説明

画像形成装置、サーバ装置、処理システム、および、プログラム

【課題】画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高める。
【解決手段】画像形成装置2は、画像形成装置2自身が有する固有の装置識別番号、および、解除コードの送信を要求する送信要求をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、装置識別番号に応じた解除コードを画像形成装置2に送信する。その後、画像形成装置2は、受信したこの解除コードに基づく画像を用紙に形成する。そして、画像形成装置2は、用紙に形成した上記画像を読み取ることで解除コードを取得する。その後、画像形成装置2は、取得したこの解除コードを用い、ユーザによる操作入力が規制されている入力項目のこの規制を解除する。これにより、UI上に、今まで表示されていなかった画面が現れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、サーバ装置、処理システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルの登録を受け付けた際に、このファイルの格納場所を含む依頼書を依頼元に提供し、依頼元では、この依頼書をプリントし、この依頼書をプリントシステム等に読み取らせて、ファイルの格納場所を認識させ、その認識結果に基づいてファイルを取得させるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−56312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ユーザからの入力を受け付ける受け付け手段と、ユーザによる前記入力を規制する規制手段と、前記規制の解除に用いられる解除コードを外部機器から取得する解除コード取得手段と、前記解除コード取得手段により取得された前記解除コードを含む画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により前記記録材上に形成された前記画像を読み取る画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段により読み取られた画像から前記解除コードを取得し前記規制を解除する解除手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記画像形成手段と前記画像読み取り手段とは互いに異なる箇所に配置され、当該画像形成手段により画像が形成された記録材上の当該画像を当該画像読み取り手段により読み取る際には、当該画像形成手段から当該画像読み取り手段への、ユーザによる記録材の移動が必要になることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成手段は、前記解除コードを含む前記画像を記録材に形成するに際し、当該解除コードがコード画像化されたものを当該記録材に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記画像形成手段は、前記解除コードを含む前記画像に日時情報を含ませ、前記画像読み取り手段により読み取られた前記画像から前記日時情報を取得する日時情報取得手段を更に備え、前記解除手段は、前記画像読み取り手段が前記画像の読み取りを行った際の日時と、前記日時情報取得手段により取得された前記日時情報により特定される日時とが異なる場合、又は、当該日時情報により特定される日から予め定められた日時が経過した後に、当該画像読み取り手段による当該読み取りが行われた場合には、前記規制の解除を行わないことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記画像読み取り手段による記録材上の前記画像の読み取りが行われる際、ユーザによって予め定められた箇所に当該記録材がセットされ、前記解除コード取得手段は、ユーザからの要求に応じて前記外部機器が送信した前記解除データを受信することで当該解除データを取得し、前記予め定められた箇所に前記記録材をセットするユーザを認識する第1の認識手段と、ユーザから前記外部機器に対してなされる前記要求を行ったユーザを認識する第2の認識手段と、を更に備え、前記解除手段は、前記第1の認識手段により認識されるユーザと前記第2の認識手段により認識されるユーザとが異なる場合、前記規制の解除を行わないことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項6に記載の発明は、ユーザによる入力を規制するとともに予め定められた解除コードを取得した場合に当該規制を解除する手段を有した画像形成装置にて用いられる当該解除コードを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記解除コードから機械読み取り可能なコード画像を生成するコード画像生成手段と、前記解除コードから生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信する送信手段と、を備えるサーバ装置である。
請求項7に記載の発明は、前記コード画像生成手段は、前記コード画像を生成するに際し、日付情報をさらに含めて当該コード画像を生成し、前記送信手段は、前記解除コードおよび前記日付情報を含んで生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置である。
【0007】
請求項8に記載の発明は、記録材に画像を形成する複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置に接続されるサーバと、を備え、前記画像形成装置は、ユーザからの入力を受け付ける受け付け手段と、ユーザによる前記入力を規制する規制手段と、前記規制の解除に用いられる解除コードを前記サーバから取得する解除コード取得手段と、前記解除コード取得手段により取得された前記解除コードを含む画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により前記記録材上に形成された前記画像を読み取る画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段により読み取られた画像から前記解除コードを取得し前記規制を解除する解除手段と、を備えていることを特徴とする処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記サーバは、前記解除コードを機械読み取り可能なコード画像としたうえで、前記画像形成装置に当該解除コードを送信することを特徴とする請求項8記載の処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記解除コード取得手段は、前記サーバから送信された前記解除コードを受信することで当該解除コードを取得し、前記サーバは、ユーザからの要求が予め定められた携帯電話端末からあった場合に前記解除コードの前記送信を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の処理システムである。
【0008】
請求項11に記載の発明は、ユーザによる入力を規制する機能と、前記規制の解除に用いられる解除コードを取得する機能と、記録材に画像を形成する画像形成部を動作させて前記解除コードを含む画像を当該記録材に形成させる機能と、画像を読み取る画像読み取り部を動作させて前記記録材に形成された前記画像を読み取らせる機能と、前記画像読み取り部により読み取られた画像から前記解除コードを取得する機能と、取得した前記解除コードを用いて前記規制を解除する機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項12に記載の発明は、ユーザによる入力を規制するとともに予め定められた解除コードを取得した場合に当該規制を解除する手段を有した画像形成装置にて用いられる当該解除コードから機械読み取り可能なコード画像を生成する機能と、前記解除コードから生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信する送信機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、記録材の移動が行われなくても画像読み取り手段による画像の読み取りが行われる態様に比べ、入力の規制が意図しない者により解除されることを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、記録材上に解除コードがそのままの状態で印字される場合に比べ、入力の規制が意図しない者により解除されることを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、日付情報を用いない場合に比べ、入力の規制が意図しない者により解除されることを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、認識手段によるユーザの認識を行わない場合に比べ、入力の規制が意図しない者により解除されることを抑制することができる。
【0010】
請求項6の発明によれば、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることができる。
請求項7の発明によれば、画像形成装置における入力の規制が意図しない者によって解除されることを抑制することができる。
【0011】
請求項8の発明によれば、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることができる。
請求項9の発明によれば、解除コードを画像形成装置側にてコード画像にする場合に比べ、各画像形成装置における処理負担を軽減することができるようになる。
請求項10の発明によれば、画像形成装置における入力の規制が意図しない者によって解除されることを抑制することができる。
【0012】
請求項11の発明によれば、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることができる。
請求項12の発明によれば、画像形成装置に対するユーザの入力が規制されている際に用いられる規制解除用のコードをユーザが装置に入力する際の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の形態に係る処理システムの構成例を示した図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の形態に係る処理システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本実施形態の形態に係る処理システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態の形態に係る処理システムの構成例を示した図である。
【図6】第2の実施形態に係る処理システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る処理システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
―第1の実施形態―
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る処理システムの構成例を示した図である。同図に示すように、本実施形態の処理システム100は、コンビニエンスストアなどに設置される複数の画像形成装置2と、インターネットや公衆回線などのネットワーク5を介して画像形成装置2に接続されるサーバ装置1とから構成されている。
【0015】
サーバ装置1は、サービスセンタなどの管理側に配置されるものであり、画像形成装置2に対しサーバとして動作する。ここで、このサーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などを有したコンピュータ装置により構成される。また、サーバ装置1には、画像形成装置2との間でデータの送受信を行う通信インターフェース(通信I/F)(不図示)が設けられている。一方、画像形成装置2は、ユーザによりセットされた原稿を読み取る画像読み取り部、画像読み取り部により取得された画像データ等に基づき記録材の一例である用紙に画像を形成する画像形成部によりその主要部が構成されている。
【0016】
図2は、画像形成装置2の構成を示すブロック図である。
本実施形態の画像形成装置2には、同図に示すように、また、上記のとおり、ユーザによりセットされた原稿を読み取る画像読み取り部21、画像読み取り部21により取得された画像データ等に基づき用紙に画像を形成する画像形成部22が設けられている。なお、画像形成装置2には、SDカードなどの記憶媒体から画像データを読み出す読み出し部が設けられており(不図示)、画像形成部22は、この記憶媒体から読み出された画像データに基づき画像を形成する場合もある。
【0017】
ここで、画像読み取り部21は、いわゆるスキャナにより構成されており、光源と、光源により照射された光であって用紙から反射された光を受光する受光部とを備えている。また、画像形成部22は、いわゆる電子写真方式により用紙に対して画像を形成する。ここでこの画像形成部22は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電装置、画像データに基づき感光体ドラムを露光する露光装置、感光体ドラム上に形成された潜像をトナーを用いて現像する現像装置、現像により形成されたトナー像を用紙に転写する転写装置とから構成されている。なお本実施形態では、いわゆる電子写真方式により画像を形成する場合を例示したが、インクジェット方式などの他の方式を用いて画像を形成することもできる。
【0018】
また、画像形成装置2には、タッチパネル方式のモニタにより構成され、ユーザからの入力を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するユーザインタフェース(UI)23が設けられている。また、画像形成装置2には、ユーザが支払った貨幣を受けるととともに釣り銭の支払いを行う課金装置24が設けられている。また、画像形成装置2には、画像形成装置2に設けられた各部、各装置を制御する制御部25、サーバ装置1との間でデータの送受信を行う通信インターフェース(通信I/F)(不図示)が設けられている。ここで、制御部25は、予め定められた演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、および、周辺回路により構成されている。
【0019】
図3、図4は、本実施形態の形態に係る処理システム100における処理の流れを示したフローチャートである。なお、ここでは、コンビニエンスストアに画像形成装置2が設置されている場合の処理例を説明する。
本実施形態の処理システム100では、まず、画像形成装置2において、コンビニエンスストアの店員によって、受け付け手段の一例としてのUI23の操作がなされ、UI23を通じ印刷命令の入力が行われる。そして、この印刷命令の入力が行われると、この印刷命令が制御部25にて受け付けられる(ステップ101)。そして、印刷命令を受け付けた制御部25は、画像形成装置2自身が有する固有の装置識別番号をHDDなどから読み出すとともに、この装置識別番号、および、解除コード(詳細は後述)の送信を要求する送信要求をサーバ装置1に対して送信する(ステップ102)。
【0020】
そして、この送信要求をサーバ装置1が受け付けると、サーバ装置1は、まず、上記装置識別番号に応じた解除コードを例えば記憶部の一例としてのHDDから読み出す(ステップ201)。次いで、サーバ装置1のCPU(画像生成手段の一例)は、この解除コードと現在の日付とを含むコード画像(機械読み取り可能なコード画像)を生成する(ステップ202)。次いで、送信手段として機能するサーバ装置1の通信I/Fは、このコード画像を含んだ画像データを画像形成装置2に送信する(ステップ203)。
【0021】
そして、解除コード取得手段として機能する、画像形成装置2の通信I/Fにて、上記画像データが受信されると、画像形成装置2の制御部25は、画像形成部22を動作させることで、受信したこの画像データに基づく画像を用紙に形成し(ステップ103)、この用紙を排出する。次に、排出されたこの用紙が上記店員により画像読み取り部21にセットされるとともにUI23に設けられているスタートボタンがこの店員により押圧される。その後、画像形成装置2の制御部25は、画像読み取り部21を動作させ、用紙に形成された画像の読み取りを行う(ステップ104)。
【0022】
次いで、日時情報取得手段としても機能する制御部25は、読み取った画像中に含まれるコード画像を解析し日付に関する情報を取得する(ステップ105)。その後、制御部25は、自身が有する計時部(不図示)から日付情報を取得し(ステップ106)、この日付情報と、コード画像から取得した日付情報とが一致するか否かを判断する(ステップ107)。
【0023】
ここで、一致しない場合には、以後の処理を行わずに処理を終了する。一方で、一致する場合、制御部25は、コード画像の解析を更に行うことで解除コードを取得する(ステップ108)。次いで、解除手段としても機能する制御部25は、この解除コードを用い、ユーザによる操作入力が規制されている入力項目のこの規制を解除する(ステップ109)。これにより、例えば、UI23上に、今まで表示されていなかった画面が現れるようになり、ユーザは、それまで操作入力が行えなかった入力項目についての操作入力を行うことができるようになる。
【0024】
ここで、コンビニエンスストアなどに設置されている画像形成装置2では、一般のユーザによる操作入力が予定されている項目がある。また、一般のユーザによる操作入力は予定されておらず店側による操作入力が予定されている項目がある。例えば、課金に関する設定などは、ユーザによる操作入力は予定されておらず、店側による操作入力が予定されている。ところで、何ら制限がないと、このような課金に関する操作入力が一般のユーザにより行われてしまうおそれがある。
【0025】
このため、本実施形態では、このような入力項目についてのUI23における表示が基本的には行われないようになっている。付言すると、このような入力項目に対するユーザの入力が規制手段として機能する制御部25により規制された状態となっている。そして本実施形態では、この規制を解除する解除コードの入力があった場合に、この入力項目に対する操作入力ができるようにしている。付言すると、このような入力項目に対する入力は規制されており、解除コードの入力を条件としてこの規制を解除するようにしている。
【0026】
ここで、解除コードについては、例えば紙面上に書き留めておくことで必要なときに解除コードを入手することができる。ところで、コンビニエンスストアなどにおいては、店長など解除コードを管理する管理者が不在のときもあり、この場合、管理者以外の第三者(店員)がこの解除コードを入手できない事態が生じうる。また、解除コードについては、例えば、管理センター等に電話などで問い合わせを行うことで入手することもできるが、かかる場合、問い合わせの回答のためにオペレータが必要となり、システム全体の維持コストが増大してしまう。また、紙面に書き留めておいた解除コードや、電話などで問い合わせて入手した解除コードについては、手入力による画像形成装置2への入力が行われることとなるが、この場合、手間を要するようになるとともに入力ミスの発生が避けられないものとなる。
【0027】
このため、本実施形態では、上記にように、サーバ装置1への問い合わせ、コード画像が形成された用紙の画像読み取り部21へのセットの2つのステップにより上記規制が解除されるようにしている。付言すると、本実施形態の構成では、ユーザ(店員)は、この2つのステップを行うだけで解除コードによる解除を行うことができるようになっている。この場合、上記のように管理者が不在の場合であっても、解除コードによる解除を行うことができるようになる。また、電話等による問い合わせも不要となるため、オペレータを減らすことができ全体のコストの低減が図られる。さらに、コード画像が形成された用紙の画像読み取り部21へのセットを行うことで解除コードの入力が行われるようになるため、解除コードの入力ミスも生じにくくなる。
【0028】
なお、上記にて説明したコード画像には、例えばQR(Quick Response)コード(登録商標)が用いられる。なお、QRコードは一例であり、QRコード以外のコード画像(例えば一次元のバーコード)を用いることもできる。なお、コード画像に換えて、解除コードそのものを用紙に印字することもできる。そしてこの場合は、例えばOCR(Optical Character Reader)を用いて解除コードが取得される。なおこの場合、用紙上に解除コードそのものが印刷されるようになり、第三者(店員以外の第三者)による解除コードの入手が容易となってしまう。このため本実施形態では、解除コードをコード画像化して用紙上に印刷するようにしている。
【0029】
なお、上記では説明を省略したが、本実施形態の画像形成装置2では、画像読み取り部21と画像形成部22とは互いに異なる箇所に配置され、画像形成部22により形成された画像を画像読み取り部21により読み取る際には、画像形成部22から画像読み取り部21への、ユーザによる用紙の移動が必要になる。これにより、本実施形態では、店員以外の第三者による上記規制の解除がさらに起きにくくなっている。
ここで、例えば、画像形成部22により画像が形成された後に画像読み取り部21によりこの画像が自動的に読まれる構成の場合、手順が簡略化される。かかる場合、詳細な手順を知らない第三者が上記解除をより簡単に行なうことができるようになってしまう。このため本実施形態では、規制の解除に際して用紙の移動というステップが必要となるようにし、規制の解除に要する手順の複雑化を図っている。
【0030】
ところで、本実施形態では、上記のように、解除コードを含むコード画像が用紙上に印刷される。ここで、この用紙が使用後にすぐに廃棄されればよいが、廃棄されない場合、以後もこの用紙を使えば上記規制の解除を行うことができてしまう。このため、本実施形態では、上記のように、コード画像に日付情報を含ませ、画像読み取り部21が用紙上のコード画像の読み取りを実際に行なった際の日付と、コード画像から取得された日付情報により特定される日付とが一致する場合に、解除コードによる解除がなされるようにしている。このようにすることで、例えば、店側とは関係のない第三者による規制の解除が起きにくくなる。
【0031】
なお、本実施形態では、日付が一致するか否かで解除コードによる解除を行うか否かを決定する場合を説明したが、コード画像から取得された日付情報により特定される日から予め定められた日数が経過するよりも前に、画像読み取り部21による用紙上のコード画像の読み取りが行われた場合には上記解除がなされるようにし、予め定められた日数が経過した後に、画像読み取り部21による用紙上のコード画像の読み取りが行われた場合には、上記解除がなされないようにすることもできる。
【0032】
また、上記では、日付情報を利用して解除コードによる解除を行うか否かを決定する場合を説明したが、時間情報も利用して解除するか否かを決定するようにしてもよい。例えば、コード画像に含まれている時間情報から把握される時間から予め定められた時間が経過するまでは、解除コードによる解除が行われるようにし、この予め定められた時間が経過後は、解除コードによる解除が行われないようにすることができる。
【0033】
また、画像形成装置2にて印刷された上記用紙を用いることができる回数を制限するようにしてもよい。例えば、上記用紙が使用された際の使用回数が予め定められた回数未満である場合には、解除コードによる解除が行われるようにし、使用回数が予め定められた回数以上である場合には、解除コードによる解除が行われないようにすることができる。
【0034】
なお、用紙の使用回数は以下の手法により把握することができる。
まず、サーバ装置1にてコード画像を形成する際、このコード画像に、シリアル番号など個々の用紙の識別を可能とする用紙識別情報についての情報も含ませておく。その後、画像形成装置2では、この用紙識別情報が含まれたコード画像が用紙上に印刷される。その後、この用紙についての画像読み取りが行われるが、画像読み取りが行われる度に、この用紙の用紙識別情報を把握するとともに、この用紙識別情報に対応付けて用紙の使用回数を記憶部に記憶させる。これにより、記憶部を参照することで用紙の使用回数を把握することができるようになる。
【0035】
―第2の実施形態―
次に、第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態の形態に係る処理システム100の構成例を示した図である。また、図6、図7は、第2の実施形態に係る処理システム100における処理の流れを示したフローチャートである。なお、上記第1の実施形態と同様の機能を有する部分についは同一の符号を付し詳細な説明は省略する。また以下の説明では、上記と同様、画像形成装置2がコンビニエンスストアに設置された場合を例示している。
【0036】
本実施形態における処理システム100では、図5に示すように、画像形成装置2の各々に対応する携帯電話端末装置8が設けられている。また、本実施形態における処理システム100では、コンビニエンスストアに勤務している店員のそれぞれに、各々の店員を識別するための店員識別情報を記憶したIDカード9が配られている。さらに本実施形態では、画像形成装置2の各々に、IDカード9からの情報の読み出しを行うカードリーダ26が設けられている。
【0037】
図6、図7を参照し、本実施形態の処理システム100における処理の流れを説明する。
本実施形態の処理システム100では、携帯電話端末装置8に、情報の送信先であるサーバ装置1のアドレスが登録されている。また、この処理システム100では、携帯電話端末装置8に、画像形成装置2の装置識別番号が予め記憶されている。本実施形態では、まず、店員が有する上記IDカード9に記憶されている店員識別情報が携帯電話端末装置8に手入力される。その後、店員識別情報、上記装置識別番号、および、解除コードの送信を要求する送信要求が、携帯電話端末装置8からサーバ装置1へ送信される(ステップ111)。
【0038】
そして、サーバ装置1にて、店員識別情報、装置識別番号、および、送信要求が受信されると、サーバ装置1は、まず、装置識別番号に応じた解除コードを記憶部から読み出す(ステップ211)。その後、サーバ装置1は、読み出したこの解除コードと上記店員識別情報とを含むコード画像を生成する(ステップ212)。次いで、サーバ装置1は、このコード画像を含んだ画像データを画像形成装置2に送信する(ステップ213)。また、サーバ装置1は、画像データを画像形成装置2に送信した旨の通知を携帯電話端末装置8に送信する(ステップ214)。これにより、店員が、コード画像が形成された用紙が画像形成装置2にて排出されることを認識するようになる。
【0039】
その後、画像形成装置2の通信I/Fにて、上記画像データが受信されると、画像形成装置2の制御部25は、画像形成部22を動作させることで、受信したこの画像データに基づく画像を用紙に形成し(ステップ112)、この用紙を排出する。次に、排出されたこの用紙が店員により画像読み取り部21にセットされるとともにUI23に設けられているスタートボタンがこの店員により押圧される。その後、画像形成装置2の制御部25は、画像読み取り部21を動作させ、用紙に形成された画像の読み取りを行う(ステップ113)。その後、制御部25は、読み取った画像の中に含まれるコード画像を解析しコード画像に含まれる店員識別情報を取得する(ステップ114)。これにより、第2の認識手段としても機能する制御部25は、解除コードの送信を要求する送信要求をサーバ装置1へ行ったユーザを認識するようになる。
【0040】
その後、制御部25は、UI23を通じ、ユーザ(店員)に対して、カードリーダ26によるIDカード9の読み取りが必要な旨を通知する(ステップ115)。これにより、IDカード9がカードリーダ26にセットされ、IDカード9に含まれる店員識別情報がカードリーダ26により読み取られる。これにより、第1の認識手段としても機能する制御部25が、用紙上の画像の読み取りを行ったユーザ(画像読み取り部21に用紙をセットしたユーザ)を認識するようになる。その後、制御部25は、コード画像から取得した店員識別情報と、カードリーダ26により取得された店員識別情報とが一致するか否かを判断する(ステップ117)。
【0041】
ここで、一致しない場合には、以後の処理を行わずに処理を終了する。即ち、ユーザによる操作入力が規制されている入力項目のこの規制を解除せずに処理を終了する。一方で、一致する場合には、上記と同様、制御部25は、コード画像の解析を更に行うことで解除コードを取得するとともに(ステップ118)、この解除コードを用い、ユーザによる操作入力が規制されている入力項目のこの規制を解除する(ステップ119)。これにより、上記と同様、UI23上に、今まで表示されていなかった画面が現れるようになり、それまで入力が行えなかった入力項目についての操作入力を行うことができるようになる。
【0042】
ここで、第1の実施形態では、画像形成装置2を操作することで、解除コードの送信を要求する送信要求がサーバ装置1に送信される構成であったが、かかる態様では、店員以外の第三者も送信要求を行いやすくなる。一方で、本実施形態の構成では、コンビニエンスストア毎に設けられた携帯電話端末装置8を介して送信要求がなされるようになっているため、店員以外の第三者による送信要求がなされにくくなる。かかる場合、第1の実施形態の構成に比べ、店員以外の第三者による解除コードの入手が起きにくくなる。
【0043】
また、本実施形態では、各店員が有する店員識別情報と、コード画像に含まれている店員識別情報とが一致する場合に、上記解除がなされるようになっている。このため、店員以外の第三者による解除がさらに起きにくくなる。また、規制の解除に用いられた用紙が廃棄されずにこの用紙が店員以外の第三者に入手されることも考えられるが、本実施形態の場合、IDカード9がないとこの規制の解除をできないため、店員以外の第三者による規制の解除がさらに起きにくくなる。なお、本実施形態では、コード画像に日付情報が含まれないようになっているが、第1の実施形態と同様に、コード画像に日付情報を更に含めることもできる。
【0044】
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、サーバ装置1側にてコード画像を形成しコード画像についての画像データを画像形成装置2へ送信する態様を説明したが、サーバ装置1側から画像形成装置2へは画像データではなく解除コードを送信し、画像形成装置2にて解除コードに基づき画像データを生成するようにしてもよい。なお、画像形成装置2における処理負担を減らすという観点からは、サーバ装置1側にて、一括して、解除コードを用いての画像データの生成を行なうことが好ましくなる。
【0045】
なお、上記の実施の形態に示す各種処理は、サーバ装置1や画像形成装置2にて実行されるプログラムで実現される。このプログラムは、サーバ装置1や画像形成装置2を顧客に対して提供する際に、装置の中にインストールされた状態にて提供される場合の他、プログラムをコンピュータが読取可能に記憶した記憶媒体等にて提供する形態が考えられる。この記憶媒体としては、例えばCD−ROM媒体等が該当し、CD−ROM読取装置(図示せず)等によってプログラムが読み取られることでこのプログラムが実行されるようになる。また、上記プログラムは、例えばプログラム伝送装置(図示せず)によってネットワークを介して提供される場合もある。
【符号の説明】
【0046】
1…サーバ装置、2…画像形成装置、8…携帯電話端末装置、21…画像読み取り部、22…画像形成部、23…ユーザインタフェース(UI)、25…制御部、100…処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力を受け付ける受け付け手段と、
ユーザによる前記入力を規制する規制手段と、
前記規制の解除に用いられる解除コードを外部機器から取得する解除コード取得手段と、
前記解除コード取得手段により取得された前記解除コードを含む画像を記録材に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により前記記録材上に形成された前記画像を読み取る画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段により読み取られた画像から前記解除コードを取得し前記規制を解除する解除手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段と前記画像読み取り手段とは互いに異なる箇所に配置され、当該画像形成手段により画像が形成された記録材上の当該画像を当該画像読み取り手段により読み取る際には、当該画像形成手段から当該画像読み取り手段への、ユーザによる記録材の移動が必要になることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、前記解除コードを含む前記画像を記録材に形成するに際し、当該解除コードがコード画像化されたものを当該記録材に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段は、前記解除コードを含む前記画像に日時情報を含ませ、
前記画像読み取り手段により読み取られた前記画像から前記日時情報を取得する日時情報取得手段を更に備え、
前記解除手段は、前記画像読み取り手段が前記画像の読み取りを行った際の日時と、前記日時情報取得手段により取得された前記日時情報により特定される日時とが異なる場合、又は、当該日時情報により特定される日から予め定められた日時が経過した後に、当該画像読み取り手段による当該読み取りが行われた場合には、前記規制の解除を行わないことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読み取り手段による記録材上の前記画像の読み取りが行われる際、ユーザによって予め定められた箇所に当該記録材がセットされ、
前記解除コード取得手段は、ユーザからの要求に応じて前記外部機器が送信した前記解除データを受信することで当該解除データを取得し、
前記予め定められた箇所に前記記録材をセットするユーザを認識する第1の認識手段と、
ユーザから前記外部機器に対してなされる前記要求を行ったユーザを認識する第2の認識手段と、
を更に備え、
前記解除手段は、前記第1の認識手段により認識されるユーザと前記第2の認識手段により認識されるユーザとが異なる場合、前記規制の解除を行わないことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザによる入力を規制するとともに予め定められた解除コードを取得した場合に当該規制を解除する手段を有した画像形成装置にて用いられる当該解除コードを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記解除コードから機械読み取り可能なコード画像を生成するコード画像生成手段と、
前記解除コードから生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信する送信手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項7】
前記コード画像生成手段は、前記コード画像を生成するに際し、日付情報をさらに含めて当該コード画像を生成し、
前記送信手段は、前記解除コードおよび前記日付情報を含んで生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項8】
記録材に画像を形成する複数の画像形成装置と、
前記複数の画像形成装置に接続されるサーバと、
を備え、
前記画像形成装置は、
ユーザからの入力を受け付ける受け付け手段と、
ユーザによる前記入力を規制する規制手段と、
前記規制の解除に用いられる解除コードを前記サーバから取得する解除コード取得手段と、
前記解除コード取得手段により取得された前記解除コードを含む画像を記録材に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により前記記録材上に形成された前記画像を読み取る画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段により読み取られた画像から前記解除コードを取得し前記規制を解除する解除手段と、
を備えていることを特徴とする処理システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記解除コードを機械読み取り可能なコード画像としたうえで、前記画像形成装置に当該解除コードを送信することを特徴とする請求項8記載の処理システム。
【請求項10】
前記解除コード取得手段は、前記サーバから送信された前記解除コードを受信することで当該解除コードを取得し、
前記サーバは、ユーザからの要求が予め定められた携帯電話端末からあった場合に前記解除コードの前記送信を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の処理システム。
【請求項11】
ユーザによる入力を規制する機能と、
前記規制の解除に用いられる解除コードを取得する機能と、
記録材に画像を形成する画像形成部を動作させて前記解除コードを含む画像を当該記録材に形成させる機能と、
画像を読み取る画像読み取り部を動作させて前記記録材に形成された前記画像を読み取らせる機能と、
前記画像読み取り部により読み取られた画像から前記解除コードを取得する機能と、
取得した前記解除コードを用いて前記規制を解除する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
ユーザによる入力を規制するとともに予め定められた解除コードを取得した場合に当該規制を解除する手段を有した画像形成装置にて用いられる当該解除コードから機械読み取り可能なコード画像を生成する機能と、
前記解除コードから生成された前記コード画像の画像データを前記画像形成装置に送信する送信機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−73245(P2013−73245A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209436(P2011−209436)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】