画像形成装置及びその制御方法
【課題】クリーニングシーケンスにおける駆動音を低減しつつ画像不良を抑える。
【解決手段】プロセスカートリッジ103Y〜103Kは、それぞれ対応するDCブラシレスモータ40Y〜40Kによって駆動される。画像形成終了後に実行されるクリーニングシーケンスにおいて、DCブラシレスモータ40Y〜40Kは、聴覚的な駆動音が小さくなるように駆動パラメータにしたがって動作する。
【解決手段】プロセスカートリッジ103Y〜103Kは、それぞれ対応するDCブラシレスモータ40Y〜40Kによって駆動される。画像形成終了後に実行されるクリーニングシーケンスにおいて、DCブラシレスモータ40Y〜40Kは、聴覚的な駆動音が小さくなるように駆動パラメータにしたがって動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、像担持体を備えた画像形成装置に係り、とりわけ、像担持体のクリーニング制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスや静電記録プロセスなどを採用した転写方式の画像形成装置では、用紙へと転写されずに像担持体の表面に残っている現像剤をクリーニングする必要がある。像担持体とクリーニングブレードとを当接させたまま放置すると、これらの当接領域に微粉トナーや外添剤などが凝集し、スジや画像ブレ(濃度変動等)等の画像不良が発生する。一般に、像担持体の表面(周面)のうち微粉トナー等が凝集した部分の摩擦係数μは相対的に低下する。よって、摩擦係数μが低下した部分をクリーニングブレードが通過する際に像担持体の回転速度(周速度)が一時的に速くなってしまう。これがスジや画像ブレ等の画像不良の一因となる。
【0003】
特許文献1によれば、画像形成が終了すると像担持体を停止させ、その後、像担持体を微小回転させることで微粉トナーを除去し、さらに像担持体を逆回転させることで凝集を低減する発明が提案されている。特許文献2によれば、画像形成時の回転方向と同一方向へ間欠的に像担持体を回転させ、その後、像担持体を逆方向に回転させる発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−62280号公報
【特許文献2】特開2006−091685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1又は2に記載の発明は、像担持体が停止した後に、その表面(周面)を所定距離移動させることで、微粉トナーや外添剤などの凝集に起因したスジや画像ブレ等の画像不良を低減できる点で優れている。しかし、像担持体をクリーニングする際に像担持体とクリーニングブレードの当接部やモータ駆動ギア列等から発せられる駆動音を低減したいという新たな要求が存在する。なお、ここでの駆動音とは、クリーニングシーケンスにおいて像担持体を駆動させることに応じて発生する音のことを指す。
【0006】
とりわけ、カラー画像形成装置では複数の像担持体が存在するため、これらを同時にクリーニングすれば、聴感的に大きな駆動音になりやすい。また、クリーニングのためのクリーニングシーケンスは画像形成後に実行されるため、ユーザの不快指数が大きくなりやすい。なぜなら、ユーザは画像形成に関する駆動音なら許容しやすいが、画像形成と関連性が小さい駆動音を不快と思う傾向があるからである。なお、聴感とは何ならかの音が人間の耳に聞こえる状態を指す。よって、物理的な音の大小(振動エネルギーの大小)が、必ずしも人間によって知覚される音の大小に対応するとは限らない。
【0007】
本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、本発明は、クリーニングシーケンスにより画像不良の発生を抑えるとともに、駆動音を低減することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、像担持体に担持された画像の転写処理後に複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材とを備えた画像形成装置に適用できる。さらに、画像形成装置は、複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、複数の駆動手段を動作させる駆動制御手段と、駆動手段の動作期間を設定するための駆動パラメータを複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定手段とを備え、該駆動制御手段は、該設定手段により設定された駆動パラメータに従って複数の駆動手段を動作させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クリーニングシーケンスにより画像不良の発生を抑えるとともに駆動音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタの概略断面図である。
【図2】DCブラシレスモータの駆動回路を示した図である。
【図3】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図4】クリーニングシーケンスにおけるモータ制御の回転数と発生音量の一例を示した図である。
【図5】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図6】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図7】オフセットを管理するためのテーブルの一例を示した図である。
【図8】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図9】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図10】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図11】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図12】駆動指示時間及び待機時間を設定するために使用されるテーブルの一例を示した図である。
【図13】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図14】オフセットを管理するためのテーブルの一例を示した図である。
【図15】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図16】ファンモータの動作状態とクリーニングシーケンスの関係を示した図である。
【図17】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
[実施例1]
図1に示した画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンター、複写機、複合機、ファクシミリのいずれであってもよい。レーザプリンタ100は、記録紙Pにカラー(多色)の画像を形成するために複数の画像形成ステーション(以下、ステーションと称す。)を備えている。本実施形態では4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBk)の現像剤(トナー)を使用するため4つの画像形成ステーションが存在する。すなわち、図1によれば、第1の像担持体、第2の像担持体、第3の像担持体および第4の像担持体は順次画像を重畳形成するために、記録紙の搬送方向の上流から下流に向かって、並列に配置されている。記録紙は、記録材、記録媒体、用紙、シート、転写材、転写紙と呼ばれることもある。
【0013】
給紙カセットに収納された記録紙Pは、ピックアップローラ101によって搬送路へと繰り出され、各種の搬送ローラによって搬送路内を搬送される。画像形成ステーションは、スキャナーユニット102Y、M、C、Kと、プロセスカートリッジ103Y、M、C、Kと、転写ローラ104とによって構成されている。スキャナーユニット102Y、M、C、Kは、ビデオコントローラ110から送出される各画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光する。これにより、像担持体である感光ドラム105に静電潜像が形成される。4つのプロセスカートリッジ103Y、M、C、Kのそれぞれには、電子写真プロセスの実行に必要となる感光ドラム105、帯電ローラ106、現像ローラ107、トナー格納容器108及びクリーニングブレード109を具備している。感光ドラム105の表面に担持されている静電潜像は、現像ローラ107によって現像剤像に現像され、記録紙Pへ転写される。4つの感光ドラム105は、現像剤による画像を担持する複数の像担持体の一例である。クリーニングブレード109は、画像の転写処理後に、対応する像担持体に残存している現像剤をクリーニングする複数のクリーニング部材の一例である。クリーニング部材としては、駆動音が生じる限り、クリーニングブレード109とは異なるクリニーニング機構が採用されてもよい。定着装置111は、記録紙P上に転写されたトナー像を熱定着するユニットである。
【0014】
ファンモータ112は、画像形成装置の内部を冷却する冷却装置の一例である。ファンモータ112は、制御基板113に搭載されたCPU114により制御され、画像形成装置内の温度を所望値に保つ。画像形成動作中、CPU114は、昇温を抑えるために、ファンモータ112に印加する電圧をアイドル時よりも増加させる。これを全速駆動と呼ぶ。画像形成待機中、CPU114は、減速駆動する。減速駆動でのファンモータ112の回転速度は、全速駆動時の回転速度よりも低い。これにより、消費電力の低減と稼動音を極力抑えることができる。
【0015】
図2によれば、感光ドラム105及び現像ローラ107の駆動源であるDCブラシレスモータの駆動回路が示されている。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像形成ステーションに対応している。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、複数の像担持体のうちそれぞれ対応する像担持体を駆動するための複数の駆動手段の一例である。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、それぞれ同一構成であるため、ここではDCブラシレスモータ40Yについて説明する。
【0016】
CPU114は、DCブラシレスモータ40Yに駆動信号を送出し、DCブラシレスモータ40Yのモータ駆動回路42は受信した駆動信号に従って対応するプロセスカートリッジ103Yを駆動するためのDCブラシレスモータ40Yを制御する。DCブラシレスモータ40Yは、モータ駆動回路42、3個のホール素子49及びアンプ51を備えている。モータ駆動回路42は、モータ駆動制御回路43を備えている。モータ駆動制御回路43は、3個のホール素子49が出力するロータ位置を示す信号により相切り替え制御を実行する。さらに、モータ駆動制御回路43は、CPU114からの制御信号にしたがってDCブラシレスモータの始動、停止および速度制御を行う。DCブラシレスモータ40Yは、U、V、Wの3相をスター結線したコイル47とロータ50を備えている。3個のホール素子49は、ロータ50の磁極を検知し、ロータの位置を示す検知信号をアンプ51に出力する。アンプ51は、検知信号を増幅して、モータ駆動制御回路43へ出力する。モータ駆動制御回路43は、検知信号に従って6個のFET(電界効果トランジスタ)を制御することで、DCブラシレスモータ40Yを回転させる。
【0017】
ファンモータ制御回路80は、CPU114からの制御信号に従ってファンモータ112の回転数を制御する回路である。CPU114は、画像形成シーケンス、クリーニングシーケンスではファンモータ112を高速回転させる。一方、CPU114は、これ以外のアイドルシーケンスでは、ファンモータ112を停止または低速回転させる。CPU114やファンモータ制御回路80は、冷却手段の動作の開始と停止とを制御する冷却制御手段として機能する。
【0018】
図3に示されたクリーニングシーケンスは、感光ドラム105に残存した残現像剤をクリーニングブレード109により除去するためのクリーニングシーケンスである。なお、このクリーニングシーケンスについて像担持体である感光ドラムを間欠的に微小駆動することから、像担持体微小駆動シーケンスなどと呼ぶこともできる。
【0019】
クリーニングシーケンスでは、例えば、感光ドラム105を画像形成時の回転方向と同じ方向に間欠的に回転させてから停止させる。ここでは、第n番目のステーションに着目して説明する。なお、横軸は時間を示している。なお、ここでのステーションとはプロセスカートリッジ103に対応するものであり、またはプロセスカートリッジに含まれる感光ドラム(像担持体)に対応するものと解釈することができる。
【0020】
図3によれば、シーケンス開始から終了までの間に第n番目のステーション内では感光ドラム105を4回駆動している。すなわち、CPU114やモータ駆動回路42などは、クリーニングシーケンスの間にN(Nは2以上の自然数)回に分けて間欠的に複数の像担持体を駆動するよう複数のDCブラシレスモータを制御する。なお、像担持体である感光ドラムの数と、それらを駆動するDCブラシレスモータの数とは必ずしも一致している必要はない。両者が一致していなくても、本発明は適用可能である。図3によれば、像担持体の駆動制御を継続する時間(駆動制御継続時間)は、1回目から4回目までともにT0(一定値)に設定されている。なお、駆動制御継続時間に対応してモータの駆動動作期間が決まる。
【0021】
隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間Xが存在する。待機時間Xは任意の値に設定可能である。そのため、1回目の駆動と2回目の駆動との間の待機時間Xと、2回目の駆動と3回目の駆動との間の待機時間Xとが異なる値に設定されてもよい。ただし、説明の便宜上、いずれの待機時間Xも同一(一定値)であるものとして説明する。
【0022】
図4を用いて、像担持体の駆動指示時間の短長による回転数rpmの時間変化と、駆動音dBの時間変化との関係を説明する。図4(a)から図4(f)のすべての図で横軸は時間を示す。
【0023】
図2で説明したDCブラシレスモータ40Y〜40Kは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている目標速度値で定速度制御される。しかし、本クリーニングシーケンスでは定速度制御を行う速度領域でモータ制御を行っていない。本クリーニングシーケンスではCPU114から駆動信号が送出され、モータが目標速度値に至らない加速中に、CPU114からの停止信号によりモータが停止される。つまり、モータの速度情報がCPU114にフィードバックされる前に、モータが停止する。その時点での速度情報がCPU114に反映されないため、見かけ上フィードフォワードのモータ制御となる。これは、駆動対象の像担持体の負荷量によって、速度ばらつきが発生しやすくなることを意味する。
【0024】
図4(a)と図4(b)は、DCブラシレスモータ40の駆動指示時間(駆動制御時間)を表す。矩形波が立ち上がっている場合に駆動指示がONになっているものとする。図4(a)の駆動指示時間Tαは駆動指示時間Tβに比べ短い。図4(c)と図4(d)では、縦軸がモータ回転数を表す。このモータが回転している区間がモータの駆動時間に対応することとなる。このモータの駆動時間は、概ねモータの駆動指示時間(駆動制御時間)に一致している。なお、図4(a)、図4(c)及び図4(e)の時間軸は同期している。同様に、図4(b)、図4(d)及び図4(f)の時間軸も同期している。図4(a)と図4(b)が示すようにDCブラシレスモータ40への駆動電流値を供給すると、図4(c)と図4(d)のような角速度変動が現われる。なお、斜線部の面積Sは両者ともに同値又は略同値である。積分値である像担持体の移動距離は論理的に同じ値になるものとする。本実施例では、例えば像担持体の移動距離が1mmであるとして説明をする。
【0025】
図4(e)と図4(f)はクリーニングシーケンス動作によって発生する駆動音を表す。クリーニングシーケンスの駆動音dBの観点で言えば、駆動指示時間が長いほうが駆動音を小さくしやすい。図4(f)と図4(e)とを比較すると、モータ駆動トルクが小さい状態で十分に長い時間をかけて像担持体を所定距離だけ移動させると、駆動音dBが相対的に小さく抑えられる。
【0026】
一方で、モータの駆動対象である像担持体は耐久が進むと、新品時の像担持体と比較してモータに与える負荷量が大きくなる傾向がある。また、像担持体は新品時であっても、許容範囲内での製造上の個体差が発生する。よって、モータに与える負荷量が各々の像担持体によって異なり得る。駆動指示時間Tβのように長い時間をかけてモータを駆動すると、モータのトルクが小さいので、像担持体の負荷ばらつきの影響を受けやすい。これらの影響により、像担持体の耐久前後でクリーニングシーケンス時の像担持体の移動距離にばらつきが発生しうる。ときには、クリーニングシーケンス実行しても、像担持体が全く動かない場合も発生し得る。よって、駆動指示時間をTβのような値に固定してしまうと、クリーニングシーケンスにおける像担持体の移動距離のばらつきが大きくなり、色ずれが発生してしまう。
【0027】
このような理由から、駆動指示時間Tαのように短い時間かつ大電流でモータを駆動し、モータ駆動トルクが大きい状態で、像担持体を移動距離1mm動かすモータ制御の方が移動距離のばらつきを抑えられる。像担持体の負荷ばらつきの影響を受けにくいため、像担持体の耐久前後でクリーニングシーケンスの移動距離にばらつきが発生しにくい。一方、クリーニングシーケンスの駆動音の観点で言えば、図4(e)が示すように、発生する駆動音が大きくなってしまう。つまり、複数回の間欠駆動のトータルにおける像担持体の移動距離のバラツキが十分に許容できる範囲に収まる程度の短い時間に像担持体の駆動指示時間Tを設定する必要がある。
【0028】
次に図5、図6を用いてクリーニングシーケンスの制御動作に関して説明する。図5の横軸は時間軸である。図5によれば、第1番目から第4番目の各ステーションにおいて、感光ドラム105は4回(駆動回数N=1、2、3、4)に分けて駆動されている。各ステーションは、YMCKのいずれか1つである。駆動回数N=1、2、3、4のそれぞれにおいて、各ステーションで設定されている駆動指示時間T0は同値である。また図示はされてないが隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間X1が設定されている。このことは後述の図8でも同様である。
【0029】
図6に示されたフローチャートは、ある第n番目のステーションの動作を示している。本実施例では4つのステーションが存在するものとして説明を行うため、4つの同様のフローチャートが同時間軸上で存在するものとして説明する。なお、図中のSはステップや工程を意味する。
【0030】
S601で、CPU114は、画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。S602で、CPU114は、画像形成動作が終了したか否かを判定する。画像形成動作が終了すると、S603に進む。S603で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを停止させるための制御信号をモータ駆動制御回路43に送信する。モータ駆動制御回路43は、当該制御信号を受信すると、通電を停止する。これにより、DCブラシレスモータ40Y〜40Kが停止する。
【0031】
図7(a)が示すテーブルAは、各ステーションの最初の駆動開始タイミングにオフセット時間を設定するためのテーブルを示した図である。テーブルAは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている。テーブルAによれば、1番目と3番目のステーションに適用されるオフセットはゼロである。2番目と4番目のステーションに適用されるオフセットはtaである。このように、第1及び第3のステーション(像担持体)の駆動制御開始タイミングは共通に設定されている。また、第2及び第4のステーション(像担持体)の駆動制御開始タイミングも共通に設定されている。これにより、同時に駆動されステーションがバランスよく空間的に分散される。このように隣り合って配置されたステーションをペア(グループ)とするよりも、1つまたはそれ以上飛ばしてペアを形成して同時並行的に駆動することで、聴感が軽減されると考えられる。今回は4つのステーションを一例としているため、1番と3番のペアと、2番と4番のペアが形成された。もし、6つであれば、1番と4番のペア、2番と5番のペア、3番と6番のペアを形成するか、あるいは、1番と3番と5番のグループ、2番と4番と6番のグループを形成すればよい。また、6つの場合に、1番と5番のペア、2番と4番のペア、3番と6番のペアとするなと、1つ飛ばしのペアと4つ飛ばしのペアとを混在させてもよい。要するに、隣り合った2つのステーションをペアとしなければ、駆動音の発生源を空間的に分散できるため、聴感を軽減できよう。なお、ステーションの数は、4つや6つにのみ限定されるわけではなく、基本的に、複数であれば本発明の技術思想を適用できる。
【0032】
S604で、CPU114は、テーブルAを参照し、各ステーションの最初の制御開始タイミングにオフセット時間を設定する。CPU114は、1番目のステーションについて、制御開始タイミングにオフセットとしてゼロを設定する(何もしない)。2番目のステーションについて、CPU114は、制御開始タイミングにオフセットとしてtaを加算する。3番目のステーションの制御開始タイミングにオフセットとしてゼロを設定し、4番目のステーションの制御開始タイミングにはオフセットとしてtaが加算される。このように、CPU114は、クリーニングシーケンスにおける複数の像担持体におけるそれぞれの制御開始タイミングにそれぞれ異なるオフセット時間を加算する加算手段として機能する。
【0033】
S605で、CPU114は、各ステーションにおけるDCブラシレスモータ40Y〜40Kの駆動指示時間、待機時間を設定する。具体的には、CPU114は、第1番目のステーションから第4番目のステーションに駆動指示時間T0、待機時間として例えばX1を設定する。S606で、CPU114は、駆動回数をカウントするための変数Nに初期値として1を代入する。なお、このS606を含むS606乃至S613の処理は、各ステーションごとに並行して実行される。またこの時点でCPU114によりS607の判定対象となるタイマーが起動される。S607で、CPU114は、各ステーションについて設定されたオフセット時間に相当する時間が経過したか否かを判定する。設定されたオフセット時間が経過したステーションについてはステップS608に進む。S608で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを各制御開始タイミングにしたがって起動し、対応する感光ドラム105を駆動させる。
【0034】
S609で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのそれぞれについて、制御開始タイミングから駆動指示時間T0が経過したか否かを判定する。CPU114は、カウンタなどを用いて、制御開始タイミングからの経過時間を監視する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータについてS610に進む。S610で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータを停止させる。CPU114は、対応するDCブラシレスモータに停止を意味する制御信号を送信する。
【0035】
S611で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kについてそれぞれに設定された待機時間が経過したか否かを判定する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、待機時間が経過したDCブラシレスモータについては、S612に進む。S612で、CPU114は、駆動回数を計測するための変数Nが4であるか否かを判定する。すなわち、CPU114は、1つのクリーニングシーケンスにおいて複数に分けて間欠的に実行される感光ドラム105の駆動がすべて終了したか否かを判定する。Nがすべて終了したことを意味していなければ、S613に進む。S613で、CPU114は、変数Nを1つインクリメントする。その後、CPU114は、S608ないしS611を繰り返す。Nがすべて終了したことを意味していれば、クリーニングシーケンスを終了する。
【0036】
このように、図6のフローチャートによれば、複数の駆動手段の各制御開始タイミングをそれぞれ異なるようにしたので、複数のDCブラシレスモータの駆動に関連して発生する駆動音が時間的に分散される。これにより、クリーニングシーケンスにおける聴感的な駆動音が低減され、スジや画像ブレも減少する。
【0037】
ここで、図5のクリーニングシーケンスを変形したシーケンスについて説明する。図8は、図5に対して別の駆動パラメータが設定された場合のクリーニングシーケンスを示す図である。図7(b)によれば、1番目のステーションに適用される動作期間を設定するためのオフセットはゼロである。2番目のステーションに適用されるオフセットはtcである。3番目のステーションに適用されるオフセットはtbである。4番目のステーションに適用されるオフセットはtdである。なお、各オフセット間の大小関係は、0<tb<tc<tdである。なお、テーブルBは、CPU114により参照されるオフセット時間を管理するためのテーブルである。テーブルBもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。そして、上に説明した図6のフローチャートのS604で、CPU114がテーブルBを参照し、各ステーションの最初の駆動制御開始タイミングに対してオフセット時間を設定することで、図8(a)のクリーニングシーケンスが実行される。
【0038】
図8(a)に示すように、tc>tb+T0とすることで、各同一駆動回内で、どのステーションのモータも駆動しないモータ停止時間s1が存在する。このモータ停止時間s1を設定する事で、実施例1で説明した効果に加え、各ステーションのモータ駆動に関連して発生する駆動音をさらに時間的に分散させる効果が得られる。これにより、聴感的な駆動音がさらに低減される。
【0039】
また、図6のフローチャートのS604で、CPU114がテーブルC(図7(c))を参照することで、図8(b)に示されるクリーニングシーケンスが実行される。なお、テーブルCもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。図8の(b)では、各同一駆動回内に、どのステーションのモータも駆動しないモータ停止時間s2が存在するようオフセット時間te、tf、tgが設定されている。これにより図8(a)の場合と比べて、聴感的な駆動音がさらに低減される。
【0040】
[実施例2]
実施例2では実施例1をさらに発展させた例について説明する。図9が示すクリーニングシーケンスは、感光ドラム105に残存したトナーをクリーニングブレード109により除去するためのクリーニングシーケンスである。クリーニングシーケンスでは、例えば、感光ドラム105を画像形成時と同じ方向に間欠的に回転させてから停止させる。ここでは、第n番目のステーションに着目して説明する。なお、横軸は時間を示している。
【0041】
図9によれば、シーケンス開始から終了までの間に第nステーション内では感光ドラム105を4回駆動している。すなわち、CPU114やモータ駆動回路42などは、クリーニングシーケンスの間にN(Nは2以上の自然数)回に分けて間欠的に複数の像担持体を駆動するよう複数の駆動手段を制御する。N回目の駆動指示時間をTNと表す。つまり、T1、T2、T3、T4はそれぞれ1回目から4回目までの各駆動指示時間を示している。各駆動指示時間の大小関係はT1<T2<T3<T4である。このように、CPU114は、N回の駆動指示時間をそれぞれ異なる長さに設定する。
【0042】
隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間が存在する。N回目の駆動が終了してからN+1回目の駆動が開始されるまでの間には、待機時間tN−(N+1)が存在する。図9によれば、3つの待機時間t1−2(1回目と2回目間の待機時間)、t2−3(2回目と3回目間の待機時間)、t3−4(3回目と4回目間の待機時間)が示されている。各待機時間の大小関係はt1−2>t2−3>t3−4である。
【0043】
隣り合った2つの駆動指示時間の中心値間の間隔はXである。図9が示すように、この間隔は、すべての中心値間で一定である。例えば、1回目の駆動指示時間の中心値から2回目の駆動指示時間の中心値までの時間間隔はXであり、3回目の駆動指示時間の中心値から4回目の駆動指示時間の中心値までの時間間隔もXである。数式を用いて表現すれば、次の関係が成立する。
T1/2 + t1−2 + T2/2=X
T2/2 + t2−3 + T3/2=X
T3/2 + t3−4 + T4/2=X
図10によれば、第1番目から第4番目のステーションにおいて、感光ドラム105は4回(駆動回数N=1、2、3、4)に分けて駆動されている。各ステーションは、YMCKのいずれか1つである。
【0044】
図10によれば、駆動回数N=1、2、3、4のそれぞれにおいて、各ステーションにおいて選択される駆動指示時間は異なっている。例えば、1回目の駆動において、第1番目から第4番目のステーションに適用される駆動指示時間はそれぞれT1、T4、T3、T2である。しかし、T1、T4、T3、T2はいずれも異なる値となっている。さらに、各ステーションで適用される駆動指示時間の合計値(TT=T1+T2+T3+T4)は、いずれの駆動回においても同一である。
【0045】
一方で、各ステーションにおいて、1回目から4回目の駆動でそれぞれ適用される駆動指示時間も異なっている。例えば、2番目のステーションにおける1回目から4回目の駆動でそれぞれ適用される駆動指示時間は、T4、T1、T2、T3となっている。1回目から4回目までの駆動指示時間の合計時間(TH=T1+T2+T3+T4)は、いずれのステーションにおいても同一である。すなわち、CPU114は、複数の像担持体のそれぞれでN回の駆動指示時間の合計時間が同一となるように駆動指示時間を設定する。これは、各ステーションにおける感光ドラム105の周面の合計移動距離のバラツキを低減し、スジや画像ムラを抑制するためである。
【0046】
各ステーションにおいて感光ドラム105の駆動制御指示を開始するタイミング(制御開始タイミング)は、それぞれ異なるタイミングとなる。図10によれば、最初(N=1)の駆動において、最長の駆動指示時間T4を設定された第2番目のステーションを基準として他のステーションの駆動開始タイミンが決定される。すなわち、クリーニングシーケンスの開始タイミングと、第2番目のステーションにおける感光ドラム105の制御開始タイミングとは一致している。さらに、クリーニングシーケンスの終了タイミングは、最後(N=4)の駆動において、最後まで駆動していた第1番目のステーションの感光ドラム105が停止した時点である。すなわち、最後(N=4)の駆動において、最長の駆動指示時間T4を設定された第1番目のステーションを基準として、クリーニングシーケンスの終了タイミングが規定されている。また、図10が示すように、N回の駆動のそれぞれにおいて、各ステーションにおける駆動指示時間の中心は一致している。図10によれば、1回目の駆動における各ステーションの駆動指示時間の中心はT4/2である。ちなみに、2回目の駆動における各ステーションの駆動指示時間の中心はT4/2 + Xである。このように、CPU114は、複数の像担持体における各回の駆動指示時間の中心時刻が同一となるように駆動指示時間と制御開始タイミングとを設定する。これは、駆動音を時間的に及び周波数的に分散させる効果がある。
【0047】
図10が示すように、各回における駆動指示時間と制御開始タイミングとをステーションごとに異ならしめることで、駆動音のエネルギーが時間的に分散され、かつ駆動音の周波数も特定の周波数のみに集中しないようになる。よって、聴覚的な駆動音が低減される。
【0048】
図11が示すS1101で、CPU114は、画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。S1102で、CPU114は、画像形成動作が終了したか否かを判定する。画像形成動作が終了すると、S1103に進む。S1103で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを停止させるための制御信号をモータ駆動制御回路43に送信する。モータ駆動制御回路43は、当該制御信号を受信すると、通電を停止する。これにより、DCブラシレスモータ40Y〜40Kが停止する。
【0049】
S1104で、CPU114は、駆動回数をカウントするための変数Nに初期値として1を代入する。S1105で、CPU114は、各ステーションにおけるDCブラシレスモータ40Y〜40Kの駆動指示時間、待機時間及び駆動指示時間などを設定する。このように、CPU114は、一連の画像形成処理が終了した後に複数の駆動手段を間欠的に動作させて複数の像担持体をクリーニングする際の複数の駆動手段の各駆動指示時間と各制御開始タイミングとをそれぞれ異なるように設定する手段として機能する。
【0050】
図12によれば、テーブルA及びテーブルBは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている。テーブルAは、各駆動回数における各ステーションの駆動指示時間TNとの対応関係を登録したテーブルである。テーブルBは、各駆動回数における各ステーションの待機時間tN−(N+1)との対応関係を登録したテーブルである。なお、図12に示したテーブルA及びテーブルBに登録されている値は、図10に示した値と同一である。
【0051】
具体的には、1回目(N=1)の駆動で、CPU114は、テーブルAから第1番目のステーションに駆動指示時間T1を設定し、第2番目のステーションにT4を設定し、第3番目のステーションにT3を設定し、第4番目のステーションにT2を設定する。
【0052】
さらに、CPU114は、各ステーションにおける制御開始タイミングを設定する。上述したように、最長の駆動指示時間T4が基準として使用される。CPU114は、1回目の駆動における各駆動指示時間の中心(T4/2)を決定する。そこから、CPU114は、他のステーションに設定された駆動指示時間(T1、T2、T3)の半分を減算することで、他のステーションの制御開始タイミングを算出する。例えば、第1番目のステーションの開始タイミングは、T4/2−T1/2となる。なお、この制御開始タイミングの決定は、最初にS1106を実行する直前の一度のみとする。また、2回目以降の駆動における各ステーションの制御開始タイミングは、1回目の駆動終了タイミングに待機時間を加算したタイミングとなる。例えば、第1番目のステーションの2回目の駆動に関する制御開始タイミングは、T4/2 + T1/2 + t1−2となる。同様に、第1番目のステーションの3回目の駆動に関する制御開始タイミングは、T4/2 + T1/2 + t1−2 + T2 +t2−3となる。
【0053】
S1106で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを各上で説明したように算出された制御開始タイミングにしたがって起動し、対応する感光ドラム105を駆動させる。S1107で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのそれぞれについて、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したか否かを判定する。CPU114は、カウンタなどを用いて、制御開始タイミングからの経過時間を監視する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータについてS8に進む。S1108で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータを停止させる。CPU114は、対応するDCブラシレスモータに停止を意味する制御信号を送信する。
【0054】
S1109で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kについてそれぞれに設定された待機時間が経過したか否かを判定する。S1105ないしS1109から明らかなように、CPU114及びモータ駆動制御回路43などは、設定手段により複数の駆動手段のそれぞれに設定された駆動指示時間と制御開始タイミングとに従って複数の駆動手段を制御する駆動制御手段として機能する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、待機時間が経過したDCブラシレスモータについては、S1110に進む。
【0055】
S1110で、CPU114は、駆動回数を計測するための変数Nが4であるか否かを判定する。すなわち、CPU114は、1つのクリーニングシーケンスにおいて複数に分けて間欠的に実行される感光ドラム105の駆動がすべて終了したか否かを判定する。Nがすべて終了したことを意味していなければ、S1111に進む。S1111で、CPU114は、変数Nを1つインクリメントする。その後、CPU114は、S1105ないしS1110を繰り返す。Nがすべて終了したことを意味していれば、クリーニングシーケンスを終了する。
【0056】
図11のフローチャートによれば、複数のDCブラシレスモータの駆動に関連して発生する駆動音が時間的及び周波数的に分散され、クリーニングシーケンスにおける聴感的な駆動音が低減され、スジや画像ブレも減少する。例えば、各ステーションの像担持体を回転駆動させるモータの駆動指示時間を長短で混在させることで、モータの角加速が異なるようになる。これにより、ステーションごとの駆動音の周波数が異なるようになる。よって、駆動音のエネルギーが周波数軸上で分散されるため、聴感的な駆動音が低減される。従来のカラー画像形成装置では各ステーションで同一の制御開始タイミングで同一の駆動指示時間を適用していたため、駆動音が同一の時間帯かつ同一の周波数に集中していた。これでは、特定の時間帯に特定の周波数に駆動音のエネルギーが集中するための、聴感的な駆動音が大きくなりやすかった。
【0057】
なお、時間的に分散させずとも周波数的に分散させれば一定の聴感的駆動音の低減効果を得ることができる。例えば図10のN回目の感光ドラム駆動で、各ステーションの制御開始タイミングを揃えても良い。
【0058】
さらに、図10が示すように、各ステーションにおける合計の駆動指示時間はいずれも同一である。各ステーションにおける合計の駆動指示時間に微差があったとしても、実質的に同様の効果を得れる程度の微差であれば、これらは略同一といえる。すなわち、クリーニングシーケンスにおける各像担持体の周面の合計移動距離はいずれも少なくとも略同一の値となる。ところで、感光ドラムの周面速度に偏心成分がある場合に、いわゆる色ずれが発生しうる。色ずれ抑制するには、例えば、感光ドラム間の速度変動の位相を調整すればよい。このような状況において、各ステーションにおける合計の駆動指示時間が、同一または略同一となるので、色ずれという観点で理想的に調整された位相関係を崩さないようにできる。
【0059】
[実施例3]
実施例3は、実施例2の技術思想に各モータ間でクリーニングシーケンスの開始時刻に時間差(オフセット)を設定する技術思想を追加した発明である。以下では、実施例2と共通する事項の説明は省略する。
【0060】
図13によれば、1番目のステーションに適用されるオフセットはゼロである。2番目のステーションに適用されるオフセットはtaである。3番目のステーションに適用されるオフセットはtbである。4番目のステーションに適用されるオフセットはtcである。なお、各オフセット間の大小関係は、0<ta<tb<tcである。
【0061】
図14に示されたテーブルCは、各ステーションごとのオフセット(駆動遅延時間)を保持している。テーブルCもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。
【0062】
図13と図14からわかるように、CPU114は、実施例2によって決定された制御開始タイミングをテーブルCのオフセットにしたがって調整する。1番目のステーションについて、CPU114は、1回目の制御開始タイミングがゼロとなるように変更する。2番目のステーションについて、CPU114は、1回目の制御開始タイミングにオフセットとしてtaを加算する。3番目のステーションの制御開始タイミングにはtbが加算され、4番目のステーションの制御開始タイミングにはtcが加算される。
【0063】
図15に示された実施例3を実施例2と比較すると、S1103とS1104の間に新たにS1501が追加されている。さらに、S1105とS1106との間に新たにS1502が追加されている。S1101ないしS1103を実行した後で、S1501に進む。
【0064】
S1501で、CPU114は、テーブルCを参照し、各ステーションの最初の制御開始タイミングにオフセットを設定する。その後、S1104、S1105を実行し、S1502に進む。S1502で、CPU114は、各ステーションについて設定されたオフセットに相当する時間が経過したか否かを判定する。設定されたオフセットが経過したステーションについてはステップS1106に進む。なお、S1111の次には、S1105と同等のステップS1105’を実行してからS1106に進む。
【0065】
以上説明したように、実施例3では、実施例2で説明した効果に加えさらに駆動音を時間的に分散させる効果が奏される。これにより、聴感的な駆動音がさらに低減されよう。
【0066】
[実施例4]
実施例4は、実施例1乃至3で説明した技術思想に、冷却装置として機能するファンモータ112の制御シーケンスを加えた技術思想となっている。ファンモータ112は、画像形成装置の内部を冷却するための冷却手段の一例である。駆動音を発生する限りファン以外の冷却手段が採用されてもよい。
【0067】
一般に、ファンモータ112を駆動させれば聴覚的に感知可能な駆動音が発生する。よって、実施例4では、ファンモータ112の動作タイミングを工夫することで、冷却効果の維持と聴覚的な駆動音の低減とを両立する。なお、実施例1乃至3と共通する事項についての説明は省略する。
【0068】
図16によれば、ファンモータ制御回路80から印加可能な100%の電圧でファンモータ112を駆動している状態を全速駆動と規定する。一方、全速駆動状態のファンモータ112の回転速度よりも低速の回転速度(例:50%)でファンモータ112が回転している状態を減速駆動と規定する。減速駆動は、ファンモータ制御回路80がファンモータ112へ印加する電圧を低下させることで実現できる。なお、ファンモータ制御回路80は、ファンモータ112へ印加する電圧を任意の割合で変更できてもよい。そのため、全速駆動を最大印加可能電圧に対して例えば70%の印加電圧で実現してもよい。この場合、減速駆動は、例えば、それよりも低下した30%の印加電圧によって実現できる。
【0069】
図16によれば、S1700が示すアイドル状態において、ファンモータ112は減速駆動されている。S1101で画像形成が開始されるとファンモータ112は全速駆動される。S1103で画像形成が終了すると、一般には、ファンモータ112は全速駆動から減速駆動に切り替えられる。しかし、本発明ではS1704でクリーニングシーケンスが実行されるため、ファンモータ112を引き続き全速駆動している。S1706でクリーニングシーケンスが終了すると、ファンモータ112は全速駆動から減速駆動に切り替えられる。クリーニングシーケンスが実行されている間は多少の聴覚的に感知可能な駆動音がモータから発生するため、ファンモータ112の駆動音は目立ちにくい。よって、クリーニングシーケンスの期間に、ファンモータ112を全速駆動することで、冷却および排熱の効果を高めることができる。
【0070】
図17によれば、S1700で、CPU114は、現在の状態が待機状態であるため、ファンモータ制御回路80に減速駆動指示を送信する。ファンモータ制御回路80は、減速駆動指示を受信すると、ファンモータ112を減速駆動する。待機中は、レーザプリンタ100が備える各部の通電割合が減少している状態となる。よって、冷却および排熱に必要な風量が画像形成時の風量と比較して減少する。画像形成の開始指示を受けると、S1101に進む。S1101の次にS1701に進み、CPU114は、ファンモータ制御回路80に全速駆動指示を送信する。ファンモータ制御回路80は、全速駆動指示を受信すると、ファンモータ112を全速駆動する。その後、S1102に進み、画像形成が終了すると、S1103でモータが停止される。画像形成動作が終了するため、各ユニットへの通電割合が減少している状態となる。しかし、本実施例では、S1703に進み、CPU114は、全速駆動を継続する。その後、S1704に進み、CPU114は、クリーニングシーケンスへ移行する。クリーニングシーケンスは、実施例2のS1104ないしS1110(図11)や実施例3のS1501ないしS1110(図15)に相当する。
【0071】
S1705で、CPU114は、クリーニングシーケンスが終了したか否かを判定する。クリーニングシーケンスが終了すると、S1706に進む。S1706で、CPU114は、画像形成待機状態に移行する。S1707で、CPU114は、ファンモータ112を減速駆動するよう、ファンモータ制御回路80に減速駆動指示を送信する。
【0072】
本実施例では、CPU114は、画像形成装置における画像形成処理の実行中に加え、複数の駆動手段が間欠的に動作している途中にも冷却手段を動作させる。これにより、本実施例は、実施例1乃至3の効果に加えて、ファンモータ112の聴覚的な駆動音を低減しつつ冷却や排熱を維持できるといった効果を奏することができる。一般に各ステーションから発生する駆動音の周波数と、ファンモータ112から発生する駆動音の周波数とは異なっているため、これらを重畳させても聴覚的な駆動音のエネルギーはさほど増加しない。あるいは、ファンモータ112から発生する駆動音は、各ステーションから発生する駆動音によって目立ちにくくなる。よって、ファンモータ112の聴覚的に感知可能な駆動音が低減することになる。
【0073】
[他の実施例]
実施例4では、減速駆動の一例として全速駆動の50%や30%を示したが、減速駆動にはファンモータ112の駆動停止も含まれる。また、レーザプリンタ100が複数のファンモータ112を備えていてもよい。この場合、より多くのファンモータ112を駆動することが全速駆動に相当し、それよりも少ないファンモータ112を駆動することが減速駆動に相当する。
【0074】
上述の各実施例では、感光ドラム105が一旦停止した後に、感光ドラム105を画像形成時と同じ方向に間欠的に複数回回転させるものであった。もちろん、複数回の回転の後にさらに逆方向に回転させてから感光ドラム105を停止させるようなクリーニングシーケンスが採用されてもよい。感光ドラム105の駆動手段してDCブラシレスモータを例示したが、他の種類の駆動源が採用されてもよい。レーザプリンタ100は、4つのステーションを備えているが、ステーションの数は2以上であればよい。クリーニングシーケンスにおける駆動回数を4回としたが、駆動回数を複数であれば任意に設定可能である。駆動指示時間の例を4種類(T1、T2、T3、T4)としたが、駆動指示時間の種類は2種類以上であれば十分である。また、モータ停止後の待機時間も任意の範囲で設定可能である。制御開始タイミングのオフセットも任意の範囲で設定可能である。
【0075】
また上述の実施例では、1モータで1ステーションの像担持体を駆動する構成で説明を行ったものの、1モータで2ステーション以上の複数の像担持体を駆動する構成にも適用可能であるものとする。例えば、実施例1で第1ステーションと第3ステーションとを共通のDCブラシレスモータで駆動させ、第2ステーションと第4ステーションとを共通のDCブラシレスモータで駆動させても良い。
【0076】
また、クリーニングシーケンスは、像担持体を間欠的に複数回回転させ停止させる制御にて説明を行った。しかし、本発明は、像担持体が一旦停止した後に、像担持体を画像形成時と同じ方向に間欠的に複数回回転させ、次に逆方向に回転させてから停止させるクリーニングシーケンスにも適用可能である。例えば、逆方向に回転させる際に像担持体の移動距離が5mmないし10mmとなる駆動指示時間Tを設定すればよい。移動距離の数値は、各画像形成装置の構成およびばらつきを考慮して選択するものとする。また、クリーニングシーケンスの駆動回数を4回にて説明したものの、駆動回数を任意に設定可能であるとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、像担持体を備えた画像形成装置に係り、とりわけ、像担持体のクリーニング制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスや静電記録プロセスなどを採用した転写方式の画像形成装置では、用紙へと転写されずに像担持体の表面に残っている現像剤をクリーニングする必要がある。像担持体とクリーニングブレードとを当接させたまま放置すると、これらの当接領域に微粉トナーや外添剤などが凝集し、スジや画像ブレ(濃度変動等)等の画像不良が発生する。一般に、像担持体の表面(周面)のうち微粉トナー等が凝集した部分の摩擦係数μは相対的に低下する。よって、摩擦係数μが低下した部分をクリーニングブレードが通過する際に像担持体の回転速度(周速度)が一時的に速くなってしまう。これがスジや画像ブレ等の画像不良の一因となる。
【0003】
特許文献1によれば、画像形成が終了すると像担持体を停止させ、その後、像担持体を微小回転させることで微粉トナーを除去し、さらに像担持体を逆回転させることで凝集を低減する発明が提案されている。特許文献2によれば、画像形成時の回転方向と同一方向へ間欠的に像担持体を回転させ、その後、像担持体を逆方向に回転させる発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−62280号公報
【特許文献2】特開2006−091685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1又は2に記載の発明は、像担持体が停止した後に、その表面(周面)を所定距離移動させることで、微粉トナーや外添剤などの凝集に起因したスジや画像ブレ等の画像不良を低減できる点で優れている。しかし、像担持体をクリーニングする際に像担持体とクリーニングブレードの当接部やモータ駆動ギア列等から発せられる駆動音を低減したいという新たな要求が存在する。なお、ここでの駆動音とは、クリーニングシーケンスにおいて像担持体を駆動させることに応じて発生する音のことを指す。
【0006】
とりわけ、カラー画像形成装置では複数の像担持体が存在するため、これらを同時にクリーニングすれば、聴感的に大きな駆動音になりやすい。また、クリーニングのためのクリーニングシーケンスは画像形成後に実行されるため、ユーザの不快指数が大きくなりやすい。なぜなら、ユーザは画像形成に関する駆動音なら許容しやすいが、画像形成と関連性が小さい駆動音を不快と思う傾向があるからである。なお、聴感とは何ならかの音が人間の耳に聞こえる状態を指す。よって、物理的な音の大小(振動エネルギーの大小)が、必ずしも人間によって知覚される音の大小に対応するとは限らない。
【0007】
本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、本発明は、クリーニングシーケンスにより画像不良の発生を抑えるとともに、駆動音を低減することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、像担持体に担持された画像の転写処理後に複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材とを備えた画像形成装置に適用できる。さらに、画像形成装置は、複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、複数の駆動手段を動作させる駆動制御手段と、駆動手段の動作期間を設定するための駆動パラメータを複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定手段とを備え、該駆動制御手段は、該設定手段により設定された駆動パラメータに従って複数の駆動手段を動作させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クリーニングシーケンスにより画像不良の発生を抑えるとともに駆動音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタの概略断面図である。
【図2】DCブラシレスモータの駆動回路を示した図である。
【図3】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図4】クリーニングシーケンスにおけるモータ制御の回転数と発生音量の一例を示した図である。
【図5】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図6】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図7】オフセットを管理するためのテーブルの一例を示した図である。
【図8】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図9】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図10】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図11】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図12】駆動指示時間及び待機時間を設定するために使用されるテーブルの一例を示した図である。
【図13】クリーニングシーケンスの一例を示した図である。
【図14】オフセットを管理するためのテーブルの一例を示した図である。
【図15】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【図16】ファンモータの動作状態とクリーニングシーケンスの関係を示した図である。
【図17】クリーニングシーケンスを含む画像形成処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
[実施例1]
図1に示した画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンター、複写機、複合機、ファクシミリのいずれであってもよい。レーザプリンタ100は、記録紙Pにカラー(多色)の画像を形成するために複数の画像形成ステーション(以下、ステーションと称す。)を備えている。本実施形態では4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBk)の現像剤(トナー)を使用するため4つの画像形成ステーションが存在する。すなわち、図1によれば、第1の像担持体、第2の像担持体、第3の像担持体および第4の像担持体は順次画像を重畳形成するために、記録紙の搬送方向の上流から下流に向かって、並列に配置されている。記録紙は、記録材、記録媒体、用紙、シート、転写材、転写紙と呼ばれることもある。
【0013】
給紙カセットに収納された記録紙Pは、ピックアップローラ101によって搬送路へと繰り出され、各種の搬送ローラによって搬送路内を搬送される。画像形成ステーションは、スキャナーユニット102Y、M、C、Kと、プロセスカートリッジ103Y、M、C、Kと、転写ローラ104とによって構成されている。スキャナーユニット102Y、M、C、Kは、ビデオコントローラ110から送出される各画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光する。これにより、像担持体である感光ドラム105に静電潜像が形成される。4つのプロセスカートリッジ103Y、M、C、Kのそれぞれには、電子写真プロセスの実行に必要となる感光ドラム105、帯電ローラ106、現像ローラ107、トナー格納容器108及びクリーニングブレード109を具備している。感光ドラム105の表面に担持されている静電潜像は、現像ローラ107によって現像剤像に現像され、記録紙Pへ転写される。4つの感光ドラム105は、現像剤による画像を担持する複数の像担持体の一例である。クリーニングブレード109は、画像の転写処理後に、対応する像担持体に残存している現像剤をクリーニングする複数のクリーニング部材の一例である。クリーニング部材としては、駆動音が生じる限り、クリーニングブレード109とは異なるクリニーニング機構が採用されてもよい。定着装置111は、記録紙P上に転写されたトナー像を熱定着するユニットである。
【0014】
ファンモータ112は、画像形成装置の内部を冷却する冷却装置の一例である。ファンモータ112は、制御基板113に搭載されたCPU114により制御され、画像形成装置内の温度を所望値に保つ。画像形成動作中、CPU114は、昇温を抑えるために、ファンモータ112に印加する電圧をアイドル時よりも増加させる。これを全速駆動と呼ぶ。画像形成待機中、CPU114は、減速駆動する。減速駆動でのファンモータ112の回転速度は、全速駆動時の回転速度よりも低い。これにより、消費電力の低減と稼動音を極力抑えることができる。
【0015】
図2によれば、感光ドラム105及び現像ローラ107の駆動源であるDCブラシレスモータの駆動回路が示されている。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像形成ステーションに対応している。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、複数の像担持体のうちそれぞれ対応する像担持体を駆動するための複数の駆動手段の一例である。DCブラシレスモータ40Y、40M、40C、40Kは、それぞれ同一構成であるため、ここではDCブラシレスモータ40Yについて説明する。
【0016】
CPU114は、DCブラシレスモータ40Yに駆動信号を送出し、DCブラシレスモータ40Yのモータ駆動回路42は受信した駆動信号に従って対応するプロセスカートリッジ103Yを駆動するためのDCブラシレスモータ40Yを制御する。DCブラシレスモータ40Yは、モータ駆動回路42、3個のホール素子49及びアンプ51を備えている。モータ駆動回路42は、モータ駆動制御回路43を備えている。モータ駆動制御回路43は、3個のホール素子49が出力するロータ位置を示す信号により相切り替え制御を実行する。さらに、モータ駆動制御回路43は、CPU114からの制御信号にしたがってDCブラシレスモータの始動、停止および速度制御を行う。DCブラシレスモータ40Yは、U、V、Wの3相をスター結線したコイル47とロータ50を備えている。3個のホール素子49は、ロータ50の磁極を検知し、ロータの位置を示す検知信号をアンプ51に出力する。アンプ51は、検知信号を増幅して、モータ駆動制御回路43へ出力する。モータ駆動制御回路43は、検知信号に従って6個のFET(電界効果トランジスタ)を制御することで、DCブラシレスモータ40Yを回転させる。
【0017】
ファンモータ制御回路80は、CPU114からの制御信号に従ってファンモータ112の回転数を制御する回路である。CPU114は、画像形成シーケンス、クリーニングシーケンスではファンモータ112を高速回転させる。一方、CPU114は、これ以外のアイドルシーケンスでは、ファンモータ112を停止または低速回転させる。CPU114やファンモータ制御回路80は、冷却手段の動作の開始と停止とを制御する冷却制御手段として機能する。
【0018】
図3に示されたクリーニングシーケンスは、感光ドラム105に残存した残現像剤をクリーニングブレード109により除去するためのクリーニングシーケンスである。なお、このクリーニングシーケンスについて像担持体である感光ドラムを間欠的に微小駆動することから、像担持体微小駆動シーケンスなどと呼ぶこともできる。
【0019】
クリーニングシーケンスでは、例えば、感光ドラム105を画像形成時の回転方向と同じ方向に間欠的に回転させてから停止させる。ここでは、第n番目のステーションに着目して説明する。なお、横軸は時間を示している。なお、ここでのステーションとはプロセスカートリッジ103に対応するものであり、またはプロセスカートリッジに含まれる感光ドラム(像担持体)に対応するものと解釈することができる。
【0020】
図3によれば、シーケンス開始から終了までの間に第n番目のステーション内では感光ドラム105を4回駆動している。すなわち、CPU114やモータ駆動回路42などは、クリーニングシーケンスの間にN(Nは2以上の自然数)回に分けて間欠的に複数の像担持体を駆動するよう複数のDCブラシレスモータを制御する。なお、像担持体である感光ドラムの数と、それらを駆動するDCブラシレスモータの数とは必ずしも一致している必要はない。両者が一致していなくても、本発明は適用可能である。図3によれば、像担持体の駆動制御を継続する時間(駆動制御継続時間)は、1回目から4回目までともにT0(一定値)に設定されている。なお、駆動制御継続時間に対応してモータの駆動動作期間が決まる。
【0021】
隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間Xが存在する。待機時間Xは任意の値に設定可能である。そのため、1回目の駆動と2回目の駆動との間の待機時間Xと、2回目の駆動と3回目の駆動との間の待機時間Xとが異なる値に設定されてもよい。ただし、説明の便宜上、いずれの待機時間Xも同一(一定値)であるものとして説明する。
【0022】
図4を用いて、像担持体の駆動指示時間の短長による回転数rpmの時間変化と、駆動音dBの時間変化との関係を説明する。図4(a)から図4(f)のすべての図で横軸は時間を示す。
【0023】
図2で説明したDCブラシレスモータ40Y〜40Kは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている目標速度値で定速度制御される。しかし、本クリーニングシーケンスでは定速度制御を行う速度領域でモータ制御を行っていない。本クリーニングシーケンスではCPU114から駆動信号が送出され、モータが目標速度値に至らない加速中に、CPU114からの停止信号によりモータが停止される。つまり、モータの速度情報がCPU114にフィードバックされる前に、モータが停止する。その時点での速度情報がCPU114に反映されないため、見かけ上フィードフォワードのモータ制御となる。これは、駆動対象の像担持体の負荷量によって、速度ばらつきが発生しやすくなることを意味する。
【0024】
図4(a)と図4(b)は、DCブラシレスモータ40の駆動指示時間(駆動制御時間)を表す。矩形波が立ち上がっている場合に駆動指示がONになっているものとする。図4(a)の駆動指示時間Tαは駆動指示時間Tβに比べ短い。図4(c)と図4(d)では、縦軸がモータ回転数を表す。このモータが回転している区間がモータの駆動時間に対応することとなる。このモータの駆動時間は、概ねモータの駆動指示時間(駆動制御時間)に一致している。なお、図4(a)、図4(c)及び図4(e)の時間軸は同期している。同様に、図4(b)、図4(d)及び図4(f)の時間軸も同期している。図4(a)と図4(b)が示すようにDCブラシレスモータ40への駆動電流値を供給すると、図4(c)と図4(d)のような角速度変動が現われる。なお、斜線部の面積Sは両者ともに同値又は略同値である。積分値である像担持体の移動距離は論理的に同じ値になるものとする。本実施例では、例えば像担持体の移動距離が1mmであるとして説明をする。
【0025】
図4(e)と図4(f)はクリーニングシーケンス動作によって発生する駆動音を表す。クリーニングシーケンスの駆動音dBの観点で言えば、駆動指示時間が長いほうが駆動音を小さくしやすい。図4(f)と図4(e)とを比較すると、モータ駆動トルクが小さい状態で十分に長い時間をかけて像担持体を所定距離だけ移動させると、駆動音dBが相対的に小さく抑えられる。
【0026】
一方で、モータの駆動対象である像担持体は耐久が進むと、新品時の像担持体と比較してモータに与える負荷量が大きくなる傾向がある。また、像担持体は新品時であっても、許容範囲内での製造上の個体差が発生する。よって、モータに与える負荷量が各々の像担持体によって異なり得る。駆動指示時間Tβのように長い時間をかけてモータを駆動すると、モータのトルクが小さいので、像担持体の負荷ばらつきの影響を受けやすい。これらの影響により、像担持体の耐久前後でクリーニングシーケンス時の像担持体の移動距離にばらつきが発生しうる。ときには、クリーニングシーケンス実行しても、像担持体が全く動かない場合も発生し得る。よって、駆動指示時間をTβのような値に固定してしまうと、クリーニングシーケンスにおける像担持体の移動距離のばらつきが大きくなり、色ずれが発生してしまう。
【0027】
このような理由から、駆動指示時間Tαのように短い時間かつ大電流でモータを駆動し、モータ駆動トルクが大きい状態で、像担持体を移動距離1mm動かすモータ制御の方が移動距離のばらつきを抑えられる。像担持体の負荷ばらつきの影響を受けにくいため、像担持体の耐久前後でクリーニングシーケンスの移動距離にばらつきが発生しにくい。一方、クリーニングシーケンスの駆動音の観点で言えば、図4(e)が示すように、発生する駆動音が大きくなってしまう。つまり、複数回の間欠駆動のトータルにおける像担持体の移動距離のバラツキが十分に許容できる範囲に収まる程度の短い時間に像担持体の駆動指示時間Tを設定する必要がある。
【0028】
次に図5、図6を用いてクリーニングシーケンスの制御動作に関して説明する。図5の横軸は時間軸である。図5によれば、第1番目から第4番目の各ステーションにおいて、感光ドラム105は4回(駆動回数N=1、2、3、4)に分けて駆動されている。各ステーションは、YMCKのいずれか1つである。駆動回数N=1、2、3、4のそれぞれにおいて、各ステーションで設定されている駆動指示時間T0は同値である。また図示はされてないが隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間X1が設定されている。このことは後述の図8でも同様である。
【0029】
図6に示されたフローチャートは、ある第n番目のステーションの動作を示している。本実施例では4つのステーションが存在するものとして説明を行うため、4つの同様のフローチャートが同時間軸上で存在するものとして説明する。なお、図中のSはステップや工程を意味する。
【0030】
S601で、CPU114は、画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。S602で、CPU114は、画像形成動作が終了したか否かを判定する。画像形成動作が終了すると、S603に進む。S603で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを停止させるための制御信号をモータ駆動制御回路43に送信する。モータ駆動制御回路43は、当該制御信号を受信すると、通電を停止する。これにより、DCブラシレスモータ40Y〜40Kが停止する。
【0031】
図7(a)が示すテーブルAは、各ステーションの最初の駆動開始タイミングにオフセット時間を設定するためのテーブルを示した図である。テーブルAは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている。テーブルAによれば、1番目と3番目のステーションに適用されるオフセットはゼロである。2番目と4番目のステーションに適用されるオフセットはtaである。このように、第1及び第3のステーション(像担持体)の駆動制御開始タイミングは共通に設定されている。また、第2及び第4のステーション(像担持体)の駆動制御開始タイミングも共通に設定されている。これにより、同時に駆動されステーションがバランスよく空間的に分散される。このように隣り合って配置されたステーションをペア(グループ)とするよりも、1つまたはそれ以上飛ばしてペアを形成して同時並行的に駆動することで、聴感が軽減されると考えられる。今回は4つのステーションを一例としているため、1番と3番のペアと、2番と4番のペアが形成された。もし、6つであれば、1番と4番のペア、2番と5番のペア、3番と6番のペアを形成するか、あるいは、1番と3番と5番のグループ、2番と4番と6番のグループを形成すればよい。また、6つの場合に、1番と5番のペア、2番と4番のペア、3番と6番のペアとするなと、1つ飛ばしのペアと4つ飛ばしのペアとを混在させてもよい。要するに、隣り合った2つのステーションをペアとしなければ、駆動音の発生源を空間的に分散できるため、聴感を軽減できよう。なお、ステーションの数は、4つや6つにのみ限定されるわけではなく、基本的に、複数であれば本発明の技術思想を適用できる。
【0032】
S604で、CPU114は、テーブルAを参照し、各ステーションの最初の制御開始タイミングにオフセット時間を設定する。CPU114は、1番目のステーションについて、制御開始タイミングにオフセットとしてゼロを設定する(何もしない)。2番目のステーションについて、CPU114は、制御開始タイミングにオフセットとしてtaを加算する。3番目のステーションの制御開始タイミングにオフセットとしてゼロを設定し、4番目のステーションの制御開始タイミングにはオフセットとしてtaが加算される。このように、CPU114は、クリーニングシーケンスにおける複数の像担持体におけるそれぞれの制御開始タイミングにそれぞれ異なるオフセット時間を加算する加算手段として機能する。
【0033】
S605で、CPU114は、各ステーションにおけるDCブラシレスモータ40Y〜40Kの駆動指示時間、待機時間を設定する。具体的には、CPU114は、第1番目のステーションから第4番目のステーションに駆動指示時間T0、待機時間として例えばX1を設定する。S606で、CPU114は、駆動回数をカウントするための変数Nに初期値として1を代入する。なお、このS606を含むS606乃至S613の処理は、各ステーションごとに並行して実行される。またこの時点でCPU114によりS607の判定対象となるタイマーが起動される。S607で、CPU114は、各ステーションについて設定されたオフセット時間に相当する時間が経過したか否かを判定する。設定されたオフセット時間が経過したステーションについてはステップS608に進む。S608で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを各制御開始タイミングにしたがって起動し、対応する感光ドラム105を駆動させる。
【0034】
S609で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのそれぞれについて、制御開始タイミングから駆動指示時間T0が経過したか否かを判定する。CPU114は、カウンタなどを用いて、制御開始タイミングからの経過時間を監視する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータについてS610に進む。S610で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータを停止させる。CPU114は、対応するDCブラシレスモータに停止を意味する制御信号を送信する。
【0035】
S611で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kについてそれぞれに設定された待機時間が経過したか否かを判定する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、待機時間が経過したDCブラシレスモータについては、S612に進む。S612で、CPU114は、駆動回数を計測するための変数Nが4であるか否かを判定する。すなわち、CPU114は、1つのクリーニングシーケンスにおいて複数に分けて間欠的に実行される感光ドラム105の駆動がすべて終了したか否かを判定する。Nがすべて終了したことを意味していなければ、S613に進む。S613で、CPU114は、変数Nを1つインクリメントする。その後、CPU114は、S608ないしS611を繰り返す。Nがすべて終了したことを意味していれば、クリーニングシーケンスを終了する。
【0036】
このように、図6のフローチャートによれば、複数の駆動手段の各制御開始タイミングをそれぞれ異なるようにしたので、複数のDCブラシレスモータの駆動に関連して発生する駆動音が時間的に分散される。これにより、クリーニングシーケンスにおける聴感的な駆動音が低減され、スジや画像ブレも減少する。
【0037】
ここで、図5のクリーニングシーケンスを変形したシーケンスについて説明する。図8は、図5に対して別の駆動パラメータが設定された場合のクリーニングシーケンスを示す図である。図7(b)によれば、1番目のステーションに適用される動作期間を設定するためのオフセットはゼロである。2番目のステーションに適用されるオフセットはtcである。3番目のステーションに適用されるオフセットはtbである。4番目のステーションに適用されるオフセットはtdである。なお、各オフセット間の大小関係は、0<tb<tc<tdである。なお、テーブルBは、CPU114により参照されるオフセット時間を管理するためのテーブルである。テーブルBもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。そして、上に説明した図6のフローチャートのS604で、CPU114がテーブルBを参照し、各ステーションの最初の駆動制御開始タイミングに対してオフセット時間を設定することで、図8(a)のクリーニングシーケンスが実行される。
【0038】
図8(a)に示すように、tc>tb+T0とすることで、各同一駆動回内で、どのステーションのモータも駆動しないモータ停止時間s1が存在する。このモータ停止時間s1を設定する事で、実施例1で説明した効果に加え、各ステーションのモータ駆動に関連して発生する駆動音をさらに時間的に分散させる効果が得られる。これにより、聴感的な駆動音がさらに低減される。
【0039】
また、図6のフローチャートのS604で、CPU114がテーブルC(図7(c))を参照することで、図8(b)に示されるクリーニングシーケンスが実行される。なお、テーブルCもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。図8の(b)では、各同一駆動回内に、どのステーションのモータも駆動しないモータ停止時間s2が存在するようオフセット時間te、tf、tgが設定されている。これにより図8(a)の場合と比べて、聴感的な駆動音がさらに低減される。
【0040】
[実施例2]
実施例2では実施例1をさらに発展させた例について説明する。図9が示すクリーニングシーケンスは、感光ドラム105に残存したトナーをクリーニングブレード109により除去するためのクリーニングシーケンスである。クリーニングシーケンスでは、例えば、感光ドラム105を画像形成時と同じ方向に間欠的に回転させてから停止させる。ここでは、第n番目のステーションに着目して説明する。なお、横軸は時間を示している。
【0041】
図9によれば、シーケンス開始から終了までの間に第nステーション内では感光ドラム105を4回駆動している。すなわち、CPU114やモータ駆動回路42などは、クリーニングシーケンスの間にN(Nは2以上の自然数)回に分けて間欠的に複数の像担持体を駆動するよう複数の駆動手段を制御する。N回目の駆動指示時間をTNと表す。つまり、T1、T2、T3、T4はそれぞれ1回目から4回目までの各駆動指示時間を示している。各駆動指示時間の大小関係はT1<T2<T3<T4である。このように、CPU114は、N回の駆動指示時間をそれぞれ異なる長さに設定する。
【0042】
隣り合った2つの駆動指示時間の間には待機時間が存在する。N回目の駆動が終了してからN+1回目の駆動が開始されるまでの間には、待機時間tN−(N+1)が存在する。図9によれば、3つの待機時間t1−2(1回目と2回目間の待機時間)、t2−3(2回目と3回目間の待機時間)、t3−4(3回目と4回目間の待機時間)が示されている。各待機時間の大小関係はt1−2>t2−3>t3−4である。
【0043】
隣り合った2つの駆動指示時間の中心値間の間隔はXである。図9が示すように、この間隔は、すべての中心値間で一定である。例えば、1回目の駆動指示時間の中心値から2回目の駆動指示時間の中心値までの時間間隔はXであり、3回目の駆動指示時間の中心値から4回目の駆動指示時間の中心値までの時間間隔もXである。数式を用いて表現すれば、次の関係が成立する。
T1/2 + t1−2 + T2/2=X
T2/2 + t2−3 + T3/2=X
T3/2 + t3−4 + T4/2=X
図10によれば、第1番目から第4番目のステーションにおいて、感光ドラム105は4回(駆動回数N=1、2、3、4)に分けて駆動されている。各ステーションは、YMCKのいずれか1つである。
【0044】
図10によれば、駆動回数N=1、2、3、4のそれぞれにおいて、各ステーションにおいて選択される駆動指示時間は異なっている。例えば、1回目の駆動において、第1番目から第4番目のステーションに適用される駆動指示時間はそれぞれT1、T4、T3、T2である。しかし、T1、T4、T3、T2はいずれも異なる値となっている。さらに、各ステーションで適用される駆動指示時間の合計値(TT=T1+T2+T3+T4)は、いずれの駆動回においても同一である。
【0045】
一方で、各ステーションにおいて、1回目から4回目の駆動でそれぞれ適用される駆動指示時間も異なっている。例えば、2番目のステーションにおける1回目から4回目の駆動でそれぞれ適用される駆動指示時間は、T4、T1、T2、T3となっている。1回目から4回目までの駆動指示時間の合計時間(TH=T1+T2+T3+T4)は、いずれのステーションにおいても同一である。すなわち、CPU114は、複数の像担持体のそれぞれでN回の駆動指示時間の合計時間が同一となるように駆動指示時間を設定する。これは、各ステーションにおける感光ドラム105の周面の合計移動距離のバラツキを低減し、スジや画像ムラを抑制するためである。
【0046】
各ステーションにおいて感光ドラム105の駆動制御指示を開始するタイミング(制御開始タイミング)は、それぞれ異なるタイミングとなる。図10によれば、最初(N=1)の駆動において、最長の駆動指示時間T4を設定された第2番目のステーションを基準として他のステーションの駆動開始タイミンが決定される。すなわち、クリーニングシーケンスの開始タイミングと、第2番目のステーションにおける感光ドラム105の制御開始タイミングとは一致している。さらに、クリーニングシーケンスの終了タイミングは、最後(N=4)の駆動において、最後まで駆動していた第1番目のステーションの感光ドラム105が停止した時点である。すなわち、最後(N=4)の駆動において、最長の駆動指示時間T4を設定された第1番目のステーションを基準として、クリーニングシーケンスの終了タイミングが規定されている。また、図10が示すように、N回の駆動のそれぞれにおいて、各ステーションにおける駆動指示時間の中心は一致している。図10によれば、1回目の駆動における各ステーションの駆動指示時間の中心はT4/2である。ちなみに、2回目の駆動における各ステーションの駆動指示時間の中心はT4/2 + Xである。このように、CPU114は、複数の像担持体における各回の駆動指示時間の中心時刻が同一となるように駆動指示時間と制御開始タイミングとを設定する。これは、駆動音を時間的に及び周波数的に分散させる効果がある。
【0047】
図10が示すように、各回における駆動指示時間と制御開始タイミングとをステーションごとに異ならしめることで、駆動音のエネルギーが時間的に分散され、かつ駆動音の周波数も特定の周波数のみに集中しないようになる。よって、聴覚的な駆動音が低減される。
【0048】
図11が示すS1101で、CPU114は、画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。S1102で、CPU114は、画像形成動作が終了したか否かを判定する。画像形成動作が終了すると、S1103に進む。S1103で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを停止させるための制御信号をモータ駆動制御回路43に送信する。モータ駆動制御回路43は、当該制御信号を受信すると、通電を停止する。これにより、DCブラシレスモータ40Y〜40Kが停止する。
【0049】
S1104で、CPU114は、駆動回数をカウントするための変数Nに初期値として1を代入する。S1105で、CPU114は、各ステーションにおけるDCブラシレスモータ40Y〜40Kの駆動指示時間、待機時間及び駆動指示時間などを設定する。このように、CPU114は、一連の画像形成処理が終了した後に複数の駆動手段を間欠的に動作させて複数の像担持体をクリーニングする際の複数の駆動手段の各駆動指示時間と各制御開始タイミングとをそれぞれ異なるように設定する手段として機能する。
【0050】
図12によれば、テーブルA及びテーブルBは、CPU114からアクセス可能な記憶装置(例:RAM、ROM)に記憶されている。テーブルAは、各駆動回数における各ステーションの駆動指示時間TNとの対応関係を登録したテーブルである。テーブルBは、各駆動回数における各ステーションの待機時間tN−(N+1)との対応関係を登録したテーブルである。なお、図12に示したテーブルA及びテーブルBに登録されている値は、図10に示した値と同一である。
【0051】
具体的には、1回目(N=1)の駆動で、CPU114は、テーブルAから第1番目のステーションに駆動指示時間T1を設定し、第2番目のステーションにT4を設定し、第3番目のステーションにT3を設定し、第4番目のステーションにT2を設定する。
【0052】
さらに、CPU114は、各ステーションにおける制御開始タイミングを設定する。上述したように、最長の駆動指示時間T4が基準として使用される。CPU114は、1回目の駆動における各駆動指示時間の中心(T4/2)を決定する。そこから、CPU114は、他のステーションに設定された駆動指示時間(T1、T2、T3)の半分を減算することで、他のステーションの制御開始タイミングを算出する。例えば、第1番目のステーションの開始タイミングは、T4/2−T1/2となる。なお、この制御開始タイミングの決定は、最初にS1106を実行する直前の一度のみとする。また、2回目以降の駆動における各ステーションの制御開始タイミングは、1回目の駆動終了タイミングに待機時間を加算したタイミングとなる。例えば、第1番目のステーションの2回目の駆動に関する制御開始タイミングは、T4/2 + T1/2 + t1−2となる。同様に、第1番目のステーションの3回目の駆動に関する制御開始タイミングは、T4/2 + T1/2 + t1−2 + T2 +t2−3となる。
【0053】
S1106で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kを各上で説明したように算出された制御開始タイミングにしたがって起動し、対応する感光ドラム105を駆動させる。S1107で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのそれぞれについて、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したか否かを判定する。CPU114は、カウンタなどを用いて、制御開始タイミングからの経過時間を監視する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータについてS8に進む。S1108で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、制御開始タイミングから駆動指示時間が経過したDCブラシレスモータを停止させる。CPU114は、対応するDCブラシレスモータに停止を意味する制御信号を送信する。
【0054】
S1109で、CPU114は、DCブラシレスモータ40Y〜40Kについてそれぞれに設定された待機時間が経過したか否かを判定する。S1105ないしS1109から明らかなように、CPU114及びモータ駆動制御回路43などは、設定手段により複数の駆動手段のそれぞれに設定された駆動指示時間と制御開始タイミングとに従って複数の駆動手段を制御する駆動制御手段として機能する。DCブラシレスモータ40Y〜40Kのうち、待機時間が経過したDCブラシレスモータについては、S1110に進む。
【0055】
S1110で、CPU114は、駆動回数を計測するための変数Nが4であるか否かを判定する。すなわち、CPU114は、1つのクリーニングシーケンスにおいて複数に分けて間欠的に実行される感光ドラム105の駆動がすべて終了したか否かを判定する。Nがすべて終了したことを意味していなければ、S1111に進む。S1111で、CPU114は、変数Nを1つインクリメントする。その後、CPU114は、S1105ないしS1110を繰り返す。Nがすべて終了したことを意味していれば、クリーニングシーケンスを終了する。
【0056】
図11のフローチャートによれば、複数のDCブラシレスモータの駆動に関連して発生する駆動音が時間的及び周波数的に分散され、クリーニングシーケンスにおける聴感的な駆動音が低減され、スジや画像ブレも減少する。例えば、各ステーションの像担持体を回転駆動させるモータの駆動指示時間を長短で混在させることで、モータの角加速が異なるようになる。これにより、ステーションごとの駆動音の周波数が異なるようになる。よって、駆動音のエネルギーが周波数軸上で分散されるため、聴感的な駆動音が低減される。従来のカラー画像形成装置では各ステーションで同一の制御開始タイミングで同一の駆動指示時間を適用していたため、駆動音が同一の時間帯かつ同一の周波数に集中していた。これでは、特定の時間帯に特定の周波数に駆動音のエネルギーが集中するための、聴感的な駆動音が大きくなりやすかった。
【0057】
なお、時間的に分散させずとも周波数的に分散させれば一定の聴感的駆動音の低減効果を得ることができる。例えば図10のN回目の感光ドラム駆動で、各ステーションの制御開始タイミングを揃えても良い。
【0058】
さらに、図10が示すように、各ステーションにおける合計の駆動指示時間はいずれも同一である。各ステーションにおける合計の駆動指示時間に微差があったとしても、実質的に同様の効果を得れる程度の微差であれば、これらは略同一といえる。すなわち、クリーニングシーケンスにおける各像担持体の周面の合計移動距離はいずれも少なくとも略同一の値となる。ところで、感光ドラムの周面速度に偏心成分がある場合に、いわゆる色ずれが発生しうる。色ずれ抑制するには、例えば、感光ドラム間の速度変動の位相を調整すればよい。このような状況において、各ステーションにおける合計の駆動指示時間が、同一または略同一となるので、色ずれという観点で理想的に調整された位相関係を崩さないようにできる。
【0059】
[実施例3]
実施例3は、実施例2の技術思想に各モータ間でクリーニングシーケンスの開始時刻に時間差(オフセット)を設定する技術思想を追加した発明である。以下では、実施例2と共通する事項の説明は省略する。
【0060】
図13によれば、1番目のステーションに適用されるオフセットはゼロである。2番目のステーションに適用されるオフセットはtaである。3番目のステーションに適用されるオフセットはtbである。4番目のステーションに適用されるオフセットはtcである。なお、各オフセット間の大小関係は、0<ta<tb<tcである。
【0061】
図14に示されたテーブルCは、各ステーションごとのオフセット(駆動遅延時間)を保持している。テーブルCもCPU114からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。
【0062】
図13と図14からわかるように、CPU114は、実施例2によって決定された制御開始タイミングをテーブルCのオフセットにしたがって調整する。1番目のステーションについて、CPU114は、1回目の制御開始タイミングがゼロとなるように変更する。2番目のステーションについて、CPU114は、1回目の制御開始タイミングにオフセットとしてtaを加算する。3番目のステーションの制御開始タイミングにはtbが加算され、4番目のステーションの制御開始タイミングにはtcが加算される。
【0063】
図15に示された実施例3を実施例2と比較すると、S1103とS1104の間に新たにS1501が追加されている。さらに、S1105とS1106との間に新たにS1502が追加されている。S1101ないしS1103を実行した後で、S1501に進む。
【0064】
S1501で、CPU114は、テーブルCを参照し、各ステーションの最初の制御開始タイミングにオフセットを設定する。その後、S1104、S1105を実行し、S1502に進む。S1502で、CPU114は、各ステーションについて設定されたオフセットに相当する時間が経過したか否かを判定する。設定されたオフセットが経過したステーションについてはステップS1106に進む。なお、S1111の次には、S1105と同等のステップS1105’を実行してからS1106に進む。
【0065】
以上説明したように、実施例3では、実施例2で説明した効果に加えさらに駆動音を時間的に分散させる効果が奏される。これにより、聴感的な駆動音がさらに低減されよう。
【0066】
[実施例4]
実施例4は、実施例1乃至3で説明した技術思想に、冷却装置として機能するファンモータ112の制御シーケンスを加えた技術思想となっている。ファンモータ112は、画像形成装置の内部を冷却するための冷却手段の一例である。駆動音を発生する限りファン以外の冷却手段が採用されてもよい。
【0067】
一般に、ファンモータ112を駆動させれば聴覚的に感知可能な駆動音が発生する。よって、実施例4では、ファンモータ112の動作タイミングを工夫することで、冷却効果の維持と聴覚的な駆動音の低減とを両立する。なお、実施例1乃至3と共通する事項についての説明は省略する。
【0068】
図16によれば、ファンモータ制御回路80から印加可能な100%の電圧でファンモータ112を駆動している状態を全速駆動と規定する。一方、全速駆動状態のファンモータ112の回転速度よりも低速の回転速度(例:50%)でファンモータ112が回転している状態を減速駆動と規定する。減速駆動は、ファンモータ制御回路80がファンモータ112へ印加する電圧を低下させることで実現できる。なお、ファンモータ制御回路80は、ファンモータ112へ印加する電圧を任意の割合で変更できてもよい。そのため、全速駆動を最大印加可能電圧に対して例えば70%の印加電圧で実現してもよい。この場合、減速駆動は、例えば、それよりも低下した30%の印加電圧によって実現できる。
【0069】
図16によれば、S1700が示すアイドル状態において、ファンモータ112は減速駆動されている。S1101で画像形成が開始されるとファンモータ112は全速駆動される。S1103で画像形成が終了すると、一般には、ファンモータ112は全速駆動から減速駆動に切り替えられる。しかし、本発明ではS1704でクリーニングシーケンスが実行されるため、ファンモータ112を引き続き全速駆動している。S1706でクリーニングシーケンスが終了すると、ファンモータ112は全速駆動から減速駆動に切り替えられる。クリーニングシーケンスが実行されている間は多少の聴覚的に感知可能な駆動音がモータから発生するため、ファンモータ112の駆動音は目立ちにくい。よって、クリーニングシーケンスの期間に、ファンモータ112を全速駆動することで、冷却および排熱の効果を高めることができる。
【0070】
図17によれば、S1700で、CPU114は、現在の状態が待機状態であるため、ファンモータ制御回路80に減速駆動指示を送信する。ファンモータ制御回路80は、減速駆動指示を受信すると、ファンモータ112を減速駆動する。待機中は、レーザプリンタ100が備える各部の通電割合が減少している状態となる。よって、冷却および排熱に必要な風量が画像形成時の風量と比較して減少する。画像形成の開始指示を受けると、S1101に進む。S1101の次にS1701に進み、CPU114は、ファンモータ制御回路80に全速駆動指示を送信する。ファンモータ制御回路80は、全速駆動指示を受信すると、ファンモータ112を全速駆動する。その後、S1102に進み、画像形成が終了すると、S1103でモータが停止される。画像形成動作が終了するため、各ユニットへの通電割合が減少している状態となる。しかし、本実施例では、S1703に進み、CPU114は、全速駆動を継続する。その後、S1704に進み、CPU114は、クリーニングシーケンスへ移行する。クリーニングシーケンスは、実施例2のS1104ないしS1110(図11)や実施例3のS1501ないしS1110(図15)に相当する。
【0071】
S1705で、CPU114は、クリーニングシーケンスが終了したか否かを判定する。クリーニングシーケンスが終了すると、S1706に進む。S1706で、CPU114は、画像形成待機状態に移行する。S1707で、CPU114は、ファンモータ112を減速駆動するよう、ファンモータ制御回路80に減速駆動指示を送信する。
【0072】
本実施例では、CPU114は、画像形成装置における画像形成処理の実行中に加え、複数の駆動手段が間欠的に動作している途中にも冷却手段を動作させる。これにより、本実施例は、実施例1乃至3の効果に加えて、ファンモータ112の聴覚的な駆動音を低減しつつ冷却や排熱を維持できるといった効果を奏することができる。一般に各ステーションから発生する駆動音の周波数と、ファンモータ112から発生する駆動音の周波数とは異なっているため、これらを重畳させても聴覚的な駆動音のエネルギーはさほど増加しない。あるいは、ファンモータ112から発生する駆動音は、各ステーションから発生する駆動音によって目立ちにくくなる。よって、ファンモータ112の聴覚的に感知可能な駆動音が低減することになる。
【0073】
[他の実施例]
実施例4では、減速駆動の一例として全速駆動の50%や30%を示したが、減速駆動にはファンモータ112の駆動停止も含まれる。また、レーザプリンタ100が複数のファンモータ112を備えていてもよい。この場合、より多くのファンモータ112を駆動することが全速駆動に相当し、それよりも少ないファンモータ112を駆動することが減速駆動に相当する。
【0074】
上述の各実施例では、感光ドラム105が一旦停止した後に、感光ドラム105を画像形成時と同じ方向に間欠的に複数回回転させるものであった。もちろん、複数回の回転の後にさらに逆方向に回転させてから感光ドラム105を停止させるようなクリーニングシーケンスが採用されてもよい。感光ドラム105の駆動手段してDCブラシレスモータを例示したが、他の種類の駆動源が採用されてもよい。レーザプリンタ100は、4つのステーションを備えているが、ステーションの数は2以上であればよい。クリーニングシーケンスにおける駆動回数を4回としたが、駆動回数を複数であれば任意に設定可能である。駆動指示時間の例を4種類(T1、T2、T3、T4)としたが、駆動指示時間の種類は2種類以上であれば十分である。また、モータ停止後の待機時間も任意の範囲で設定可能である。制御開始タイミングのオフセットも任意の範囲で設定可能である。
【0075】
また上述の実施例では、1モータで1ステーションの像担持体を駆動する構成で説明を行ったものの、1モータで2ステーション以上の複数の像担持体を駆動する構成にも適用可能であるものとする。例えば、実施例1で第1ステーションと第3ステーションとを共通のDCブラシレスモータで駆動させ、第2ステーションと第4ステーションとを共通のDCブラシレスモータで駆動させても良い。
【0076】
また、クリーニングシーケンスは、像担持体を間欠的に複数回回転させ停止させる制御にて説明を行った。しかし、本発明は、像担持体が一旦停止した後に、像担持体を画像形成時と同じ方向に間欠的に複数回回転させ、次に逆方向に回転させてから停止させるクリーニングシーケンスにも適用可能である。例えば、逆方向に回転させる際に像担持体の移動距離が5mmないし10mmとなる駆動指示時間Tを設定すればよい。移動距離の数値は、各画像形成装置の構成およびばらつきを考慮して選択するものとする。また、クリーニングシーケンスの駆動回数を4回にて説明したものの、駆動回数を任意に設定可能であるとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、
前記複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、
前記像担持体に担持された画像の転写処理後に前記複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材と、
前記複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、前記複数の駆動手段を動作させる駆動制御手段と、
前記駆動手段の動作期間を決めるための駆動パラメータを前記複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定手段と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記設定手段により設定された駆動パラメータに従って前記複数の駆動手段を動作させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動パラメータは、前記駆動手段の駆動制御を開始するタイミングであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記複数の駆動手段のうちいずれかの駆動手段が駆動を終了した後に他のいずれかの駆動手段が駆動を開始するように前記駆動パラメータを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の像担持体として、順次画像を重畳形成するための第1、第2、第3及び第4の像担持体が並列に配置されており、
前記設定手段は、前記第1及び第3の像担持体の前記駆動パラメータを共通に設定し、かつ、前記第2及び第4の像担持体の前記駆動パラメータを共通に設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動制御手段は、前記複数の像担持体をそれぞれN回(Nは2以上の自然数)に分けて間欠的に駆動するよう前記複数の駆動手段を制御し、
前記設定手段は、前記駆動パラメータである前記N回の駆動指示時間をそれぞれ異なる長さに設定することを特徴とした請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記N回の駆動指示時間を加算して得られる合計時間が前記複数の像担持体のいずれにおいても同一または略同一となるように前記駆動指示時間を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記駆動パラメータには駆動指示時間と制御開始タイミングとが含まれており、前記設定手段は、各回の前記駆動指示時間の中心時刻が前記複数の像担持体のいずれにおいても同一または略同一となるように前記駆動指示時間と前記制御開始タイミングとを設定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置の内部を冷却するための冷却手段と、
前記冷却手段の動作の開始と停止とを制御する冷却制御手段と
をさらに備え、
前記冷却制御手段は、前記画像形成装置における画像形成処理の実行中に加え、複数の駆動手段が間欠的に動作している途中にも前記冷却手段を動作させ、前記間欠的な動作の終了に応じて前記冷却手段を減速駆動させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、前記像担持体に担持された画像の転写処理後に前記複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、前記複数の駆動手段を動作させる駆動制御工程と、
前記駆動手段の動作期間を決めるための駆動パラメータを前記複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定工程と
を含み、
前記駆動制御工程は、前記設定工程において設定された駆動パラメータに従って前記複数の駆動手段を動作させる工程を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
画像形成装置であって、
現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、
前記複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、
前記像担持体に担持された画像の転写処理後に前記複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材と、
前記複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、前記複数の駆動手段を動作させる駆動制御手段と、
前記駆動手段の動作期間を決めるための駆動パラメータを前記複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定手段と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記設定手段により設定された駆動パラメータに従って前記複数の駆動手段を動作させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動パラメータは、前記駆動手段の駆動制御を開始するタイミングであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記複数の駆動手段のうちいずれかの駆動手段が駆動を終了した後に他のいずれかの駆動手段が駆動を開始するように前記駆動パラメータを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の像担持体として、順次画像を重畳形成するための第1、第2、第3及び第4の像担持体が並列に配置されており、
前記設定手段は、前記第1及び第3の像担持体の前記駆動パラメータを共通に設定し、かつ、前記第2及び第4の像担持体の前記駆動パラメータを共通に設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動制御手段は、前記複数の像担持体をそれぞれN回(Nは2以上の自然数)に分けて間欠的に駆動するよう前記複数の駆動手段を制御し、
前記設定手段は、前記駆動パラメータである前記N回の駆動指示時間をそれぞれ異なる長さに設定することを特徴とした請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記N回の駆動指示時間を加算して得られる合計時間が前記複数の像担持体のいずれにおいても同一または略同一となるように前記駆動指示時間を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記駆動パラメータには駆動指示時間と制御開始タイミングとが含まれており、前記設定手段は、各回の前記駆動指示時間の中心時刻が前記複数の像担持体のいずれにおいても同一または略同一となるように前記駆動指示時間と前記制御開始タイミングとを設定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置の内部を冷却するための冷却手段と、
前記冷却手段の動作の開始と停止とを制御する冷却制御手段と
をさらに備え、
前記冷却制御手段は、前記画像形成装置における画像形成処理の実行中に加え、複数の駆動手段が間欠的に動作している途中にも前記冷却手段を動作させ、前記間欠的な動作の終了に応じて前記冷却手段を減速駆動させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
現像剤による画像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体を駆動するための複数の駆動手段と、前記像担持体に担持された画像の転写処理後に前記複数の像担持体に残存している現像剤をそれぞれクリーニングする複数のクリーニング部材とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の像担持体をクリーニングするために、画像形成が終了した後に、前記複数の駆動手段を動作させる駆動制御工程と、
前記駆動手段の動作期間を決めるための駆動パラメータを前記複数の駆動手段の間で異ならせて設定する設定工程と
を含み、
前記駆動制御工程は、前記設定工程において設定された駆動パラメータに従って前記複数の駆動手段を動作させる工程を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−286739(P2010−286739A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141622(P2009−141622)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]