説明

画像形成装置及び画像形成プログラム

【課題】補正時の必要記録媒体量が一定でない場合に、記録媒体不足により補正が中断されて記録媒体が無駄になることを防止することを目的とする。
【解決手段】補正前に、補正に必要な予定使用枚数を過去の履歴から設定(306)、予め定めた値を設定(310)、または確認プリントを実施して現在値とから目標値との差に基づいて予定使用枚数を設定(312〜314)して、用紙残量と比較し(316、318)、不足する場合には、用紙補充して継続するか、代替用紙で継続するか、中止するかをユーザに選択させ(322)、選択結果に従った処理を実行する(324〜344)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術では、必須印刷物を印刷するにあたって、この必須印刷物に適合するサイズの用紙の存否を検索する検索手段と、用紙が存在しなかった場合に、この用紙より大きい用紙(準適合用紙)を選択する選択手段と、準適合用紙に必須印刷物を印刷する印刷手段と、を設けることにより、必須印刷物を何らかの用紙に必ず印刷することが提案されている。
【0003】
また、特許文献2に記載の技術では、指定サイズの用紙切れが検知された場合に、指定サイズと残りのカセットに収納されている各用紙の大きさを比較して、その誤差が最も小さい用紙を指定サイズに最も近い最適用紙として選択し、画像倍率を変倍処理して画像形成することが提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3に記載の技術では、画像形成時にその要求を満たすだけの用紙残り枚数がない場合に、その画像形成動作を実行することなく、ユーザに用紙補給を促すと共に、給紙カセットを非装着状態に飛び出させ、用紙補給を待って画像形成動作を再開することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−292833号公報
【特許文献2】特開平6−247000号公報
【特許文献3】特開2004−323197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、補正時の必要記録媒体量が一定でない場合に、記録媒体不足により補正が中断されて記録媒体が無駄になることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の画像形成装置は、記録媒体の種類を検出する検出手段と、記録媒体の残量を検知する検知手段と、予め定めた補正パターンが形成された記録媒体の前記補正パターンを読み取って、補正を行うために必要な量の記録媒体を用いて画像欠陥を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正を行うために必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記必要な記録媒体量を予測する予測手段と、前記必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記予測手段の予測結果、前記検出手段の検出結果、及び前記検知手段の検知結果に基づいて、前記必要な記録媒体が不足するか否かを前記補正手段によって補正を行う前に判断して、前記必要な記録媒体が不足する場合に、前記必要な記録媒体が不足することを通知する通知手段と、前記通知手段によって前記必要な記録媒体が不足することが通知された場合に、補正を中止する処理、代替記録媒体で補正を継続する処理、及び記録媒体を補充して継続する処理の少なくとも2つの処理から何れかを選択するための選択手段と、前記選択手段によって選択された処理を実行する処理実行手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記選択手段は、前記補正手段による補正を実行中に前記必要な記録媒体が不足した場合に、前記補正を中止する処理または前記補正を継続する処理を更に選択可能としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記予測手段は、過去の補正履歴に基づいて前記必要な記録媒体量を予測することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補正パターンを1度形成した記録媒体を前記補正手段によって読み取った現状値と、予め定めた目標値との差に基づいて、前記必要な記録媒体量を予測することを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、前記処理実行手段は、前記選択手段によって代替記録媒体で補正を継続する処理が選択された場合に、代替記録媒体に合わせた大きさの画像に調整して補正を継続するように処理を実行することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の発明において、前記処理実行手段は、前記選択手段によって代替記録媒体で補正を継続する処理が選択された場合に、補正の種類に応じて予め定めた継続条件を満たすときだけ補正を継続する処理を実行することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の画像形成プログラムは、予め定めた補正パターンが形成された記録媒体の前記補正パターンを読み取って、補正を行うために必要な量の記録媒体を用いて画像欠陥を補正する補正手段によって補正を行うために必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記必要な記録媒体量を予測する予測ステップと、前記必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記予測手段の予測結果、記録媒体の種類の検出結果、及び記録媒体の残量の検知結果に基づいて、前記必要な記録媒体が不足するか否かを前記補正手段によって補正を行う前に判断して、前記必要な記録媒体が不足する場合に、前記必要な記録媒体が不足することを通知する通知ステップと、前記通知ステップで前記必要な記録媒体が不足することが通知された場合に、補正を中止する処理、代替記録媒体で補正を継続する処理、及び記録媒体を補充して継続する処理の少なくとも2つの処理から何れかを選択するための選択手段によって選択された処理を実行する処理実行ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、7に記載の発明によれば、補正時の必要記録媒体量が一定でない場合に、記録媒体不足により補正が中断されて記録媒体が無駄になることを防止することができる、という効果がある。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、補正に必要な記録媒体量の予測が外れて補正途中で記録媒体不足になった場合に中止するか継続するかをユーザの意志によって選択することが可能となる、という効果がある。
【0016】
請求項3、4に記載の発明によれば、補正を行うために必要な記録媒体量を予測することが可能となる、という効果がある。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、代替記録媒体で補正パターンを記録できなくなってしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、継続不可能な記録媒体での補正の継続を防止して記録媒体の無駄を防止することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置に設けられたインラインセンサの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置における制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】(A)は階調補正を行うための補正パターンの一例を示す図であり、(B)は面内濃度補正を行うための補正パターンの一例を示す図であり、(C)はアライメント補正を行うための補正パターンの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置においてインラインセンサからの信号に基づく補正を行う際に制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10の概略構成を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10に設けられたインラインセンサの一例を示す図である。
【0021】
(全体構成)
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、図1に示されるように、水平方向一側(図1における左側)部分を構成する第1処理部が収容された第1筐体10Aと、第1筐体10Aと分割可能に接続され、水平方向他側(図1における右側)部分を構成する第2処理部が収容された第2筐体10Bとを備えている。
【0022】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0023】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0024】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0025】
さらに、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。
【0026】
画像形成ユニット16毎に設けられた露光装置40(40V、40W、40Y、40M、40C)は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した光ビームLを後述の像保持体18(18V、18W、18Y、18M、18C)へ照射するように構成されている。
【0027】
各画像形成ユニット16は、一方向に回転駆動される像保持体18を備えている。各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
【0028】
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去するブレードと、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置とが設けられている。なお、スコロトロン帯電器、現像装置、ブレード、除電装置は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0029】
また、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36とを含んで構成されている。
【0030】
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
【0031】
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
【0032】
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0033】
転写部32の下方には、記録媒体の一例としての用紙Pが収容される用紙収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0034】
各用紙収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各用紙収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各用紙収容部48から用紙Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0035】
各用紙収容部48内には、用紙Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、用紙収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが用紙Pを補充する空間が用紙収容部48に形成される。
【0036】
第1筐体10Aから引き出された用紙収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の用紙Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0037】
送出ロール52の用紙搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、用紙収容部48から重なって送り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、用紙Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
【0038】
用紙収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、用紙収容部48から送り出された用紙Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
【0039】
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた用紙Pに二次転写される構成となっている。
【0040】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される別の用紙収容部(図示省略)から送り出された用紙Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
【0041】
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された用紙Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された用紙Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
【0042】
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、用紙Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
【0043】
搬送ベルト80の下流側には、用紙Pの表面に転写されたトナー画像を用紙Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
【0044】
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、用紙Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
【0045】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0046】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0047】
図1に示されるように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された用紙Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
【0048】
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された用紙Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
【0049】
冷却ユニット110は、用紙Pの熱を吸収する吸収装置112と、用紙Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
【0050】
吸収装置112は、用紙Pと接触し、用紙Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
【0051】
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
【0052】
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
【0053】
用紙Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、用紙Pを吸収ベルト116へ押し付けながら用紙Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
【0054】
冷却ユニット110の下流側には、用紙Pを挟んで搬送し、用紙Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
【0055】
矯正装置140の下流側には、用紙Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するインラインセンサ200が設けられている。なお、インラインセンサ200については、詳細を後述する。
【0056】
インラインセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された用紙Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0057】
一方、両面に画像を形成させる場合は、インラインセンサ200から送出された用紙Pは、インラインセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送されるようになっている。
【0058】
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される用紙Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される用紙Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cが設けられている。
【0059】
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された用紙Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、用紙収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
【0060】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0061】
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光装置40に送られる。各露光装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
【0062】
像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0063】
図1に示されるように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの像保持体18に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0064】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、用紙収容部48から搬送されてきた用紙P上に二次転写される。トナー画像が転写された用紙Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
【0065】
用紙P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで用紙Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された用紙Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、用紙Pに生じた湾曲が矯正される。
【0066】
湾曲が矯正された用紙Pは、インラインセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0067】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、インラインセンサ200を通過後に、用紙Pが反転経路194で反転され、用紙収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0068】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
【0069】
次に、インラインセンサ200について説明する。
【0070】
以下の説明では、画像形成装置10の長さ方向(用紙Pの搬送方向である副走査方向)をX方向、装置の高さ方向をY方向、装置の奥行き方向(主走査方向)をZ方向ということとする。
(インラインセンサの基本構成、機能)
図2に示されるように、インラインセンサ200は、画像が記録された用紙Pに向けて光を照射する照射部202と、照射部202から照射されて用紙Pで反射された光を受光手段の一例としてのCCDセンサ204に結像する結像光学系206を備えた結像部208と、インラインセンサ200の使用時やキャリブレーション時の各種基準等が設けられた設定部210とを備えている。
【0071】
照射部202は、用紙Pの搬送経路60の上側に配置されており、照射手段の一例としての一対のランプ212を有する。各ランプ212は、Z方向に長手とされたキセノンランプであり、その照射範囲の長さは搬送される最大の用紙Pの幅よりも大とされている。一対のランプ212は、用紙Pにて反射されて結像部208に向かう光軸OA(設計上の光軸)に対し対称に配置されている。より具体的には、各ランプ212は、用紙Pへの照射角がそれぞれ45°〜50°となるように光軸OAに対し対称に配置されている。
【0072】
詳細には、一対のランプ212は、用紙Pの搬送経路60に沿って並べられ、用紙Pの搬送方向の上流側に配置された光源の一例としての第一ランプ212Aと、第一ランプ212Aに対して用紙Pの搬送方向の下流側に配置された光源の一例としての第二ランプ212Bとを備えている。そして、第一ランプ212A及び第二ランプ212Bから照射される光が、第一ランプ212Aと第二ランプ212Bとの間の搬送経路60上の照射位置Dに照射されるように構成されている。
【0073】
また、結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をX方向(この実施形態では用紙Pの搬送方向下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、第2ミラー216が反射した光を用紙Pの搬送方向上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220とを主要部として構成されている。CCDセンサ204は、光軸OAに対し用紙Pの搬送方向上流側に配置されている。
【0074】
第1ミラー214のZ方向の長さは、最大の用紙Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214〜第3ミラー218は、結像光学系206に入射された用紙Pの反射光をそれぞれZ方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射するようになっている。これにより、略円柱状のレンズ220に対し用紙Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成である。
【0075】
上記構成により、インラインセンサ200では、CCDセンサ204が、結像された光すなわち画像濃度に応じた信号を、画像形成装置10の制御装置20(図1参照)に出力(フィードバック)するようになっている。制御装置20は、インラインセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正するようになっている。画像形成装置10では、一例として、露光装置40による照射光の強度、画像の形成位置などがインラインセンサ200からの信号に基づいて補正される。
【0076】
また、結像光学系206における第3ミラー218とレンズ220との間には、光量絞り部224(224L、224S、224U))が設けられている。光量絞り部224は、光路をZ方向に横切ってCCDセンサ204に結像する光の光量をY方向(主走査方向との交差方向)に絞ると共に、外部から操作することで光量絞り量を調整可能に構成されている。光量絞り部224による光量絞り量は、経時により各ランプ212の発光量が変化してもCCDセンサ204に結像される光量が予め定めた量以上となるように調整されるようになっている。
【0077】
一方、設定部210は、Z方向に長手の基準ロール226を備えている。基準ロール226は、用紙Pの画像検出を行う際に搬送経路60側を向ける検出基準面228と、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合に搬送経路側を向ける退避面230と、白色基準面232と、多色のパターンが長手方向に沿って形成されたカラー基準面234と、複数の検査パターンが形成された複合検査面236とを有する。この実施形態では、基準ロール226は、周方向に8面以上の面が形成された多角形筒状に形成されている。検出基準面228、退避面230、カラー基準面234、複合検査面236は各一面だけ設けられ、白色基準面232は2面設けられている。
【0078】
基準ロール226は、回転軸226A周りに回転することで、搬送経路60側を向ける面を切り替える構成とされている。この基準ロール226の面の切替は、回路基板262に設けられた制御回路100によって行われる。また、基準ロール226は、八角形以上の多角形筒状に形成されることで、各面の周方向中央と面間の角部との回転中心に対する距離差が小さく抑えられている。これにより、基準ロール226の各面と各ランプ212の照射位置(後述するウインドウガラス286)との距離を小さく抑えながら、基準ロール226の面間の角部が照射部202と干渉しない構成とされている。
【0079】
検出基準面228は、周方向の幅が他の面よりも小とされており、その周方向両側の面は上記した各基準としての機能を有しない案内面238とされている。検出基準面228は、搬送される用紙Pの被検出(被読み取り)面を各ランプ212による照射位置に位置決めする位置基準面とされている。
【0080】
退避面230は、周方向の幅が他の面よりも大とされている。この退避面230は、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合に、用紙Pを案内する案内面であり、検出基準面228よりも回転軸226Aの軸心からの距離が小とされている。これにより、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合には、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行う場合よりも、照射部202(ウインドウガラス286)との間隔が広い搬送経路が形成されるようになっている。
【0081】
白色基準面232は、照明部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準の白色フィルムが貼着されて構成されている。カラー基準面234は、照明部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、各色に応じて予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準色のパターンが施されたフィルムが貼着されて構成されている。
【0082】
複合検査面236は、基準ロール226の回転方向(用紙Pの搬送方向)の位置をキャリブレーションするための位置調整パターンと、フォーカス検出パターンと、深度検出パターンとが同一面に配置されて形成されている。
【0083】
次に、インラインセンサ200のキャリブレーションについて説明する。
【0084】
インラインセンサ200のキャリブレーションとしては、CCDセンサ204の出力上下限値の調整を行うオフセット&ゲイン調整、白基準の読み取り画像のプロファイルを元に読み取り画像の照明分布を補正するシェーディング補正、及び色校正板の色パッチを読み取り、CCDセンサ204の読み取り値を補正するCCDキャリブレーション等を行う。
【0085】
これらのキャリブレーションの手順の一例としては、例えば、先ず、白色基準面232を用紙Pの搬送経路60に向け、CCDセンサ204の白基準面232の読み取り結果に基づいて、オフセット&ゲイン調整を行った後に、Z方向(主走査方向)の光量分布を補正する(シェーディング補正)を行う。
【0086】
続いて、複合検査面236が用紙Pの搬送経路60に向けられ、位置調整パターンにより、用紙Pの搬送方向のCCDセンサ204による検出位置が自動的に調整される。
【0087】
そして、用紙Pの搬送方向の検出位置が調整された後に、フォーカス検出パターンによりCCDセンサ204の焦点が確認されると共に、深度検出パターンにより照明深度が確認される。
【0088】
さらに、カラー基準面234を用紙Pの搬送経路60に向ける。CCDセンサ204は、各色において、予め定められた信号が出力されるように自動的に調整される。
【0089】
なお、CCDセンサ204のキャリブレーションは、画像形成装置10の電源投入時及び予め定めたタイミング時に行われるものとする。一方、CCDセンサ204の信号に基づく画像形成装置10のキャリブレーション(上記した露光装置40の調整など)は、一例として予め定められた量以上の用紙Pに画像を形成したジョブの終了毎(10回/日程度)または予め定めたタイミング毎に行われる。
(制御装置の概略構成)
図3は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10における制御装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0090】
制御装置20は、上述したように、インラインセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正する機能を備えている。また、制御装置20は、インラインセンサ200のキャリブレーション(例えば、上述のCCDセンサ204のキャリブレーション等)を制御する機能も備えている。
【0091】
制御装置20は、具体的には、図3に示すように、CPU20A、ROM20B、RAM20C、及び入出力ポート20Dを備えており、それぞれがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス20Eを介して互いに接続されている。
【0092】
ROM20Bには、画像を補正するためのプログラムや各種キャリブレーションを行うためプログラム等の各種プログラムが記憶されており、CPU20AがRAM20Cにプログラムを展開して実行することにより、各種制御が行われるようになっている。
【0093】
入出力ポート20Dには、表示部24、操作部26、用紙残量検知センサ28、用紙種検出センサ30、及び制御回路100が接続されている。
【0094】
表示部24は、液晶等のモニタを有して、画像形成装置10の各種設定を行う設定画面や、画像形成装置10の動作状態を表す表示画面等を表示する。
【0095】
操作部26は、画像形成装置10による画像形成指示、画像形成条件、及び各種設定の入力等を行うためのスイッチやキーボードを有しており、スイッチやキーボード等の操作結果を制御装置20に出力する。
【0096】
用紙残量検知センサ28は、各用紙収容部48に収納されている用紙の残量を検知し、検知結果を制御装置20へ出力する。なお、本実施の形態では、用紙収容部48が2つ設けられているので、2つの用紙残量検知センサ28が設けられているものとするが、用紙収容部48が3つ以上備えて、各用紙収容部48に対応して用紙残量検知センサ28を設けるようにしてもよい。用紙残量の検知方法としては、例えば、特開平5-105272号公報等の技術を適用することができ、ユーザに要し用紙坪量と用紙サイズを入力してもらい、それと用紙収容部48の用紙総重量を計測した結果から用紙残量を検知するようにしてもよい。また、用紙収納部の底板50のリフトアップ時間を計測して、用紙残量を検出するようにしてもよい。
【0097】
用紙種検出センサ30は、本実施の形態では、用紙収容部48に収容される用紙の種類(本実施の形態では、用紙サイズ)を検出し、検出結果を制御装置20へ出力する。
【0098】
制御回路100は、上述したように、基準ロール226の面の切り替えを制御し、制御装置20の指示に基づいて制御回路100に接続された基準ロール回転モータ22の駆動を制御する。また、制御回路100は、画像の欠陥を検知する場合に、制御装置20の指示に従ってインラインセンサ200による読み取りも制御するようになっている。
【0099】
このように構成された制御装置20では、上述したように、インラインセンサ200からの信号に基づいて、用紙Pに形成された画像を補正する機能を備えているが、画像の補正の一例としては、階調補正、面内濃度補正、及びアライメント補正などの補正を行う。
【0100】
本実施の形態では、用紙P上に補正の種類毎に予め定めた補正パターンを形成し、インラインセンサ200によって当該補正パターンを測定して各種補正を行う。
【0101】
階調補正は、簡易階調補正モードと、高精度階調補正モードとを有し、例えば、図4(A)に示すように、各色毎に予め定めた階調の補正パターンを形成して階調を補正する。簡易階調補正モードは、1回の検出により補正値を算出して終了する。一方、高精度階調補正モードは、補正結果を反映させて再度用紙P上に補正パターンを形成し、測定及び補正を繰り返して、補正結果が飽和した(前回の補正結果と今回の補正結果の差が予め定めた閾値以下になった)時点で終了する。飽和しない場合(前回の補正結果と今回の補正結果の差が閾値以上の場合)には異常終了とする。なお、繰り返し最大回数を予め定めるようにしてもよい。
【0102】
面内濃度補正は、図4(B)に示すように、予め定めた色を主走査方向に帯状に形成した補正パターンを用いて主走査方向の濃度むらを補正する。
【0103】
アライメント補正は、図4(C)に示すように、主走査方向及び副操作方向に沿った複数の直線と、予め定めた間隔かつ角度で各直線に交わる斜め線とを形成した補正パターンを用いて、画像と用紙Pとの位置補正及び表裏レジの補正を行う。
【0104】
ところで、本実施の形態では、インラインセンサ200に基づく画像の補正中に用紙種(用紙材質や用紙サイズなど)や画像サイズが途中で変わると正常に補正を行うことができないことがある。また、補正パラメータが収束するまで補正パターンの形成を継続するモード(例えば、上述の高精細補正モード)では、必要な用紙量が可変であるため、補正前に必要な用紙残量を把握できず、補正途中で用紙切れとなると、それまでの用紙が無駄になってしまう。
【0105】
そこで、本実施の形態では、補正に必要な用紙量が一定でない場合には、必要な用紙量を予測し、用紙が不足する場合には、不足する旨を表示部24などを利用して通知し、ユーザに操作部30を操作させて代替用紙で補正を継続する処理を行うか、補充して補正を継続する処理を行うか、または補正を中止する処理を行うかを選択させるようになっている。
【0106】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10においてインラインセンサ200からの信号に基づく補正を行う際に制御装置20で行われる処理の一例について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10においてインラインセンサ200からの信号に基づく補正を行う際に制御装置20で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、本実施の形態では、操作部26によって補正開始の指示が行われた場合に開始するものとして説明する。
【0107】
ステップ300では、補正時に使用する用紙の使用枚数が固定設定か否かが判定される。該判定は、表示部24に表示される予め定めた設定画面等に基づいて、操作部26を操作して、補正時に使用する用紙の使用枚数の固定設定が予め行われているか否かを判定し、該判定が肯定された場合には、ステップ302へ移行し、否定された場合にはステップ304へ移行する。
【0108】
ステップ302では、予め定めた使用予定枚数が補正毎の固定値に設定されてステップ316へ移行する。
【0109】
一方、ステップ304では、同じ補正履歴があるか否かが判定される。該判定は過去に行った補正で使用した用紙枚数の履歴があるか否かが判定され、該判定が肯定された場合にはステップ306へ移行し、否定された場合にはステップ308へ移行する。
【0110】
ステップ306では、使用予定枚数が過去の平均値に設定されてステップ316へ移行する。
【0111】
また、ステップ308では、使用用紙枚数予測を行う設定が操作部26によって予め設定されているか否かが判定され、該判定が否定された場合にはステップ310へ移行し、肯定された場合にはステップ312へ移行する。
【0112】
ステップ310では、使用予定枚数が予め実験等によって求めた値に設定されてステップ316へ移行する。
【0113】
また、ステップ312では、確認プリントが実施されてステップ314へ移行する。すなわち、補正パターンを用紙Pに形成し、形成した補正パターンをインラインセンサ200によって読み取る。
【0114】
ステップ314では、確認プリントに基づいて、使用予定枚数の予測が行われてステップ316へ移行する。使用予定枚数の予測方法としては、例えば、確認プリントをインラインセンサ200によって読み取ることによって得られる現状値と、目標値の差分を求めて、当該差分から補正に必要な用紙枚数を予測することができる。具体的には、現状値と目標値の差分の値毎に必要な用紙枚数を実験等によって予め求めてLUT(Look Up table)などとして記憶しておくことにより、使用予定枚数を予測することができる。
【0115】
ステップ316では、用紙種類検出センサ30の検出結果及び用紙残量検知センサ28の検知結果を取得することによって補正で使用する用紙種の用紙残量が検知されてステップ318へ移行する。
【0116】
ステップ318では、用紙残量より使用予定枚数の方が多いか否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ320へ移行し、否定された場合にはステップ344へ移行する。
【0117】
ステップ320では、用紙が不足する旨が通知されてステップ322へ移行する。例えば、用紙が不足する旨を表示部24に表示すると共に、音などによって通知することができる。
【0118】
次にステップ322では、用紙補充、代替継続、または補正中止の何れかが選択されたか否か判定される。該判定は、操作部26がユーザによって操作されて何れが選択されたか否かを判定し、用紙補充が選択された場合にはステップ326へ移行し、代替継続が選択された場合にはステップ330へ移行し、補正中止が選択された場合にはステップ324へ移行する。なお、本実施の形態では、補正中にユーザに操作部26の操作をさせて上記3つの何れかを選択させる構成とするが、予め設定しておいて、設定結果に基づいてステップ322の判定を行うようにしてもよい。
【0119】
ステップ324では、補正が中止されて一連の制御装置による補正時の処理を終了する。
【0120】
また、ステップ326では、用紙の補充が完了したか否か判定される。該判定は、例えば、用紙を補充するための扉が開放された後に閉鎖されたか否かを扉開放検知センサ等によって検知して、当該検知結果に基づいて用紙補充完了を判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ328へ移行する。これによって指定の用紙で補正が継続される。
【0121】
ステップ328では、用紙種検出センサ30の検出結果及び用紙残量検知センサ28の検知結果を取得することによって指定用紙の残量が検知されてステップ318に戻って上述の処理が繰り返される。
【0122】
一方、ステップ330では、代替用紙があるか否か判定される。該判定は、用紙種検出センサ30の検出結果及び用紙残量検知センサ28の検知結果に基づいて判定される。例えば、代替用紙として予め定めた用紙があるか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ332へ移行し、肯定された場合にはステップ340へ移行する。
【0123】
ステップ332では、用紙補充が通知されてステップ334へ移行する。例えば、代替用紙の用紙補充を促すメッセージを表示部24に表示すると共に、音などによって通知することができる。
【0124】
ステップ334では、代替用紙の補充が完了したか否かが判定される。該判定は、例えば、用紙を補充するための扉が開放された後に閉鎖されたか否かを扉開放検知センサ等によって検知して、当該検知結果に基づいて用紙補充完了を判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ336へ移行する。
【0125】
ステップ336では、補充された用紙のチェックが行われてステップ338へ移行する。例えば、用紙種検出センサ30の検出結果から補充された用紙サイズを検知する。
【0126】
ステップ338では、用紙残量検知センサ28の検知結果を取得することによって代替用紙の残量が検知されてステップ340へ移行する。
【0127】
ステップ340では、補正パターンが小さい用紙用となるように設定されてステップ342へ移行する。すなわち、代替用紙が指定の用紙より小さい場合に、補正パターンが形成できなくなることが防止される。なお、本実施の形態では、代替用紙が指定用紙よりも小さい用紙サイズである場合を想定して印字調整パターンを小さい用紙用に設定するが、これに限るものではなく、逆に代替用紙の方が大きい場合には大きい用紙用に印字調整パターンを設定するようにしてもよい。
【0128】
ステップ342では、用紙残量が指定用紙枚数+代替用紙枚数とされてステップ318に戻って上述の処理が繰り返される。
【0129】
一方、ステップ318の判定が否定された場合、すなわち、使用予定枚数よりも用紙残量の方が多い場合には補正が途中で中断することがないので、ステップ344へ移行して、補正が実行されて一連の処理を終了する。なお、補正時の用紙枚数が一定でない場合には使用枚数を履歴として記憶する。これによってステップ306の過去の履歴として次の補正時に利用することが可能となる。また、使用予定枚数を予測したものを使用する場合には、実際の補正時に予測が外れて用紙切れになることが考えられるので、この場合には、用紙種検出センサ30の検出結果及び用紙残量検知センサ28の検知結果に基づいて用紙切れを判定して、用紙切れの場合に表示部24に表示する等により通知して、用紙を補充してから補正の継続する処理または補正を中止する処理を操作部26によって選択させるようにしてもよい。
【0130】
このように、本実施の形態では、補正を行う際に必要な用紙量が一定でない場合には、使用予定枚数を予測した予測結果と、用紙種検出センサ30の検出結果及び用紙残量検知センサ28の検知結果と、に基づいて、補正実行前に用紙の不足を判断して、用紙が不足する場合には、代替用紙で継続する処理、補充して継続する処理、または補正を中止する処理を選択させて、何れかを実行するように制御されるので、補正途中で中断して用紙が無駄になることが防止される。
【0131】
なお、上記の実施の形態では、補正時の用紙切れに対する処理について説明したが、これに限るものではなく、例えば、用紙に限らず、画質に影響しない消耗品(例えば、トナー回収ボトル等)切れの際にも同様に、処理を行うようにしてもよい。また、画質に影響のある消耗品切れ(ドラムや、トナー、現像剤等)の場合は、補正を中止して継続できない旨を表示部24等に表示することによりユーザに通知するようにしてもよい。また、消耗品交換や用紙補充の際には、ランプ212を点灯されたままとしてインラインセンサ200による読み取り条件が変化しないようにすることが好ましい。
【0132】
また、上記の実施の形態では、用紙が不足する場合に、代替用紙で継続する処理、補充して継続する処理、または補正を中止する処理の3つのうち何れかを選択させるようにしたが、これに限るものではなく、3つの処理のうち少なくとも2つの処理の中から何れかを選択させるようにしてもよい。すなわち、代替用紙で継続する処理または補充して継続する処理のどちらかを選択させるようにしてもよいし、代替用紙で継続する処理または中止する処理のどちらかを選択させるようにしてもよいし、代替用紙で継続する処理または補充して継続する処理のどちらかを選択させるようにしてもよい。
【0133】
また、上記の実施の形態では、ユーザによって用紙が不足する際の処理を選択させ、選択に応じた処理を実行するようにしたが、補正の種類によっては継続可能条件が異なるので、補正の種類に応じて補正継続可能条件を異なるようにしてもよい。例えば、代替用紙で補正を継続する処理が選択されたときに、階調補正の場合には、用紙種が同一である場合に継続可能とし、面内濃度補正の場合には、用紙種が同一でかつ予め定めた使用可能サイズである場合に継続可能とし、アライメント補正の場合には、用紙種及びサイズ(または用紙種、サイズ及びロット)が同一である場合に継続可能としてもよい。これによって継続不可能な代替用紙での補正の継続が防止される。
【0134】
また、上記の実施の形態では、記録媒体としてカット紙を想定した例を挙げて説明したが、これに限るものではなく、連長紙を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 画像形成装置
20 制御装置
24 表示部
26 操作部
28 用紙残量検知センサ
30 用紙種検出センサ
200 インラインセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の種類を検出する検出手段と、
記録媒体の残量を検知する検知手段と、
予め定めた補正パターンが形成された記録媒体の前記補正パターンを読み取って、補正を行うために必要な量の記録媒体を用いて画像欠陥を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正を行うために必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記必要な記録媒体量を予測する予測手段と、
前記必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記予測手段の予測結果、前記検出手段の検出結果、及び前記検知手段の検知結果に基づいて、前記必要な記録媒体が不足するか否かを前記補正手段によって補正を行う前に判断して、前記必要な記録媒体が不足する場合に、前記必要な記録媒体が不足することを通知する通知手段と、
前記通知手段によって前記必要な記録媒体が不足することが通知された場合に、補正を中止する処理、代替記録媒体で補正を継続する処理、及び記録媒体を補充して継続する処理の少なくとも2つの処理から何れかを選択するための選択手段と、
前記選択手段によって選択された処理を実行する処理実行手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記補正手段による補正を実行中に前記必要な記録媒体が不足した場合に、前記補正を中止する処理または前記補正を継続する処理を更に選択可能とした請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予測手段は、過去の補正履歴に基づいて前記必要な記録媒体量を予測する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記予測手段は、前記補正パターンを1度形成した記録媒体を前記補正手段によって読み取った現状値と、予め定めた目標値との差に基づいて、前記必要な記録媒体量を予測する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理実行手段は、前記選択手段によって代替記録媒体で補正を継続する処理が選択された場合に、代替記録媒体に合わせた大きさの画像に調整して補正を継続するように処理を実行する請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記処理実行手段は、前記選択手段によって代替記録媒体で補正を継続する処理が選択された場合に、補正の種類に応じて予め定めた継続条件を満たすときだけ補正を継続する処理を実行する請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
予め定めた補正パターンが形成された記録媒体の前記補正パターンを読み取って、補正を行うために必要な量の記録媒体を用いて画像欠陥を補正する補正手段によって補正を行うために必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記必要な記録媒体量を予測する予測ステップと、
前記必要な記録媒体量が一定でない場合に、前記予測手段の予測結果、記録媒体の種類の検出結果、及び記録媒体の残量の検知結果に基づいて、前記必要な記録媒体が不足するか否かを前記補正手段によって補正を行う前に判断して、前記必要な記録媒体が不足する場合に、前記必要な記録媒体が不足することを通知する通知ステップと、
前記通知ステップで前記必要な記録媒体が不足することが通知された場合に、補正を中止する処理、代替記録媒体で補正を継続する処理、及び記録媒体を補充して継続する処理の少なくとも2つの処理から何れかを選択するための選択手段によって選択された処理を実行する処理実行ステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−41031(P2013−41031A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176926(P2011−176926)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】