画像形成装置、画像形成システム及び制御方法
【課題】異なる色味の用紙に対して同じ色名称が登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることを防ぐ。
【解決手段】用紙の色味を読み取る読み取り手段と、読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、を備える。
【解決手段】用紙の色味を読み取る読み取り手段と、読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷に使用する用紙の色をユーザに指定させ、ユーザによって指定された色の用紙がセットされた給紙段から用紙を給紙して印刷を行う画像形成装置がある(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1においては、用紙の色を画像形成装置の各カセット段に予め登録するようになっている。その後、ユーザによって指示された用紙の色が画像形成装置のカセット段に既に設定されている場合、このカセット段の用紙を印刷に使用する。用紙サイズ、または色が一致しない場合、検索をまだ行っていないカセット段の検索を行い、指定サイズと色に当てはまるカセット段がない場合、用紙がない旨のメッセージを出力する。特許文献1によれば、ユーザは、青やピンクといった用紙の色味をドライバから指定することで、所望の色の用紙を画像形成装置に給紙させて印刷させることができる。
【0004】
また、従来の画像形成装置は、用紙の各種設定を保存する用紙銘柄データベースを備える。この用紙銘柄データベースは、印刷に必要な設定項目(例えば、用紙サイズや坪量など)を用紙ごとに集めたデータベースである。画像形成装置は、用紙銘柄データベースの中からユーザによって選択された用紙を使うことが可能である。この用紙銘柄データベースには、印刷に必要な用紙の各種設定として、製紙メーカーが販売している用紙に対応するデータが予め用意されている。ユーザは用紙銘柄データベースの当該データのいずれかを選択して各カセット段に設定することにより、印刷を行うことが可能になっている。この用紙銘柄データベースの設定項目には、用紙の色の項目があり、ユーザは用紙銘柄データベースに予め用紙を登録しておくことにより、その用紙の色を確認することができる。例えば、操作部は、用紙の登録時に、予め用意されている複数の色(白、青、クリーム、山吹、グレー、緑、アイボリー、オレンジ、ピンク、赤、黄色、透明、その他)のうちのいずれかの色を印刷時に指定可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−193465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置では、異なる色味の用紙に対して同じ色名称が登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることがある。
【0007】
例えば、濃い黄色の用紙をユーザAが黄色として給紙段に登録し、薄い黄色の用紙をユーザBが黄色として別の給紙段に登録する場合がある。
【0008】
その後にユーザAが濃い黄色の用紙を画像形成装置に給紙させるために「黄色」を指定して印刷指示をしたとする。その場合、画像形成装置は、「黄色」が設定された給紙段を検索して用紙を給紙するが、このとき、ユーザBによって薄い黄色の用紙がセットされた給紙段が条件に合致すると判断し、当該給紙段から用紙を給紙してしまう場合がある。その結果、ユーザAの意図しない薄い黄色の用紙が印刷に使用されてしまうことになる。
【0009】
また、給紙段の用紙が不足した場合に、使用する給紙段を切り替える画像形成装置がある。そのような画像形成装置が、まず濃い黄色の用紙を「黄色」が登録された給紙段から給紙し、その給紙段の用紙が不足した場合に、同じ「黄色」が登録された別の給紙段から薄い黄色の用紙を給紙することがある。その場合、印刷結果の色味が途中で変わってしまう。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる色味の用紙に対して同じ色名称が登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることを防ぐ仕組みを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る装置は、用紙の色味を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択操作したことに応じて、ユーザにより選択操作された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる色味の用紙に対して同じ色名称がユーザにより登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】消耗品確認画面を示す図である。
【図3】用紙の登録・設定の選択画面を示す図である。
【図4】用紙の設定画面を示す図である。
【図5】用紙情報表示画面を示す図である。
【図6】用紙種類管理画面を示す図である。
【図7】用紙データ詳細・編集画面を示す図である。
【図8】用紙読み込み警告画面を示す図である。
【図9】比較結果表示画面を示す図である。
【図10】ドライバ画面を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係る色味登録フローを示す図である。
【図12】第2の実施形態に係る色味登録フローを示す図である。
【図13】第3の実施形態に係る色味確認フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲を限定するものでなく、また、実施形態で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態では、ユーザが登録したい用紙を画像形成装置に読み込ませ、画像形成装置が、読み込んだ用紙のふさわしい色名称を自動的に指定して用紙銘柄データベースに登録する。そして、ユーザがドライバから用紙銘柄データベースに登録されている色名称を指定して画像形成装置で印刷を行うまでの処理について説明する。
【0016】
<システム構成(図1)>
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像形成システムは、クライアントPC106、107(情報処理装置)と、画像形成装置100とを含む。これらは、互いにネットワーク109を介して接続されている。
【0017】
クライアントPC106、107は、種々の設定を含む印刷指示を画像形成装置100に行うためのドライバ108を有する。ドライバ108は、印刷ジョブである汎用のPostScript(以下、PS)データ等のPDLデータを出す。このとき、本実施形態に係る画像形成装置は、種々のドライバから投入されたPDLデータも受け付けることが可能である。
【0018】
画像形成装置100は、操作部101、読み取り部102、紙種情報記憶部103、制御部104及び入出力部105を備える。操作部101は、画像形成装置へのユーザからの情報の入出力を行うものであり、用紙の種類を示す紙種の名称の入力や用紙の色などをユーザに確認させるUI(ユーザーインターフェース)を有する。読み取り部102は、スキャナユニットで構成され、天板からの入力やシートフィーダーを使った入力、胴内に設置された分光センサーからの色味データの入力を行う。
【0019】
紙種情報記憶部103は、用紙銘柄データベース(以下、用紙銘柄DBと呼ぶ)と、色見本データベース(以下、色見本DBと呼ぶ)とを有する。用紙銘柄DBは、色名称が用紙ごとに付与され、それぞれの色名称に対応して印刷に必要な設定(例えば、用紙サイズや坪量など)を一括して管理しているデータベースである。用紙銘柄DBには、製紙メーカーが販売している用紙に対応したデータが用意されている。ユーザは複数のカセット段(給紙段)のそれぞれにそれらのデータを設定することで印刷に必要な用紙を画像形成装置で使うことが可能になっている。この用紙銘柄DBの設定項目には色名称の項目があり、本実施形態では、さらに色味データを有する。
【0020】
色見本DBは、印刷市場で基本となる色をまとめた色見本帳とCIELAB(L*a*b表色系)の値とを並べたもので、CIELABから色名称を選択するときに使用する。ここでは、PANTONE社製の色見本帳のデータを用いて説明する。PANTONE色見本帳は、色番号と濃度とをパーセントで表記しており、印刷業界では色指定の方法として広く用いられているものである。なお、本実施形態では、複数の色味をL*a*b表色系の各色ごとの濃度で表現するものとしたが、RGB表色系を用いて表現しても構わない。
【0021】
制御部104は、読み取り部102が読み取った用紙の色味データと紙種情報記憶部103が持つ色味データとを特徴量で比較し、類似しているか否かを判定する類似判定手段を有する。入出力部105は、ネットワーク109を介して、ドライバ108から投入される印刷ジョブを受け付ける。また、入力部105は、紙種情報記憶部103が設定した用紙情報をドライバに送信する機能を有する。
【0022】
<消耗品管理画面(図2)>
図2は、画像形成装置の操作部101に表示される画像形成装置のカセット段をはじめとする消耗品の管理画面200を示している。この消耗品管理画面200は、カセット段情報202、デバイス状況203及びその他の情報204を含む。カセット段情報202は、画像形成装置の各カセット段にどのような種類の用紙が設定されているかを示す情報である。デバイス状況203は、ユーザがカセット段情報202のカセット段の項目を選択した場合に、画像形成装置の画像上でそのカセット段がどこに位置するのかを明確に示す情報である。その他の情報204は、トナーやステイプラの針の残量を示す情報である。操作部101は、ユーザにより用紙の登録ボタン205が押されると、図3に示す用紙の登録画面300を表示する。
【0023】
<用紙の登録画面(図3)>
画像形成装置で印刷を行うためには、紙種情報記憶部103に格納された用紙銘柄DBに用紙の情報を登録して管理することと、管理している用紙をカセット段に割り当てることとが必要である。図3は2つの手順のいずれの設定を行うのかを、ユーザに対して選択可能に表示する画面である。操作部101は、用紙の設定ボタン301が押されたか、用紙種類の管理ボタン302が押されたかで画面表示を切り替える。
【0024】
<用紙銘柄DBの管理画面等(図6、図7)>
図3に示す用紙の登録画面で用紙種類の管理ボタン302が押されると、図6に示す用紙銘柄DBの管理画面600が操作部101に表示される。用紙情報601には、用紙名称、用紙サイズ、色名称、色味データ、坪量及び表面性などの印刷に必要となる値が含まれる。この用紙銘柄DBには、製紙メーカーが販売している用紙に対応したデータが予め用意されている。さらに、ユーザにより所望の用紙が選択され複製ボタン603が押されると、その用紙データが複製され、複製された用紙データをユーザがカスタマイズすることにより、新たな用紙データを登録することが可能である。一方、ユーザにより用紙情報601のリスト上で所望の用紙が選択された状態で詳細/編集ボタン602が押されると、図7に示すように、その用紙の詳細編集画面700が操作部101に表示される。そして、ユーザによる編集を受け付けた後にOKボタンが押されれば、制御部104はその情報を用紙銘柄DBに登録する。
【0025】
<カセット段及び用紙の設定画面(図4、図5)>
図3に示す用紙の登録画面で用紙の設定ボタン301が押されると、図4に示すカセット段の設定画面が操作部101に表示される。画像形成装置のオプション構成によって、給紙するカセット段の数は異なる。操作部101は、オプション構成により表示を切り替えており、ここでは手差しを含む5箇所からなるカセット段に対応するボタン402が表示されている。ユーザが所望のカセット段のボタンを選択すると、選択されたカセット段に設定されている用紙の情報406が画面下部に表示される。例えば、図4では、カセット段1のボタンが選択されており、用紙の情報406の欄には、カセット段1に用紙サイズ「A4」及び用紙種類「普通紙1」の用紙が設定されていることが表示されている。
【0026】
カセット段に設定されている用紙を変更する場合には、変更したいカセット段を選択し、画面右上の設定ボタン403を押す。この設定ボタン403が押されると、図5に示す用紙の設定画面500が操作部101に表示される。画面中央に表示されている用紙情報501は、用紙銘柄DBの情報である。用紙情報501には、用紙の名称、用紙サイズ、種類、色名称、色味データ及び坪量などの情報が含まれる。また、用紙の名称欄の「**」は、現状でカセット段に設定されている用紙を示している。例えば、図5では、「○×製紙」の用紙がカセット段1に設定されていることが表示されている。カセット段に設定されている用紙を変更したい場合には、ユーザが設定したい用紙の名称を選択し、OKボタン605を押すことで変更することが可能である。現状の設定のままでよいのであれば、キャンセルボタンを押せばよい。このようにして、制御部104は、ユーザの入力に応じて選択された用紙をカセット段に設定する。
【0027】
<ドライバ印刷設定画面(図10)>
図10は、クライアントPC106、107に搭載されたドライバ108による印刷設定画面を示す図である。クライアントPC上のドライバ108は、用紙銘柄DBと双方向通信を行っており、新規に登録された用紙データをドライバ上で選択することにより用紙銘柄DBに反映させることができる。本実施形態では、ドライバ上に、従来のドライバに存在していなかった用紙の色の項目1004を用意し、選択を可能とする。このとき表示される選択肢はユーザに対してわかりやすいようにPANTONE色見本帳の値を使用している。ユーザが選択肢のいずれかを選択すると、色味データとしてのCIELABの値1005も表示される。ユーザは、用紙の設定で登録したときの用紙の色名称をもとにドライバから候補を選択して印刷する。
【0028】
<色味登録フロー(図11)>
図11は、本実施形態での用紙の色味を登録するフローチャートを示す図である。ここでは、用紙の色味を読み取り部102で読み取って、紙種情報記憶部103に格納されている色見本DBで検索し、該当する色名称を用紙銘柄DBに登録するまでの処理について説明する。
【0029】
まず、図7に示す詳細編集画面700に存在する色の読み取りボタン701がユーザにより押されたことを検知すると(S101)、操作部101は図8に示す用紙のスキャン指示画面800を表示する(S102)。スキャン指示画面800は、ユーザの入力により、スキャナユニットにセットされた用紙のスキャンを開始する旨を報知するための画面である。
【0030】
そして、ユーザによりOKボタン801が押されたことを検知すると(S103)、読み取り部102はスキャナユニットにセットされた用紙から色味を読み取り、色味データを生成する(S104)。色味データは、本実施形態では、L*a*b表色系(CIELAB)の値を用いることとする。CIELABは明度(L)、色相・彩度(ab)の値からなり、国際標準の色味データである。
【0031】
そして、制御部104は、読み取り部102が読み取り、生成した色味データに最も近い色味データを色見本DBで検索する(S105)。この検索処理は、色味データ(例えば、CIELABの値)の特徴量に基づいて行われることとする。色味データは、多数の色味(約7000種類の色味)で構成されている。当該色味データでは、人間の目によって異なる色として判別される色は、別の色味として扱われている。そして、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録する(S106)。この際に、用紙サイズ及び用紙種類等も合わせて登録することとする。また、登録した色名称等をユーザに通知(提示)することとする。ここでは、ユーザへの通知は、画像形成装置のディスプレイに表示することにより行う。
【0032】
なお、色名称は、本実施形態では、ユーザが任意に付与したものではなく、色見本DBに登録されている色名称をそのまま用紙銘柄DBに登録するものとする。また、S105で生成した色味データに最も近い色味データを検索することとしたが、同一又は類似の色味データを検索し、その検索結果の中から所望の色味データをユーザに選択させてもよい。その場合、S106でユーザが選択した色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに登録すればよい。
【0033】
S106での登録処理後、ユーザは、用紙銘柄DBに登録した用紙を所望のカセット段に設定する。そして、用紙銘柄DBに検索した色名称を登録した際に通知された色名称等をユーザが覚えておけば、クライアントPC106、107のドライバ108の印刷設定画面に表示された用紙の色の項目1004を用いて色名称を指定して印刷することが可能となる。
【0034】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実際の色味に最も近い色味データを色見本DBで検索し、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録するため、異なる色味の用紙には、それぞれ異なる色名称が自動的に登録されることとなる。例えば、薄い黄色と濃い黄色の用紙には、それぞれ異なる色味データが検索されるため、異なる色名称が自動的に登録されることとなる。
【0035】
従って、異なる色味の用紙には、異なる色名称が付与されているため、ユーザが印刷を行う際に、ユーザの意図しない色味の用紙が用いられることを抑制することができる。例えば、薄い黄色の用紙の代わりに濃い黄色の用紙が用いられることを抑制することができる。これにより、印刷品質の低下を抑制することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、画像形成装置の読み取り部で用紙を読み取り、読み取った色味に最も近い色味データを色見本DBで検索し、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録する。そして、その後に登録された色名称の用紙をユーザが所望のカセット段に設定して印刷するまでの処理について説明した。一方、本実施形態では、色見本DBを用いずに、画像形成装置の読み取り部で読み取った色味に対応する色名称を決定し、用紙銘柄DBに登録する例について説明する。なお、装置の構成等については、第1の実施形態とほぼ同様であるため、異なる部分のみについて説明する。
【0037】
<色味登録フロー(図12)>
図12は、それぞれの色味データを比較するフローチャートを示している。S201〜S204の処理については第1の実施形態のS101〜S104の処理と同じである。そして、読み取り部102が用紙の色味データAを読み取ると(S204)、制御部104は、読み取り部102により読み取られた、各カセット段に設定されている用紙の色味データAを取得する(S205)。
【0038】
そして、制御部104は、読み取られた色味データAに近い色味の用紙が既に設定されているカセット段があるか否かを判定する(S206)。ここでの判定は、読み取られた色味データのL、a、bの各値が、所定の範囲(±2)以内に収まっているときに近いと判定する。制御部104は、近い色味の用紙が設定されているカセット段がある場合に、カセット段と、そのカセット段に設定されている用紙の色名称とを図9のリスト905にすべて表示する(S207)。
【0039】
そして、制御部104は、図9のリスト905に表示されたカセット段のいずれかがユーザにより選択された場合には、操作部101はカセット段に設定されている色名称903とその色味データ904とを表示する。また、画面右上に表示されるデバイス902(デバイスの全体図)の中で、選択されたカセット段が画像形成装置のどこに位置しているかを表示する(図の斜線部)。また、色見本DBから選択された候補色が表示されるときは、選択時に色味データ904の値も合わせて表示する。そして、候補となる色名称のいずれかが選択された場合には、制御部104は、選択された色名称を用紙銘柄DBに登録する(S208)。
【0040】
一方、色味データAに近い色味の用紙が設定されているカセット段がない場合には、用紙銘柄DBの色味データを取得し(S209)、読み取られた色味データAに近い色味のデータが用紙銘柄DBにあるか否かを判定する(S210)。すでに色味データAに近い色味データが用紙銘柄DBにある場合には、すべての候補となる色名称をリスト905に表示する(S211)。そして、制御部104は、ユーザにより選択された色名称を用紙銘柄DBに登録する(S212)。
【0041】
一方、S210で、読み取られた色味データAに近い色味のデータが用紙銘柄DBにないと判定された場合には、新規登録の項目だけをリスト905に表示する(S213)。そして、ユーザにより当該新規登録の項目が選択されると、色味の新規名称入力画面(図示しない)を表示して(S214)、色見本DBに、電源をOFFにすると消えてしまうテンポラリー項目を作成する(S215)。そして、制御部104は、ユーザによる新規名称の入力操作を受け付けると、読み込んだ色味データAの色名称として、その入力された新規名称を用いて用紙銘柄DBに登録する(S216)。
【0042】
本実施形態によれば、近い色味の用紙が給紙段にセットされているときには、新たに給紙段に用紙を設定するときに、近い色味の用紙が別の給紙段にセットされていることをユーザに通知する。それによって、ユーザが、異なる色味の用紙を、同じ色名称でカセット段に登録してしまうことを抑制することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、画像形成装置の制御部が、読み込んだ用紙の色味データと用紙銘柄DBの色味データとを比較し、読み込んだ用紙の色味データと同じ色味データが用紙銘柄DBにすでに登録されている場合にユーザに対して警告する例について説明した。
【0044】
本実施形態では、ユーザが意図するタイミングで画像形成装置の各カセット段に収容されている用紙を給紙し、給紙した用紙の色味データをカセット段ごとに読み取る。そして、読み取った色味データと各カセット段に設定されている色味データとが同じであるか否かを判定する。これにより、画像形成装置を利用するユーザは、所望のタイミングで、カセット段に実際に収容されている用紙の色味データと、カセット段に設定されている用紙の色味データとが同じであるか否かを確かめることができる。例えば、別のユーザが、あるカセット段に設定と異なる色味の用紙を収容したにも関わらず、そのカセット段の色味の設定を変更しなかった場合に、カセットに実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが異なってしまう。そこで、本実施形態では、例えば、画像形成装置を起動した後、カセット段に実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが同じであるか否かを容易に確認可能な画像形成装置について説明する。なお、ここでは、第2の実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0045】
<色味確認フロー(図14)>
図2で示す、操作部101の画面中央に用意してある用紙の確認ボタン206がユーザにより押されると(S301)、制御部104はすべてのカセット段から用紙を画像形成装置100の胴内に引き込む(S302)。読み取り部102は、胴内のシート搬送路に設置してある分光ユニットを用いて、引き込まれた用紙の色味データを読み取る(S303)。制御部104は、カセット段に設定されている用紙データが持つ色名称を、用紙銘柄DBから求める(S304)。さらに、制御部104は、S304で求めた各カセット段の色名称に対応する色味データを色見本DBから求める(S305)。
【0046】
そして、制御部104は、S303で読み取った色味データと、S305で求めた色味データとが同じであるか否かを判定する(S306)。同じである場合、カセット段に実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが一致しており、問題は生じないため、制御部104は、一連の処理を終了する。
【0047】
一方、異なる場合、操作部101はS303で読み取った色味データと、S305で求めた色味データとが異なることをユーザに提示する(S307)。本実施形態では、図2のカセット段情報202に表示していく。そして、制御部104は、カセット段が自動で開く設定になっているか否かを判定する(S308)。自動で開く設定になっている場合には、制御部104は、そのカセット段を開く(S309)。これにより、ユーザは開かれたカセット段に収容されている用紙を確認することで、実際にカセット段にセットされた用紙の色味が正しいか否かを判断することができる。一方、自動で開く設定になっていない場合には、カセット段は自動的には開かれないが、ユーザはカセット段情報202の表示を見てカセット段を開けば、同様に、その用紙の色味の設定が正しいか否かを判断することができる。
【0048】
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、カセット段に用紙の情報を設定した後、外部のPCのドライバによって、印刷に使用する用紙の色名称を指定して印刷を指示するプリントジョブの場合を例に説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、コピージョブの場合に適用することもできる。例えば、ユーザは、画像形成装置100の操作部101を介して、印刷に使用する用紙の色名称を指定し、印刷を指示する場合に適用することもできる。その場合、画像形成装置100は、図2〜図10に示す画面に代わる画面を操作部101に表示してユーザからの指示を受け付ければよい。
【0049】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷に使用する用紙の色をユーザに指定させ、ユーザによって指定された色の用紙がセットされた給紙段から用紙を給紙して印刷を行う画像形成装置がある(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1においては、用紙の色を画像形成装置の各カセット段に予め登録するようになっている。その後、ユーザによって指示された用紙の色が画像形成装置のカセット段に既に設定されている場合、このカセット段の用紙を印刷に使用する。用紙サイズ、または色が一致しない場合、検索をまだ行っていないカセット段の検索を行い、指定サイズと色に当てはまるカセット段がない場合、用紙がない旨のメッセージを出力する。特許文献1によれば、ユーザは、青やピンクといった用紙の色味をドライバから指定することで、所望の色の用紙を画像形成装置に給紙させて印刷させることができる。
【0004】
また、従来の画像形成装置は、用紙の各種設定を保存する用紙銘柄データベースを備える。この用紙銘柄データベースは、印刷に必要な設定項目(例えば、用紙サイズや坪量など)を用紙ごとに集めたデータベースである。画像形成装置は、用紙銘柄データベースの中からユーザによって選択された用紙を使うことが可能である。この用紙銘柄データベースには、印刷に必要な用紙の各種設定として、製紙メーカーが販売している用紙に対応するデータが予め用意されている。ユーザは用紙銘柄データベースの当該データのいずれかを選択して各カセット段に設定することにより、印刷を行うことが可能になっている。この用紙銘柄データベースの設定項目には、用紙の色の項目があり、ユーザは用紙銘柄データベースに予め用紙を登録しておくことにより、その用紙の色を確認することができる。例えば、操作部は、用紙の登録時に、予め用意されている複数の色(白、青、クリーム、山吹、グレー、緑、アイボリー、オレンジ、ピンク、赤、黄色、透明、その他)のうちのいずれかの色を印刷時に指定可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−193465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置では、異なる色味の用紙に対して同じ色名称が登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることがある。
【0007】
例えば、濃い黄色の用紙をユーザAが黄色として給紙段に登録し、薄い黄色の用紙をユーザBが黄色として別の給紙段に登録する場合がある。
【0008】
その後にユーザAが濃い黄色の用紙を画像形成装置に給紙させるために「黄色」を指定して印刷指示をしたとする。その場合、画像形成装置は、「黄色」が設定された給紙段を検索して用紙を給紙するが、このとき、ユーザBによって薄い黄色の用紙がセットされた給紙段が条件に合致すると判断し、当該給紙段から用紙を給紙してしまう場合がある。その結果、ユーザAの意図しない薄い黄色の用紙が印刷に使用されてしまうことになる。
【0009】
また、給紙段の用紙が不足した場合に、使用する給紙段を切り替える画像形成装置がある。そのような画像形成装置が、まず濃い黄色の用紙を「黄色」が登録された給紙段から給紙し、その給紙段の用紙が不足した場合に、同じ「黄色」が登録された別の給紙段から薄い黄色の用紙を給紙することがある。その場合、印刷結果の色味が途中で変わってしまう。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる色味の用紙に対して同じ色名称が登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることを防ぐ仕組みを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る装置は、用紙の色味を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択操作したことに応じて、ユーザにより選択操作された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる色味の用紙に対して同じ色名称がユーザにより登録されることによって、ユーザの所望する印刷結果が出力されなくなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】消耗品確認画面を示す図である。
【図3】用紙の登録・設定の選択画面を示す図である。
【図4】用紙の設定画面を示す図である。
【図5】用紙情報表示画面を示す図である。
【図6】用紙種類管理画面を示す図である。
【図7】用紙データ詳細・編集画面を示す図である。
【図8】用紙読み込み警告画面を示す図である。
【図9】比較結果表示画面を示す図である。
【図10】ドライバ画面を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係る色味登録フローを示す図である。
【図12】第2の実施形態に係る色味登録フローを示す図である。
【図13】第3の実施形態に係る色味確認フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲を限定するものでなく、また、実施形態で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態では、ユーザが登録したい用紙を画像形成装置に読み込ませ、画像形成装置が、読み込んだ用紙のふさわしい色名称を自動的に指定して用紙銘柄データベースに登録する。そして、ユーザがドライバから用紙銘柄データベースに登録されている色名称を指定して画像形成装置で印刷を行うまでの処理について説明する。
【0016】
<システム構成(図1)>
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像形成システムは、クライアントPC106、107(情報処理装置)と、画像形成装置100とを含む。これらは、互いにネットワーク109を介して接続されている。
【0017】
クライアントPC106、107は、種々の設定を含む印刷指示を画像形成装置100に行うためのドライバ108を有する。ドライバ108は、印刷ジョブである汎用のPostScript(以下、PS)データ等のPDLデータを出す。このとき、本実施形態に係る画像形成装置は、種々のドライバから投入されたPDLデータも受け付けることが可能である。
【0018】
画像形成装置100は、操作部101、読み取り部102、紙種情報記憶部103、制御部104及び入出力部105を備える。操作部101は、画像形成装置へのユーザからの情報の入出力を行うものであり、用紙の種類を示す紙種の名称の入力や用紙の色などをユーザに確認させるUI(ユーザーインターフェース)を有する。読み取り部102は、スキャナユニットで構成され、天板からの入力やシートフィーダーを使った入力、胴内に設置された分光センサーからの色味データの入力を行う。
【0019】
紙種情報記憶部103は、用紙銘柄データベース(以下、用紙銘柄DBと呼ぶ)と、色見本データベース(以下、色見本DBと呼ぶ)とを有する。用紙銘柄DBは、色名称が用紙ごとに付与され、それぞれの色名称に対応して印刷に必要な設定(例えば、用紙サイズや坪量など)を一括して管理しているデータベースである。用紙銘柄DBには、製紙メーカーが販売している用紙に対応したデータが用意されている。ユーザは複数のカセット段(給紙段)のそれぞれにそれらのデータを設定することで印刷に必要な用紙を画像形成装置で使うことが可能になっている。この用紙銘柄DBの設定項目には色名称の項目があり、本実施形態では、さらに色味データを有する。
【0020】
色見本DBは、印刷市場で基本となる色をまとめた色見本帳とCIELAB(L*a*b表色系)の値とを並べたもので、CIELABから色名称を選択するときに使用する。ここでは、PANTONE社製の色見本帳のデータを用いて説明する。PANTONE色見本帳は、色番号と濃度とをパーセントで表記しており、印刷業界では色指定の方法として広く用いられているものである。なお、本実施形態では、複数の色味をL*a*b表色系の各色ごとの濃度で表現するものとしたが、RGB表色系を用いて表現しても構わない。
【0021】
制御部104は、読み取り部102が読み取った用紙の色味データと紙種情報記憶部103が持つ色味データとを特徴量で比較し、類似しているか否かを判定する類似判定手段を有する。入出力部105は、ネットワーク109を介して、ドライバ108から投入される印刷ジョブを受け付ける。また、入力部105は、紙種情報記憶部103が設定した用紙情報をドライバに送信する機能を有する。
【0022】
<消耗品管理画面(図2)>
図2は、画像形成装置の操作部101に表示される画像形成装置のカセット段をはじめとする消耗品の管理画面200を示している。この消耗品管理画面200は、カセット段情報202、デバイス状況203及びその他の情報204を含む。カセット段情報202は、画像形成装置の各カセット段にどのような種類の用紙が設定されているかを示す情報である。デバイス状況203は、ユーザがカセット段情報202のカセット段の項目を選択した場合に、画像形成装置の画像上でそのカセット段がどこに位置するのかを明確に示す情報である。その他の情報204は、トナーやステイプラの針の残量を示す情報である。操作部101は、ユーザにより用紙の登録ボタン205が押されると、図3に示す用紙の登録画面300を表示する。
【0023】
<用紙の登録画面(図3)>
画像形成装置で印刷を行うためには、紙種情報記憶部103に格納された用紙銘柄DBに用紙の情報を登録して管理することと、管理している用紙をカセット段に割り当てることとが必要である。図3は2つの手順のいずれの設定を行うのかを、ユーザに対して選択可能に表示する画面である。操作部101は、用紙の設定ボタン301が押されたか、用紙種類の管理ボタン302が押されたかで画面表示を切り替える。
【0024】
<用紙銘柄DBの管理画面等(図6、図7)>
図3に示す用紙の登録画面で用紙種類の管理ボタン302が押されると、図6に示す用紙銘柄DBの管理画面600が操作部101に表示される。用紙情報601には、用紙名称、用紙サイズ、色名称、色味データ、坪量及び表面性などの印刷に必要となる値が含まれる。この用紙銘柄DBには、製紙メーカーが販売している用紙に対応したデータが予め用意されている。さらに、ユーザにより所望の用紙が選択され複製ボタン603が押されると、その用紙データが複製され、複製された用紙データをユーザがカスタマイズすることにより、新たな用紙データを登録することが可能である。一方、ユーザにより用紙情報601のリスト上で所望の用紙が選択された状態で詳細/編集ボタン602が押されると、図7に示すように、その用紙の詳細編集画面700が操作部101に表示される。そして、ユーザによる編集を受け付けた後にOKボタンが押されれば、制御部104はその情報を用紙銘柄DBに登録する。
【0025】
<カセット段及び用紙の設定画面(図4、図5)>
図3に示す用紙の登録画面で用紙の設定ボタン301が押されると、図4に示すカセット段の設定画面が操作部101に表示される。画像形成装置のオプション構成によって、給紙するカセット段の数は異なる。操作部101は、オプション構成により表示を切り替えており、ここでは手差しを含む5箇所からなるカセット段に対応するボタン402が表示されている。ユーザが所望のカセット段のボタンを選択すると、選択されたカセット段に設定されている用紙の情報406が画面下部に表示される。例えば、図4では、カセット段1のボタンが選択されており、用紙の情報406の欄には、カセット段1に用紙サイズ「A4」及び用紙種類「普通紙1」の用紙が設定されていることが表示されている。
【0026】
カセット段に設定されている用紙を変更する場合には、変更したいカセット段を選択し、画面右上の設定ボタン403を押す。この設定ボタン403が押されると、図5に示す用紙の設定画面500が操作部101に表示される。画面中央に表示されている用紙情報501は、用紙銘柄DBの情報である。用紙情報501には、用紙の名称、用紙サイズ、種類、色名称、色味データ及び坪量などの情報が含まれる。また、用紙の名称欄の「**」は、現状でカセット段に設定されている用紙を示している。例えば、図5では、「○×製紙」の用紙がカセット段1に設定されていることが表示されている。カセット段に設定されている用紙を変更したい場合には、ユーザが設定したい用紙の名称を選択し、OKボタン605を押すことで変更することが可能である。現状の設定のままでよいのであれば、キャンセルボタンを押せばよい。このようにして、制御部104は、ユーザの入力に応じて選択された用紙をカセット段に設定する。
【0027】
<ドライバ印刷設定画面(図10)>
図10は、クライアントPC106、107に搭載されたドライバ108による印刷設定画面を示す図である。クライアントPC上のドライバ108は、用紙銘柄DBと双方向通信を行っており、新規に登録された用紙データをドライバ上で選択することにより用紙銘柄DBに反映させることができる。本実施形態では、ドライバ上に、従来のドライバに存在していなかった用紙の色の項目1004を用意し、選択を可能とする。このとき表示される選択肢はユーザに対してわかりやすいようにPANTONE色見本帳の値を使用している。ユーザが選択肢のいずれかを選択すると、色味データとしてのCIELABの値1005も表示される。ユーザは、用紙の設定で登録したときの用紙の色名称をもとにドライバから候補を選択して印刷する。
【0028】
<色味登録フロー(図11)>
図11は、本実施形態での用紙の色味を登録するフローチャートを示す図である。ここでは、用紙の色味を読み取り部102で読み取って、紙種情報記憶部103に格納されている色見本DBで検索し、該当する色名称を用紙銘柄DBに登録するまでの処理について説明する。
【0029】
まず、図7に示す詳細編集画面700に存在する色の読み取りボタン701がユーザにより押されたことを検知すると(S101)、操作部101は図8に示す用紙のスキャン指示画面800を表示する(S102)。スキャン指示画面800は、ユーザの入力により、スキャナユニットにセットされた用紙のスキャンを開始する旨を報知するための画面である。
【0030】
そして、ユーザによりOKボタン801が押されたことを検知すると(S103)、読み取り部102はスキャナユニットにセットされた用紙から色味を読み取り、色味データを生成する(S104)。色味データは、本実施形態では、L*a*b表色系(CIELAB)の値を用いることとする。CIELABは明度(L)、色相・彩度(ab)の値からなり、国際標準の色味データである。
【0031】
そして、制御部104は、読み取り部102が読み取り、生成した色味データに最も近い色味データを色見本DBで検索する(S105)。この検索処理は、色味データ(例えば、CIELABの値)の特徴量に基づいて行われることとする。色味データは、多数の色味(約7000種類の色味)で構成されている。当該色味データでは、人間の目によって異なる色として判別される色は、別の色味として扱われている。そして、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録する(S106)。この際に、用紙サイズ及び用紙種類等も合わせて登録することとする。また、登録した色名称等をユーザに通知(提示)することとする。ここでは、ユーザへの通知は、画像形成装置のディスプレイに表示することにより行う。
【0032】
なお、色名称は、本実施形態では、ユーザが任意に付与したものではなく、色見本DBに登録されている色名称をそのまま用紙銘柄DBに登録するものとする。また、S105で生成した色味データに最も近い色味データを検索することとしたが、同一又は類似の色味データを検索し、その検索結果の中から所望の色味データをユーザに選択させてもよい。その場合、S106でユーザが選択した色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに登録すればよい。
【0033】
S106での登録処理後、ユーザは、用紙銘柄DBに登録した用紙を所望のカセット段に設定する。そして、用紙銘柄DBに検索した色名称を登録した際に通知された色名称等をユーザが覚えておけば、クライアントPC106、107のドライバ108の印刷設定画面に表示された用紙の色の項目1004を用いて色名称を指定して印刷することが可能となる。
【0034】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実際の色味に最も近い色味データを色見本DBで検索し、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録するため、異なる色味の用紙には、それぞれ異なる色名称が自動的に登録されることとなる。例えば、薄い黄色と濃い黄色の用紙には、それぞれ異なる色味データが検索されるため、異なる色名称が自動的に登録されることとなる。
【0035】
従って、異なる色味の用紙には、異なる色名称が付与されているため、ユーザが印刷を行う際に、ユーザの意図しない色味の用紙が用いられることを抑制することができる。例えば、薄い黄色の用紙の代わりに濃い黄色の用紙が用いられることを抑制することができる。これにより、印刷品質の低下を抑制することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、画像形成装置の読み取り部で用紙を読み取り、読み取った色味に最も近い色味データを色見本DBで検索し、検索された色味データに対応する色名称を用紙銘柄DBに自動的に登録する。そして、その後に登録された色名称の用紙をユーザが所望のカセット段に設定して印刷するまでの処理について説明した。一方、本実施形態では、色見本DBを用いずに、画像形成装置の読み取り部で読み取った色味に対応する色名称を決定し、用紙銘柄DBに登録する例について説明する。なお、装置の構成等については、第1の実施形態とほぼ同様であるため、異なる部分のみについて説明する。
【0037】
<色味登録フロー(図12)>
図12は、それぞれの色味データを比較するフローチャートを示している。S201〜S204の処理については第1の実施形態のS101〜S104の処理と同じである。そして、読み取り部102が用紙の色味データAを読み取ると(S204)、制御部104は、読み取り部102により読み取られた、各カセット段に設定されている用紙の色味データAを取得する(S205)。
【0038】
そして、制御部104は、読み取られた色味データAに近い色味の用紙が既に設定されているカセット段があるか否かを判定する(S206)。ここでの判定は、読み取られた色味データのL、a、bの各値が、所定の範囲(±2)以内に収まっているときに近いと判定する。制御部104は、近い色味の用紙が設定されているカセット段がある場合に、カセット段と、そのカセット段に設定されている用紙の色名称とを図9のリスト905にすべて表示する(S207)。
【0039】
そして、制御部104は、図9のリスト905に表示されたカセット段のいずれかがユーザにより選択された場合には、操作部101はカセット段に設定されている色名称903とその色味データ904とを表示する。また、画面右上に表示されるデバイス902(デバイスの全体図)の中で、選択されたカセット段が画像形成装置のどこに位置しているかを表示する(図の斜線部)。また、色見本DBから選択された候補色が表示されるときは、選択時に色味データ904の値も合わせて表示する。そして、候補となる色名称のいずれかが選択された場合には、制御部104は、選択された色名称を用紙銘柄DBに登録する(S208)。
【0040】
一方、色味データAに近い色味の用紙が設定されているカセット段がない場合には、用紙銘柄DBの色味データを取得し(S209)、読み取られた色味データAに近い色味のデータが用紙銘柄DBにあるか否かを判定する(S210)。すでに色味データAに近い色味データが用紙銘柄DBにある場合には、すべての候補となる色名称をリスト905に表示する(S211)。そして、制御部104は、ユーザにより選択された色名称を用紙銘柄DBに登録する(S212)。
【0041】
一方、S210で、読み取られた色味データAに近い色味のデータが用紙銘柄DBにないと判定された場合には、新規登録の項目だけをリスト905に表示する(S213)。そして、ユーザにより当該新規登録の項目が選択されると、色味の新規名称入力画面(図示しない)を表示して(S214)、色見本DBに、電源をOFFにすると消えてしまうテンポラリー項目を作成する(S215)。そして、制御部104は、ユーザによる新規名称の入力操作を受け付けると、読み込んだ色味データAの色名称として、その入力された新規名称を用いて用紙銘柄DBに登録する(S216)。
【0042】
本実施形態によれば、近い色味の用紙が給紙段にセットされているときには、新たに給紙段に用紙を設定するときに、近い色味の用紙が別の給紙段にセットされていることをユーザに通知する。それによって、ユーザが、異なる色味の用紙を、同じ色名称でカセット段に登録してしまうことを抑制することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、画像形成装置の制御部が、読み込んだ用紙の色味データと用紙銘柄DBの色味データとを比較し、読み込んだ用紙の色味データと同じ色味データが用紙銘柄DBにすでに登録されている場合にユーザに対して警告する例について説明した。
【0044】
本実施形態では、ユーザが意図するタイミングで画像形成装置の各カセット段に収容されている用紙を給紙し、給紙した用紙の色味データをカセット段ごとに読み取る。そして、読み取った色味データと各カセット段に設定されている色味データとが同じであるか否かを判定する。これにより、画像形成装置を利用するユーザは、所望のタイミングで、カセット段に実際に収容されている用紙の色味データと、カセット段に設定されている用紙の色味データとが同じであるか否かを確かめることができる。例えば、別のユーザが、あるカセット段に設定と異なる色味の用紙を収容したにも関わらず、そのカセット段の色味の設定を変更しなかった場合に、カセットに実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが異なってしまう。そこで、本実施形態では、例えば、画像形成装置を起動した後、カセット段に実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが同じであるか否かを容易に確認可能な画像形成装置について説明する。なお、ここでは、第2の実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0045】
<色味確認フロー(図14)>
図2で示す、操作部101の画面中央に用意してある用紙の確認ボタン206がユーザにより押されると(S301)、制御部104はすべてのカセット段から用紙を画像形成装置100の胴内に引き込む(S302)。読み取り部102は、胴内のシート搬送路に設置してある分光ユニットを用いて、引き込まれた用紙の色味データを読み取る(S303)。制御部104は、カセット段に設定されている用紙データが持つ色名称を、用紙銘柄DBから求める(S304)。さらに、制御部104は、S304で求めた各カセット段の色名称に対応する色味データを色見本DBから求める(S305)。
【0046】
そして、制御部104は、S303で読み取った色味データと、S305で求めた色味データとが同じであるか否かを判定する(S306)。同じである場合、カセット段に実際に収容されている用紙の色味と、カセット段に設定されている用紙の色味とが一致しており、問題は生じないため、制御部104は、一連の処理を終了する。
【0047】
一方、異なる場合、操作部101はS303で読み取った色味データと、S305で求めた色味データとが異なることをユーザに提示する(S307)。本実施形態では、図2のカセット段情報202に表示していく。そして、制御部104は、カセット段が自動で開く設定になっているか否かを判定する(S308)。自動で開く設定になっている場合には、制御部104は、そのカセット段を開く(S309)。これにより、ユーザは開かれたカセット段に収容されている用紙を確認することで、実際にカセット段にセットされた用紙の色味が正しいか否かを判断することができる。一方、自動で開く設定になっていない場合には、カセット段は自動的には開かれないが、ユーザはカセット段情報202の表示を見てカセット段を開けば、同様に、その用紙の色味の設定が正しいか否かを判断することができる。
【0048】
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、カセット段に用紙の情報を設定した後、外部のPCのドライバによって、印刷に使用する用紙の色名称を指定して印刷を指示するプリントジョブの場合を例に説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、コピージョブの場合に適用することもできる。例えば、ユーザは、画像形成装置100の操作部101を介して、印刷に使用する用紙の色名称を指定し、印刷を指示する場合に適用することもできる。その場合、画像形成装置100は、図2〜図10に示す画面に代わる画面を操作部101に表示してユーザからの指示を受け付ければよい。
【0049】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の色味を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記色見本データベースは、複数の色味のそれぞれをL*a*b表色系又はRGB表色系の各色ごとの濃度で表現した前記色味データを格納することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙銘柄データベースは、前記色味データと、前記色味データに付与された色名称と、前記用紙の種類及びサイズを含む印刷に必要な設定とを用紙ごとに一括して管理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙の、前記色味データ、前記色名称、及び前記印刷に必要な設定を給紙段に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段の指定を含む印刷指示がユーザによりなされたことに応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う印刷手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
用紙の色味を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段により提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する登録手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示手段により提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記提示手段は、前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がなく、かつ、前記用紙銘柄データベースに登録されている色味データの中に前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データがある場合に、当該色味データのうちのいずれの色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を前記用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
情報処理装置と、前記情報処理装置からの印刷指示に応じて印刷を行う画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
用紙の色味を読み取る、前記画像形成装置の読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する、前記画像形成装置の検索手段と、
前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する、前記画像形成装置の制御手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する、前記画像形成装置の設定手段と、
ユーザにより前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段が指定され、かつ、印刷指示がなされたことに応じて、前記画像形成装置に前記給紙段の指定を含む印刷指示を行う、前記情報処理装置の印刷指示手段と、
前記情報処理装置からの印刷指示に応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う、前記画像形成装置の印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
情報処理装置と、前記情報処理装置からの印刷指示に応じて印刷を行う画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
用紙の色味を読み取る、前記画像形成装置の読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する、前記画像形成装置の提示手段と、
前記提示手段により提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する、前記画像形成装置の登録手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示手段により提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する、前記画像形成装置の設定手段と、
ユーザにより前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段が指定され、かつ、印刷指示がなされたことに応じて、前記画像形成装置に前記給紙段の指定を含む印刷指示を行う、前記情報処理装置の印刷指示手段と、
前記情報処理装置からの印刷指示に応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う、前記画像形成装置の印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置の読み取り手段が、用紙の色味を読み取る読み取り工程と、
前記画像形成装置の検索手段が、前記読み取り工程で読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索工程と、
前記画像形成装置の制御手段が、前記検索工程で検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御工程と、
前記画像形成装置の設定手段が、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御工程で提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置の読み取り手段が、用紙の色味を読み取る読み取り工程と、
前記画像形成装置の提示手段が、前記読み取り工程で読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り工程で読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する提示工程と、
前記画像形成装置の登録手段が、前記提示工程で提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する登録工程と、
前記画像形成装置の設定手段が、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示工程で提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
用紙の色味を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記色見本データベースは、複数の色味のそれぞれをL*a*b表色系又はRGB表色系の各色ごとの濃度で表現した前記色味データを格納することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙銘柄データベースは、前記色味データと、前記色味データに付与された色名称と、前記用紙の種類及びサイズを含む印刷に必要な設定とを用紙ごとに一括して管理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙の、前記色味データ、前記色名称、及び前記印刷に必要な設定を給紙段に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段の指定を含む印刷指示がユーザによりなされたことに応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う印刷手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
用紙の色味を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段により提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する登録手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示手段により提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記提示手段は、前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がなく、かつ、前記用紙銘柄データベースに登録されている色味データの中に前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データがある場合に、当該色味データのうちのいずれの色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を前記用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
情報処理装置と、前記情報処理装置からの印刷指示に応じて印刷を行う画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
用紙の色味を読み取る、前記画像形成装置の読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する、前記画像形成装置の検索手段と、
前記検索手段により検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する、前記画像形成装置の制御手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御手段により提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する、前記画像形成装置の設定手段と、
ユーザにより前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段が指定され、かつ、印刷指示がなされたことに応じて、前記画像形成装置に前記給紙段の指定を含む印刷指示を行う、前記情報処理装置の印刷指示手段と、
前記情報処理装置からの印刷指示に応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う、前記画像形成装置の印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
情報処理装置と、前記情報処理装置からの印刷指示に応じて印刷を行う画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
用紙の色味を読み取る、前記画像形成装置の読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り手段により読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する、前記画像形成装置の提示手段と、
前記提示手段により提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する、前記画像形成装置の登録手段と、
前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示手段により提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する、前記画像形成装置の設定手段と、
ユーザにより前記色名称に対応する用紙が設定された給紙段が指定され、かつ、印刷指示がなされたことに応じて、前記画像形成装置に前記給紙段の指定を含む印刷指示を行う、前記情報処理装置の印刷指示手段と、
前記情報処理装置からの印刷指示に応じて、指定された給紙段に収容された用紙を用いて印刷を行う、前記画像形成装置の印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置の読み取り手段が、用紙の色味を読み取る読み取り工程と、
前記画像形成装置の検索手段が、前記読み取り工程で読み取られた色味に対応する色味データを色見本データベースで検索する検索工程と、
前記画像形成装置の制御手段が、前記検索工程で検索された色味データと、検索された色味データに対応する色名称とを用紙銘柄データベースに自動的に登録すると共に、前記検索された色味データに対応する色名称をユーザに提示する制御工程と、
前記画像形成装置の設定手段が、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から前記制御工程で提示された色名称をユーザが選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置の読み取り手段が、用紙の色味を読み取る読み取り工程と、
前記画像形成装置の提示手段が、前記読み取り工程で読み取られた色味に対応する色味データを有する用紙が設定されている給紙段がある場合に、当該給紙段のうちのいずれの給紙段に設定されている用紙の色味データに対応する色名称で前記読み取り工程で読み取られた用紙を用紙銘柄データベースに登録するかを選択可能にユーザに提示する提示工程と、
前記画像形成装置の登録手段が、前記提示工程で提示された色名称の中からユーザにより選択された色名称に対応する用紙を前記用紙銘柄データベースに登録する登録工程と、
前記画像形成装置の設定手段が、前記用紙銘柄データベースに登録されている色名称の中から、ユーザが前記提示工程で提示された色名称の中から選択した色名称を再び選択したことに応じて、ユーザにより選択された色名称に対応する用紙を給紙段に設定する設定工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−98478(P2012−98478A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245704(P2010−245704)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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