説明

画像形成装置、及び画像形成プログラム

【課題】紫外線照明が照射される環境では蛍光色を人の目が知覚するよう画像を形成し、通常の照明が照射される環境ではその画像を別の所望の色として人の目が知覚できるようにする。
【解決手段】第一の画像情報に基づいて第一の色トナーの付着量を決定する第一の色トナー付着量決定部112と、第二の画像情報と前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された第一の色トナーの付着量に基づいて第二の色トナーの付着量を決定する第二の色トナー付着量決定部113と、前記第二の色トナー付着量決定部113によって決定された付着量の色トナーを記録媒体に付着させる第二の色トナー付着手段と、白色蛍光トナーを付着させる白色蛍光トナー付着手段と、前記第一の色トナー付着量決定部112によって決定された付着量の前記第一の色トナーを付着させる第一の色トナー付着手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
紫外線を吸収して白色に発光する白色蛍光トナーと、色トナーを用いて画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体にカラー蛍光画像を形成する際には、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の蛍光トナーを用いている。これらの蛍光トナーは紫外線が照射されることによって、それぞれR色、G色、B色に発光する。特許文献1には、これらR色、G色、B色の蛍光トナーおよびシアン(C)色、マゼンタ(M)色、イエロー(Y)色の色トナーを用いることにより所望の蛍光色の画像を形成する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、紫外線照明が照射される環境で蛍光色を人の目が知覚するよう画像を形成することが求められる一方、通常の照明が照射される環境ではその画像を別の所望の色として人の目が知覚できるようにすることが求められる場合がある。ところが、特許文献1に開示されている技術では紫外線照明が照射される環境で蛍光色が知覚されるようにできるものの、紫外線照明が照射されずに通常の照明が照射される環境では、その画像を所望の色で人の目に知覚されないことになってしまうという課題が発生している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、紫外線を吸収して白色に発光する白色蛍光トナーと、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色のいずれか一以上の色トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、第一の画像情報に基づいて第一の色トナーの付着量を決定する第一の色トナー付着量決定手段と、第二の画像情報と前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された第一の色トナーの付着量に基づいて第二の色トナーの付着量を決定する第二の色トナー付着量決定手段と、前記第二の色トナー付着量決定手段によって決定された付着量の色トナーを記録媒体に付着させる第二の色トナー付着手段と、前記第二の色トナー付着手段によって付着された前記第二の色トナーの前記記録媒体と接している面と反対の面に前記白色蛍光トナーを付着させる白色蛍光トナー付着手段と、前記白色蛍光トナー付着手段によって付着された前記白色蛍光トナーの前記第二の色トナーと接している前記記録媒体の面とは反対の面に、前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された付着量の前記第一の色トナーを付着させる第一の色トナー付着手段と、を有することを特徴とする。
【0005】
また、請求項4にかかる発明は、紫外線を吸収して白色に発光する白色蛍光トナーと、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色のいずれか一以上の色トナーを用いて画像を形成する画像形成装置が実行する画像形成プログラムであって、前記画像形成装置に、第一の画像情報に基づいて第一の色トナーの付着量を決定する第一の色トナー付着量決定工程と、第二の画像情報と前記第一の色トナー付着量決定工程によって決定された第一の色トナーの付着量に基づいて第二の色トナーの付着量を決定する第二の色トナー付着量決定工程と、前記第二の色トナー付着量決定工程によって決定された付着量の色トナーを記録媒体に付着させる第二の色トナー付着工程と、前記第二の色トナー付着工程によって付着された前記第二の色トナーの前記記録媒体と接していない面に前記白色蛍光トナーを付着させる白色蛍光トナー付着工程と、前記白色蛍光トナー付着工程によって付着された前記白色蛍光トナーの前記第二の色トナーと接している前記記録媒体の面とは反対の面に、前記第一の色トナー付着量決定工程によって決定された付着量の前記第一の色トナーを付着させる第一の色トナー付着工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第二の色トナーを記録媒体に付着させ、第二の色トナーの記録媒体と接していない面に白色蛍光トナーを付着させ、白色蛍光トナーの第二の色トナーと接している前記記録媒体の面と反対の面に、第一の色トナーを付着させるので、紫外線照明が照射されている環境で所望の蛍光色を人の目が知覚することができ、紫外線照明が照射されていない環境でも画像を作成した者の意図した色を人の目が知覚することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置のハードウェア構成図である。
【図2】画像形成装置の制御部のハードウェア構成図である。
【図3】情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図4】画像形成装置の制御部の機能構成図である。
【図5】記録媒体に形成されるトナー層断面を示す概念図である。
【図6】色トナー付着量と白色蛍光トナー付着量の関係を示す図である。
【図7】情報処理装置の機能構成図である。
【図8】蛍光領域情報を入力するためのインターフェースとなる画面の例である。
【図9】蛍光領域情報を説明するための概念図である。
【図10】情報処理装置の処理の概要を示す処理フロー図である。
【図11】画像形成装置の処理の概要を示す処理フロー図である。
【図12】第一の色トナーの付着量を決定する処理を示す処理フロー図である。
【図13】第二の色トナーの付着量を決定する処理を示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1乃至図13を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
<<実施形態のハードウェア構成>>
本実施形態の画像形成装置1のハードウェア構成、および画像形成装置1に各種情報を送信する情報処理装置2のハードウェア構成を説明する。図1は、画像形成装置1のハードウェア構成図である。図2は、画像形成装置1の制御部のハードウェア構成図である。図5は、記録媒体に形成されるトナー層断面を示す概念図である。図3は、情報処理装置2のハードウェア構成図である。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置1は制御部、プリンタ部12、給紙部13、スキャナ部14、排紙部15を有している。
【0011】
まず、図2を用いて画像形成装置1の制御部のハードウェア構成を説明する。
【0012】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、HD(Hard Disk)105、ネットワークI/F(Interface)106、操作表示パネル107、およびバスライン108を有している。
【0013】
CPU101はプログラムを実行する。ROM102にはシステム起動プログラムの情報などが格納されている。RAM103はCPU101がプログラムを実行するワーク用エリアとして使用される。HDD104は、HD105に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。HD105はデータを記憶する記憶装置であり、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)等の外部記憶装置に代替可能である。ネットワークI/F106は、情報処理装置2などの外部機器と各種情報を送受信するためのものであり、操作表示パネル107は、ユーザからの操作入力を受け付けるためのものである。バスライン108は、上記各部を接続するためのものである。
【0014】
ROM102に記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0015】
ここで図1に戻って、プリンタ部12のハードウェア構成を説明する。
【0016】
プリンタ部12は、カートリッジ121、感光体ドラム122、帯電部123、現像部124、中間転写ベルト125、二次転写ローラ126、定着部127等を有している。定着部127は、加圧ローラ1271、定着ベルト1272等を有している。
【0017】
カートリッジ121はシアン(C)色、マゼンタ(M)色、イエロー(Y)色、黒(K)色の色トナー、および白色蛍光(WF)トナーを収容しているものであり、各トナーの種類に対応した5つのカートリッジ121C、121M、121Y、121K、121WFを有している。なお、以下では、カートリッジ121C、121M、121Y、121K、121WFのうち任意のカートリッジは「カートリッジ121」と示されている。
【0018】
本実施形態で使用される白色蛍光トナーは通常照明下では無色透明であり、紫外線を照射することによって白色に発光する蛍光トナーであり、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の蛍光トナーを混ぜ合わせることにより生成される。
【0019】
感光体ドラム122は、帯電部123により表面が一様に帯電され、制御部から受け取った画像情報に基づき、表面に静電潜像が形成されるものである。更に、感光体ドラム122は、静電潜像が形成された表面に、現像部124がトナーを付着させることによって、画像が形成されるものである。感光体ドラム122は、C色、M色、Y色、K色、WFの各トナーの種類に対応した5つの感光体ドラム122C、122M、122Y、122K、122WFを有している。なお、以下では、感光体ドラム122C、122M、122Y、122K、122WF、のうち任意の感光体ドラムは「感光体ドラム122」と示されている。
【0020】
帯電部123は、制御部の第一の色トナー付着量決定部112、第二の色トナー付着量決定部113によって決定された色トナー付着量、および白色蛍光トナー付着量決定部114によって決定された白色蛍光トナー付着量に基づいて、感光体ドラム122に接触して電圧を印加することにより、感光体ドラム122の表面を帯電させるものである。帯電部123は、C色、M色、Y色、K色、WFの各トナーの種類に対応した5つの帯電部123C、123M、123Y、123K、123WFを有している。なお、以下では、帯電部123C、123M、123Y、123K、123WFのうち任意の帯電部は「帯電部123」と示されている。
【0021】
現像部124は、カートリッジ121内のトナーを帯電部123によって帯電された感光体ドラム122に付着させることにより、各感光体ドラム122の表面に画像を形成するものである。現像部124は、C色、M色、Y色、K色、WFの各トナーの種類に対応した5つの現像部124C、124M、124Y、124K、124WFを有している。なお、以下では、現像部124C、124M、124Y、124K、124WFのうち任意の帯電部は「現像部124」と示されている。
【0022】
中間転写ベルト125は、感光体ドラム122に当接しながら搬送されることにより、その表面に画像が形成されるものである。また、中間転写ベルト125は、表面に画像が形成された後、記録媒体にその画像を転写するものである。
【0023】
二次転写ローラ126は、後述する給紙部13から搬送された記録媒体を、中間転写ベルト125との間に挟み込むことにより、中間転写ベルト125に形成された画像を記録媒体に転写し、画像が形成された記録媒体を定着部127に送るものである。
【0024】
定着部127は、二次転写ローラ126から送られた記録媒体に画像を定着させるものであり、加圧ローラ1271、定着ベルト1272等を有している。加圧ローラ1271は、後述する定着ベルト1272との間に記録媒体を押し当て、熱を付与することにより、記録媒体に画像を定着させるものである。定着ベルト1272は、加圧ローラ1271との間に記録媒体を押し当てることにより、記録媒体に画像を定着させるものである。
【0025】
なお、プリンタ部12は、第一の色トナー付着手段、第二の色トナー付着手段および白色蛍光トナー付着手段の一例である。
【0026】
続いて、給紙部13のハードウェア構成を説明する。給紙部13は、用紙等の記録媒体をプリンタ部12に供給するものであり、給紙トレイ131、給紙ローラ132、第一の給紙ベルト133、レジストローラ134、第二の給紙ベルト135を有している。
【0027】
給紙トレイ131は、用紙等の記録媒体を収容するものである。給紙ローラ132は、給紙トレイ131に収容されている用紙を取り出し、第一の給紙ベルト133に載置するものである。第一の給紙ベルト133は、用紙を搬送しレジストローラ134に差し入れるものである。レジストローラ134は、給紙ローラ132によって差し入れられた用紙を中間転写ベルト125と二次転写ローラ126との間に送り入れるものである。第二の給紙ベルト135は、定着部127によって画像が定着された用紙を再び搬送し、レジストローラ134に差し入れるものである。
【0028】
スキャナ部14は、用紙等に記載された画像情報を読み取るものであり、コンタクトガラス141、読取センサ142を有している。コンタクトガラス141は、画像が記載された用紙が載置されるものである。読取センサ142はコンタクトガラス141に載置されている用紙に記されている画像情報を読み取るものである。
【0029】
排紙部15は、プリンタ部12で画像が形成された記録媒体を排紙し、排紙された記録媒体を格納するものである。
【0030】
続いて、図3を用いて情報処理装置2のハードウェア構成を説明する。
【0031】
情報処理装置2は、情報処理装置2全体の動作を制御するCPU201、情報処理プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD205、フラッシュメモリ等の記憶メディア206に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報をディスプレイに表示させるためのディスプレイI/F208、通信ネットワークを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボードを制御するためのキーボードI/F211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウスを制御するためのマウスI/F212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
【0032】
なお、上記情報処理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記憶メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
【0033】
<<実施形態の機能構成>>
続いて、図4乃至図9を用いて本実施形態の機能構成を説明する。
【0034】
図4は、画像形成装置1の制御部の機能構成図である。図6は、色トナー付着量と白色蛍光トナー付着量の関係を示す図である。図7は、情報処理装置2の機能構成図である。図8は、蛍光領域情報を入力するためのインターフェースとなる画面の例である。図9は、蛍光領域情報を説明するための概念図である。
【0035】
<画像形成装置の機能構成>
まず、図4を用いて、画像形成装置1の制御部の機能構成を説明する。図4に示されるように、制御部は、情報受付部111、第一の色トナー付着量決定部112、第二の色トナー付着量決定部113、白色蛍光トナー付着量決定部114、およびトナー量記憶部115を有している。第一の色トナー付着量決定部112は、第一の画像情報変換部1121、第一の下色除去部1122を有している。第二の色トナー付着量決定部113は、第二の画像情報変換部1131、第二の下色除去部1132、算出部1133を有している。情報受付部111、第一の色トナー付着量決定部112、第二の色トナー付着量決定部113、白色蛍光トナー付着量決定部114は、図2に示されるROM102に記憶されているプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、トナー量記憶部115は、図2に示されるHD105により構成されている。
【0036】
情報受付部111は、通信ネットワーク等を経由して情報処理装置2から送信された蛍光領域情報、第一の画像情報、および第二の画像情報を受け付ける。蛍光領域情報とは、画像内で、WFトナーを付着させて紫外線照明を照射して発光させる蛍光領域と、WFトナーを付着させずに紫外線照明を照射しても発光させない非蛍光領域を表す情報である。蛍光領域情報は、ユーザが情報処理装置2に備えられている所定のインターフェースから操作入力することによって生成されるものである。情報受付部111は、蛍光領域情報受付手段の一例である。
【0037】
第一の画像情報、第二の画像情報はいずれも用紙等の記録媒体に形成させる画像を表す情報であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を示す電気的な色分解画像信号を用いて示されたものである。また、第一の画像情報は紫外線照明が照射されているときに人の目に蛍光色で知覚される画像を表す情報であり、第一の画像情報と異なる第二の画像情報は紫外線照明が照射されていないときに人の目に知覚される画像を表す情報である。
【0038】
ここで、紫外線照明の照射の有無によって人の目に知覚される画像が異なるように、用紙に画像が形成される理由について図5を用いて説明する。図5に示す概念図では、記録媒体に接するようにM色トナー層が形成されている。そして、M色トナー層の上側にWFトナー層が形成されている。そして、WFトナー層の上にC色トナー層が形成されている。
【0039】
このトナー層に対して紫外線照明ではなく通常照明が照射されると、図5(1)に示されるように、光はC色トナー層およびM色トナー層を透過し用紙によって散乱される。そして、散乱された光がこれらの色トナーで透過および吸収されるので、人の目にはC色およびM色が知覚され、その結果として青色に見えることになる。
【0040】
また、このトナー層に対して紫外線照明が照射されると、図5(2)に示されるように紫外光は上層のC色トナー層を透過して、下層のWFトナー層に入射する。紫外光がWFトナー層に入射すると、WFトナーは白色に発光する。そして、発光した光は全方向に放たれ、その中で上層側に放たれた光は上層のC色トナーにより透過および吸収される。これによって、C色が人の目に知覚される。さらに、C色トナーの下層から発光が影響して、人の目にはC色が発光しているように見える。
【0041】
ここでは、WFトナー層の下にM色トナー層が形成され、WFトナー層の上にC色トナー層が形成されている例を用いて説明したが、たとえば、WFトナー層の下にC色トナー層が形成され、WFトナー層の上にY色トナーの層が形成されている場合についても同様である。このとき、紫外線照明が照射される場合には人の目にはY色の蛍光色が知覚され、紫外線照明が照射されない場合には人の目には緑色が知覚される。
【0042】
また、WFトナー層の下に付着量70%のM色トナーと付着量70%のC色トナーによって層が形成され、WFトナー層の上に付着量20%C色トナーと付着量50%のY色トナーの層が形成されるような場合についても同様である。このとき、紫外線照明が照射される場合には人の目には付着量20%のC色トナーと付着量50%のY色トナーによって形成される色が知覚され、紫外線照明が照射されない場合には、70%のM色トナーと付着量(70+20)%のC色トナーと付着量50%のY色トナーとによって形成される色が人の目には知覚される。
【0043】
本実施形態では、画像形成装置1が上述のようにトナー層を形成するように、中間転写ベルトの搬送方向に対して最も上流側にカートリッジ121WF、感光体ドラム122WF、帯電部123WF、現像部124WFが配置される。これによって、まず記録媒体に接するように色トナー層が形成され、その上にWFトナー層が形成される。そして、そのように色トナー層およびWFトナー層が形成された用紙を第二の給紙ベルト135で再び給紙し、給紙された用紙のWFトナー層の上に色トナーを再び付着させることによって、図5に示されるような第一の色トナー層と第二の色トナー層の間にWFトナー層が形成されている状態を実現することができる。
【0044】
第一の色トナー付着量決定部112は、情報受付部111で受け付けた第一の画像情報に基づいて、C色、M色、Y色、K色の各トナーの色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1を決定するものである。色トナー付着量とは、記録媒体に各画素を形成するために付着させる色トナーの量であり、0%から100%までの数値である。第一の色トナー付着量決定部112が有する第一の画像情報変換部1121は、色空間変換処理等を実施することにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を示す電気的な色分解画像信号からなる画像情報を、各画素を形成するために付着させるC色、M色、Y色の各トナーの色トナー付着量Vc01、Vm01、Vy01に変換する。第一の色トナー付着量決定部112が有する第一の下色除去部1122は、第一の画像情報変換部1121によって変換されたC色、M色、Y色の色トナー付着量Vc01、Vm01、Vy01に対して、下色除去(UCR:Under Color Removal)処理を行う。このように、第一の画像情報変換部1121および第一の下色除去部1122によって処理が行われることによって、色調を変えないようにC色、M色、Y色、K色の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1が決定される。なお、第一の色トナー付着量決定部112によって決定されたC色、M色、Y色、K色の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1を第一の色トナー付着量という。また、第一の色トナー付着量決定部112は第一の色トナー付着量決定手段の一例である。
【0045】
第二の色トナー付着量決定部113は、情報受付部111で受け付けた第二の画像情報、および、第一の色トナー付着量決定部112によって決定された色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1とに基づいて、WFトナー層の下に付着させるC色、M色、Y色、K色の各色トナーの付着量である第二の色トナー付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2を決定するものである。なお、第二の色トナー付着量決定部113は第二の色トナー付着量決定手段の一例である。
【0046】
まず、第二の色トナー付着量決定部113が有する第二の画像情報変換部1131は、色空間変換処理等を実施することにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を示す電気的な色分解画像信号からなる画像情報を、各画素を形成するために付着させるC色、M色、Y色の各トナーの色トナー付着量Vc02、Vm02、Vy02に変換する。第二の下色除去部1132は、第二の画像情報変換部1131によって変換されたC色、M色、Y色の色トナー付着量Vc02、Vm02、Vy02に対して、下色除去(UCR:Under Color Removal)処理を行う。このように、第二の下色除去部1132によって処理が行われることによって、色調を変えずに画像を形成するようにC色、M色、Y色、K色の色トナー付着量Vc2’、Vm2’、Vy2’、Vk2’が決定される。
【0047】
第二の下色除去部1132によって決定された色トナー付着量Vc2’、Vm2’、Vy2’、Vk2’は第二の画像情報が表す画像の形成するために付着される色トナーの付着量である。すなわち、第二の下色除去部1132によって決定されたC色の色トナー付着量Vc2’は、WFトナー層の上にある第一の色トナー付着量Vc1とWFトナー層の下にある第二の色トナー付着量Vc2の合計である。同様に、第二の下色除去部1132によって決定されたM色の色トナー付着量Vm2’は、WFトナー層の上にある第一の色トナー付着量Vm1とWFトナー層の下にある第二の色トナー付着量Vm2の合計である。また、第二の下色除去部1132によって決定されたY色の色トナー付着量Vy2’は、WFトナー層の上にある第一の色トナー付着量Vy1とWFトナー層の下にある第二の色トナー付着量Vy2の合計である。また、第二の下色除去部1132によって決定されたK色の色トナー付着量Vk2’は、WFトナー層の上にある第一の色トナー付着量Vk1とWFトナー層の下にある第二の色トナー付着量Vk2の合計である。
【0048】
算出部1133は、WFトナー層の下に付着させる第二の色トナー付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2を、第二の画像情報変換部1131および第二の下色除去部1132によって決定された色トナー付着量Vc2’、Vm2’、Vy2’、Vk2’から、第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1をそれぞれ減算した値として算出する。すなわち、算出部1133は、C色の第二の色トナー付着量をVc2=Vc2’−Vc1として算出する。同様にして、算出部1133は、M色の第二の色トナー付着量をVm2=Vm2’−Vm1として算出する。また、算出部1133は、Y色の第二の色トナー付着量をVy2=Vy2’−Vy1として算出する。また、算出部1133は、K色の第二の色トナー付着量をVk2=Vk2’−Vk1として算出する。
【0049】
また、以降では、「色トナー付着量決定部」は、第一の色トナー付着量決定部112、第二の色トナー付着量決定部113のうち任意の色トナー付着量決定部を表し、「画像情報変換部」は、第一の画像情報変換部1121、第二の画像情報変換部1131のうち任意の画像情報変換部を表し、「下色除去部」は、第一の下色除去部1122、第二の下色除去部1132のうち任意の下色除去部を表すとする。
【0050】
白色蛍光トナー付着量決定部114は、情報受付部111によって受け付けられた領域情報が表す領域に付着させる白色蛍光トナー付着量を決定するものである。白色蛍光トナー付着量とは、記録媒体の各画素にに付着させる白色蛍光トナーの量であり、0%から100%までの数値で表される。白色蛍光トナー付着量決定部114は白色蛍光トナー付着量決定手段の一例である。
【0051】
トナー量記憶部115は、第一の色トナー付着量決定部112によって決定された色トナー付着量の色トナーを用いて画像を形成するとき、所定の発光輝度を実現するために必要となる白色蛍光トナー付着量を記憶しているものである。本実施形態では、上述したとおり、記録媒体上の下層には蛍光白色トナーを付着させ、上層には色トナーを付着させる。このとき、上層の色トナー付着量が多いほど、色トナーによる紫外線光の吸収量が多くなり、下層の白色蛍光トナーに到達する紫外線光量が少なくなる。そのため、所定の発光輝度を実現するために、図6(1)に示されるように、C色トナー付着量が多くなるほど白色蛍光トナー付着量が多くなるように、トナー量記憶部115は色トナー付着量と蛍光トナー付着量の対応を記憶している。同様にして、図6(2)に示されるように、M色トナー付着量が多くなるほど白色蛍光トナー付着量が多くなるように、トナー量記憶部115は色トナー付着量と蛍光トナー付着量の対応を記憶している。また、図6(3)に示されるように、Y色トナー付着量が多くなるほど白色蛍光トナー付着量が多くなるように、トナー量記憶部115は色トナー付着量と蛍光トナー付着量の対応を記憶している。
【0052】
<情報処理装置の機能構成>
次に、図7を用いて、情報処理装置2の機能構成を説明する。図7に示されるように、情報処理装置2は、送信部221、表示制御部222、操作入力受付部223、画像情報記憶部224、蛍光領域情報生成部225を有している。送信部221、表示制御部222、操作入力受付部223、および蛍光領域情報生成部225は、図3に示されているROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。画像情報記憶部224は、図3に示されるHD204により構成されている。
【0053】
送信部221は、図3に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワークを介して画像形成装置1に各種情報を送信するものである。表示制御部222は、図2に示されているディスプレイI/F208によって実現され、表示装置23に各種情報を表示させるための制御を行う。操作入力受付部223は、図3に示されているキーボードI/F211、マウスI/F212によって実現され、ユーザがキーボード、マウスを用いて操作入力した各種情報を受け付ける。
【0054】
画像情報記憶部224は、用紙等の記録媒体に形成される画像を表す第一の画像情報および第二の画像情報を記憶しているものである。蛍光領域情報生成部225は、操作入力受付部223によって受け付けられた情報に基づいて、紫外線照射によって発光する領域を示す蛍光領域情報を生成する。
【0055】
ここで、ユーザが操作入力するために、表示制御部222が表示装置23に表示させる画面の例を、図8を用いて説明する。画面231は領域選択部232、確定ボタン233等から構成されている。領域選択部232には画像情報が表す画像が表示され、ユーザがマウス等を用いて画像内の領域を選択する。確定ボタン233は、領域選択部232でユーザが領域を選択した後に押すことによって、選択された領域を蛍光領域であると確定するためのものである。
【0056】
ここで、図9を用いて蛍光領域情報について詳細に説明する。図9には、図8の領域選択部232に示されている画像のうち点線で囲まれている文字Aを含む画像の一部が示されている。ここでは、文字Aが選択され、蛍光領域として確定しているものとする。このとき、蛍光領域情報生成部225は、ひとつの画素が形成される部分bごとに、「1」または「0」の蛍光フラグを付与した情報を作成する。具体的には、蛍光領域として選択された文字Aが記載されている部分bには蛍光フラグ「1」が、文字Aが記載されていない部分bには蛍光フラグ「0」が付与される。このようにして各部分と関連付けて付与されている蛍光フラグの情報を蛍光領域情報という。
【0057】
<<実施形態の処理・動作>>
続いて、図10乃至図13を用いて、本実施形態に係る処理を説明する。図10は、情報処理装置2の処理の概要を示す処理フロー図である。図11は、画像形成装置1の処理の概要を示す処理フロー図である。図12は、第一の色トナーの付着量を決定する処理を示す処理フロー図である。図13は、第二の色トナーの付着量を決定する処理を示す処理フロー図である。
【0058】
まず、図10に示されるように、情報処理装置2の表示制御部222が画像情報記憶部224に記憶されている第二の画像情報に基づいて、表示装置23に画像を表示させる(ステップS11)。表示装置23に表示されている画像のうち紫外線照明下で蛍光色としたい領域をユーザがマウス、キーボード等を用いて選択し、確定ボタンを押すと、操作入力受付部223がそれらの操作によって選択された領域を示す情報を受け付ける(ステップS12)。続いて、蛍光領域情報生成部225が、操作入力受付部223によって受け付けられた情報に基づいて、画像内の選択された領域を構成する各部分b1に対して蛍光領域であることを示す蛍光フラグ「1」を対応付ける。また、蛍光領域情報生成部225は、画像内の選択されていない領域を構成する各部分b2に対して蛍光領域でないことを示す蛍光フラグ「0」を対応付ける。このようにして、画像内の各部分bに蛍光フラグが対応付けられている蛍光領域情報を生成する(ステップS13)。そして、送信部221が、画像情報記憶部224に記憶されている第二の画像情報、第二の画像情報に対応する蛍光領域情報、および第一の画像情報を、通信ネットワーク等を経由して画像形成装置1に送信する(ステップS14)。なお、第一の画像情報は、蛍光領域情報が表している蛍光領域内に画像を形成するための情報であるので、非蛍光領域内には第一の画像情報に基づく画像は形成されない。このことは、上述したとおり、第一の画像情報とは紫外線照明が照射されているときに人の目に蛍光色で知覚される画像を表す情報であるため、非蛍光領域には第一の画像情報が表す画像を形成しないことが理由でである。
【0059】
情報処理装置2の送信部221が、第二の画像情報、第二の画像情報に対応する蛍光領域情報、および第一の画像情報を画像形成装置1に対して送信すると、図11に示されるように、画像形成装置1の情報受付部111が、情報処理装置2からネットワーク経由で送信された第二の画像情報、第二の画像情報に対応する蛍光領域情報、および第一の画像情報を受け付ける(ステップS21)。
【0060】
次に、第一の色トナー付着量決定部112が、情報受付部111によって受け付けられた第一の画像情報に基づいて、第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1を決定する(ステップS22)。
【0061】
ここで、第一の色トナー付着量決定部112が実施する処理を、図12を用いて説明する。まず、第一の画像情報変換部1121が、情報受付部111で受け付けた第一の画像情報をC色、M色、Y色の各色トナー付着量に変換する(ステップS221)。具体的には、第一の画像情報に対して、第一の画像情報変換部1121が、シェーディング補正、位置ズレ補正、色空間の変換、ガンマ補正等の処理をすることによって、C色、M色、Y色の各色トナー付着量Vc01、Vm01、Vy01に変換する。そして、第一の下色除去部1122が、第一の画像情報変換部1121によって算出されたC色、M色、Y色の各色トナー付着量Vc01、Vm01、Vy01に対して下色除去を行う(ステップS222)。これらの処理が行われることによって、第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1が決定される。
【0062】
一方、白色蛍光トナー付着量決定部114は、情報受付部111によって受け付けられた蛍光領域情報が示す蛍光色を形成する領域に付着させるWFトナー付着量Vwfを決定する(ステップS23)。
【0063】
上述したとおり、WFトナー層の上層に付着される色トナー付着量が多いほど発光輝度は低い。また、WFトナー付着量が多いほど、発光輝度は高い。すなわち、蛍光領域情報が表す領域の全ての部分に均等にWFトナーを付着させた場合、第一の色トナー付着量によって、画像の部分ごとに発光輝度にばらつきが生じる。したがって、画像形成装置1は、これらの発光輝度を均等にするために、図6に示すように、C色、M色、Y色の各色トナー付着量に対応した付着量のWFトナーを付着させる。
【0064】
そこで、蛍光領域全体で発光輝度が均一になるように、あらかじめトナー量記憶部115が、図6に示すように、色トナーの単位面積あたりの付着量に対応して、WFトナー付着量を記憶しておく。そして、白色蛍光トナー付着量決定部114が、第一の色トナー付着量決定部112によって決定された色トナー付着量に対応するWFトナー付着量をトナー量記憶部115から読み出して、読み出されたWFトナー付着量と決定する。
【0065】
たとえば、第一の色トナー付着量決定部112でC色の色トナー付着量Vcが60%と決定された場合、白色蛍光トナー付着量決定部114は、図6(1)に示されている対応を記憶しているトナー量記憶部115を参照して、WFトナー付着量Vwfを45%と決定する。また、第一の色トナー付着量決定部112でM色の色トナー付着量Vmが40%と決定された場合、白色蛍光トナー付着量決定部114は、図6(1)に示されている対応を記憶しているトナー量記憶部115を参照して、WFトナー付着量Vwfを35%と決定する。
【0066】
続いて、第二の色トナー付着量決定部113が、情報受付部111で受け付けた第二の画像情報、および、第一の色トナー付着量決定部112によって決定された第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1とに基づいて、WFトナー層の下に付着させる第二の色トナー付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2を決定する(ステップS24)。なお、情報受付部111で受け付けた蛍光領域情報が示す紫外線照射によって発光する領域に対してのみ、この処理は行われる。
【0067】
ここで、第二の色トナー付着量決定部113が実施する処理について図13を用いて説明する。まず、第二の画像情報変換部1131が、色空間変換処理等を実施することにより、第二の画像情報を画素ごとにC色、M色、Y色の各トナーを付着させる色トナー付着量Vc02、Vm02、Vy02に変換する(ステップS241)。第二の色トナー付着量決定部113が有する第二の下色除去部1132は、第二の画像情報変換部1131によって変換されたC色、M色、Y色の色トナー付着量Vc02、Vm02、Vy02に対して、下色除去(UCR:Under Color Removal)処理を行う(ステップS242)。このように、第二の画像情報変換部1131および第二の下色除去部1132によって処理が行われることによって、色調を変えないようにC色、M色、Y色、K色の色トナー付着量Vc2’、Vm2’、Vy2’、Vk2’が決定される。
【0068】
そして、算出部1133がWFトナー層の下にある色トナーの付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2を第二の画像情報変換部1131および第二の下色除去部1132によって決定された色トナー付着量Vc2’、Vm2’、Vy2’、Vk2’から第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1をそれぞれ減算した値として算出する(ステップS243)。
【0069】
上記のように、ステップS22で第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1が決定され、ステップS23で白色蛍光トナー付着量Vwfが決定され、ステップS24で第二の色トナー付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2が決定されると、それらに基づいてプリンタ部12が画像を形成する処理を実施する。
【0070】
プリンタ部12が画像を形成する処理を詳細に説明する。まず、プリンタ部12は感光体ドラム122の表面にトナー像を形成する(ステップS25)。具体的には、帯電部123が感光体ドラム122に接触して電圧を印加し、感光体ドラム122の表面を帯電させる。そして、不図示の露光装置から発せられたレーザ光が、第二の色トナー付着量決定部113によって決定された第二の色トナー付着量Vc2、Vm2、Vy2、Vk2、および、白色蛍光トナー付着量決定部114によって決定されたWFトナー付着量Vwfに基づいて、感光体ドラム122の表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成されると、現像部124が、静電潜像が形成された感光体ドラム122表面に、各カートリッジ121に収容されているトナーを付着させることによって、感光体ドラム122の表面にトナー像を形成する。
【0071】
続いて、中間転写ベルト125が、感光体ドラム122に当接しながら搬送される。すると感光体ドラム122の表面に形成された画像が中間転写ベルト125に転写される(ステップS26)。中間転写ベルト125にトナー像が一次転写された後、感光体ドラム122の表面は、除電器によって除電される。また、除電された感光体ドラム122の表面に残った転写残トナーは、清掃器によって除去される。
【0072】
そして、定着部127が、中間転写ベルト125に転写された画像を用紙に定着させる(ステップS27)。画像を用紙に定着させる処理を具体的に説明する。まず、給紙ローラ132が給紙トレイ131に収容されている用紙を取り出しレジストローラ134に差し入れる。そして、レジストローラ134は差し入れられた用紙を中間転写ベルト125と二次転写ローラ126の間に送り入れる。中間転写ベルト125と二次転写ローラ126の間に送り入れられた用紙は、中間転写ベルト125と二次転写ローラ126に挟まれ、搬送されることによって、中間転写ベルト125上の画像を転写される。次に、定着部127の加圧ローラ1271が、定着ベルト1272との間に用紙を押し当て、熱を付与することにより、用紙に画像を定着させる。
【0073】
定着部127によって用紙に画像が定着されると、給紙部13が第二の給紙ベルト135上を用いてその用紙を搬送しレジストローラ134に差し入れることによって、用紙を中間転写ベルト125と二次転写ローラ126の間に再給紙する(ステップS28)。
【0074】
一方、ステップS25で感光体ドラム122の表面に形成された画像が中間転写ベルト125に転写され、感光体ドラム122の表面が除電器によって除電されると、プリンタ部12は、第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1に基づいて画像を形成する処理を実施する。まず、プリンタ部12は感光体ドラム122の表面にトナー像を形成する(ステップS29)。具体的には、帯電部123が感光体ドラム122に接触して電圧を印加し、感光体ドラム122の表面を帯電させる。そして、不図示の露光装置から発せられたレーザ光が、第一の色トナー付着量Vc1、Vm1、Vy1、Vk1に基づいて感光体ドラム122の表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成されると、現像部124が、静電潜像が形成された感光体ドラム122表面に、各カートリッジ121に収容されているトナーを付着させることによって、感光体ドラム122の表面にトナー像を形成する。
【0075】
続いて、中間転写ベルト125が、感光体ドラム122に当接しながら搬送される。すると感光体ドラム122の表面に形成された画像が中間転写ベルト125に転写される(ステップS30)。中間転写ベルト125にトナー像が一次転写された後、感光体ドラム122の表面は、除電器によって除電される。また、除電された感光体ドラム122の表面に残った転写残トナーは、清掃器によって除去される。
【0076】
そして、定着部127が、中間転写ベルト125に転写された画像を用紙に定着させる(ステップS31)。定着部127が実施する具体的な処理は、ステップS27で定着部127が実施する処理と同じであるためここでの説明は省略する。最後に、排紙部15が、画像が定着された用紙を排紙トレイに排出する(ステップS32)。
【0077】
<<実施形態の補足>>
なお、本実施形態では、ステップS21で情報受付部111が、情報処理装置2からネットワーク経由で送信された画像情報を受け付けるとしているが、スキャナ部14の読取センサ142がコンタクトガラス141に載置された原稿用紙等から取得した画像情報を受け付けるとしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、情報処理装置2の画像情報記憶部224に記憶されている画像情報を送信部221が送信するとしているが、情報処理装置2が生成した画像情報等、画像情報記憶部224に記憶されていない画像情報を送信部221が送信するとしてもよい。
【0079】
また、第一の下色除去部1122が下色除去処理を行わず、第一の画像情報変換部1121によって変換された付着量Vc01、Vm01、Vy01を画像形成装置1が付着させる色トナー付着量として決定してもよい。
【0080】
また、第二の下色除去部1132が下色除去処理を行わず、第二の画像情報変換部1131によって変換された付着量Vc02、Vm02、Vy02を画像形成装置1が付着させる色トナー付着量として決定してもよい。
【0081】
また、本実施形態では、情報受付部111が情報処理装置2から送信された蛍光領域情報を受け付けるとしているが、画像形成装置1が有する操作表示パネル107等の入力装置からユーザによって入力された蛍光領域情報を受け付けるとしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、トナー量記憶部115が、白色蛍光トナー付着量をあらかじめ記憶し、それを白色蛍光トナー付着量決定部114が読み出すことによって、白色蛍光トナー付着量として決定しているが、第一の色トナー付着量決定部112によって決定された色トナー付着量に基づいて、白色蛍光トナー付着量決定部114が所定の演算を実行することによって白色蛍光トナー付着量を決定するとしてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、情報処理装置2が蛍光領域情報を画像形成装置1に送信するが、画像形成装置1が有する操作表示パネル107に対してユーザが操作を行うことによって蛍光領域情報が生成されるとしてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、第二の色トナー付着量決定部113の算出部1133によって算出された第二トナー付着量が0より小さくなる場合がある。このような場合、本実施形態を実施することはできないため、画像形成装置1は情報処理装置2に対してその旨を知らせる情報を送ってもよい。また、画像形成装置1は操作表示パネル107にその旨を知らせる情報を表示するよう制御してもよい。
【0085】
<<実施形態の効果>>
本実施形態によれば、第二の色トナーを用紙に付着させ、第二の色トナーが接している用紙の面と反対の面に白色蛍光トナーを付着させ、第二の色トナーと接している白色蛍光トナーの面と反対の面に第一の色トナーを付着させるので、紫外線照明が照射されている環境では所望の蛍光色を人の目が知覚することができ、紫外線照明が照射されていない環境でも画像を作成した者の意図した色を人の目が知覚することができるという効果を奏する。
【0086】
また、本実施形態によれば、第一の色トナー付着量に基づいて白色蛍光トナー付着量を決定するので、形成された画像の蛍光色の発光輝度を均一にすることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、蛍光領域情報に対して白色蛍光トナーを付着させるので、画像内のユーザが望む領域に対してのみ蛍光色を形成することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 画像形成装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 HDD
105 HD
106 ネットワークI/F
107 操作表示パネル
108 バスライン
111 情報受付部
112 第一の色トナー付着量決定部
1121 第一の画像情報変換部
1122 第一の下色除去部
113 第二の色トナー付着量決定部
1131 第二の画像情報変換部
1132 第二の下色除去部
1133 算出部
114 白色蛍光トナー付着量決定部
115 トナー量記憶部
12 プリンタ部
121 カートリッジ
122 感光体ドラム
123 帯電部
124 現像部
125 中間転写ベルト
126 二次転写ローラ
127 定着部
1271 加圧ローラ
1272 定着ベルト
13 給紙部
131 給紙トレイ
132 給紙ローラ
133 第一の給紙ベルト
134 レジストローラ
135 第二の給紙ベルト
14 スキャナ部
141 コンタクトガラス
142 読取センサ
15 排紙部
2 情報処理装置
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 HD
205 HDD
206 記憶メディア
207 メディアドライブ
208 ディスプレイI/F
209 ネットワークI/F
210 バスライン
211 キーボードI/F
212 マウスI/F
213 CD−ROM
214 CD−ROMドライブ
221 送信部
222 表示制御部
223 操作入力受付部
224 画像情報記憶部
225 蛍光領域情報生成部
23 表示装置
231 画面
232 領域選択部
233 確定ボタン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2007−17718号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を吸収して白色に発光する白色蛍光トナーと、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色のいずれか一以上の色トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、
第一の画像情報に基づいて第一の色トナーの付着量を決定する第一の色トナー付着量決定手段と、
第二の画像情報と前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された第一の色トナーの付着量に基づいて第二の色トナーの付着量を決定する第二の色トナー付着量決定手段と、
前記第二の色トナー付着量決定手段によって決定された付着量の色トナーを記録媒体に付着させる第二の色トナー付着手段と、
前記第二の色トナー付着手段によって付着された前記第二の色トナーの前記記録媒体と接している面と反対の面に前記白色蛍光トナーを付着させる白色蛍光トナー付着手段と、
前記白色蛍光トナー付着手段によって付着された前記白色蛍光トナーの前記第二の色トナーと接している前記記録媒体の面とは反対の面に、前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された付着量の前記第一の色トナーを付着させる第一の色トナー付着手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記第一の色トナー付着量決定手段によって決定された前記第一の色トナーの付着量に基づいて、前記白色蛍光トナーの付着量を決定する白色蛍光トナー付着量決定手段を有し、
前記白色蛍光トナー付着手段は、前記白色蛍光トナー付着量決定手段によって決定された付着量の前記白色蛍光トナーを付着させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記画像のうち紫外線を吸収して発光させる領域を表す蛍光領域情報を受け付ける蛍光領域情報受付手段を有し、
前記白色蛍光トナー付着手段は前記蛍光領域情報受付手段によって受け付けられた前記蛍光領域情報が表す領域に対して、前記白色蛍光トナーを付着させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
紫外線を吸収して白色に発光する白色蛍光トナーと、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色のいずれか一以上の色トナーを用いて画像を形成する画像形成装置が実行する画像形成プログラムであって、
前記画像形成装置に、
第一の画像情報に基づいて第一の色トナーの付着量を決定する第一の色トナー付着量決定工程と、
第二の画像情報と前記第一の色トナー付着量決定工程によって決定された第一の色トナーの付着量に基づいて第二の色トナーの付着量を決定する第二の色トナー付着量決定工程と、
前記第二の色トナー付着量決定工程によって決定された付着量の色トナーを記録媒体に付着させる第二の色トナー付着工程と、
前記第二の色トナー付着工程によって付着された前記第二の色トナーの前記記録媒体と接していない面に前記白色蛍光トナーを付着させる白色蛍光トナー付着工程と、
前記白色蛍光トナー付着工程によって付着された前記白色蛍光トナーの前記第二の色トナーと接している前記記録媒体の面とは反対の面に、前記第一の色トナー付着量決定工程によって決定された付着量の前記第一の色トナーを付着させる第一の色トナー付着工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−37066(P2013−37066A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171007(P2011−171007)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】