説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】画像データの送受信に係る煩雑な作業を軽減し、画像データのセキュリティ性を高めること。
【解決手段】画像データを含む印刷データに基づいて画像を形成するプリンタ部171と、端末装置20と人体を介して通信を行う人体通信部154と、人体通信部により端末装置から印刷データを取得し、当該取得した印刷データに基づいてプリンタ部により画像を用紙に形成させる制御を行う制御部100と、を備える画像形成装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人体を通信媒体としてデータ通信を行う通信システムの開発が進んでいる。
人体に電界を付与することにより人体通信を行う電界方式の通信システムとして、例えば、送信すべきデータに対応した信号により変調された電界を人体に付与する送信機と、人体に発生した電界の変化を測定することによってデータを受信する受信機、とを備えた通信システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、人体に電流を流すことにより人体通信を行う電流方式の通信システムとして、例えば、人体に接する2つの送信電極、交流信号を生成する発信部、変調部、2つの送信電極間に電圧を印加する電圧印加部を備えるデータ送信装置と、データ送信装置を装着した人体の一部が接する受信電極、2つの送信電極間に流れる電流を検出する電流検出部、回路グランド、復調部を備えるデータ受信装置と、から構成されるものが開示されている(特許文献2参照)。
【0004】
このような人体通信は、有線又は無線通信と比べて、装置間をケーブル等によって直接的に接続したり、無線接続するための各種設定をしたりする手間が不要である。また、セキュリティの観点からも、有線又は無線通信では、通信データが漏洩するおそれがあるのに対し、人体通信では、人体の表面から外にデータが漏洩しないことから有益であることが知られている。
【0005】
この人体通信の特徴を応用した技術として、携帯型音楽再生装置とヘッドフォン・スピーカとの間において、電界方式の人体通信を用いて音声データの伝送を行う通信システムが開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
また、画像データに基づく画像を形成する画像形成装置の分野では、人体を介して通信を行う人体通信部及び人体を介さずに通信を行うデータ通信部を備えた通信機器と、当該通信機器と同様の通信機器を備えた印刷装置と、から構成されるシステムにおいて、通信機器の人体通信部及び印刷装置の人体通信部に人体が触れた場合、通信機器は、人体通信部により印刷装置の機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報で識別される印刷装置へデータ通信部により画像データを送信する、技術が開示されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−298425号公報
【特許文献2】特開2001−77735号公報
【特許文献3】特開2006−303736号公報
【特許文献4】特開2004−260800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献4の印刷装置のシステムでは、人体を介して通信を行う人体通信部と、人体を介さずに通信を行うデータ通信部との2つの通信部を備える必要があり、装置の大型化及びコストアップは免れない。また、画像データはデータ通信部により送信されるため、ケーブル接続や無線接続設定等の煩雑な作業は残存し、画像データの漏洩の可能性も払拭できない。
【0009】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、画像データの送受信に係る煩雑な作業を軽減し、画像データのセキュリティ性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、画像データを含む印刷データに基づいて画像を形成する画像形成部と、端末装置と人体を介して通信を行う人体通信部と、前記人体通信部により前記端末装置から前記印刷データを取得し、当該取得した印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を用紙に形成させる制御を行う制御部と、を備える画像形成装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、端末装置と人体を介して通信を行う人体通信部と、前記画像読取部により取得された前記画像データを前記人体通信部により前記端末装置へ送信する制御を行う制御部と、を備える画像形成装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記人体通信部により前記印刷データを取得した場合、前記印刷データ全ての受信を完了した後に、当該印刷データに対して描画処理を施し、当該描画処理済みの印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を形成させること、を特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記人体通信部による通信エラーの発生を検出し、前記人体通信部による通信エラーが発生した場合、前記人体通信部に対して端末装置との通信を再確立させ、再確立できた場合には、前記通信エラーが発生する前の状態から継続して通信を実行させること、を特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記通信エラーが検出された場合、前記通信エラーが発生したことを示す情報を表示するエラー表示部を備えること、を特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記人体通信部による通信を再確立するために必要な指示に関する情報を表示する再確立表示部を備えること、を特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、ユーザによる操作によって操作指示が入力され、当該ユーザに対して対向する位置に設けられた操作パネルを有する操作表示部を備え、前記人体通信部は、前記操作パネルと前記ユーザとを結ぶ方向と直交する方向における前記操作パネルの両端部の位置に、前記ユーザの人体と接する電極を有し、前記電極が前記ユーザの人体と接している状態のときに、電界又は電流を用いて当該ユーザの人体を介して通信を行うこと、を特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記電極は、押しボタンスイッチの一部を構成しており、当該押しボタンスイッチが押下された状態のときに前記電極が前記ユーザと接する状態となること、を特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、画像データを含む印刷データを記憶する記憶部、人体を介して通信を行う第1人体通信部、を有する端末装置と、前記印刷データに基づいて画像を形成する画像形成部、前記端末装置と人体を介して通信を行う第2人体通信部、前記第2人体通信部により前記端末装置から前記印刷データを取得し、当該取得した印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を用紙に形成させる制御を行う制御部、を有する画像形成装置と、を備える画像形成システムである。
【0019】
請求項10に記載の発明は、人体を介して通信を行う第1人体通信部を有する端末装置と、原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部、前記端末装置と人体を介して通信を行う第2人体通信部、前記画像読取部により取得された前記画像データを前記第2人体通信部により前記端末装置へ送信する制御を行う制御部、を有する画像形成装置と、を備える画像形成システムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像データの送受信に係る煩雑な作業が不要となり、また、画像データの漏洩を防止できセキュリティ性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】画像形成システムの概略構成図である。
【図2】操作パネルの概観の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置がプリント処理を実行する際の端末装置が実行する人体通信処理のフローチャートである。
【図4】画像形成装置が実行するプリント処理のフローチャートである。
【図5】通信エラー確認処理のフローチャートである。
【図6】画像形成装置が選択プリント処理を実行する際の端末装置が実行する人体通信処理のフローチャートである。
【図7】画像形成装置が実行する選択プリント処理のフローチャートである。
【図8】画像形成装置が実行する選択プリント処理のフローチャートである(図7の続き)。
【図9】画像読取処理のフローチャートである。
【図10】画像形成装置が人体通信画像送信処理を実行する際の端末装置が実行する人体通信処理のフローチャートである。
【図11】画像形成装置が実行する人体通信画像送信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成システムの概略構成図を示す。
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と端末装置20とがユーザ30の人体を介する人体通信により接続される構成である。
【0023】
画像形成装置10は、複数の機能を有するMFP(Multi Functional Printer)である。画像形成装置10は、制御部100、記憶部110、描画処理部120、操作表示制御部130、人体通信制御部140、操作表示部150、スキャナ制御部160、スキャナ部161、プリンタ制御部170、プリンタ部171、通信部180等を備え、各部は制御部100によって統括的に制御されている。
【0024】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、ROM又は記憶部110に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラム、各種データの中から指定されたプログラムやデータを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置10の各部を集中制御する。
例えば、制御部100は、操作表示部150や通信部180を介して接続された外部装置40から入力される指示信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、各モードの制御を行う。
【0025】
また、制御部100は、記憶部110から本実施の形態に係るプリント処理プログラム、選択プリント処理プログラム、人体通信画像送信処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、プリント処理、選択プリント処理、人体通信画像送信処理を実行する。
【0026】
プリント処理では、通信部180により受信した印刷データ、又は、人体通信部154により端末装置20から受信した印刷データが取得され、取得された印刷データに基づいてプリンタ部171により画像形成処理が実行され、画像が用紙に形成される。
選択プリント処理プログラムでは、端末装置20内に記憶されている1又は複数の印刷データのうち、いずれかが選択され、当該選択された印刷データが人体通信部154を介して取得され、取得された印刷データに基づいてプリンタ部171により画像形成処理が実行され、画像が用紙に形成される。
人体通信画像送信処理プログラムでは、スキャナ部161により取得された画像データが人体通信部154により端末装置20へ送信される。
【0027】
印刷データは、PDL(Page Description Language)形式やTiff形式等のページ記述言語形式の画像データ、及び、当該画像データに対する各種出力指示が設定されたプリント設定データを含む。
【0028】
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)等の書き込み可能な不揮発性の記憶媒体で構成されている。記憶部110は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データの他、本実施の形態に係るプリント処理プログラム、選択プリント処理プログラム、人体通信画像送信処理プログラムと、これらの処理プログラムの実行に用いられるデータ等を記憶している。
【0029】
描画処理部120は、ページ記述言語形式の画像データに対して描画処理を施し、ビットマップ形式等の描画形式の画像データを生成する。
【0030】
操作表示制御部130は、制御部100からの指示に従って、操作表示部150内の操作パネル150aの動作を統括的に制御する。例えば、制御部100から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示部151に表示したり、ユーザが操作部152や人体通信スイッチ153を操作することにより受け付けられる操作指示の信号を制御部100に出力したりする。
【0031】
人体通信制御部140は、制御部100からの指示に従って、人体通信部154の動作を制御する。
【0032】
操作表示部150は、ユーザ30に対して対向する位置に設けられた操作パネル150aと、人体通信部154と、を備える。
【0033】
図2(a)、図2(b)に、操作パネル150aの概観図の一例を示す。
図2(a)は、操作パネル150aの両端部に人体通信部154の構成の一部である電極154a、154bが設けられた場合の例、図2(b)は、操作パネル150a内の両端部分に人体通信スイッチ153a、153bが設けられた場合の例、を示す。
【0034】
図2(a)、図2(b)に示すように、操作パネル150aは、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部151、当該表示部151を覆うように設けられたタッチパネル152aや各種操作キー152b等から構成される操作部152等から構成されている。
【0035】
図2(a)に示す操作パネル150aには、操作パネル150aとユーザ30とが対向する方向と直交する方向Xにおける操作パネル150aの両端部の位置に、ユーザの人体と接する電極154a、154bが設けられている。なお、電極154a、154bは、電気的に接続されている。
【0036】
図2(b)に示す操作パネル150aには、操作パネル150aとユーザとを結ぶ方向と直交する方向Xにおける操作パネル150a内の両端部の位置に、人体通信スイッチ153a、153bが設けられている。
人体通信スイッチ153a、153bは、人体通信部154の構成の一部である電極と一体的に構成された押しボタンスイッチであり、当該人体通信スイッチ153a、153bのうち少なくともいずれか一方が押下された状態のときに電極がユーザと接する状態となる。
本実施の形態では、図2(b)に示す操作パネル150aを備えた操作表示部150として以下説明する。
【0037】
人体通信部154は、人体通信制御部140により制御され、ユーザ30の人体を通信媒体として用いて端末装置20と人体通信を行う。
人体通信部154における通信方式としては、電界方式又は電流方式を用いることができ、人体通信部154は、通信媒体である人体に電界(電波)を伝搬させるため又は電流を伝送するための電極(例えば、図2(b)の人体通信スイッチ153a、153bの一部を構成する電極)を備えている。
【0038】
スキャナ制御部160は、制御部100からの指示に従って、スキャナ部161を制御して、原稿の画像を読み取らせる。
【0039】
スキャナ部161は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部と読取部とを備え、操作パネル150aにより受け付けられた設定情報に基づいて原稿の画像を読み取り、読み取った画像の画像データを生成する画像読取部の機能を実現する。
ここで、画像とは、図形や写真等の画像データに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0040】
プリンタ制御部170は、制御部100からの指示に従って、プリンタ部171内の各部の動作を制御し、画像データに基づいて画像形成処理を行わせる。
【0041】
プリンタ部171は、画像データを含む印刷データに基づいて画像を形成する画像形成処理を行うものであり画像形成部としての機能を実現する。プリンタ部171は、給紙部、用紙搬送部、画像形成部、定着部等のプリント出力に係る各部を備えて構成される。なお、プリンタ部171は、電子写真方式、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式のいずれかを適用することができる。
【0042】
通信部180は、外部装置40が接続されたネットワーク50に接続するための通信インターフェースであり、外部装置40と画像形成装置10との間で送受信されるデータの管理及び制御を行う。
【0043】
端末装置20は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)やスマートフォン等の携帯情報端末、タブレットPC(Tablet PC)等のユーザ30が携帯可能な装置である。端末装置20は、制御部200、記憶部210、操作表示制御部220、操作表示部230、人体通信制御部240、人体通信部250等を備え、各部は制御部200によって統括的に制御されている。
【0044】
制御部200は、CPU、ROM、RAM等から構成され、ROM又は記憶部210に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラム、各種データの中から指定されたプログラムやデータを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、端末装置20の各部を集中制御する。
【0045】
また、制御部200は、記憶部210から本実施の形態に係る人体通信処理プログラム当該プログラム及び各種データとの協働により、人体通信処理を実行する。
人体通信処理では、人体通信部250を介して画像形成装置10とのデータの送受信が行なわれる。
【0046】
記憶部210は、HDD(Hard Disk Drive)等の書き込み可能な不揮発性の記憶媒体で構成されている。記憶部210は、各種処理プログラム及び各種データの他、本実施の形態に係る人体通信処理プログラム、当該人体通信処理の実行に用いられるデータ等を記憶している。
【0047】
操作表示制御部220は、制御部200からの指示に従って、操作表示部230の動作を統括的に制御する。例えば、制御部200から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示部231に表示したり、ユーザが操作部232を操作することにより受け付けられる操作指示の信号を制御部200に出力したりする。
【0048】
操作表示部230は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部231、当該表示部231を覆うように設けられたタッチパネルや各種操作キー等から構成される操作部232等から構成されている。
【0049】
人体通信制御部240は、制御部200からの指示に従って、人体通信部250の動作を制御する。
【0050】
人体通信部250は、人体通信制御部240により制御され、ユーザ30の人体を通信媒体として用いて画像形成装置10と人体通信を行う。
人体通信部250における通信方式は、画像形成装置10が備える人体通信部154と同様の通信方式である。人体通信部250は、通信媒体である人体に電界(電波)を伝搬させるため又は電流を伝送するための電極を備えており、当該電極は、端末装置20を操作するユーザに接する位置に設けられている。
【0051】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
まず、画像形成装置10が実行するプリント処理について説明する。
図3に、画像形成装置10がプリント処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理のフローチャートを示し、図4に、画像形成装置10が実行するプリント処理のフローチャートを示す。
【0052】
図3を参照して、画像形成装置10がプリント処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理について説明する。図3に示す人体通信処理は、端末装置20の制御部200と各部とが協働して実行される。
【0053】
制御部200は、ユーザ30による操作部232の操作指示に応じて、記憶部210に記憶されている1又は複数の印刷データのリストを表示部231に表示させ、当該1又は複数の印刷データのうちいずれかの印刷データの選択指示を操作部232により受け付ける(ステップS1)。ユーザ30は、印刷データの選択を行うと、画像形成装置10の人体通信スイッチ153a又は153bを押下する。
【0054】
制御部200は、人体通信部250により画像形成装置10と通信が確立しているか否かを判別する(ステップS2)。画像形成装置10と通信が確立していない場合(ステップS2;NO)、制御部200は、ステップS2に戻り、画像形成装置10と通信が確立するまで待機する。
【0055】
画像形成装置10と通信が確立している場合(ステップS2;YES)、制御部200は、ステップS1において選択された印刷データを人体通信部250を介して画像形成装置10へ送信し(ステップS3)、選択された印刷データ全ての送信が完了したか否かを判別する(ステップS4)。
【0056】
選択された印刷データ全ての送信が未完了である場合(ステップS4;NO)、制御部200は、ステップS2の処理に戻る。選択された印刷データ全ての送信が完了した場合(ステップS4;YES)、制御部200は、本人体通信処理を終了する。
【0057】
図4を参照して、画像形成装置10が実行するプリント処理について説明する。図4に示すプリント処理は、画像形成装置10内の制御部100と各部とが協働して実行される。
【0058】
制御部100は、通信部180により印刷データを受信したか否かを判別する(ステップS11)。通信部180により印刷データを受信した場合(ステップS11;YES)、制御部100は、受信した印刷データの解析を行う(ステップS12)。
なお、通信部180により受信する印刷データの伝送単位は、ページ単位とする。
【0059】
制御部100は、受信した印刷データに対してページ単位で描画処理部120による描画処理を施させ(ステップS13)、描画処理済みの印刷データに基づいて、ページ単位でプリンタ部171による画像形成処理を実行させる(ステップS14)。
【0060】
制御部100は、ステップS2での解析処理により、受信した印刷データを含む一連のジョブを構成する全ページの印刷データの受信が完了し、かつ、当該全ページの印刷データの画像形成処理が完了したか否かを判別する(ステップS15)。
【0061】
全ページの印刷データの画像形成処理が完了していない場合(ステップS15;NO)、制御部100は、ステップS1の処理に戻り、残りのページの印刷データの受信を待機する。全ページの印刷データの画像形成処理が完了した場合(ステップS15;YES)、制御部100は、本プリント処理を終了する。
【0062】
一方、通信部180により印刷データを受信していない場合(ステップS11;NO)、制御部100は、人体通信スイッチ153a、153bのうち少なくともいずれか一方が押下状態(人体通信スイッチがON)か否かを判別する(ステップS16)。人体通信スイッチがONでない場合(ステップS16;NO)、制御部100は、ステップS11の処理に戻る。
【0063】
人体通信スイッチがONの場合(ステップS16;YES)、制御部100は、人体通信部154を介して端末装置20と通信が確立しているか否かを判別する(ステップS17)。端末装置20と通信が確立していない場合(ステップS17;NO)、制御部100は、ステップS11の処理に戻る。
【0064】
端末装置20と通信が確立している場合(ステップS17;YES)、制御部100は、表示部151に通信継続指示画面を表示させる(ステップS18)。
通信継続指示画面には、「通信中です。人体通信スイッチにタッチし続けてください。」等の人体通信を継続するために、ユーザに対して人体通信スイッチの押下状態を維持させるための指示に関する情報が表示される。
【0065】
また、制御部100は、人体通信部154による印刷データの受信を開始し(ステップS19)、印刷データの受信に関する通信エラー確認処理を実行する(ステップS20)。なお、人体通信部154により受信する印刷データは、予め設定された伝送単位(例えば、パケット)で送信されるものとする。
【0066】
通信エラー確認処理後(ステップS20後)、制御部100は、通信エラー確認処理がエラー終了か否かを判別する(ステップS21)。エラー終了の場合(ステップS21;YES)、制御部100は、本プリント処理を終了する。
【0067】
エラー終了ではない場合(ステップS21;NO)、制御部100は、受信した印刷データの解析を行ない(ステップS22)、印刷データの終端を検出したか否か、即ち、受信した印刷データを含む一連のジョブを構成する全ページの印刷データを受信したか否かを判別する(ステップS23)。
【0068】
印刷データの終端を検出していない場合(ステップS23;NO)、制御部100は、印刷データの受信が未完了であると判断し、ステップS1の処理に戻る。受信した印刷データの終端を検出した場合(ステップS23;YES)、制御部100は、印刷データの受信が完了したと判断し、表示部151に表示している通信継続指示画面を消去する(ステップS24)。
【0069】
制御部100は、受信した印刷データ全てに対して描画処理部120による描画処理を施させ(ステップS25)、描画処理済みの印刷データに基づいてプリンタ部171による画像形成処理を実行させ(ステップS26)、本プリント処理を終了する。
【0070】
図5に、ステップS20において実行される通信エラー確認処理のフローチャートを示す。通信エラー確認処理は、受信又は送信するデータの伝送単位で実行される。
【0071】
制御部100は、人体通信部154を介して端末装置20とのデータ通信が実行されると(ステップS31)、通信エラーが発生したか否かを検出する(ステップS32)。通信エラーとは、例えば、データの受信又は送信の開始より所定時間が経過した場合(タイムアウト)、パリティエラー等である。
【0072】
通信エラーが発生していない場合(ステップS32;NO)、制御部100は、本通信エラー確認処理を終了する。通信エラーが発生した場合(ステップS32;YES)、制御部100は、表示部151に再接続依頼画面を表示させる(ステップS33)。
【0073】
再接続依頼画面には、「通信エラーが発生したことを示す情報」と、「人体通信部による通信を再確立するために必要な指示に関する情報」とが表示される。
「通信エラーが発生したことを示す情報」としては、例えば、「通信できませんでした。」等の情報である。「人体通信部による通信を再確立するために必要な指示に関する情報」としては、例えば、「再度、人体通信スイッチにタッチしてください。」等の人体通信を再接続するために、ユーザに対して、人体通信スイッチを再度押下させる指示に関する情報である。
再接続依頼画面を表示する表示部151は、エラー表示部及び再確立表示部としての機能を実現する。
【0074】
制御部100は、端末装置20との人体通信部154によるデータ通信をリトライ(再実行)し(ステップS34)、通信エラーが発生したか否かを判別する(ステップS35)。通信エラーが発生していない場合(ステップS35;NO)、制御部100は、表示部151に表示している再接続依頼画面を消去し(ステップS36)、通信エラーが発生する前の状態から継続して通信を実行させ、本通信エラー確認処理を終了する。
【0075】
通信エラーが発生した場合(ステップS35;YES)、制御部100は、リトライ回数Nをインクリメント(N=N+1)し(ステップS37)、リトライ回数Nが予め設定された設定回数Mよりも大きいか否かを判別する(ステップS38)。
なお、リトライ回数Nは、本通信エラー確認処理が終了する度にリセットされる。
【0076】
リトライ回数Nが設定回数M以下の場合(ステップS38;NO)、制御部100は、ステップS34の処理に戻る。リトライ回数Nが設定回数Mよりも大きい場合(ステップS38;YES)、制御部100は、実行中のデータ通信の処理を取り消す「エラー終了」を行い(ステップS39)、本通信エラー確認処理を終了する。
【0077】
次に、画像形成装置10が実行する選択プリント処理について説明する。
図6に、画像形成装置10が選択プリント処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理のフローチャートを示し、図7、図8に、画像形成装置10が実行する選択プリント処理のフローチャートを示す。
【0078】
図6を参照して、画像形成装置10が選択プリント処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理について説明する。図6に示す人体通信処理は、端末装置20の制御部200と各部とが協働して実行される。
【0079】
ユーザ30が画像形成装置10の人体通信スイッチを押下すると、制御部200は、人体通信部250により画像形成装置10と通信が確立しているか否かを判別する(ステップS41)。画像形成装置10と通信が確立していない場合(ステップS41;NO)、制御部200は、ステップS41に戻り、画像形成装置10と通信が確立するまで待機する。
【0080】
画像形成装置10と通信が確立している場合(ステップS41;YES)、制御部200は、人体通信部250を介して画像形成装置10から印刷データリストの送信要求があるか否かを判別する(ステップS42)。
【0081】
印刷データリストの送信要求がある場合(ステップS42;YES)、制御部200は、記憶部210内に記憶されている1又は複数の印刷データのリスト(印刷データリスト)を人体通信部250を介して画像形成装置10へ送信し(ステップS43)、印刷データリストの送信が完了したか否かを判別する(ステップS44)。
【0082】
印刷データリストの送信が未完了である場合(ステップS44;NO)、制御部200は、ステップS41の処理に戻る。印刷データリストの送信が完了した場合(ステップS44;YES)、制御部200は、本人体通信処理を終了する。
【0083】
印刷データリストの送信要求がない場合(ステップS42;NO)、制御部200は、人体通信部250を介して印刷データの送信要求があるか否かを判別する(ステップS45)。印刷データの送信要求がない場合(ステップS45;NO)、制御部200は、ステップS41の処理に戻る。
【0084】
印刷データの送信要求がある場合(ステップS45;YES)、制御部200は、送信要求された印刷データを人体通信部250を介して画像形成装置10へ送信し(ステップS46)、送信要求された印刷データ全ての送信が完了したか否かを判別する(ステップS47)。
【0085】
送信要求された印刷データ全ての送信が未完了である場合(ステップS47;NO)、制御部200は、ステップS41の処理に戻る。送信要求された印刷データ全ての送信が完了した場合(ステップS47;YES)、制御部200は、本人体通信処理を終了する。
【0086】
図7、図8を参照して、画像形成装置10が実行する選択プリント処理について説明する。図7、図8に示す選択プリント処理は、画像形成装置10内の制御部100と各部とが協働して実行される。
【0087】
ステップS51〜S58の処理は、図4に示すステップS11〜S18の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0088】
制御部100は、ユーザ30による操作部152の操作指示に応じて、端末装置20に記憶されている印刷データのリスト(印刷データリスト)の送信を人体通信部154を介して端末装置20へ要求し(ステップS59)、要求した印刷データリストの受信に関する通信エラー確認処理を実行する(ステップS60)。なお、ステップS60において実行される通信エラー確認処理は、図4のステップS20おいて実行される通信エラー処理(図5参照)と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0089】
通信エラー確認処理後(ステップS60後)、制御部100は、通信エラー確認処理がエラー終了か否かを判別する(ステップS61)。エラー終了の場合(ステップS61;YES)、制御部100は、本選択プリント処理を終了する。
【0090】
エラー終了ではない場合(ステップS61;NO)、制御部100は、印刷データリストの終端を検出したか否か、即ち、要求した印刷データリストの受信が完了したか否かを判別する(ステップS62)。
【0091】
印刷データリストの受信が未完了である場合(ステップS62;NO)、制御部100は、ステップS51の処理に戻る。印刷データリストの受信が完了した場合(ステップS62;YES)、制御部100は、表示部151に表示している通信継続指示画面を消去する(ステップS63)。
【0092】
制御部100は、受信した印刷データリストを示す画面(データリスト画面)を表示部151に表示させ(ステップS64)、表示されている1又は複数の印刷データのうちいずれかの印刷データの選択指示を操作部152により受け付ける(ステップS65)。
【0093】
制御部100は、操作部152により印刷データの選択指示を受け付けると、表示部151に通信開始指示画面を表示させる(ステップS66)。
通信開始指示画面には、「通信を開始します。人体通信スイッチにタッチしてください。」等の人体通信を開始するために、ユーザに対して人体通信スイッチを押下させる指示に関する情報が表示される。
【0094】
ステップS67〜S69は、ステップS16〜S18と同様であるため、説明は省略する。
【0095】
制御部100は、ステップS65において選択された印刷データの送信を人体通信部154を介して端末装置20へ要求し(ステップS70)、要求した印刷データの受信に関する通信エラー確認処理を実行する(ステップS71)。なお、ステップS71において実行される通信エラー確認処理は、図4のステップS20おいて実行される通信エラー処理(図5参照)と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0096】
通信エラー確認処理後(ステップS71後)、制御部100は、通信エラー確認処理がエラー終了か否かを判別する(ステップS72)。エラー終了の場合(ステップS72;YES)、制御部100は、本選択プリント処理を終了する。
【0097】
エラー終了ではない場合(ステップS72;NO)、制御部100は、印刷データの終端を検出したか否か、即ち、要求した印刷データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS73)。
【0098】
要求した印刷データの終端を検出していない場合(ステップS73;NO)、制御部100は、要求した印刷データの受信が未完了であると判断し、ステップS67の処理に戻る。要求した印刷データの終端を検出した場合(ステップS73;YES)、制御部100は、要求した印刷データの受信が完了したと判断し、表示部151に表示している通信継続指示画面を消去する(ステップS74)。
【0099】
制御部100は、受信した印刷データ全てに対して描画処理部120による描画処理を施させ(ステップS75)、描画処理済みの印刷データに基づいてプリンタ部171による画像形成処理を実行させ(ステップS76)、本選択プリント処理を終了する。
【0100】
次に、画像形成装置10が実行する人体通信画像送信処理について説明する。
図9に、画像形成装置10が実行する画像読取処理のフローチャートを示し、図10に、画像形成装置10が人体通信画像送信処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理のフローチャートを示し、図11に、画像形成装置10が実行する人体通信画像送信処理のフローチャートを示す。
【0101】
図9を参照して、画像形成装置10が実行する画像読取処理を説明する。図9に示す画像読取理は、画像形成装置10の制御部100と各部とが協働して実行される。
【0102】
ユーザ30が原稿をスキャナ部161のADFにセットすると、制御部100は、ADFに原稿がセットされたことを検知する(ステップS81)。
【0103】
制御部100は、ユーザ30による操作部152の操作指示に応じて、スキャナモードの選択指示を操作部232により受け付け(ステップS82)、画像を読み取る際の各種条件(解像度、色、データ形式、ファイル名等)の設定指示を操作部232により受け付ける(ステップS83)。
なお、ステップS83は、予め設定された初期条件で画像を読み取る際には必須ではない。
【0104】
ユーザ30によって画像読取開始の操作指示が操作部232により受け付けられると(ステップS84)、制御部100は、ステップS83において設定された各種条件に基づいて、スキャナ部161による原稿の画像の読み取り処理を開始させる(ステップS85)。スキャナ部161は、原稿の画像を読み取り、当該画像の画像データを生成する。
【0105】
制御部100は、スキャナ部161が原稿から読み取って生成した画像データを、記憶部110に保存させ(ステップS86)、本画像読取処理を終了する。
このように、人体通信画像送信処理が実行される前には、画像読取処理の実行により、スキャナ部161により読み取られた1又は複数の画像データが画像形成装置10の記憶部110に保存されているものとする。
【0106】
図10を参照して、画像形成装置10が人体通信画像送信処理を実行する際の端末装置20が実行する人体通信処理について説明する。図10に示す人体通信処理は、端末装置20の制御部200と各部とが協働して実行される。
【0107】
ユーザ30が画像形成装置10の人体通信スイッチを押下すると、制御部200は、人体通信部250により画像形成装置10と通信が確立しているか否かを判別する(ステップS91)。画像形成装置10と通信が確立していない場合(ステップS91;NO)、制御部200は、ステップS91に戻り、画像形成装置10と通信が確立するまで待機する。
【0108】
画像形成装置10と通信が確立している場合(ステップS91;YES)、制御部200は、ユーザ30による操作部232の操作指示に応じて、画像形成装置10に記憶されている画像データのリスト(画像データリスト)の送信を人体通信部250を介して画像形成装置10へ要求する(ステップS92)。
【0109】
制御部200は、要求した画像データリストを人体通信部250を介して受信すると(ステップS93)、受信した画像データリストを示す画面(画像データリスト画面)を表示部231に表示させる(ステップS94)。
【0110】
制御部200は、画像データリスト画面に表示されている1又は複数の画像データのうちいずれかの画像データの選択指示を操作部232により受け付け(ステップS95)、ステップS95において選択された画像データの送信を人体通信部250を介して画像形成装置10へ要求する(ステップS96)。
【0111】
制御部200は、要求した画像データを人体通信部250を介して受信すると(ステップS97)、受信した画像データを記憶部210に保存し(ステップS98)、本人体通信処理を終了する。
【0112】
図11を参照して、画像形成装置10が実行する人体通信画像送信処理について説明する。図11に示す人体通信画像送信処理は、画像形成装置10内の制御部100と各部とが協働して実行される。
【0113】
ステップS101〜S103の処理は、図4に示すステップS16〜S18の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0114】
制御部100は、人体通信部154を介して端末装置20から画像データリストの送信要求があるか否かを判別する(ステップS104)。
【0115】
画像データリストの送信要求がある場合(ステップS104;YES)、制御部100は、画像データリストを人体通信部154を介して端末装置20へ送信する(ステップS105)。
【0116】
画像データリストの送信要求がない場合(ステップS104;NO)、制御部100は、画像データの送信要求があるか否かを判別する(ステップS106)。画像データの送信要求がない場合(ステップS106;NO)、制御部100は、ステップS101の処理に戻る。
【0117】
画像データの送信要求がある場合(ステップS106;YES)、制御部100は、送信要求された画像データを人体通信部154を介して端末装置20へ送信する(ステップS107)。
【0118】
制御部100は、ステップS105後には、画像データリストの送信に関する通信エラー確認処理を実行し、ステップS107後には、画像データの送信に関する通信エラー確認処理を実行する(ステップS108)。なお、ステップS108において実行される通信エラー確認処理は、図4のステップS20おいて実行される通信エラー処理(図5参照)と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0119】
通信エラー確認処理後(ステップS108後)、制御部100は、通信エラー確認処理がエラー終了か否かを判別する(ステップS109)。エラー終了の場合(ステップS109;YES)、制御部100は、本人体通信画像送信処理を終了する。
【0120】
エラー終了ではない場合(ステップS109;NO)、制御部100は、端末装置20から要求されたデータの送信が完了したか否かを判別する(ステップS110)。
ステップS110では、画像データリストを送信していた場合には、画像データリストの送信が完了したか否か、画像データを送信していた場合には、画像データの送信が完了したか否かが判別される。
【0121】
要求されたデータの送信が完了していない場合(ステップS110;NO)、制御部100は、ステップS101の処理に戻る。要求されたデータの送信が完了した場合(ステップS110;YES)、制御部100は、表示部151に表示している通信継続指示画面を消去し(ステップS111)、本人体通信画像送信処理を終了する。
【0122】
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成装置10は、人体を介して通信を行う人体通信部154により端末装置20から画像データを含む印刷データを取得して画像を形成させることができる。また、画像形成装置10は、原稿を読み取って取得した画像データを人体通信部154により端末装置20へ送信することができる。
従って、画像データを送受信するために、端末装置20と通信接続するためのケーブル接続や無線接続設定等の煩雑な作業が不要となり、また、画像データの漏洩を防止できセキュリティ性を高めることができる。
【0123】
また、画像形成装置10は、人体通信部154により印刷データを取得した場合には、印刷データ全ての受信を完了した後に印刷データに対して描画処理を施すことができる。そのため、人体通信処理を実行する際の制御部100の負荷と、描画処理を実行する際の制御部の負荷と、を分散させることができ、人体通信処理に要する時間を短縮することができる。
【0124】
また、画像形成装置10は、人体通信部154による通信中の通信エラーの発生を検出することができ、通信エラーが発生した場合には、端末装置20との通信を再確立して通信を継続することができる。そのため、通信エラーが発生したときに、ユーザが通信の再確立を行う手間を省くことができる。
【0125】
また、画像形成装置10は、表示部151に再接続依頼画面を表示することにより、通信エラーが発生したことを示す情報を表示して、通信エラーが発生したことをユーザに報知することができる。
【0126】
また、画像形成装置10は、表示部151に再接続依頼画面を表示することにより、人体通信部154による通信を再確立するために必要な指示に関する情報を表示することができる。そのため、ユーザは、表示された情報に従って通信を再確立することができ、再確立する際の操作手順の負担を軽減させることができる。
【0127】
また、ユーザの人体を介して通信を行う電極を、ユーザに対して対向する位置に設けられた操作パネル150aとユーザとを結ぶ方向と直交する方向(例えば、図2(a)、(b)のX方向)における操作パネルの両端部の位置に配置することにより、ユーザが右利きでも左利きでも、操作パネル150aを行う手と人体通信を行うために電極に接する手とをユーザが自由に選択でき、人体通信に関する操作性を向上させることができる。
【0128】
更に、押しボタンスイッチの一部を構成し、当該押しボタンスイッチが押下された状態のときにユーザと接する状態となる電極を備えた人体通信スイッチ(例えば、図2(b)に示す人体通信スイッチ153a、153b)を用いて人体通信を行うことができる。
そのため、ユーザが押しボタンスイッチを押下した場合に人体通信が開始されることとなり、ユーザの意図としない人体通信が開始するということを防止できる。
【0129】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
20 端末装置
30 ユーザ
40 外部装置
50 ネットワーク
100 制御部
110 記憶部
120 描画処理部
130 操作表示制御部
140 人体通信制御部
150 操作表示部
150a 操作パネル
151 表示部
152 操作部
152a タッチパネル
152b 各種操作キー
153 人体通信スイッチ
153a、153b 人体通信スイッチ
154 人体通信部
154a、154b 電極
160 スキャナ制御部
161 スキャナ部
170 プリンタ制御部
171 プリンタ部
180 通信部
200 制御部
210 記憶部
220 操作表示制御部
230 操作表示部
231 表示部
232 操作部
240 人体通信制御部
250 人体通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを含む印刷データに基づいて画像を形成する画像形成部と、
端末装置と人体を介して通信を行う人体通信部と、
前記人体通信部により前記端末装置から前記印刷データを取得し、当該取得した印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を用紙に形成させる制御を行う制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、
端末装置と人体を介して通信を行う人体通信部と、
前記画像読取部により取得された前記画像データを前記人体通信部により前記端末装置へ送信する制御を行う制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記人体通信部により前記印刷データを取得した場合、
前記印刷データ全ての受信を完了した後に、当該印刷データに対して描画処理を施し、当該描画処理済みの印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を形成させること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記人体通信部による通信エラーの発生を検出し、
前記人体通信部による通信エラーが発生した場合、前記人体通信部に対して端末装置との通信を再確立させ、再確立できた場合には、前記通信エラーが発生する前の状態から継続して通信を実行させること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信エラーが検出された場合、前記通信エラーが発生したことを示す情報を表示するエラー表示部を備えること、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記人体通信部による通信を再確立するために必要な指示に関する情報を表示する再確立表示部を備えること、
を特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザによる操作によって操作指示が入力され、当該ユーザに対して対向する位置に設けられた操作パネルを有する操作表示部を備え、
前記人体通信部は、
前記操作パネルと前記ユーザとを結ぶ方向と直交する方向における前記操作パネルの両端部の位置に、前記ユーザの人体と接する電極を有し、
前記電極が前記ユーザの人体と接している状態のときに、電界又は電流を用いて当該ユーザの人体を介して通信を行うこと、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電極は、
押しボタンスイッチの一部を構成しており、
当該押しボタンスイッチが押下された状態のときに前記電極が前記ユーザと接する状態となること、
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像データを含む印刷データを記憶する記憶部、
人体を介して通信を行う第1人体通信部、
を有する端末装置と、
前記印刷データに基づいて画像を形成する画像形成部、
前記端末装置と人体を介して通信を行う第2人体通信部、
前記第2人体通信部により前記端末装置から前記印刷データを取得し、当該取得した印刷データに基づいて前記画像形成部により画像を用紙に形成させる制御を行う制御部、
を有する画像形成装置と、
を備える画像形成システム。
【請求項10】
人体を介して通信を行う第1人体通信部を有する端末装置と、
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部、
前記端末装置と人体を介して通信を行う第2人体通信部、
前記画像読取部により取得された前記画像データを前記第2人体通信部により前記端末装置へ送信する制御を行う制御部、
を有する画像形成装置と、
を備える画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−151775(P2012−151775A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10345(P2011−10345)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】