説明

画像形成装置

【課題】 光触媒材料を用いた、放電生成物に対して高い除去作用が得られる構成を提案し、画像流れの発生を防止して高い画像品質の維持や、像担持体の長寿命化を図る。
【解決手段】 感光体ドラム21の近傍には、クリーニング装置60と除電装置80との間に、放電生成物除去装置70が配置される。放電生成物除去装置70には、感光体ドラム21に接触する回転体である放電生成物除去ローラ71が設けられる。放電生成物除去ローラ71の表面に備えられた光触媒部材層74は、フッ素系樹脂に、吸着材料であるアパタイトとチタン酸化物との複合材料を混入したもので構成される。吸着材料であるアパタイトは感光体ドラム21表面の付着物である放電生成物を吸着し、チタン酸化物である二酸化チタンはその放電生成物を分解・除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタに代表される電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体として感光体ドラムが広く用いられている。この感光体ドラムの表面が所定電位で一様に帯電せしめられ、その表面にLED光等を照射することにより部分的に電位が光減衰して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像を現像することによってトナー像が形成される。
【0003】
このような感光体ドラムにおいて、特にアモルファスシリコン感光体を用いた場合、使用環境が高湿度であると、感光体ドラム表面に付着した放電生成物が水分を吸着し、静電潜像が乱れる画像流れの発生が多いことが知られている。画像流れの発生を防ぐためには、感光体ドラム表面で水分が発生しないようにする、或いは感光体ドラム表面に付着して水分を吸着した放電生成物を除去する必要がある。
【0004】
このうち、感光体ドラム表面に付着した放電生成物を除去する方法には、従来、研磨剤を混入したトナーを感光体ドラム表面に分散させてその表面を研磨する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、研磨を繰り返すことにより感光体ドラム表面の磨耗量が増大するので、感光体ドラムの短寿命化を招く可能性が高い。さらに、トナーを浪費することにもなる。
【0005】
一方、感光体ドラム表面に付着した放電生成物を除去するための、別の方法として、光触媒部材を用いる方法が提案されている。その一例を、特許文献1に見ることができる。
【特許文献1】特開2004−53739号公報(第12−19頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像形成装置では、光の照射によって有機物を酸化還元する光触媒粒子を分散させた多孔質樹脂膜を表面層として備えた回転体により、感光体ドラム表面に付着したオゾン生成物(放電生成物)を除去するようにしている。しかしながら、この方法は、光触媒粒子が回転体表面の多数の細孔に分散されているという構成であって、回転体の表面層そのものを光触媒材料で構成しているわけではない。したがって、光触媒粒子がオゾン生成物を吸着する割合が比較的少ないので、感光体ドラム表面の付着物であるオゾン生成物を除去することに対して大きな効果が得られない。また、多数の細孔に分散された光触媒粒子は、感光体ドラム表面に移動することがあるので、廃トナーとともに徐々に失われていく可能性が高い。これにより、オゾン生成物の除去作用が低下していくとともに、それを補うために光触媒粒子を回転体に補充しなければならない。このように、放電生成物の十分な除去作用が得られない場合は、前述のような感光体ドラム表面の研磨の併用が必要となってくるので、感光体ドラムの短寿命化から逃れることができない。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、光触媒材料を用いた、放電生成物に対して高い除去作用が得られる構成を提案し、放電生成物が原因となる画像流れの発生を防止して高い画像品質を維持することが可能であるとともに、像担持体の長寿命化が図られた高性能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、像担持体表面に現像されたトナー像を用紙に転写する画像形成装置において、前記像担持体表面に接触して像担持体表面の付着物を除去する、表面に光触媒部材層を有する回転体を備え、この回転体表面の光触媒部材層は、前記付着物を吸着する吸着材料と、付着物を分解・除去するチタン酸化物との複合材料で構成されていることとした。
【0009】
また、前記吸着材料は、アパタイトであることとした。
【0010】
また、前記像担持体は、アモルファスシリコン感光体であることとした。
【0011】
また、前記回転体は、前記像担持体の回転に従って回転することとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、像担持体表面に接触して像担持体表面の付着物を除去する、表面に光触媒部材層を有する回転体を備え、この回転体表面の光触媒部材層は、付着物を吸着する吸着材料と、付着物を分解・除去するチタン酸化物との複合材料で構成されていることとしたので、吸着材料の作用により、光触媒材料であるチタン酸化物は、像担持体表面の付着物である放電生成物をより多く吸着することが可能となる。これにより、像担持体表面に付着した放電生成物に対して高い除去作用が得られ、放電生成物が原因となる画像流れの発生を防止することができる。そして、あらためて研磨によって放電生成物を除去する必要がない。したがって、高い画像品質を維持することが可能であるとともに、像担持体の長寿命化が図られた高性能な画像形成装置を得ることができる。
【0013】
また、上記構成の画像形成装置において、吸着材料はアパタイトであることとした。ここで、像担持体表面の付着物である放電生成物は、放電で発生するオゾンが空気中の水分を分解して生成される窒素酸化物やアンモニウム塩等のイオン性物質である。アパタイトは、これらの窒素酸化物やアンモニア等の吸着機能を有するので、本発明の構成のようにアパタイトを吸着材料として備えることで、さらに多くの放電生成物を吸着することが可能となる。また、回転体に吸着した放電生成物を光触媒物質であるチタン酸化物が分解・除去することにより、アパタイトの吸着能力はその都度回復するので、高い吸着性能を長時間維持することができる。したがって、チタン酸化物による放電生成物の分解・除去作用がより一層向上する。
【0014】
アモルファスシリコンで構成される感光体は、高硬度であり耐磨耗性に優れているので、たいへん長寿命である。しかしながら一方では、感光体表面の付着物である放電生成物に起因して画像流れが発生し易いという問題もあるが、本発明の画像形成装置に組み合わせることにより、感光体表面への放電生成物の付着を防止することが可能となるので、画像流れが発生しない、さらに長寿命な画像形成装置を得ることができる。
【0015】
また、前記回転体は、像担持体の回転に従って回転することとしたので、像担持体と回転体は、互いの周面が相対的に移動することがない。また、像担持体の回転の駆動装置に対して負荷が掛かることない。これらのことから、像担持体と回転体は、互いに表面の感光層や光触媒部材層の寿命が延び、また像担持体の駆動装置の寿命が延びて、ひいては画像形成装置の長寿命化をさらに向上させることが可能となる。さらに、回転体に駆動機構を連結して回転させると、その振動が像担持体に伝達され、像担持体の駆動ムラに起因する画像不良が発生する恐れがあるので、本発明によりこれを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1〜図2に基づき説明する。
【0017】
最初に、本発明の画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す模型的垂直断面正面図である。なお、図中の実線矢印は用紙の搬送経路、及び搬送方向を示し、一点鎖線矢印はレーザ光Lを示す。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置1の本体2の下部には、給紙部3が配置されている。給紙部3の内部には、印刷前のカットペーパー等の用紙Pが積載して収容され、ここから1枚ずつ分離して用紙Pが送り出される。
【0019】
本体2の内部であって、給紙部3の左方には、用紙搬送部4が備えられている。給紙部3から送り出された用紙Pは、用紙搬送部4により本体2の側面に沿って垂直上方に搬送され、後述する転写部30に至る。
【0020】
一方、画像形成装置1の上面には原稿送り部5が、その下方には原稿画像読み取り部6が備えられている。使用者が原稿の複写を行う場合には、原稿送り部5に、文字や図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載する。原稿送り部5では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、原稿画像読み取り部6によってその画像データが読み取られる。この画像データの情報は、給紙部3の上方であって、本体2の中央部に配置されたレーザ照射部7に送られる。レーザ照射部7により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが、後述する画像形成部20に向かって照射される。
【0021】
用紙搬送部4の上方であって、レーザ照射部7の左方には、画像形成部20、及び転写部30が備えられている。画像形成部20では、レーザ照射部7によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が作られる。この静電潜像からトナー像が形成され、トナー像は、前記用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに、転写部30にて転写される。
【0022】
転写部30の上方には、定着部8が備えられている。転写部30にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着部8へと送られ、熱ローラによりトナー像が加熱、溶融されて定着される。
【0023】
定着部8の上方には、分岐部9が備えられている。定着部8から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合には、分岐部9から画像形成装置1の胴内に設けられた用紙排出トレイ10に排出される。
【0024】
分岐部9から用紙排出トレイ10に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分は、スイッチバック部11としての機能を果たす。両面印刷を行う場合には、このスイッチバック部11において、定着部8から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは、定着部8、及び転写部30の左方を通って下方に送られ、再度用紙搬送部4を経て転写部30へと送られる。
【0025】
次に、画像形成装置1の画像形成部20周辺の詳細な構成について、図2を用いて説明する。図2は、画像形成部周辺を示す模型的垂直断面部分拡大図である。なお、図2に描いたの画像形成部20周辺の構造は、図1に記載のそれを、用紙搬送方向が水平となるように描き直したものであって、発明の内容を説明するにあたって、省略可能な部品については記載を省略している。
【0026】
図2に示すように、画像形成部20には、その中心に像担持体である感光体ドラム21が備えられている。そして、感光体ドラム21の近傍には、その回転方向に沿って順に、主帯電装置40、現像装置50、クリーニング装置60、放電生成物除去装置70、及び除電装置80が配置されている。転写部30は、感光体ドラム21の回転方向に沿って、現像装置50とクリーニング装置60との間に設けられている。
【0027】
感光体ドラム21は、アルミニウム等により構成される直径30mmの導電性ローラ状基体22と、その外側に設けられた感光層23とを備えている。感光層23には、真空蒸着等によって無機光導電性材料であるアモルファスシリコンを設けている。感光体ドラム21は、図示しない駆動装置によって、その周速度が用紙搬送速度(例えば175mm/sec)と同じになるように回転せしめられている。
【0028】
主帯電装置40には、感光体ドラム21に接触する帯電ローラ41が設けられている。帯電ローラ41は、芯金42と、その外側に設けられた導電層43と、さらにその外側に設けられた抵抗層44とを備えている。帯電ローラ41は、所定の圧力で感光体ドラム21に圧接し、感光体ドラム21の回転に従って回転する。この帯電ローラ41により、感光体ドラム21の表面が所定の極性及び電位で一様に帯電せしめられる。
【0029】
現像装置50には、感光体ドラム21の近傍に、感光体非接触型の現像ローラ51が設けられている。現像ローラ51には、感光体ドラム21の帯電極性と同極性のバイアスが印加される。この現像ローラ51により、現像剤であるトナーが帯電せしめられるとともに、感光体ドラム21の表面の静電潜像に飛翔せしめられ、静電潜像が現像される。トナーとしては、磁性或いは非磁性の一成分系トナーや、磁性キャリアと絶縁性トナーとを混合してなる二成分系トナーを使用する。なお、現像ローラは感光体接触型のものであっても構わない。
【0030】
転写部30には、感光体ドラム21に接触する転写ローラ31が設けられている。転写ローラ31は、芯金32と、その外側に設けられた導電性弾性層33とを備えている。導電性弾性層33は、カーボン等の導電性材料を分散させたポリウレタンゴム等で形成されている。この転写ローラ31が感光体ドラム21に圧接し、用紙Pを挿通させる転写ニップ部を形成する。転写ローラ31は、図示しない駆動装置によって、その周速度が感光体ドラム21の周速度と同じになるように回転せしめられている。また、転写ローラ31には、必要に応じて転写バイアスが印加される。
【0031】
クリーニング装置60は、感光体ドラム21の回転方向に沿って、転写ニップ部のさらに下流側に配置されている。クリーニング装置60は、クリーニング部材であるクリーニングブレード61、ハウジング62、及びスクリュー(図示せず)を備えている。クリーニングブレード61は、感光体ドラム21とほぼ同じ軸線方向長さを有し、感光体ドラム21に接触するように設けられている。このクリーニングブレード61によって、転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナーを除去してクリーニングする。感光体ドラム21表面から除去されたトナーは、ハウジング62内に回収され、スクリュー(図示せず)によりクリーニング装置60の外部へと搬送される。
【0032】
放電生成物除去装置70には、感光体ドラム21に接触する回転体である放電生成物除去ローラ71が設けられている。放電生成物除去ローラ71は、芯金72と、その外側に設けられ、シリコンゴムからなる弾性層73と、さらにその外側の、ローラ表面に設けられた光触媒部材層74とを備えている。光触媒部材層74は、フッ素系樹脂に、吸着材料であるアパタイトとチタン酸化物との複合材料を混入したもので構成されている。この複合材料は、例えばアパタイトで被覆した二酸化チタンである。吸着材料であるアパタイトは感光体ドラム21表面の付着物である放電生成物を吸着し、チタン酸化物である二酸化チタンはその放電生成物を分解・除去する。放電生成物除去ローラ71は、所定の圧力で感光体ドラム21に圧接し、感光体ドラム21の回転に従って回転する。
【0033】
放電生成物除去ローラ71の感光体ドラム21と対向する位置には、照明手段75が配置されている。照明手段75は、蛍光灯、紫外線ランプ等で構成され、放電生成物除去ローラ71に向かって光を照射している。これにより、放電生成物除去ローラ71表面の光触媒部材層74において、窒素酸化物やアンモニア等の付着物の分解が促進され、除去される。
【0034】
除電装置80は、LED(発光ダイオード)81で構成され、感光体ドラム21に光を照射することによりその表面の除電を行う。LED81の代わりに、EL(エレクトロルミネッセンス)光源、蛍光灯等を用いることもできる。
【0035】
ここで、上記画像形成部20、及び転写部30の一連の動作について説明する。
【0036】
まず、主帯電装置40により、感光体ドラム21の表面が所定の極性及び電位で一様に帯電せしめられる。このときの帯電電位は、通常は200〜1000V程度である。
【0037】
次に、原稿画像読み取り部6(図1参照)で読み取られた画像データに基づいて、レーザ照射部7(図1参照)により制御されるレーザ光Lが感光体ドラム21に照射され、照射部分の電位が光減衰して原稿画像の静電潜像が作られる。そして、現像装置50にて帯電せしめられたトナーが、現像ローラ51によって感光体ドラム21の表面に供給され、静電潜像からトナー像が形成される。
【0038】
一方、用紙Pは、用紙搬送部4(図1参照)によって感光体ドラム21表面のトナー像形成と同期がとられ、感光体ドラム21と転写ローラ31が接触して形成される転写ニップ部に挿通される。このとき、転写ローラ31には、感光体ドラム21やトナーとは逆極性である負極の転写バイアスが印加される。これにより、トナーが感光体ドラム21から転写ローラ31へと移動し、トナー像が用紙Pに接触転写される。
【0039】
トナー像転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナーは、クリーニング装置60に設けられたクリーニングブレード61により掻き取るように除去される。ハウジング62内に回収されたトナーは、スクリュー(図示せず)によりクリーニング装置60の外部へと搬送される。
【0040】
上記のような画像形成動作の間、放電生成物除去ローラ71は、常に感光体ドラム21表面の付着物である放電生成物を吸着し、感光体ドラム21表面から除去している。放電生成物除去ローラ71表面の光触媒部材層74に吸着した放電生成物は、照明手段75で光を照射されたチタン酸化物により、その分解が促進され、除去される。
【0041】
感光体ドラム21表面のトナーがクリーニングされ、放電生成物も除去された後、除電装置80で感光体ドラム21表面の除電が行われることにより、次の画像形成動作のための準備が整えられる。
【0042】
このようにして、像担持体である感光体ドラム21表面に接触して感光体ドラム21表面の付着物を除去する、表面に光触媒部材層74を有する回転体である放電生成物除去ローラ71を備え、この放電生成物除去ローラ71表面の光触媒部材層74は、付着物を吸着する吸着材料と、付着物を分解・除去するチタン酸化物との複合材料で構成されているので、吸着材料の作用により、光触媒材料であるチタン酸化物は、感光体ドラム21表面の付着物である放電生成物をより多く吸着することが可能となる。これにより、感光体ドラム21表面に付着した放電生成物に対して高い除去作用が得られ、放電生成物が原因となる画像流れの発生を防止することができる。そして、あらためて研磨によって放電生成物を除去する必要がない。したがって、高い画像品質を維持することが可能であるとともに、感光体ドラム21の長寿命化が図られた高性能な画像形成装置1を得ることができる。
【0043】
また、上記構成の画像形成装置1において、吸着材料はアパタイトである。ここで、感光体ドラム21表面の付着物である放電生成物は、放電で発生するオゾンが空気中の水分を分解して生成される窒素酸化物やアンモニウム塩等のイオン性物質である。アパタイトは、これらの窒素酸化物やアンモニア等の吸着機能を有するので、本発明の構成のようにアパタイトを吸着材料として備えることで、さらに多くの放電生成物を吸着することが可能となる。また、放電生成物除去ローラ71に吸着した放電生成物を光触媒物質であるチタン酸化物が分解・除去することにより、アパタイトの吸着能力はその都度回復するので、高い吸着性能を長時間維持することができる。したがって、チタン酸化物による放電生成物の分解・除去作用がより一層向上する。
【0044】
アモルファスシリコンで構成される感光体は、高硬度であり耐磨耗性に優れているので、たいへん長寿命である。しかしながら一方では、感光体表面の付着物である放電生成物に起因して画像流れが発生し易いという問題もあるが、本発明の画像形成装置1に組み合わせることにより、感光体表面への放電生成物の付着を防止することが可能となるので、画像流れが発生しない、さらに長寿命な画像形成装置1を得ることができる。
【0045】
また、前記回転体である放電生成物除去ローラ71は、像担持体である感光体ドラム21の回転に従って回転するので、感光体ドラム21と放電生成物除去ローラ71は、互いの周面が相対的に移動することがない。また、感光体ドラム21の回転の駆動装置に対して負荷が掛かることない。これらのことから、感光体ドラム21と放電生成物除去ローラ71は、互いに表面の感光層23や光触媒部材層74の寿命が延び、また感光体ドラム21の駆動装置の寿命が延びて、ひいては画像形成装置1の長寿命化をさらに向上させることが可能となる。さらに、放電生成物除去ローラ71に駆動機構を連結して回転させると、その振動が感光体ドラム21に伝達され、感光体ドラム21の駆動ムラに起因する画像不良が発生する恐れがあるので、本発明によりこれを防止することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、感光体ドラムのような像担持体を使用した電子写真方式の画像形成装置全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成部周辺を示す模型的垂直断面部分拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
20 画像形成部
21 感光体ドラム
23 感光層
30 転写部
60 クリーニング装置
70 放電生成物除去装置
71 放電生成物除去ローラ(回転体)
74 光触媒部材層
75 照明手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体表面に現像されたトナー像を用紙に転写する画像形成装置において、
前記像担持体表面に接触して像担持体表面の付着物を除去する、表面に光触媒部材層を有する回転体を備え、この回転体表面の光触媒部材層は、前記付着物を吸着する吸着材料と、付着物を分解・除去するチタン酸化物との複合材料で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記吸着材料は、アパタイトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体は、アモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転体は、前記像担持体の回転に従って回転することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−119537(P2006−119537A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309801(P2004−309801)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】