説明

画像形成装置及びこれに用いるトナー

【課題】本発明の課題は、長時間安定して良好なクリーニングを行なうことができる画像形成装置及びこれに用いるトナーを得ることにある。
【解決手段】トナー像が転写された転写材を搬送する転写ベルト2fと、複数の画像形成ユニット1S、2B、3Y、4C、5Nとを備え、各画像形成ユニットは、感光体ドラム10と、感光体ドラム10に残留した残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード15aを有するクリーニング装置15とを備えている画像形成装置において、一の画像形成ユニット1Sの現像装置13では、他の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mで用いるトナーよりも大きい粒径のトナーが用いられ、一の画像形成ユニット1Sによって転写ベルト2fの表面に転写されたトナー像を、他の画像形成ユニットの感光体ドラム20、30、40、50に転写させる逆転写部24、34、44、54を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びこれに用いるトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式を用いる複写機等の画像形成装置においては、像担持体として感光体を備えており、この感光体の表面に放電によって電荷を与えて帯電させ、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置によってトナーを供給してトナー像として可視像化し、このトナー像を転写ベルトに搬送された転写材に転写した後、定着部によって定着して排出するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年、上記のような画像形成装置において、その高精細、高画質化のために、トナーの粒径を細かくして、高画質化を達成しようとする試みがなされている。しかし、感光体の表面に付着した小粒径のトナーは、クリーニングブレードにより掻き落として除去するのが困難であることが知られている。
【0004】
これは、感光体を駆動させたとき、感光体の表面に当接したクリーニングブレードの先端が微小に振動して、クリーニングブレードの先端と感光体の表面との間に僅かにでも隙間が生じると、小粒径のトナーがこの隙間をすり抜け易いからである。このような現象は、トナーの粒径が小さければ小さいほど顕著にあらわれる。
【0005】
ここで、上記クリーニングブレードの性能は、クリーニングブレードを感光体に押し当てる当接圧に依存しており、比較的大きなトナーを用いる場合、クリーニングブレードの当接圧は25gf/cm程度である。そこで、クリーニングが困難な小粒径トナーを感光体の表面から掻き落とすためには、当接圧を上げることが考えられる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−84292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、クリーニングブレードは、感光体の駆動方向に対してカウンター方向に当接しているため、当接圧を上げすぎると、感光体との摩擦力が増加して、クリーニングブレードがめくれてしまい、クリーニング不良が生じるという課題がある。また、当接圧を上げると、摩擦による感光体の磨耗を加速するため、感光体の寿命を縮めてしまい、長時間安定してクリーニングを行なえないという課題もある。
【0008】
本発明は、長時間安定して良好なクリーニングを行なうことができる画像形成装置及びこれに用いるトナーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、トナー像が転写されると共に転写されたトナー像を搬送する転写体と、この転写体の表面に対向すると共に転写体の搬送方向に沿って並んで配置された複数の画像形成ユニットとを備え、この画像形成ユニットは、静電潜像が形成される像担持体と、この像担持体の静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像部と、像担持体のトナー像を転写体に搬送されている転写材または転写体の表面に転写した後に、像担持体に残留した残留トナーを掻き落とすクリーニング部とを備えた画像形成装置において、複数の画像形成ユニットのうち、一の画像形成ユニットの現像部では、他の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーよりも大きい粒径のトナーが用いられており、一の画像形成ユニットによって転写体の表面に転写されたトナー像を、他の画像形成ユニットの像担持体に転写させる逆転写部を備え、この逆転写部により他の画像形成ユニットの像担持体に転写されたトナー像は、この像担持体の残留トナーを掻き落とすクリーニング部により掻き落とされることを特徴とする。
【0010】
なお、転写体としては、転写材を搬送しつつこの転写材にトナー像を転写したり、トナー像が直接転写され、このトナー像を搬送したりする転写ベルトや、複数色のトナー像が重ねあわされるように一次転写されるいわゆる中間転写ベルト(中間転写体)等をも含む。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、一の画像形成ユニットは、全ての画像形成ユニットのうち、転写体の搬送方向における最も上流側の画像形成ユニットであることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、一の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーは、その平均粒径が6.5μm以上であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、一の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーは、その粒径分布の20%以上が7.0μm以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置における一の画像形成ユニットに使用されるトナーであって、その平均粒径が6.5μm以上であることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置における一の画像形成ユニットに使用されるトナーであって、その粒径分布の20%以上が7.0μm以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、逆転写部によって他の画像形成ユニットの像担持体に転写された一の画像形成ユニットのトナー像が、他の画像形成ユニットのクリーニング部により掻き落とされるので、他の画像形成ユニットのクリーニング部には、比較的粒径の大きい一の画像形成ユニットのトナーが堆積するため、ここに他の画像形成ユニットで用いている小粒径のトナーが入ってきても、この小粒径のトナーがすり抜けるのを防止することができ、良好なクリーニングを行なうことができる。
【0017】
したがって、良好なクリーニングを行なうために、像担持体に対するクリーニング部の当接圧を上げる必要がないので、像担持体に対するクリーニング部の摩擦を抑えることができ、像担持体の長寿命化を図ることができる。その結果、長時間安定して良好なクリーニングを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図1を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る画像形成装置の要部を概略的に示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の画像成形装置は、いわゆるタンデム型の画像形成装置であり、概して、トナーによるトナー像を形成する画像形成部6と、転写材を搬送すると共にこの転写材に画像形成部6で形成された画像を転写する転写部2と、この転写部2によって転写材に転写されたトナー像を定着する定着部7とを備えている。
【0020】
画像形成部6は、転写部2の後述する転写ベルト2fの搬送方向下流側(図1における左側)から上流側に向けて、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(B)の各色の画像(トナー像)を作成するための4つの画像形成ユニット(他の画像形成ユニット)5M、4C、3Y、2Bと、これらの画像形成ユニット5M、4C、3Y、2Bにトナーを供給するためのステーション(起点)となる画像形成ユニット(一の画像形成ユニット)1Sとが、この順序で転写ベルト2に沿って直線状に並んで配置されている。なお、各色の画像を形成するための画総形成ユニット5M、4C、3Y、2Bの配置順は、図1の並び順に限定されず、他の並び順であっても良いことは言うまでもない。
【0021】
画像形成ユニット5M、4C、3Y、2B、1Sはいずれも同様な構成をなしており、これらの画像形成ユニット5M、4C、3Y、2B、1Sはそれぞれ、画像形成時に図1における時計方向に回転駆動する像担持体としての感光体ドラム50、40、30、30、10と、感光体ドラムを一様に帯電する帯電装置51、41、31、21、11と、帯電した感光体ドラムを露光して静電潜像を形成する露光装置52、42、32、22、12と、感光体ドラムの静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置(現像部)53、43、33、23、12と、転写後に感光体ドラムに残留した残留トナー等の異物を除去するクリーニング装置(クリーニング部)55、45、35、25、15とを備えている。
【0022】
ここで、画像形成ユニット5M、4C、3Y、2B、1Sの現像装置53、43、33、23、12、11は、上述のようにいずれも同様の構成をなしており、これらは使用するトナーの色及びトナーの粒径が異なるのみである。
【0023】
すなわち、現像装置53はマゼンタのトナーを、現像装置43はシアンのトナーを、現像装置33はイエローのトナーを、現像装置23及び現像装置13はブラックのトナーを用いている。また、現像装置53、43、33、23のトナーの平均粒径は同じものを用いており、現像装置13のトナーは、他の現像装置53、43、33、23のトナーよりも大きな平均粒径のトナーを用いている。具体的には、現像装置53、43、33、23のトナーの平均粒径は4.0〜6.0μmであり、現像装置13のトナーの平均粒径は6.5μm以上である。また、現像装置13のトナーは、その粒径分布の20%以上が7.0μm以上である。
【0024】
ここで、画像形成ユニット1Sは、図1にも示すように、各画像形成ユニット5M、4C、3Y、2B、1Sのうち、転写ベルト2の搬送方向における最上流側に位置しており、上述のように他の画像形成ユニット5M、4C、3Y、2Bにトナーを供給するためのものである。すなわち、画像形成ユニット1Sは、画像形成作動中では、転写ベルト2の非画像部(転写ベルト2の表面において転写材で覆われている部分以外の部分)にトナー像を転写させるために、感光体ドラム10の表面のうち、転写ベルト2の非画像部に対応した部分にトナー像を形成する一方で、画像形成動作中以外のタイミングでは、転写ベルト2に対し、画像形成作動中よりも広範囲にトナー像を転写させるために、例えば感光体ドラム1の表面にまんべんなくトナー像を形成するようになっている。
【0025】
また、画像形成ユニット5M、4C、3Y、2B、1Sのクリーニング装置55、45、35、25、15も、上述のようにいずれも同様の構成をなしており、転写処理後の感光体ドラム50、40、30、20、10に残留した残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード55a、45a、35a、25a、15aと、クリーニングブレード55a、45a、35a、25a、15aで掻き落とした廃トナーを搬送するブラシ状ローラ55b、45b、35b、25b、15bと、ブラシ状ローラ55b、45b、35b、25b、15bによって搬送された廃トナーを、回収して図示しない廃トナー収納部に搬送するトナー搬送オーガ55c、45c、35c、25c、15cとを備えている。
【0026】
各クリーニングブレード55a、45a、35a、25a、15aは、各感光体ドラム50、40、30、20、10の駆動方向に対してカウンター方向に、所定の当接圧で当接して、各感光体ドラム50、40、30、20、10に残留した残留トナーを掻き落として除去するようになっている。
【0027】
転写部2は、5つのローラ2a、2b、2c、2d、2eに掛け渡されて転写材を搬送する無端状の転写ベルト(転写体)2fと、この転写ベルト2fの裏面でかつ各感光体ドラム50、40、30、30、10に対向した位置に設けられ、各感光体ドラム50、40、30、30、10のトナー像を、転写ベルト2fの表面または転写ベルト2fに搬送されている転写材に転写するための転写バイアス印加部材54、44、34、24、14と、転写ベルト2fの表面に付着したトナー等の異物を除去するクリーニング装置9とを備えている。
【0028】
転写バイアス印加部材54、44、34、24、14は、転写バイアスを印加することによって、各感光体ドラム50、40、30、30、10のトナー像を、転写ベルト2fの表面または転写ベルト2fに搬送されている転写材に転写するようになっている。
【0029】
また、これらの転写バイアス印加部材54、44、34、24、14のうち、各色の画像を形成するための画像形成ユニット5M、4C、3Y、2Bに対応した転写バイアス印加部材54、44、34、24は、転写ベルト2fにトナー像を転写するときとは正負が逆の転写バイアスを印加することにより、画像形成ユニット5M、4C、3Y、2Bにトナーを供給する画像形成ユニット1Sによって転写ベルト2の表面または転写ベルト2の非画像部に転写されたトナー像を、画像形成ユニット5M、4C、3Y、2Bのそれぞれの感光体ドラム50、40、30、20に転写するようになっている。すなわち、転写バイアス印加部材54、44、34、24は、転写ベルト2fのトナー像を、感光体ドラム50、40、30、20に逆転写する逆転写部としても機能する。
【0030】
次に、通常の画像形成動作について説明する。画像形成時においては、図示しない給紙部から給紙された転写材は、搬送ローラ等によって搬送されて所定のタイミングで転写ベルト2fに送り出される。転写ベルト2fに送り出された転写材は、転写ベルト2fに担持されつつ、各画像形成ユニット1S、2B、3Y、4C、5Mに向けて搬送され、各転写部(感光体ドラム10、20、30、40、50と転写ベルト2fとの間)を通過する。
【0031】
各画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mの感光体ドラム20、30、40、50上に現像された各色のトナー像はそれぞれ、各転写部において各転写バイアス印加部材24、34、44、54の作用により、転写材上に重ね合わされるように転写されて、転写材上にはフルカラートナー像が形成される。その後、転写ベルト2fにより定着部7に搬送された転写材は、定着部7により転写されたフルカラートナー像を定着されて排紙される。
【0032】
一方、転写後において、各感光体ドラム20、30、40、50の表面は、各クリーニング装置25、35、45、55の各クリーニングブレード55a、45a、35a、25aによって、その残留トナーを除去されてクリーニングされ、次の静電潜像の形成に備えられるようになる。
【0033】
本実施の形態では、蒸気画像形成動作の他、画像形成ユニット1Sによる各画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mへのトナーの供給をも行なっており、このトナー供給動作について説明する。
【0034】
上記画像形成動作時以外のタイミングにおいて、画像形成ユニット1Sによって、他の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mで用いるトナーよりも粒径の大きい大粒径トナーを用いたトナー像が形成され、このトナー像が転写バイアス印加部材14の作用により、転写ベルト2fの表面に転写される。そして、このトナー像が画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mの転写部に到達するタイミングで、転写バイアス印加部材24、34、44、54が画像形成時とは正負が逆の転写バイアスを印加することにより、転写ベルト2fの表面に転写されたトナー像が、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mの感光体ドラム20、30、40、50に逆転写される。
【0035】
なお、全ての画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mに大粒径のトナーを供給したい場合には、画像形成ユニット1Sによって連続して4つのトナー像を転写ベルト2fに転写し、これらのトナー像をそれぞれ、各画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mの感光体ドラム20、30、40、50に逆転写するようにすれば良い。また、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mのいずれかに大粒径のトナーを供給したい場合には、画像形成ユニット1Sによって必要な数のトナー像(例えば、2つの画像形成ユニットに供給する場合には、2つのトナー像にする等)を形成し、それぞれ対応する画像形成ユニットの感光体ドラムに逆転写するようにすれば良い。
【0036】
大粒径のトナー像を逆転写した後、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mでは、感光体ドラム20、30、40、50に逆転写された大粒径トナーによるトナー像を、クリーニングブレード25a、35a、45a、55aによって掻き落とす。このとき、クリーニングブレード25a、35a、45a、55aには、画像形成ユニット1Sの大粒径トナーが堰き止められているため、クリーニングブレード25a、35a、45a、55aのブレードエッジ上流の極近傍に、大粒径トナーが蓄積される。
【0037】
このように、クリーニングブレード25a、35a、45a、55aに、大粒径のトナーが蓄積されることにより、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mで用いられている比較的径の小さい小粒径のトナーによる作像を行なう際に、感光体ドラム20、30、40、50を駆動させたとき、その表面に当接したクリーニングブレード25a、35a、45a、55aの先端が微小に振動して、クリーニングブレード25a、35a、45a、55aの先端と感光体ドラム20、30、40、50の表面との間に生じる隙間から、小粒径のトナーがすり抜けることを防止することができる。
【0038】
これは、小粒径のトナーは、クリーニングブレードの先端と感光体ドラムの表面との間に振動によって生じる隙間からすり抜けし易いが、大粒径のトナーは上記隙間からすり抜けることが少ないと共に、クリーニングブレードのブレードエッジに大粒径のトナーが蓄積していると、そこに小粒径のトナーが入ってきても、すり抜けを起こし難いからである。
【0039】
したがって、良好なクリーニングを行なうことができる。また、良好なクリーニングを行なうために、感光体ドラム20、30、40、50に対するクリーニングブレード25a、35a、45a、55aの当接圧を上げる必要がないので、感光体ドラム20、30、40、50に対するクリーニングブレード25a、35a、45a、55aの摩擦を抑えることができ、感光体ドラム20、30、40、50の長寿命化を図ることができる。その結果、長時間安定して良好なクリーニングを行なうことができる。
【0040】
また、本実施の形態では、画像形成ユニット1Sで用いる大粒径のトナーは、その平均粒径を6.5μm以上としていることにより、他の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mで用いる小粒径のトナーの平均粒径が4.0〜6.0μmであっても、クリーニング不良を防止することができる。さらに、画像形成ユニット1Sのトナーの粒径分布の20%以上を7.0μmとすることにより、他の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mのトナーの平均粒径が4.0〜6.0μmであっても、クリーニング不良を防止することができる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0042】
例えば、転写体としては、図2に示す中間転写体である中間転写ベルト2kを用いることができる。この図2において、中間転写ベルト2kには、各画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mからの各色のトナー像が重ね合わされるように一次転写される。この中間転写ベルト2kに一次転写されたトナー像は、5つのローラ2a、2b、2c、2d、2eとともに中間転写ベルト2kを掛け渡すローラ2gに対向して設けられたローラ状の転写バイアス印加部材2hによって、この転写バイアス印加部材2hと中間転写ベルト2kの間を通過する転写体に2次転写される。その後、トナー像が2次転写された転写材は、搬送ベルト60により定着部7に向けて搬送される。このように、転写体として中間転写ベルト2kを用いても、上記実施の形態と同様な作用効果を奏する。なお、図2においては、上記実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付することによってその説明を簡略化した。
【0043】
また、上記実施の形態に用いられる画像形成装置としては、複写機の他、ファクシミリ、プリンタ、あるいはこれらの複合機等を用いることができる。
【0044】
また、上記実施の形態では、画像形成部6において、他の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mにトナーを供給するためだけの画像形成ユニット1Sを設けたが、これに代えて、上記画像形成ユニット1Sを設けず、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mのみで画像形成部6を構成するようにしても良い。このような構成においては、画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mのうち、転写ベルト2fの搬送方向における最上流に位置する画像形成ユニット2Bで用いるトナーとして、他の画像形成ユニット3Y、4C、5Mよりも粒径の大きいトナーを用いるようにし、画像形成以外のタイミングで画像形成ユニット2Bのトナーを上述した実施の形態と同様に、他の画像形成ユニット3Y、4C、5Mに供給するようにすれば良い。このようにしても、上記実施の形態と同様な作用効果を奏する。しかも、大粒径のトナーを供給するための画像形成ユニットを別途設ける必要がないので、構成が簡単であると共に部品点数及び製造コストの低減を図ることもできる。
【0045】
また、上記実施の形態では、上流側の画像形成ユニット1Sから下流側の画像形成ユニット2B、3Y、4C、5Mにトナーを供給するようにしたが、これに代えて、例えば、画像形成ユニット1Sを、画像形成ユニット4Cと画像形成ユニット3Yとの間に配置すると共に、転写ベルト2fを正逆回転可能に設けるような構成にしても良い。
【0046】
この構成では、画像形成ユニット1Sから下流側の画像形成ユニット4C、5Bに大粒径のトナーを供給する場合には、上記実施の形態と同様にして行い、画像形成ユニット1Sから上流側の画像形成ユニット3Y、2Bに大粒径のトナーを供給する場合には、転写ベルト2fを、画像形成動作時とは逆方向に駆動させることによって、画像形成ユニット3Y、2Bの転写部に大粒径のトナーによるトナー像を逆転写させるようにすれば良い。要は、全ての画像形成ユニットのうち、少なくとも1つの画像形成ユニットに、他の画像形成ユニットのトナーよりも平均粒径の大きいトナーを用いるようにし、この少なくとも1つの画像形成ユニットから他の画像形成ユニットに平均粒径の大きい大粒径のトナーを供給するようにすれば良い。このようにしても、上記実施の形態と同様な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の要部を概略的に示す図である。
【図2】変形例に係る画像形成装置の要部を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0048】
2f 転写ベルト(転写体)
2k 中間転写ベルト(転写体)
1S 一の画像形成ユニット
2B、3Y、4C、5M 他の画像形成ユニット
10、20、30、40、50 感光体ドラム(像担持体)
13、23、33、43、53 現像装置(現像部)
15、25、35、45、55 クリーニング装置(クリーニング部)
15a、25a、35a、45a、55a、 クリーニングブレード
24、34、44、54 転写バイアスローラ(逆転写部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が転写されるとともに転写されたトナー像を搬送する転写体と、この転写体の表面に対向するとともに転写体の搬送方向に沿って並んで配置された複数の画像形成ユニットとを備え、この画像形成ユニットは、静電潜像が形成される像担持体と、この像担持体の静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像部と、像担持体のトナー像を転写体に搬送されている転写材または転写体の表面に転写した後に、像担持体に残留した残留トナーを掻き落とすクリーニング部とを備えた画像形成装置において、複数の画像形成ユニットのうち、一の画像形成ユニットの現像部では、他の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーよりも大きい粒径のトナーが用いられており、一の画像形成ユニットによって転写体の表面に転写されたトナー像を、他の画像形成ユニットの像担持体に転写させる逆転写部を備え、この逆転写部により他の画像形成ユニットの像担持体に転写されたトナー像は、この像担持体の残留トナーを掻き落とすクリーニング部により掻き落とされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
一の画像形成ユニットは、全ての画像形成ユニットのうち、転写体の搬送方向における最も上流側の画像形成ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
一の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーは、その平均粒径が6.5μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
一の画像形成ユニットの現像部で用いるトナーは、その粒径分布の20%以上が7.0μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の画像形成装置における一の画像形成ユニットに使用されるトナーであって、その平均粒径が6.5μm以上であることを特徴とするトナー。
【請求項6】
請求項1または2に記載の画像形成装置における一の画像形成ユニットに使用されるトナーであって、その粒径分布の20%以上が7.0μm以上であることを特徴とするトナー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−114633(P2007−114633A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308003(P2005−308003)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】