説明

画像形成装置の廃現像剤回収装置、及び画像形成装置

【課題】搬送管の断面積を十分に確保出来ない場合でも、廃トナーの詰まりの発生を抑制することが出来る画像形成装置の廃現像剤回収装置を提供すること。
【解決手段】複数の画像形成ユニット4、5、6、7の各々に設けられた感光体ドラム40、50、60、70の表面から取り除かれたトナーを収容する廃トナー回収容器110と、各々の感光体ドラムから取り除かれたトナーを廃トナー回収容器110まで搬送するために設けられた共通搬送管133と、共通搬送管133に設けられた、トナーを搬送するための搬送スパイラル143とを備え、共通搬送管133は、その長手方向に、各々の感光体ドラムから取り除かれたトナーが送り込まれてくる開口部133B、133Y、133C、133Mを有し、廃トナー回収容器110は、複数の開口部の両端に設けられている開口部133Bと開口部133Mの間に配置されている、画像形成装置の現像剤回収装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、及びファクシミリなどの画像形成装置に用いる廃現像剤回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置として、モノクロ複写機とともにフルカラーの複写機もよく用いられている。このようなフルカラーの複写機としては、印刷速度が速いため、各色のトナー毎に感光体ドラムが設けられているタンデム方式のカラー複写機が近年よく用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなタンデム方式の複写機では、感光体ドラムが複数設けられてるため、感光体ドラム毎に、感光体ドラム表面に残留した現像剤としてのトナーを回収することになる。図6は、特許文献1における廃現像剤の回収装置を模式的に示した正面図である。
【0004】
図6に示すように、タンデム方式の画像形成装置には、ブラック画像形成ユニット1100、イエロー画像形成ユニット1200、シアン画像形成ユニット1300、及びマゼンダ画像形成ユニット1400が設けられている。これらの各画像形成ユニットには、感光体ドラム1101、1201、1301、1401が設けられており、各感光体ドラム上の残留トナーを除去するためのクリーニング部1102、1202、1302、1402が設けられている。このクリーニング部によって除去されたトナーは、各クリーニング部1102、1202、1302、1402と連結している搬送管1501B、1501Y、1501C、1501M内を搬送される。
【0005】
各搬送管1501B、1501Y、1501C、1501Mは、共通搬送管1502と連結しており、共通搬送管1502の一端には、廃トナー回収容器1600が設けられている。尚、この搬送管1501B、1501Y、1501C、1501M及び共通搬送管1502には、搬送スパイラルが設けられており、この搬送スパイラルによってトナーが搬送される。
【0006】
このような構造により、例えば、ブラック画像形成ユニット1100からの廃ブラックトナーは、搬送管1501Bを通り、共通搬送管1502内を図中右から左へ向けて搬送され、廃トナー回収容器1600に収容される。廃イエロートナー、廃シアントナー及び廃マゼンダトナーも同様に廃トナー回収容器1600に収容される。
【特許文献1】特開平9―212053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置の構造では、回収トナーの搬送方向を基準として、共通搬送管1502の上流から下流に行くに従って搬送される廃トナーの量が多くなる。図6に示すように、ブラック画像形成ユニット1100の直下の共通搬送管1502では、黒の廃トナーだけが搬送されるが、マゼンダ画像形成ユニット1400を通過した後の共通搬送管1502では、4倍もの廃トナーが搬送される場合がある。
【0008】
このように、下流で搬送される廃トナー量が多くなるため、共通搬送管1502の径によっては、廃トナーが共通搬送管1502の中で詰まり、搬送スパイラルのロックや破損が生じる場合がある。
【0009】
このような、廃トナーの詰まりは、共通搬送管1502の径を十分に大きく確保することが出来れば発生しないが、近年の機器の小型化に伴い、十分なスペースを確保出来ない場合が多い。
【0010】
本発明は、従来の廃現像剤回収装置の課題を考慮し、搬送管の断面積を十分に確保出来ない場合でも、廃現像剤の詰まりの発生を抑制することが出来る画像形成装置の廃現像剤回収装置及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
中間転写体又は記録媒体の搬送方向に沿って配列された複数の画像形成ユニットの各々に設けられた像担持体の表面から取り除かれた現像剤を収容する廃現像剤回収容器と、
各々の前記像担持体から取り除かれた前記現像剤を前記廃現像剤回収容器まで搬送するために設けられた共通搬送管と、
前記共通搬送管に設けられた、前記現像剤を搬送するための搬送部材とを備え、
前記共通搬送管は、各々の前記像担持体から取り除かれた前記現像剤が送り込まれてくる複数の開口部を長手方向に沿って有し、
前記廃現像剤回収容器は、前記複数の開口部のうち両端に設けられている前記開口部の間に配置されている、画像形成装置の現像剤回収装置である。
【0012】
又、第2の本発明は、
前記複数の画像形成ユニットは、ブラック、イエロー、シアン及びマゼンダの4種類の現像剤用の4つの画像形成ユニットであり、
前記共通搬送管は、前記4種類の現像剤が送り込まれてくる4つの前記開口部を有し、
前記廃現像剤回収容器は、前記4つの開口部のうち内側に設けられた2つの前記開口部の間に配置されている、第1の本発明の画像形成装置の廃現像剤回収装置である。
【0013】
又、第3の本発明は、
前記搬送部材は、
前記共通搬送管に沿って配置された回転軸と、
前記回転軸の周囲にスクリュー状に形成された羽根部とを有する、第1の本発明の画像形成装置の廃現像剤回収装置である。
【0014】
又、第4の本発明は、
現像剤画像が形成される複数の像担持体と、前記像担持体上の現像剤を取り除くために、各々の前記像担持体に対して設けられている現像剤除去部とを有する複数の画像形成ユニットと、
第1〜3のいずれかの本発明の画像形成装置の廃現像剤回収装置と、
前記中間転写体を介して、又は介さずに記録媒体に前記現像剤画像を転写する転写ユニットと、
前記転写された前記現像剤画像を前記記録媒体に定着するための定着ユニットとを備えた、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、搬送管の断面積を十分に確保出来ない場合でも、廃現像剤の詰まりの発生を抑制することが出来る画像形成装置の現像剤回収装置及びそれを用いた画像形成装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる画像形成装置の一例である複写機について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態の複写機の正面断面図である。図1に示すように、本実施の形態1の複写機1は、用紙を収納するための複数の給紙カセット2を底部に備えている。又、複写機1は、その上部に、露光ランプ、レンズ、ミラー等により原稿の画像を読み取る原稿読み取りユニット3を備えている。
【0018】
又、本実施の形態の複写機1は、タンデム方式を用いたカラー複写機であり、水平方向に図中に右から順に配置されたブラック画像形成ユニット4、イエロー画像形成ユニット5、シアン画像形成ユニット6、及びマゼンダ画像形成ユニット7を備えている。これら画像形成ユニット4、5、6、7によって形成された画像を重ね合わせるための中間転写ベルト8が配置されている。又、中間転写ベルト8上で重ね合わされたトナー画像を用紙に転写する二次転写ローラ9と、転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着ユニット10が設けられている。
【0019】
又、二次転写ローラ9と定着ユニット10の間には、用紙を搬送するための搬送ベルト26が設けられている。又、定着ユニット10を通過した用紙を複写機1外へと排出するための排出ローラ対12が側面に設けられており、排出ローラ対12によって排出された用紙が載置される排出トレイ13が設けられている。尚、図1には、用紙の搬送方向が矢印Eで示されている。
【0020】
次に、画像形成ユニットについて説明するが、4つの画像形成ユニット4、5、6、7の基本的構成は同じであるため、ブラック画像形成ユニット4を例に挙げて説明を行う。
【0021】
図1に示すように、ブラック画像形成ユニット4は、アモルファスシリコン製の感光体ドラム40と、感光体ドラム40の表面を一様に帯電するための帯電器41と、静電潜像上に本発明の現像剤の一例であるトナーを供給してトナー画像を形成する現像器42と、中間転写ベルト8に転写されずに感光体ドラム40の表面に残留したトナーを取り除くためのクリーニング部43と、感光体ドラム40の表面を除電する除電器44を有している。又、帯電器41によって帯電された感光体ドラム40の表面を光走査することによって静電潜像を形成するレーザースキャナーユニット(以下、LSUと呼ぶ)46が、感光体ドラム40の上方に設けられている。
【0022】
同様に、他の画像形成ユニット5、6、7も、感光体ドラム50、60、70、帯電器51、61、71、現像器52、62、72、クリーニング部53、63、73、除電器54、64、74及びLSU56、66、76等を有している。
【0023】
又、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム40、50、60、70のそれぞれに対向するように一次転写ローラ14、15、16、17が配置されている。又、現像器42、52、62、72には、感光体ドラム40、50、60、70の表面にトナーを供給するために、感光体ドラムに当接して配置されている現像ローラ45、55、65、75が設けられている。
【0024】
又、クリーニング部43、53、63、73によって、感光体ドラム表面から取り除かれたトナーを回収するための廃トナー回収装置が設けられている。
【0025】
図2は、本実施の形態の廃トナー回収装置及び画像形成ユニットを模式的に示す正面図である。図3は、本実施の形態の廃トナー回収装置及び画像形成ユニットを模式的に示す斜視図である。尚、図2及び図3において、画像形成ユニットは、その構成を省略して図示されており、以下の図において同様である。
【0026】
図2に示すように、クリーニング部43は、トナーを研磨剤として用いて感光体ドラム40の表面を研磨する摺擦ローラ431と、感光体ドラム40の表面からトナーを取り除くゴムブレード432とを有している。尚、他のクリーニング部53、63、73も同様に、摺擦ローラ531、631、731と、ゴムブレード532、632、732を有している。
【0027】
次に、本発明の廃現像剤回収装置の一例としての廃トナー回収装置100について説明する。
【0028】
本実施の形態の廃トナー回収装置100は、ゴムブレード432、532、632、732によって取り除かれたトナーを収容する廃トナー回収容器110と、トナーをクリーニング部43、53、63、73から廃トナー回収容器110へと搬送するために各クリーニング部43、53、63、73と廃トナー回収容器110を繋ぐ搬送路と、搬送路内に設けられている搬送スパイラルとを有している。
【0029】
又、図2の正面図において、廃トナー回収容器110は、中間転写ベルト8(図1参照)に沿って実質上水平に配置されているクリーニング部43、53、63、73の両端のクリーニング部43とクリーニング部73の間に配置されている。
【0030】
図3に示すように、本実施の形態の廃トナー回収装置100は、搬送路として、各クリーニング部43、53、63、73から水平方向(図2紙面垂直方向)に形成された水平搬送管131B、131Y、131C、131Mと、各水平搬送管の端から下方に向かって形成された垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mと、各垂直搬送管の下端が接続された共通搬送管133とを備えている。
【0031】
この共通搬送管133は、その長手方向がクリーニング部43、53、63、73の配列方向と実質上並行になるように配置されており、その長手方向に、垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mから搬送される廃トナーがそれぞれ送り込まれてくる開口部133B、133Y、133C、133Mが設けられている。この開口部133B、133Y、133C、133Mは、図2中、点線で囲まれて示されている。又、共通搬送管133の実質上中央133F(図中点線で示されている)の下側には、排出口134が形成されており、その排出口134の下方に廃トナー回収容器110が着脱可能に載置されている。
【0032】
一方、図2に示すように、水平搬送管131B、131Y、131C、131Mには搬送スパイラル141が設けられており、垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mには搬送スパイラル142が設けられており、共通搬送管133には搬送スパイラル143が設けられている。
【0033】
垂直搬送管132Bに設けられている搬送スパイラル142は、回転軸142aと、回転軸142aの周囲にスパイラル状に形成された羽根部142bを有している。この搬送スパイラル142を矢印B方向に回転させることにより、現像剤が下方向(矢印C方向)へ搬送される。又、水平搬送管131B、131Y、131C、131Mに設けられてる搬送スパイラル141も同様の構成である。
【0034】
又、搬送スパイラル143は、回転軸143aと、中央143F(図中点線で示されている)から左側の羽根部143bと、中央143Fから右側の羽根部143cを有しており、この羽根部143bと羽根部143cは、回転軸143aを中心として逆回りに形成されている。例えば、図2中、右端方向から搬送スパイラル143を見ると、羽根部143bは、奥に向かって時計回りに形成され、羽根部143cは奥に向かって反時計回りに形成されている。このように構成することによって、搬送スパイラル143を矢印F方向に回転させると、中央143Fから左側では、トナーが矢印G方向に搬送され、中央143Fから右側では、矢印G方向とは反対の矢印H方向にトナーが搬送される。すなわち、共通搬送管133では、左右端から中央の排出口134に向かってトナーが搬送される。
【0035】
尚、本発明の中間転写体の一例は、本実施の形態の中間転写ベルト8に相当し、本発明の像担持体の一例は、本実施の形態の感光体ドラム40、50、60、70に相当する。又、図1に示すように中間転写ベルト8に沿って配列されているブラック画像形成ユニット4、イエロー画像形成ユニット5、シアン画像形成ユニット6、及びマゼンダ画像形成ユニット7が、本発明の中間転写体の搬送方向に沿って配列された複数の画像形成ユニットの一例に相当する。
【0036】
又、本発明の共通搬送管の一例は、本実施の形態の共通搬送管133に相当する。又、本発明の廃現像剤回収容器の一例は、本実施の形態の廃トナー回収容器110に相当し、本発明の搬送部材の一例は、本実施の形態の搬送スパイラル143に相当する。本発明の複数の開口部のうち両端に設けられている開口部の一例は、本実施の形態の開口部133Bと開口部133Mに相当し、本発明の内側に設けられた開口部の一例は、本実施の形態の開口部133Yと開口部133Cに相当する。
【0037】
又、本発明の転写ユニットの一例は、本実施の形態の中間転写ベルト8、一次転写ローラ14、15、16、17、及び二次転写ローラ9に相当する。本発明の現像剤除去部の一例は、本実施の形態のクリーニング部43、53、63、73に相当する。
【0038】
本実施の形態の複写機の動作について説明する。
【0039】
感光体ドラム40、50、60、70上に形成されたトナー画像が、中間転写ベルト8に一次転写されるが、全てのトナーを一次転写することは出来ないため、ドラム表面に少量のトナーが残留する。この残留したトナーは、ゴムブレード432、532、632、732によって感光体ドラム表面から取り除かれ、水平搬送管131B、131Y、131C、131M、及び垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mを通って、開口部133B、133Y、133C、133Mから共通搬送管133へと搬送される。
【0040】
ここで、図2において、共通搬送管133の中央133Fから右側では、ブラック画像形成ユニット4からの廃ブラックトナーとイエロー画像形成ユニット5からの廃イエロートナーが排出口134に向けて搬送される。一方、共通搬送管133の中央133Fから左側では、マゼンダ画像形成ユニット7からの廃マゼンダトナーとシアン画像形成ユニット6からの廃シアントナーが排出口134に向けて搬送される。
【0041】
そして、排出口134から各画像形成ユニットからの廃トナーが排出され、廃トナー回収容器110に収容される。
【0042】
以上のように、本実施の形態の複写機では、共通搬送管133の、開口部133Yから排出口134の間と、開口部133Cから排出口134の間で、最大2種類の廃トナーが流れることになるが、従来のように共通搬送管122内に同時に4種類の廃トナーが搬送される部分は存在しない。そのため、十分に搬送管の断面積を確保出来ない場合であっても、従来の構成と比較して、トナー詰まりの発生を抑制することが出来る。
【0043】
又、低印字時には、現像ローラ45、55、65、75上のトナーが過帯電となり、感光体ドラム40、50、60、70にトナーが移動せず、転写不良が発生する場合がある。このような場合に、現像ローラ上のトナーを強制的に感光体ドラムに移動させ、移動したトナーをクリーニング部43、53、63、73で取り除くことによって現像ローラ上の帯電劣化したトナーを入れ替える制御が行われる。この入れ替え制御の際に感光体ドラムに強制的に移動されたトナーは、転写の際の残留トナーよりも量が多く、クリーニング部で除去されるトナーの量も多くなるため、通常の印字時よりも廃トナーによる詰まりが発生しやすくなる。本実施の形態の複写機は、このようなトナー入れ替え時に、よりトナー詰まりを抑制する効果を発揮出来る。
【0044】
尚、本実施の形態では、共通搬送管133の実質上中央に排出口134と廃トナー回収装置110が設けられているが、開口部133Yと開口部133Cの間に排出口134と廃トナー回収装置110が設けられていれば、本実施の形態と同様の効果を発揮することが出来る。
【0045】
又、排出口134及び廃トナー回収容器110が設けられる共通搬送管133上の位置は、開口部133Yと開口部133Cの間でなく、開口部133Cと開口部133Mとの間、若しくは開口部133Bと開口部133Yとの間であってもよい。例えば、開口部133Cと開口部133Mの間に、排出口134と廃トナー回収容器110が設けられている場合には、排出口134と開口部133Cの間の共通搬送管133では、ブラック、イエロー及びシアンの3種類のトナーが搬送されることになり、本実施の形態と比較すると、トナー量が増えることになるが、従来の構成と比べると、1種類分搬送されるトナーの量が減少するため、トナー詰まりを抑制することが出来る。
【0046】
要するに、両端に位置する開口部133Mと開口部133Bの間の共通搬送管133に排出口134及び廃トナー回収容器110が設けられていれば、従来と比較してトナー詰まりの発生を抑制することが出来る。
【0047】
尚、本実施の形態では、垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mが設けられているが、図4(a)に示すように、共通搬送管133を上方に配置することによって、水平搬送管131B、131Y、131C、131Mから直接、共通搬送管133に廃トナーを送り込んでもよい。
【0048】
又、図4(b)に示すように、本実施の形態1の垂直搬送管132B、132Y、132C、132Mから画像形成ユニット4、5、6、7の配列方向と並行に設けられた水平搬送管135B、135Y、135C、135Mと、それら水平搬送管の端から上下方向に設けられた垂直搬送管136B、136Y、136C、136Mとを備えた構成であってもよい。
【0049】
又、図4(c)に示すように、水平搬送管131Bから垂直搬送管132Yに接続する水平搬送管137と、水平搬送管131Mから垂直搬送管132Cに接続する水平搬送管138とを備えた構成としてもよい。この場合、本発明の共通搬送管の一例は、垂直搬送管132M、共通搬送管133、及び垂直搬送管132Yに相当し、本発明の複数の開口部の一例は、垂直搬送管132Yに形成された水平搬送管131Yからの開口部170Y及び水平搬送管138からの開口部170M、並びに垂直搬送管132Cに形成された水平搬送管131Cからの開口部170C及び水平搬送管138からの開口部170Mに相当する。
【0050】
(実施の形態2)
本発明にかかる実施の形態2における複写機について説明する。本実施の形態2の複写機は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、廃トナー回収装置の搬送管及び搬送スパイラルの構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0051】
図5は、本発明の廃現像剤回収装置の一例としての廃トナー回収装置170の正面構成図である。
【0052】
図5に示すように、本実施の形態2の廃トナー回収装置170は、搬送管として、実施の形態1で述べた水平搬送管131B、131Y、131C、131Mと、水平搬送管131Yの端から下方に向かって設けられている垂直搬送管151Yと、水平搬送管131Cの端から下方に向かって形成されている垂直搬送管151Cと、水平搬送管131Bと垂直搬送管151Yに接続されている第1共通搬送管152と、水平搬送管131Mと垂直搬送管151Cに接続されている第2共通搬送管153によって構成されている。
【0053】
第1共通搬送管152には、水平搬送管131Bから廃ブラックトナーが送り込まれてくる開口部152Bと、垂直搬送管132Yから廃イエロートナーが送り込まれてくる開口部152Yが設けられている。第2共通搬送管153には、水平搬送管131Mから廃マゼンダトナーが送り込まれてくる開口部153Mと、垂直搬送管132Cから廃シアントナーが送り込まれてくる開口部153Cが設けられている。尚、この開口部152B、152Y、153C、153Mは、図5中、点線で囲まれて示されている。
【0054】
又、図5の正面図において、実施の形態1と同様に、水平に配列されているクリーニング部4、5、6、7の実質上中央に廃トナー回収容器110が配置されている。第1共通搬送管152は、水平搬送管131Bの端から、その左斜め下方に位置する廃トナー回収容器110の上方まで配置されており、第2共通搬送管153は、水平搬送管131Mの端から、その右斜め下方に位置する廃トナー回収容器110の上方まで配置されている。これら第1共通搬送管152と第2共通搬送管153は、廃トナー回収容器110上で連結され、この連結部の下側に排出口154が設けられている。尚、これら第1共通搬送管152と第2共通搬送管153が、本発明の共通搬送管の一例に相当する。
【0055】
上記水平搬送管131B、131Y、131C、131Mには、実施の形態1と同様に搬送スパイラル141が設けられている。又、垂直搬送管151Y、151Cには、搬送スパイラル161が設けられている。又、第1共通搬送管152と第2共通搬送管153には、搬送スパイラル162が設けられている。尚、搬送スパイラル161、162の構成は、実施の形態1で説明した搬送スパイラル142と同様である。
【0056】
このような構成により、ブラック画像形成ユニット4とイエロー画像形成ユニット5からの廃トナーが、第1共通搬送管152を通って、廃トナー回収容器110へと収容され、マゼンダ画像形成ユニット7とシアン画像形成ユニット6からの廃トナーが第2共通搬送管153を通って、廃トナー回収容器110に収容される。
【0057】
従って、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に搬送管内に、同時に4種類もの廃トナーが流れる部分は存在せず、多くとも2種類のトナーが搬送される部分しか存在しない。そのため、十分に搬送管の断面積を確保出来ない場合であっても、従来よりトナー詰まりの発生を抑制することが出来る。
【0058】
又、本実施の形態2の構成では、実施の形態1の構成と比べて搬送管及び搬送スパイラルを1つ少なくすることが出来るため、コストを安く抑えることが出来る。
【0059】
又、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、排出口154及び廃トナー回収容器110が、少なくとも開口部152Bと開口部153Mの間に配置されていれば、搬送管内に3種類の廃トナーが同時に流れる部分は存在するものの、4種類のトナーが同時に流れる部分が存在しないため、従来と比較してトナー詰まりの発生を抑制することが出来る。
【0060】
尚、実施の形態1、2の複写機は、画像形成ユニット4、5、6、7によって形成されたトナー画像が、一旦中間転写ベルト8において重ね合わされてから、用紙に転写される構成であるが、中間転写ベルト8を介さずに、画像形成ユニット4、5、6、7から用紙に直接転写が行われる構成であってもよい。このような構成では、用紙は、各画像形成ユニット4、5、6、7の感光体ドラムと転写ローラの間を順に搬送され、用紙上で各色のトナー画像が重ね合わされ、カラー画像が形成される。このように用紙搬送方向に順に配列された画像形成ユニット4、5、6、7が、本発明の記録媒体の搬送方向に沿って配列された複数の画像形成ユニットの一例に相当する。
【0061】
又、本発明の記録媒体の一例は、上記実施の形態1、2では、紙に相当するが、OHPシート等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の画像形成装置の廃現像剤回収装置は、搬送管の断面積を十分に確保出来ない場合でも、廃トナーの詰まりの発生を抑制することが出来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における複写機を模式的に示した正面構成図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における廃トナー回収装置及び画像形成ユニットを模式的に示した正面構成図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における廃トナー回収装置及び画像形成ユニットを模式的に示した斜視図
【図4(a)】本発明にかかる実施の形態1における廃トナー回収装置の変形例を模式的に示した斜視図
【図4(b)】本発明にかかる実施の形態1における廃トナー回収装置の変形例を模式的に示した斜視図
【図4(c)】本発明にかかる実施の形態1における廃トナー回収装置の変形例を模式的に示した斜視図
【図5】本発明にかかる実施の形態2における廃トナー回収装置及び画像形成ユニットを模式的に示した正面構成図
【図6】従来の廃トナー回収装置を模式的に示した正面構成図
【符号の説明】
【0064】
4 ブラック画像形成ユニット
5 イエロー画像形成ユニット
6 シアン画像形成ユニット
7 マゼンダ画像形成ユニット
40、50、60、70 感光体ドラム
41、51、61、71 帯電器
42、52、62、72 現像器
43、53、63、73 クリーニング部
44、54、64、74 除電器
45、55、65、75 現像ローラ
46、56、66、76 LSU
110 廃トナー回収容器
131B、131Y、131C、131M 水平搬送管
132B、132Y、132C、132M 垂直搬送管
133 共通搬送管
133B、133Y、133C、133M 開口部
134 排出口
141、142、143 搬送スパイラル
431、531、631、731 摺擦ローラ
432、532、632、732 ゴムブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写体又は記録媒体の搬送方向に沿って配列された複数の画像形成ユニットの各々に設けられた像担持体の表面から取り除かれた現像剤を収容する廃現像剤回収容器と、
各々の前記像担持体から取り除かれた前記現像剤を前記廃現像剤回収容器まで搬送するために設けられた共通搬送管と、
前記共通搬送管に設けられた、前記現像剤を搬送するための搬送部材とを備え、
前記共通搬送管は、各々の前記像担持体から取り除かれた前記現像剤が送り込まれてくる複数の開口部を長手方向に沿って有し、
前記廃現像剤回収容器は、前記複数の開口部のうち両端に設けられている前記開口部の間に配置されている、画像形成装置の現像剤回収装置。
【請求項2】
前記複数の画像形成ユニットは、ブラック、イエロー、シアン及びマゼンダの4種類の現像剤用の4つの画像形成ユニットであり、
前記共通搬送管は、前記4種類の現像剤が送り込まれてくる4つの前記開口部を有し、
前記廃現像剤回収容器は、前記4つの開口部のうち内側に設けられた2つの前記開口部の間に配置されている、請求項1記載の画像形成装置の廃現像剤回収装置。
【請求項3】
前記搬送部材は、
前記共通搬送管に沿って配置された回転軸と、
前記回転軸の周囲にスクリュー状に形成された羽根部とを有する、請求項1記載の画像形成装置の廃現像剤回収装置。
【請求項4】
現像剤画像が形成される複数の像担持体と、前記像担持体上の現像剤を取り除くために、各々の前記像担持体に対して設けられている現像剤除去部とを有する複数の画像形成ユニットと、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置の廃現像剤回収装置と、
前記中間転写体を介して、又は介さずに記録媒体に前記現像剤画像を転写する転写ユニットと、
前記転写された前記現像剤画像を前記記録媒体に定着するための定着ユニットとを備えた、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−20281(P2009−20281A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182324(P2007−182324)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】