説明

画像形成装置、設定方法および設定プログラム

【課題】処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした画像形成装置を提供する。
【解決手段】MFPは、処理を実行する処理実行部と、処理実行部が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示する設定画面表示部(S02)と、設定画面とは別の画面であって、複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示する入力画面表示部(S07)と、複数の設定項目のうちから1つを選択する項目選択部(S11)と、表示された入力画面に含まれる複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、複数の設定項目のうち項目選択部により選択されている設定項目の設定値として受け付ける設定値受付部(S08)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、設定方法および設定プログラムに関し、特に、設定値に従って処理を実行する画像形成装置、その画像形成装置で実行される設定方法および設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機(MFP)で代表される画像形成装置において、ユーザインターフェースとしてソフトキーボードが用いられる(例えば、特許文献1、特許文献2)。このソフトキーボードを用いれば、物理的なハードキーを少なくすることができるので、機器を小型にすることができ、または、従来ハードキーを設けるために用いられていた領域を利用して表示画面を大きくすることができる。
【0003】
一方、MFPを動作させるために、その動作を定める処理条件の項目数が増加し、1つの操作画面で設定する処理条件の項目数が多くなっている。このため、ソフトキーボードを操作画面に重畳して表示すると、操作画面の一部がソフトキーボードによって隠れてしまうため、ソフトキーボードによって操作画面に含まれる複数の項目のいずれに対応する設定値が入力されるのかを確認することができないといった問題がある。
【特許文献1】特開平08−221169号公報
【特許文献2】特開2004−252727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした画像形成装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした設定方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした設定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、処理を実行する処理実行手段と、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示する設定画面表示手段と、設定画面とは別の画面であって、複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示する入力画面表示手段と、複数の設定項目のうちから1つを選択する項目選択手段と、表示された入力画面に含まれる複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、複数の設定項目のうち項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付ける設定値受付手段と、を含む。
【0008】
この局面に従えば、入力画面が、処理条件を定める複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含むので、入力画面だけで、処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定することができる。このため、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした画像形成装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、画像を表示する表示手段と、表示手段の表示面中でユーザにより指示された位置を検出する位置検出手段と、をさらに備え、設定画面表示手段は、設定画面を表示手段に表示し、入力画面表示手段は、入力画面を表示手段に表示し、項目選択手段は、位置検出手段により検出される位置に基づいて、複数の設定項目のうちから1つを選択し、設定値受付手段は、位置検出手段により検出される位置に基づいて、複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーを検出する。
【0010】
この局面に従えば、表示面中でユーザにより指示された位置が検出され、検出された位置に基づいて、設定項目が選択され、設定値が受け付けられるので、表示面とは別に入力キーを設ける必要がない。このため、キーの数を少なくすることができる。
【0011】
好ましくは、位置検出手段とは別に設けられ、ユーザの第1の指示を受け付ける指示操作受付手段を、さらに備え、入力画面表示手段は、表示手段に設定画面が表示されている状態で、指示操作受付手段により第1の指示が受け付けられることに応じて、入力画面を表示手段に表示する。
【0012】
好ましくは、設定値受付手段により受け付けられた設定値を一時記憶する一時記憶手段と、入力画面が表示手段に表示されている状態で、指示操作受付手段により第1の指示が受け付けられることに応じて、一時記憶された設定値を、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める設定項目の設定値として設定する項目設定手段と、をさらに備える。
【0013】
この局面に従えば、ユーザの第1の指示が受け付けられるまで、受け付けられた設定値が一時記憶され、処理条件を定める設定値に設定されないので、設定前の値に容易に戻すことができる。
【0014】
好ましくは、指示受付手段は、第1の指示とは別の第2の指示を受け付け可能であり、入力画面が表示手段に表示されている状態で、指示操作受付手段により第2の指示が受け付けられることに応じて、一時記憶された設定値を、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める設定項目の設定値として設定する項目設定手段と、をさらに備える。
【0015】
この局面に従えば、ユーザの第2の指示が受け付けられるまで、受け付けられた設定値が一時記憶され、処理条件を定める設定値に設定されないので、設定前の値に容易に戻すことができる。
【0016】
好ましくは、入力画面表示手段は、項目設定手段により設定値が設定される場合、複数の設定項目のうち設定値が設定された設定項目以外の設定項目の項目情報のみを含む入力画面を表示する。
【0017】
この局面に従えば、入力画面は、設定値が設定された設定項目以外の設定項目の項目情報のみを含むので、設定値が設定されていない設定項目をユーザに通知することができる。
【0018】
好ましくは、入力画面表示手段は、設定画面が表示されている状態で、設定画面に含まれる複数の設定項目のいずれかがユーザにより指示されることに応じて、入力画面を表示する。
【0019】
好ましくは、複数の設定項目にそれぞれ設定される設定値の属性を取得する設定項目取得手段を、さらに備え、入力画面表示手段は、複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報を表示する項目情報表示手段と、複数の設定項目のうち項目選択手段により選択されている項目情報に対応する設定項目の属性の値を入力するための入力キーのみを表示するソフトキーボード表示手段と、を含む。
【0020】
この局面に従えば、表示する入力キーの数を少なくすることができ、入力画面のサイズを小さくすることができる。
【0021】
好ましくは、入力画面表示手段は、設定画面が表示されていることを条件に、入力画面を設定画面に重畳して表示する。
【0022】
好ましくは、項目情報表示手段は、複数の項目情報のうち項目選択手段により選択されている項目情報を、選択されていない項目情報とは異なる表示態様で表示する。
【0023】
この局面に従えば、選択されている項目情報が、選択されていない項目情報とは異なる表示態様で表示されるので、設定値を設定する設定項目をユーザに通知することができる。
【0024】
この発明の他の局面によれば、設定方法は、処理を実行する処理実行手段を備えた画像形成装置で実行される設定方法であって、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示するステップと、設定画面とは別の画面であって、複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示するステップと、複数の設定項目のうちから1つを選択するステップと、表示された入力画面に含まれる複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、複数の設定項目のうち項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付けるステップと、を含む。
【0025】
この局面に従えば、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした設定方法を提供することができる。
【0026】
この発明の他の局面によれば、設定プログラムは、処理を実行する処理実行手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される設定方法であって、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示するステップと、設定画面とは別の画面であって、複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示するステップと、複数の設定項目のうちから1つを選択するステップと、表示された入力画面に含まれる複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、複数の設定項目のうち項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付けるステップと、をコンピュータに実行させる設定プログラム。
【0027】
この局面に従えば、処理条件を定める設定値を入力する操作を容易にした設定プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【図2】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【図3】操作パネルの平面図である。
【図4】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図5】設定画面の一例を示す図である。
【図6】設定画面に重畳して表示される入力画面の一例を示す図である。
【図7】設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】入力画面表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】変形例における設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】変形例における入力画面表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、画像形成装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0031】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0032】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0033】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
【0034】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙に画像を形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0035】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピュータまたは画像形成装置と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0036】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0037】
操作パネル160は、液晶表示装置(LCD)165と、LCD165の表示を制御する表示制御部161と、VRAM(Video RAM)163と、タッチパネル169と、ハードキー部170と、タッチパネル169およびハードキー部170を制御する入力制御部167と、を含む。LCD165およびハードキー部170は、MFP100の上面に設けられる。
【0038】
表示制御部161は、CPU111、VRAM163およびLCD165と接続される。VRAM163は、表示制御部161の作業領域として用いられ、LCD165に表示する画像を一時記憶する。表示制御部161は、CPU111により制御されて、LCD165を制御し、LCD165にVRAM163に記憶された画像を表示させる。表示制御部161は、後述する操作画面および入力画面をLCD165に表示させる。
【0039】
ハードキー部170は、スタートキーとキーボード呼出キーとを少なくとも含む複数のハードキーを含む。ハードキーは、入力制御部167に接続され、ユーザにより押下されている間はON信号を入力制御部167に出力し、ユーザにより押下されていない間はOFF信号を入力制御部167に出力する。
【0040】
タッチパネル169は、LCD165の上面または下面に設けられ、ユーザにより押下された位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネル169は、ユーザが指またはスタイラスペンで指示した位置を検出し、検出した位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネル169は、LCD165の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル169は、LCD165に重畳して設けられるので、タッチパネル169は、ユーザがLCD165の表示面を指示すれば、LCD165の表示面中でユーザが指示した位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネルは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
【0041】
入力制御部167は、ハードキー部170のうちでON信号を出力するハードキーが存在する場合、ON信号を出力するハードキーの識別情報をCPU111に出力する。また、入力制御部167は、タッチパネル169がユーザにより指示された位置を検出する場合、タッチパネル169から出力される座標をCPU111に出力する。
【0042】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。
【0043】
図3は、操作パネル160の平面図である。図3を参照して、操作パネル160は、LCD165と、LCD165に重畳して設けられたタッチパネル169と、LCD165の右側および下方に複数のハードキーが配置されたハードキー部170と、を含む。ハードキー部170は、キーボード呼出キー171と、スタートキー173と、を含む。
【0044】
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。図4を参照して、CPU111は、設定部11と、入力受付部31と、処理実行部51と、を含む。処理実行部51は、通信I/F部112、ファクシミリ部116、HDD115、外部記憶装置117、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140および給紙部150を制御し、設定部11により設定された処理条件で処理を実行する。
【0045】
処理実行部51が実行する処理の一例は、スキャン処理、コピー処理、プリント処理およびファクシミリ送受信処理等である。処理実行部51は、処理条件の1つとしてスキャン処理を実行する設定がされた場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、HDD115、外部記憶装置117、通信I/F部112を制御し、原稿読取部130で読み取った原稿の画像を、HDD115、外部記憶装置117および通信I/F部112の少なくとも1つに、処理条件に従って出力する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先をHDD115とする処理条件が設定された場合は、画像をHDD115に記憶する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先を外部記憶装置117とする処理条件が設定された場合は、画像を外部記憶装置117に装着された半導体メモリに記憶する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先を通信I/F部112とする処理条件が指定された場合は、画像を通信I/F部112を介して送信する。送信方法は、例えば、電子メール送信、FTP(File Transfer Protocol)またはSMB(Server Message Block)等である。送信方法に電子メール送信が設定される場合には、画像を添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを送信する。
【0046】
また、処理実行部51は、処理条件の1つとしてコピー処理を実行する設定がされた場合は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、給紙部150および画像形成部140を制御し、原稿読取部130で読み取った原稿の画像を、画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に、設定された処理条件に従って画像形成させる。
【0047】
また、処理実行部51は、処理条件の1つとしてプリント処理を実行する設定がされた場合は、通信I/F部112、HDD115、外部記憶装置117、画像形成部140および給紙部150を制御し、画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に、設定された処理条件に従って画像形成させる。画像形成部140が画像形成する画像は、処理条件の1つにより設定され、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピュータから受信されるプリントデータの画像、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータの画像である。
【0048】
さらに、処理実行部51は、処理条件の1つとしてファクシミリ送信処理を実行する設定がされた場合は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、HDD115、外部記憶装置117およびファクシミリ部116を制御し、ファクシミリデータの画像を、ファクシミリ部116に送信させる。ファクシミリ部116が送信するファクシミリデータは、処理条件の1つにより設定され、処理条件に従って原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像、または、HDD115または外部記憶装置117に記憶された画像である。
【0049】
処理実行部51は、処理条件の1つとしてファクシミリ受信処理を実行する設定がされた場合は、ファクシミリ部116、HDD115、外部記憶装置117、画像形成部140および給紙部150を制御し、ファクシミリデータの画像を出力する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先をHDD115とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像をHDD115に記憶する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先を外部記憶装置117とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像を外部記憶装置117に装着された半導体メモリに記憶する。処理実行部51は、処理条件の1つとして出力先を通信I/F部112とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像を添付した電子メールを生成し、通信I/F部112を介して電子メールを送信する。
【0050】
設定部11は、設定画面選択部13と、設定画面表示部15と、項目設定部17と、を含む。設定画面選択部13は、HDD115に予め記憶された複数の設定画面のうちから1つを選択し、選択した設定画面を識別するための設定画面識別情報を設定画面表示部15および項目設定部17に出力するとともに、選択された設定画面の設定画面情報を入力受付部31に出力する。
【0051】
複数の設定画面は、処理実行部51が処理を実行するための複数の処理条件にそれぞれ対応する。例えば、スキャン処理を処理実行部51に実行させるための設定画面、コピー処理を処理実行部51に実行させるための設定画面、プリント処理を処理実行部51に実行させるための設定画面、およびファクシミリ送受信処理を処理実行部51に実行させるための設定画面である。設定画面は、処理実行部51が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための画面である。設定画面は、複数の設定項目ごとに、項目名と設定値を表示する領域を有する。また、複数の設定画面は、遷移機能付き設定画面を含む。遷移機能付き設定画面は、1以上の別の設定画面を選択するための遷移ボタンを有する。
【0052】
設定画面情報は、設定画面に含まれる複数の設定項目ごとに、該設定項目の項目名と該設定項目に設定される設定値の属性との組を含む。属性は、数字または文字の別と、文字であればその種類および文字数、数字であれば桁数を含む。
【0053】
設定画面選択部13は、例えば、複数の設定画面をそれぞれ識別するための複数の設定画面識別情報を含むメニュー画面をLCD165に表示し、ユーザがタッチパネル169またはハードキー部170を操作して、メニュー画面に表示される複数の設定画面識別情報のいずれかを選択すれば、選択された設定画面識別情報の設定画面を選択する。また、LCD165に、遷移機能付き設定画面が表示されている場合、ユーザがタッチパネル169またはハードキー部170を操作して、遷移機能付き設定画面に含まれる遷移ボタンを指示すれば、指示された遷移ボタンに関連付けられた設定画面を選択する。
【0054】
設定画面表示部15は、設定画面選択部13から設定画面識別情報が入力されることに応じて、設定画面識別情報で特定される設定画面を、HDD115から読出し、読み出した設定画面をLCD165に表示する。具体的には、設定画面を表示制御部161に出力し、表示制御部161に設定画面の画像をLCD165に表示させる。
【0055】
入力受付部31は、設定項目取得部33と、入力画面表示部35と、項目選択部37と、設定値受付部39と、を含む。設定項目取得部33は、設定画面選択部13によって設定画面が選択されると、設定画面選択部13から設定画面情報が入力される。設定項目取得部33は、設定画面情報が入力されると、設定画面情報を入力画面表示部35に出力する。
【0056】
入力画面表示部35は、設定項目取得部33から設定画面情報が入力された後、キーボード呼出キー171が押下されたことを検出すると、入力画面をLCD165に表示する。具体的には、入力画面を表示制御部161に出力し、表示制御部161に入力画面の画像をLCD165に表示させる。入力画面は、設定画面情報に含まれる複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目名(項目情報)と、複数の入力キーとを含む。
【0057】
なお、ここでは、入力画面表示部35は、設定項目取得部33から設定画面情報が入力された後、キーボード呼出キー171が押下されたことを検出すると、入力画面をLCD165に表示するようにしたが、設定項目取得部33から設定画面情報が入力されることに応じて、入力画面をLCD165に表示するようにしてもよいし、後述する項目選択部37により処理対象として設定項目が選択されることに応じて、入力画面をLCD165に表示するようにしてもよい。
【0058】
入力画面表示部35は、項目情報表示部41と、ソフトキーボード表示部43と、を含む。項目情報表示部41は、入力画面の設定画面情報に含まれる複数の項目名を、LCD165に表示されている設定画面に重畳して表示する。具体的には、複数の項目名を表示制御部161に出力し、複数の項目名の画像を設定画面の画像よりも優先して合成した画像を表示制御部161に生成させ、表示制御部161に生成された画像をLCD165に表示させる。項目情報表示部41は、複数の設定項目ごとに、項目名と、項目名の画像の設定画面中の位置との組を項目選択部37に出力する。
【0059】
項目選択部37は、複数の設定項目のうちユーザにより選択された設定項目を処理対象として選択する。ユーザがLCD165に表示された複数の項目名の画像のいずれかを指で指示すれば、タッチパネル169によりユーザにより指示された位置が検出される。項目選択部37は、タッチパネル169により検出されたLCD165の表示面の座標に基づいて、複数の項目名の画像のいずれがユーザにより指示されたかを特定し、特定された項目名の画像に対応する設定項目を選択する。項目選択部37は、複数の設定項目のうちから選択した設定項目の項目名を、項目情報表示部41、ソフトキーボード表示部43および項目設定部17に出力する。
【0060】
項目情報表示部41は、項目選択部37から項目名が入力される前の段階、換言すれば、ユーザが設定項目を処理対象として選択する前の段階では、設定画面情報に含まれる複数の設定項目のうちから予め定められた1つの設定項目を処理対象とし、項目選択部37に、処理対象に選択した設定項目の項目名を出力する。この場合、項目選択部37は、項目情報表示部41から入力される項目名を、項目情報表示部41、ソフトキーボード表示部43および項目設定部17に出力する。その後、ユーザにより処理対象として別の設定項目が選択されると、複数の設定項目のうちから選択した設定項目の項目名を、項目情報表示部41、ソフトキーボード表示部43および項目設定部17に出力する。
【0061】
項目情報表示部41は、複数の設定項目のうち処理対象に選択された設定項目の項目名の画像を他の項目名の画像と表示態様を異ならせて表示する。具体的には、項目情報表示部41は、設定画面情報に含まれる複数の設定項目のうち項目選択部37から入力される項目名の設定項目を処理対象に選択された設定項目として特定し、特定された設定項目の項目名の画像を、他の項目名の画像と表示態様を異ならせて表示する。ここでは、処理対象に選択されている設定項目の項目名を反転表示する。また、処理対象に選択されている設定項目の項目名の画像の明度を、他の設定項目の項目名の画像の明度よりも高くして表示してもよい。また、色相または彩度を異ならせるようにしてもよいし、画像の大きさを異ならせるようにしてもよいし、フォントを異ならせるようにしてもよいし、画像の輪郭形状を異ならせるようにしてもよい。
【0062】
ソフトキーボード表示部43は、設定項目取得部33から設定画面情報が入力され、項目選択部37から処理対象に選択された設定項目の項目名が入力される。ソフトキーボード表示部43は、処理対象に選択された設定項目に対応する複数の入力キーを、LCD165に表示されている設定画面に重畳して表示する。複数の入力キーそれぞれは、入力キーに割り当てられた値がキー名称として付される。具体的には、複数の入力キーそれぞれのキー名称を表示制御部161に出力し、入力キーのキー名称の画像を設定画面の画像よりも優先して合成した画像を表示制御部161に生成させ、表示制御部161に生成された画像をLCD165に表示させる。ソフトキーボード表示部43は、複数の入力キーごとに、キー名称と、キー名称の画像の設定画面中の位置との組を設定値受付部39に出力する。
【0063】
ソフトキーボード表示部43は、設定項目取得部33から入力される設定画面情報のうちから、項目選択部37から入力される項目名と組になる設定値の属性を特定し、特定された属性の値を入力するための入力キーのみを表示する。ソフトキーボード表示部43は、設定項目の属性、換言すれば、設定項目に設定される設定値の属性が数字ならば、0〜9の数字がそれぞれ割り当てられた10個の入力キーを表示し、設定項目の属性が文字ならば、アルファベットの文字がそれぞれ割り当てられた26個の入力キーを表示する。入力キーは、割り当てられた数字または文字がキー名称となり、数字または文字の画像が設定画面に重畳して表示される。
【0064】
設定値受付部39は、複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーに基づいて設定値を受け付ける。ユーザがLCD165に表示された複数のキー名称の画像のいずれかを指で指示すれば、タッチパネル169によりユーザにより指示された位置が検出される。設定値受付部39は、タッチパネル169により検出されたLCD165の表示面の座標に基づいて、複数のキー名称の画像のいずれがユーザにより指示されたかを特定し、特定されたキー名称の画像に対応する入力キーを選択する。設定値受付部39は、選択された入力キーに割り当てられた値を、設定値として項目設定部17に出力する。設定値受付部39は、複数の入力キーを順に選択する場合、複数の入力キーにそれぞれ割り当てられた複数の値を、選択された順に配置した値を設定値として項目設定部17に出力する。例えば、10個の入力キーに、数字の「0」〜「9」がそれぞれ割り当てられており、第1番目に数字の「1」が割り当てられた入力キーが選択され、第2番目に数字の「2」が割り当てられた入力キーが選択される場合、第1番目の「1」の右に第2番目の「2」を配置した「12」を設定値に決定し、設定値「12」を項目設定部17に出力する。また、26個の入力キーに、アルファベットがそれぞれ割り当てられている場合、入力された順に並べた複数の文字列を設定値として項目設定部17に出力する。
【0065】
項目設定部17は、設定画面選択部13から設定画面識別情報が入力され、項目選択部37から設定項目の項目名が入力され、設定値受付部39から設定値が入力される。項目設定部17は、設定値受付部39から設定値が入力されると、設定値が入力される前に項目選択部37から入力される設定項目の項目名と、設定値との組をRAM114に一時的に記憶する。項目設定部17は、設定指示が検出されるまで、設定値受付部39から設定値が入力されるごとに、設定項目の項目名と設定値との組をRAM114に一時的に記憶する。したがって、複数の組がRAM114に一時記憶される場合がある。設定指示は、ユーザがキーボード呼出キー171を押下することによりユーザにより入力され、項目設定部17は、キーボード呼出キー171がOFFからONに切り換わる事象を検出することにより、設定指示を検出する。
【0066】
なお、設定指示は、ユーザが、キーボード呼出キー171とは別にハードキー部170に設けられた設定キーを押下することによりユーザにより入力されるようにしてもよい。この場合、項目設定部17は、キーボード呼出キー171とは別にハードキー部170に設けられた設定キーがOFFからONに切り換わる事象を検出することにより、設定指示を検出する。
【0067】
一方、ROM113に、設定画面識別情報ごとに、複数の設定項目それぞれに予め定められたデフォルトの設定値が記憶されている。項目設定部17は、設定指示が検出される前に、設定画面選択部13から入力される設定画面識別情報に対応して、ROM113に記憶された複数の設定項目それぞれのデフォルトの設定値を読出し、設定項目の項目名とデフォルトの設定値との複数の組を処理条件としてRAM114に記憶する。項目設定部17は、設定指示が検出されると、RAM114に一時記憶された設定項目の項目名と設定値との組を、設定画面表示部15に出力するとともに、RAM114に一時記憶された設定項目の項目名と設定値との組に基づいて、処理条件を更新する。具体的には、RAM114に一時記憶された組を選択し、処理条件としてRAM114に記憶されている複数の組のうち、選択した組に含まれる設定項目の項目名と同じ項目名のデフォルトの設定値を、選択した組に含まれる設定値で更新する。
【0068】
また、項目設定部17は、ユーザによる実行指示が入力されるまで、設定指示が検出されるごとに、処理条件としてRAM114に記憶されている設定値を、設定値受付部39から入力され、RAM114に一時記憶された設定値で更新する。項目設定部17は、設定指示が検出されるごとに、処理条件を更新するとともに、RAM114に一時記憶された設定項目の項目名と設定値との組を、設定画面表示部15に出力する。
【0069】
ユーザによる実行指示は、例えば、操作パネル160に設けられたスタートキー173が押下されることにより入力され、項目設定部17は、スタートキー173が押下されたことを検出すると、ユーザによる実行指示が入力されたと判断する。項目設定部17は、ユーザによる実行指示が入力されたと判断する場合、実行指示を処理実行部51に出力する。実行指示は、RAM114に処理条件として記憶された設定項目と設定値との組を含む。
【0070】
設定画面表示部15は、項目設定部17から設定項目の項目名と設定値との組が入力されるごとに、LCD165に表示している設定画面を更新する。具体的には、設定画面の設定項目に対応する設定値を表示する領域に、項目設定部17から入力される設定値の画像を合成した設定画面を生成し、LCD165に再表示する。これにより、ユーザが、設定値として入力した設定値が、設定画面に表示されるので、ユーザは、設定画面を見て、設定値を確認することができる。なお、入力画面が表示されているので、表示制御部161によって、設定画面の画像に入力画面の画像を重畳した画像がLCD165に表示される。
【0071】
図5は、設定画面の一例を示す図である。図5を参照して、設定画面201は、項目名「置数」の設定項目の設定値を入力する領域202と、項目名「左右シフト」の画像203と、項目名「左右シフト」の設定項目の設定値を入力する領域204と、項目名「上下シフト」の画像205と、項目名「上下シフト」の設定項目の設定値を入力する領域206と、を含む。
【0072】
図6は、設定画面に重畳して表示される入力画面の一例を示す図である。図6に示す入力画面211は、設定画面201に含まれる項目名「左右シフト」の設定項目に対応する。図6を参照して、入力画面211は、3つの項目名を表示する領域213、215、217と、設定値を表示する領域221と、入力キー219と、クリアキー223と、OKキー225と、キャンセルキー227と、を含む。
【0073】
領域213、215、217は、設定画面201に含まれる3つの設定項目それぞれの項目名「左右シフト」、「上下シフト」および「置数」の文字を含む。入力キー219は、0〜9の数字がそれぞれ割り当てられた10個の入力キーと、「*」と「#」との記号がそれぞれ割り当てられた2個の入力キーとを含む。
【0074】
クリアキー223は、ユーザが入力キー219を指示することにより入力された設定値を取り消すコマンドが割り当てられている。OKキー225は、入力された設定値を確定するコマンドが割り当てられている。ここでは、OKキー225は、キーボード呼出キー171と同じコマンドが割り当てられている。キャンセルキー227は、入力された設定値をデフォルトの設定値に戻すコマンドが割り当てられている。
【0075】
図7は、設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。設定処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0076】
図7を参照して、CPU111は、設定画面が選択されたか否かを判断する(ステップS01)。LCD165にメニュー画面が表示された状態で、メニュー画面に含まれる複数の設定画面識別情報のいずれかがユーザにより選択される場合、または、遷移機能付き設定画面がLCD165に表示された状態で、遷移ボタンがユーザにより選択される場合、設定画面が選択されたと判断する。CPU111は、設定画面が選択されるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、設定画面が選択されると(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0077】
ステップS02においては、選択された設定画面をLCD165に表示する。LCD165にメニュー画面が表示された状態で、複数の設定画面識別情報のいずれかがユーザにより選択される場合は、選択された設定画面識別情報で特定される設定画面をLCD165に表示し、遷移機能付き設定画面がLCD165に表示された状態で、遷移ボタンがユーザにより選択される場合、遷移ボタンに割り当てられた設定画面識別情報で特定される設定画面をLCD165に表示する。設定画面は、処理条件を定める複数の設定値にそれぞれ対応する複数の設定項目の項目名と、複数の設定項目に設定されている設定値を表示する領域を有する。
【0078】
次のステップS03においては、最初の設定項目を処理対象に設定する。ステップS02においてLCD165に表示された設定画面に含まれる複数の設定項目のうち最初の設定項目を処理対象に設定する。なお、設定画面に含まれる複数の設定項目のうち最初の設定項目でなくても、予め定められた設定項目を処理対処に設定するようにしてもよい。
【0079】
次のステップS04においては、キーボード呼出キー171が押下されたか否かを判断する。キーボード呼出キーが押下されたならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。ステップS05においては、項目名が指示されたか否かを判断する。LCD165に表示された設定画面に含まれる複数の設定項目の項目名のいずれかが指示されたならば、処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS04に戻す。ステップS06においては、指示された項目名の設定項目を処理対象に設定し、処理をステップS07に進める。
【0080】
ステップS07においては、入力画面表示処理を実行する。入力画面表示処理の詳細は後述するが、複数の入力キーを含む入力画面を、設定画面に重畳して表示する処理である。
【0081】
次のステップS08においては、設定値を受け付けたか否かを判断する。入力画面に含まれる複数の入力キーのいずれかが指示されたならば設定値を受け付けたと判断する。設定値を受け付けたならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければステップS09をスキップして処理をステップS10に進める。ステップS09においては、ステップS03、ステップS06または後述するステップS11において処理対象に設定された設定項目とステップS08において受け付けられた設定値との組をRAM114に一時記憶し、処理をステップS10に進める。
【0082】
ステップS10においては、処理対象に設定されている設定項目が変更されたか否かを判断する。入力画面に含まれる複数の項目情報のうち、処理対象に設定されている設定項目に対応する項目情報とは別の項目情報が指示されたか否かを判断する。別の項目情報が指示されたならば設定項目が変更されたと判断し、処理をステップS11に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。
【0083】
ステップS11においては、ステップS10において指示された項目情報に対応する設定項目を処理対象に設定し、処理をステップS07に戻す。ステップS07においては、新たに処理対象に設定された設定項目に対応する入力画面がLCD165に表示される。
【0084】
一方、ステップS12においては、キーボード呼出キー171が押下されたか否かを判断する。キーボード呼出キー171が押下されたならば、処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS13においては、処理条件を設定し、処理をステップS14に進める。処理条件の設定は、ROM113に記憶された複数の設定項目それぞれのデフォルトの設定値を、ステップS09において一時記憶された設定項目の設定値で更新することにより、処理条件を設定する。
【0085】
ステップS14においては、ステップS09において一時記憶された設定項目の設定値で設定画面を更新する。これにより、設定された処理条件が設定画面に表示される。次のステップS15においては、入力画面をLCD165から消去し、処理をステップS04に戻す。これにより、LCD165に設定画面のみが表示される。
【0086】
一方、ステップS16においては、スタートキー173が押下されたか否かを判断する。スタートキー173が押下されたならば、処理をステップS17に進めるが、そうでなければ、処理をステップS08に戻す。ステップS17においては、処理条件に従って処理を実行し、処理を終了する。ステップS13が実行されている場合には、設定されている処理条件に従って処理を実行し、ステップS13が実行されていない場合には、ROM113に記憶された複数の設定項目それぞれのデフォルトの設定値を、ステップS09において一時記憶された設定項目の設定値で更新した処理条件を設定し、設定した処理条件に従って処理を実行する。
【0087】
ステップS17において実行する処理は、ステップS02において表示された設定画面によって定まる。設定画面が、コピー処理の処理条件を設定するためのコピー条件設定画面ならばコピー処理を実行し、スキャン処理の処理条件を設定するためのスキャン条件設定画面ならばスキャン処理を実行し、プリント処理の処理条件を設定するためのプリント条件設定画面ならばプリント処理を実行し、ファクシミリ送信処理の処理条件を設定するためのファクシミリ送信条件設定画面ならばファクシミリ送信処理を実行する。
【0088】
図8は、入力画面表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。入力画面表示処理は図7のステップS07において実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、ステップS21において、設定画面情報を取得する。HDD115に、設定画面ごとに設定画面情報を予め記憶しておき、LCD165に表示された設定画面の設定画面識別情報に関連付けられた設定画面情報をHDD115から読み出すことにより、設定画面情報を取得する。
【0089】
次のステップS22においては、設定画面に含まれるすべての設定項目の項目名をLCD165に表示する。LCD165に表示されている設定画面に項目名を重畳して表示する。設定画面が複数の設定項目を含む場合は、複数の設定項目すべての項目名をLCD165に表示する。そして、表示された複数の設定項目のうち、処理対象に選択されている設定項目の項目名を反転表示する(ステップS23)。これにより、ユーザに、表示されている複数の項目名のうちで選択されている項目名を知らせることができ、入力される設定値が設定される設定項目をユーザに知らせることができる。
【0090】
次のステップS24においては、処理対象に設定されている設定項目の設定値の属性を取得する。ステップS21において取得された設定画面情報において、設定項目ごとに定められた属性を判断する。次のステップS25においては、取得された属性の値が割り当てられた入力キーを特定する。属性が数字ならば0〜9の10個の数字を割り当てた10個の入力キーを特定し、属性が文字ならばA〜Zの26個のアルファベットの文字を割り当てた26個の入力キーを特定する。
【0091】
そして、特定された入力キーをソフトキーボードとして、LCD165に表示する。LCD165に表示されている設定画面に入力キーを重畳して表示する。入力キーは、ステップS25において割り当てられた数字または文字の画像を含む。したがって、ユーザが、入力キーの画像を指で指示すれば、タッチパネル169によって検出される座標からユーザが指示した入力キーが特定されるので、特定された入力キーに割り当てられた数字または文字が、図7のステップS06において設定値として受け付けられる。
【0092】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、コピー処理、スキャン処理、プリント処理、またはファクシミリ送信処理それぞれを実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示し、設定画面に含まれる複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示し、入力画面に含まれる複数の設定項目のうちから1つが選択され、複数の入力キーのいずれかがユーザにより指示されると、選択された設定項目の設定値を設定する。入力画面が、処理条件を定める複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含むので、入力画面だけで、コピー処理、スキャン処理、プリント処理、またはファクシミリ送信処理それぞれを実行するための処理条件を定める設定値を設定することができる。このため、入力画面だけで、コピー処理、スキャン処理、プリント処理、またはファクシミリ送信処理それぞれを実行するための処理条件を定める設定値を入力する操作が容易となる。
【0093】
また、LCD165の表示面中でユーザにより指示された位置をタッチパネル169によって検出し、検出された位置に基づいて、設定項目を選択し、設定値を受け付けるので、LCD165とは別にハードキーを設ける必要がない。このため、キーの数を少なくすることができ、操作パネル160の面積を小さくし、LCD165の表示面積を大きくすることができる。
【0094】
また、入力画面が表示されている状態で、ユーザがキーボード呼出キー171を押下する操作をするまで、受け付けられた設定値が一時記憶され、処理条件を定める設定値に設定されないので、設定値をキャンセルすることによって、設定値を直前の値に容易に戻すことができる。
【0095】
また、入力画面は、それに含まれる複数の設定項目のうち設定値を入力するためにユーザにより選択されている項目情報に対応する設定項目の属性の値を入力するための入力キーのみを表示する。このため、入力画面に含める入力キーの数を少なくすることができ、入力画面のサイズを小さくすることができる。
【0096】
また、入力画面を設定画面に重畳して表示するので、設定画面および入力画面を大きなサイズで表示することができる。
【0097】
さらに、入力画面に含まれる複数の項目情報のうち、ユーザにより処理対象に選択されている項目情報を、選択されていない項目情報と異なる表示態様で表示するので、設定値を設定する設定項目をユーザに通知することができる。設定画面が入力画面により隠れるが、入力画面だけで入力している設定値が設定される設定項目をユーザに通知することができる。
【0098】
<変形例>
変形例におけるMFP100は、入力画面に含まれる複数の項目名を、設定値が設定されるごとに削除し、入力画面が設定値の設定されていないデフォルトの状態の項目名のみを含むようにしたものである。
【0099】
変形例におけるMFP100が備えるCPU111は、図4に示した機能と、項目設定部17および項目情報表示部41を除き、同じ機能を有する。変形例におけるMFP100が備えるCPU111において、項目設定部17は、キーボード呼出キー171が押下されることに応じて、設定項目の項目名と設定値との組を設定画面表示部15に出力するのに加えて、設定項目の項目名を項目情報表示部41に出力する。
【0100】
項目情報表示部41は、入力画面の設定画面情報に含まれる複数の項目名のうち、項目設定部17から入力される設定項目の項目名以外を、LCD165に表示されている設定画面に重畳して表示する。これにより、設定項目にデフォルトの設定値が設定されている設定項目の項目名のみが入力画面に含まれるので、ユーザに設定値を設定したか否かを知らせることができる。
【0101】
図9は、変形例における設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9を参照して、図7に示したフローチャートと異なる点は、ステップS03の直後にステップS03Aが追加された点、ステップS07がステップS07Aに変更された点、ステップS14とステップS15との間にステップS14Aが追加された点である。その他の処理は図7に示した処理と同じなので、ここでは図7と異なる点を主に説明する。
【0102】
図9を参照して、ステップS03Aにおいては、すべての設定項目を設定対象に設定し、処理をステップS07Aに進める。また、ステップS14Aにおいては、設定値が一時記憶された設定項目を設定対象から削除し、処理をステップS04に戻す。このように、変形例における設定処理においては、設定画面に含まれる複数の設定項目を設定対象に設定したか否かで2つに分類する。ステップS14Aが実行される前の段階では、設定画面に含まれる複数の設定項目のすべてを設定対象に設定した状態で、ステップS07Aにおいて入力画面表示処理が実行される。また、ステップS14Aが実行された後には、設定対象に設定されている1以上の設定項目のうち、ステップS09において設定値が一時記憶された設定項目が設定対象から削除された状態で、ステップS07Aにおいて入力画面表示処理が実行される。
【0103】
図10は、変形例における入力画面表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10を参照して、図8に示したフローチャートと異なる点は、ステップS22がステップS22Aに変更された点である。その他の処理は図8に示した処理と同じなので、ここでは図8と異なる点を主に説明する。図10を参照して、ステップS22Aにおいては、設定対象のすべての設定項目の項目名をLCD165に表示する。したがって、設定対象に設定されている設定項目の項目名のみがLCD165に表示される。換言すれば、設定値がデフォルトから変更されていない設定項目の項目名のみを含む入力画面がLCD165に表示される。このため、ユーザは、入力画面から設定値を変更していない設定項目を知ることができる。
【0104】
なお、上述した実施の形態においては、画像形成装置の一例としてMFP100について説明したが、図7および図8、または、図9および図10に示した設定処理をMFP100に実行させる設定方法、またはその設定方法をMFP100を制御するCPU111に実行させるための設定プログラムとして発明を特定することができるのは言うまでもない。
【0105】
また、上述した実施の形態においては、設定画面がLCD165に表示された状態で、ユーザがキーボード呼出キー171を押下すると、入力画面を表示するようにしたが、設定画面が表示された段階で、入力画面を表示するようにしてもよい。
【0106】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0107】
<付記>
(1) 前記入力画面表示手段は、前記設定画面が表示されることに応じて、前記入力画面を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
(2) 前記項目選択手段は、前記表示された入力画面に含まれる前記複数の項目情報のうちからユーザにより選択された項目情報に対応する設定項目を選択する、請求項1〜9および(1)のいずれかに記載の画像形成装置。
(3) 前記項目選択手段は、前記入力画面に含まれる前記複数の項目情報のいずれかが表示されている位置が前記位置検出手段により検出されることに応じて、前記複数の設定項目のうち前記検出された位置に表示された項目情報に対応する設定項目を選択し、
前記設定値受付手段は、前記複数の入力キーそれぞれが表示されている位置と同じ位置が前記位置検出手段により検出されることに応じて、前記検出された位置に表示されている入力キーで定まる値を受け付ける、請求項2に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0108】
100 MFP、11 設定部、13 設定画面選択部、15 設定画面表示部、17 項目設定部、31 入力受付部、33 設定項目取得部、35 入力画面表示部、37 項目選択部、39 設定値受付部、41 項目情報表示部、43 ソフトキーボード表示部、51 処理実行部、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示制御部、163 VRAM、165 LCD、167 入力制御部、169 タッチパネル、170 ハードキー部、171 キーボード呼出キー、173 スタートキー、201 設定画面、211 入力画面。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示する設定画面表示手段と、
前記設定画面とは別の画面であって、前記複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示する入力画面表示手段と、
前記複数の設定項目のうちから1つを選択する項目選択手段と、
前記表示された入力画面に含まれる前記複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、前記複数の設定項目のうち前記項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付ける設定値受付手段と、を含む画像形成装置。
【請求項2】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示面中でユーザにより指示された位置を検出する位置検出手段と、をさらに備え、
前記設定画面表示手段は、前記設定画面を前記表示手段に表示し、
前記入力画面表示手段は、前記入力画面を前記表示手段に表示し、
前記項目選択手段は、前記位置検出手段により検出される位置に基づいて、前記複数の設定項目のうちから1つを選択し、
前記設定値受付手段は、前記位置検出手段により検出される位置に基づいて、前記複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーを検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置検出手段とは別に設けられ、ユーザの第1の指示を受け付ける指示操作受付手段を、さらに備え、
前記入力画面表示手段は、前記表示手段に前記設定画面が表示されている状態で、前記指示操作受付手段により前記第1の指示が受け付けられることに応じて、前記入力画面を前記表示手段に表示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定値受付手段により受け付けられた設定値を一時記憶する一時記憶手段と、
前記入力画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記指示操作受付手段により前記第1の指示が受け付けられることに応じて、前記一時記憶された設定値を、前記処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める設定項目の設定値として設定する項目設定手段と、をさらに備えた請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記指示受付手段は、前記第1の指示とは別の第2の指示を受け付け可能であり、
前記入力画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記指示操作受付手段により前記第2の指示が受け付けられることに応じて、前記一時記憶された設定値を、前記処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める設定項目の設定値として設定する項目設定手段と、をさらに備えた請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入力画面表示手段は、前記項目設定手段により設定値が設定される場合、前記複数の設定項目のうち設定値が設定された設定項目以外の設定項目の項目情報のみを含む入力画面を表示する、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記入力画面表示手段は、前記設定画面が表示されている状態で、前記設定画面に含まれる複数の設定項目のいずれかがユーザにより指示されることに応じて、前記入力画面を表示する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の設定項目にそれぞれ設定される設定値の属性を取得する設定項目取得手段を、さらに備え、
前記入力画面表示手段は、前記複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報を表示する項目情報表示手段と、
前記複数の設定項目のうち前記項目選択手段により選択されている項目情報に対応する設定項目の属性の値を入力するための入力キーのみを表示するソフトキーボード表示手段と、を含む請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記入力画面表示手段は、前記設定画面が表示されていることを条件に、前記入力画面を前記設定画面に重畳して表示する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記項目情報表示手段は、前記複数の項目情報のうち前記項目選択手段により選択されている項目情報を、選択されていない項目情報とは異なる表示態様で表示する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
処理を実行する処理実行手段を備えた画像形成装置で実行される設定方法であって、
前記処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示するステップと、
前記設定画面とは別の画面であって、前記複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示するステップと、
前記複数の設定項目のうちから1つを選択するステップと、
前記表示された入力画面に含まれる前記複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、前記複数の設定項目のうち前記項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付けるステップと、を含む設定方法。
【請求項12】
処理を実行する処理実行手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される設定方法であって、
前記処理実行手段が処理を実行するための処理条件を定める複数の設定項目ごとの設定値を設定するための設定画面を表示するステップと、
前記設定画面とは別の画面であって、前記複数の設定項目をそれぞれ示す複数の項目情報と、複数の入力キーとを含む入力画面を表示するステップと、
前記複数の設定項目のうちから1つを選択するステップと、
前記表示された入力画面に含まれる前記複数の入力キーのうちユーザにより指示された入力キーにより定まる値を、前記複数の設定項目のうち前記項目選択手段により選択されている設定項目の設定値として受け付けるステップと、を前記コンピュータに実行させる設定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−181712(P2012−181712A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44617(P2011−44617)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】