクセスを受けると、前記画像データの受信履歴と、前記登録手段によって登録された装置を示す情報とを当該他の装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記登録手段は、装置が登録されていない状態で、前記画像形成装置にアクセスした最初の装置を画像データの転送先となる装置として登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記登録手段によって登録された装置が前記画像形成装置に対して通信不可状態となる旨の通知を当該装置から受信すると、前記画像データの転送先となる装置を他の装置に切り替えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記画像データを前記転送先となる装置へ送信すると、前記画像形成装置から前記画像データを削除することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データは、ファクス回線を介して受信されるデータであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ネットワークを介して画像データを受信する画像形成装置の制御方法であって、
登録手段が、前記ネットワークに接続された装置の中から、前記画像データの転送先となる装置を登録する登録ステップと、
計時手段が、前記登録ステップにおいて登録された装置からのアクセスが発生していない時間を計時する計時ステップと、
切替手段が、前記計時ステップにおいて計時された時間が所定時間を超えると、前記画像データの転送先となる装置を、前記ネットワークに接続された装置の中の他の装置に切り替える切替ステップと、
送信手段が、前記登録ステップにおいて登録された装置からアクセスを受けると、該画像データを当該装置へ送信する送信ステップと
を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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