画像形成装置
【課題】画像形成媒体への塵埃の付着に起因する現像不良の発生を防止する。
【解決手段】画像形成装置Aは、ロール状に巻かれたペーパーPを装置本体内部に収納するペーパーマガジン3と、装置本体内部に設けられてペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPを所定の長さに切断するペーパーカッター5と、ペーパーPを搬送させながらその乳剤面に走査露光を行う露光エンジン7と、走査露光後のペーパーPを現像処理部Eまで搬送する露光後搬送手段とを備える。装置本体内部では、該装置本体内部を搬送されるペーパーPが側壁面14の所定の接触部分T1に接触する。側壁面14の接触部分T1よりも搬送方向下流側であって且つ現像処理部Eよりも搬送方向上流側には、ペーパーPに付着した塵埃を取り除く除去ブラシ25が設けられている。
【解決手段】画像形成装置Aは、ロール状に巻かれたペーパーPを装置本体内部に収納するペーパーマガジン3と、装置本体内部に設けられてペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPを所定の長さに切断するペーパーカッター5と、ペーパーPを搬送させながらその乳剤面に走査露光を行う露光エンジン7と、走査露光後のペーパーPを現像処理部Eまで搬送する露光後搬送手段とを備える。装置本体内部では、該装置本体内部を搬送されるペーパーPが側壁面14の所定の接触部分T1に接触する。側壁面14の接触部分T1よりも搬送方向下流側であって且つ現像処理部Eよりも搬送方向上流側には、ペーパーPに付着した塵埃を取り除く除去ブラシ25が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた画像形成媒体を所定長さに切断するカッターを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の画像形成装置として、レーザー光によりペーパー(例えば印画紙等の画像形成媒体)に画像露光を行うようにしたものが知られている(特許文献1参照)。このような装置は、ロール状に巻かれたペーパーをマガジンにセットし、このマガジンを装置本体に収納している。そして、このマガジンから引き出されたペーパーをペーパーカッターで所定の長さに切断して、該ペーパーの乳剤面に走査露光を行って画像を焼付露光するように構成されている。
【0003】
ところで、特許文献1に開示された画像形成装置においては、露光手段と現像処理手段との間には、露光処理後のペーパーを搬送するための、上流側の前部搬送ユニットと、下流側の後部搬送ユニットとが設けられている。そして、これら前部搬送ユニットと後部搬送ユニットとの間には、このユニット間を移動可能に構成され、前部搬送ユニットから搬送されてきたペーパーを受け取って、そのペーパーを後部搬送ユニットに受け渡すチャッカーが設けられている。この装置では、ペーパー長さによっては、ペーパー前端部がチャッカーで挟持された状態で後部搬送ユニットに向かって搬送されている一方、ペーパーの後部が露光手段で露光処理が行われているという場合がある。このとき、チャッカーでペーパー前端部を挟持するときの振動やチャッカーで搬送するときの負荷変動等がペーパー後部の露光処理中の部分に伝達すると、露光ムラが発生してしまう。そこで、特許文献1に係る画像形成装置では、前部搬送ユニットと該チャッカーとの間のペーパーを下方に撓ませて、この撓んだ状態でペーパーを後部搬送ユニットまで搬送するように構成している。こうすることで、ペーパーをチャッカーで挟持した際の振動やチャッカーからの負荷変動をペーパーの撓んだ部分で吸収して、露光ムラの発生を防止している。
【特許文献1】特開2005−219897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記画像形成装置では、前部搬送ユニットと該チャッカーとの間のペーパーを下方に撓ませた状態で搬送する際に、ペーパーの画像形成面、即ち乳剤面が装置内部の壁面に接触する場合がある。
【0005】
特許文献1に係る画像形成装置では、ペーパーが接触する壁面には樹脂を塗布したり、不織布等の柔軟な素材を設けることによってペーパーの損傷を防止するように構成している。
【0006】
しかしながら、ペーパーが壁面に接触することで問題となるのは、ペーパーの損傷だけではない。ペーパーが壁面に接触することによって、そこに溜まっている塵埃がペーパーの画像形成面に付着して、現像不良を引き起こす虞がある。特に、装置本体内部において、ペーパーロールから引き出されたペーパーをペーパーカッターで切断する構成では、ペーパー切断時に紙粉が発生し、この紙粉が装置本体内部に溜まることになる。つまり、ペーパーが装置内部の壁面に接触すると、この紙粉がペーパーに付着してしまう。
【0007】
このようにペーパーの画像形成面に紙粉が付着し、紙粉が付着したままペーパーが現像処理部へ搬送されていくと、現像処理部において適切に現像が行われず、現像不良が発生してしまう。
【0008】
また、ペーパーの画像形成面と反対側の面(以下、裏面という)が装置内部の壁面に接触する場合であっても、該裏面に紙粉が付着する。この場合、画像形成面には紙粉が付着していないが、該裏面に付着した紙粉を現像処理部まで運ぶことなるため問題となる。すなわち、ペーパーの裏面に付着した紙粉は、ペーパーと共に現像処理部に運ばれ、現像液中に混入することになる。すると、現像液中を搬送されるペーパーの画像形成面に該紙粉が付着する虞がある。特に、紙粉が現像液の液面に浮遊している場合には、ペーパーが現像液中に搬入されるときに、その画像形成面に紙粉が付着しやすい。このように、ペーパーの裏面に紙粉が付着する場合であっても、現像不良を引き起こす虞がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成媒体への塵埃の付着に起因する現像不良の発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、現像処理手段に搬送されるまでの間に塵埃除去手段によって画像形成媒体に付着した塵埃を除去するようにしたものである。詳しくは、本発明は、ロール状に巻かれた画像形成媒体を装置本体内部に収納する収納手段と、装置本体内部に設けられて該収納手段から引き出された画像形成媒体を所定の長さに切断するカッターと、画像形成媒体を搬送させながらその画像形成面に走査露光を行う露光手段と、走査露光後の画像形成媒体を現像処理手段まで搬送する露光後搬送手段とを備える画像形成装置であって、前記装置本体内部には、該装置本体内部を搬送される画像形成媒体が接触する壁面があり、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側には、画像形成媒体に付着した塵埃を取り除く塵埃除去手段が設けられているものである。
【0011】
前記の構成のように、画像形成媒体を前記カッターによって切断するように構成すると、画像形成媒体を切断したときに紙粉が発生し、この紙粉が装置本体内部に溜まることになる。そして、このように紙粉等の塵埃が溜まった装置本体内部を搬送される画像形成媒体が装置本体内部の壁面に接触すると、その壁面に溜まっていた塵埃が画像形成媒体に付着することになる。そこで、前記の構成では、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側に前記塵埃除去手段を設けることによって、画像形成媒体が現像処理手段に搬入される前に、該画像形成媒体に付着した塵埃を除去することができる。その結果、塵埃が付着していない状態で画像形成媒体を現像処理手段へ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0012】
前記装置本体内部を搬送される画像形成媒体が該装置本体内部の壁面と接触する場合がある構成としては、例えば、露光処理と現像処理とが1枚の画像形成媒体上で同時に行われないように、露光処理される画像形成媒体を、露光処理が完全に終了するまでは現像処理部へ搬入されないように、前記露光手段と現像処理手段との間にループを形成したり、巻き取ったりして、貯留しておく構成がある。かかる構成においては、画像形成媒体のループが形成された部分や巻き取った部分の一部が装置本体内部の壁面と接触する場合がある。また、別の構成として、1枚の画像形成媒体において、露光処理が終了した前端部は現像処理が行われると共に同時に後部では露光処理が行われるような画像形成装置であって、現像処理部で発生する振動等が画像形成媒体の後部の現像処理中の部分まで伝達しないように、露光手段と現像処理手段との間において搬送される画像形成媒体にループを形成するような構成がある。かかる構成においては、画像形成媒体のループが形成された部分の一部が装置本体内部の壁面と接触する場合がある。その他にも、これらに限られず、装置本体内部を搬送される画像形成媒体が装置本体内部の壁面と接触する構成には種々のものがある。
【0013】
また、前記露光後搬送手段は、画像形成媒体を湾曲させて、該画像形成媒体の搬送方向を前記露光手段における画像形成媒体の搬送方向とは異なる方向へ変化させており、前記塵埃除去手段は、画像形成媒体が湾曲した部分よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される画像形成媒体と接触している除去ブラシであることが好ましい。
【0014】
例えば、前記露光手段において画像形成媒体が水平方向に搬送されており、そのまま水平方向に露光手段から搬出され、搬送方向が方向転換されずに水平方向に真っ直ぐに搬送されている部分に前記除去ブラシを配置すると、除去ブラシが画像形成媒体に接触するときの振動が画像形成媒体の露光処理中の部分まで伝達し易い。ところが、前記の構成の場合、前記除去ブラシを画像形成媒体の搬送方向が変化する部分よりも搬送方向下流側に設けることによって、前記露光手段と前記除去ブラシとの間に画像形成媒体が湾曲する部分が形成され、除去ブラシの接触に起因する振動や負荷変動が画像形成媒体の露光処理中の部分まで伝達し難くなる。このため、除去ブラシの接触により振動や負荷変動が生じても、露光ムラを引き起こすことがない。
【0015】
ここで、前述のように、画像形成媒体が湾曲することによって、振動や負荷変動が伝わり難くなる理由としては、a)湾曲部位で搬送方向の負荷変動が吸収されて、露光部分では搬送速度の変化が起き難くなること、b)湾曲部位乃至その近傍は通常、ガイド部材やローラ等の別の部材と接触しており、この部材によって振動や負荷変動が吸収、減衰されること、c)湾曲部位の内側では圧縮応力が生じ、外側では引張応力が生じており、このことが振動や負荷変動の減衰を早めること、などが考えられる。
【0016】
さらに、画像形成媒体は、湾曲してその搬送方向が変化する部分よりも下流側において、前記壁面の所定の接触部分と接触するように構成されており、前記除去ブラシは、前記壁面の所定の接触部分の搬送方向直近下流側に設けられていることが好ましい。
【0017】
前記塵埃除去手段がなければ、前記壁面に溜まっていた塵埃は、該壁面に接触した画像形成媒体を介して前記露光後搬送手段へ、さらに該露光後搬送手段によって搬送される、壁面に接触していない画像形成媒体へと、次々に付着していく。そこで、前記の構成では、前記除去ブラシを前記壁面における画像形成媒体が接触する所定の接触部分の直近下流側に設けることによって、画像形成媒体に付着した塵埃が二次的、三次的に拡散していくことを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側に前記塵埃除去手段を設けることによって、画像形成媒体が前記壁面と接触して塵埃が付着したとしても、該画像形成媒体が前記現像処理手段へ搬送される前に塵埃を除去することができ、その結果、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
(写真処理システムの全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Aを備えた写真処理システムの構成を示す。この写真処理システムは、画像データを取得し、この画像データに基づいてペーパー(画像形成媒体に相当)の乳剤面(画像形成面に相当)に画像を焼付露光し、写真プリントを作成する機能を備えている。また、この写真処理システムは、現像済みの写真フィルムに形成されているコマ画像をスキャニングし、画像データを取得するためのフィルムスキャナー(図示省略)や、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体に格納されている画像データを読み取るためのメディア読取部(図示省略)を備えている。
【0021】
前記図1に示すペーパーマガジン3,3には、それぞれ、長尺のペーパーがロール状に巻かれたロールRとして収容されており、該ペーパーマガジン3,3は、画像形成装置A本体に着脱可能に取り付けられている。そして、該画像形成装置A本体に取り付けられた2台のペーパーマガジン3,3のうち、一方のペーパーマガジン3がプリントサイズ等に応じて選択され、該選択された方のペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPが、所定の搬送経路に沿って搬送されるようになっている。すなわち、ペーパーマガジン3から引き出されたペーパーは、アドバンスローラユニット4により方向変換され、ペーパーカッター5により、所定のプリントサイズに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって、下流側に位置する露光エンジン7(露光手段に相当)へと搬送される。
【0022】
前記露光エンジン7には、上流側露光搬送ローラ9a及び下流側露光搬送ローラ9bが設けられている。これらの露光搬送ローラ9a,9bの間には、ペーパーPをレーザー光によって露光処理するための露光位置が設定されている。露光搬送ローラ9の上流側には、ペーパー検出センサー10が設けられており、ペーパーPが送り込まれてくると、その先端(搬送方向前端)部分を検出して信号を出力するようになっている。このペーパー検出センサー10は、赤外光を出力する発光素子と、これを受光する受光素子とにより構成される。このペーパー検出センサー10によってペーパーPの位置を検出することで、前記露光位置における露光開始タイミングを決めることができる。
【0023】
前記露光エンジン7は、公知の構造のもので、レーザー光源(レーザーダイオード等)から出力されるレーザー光を画像データに基づいて光変調し、この光変調されたレーザー光をペーパーPに照射することで、画像の露光を行う。すなわち、ペーパーPは、露光搬送ローラ9a,9bにより挟持された状態で、所定速度(一定速度)で搬送される一方、前記レーザー光は、ペーパーPの搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査されるため、ペーパーP上には1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
【0024】
そして、前述のような走査露光が行われながら、ペーパーPは、下流側の露光搬送ローラ9bによって露光位置よりも下流側へ送り出されていく。前記露光エンジン7の下流側には、露光後搬送手段としての第1及び第2搬送ユニット11,12が設けられており、詳しくは後述するが、第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯まわりに回転可能に設けられていて、下流側の露光搬送ローラ9bにより受け渡されたペーパーPを第2搬送ユニット12に受け渡す機能を備えている。そして、第2搬送ユニット12が、前記第1搬送ユニット11から受け取ったペーパーPを図示しない現像処理部Eへと送り込む。
【0025】
また、前記露光エンジン7の下流側(図1において露光エンジン7の左側)には、搬送方向の長さが所定値以上(例えば430.1mm以上)のペーパーPを一時的に収容(貯留)するための収容空間部Sが設けられている。すなわち、露光エンジン7の露光位置から現像処理部Eまでの距離よりもペーパーPが長いと、その一部において走査露光が行われている状態でペーパーPの先端が現像処理部Eに入ることになり、これに伴い発生する振動や負荷変動がペーパーPの露光部分に伝達されて、露光ムラを引き起こす虞れがあるが、斯かる負荷変動等が発生しないように、この実施形態では、露光搬送ローラ9bにより送り出されるペーパーPを一時、貯留するようにしたものである。
【0026】
また、この実施形態では、前記収容空間部SにペーパーPを巻き取るための巻き取りドラム20が配置されている。この巻き取りドラム20には、その外周面にペーパーPの先端部を圧着して挟持するための圧着ローラ21が付設されており、両者間にペーパーPの先端部を挟持して巻き取る巻き取り機構8を構成している。収容空間部S及び巻き取り機構8により、露光エンジン7から搬出されるペーパーPを巻き取って一時、貯留する巻き取り貯留部が構成される。
【0027】
これら、ペーパーマガジン3、露光エンジン7、第1及び第2搬送ユニット11、12及び収容空間部S等は、遮光された筐体C内に配置されている。
【0028】
(収容空間部の構成)
次に、前記収容空間部S内の構成を図2に基づいて説明する。まず、第1搬送ユニット11は、下流側露光搬送ローラ9bのさらに下流側に配置されていて、挟持搬送ローラ対11aと、ガイド板11bとを備えている。この挟持搬送ローラ対11aの高さ方向位置は、露光搬送ローラ9と同じ高さ位置になるように設定されているとともに、前記ガイド板11bの上流側端部には開口部11cが形成されており、ペーパーPの受け入れが容易になっている。
【0029】
また、前記第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯周りに90゜回転可能に構成されていて(図11参照)、90゜回転した状態では、第2搬送ユニット12へペーパーPを受け渡すことができる。第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿って配置され、図示しない駆動機構によって駆動される複数の挟持搬送ローラ対12aと、ペーパーPをガイドするガイド板12bとを備えており、第1搬送ユニット11から受け取ったペーパーPを現像処理部Eへと送り込む役割を果たす。
【0030】
巻き取りドラム20は、回転軸芯20a周りに回転可能に構成されている。この巻き取りドラム20によりペーパーPの巻き取りを開始する前は、巻き取りドラム20の外周面と圧着ローラ21の表面とは離間していて隙間が形成された状態になっている。これにより、搬送されてくるペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に容易に挿入される。
【0031】
また、前記巻き取りドラム20によるペーパーPの受け入れ高さは、露光搬送ローラ9による搬送面の高さや、第1搬送ユニット11の回動前の搬送面と同じ高さになるように設定されている。これにより、露光搬送ローラ9によって送り出されるペーパーPを巻き取りドラム20側でスムーズに受け入れることができる。なお、図2に示す状態では、圧着ローラ21の軸芯は、巻き取りドラム20の軸芯のちょうど真上に位置している。
【0032】
さらに、前記収容空間部S内には、前記巻き取りドラム20を上下方向に移動させるための巻き取り移動機構13が設けられており、この巻き取りドラム20に圧着ローラ21を含めた巻き取り機構8全体を、露光エンジン7の露光位置に近い上方の第1位置(図2の位置)と、露光位置から遠ざかる下方の第2位置(図9の位置)との間で上下に移動させるようになっている。
【0033】
すなわち、前記巻き取り移動機構13は、上下方向に延びるガイド部材13aと、巻き取り機構8を該ガイド部材13aに沿って移動させるためのタイミングベルト13bとを備えているとともに、このタイミングベルト13bには巻き取り機構8を支持するための支持体15が固定されていて、該タイミングベルト13bを図示しないモータ等によって駆動させることで巻き取り機構8を上下動させることができるようになっている。前記支持体15には、巻き取りドラム20を回転駆動するためのドラム駆動手段(モーターや減速機構など)が搭載されている。
【0034】
ここで、前記収容空間部Sは、現像処理部Eと隣接していて、側壁面14によって仕切られているが、前記巻き取りドラム20にペーパーPを巻き取った状態で上下動させるときに、ペーパーPが該側壁面14とできる限り接触しないようにするのが好ましい。これに対して、前記収容空間部Sを大きくすれば、側壁面14とペーパーPとの接触を解消することはできるが、装置全体が大きくなるという問題点がある。
【0035】
そこで、前記巻き取り移動機構13は、図2に示すように、巻き取り機構8が斜め下方に移動するように構成している。具体的には、前記巻き取り移動機構13は、巻き取り機構8が下方に下がるほど側壁面14から遠ざかる方向に移動するように構成されており、これにより、ペーパーPが側壁面14と接触することをできる限り抑制し、接触したとしてもその接触面積を可及的に小さくして、巻き取り機構8を収容空間部S内の下方に向かって移動させることができる。
【0036】
また、以下に詳述するが、前記巻き取り機構8の巻き取りドラム20にペーパーPを巻き取るときや、該巻き取り機構8全体を巻き取り移動機構13によって下方に移動させるときには、基本的にペーパーPにたるみを生じさせるようにしている。こうすることで、前記のようにペーパーPの一部において画像形成が行われている状態で、その先端側を巻き取ったり、それを下方に移動させたりしても、露光位置には大きな振動や負荷変動が伝わることがなく、露光ムラなどの発生を防止することができる。
【0037】
さらに、前述巻き取り機構8は、前述のとおり、収容されるペーパーPが側壁面14とできる限り接触しないように構成されているが、多少は接触する場合もある。そこで、収容空間部S内には、ペーパーPの側壁面14への接触による乳剤面への紙粉の付着に備えて、ペーパーPに付着した紙粉等の塵埃を除去する塵埃除去手段としての除去ブラシ25が設けられている。
【0038】
この除去ブラシ25は、側壁面14とペーパーPとが接触する接触部分T1(図9参照)よりも上方であって、巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPよりもペーパーPの乳剤面側に設けられている。この除去ブラシ25は、ペーパー幅方向に延びて設けられ且つペーパー幅方向に延びる軸回りに回動可能に支持された本体部25aと、該本体部25aにペーパー幅方向の全長に亘って設けられたブラシ部25bとを有し、該ブラシ部25bが第1搬送ユニット11から収容空間部S内へ搬送されるペーパーPの搬送軌跡上から外れた待避姿勢(図9の実線参照)と、該ブラシ部25bが第2搬送ユニット12へ搬送されていくペーパーPの搬送軌跡上に位置する除去姿勢(図9の二点鎖線参照)とに切替可能に構成されている。
【0039】
−巻き取り機構−
以下に、巻き取り機構8を構成する巻き取りドラム20及び圧着ローラ21の詳細構成を図3に基づいて説明する。また、該圧着ローラ21を圧着方向に移動させるためのカム機構について図4に示す。
【0040】
前記巻き取りドラム20は、固定軸200の周りに回転可能に構成されている。該巻き取りドラム20は、樹脂製であり、その外周面上にペーパーPを巻き取るようになっている。巻き取りドラム20の軸方向両端部には、圧着ローラ21を圧着方向に付勢するためのコイルスプリング24を掛ける円周溝202が設けられていて、該巻き取りドラム20の軸方向両端部のうち一方の端部の円周溝202よりも端側には、巻き取りドラム20を回転させるための連結ギヤ201が設けられている。
【0041】
圧着ローラ21は、巻き取りドラム20の軸線に対して略平行に配置されるローラ支軸210と、このローラ支軸210の外周面を覆うように軸方向に複数個並んで設けられる樹脂製の支軸211,211,…と、さらにこの各支軸211の表面にそれぞれ取り付けられる圧着部材212,212,…と、を備えている。この圧着部材212は、スポンジのような弾性を有する発泡部材(例えば発泡ウレタン等)により形成され、巻き取りドラム20の外周面との間でペーパーPの先端部を挟持する際に容易に弾性変形することで、このペーパーPへの負荷変動を緩和する。
【0042】
前記ローラ支軸210には、支軸211,211,…が該ローラ支軸210に対して軸方向に移動するのを防止するためのEリング213が嵌合されている。また、その軸方向両端部には、前記コイルスプリング24を掛けるための溝部214,214が形成されている。さらに、ローラ支軸210の軸方向両端部で前記溝部214,214よりも軸方向内側には、それぞれ、カム連結軸215,215が設けられていて、該各カム連結軸215が後述するカム機構のカム面203aの形状に応じて上下動することで、前記圧着ローラ21を圧着方向若しくは非圧着方向へと移動させることができるようになっている。
【0043】
斯かる巻き取り機構8の構成により、巻き取りドラム20が回転すると、これに連動して圧着ローラ21も巻き取りドラム20の外周方向に沿って回転移動(固定軸200回りに回転移動)するようになる。なお、圧着ローラ21自体は、ローラ支軸210に対して回転自在に嵌挿され、フリーに回転できるようになっている。
【0044】
次に、前記圧着ローラ21を圧着方向に移動させるためのカム機構を図4に基づいて説明する。図4は、図3に示す巻き取り機構8を、カムの形成されている箇所で固定軸200に垂直な面で切断した断面図を示している。図示の如く、カム部材203は、クラッチ部材204を介して固定軸200に対して結合されている。該カム部材203は、カム面203aを有しており、先ほど説明したコイルスプリング24の付勢力により、カム連結軸215の先端215aがカム面203aに常時接触するようになっている。
【0045】
前記カム面203aは、カム部材203の外周面上のθ=210゜の範囲に形成されているため、カム連結軸215(圧着ローラ21)がカム部材203に対して回転移動できる範囲も210゜となる。そして、このカム面203aの周方向両端には、第1壁面203b及び第2壁面203cが形成されていて、カム連結軸215が該カム面203a上を相対移動すると、該カム連結軸215がこれらの壁面203b,203cに当接して位置決めされる。
【0046】
図4(a)は、圧着ローラ21と巻き取りドラム20との間に隙間が形成された初期状態を示す図であり、図4(b)は圧着ローラ21が210゜回転し、圧着ローラ21によってペーパーPが圧着された状態を示す図である。このように、巻き取りドラム20を210゜回転させると、図4(b)の状態となるが、さらに巻き取りドラム20を回転させると、カム連結軸215が第2壁面203cに当接して、強制的にカム部材203も一緒に固定軸200回りに回転させることになる。このとき、クラッチ部材204には滑りが生じている。すなわち、前記クラッチ部材204を設けることで、圧着ローラ21をカム部材203によって規制される範囲(210゜)以上に回転させることが可能になる。
【0047】
(制御ブロック図)
次に、画像形成装置Aの制御ブロック構成を図5に基づいて説明する。この図5において、ペーパー先端検出手段30は、ペーパー検出センサー10からの出力信号によってペーパーPの先端を検出して、ペーパーPが到来したことを判定するものである。また、ペーパーPの先端が検出されるタイミングによって、現在、ペーパーPが下流側のどの位置にあるかを認識することができる。ローラ駆動手段31は、露光搬送ローラ9を駆動するための駆動機構や駆動回路等により構成される。さらに、搬送量検出手段32は、露光搬送ローラ9の回転量をエンコーダ等により検出することで、ペーパーPの搬送量を検出するように構成されている。
【0048】
ペーパー位置検出部33は、前記ペーパー先端検出手段30により検出されたペーパーPの先端位置と、前記搬送量検出手段32により検出されたペーパーPの搬送量とに基づいて、ペーパーPの種々の位置を演算して求める機能を有する。具体的には、前記ペーパー位置検出部33は、露光開始タイミング検出手段33a、ペーパー後端脱出検出手段33b及び挿入検出手段33cを備えている。
【0049】
前記露光開始タイミング検出手段33aは、ペーパー先端検出手段30によって検出されたペーパーPの先端位置に基づいてレーザー光による露光開始タイミングを検出するように構成されている。すなわち、ペーパー検出センサー10の位置及びレーザー光による露光位置は、設計的に定まっているため、ペーパーPの先端位置が分かれば前記露光開始タイミング検出手段33aによって露光位置における露光開始タイミングを演算することができる。
【0050】
また、前記ペーパー後端脱出検出手段33bは、画像の焼付露光が完了したペーパーPの後端が、その焼付露光位置から脱出したことを検出するためのものである。さらに、前記挿入検出手段33cは、ペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたことを検出するためのものである。この隙間への挿入量は適宜、設定することができるが、通常は約20mm程度とされている。
【0051】
露光制御部34は、露光開始タイミング検出手段33aによる露光タイミングの演算結果に基づいてレーザー光による画像の走査露光を開始するように構成されている。これにより、所定速度で搬送されるペーパーPの乳剤面に画像データにより光変調されたレーザー光を走査して、潜像を形成することができる。
【0052】
第1搬送ユニット駆動部35は、第1搬送ユニット11を駆動するための機構を有する。具体的には、この第1搬送ユニット駆動部35は、搬送ローラ対11aを圧着状態と非圧着状態とに切り替えるための圧着駆動手段35aと、第1搬送ユニット11の全体を90゜回転させて水平状態と垂直状態とに切り替えるためのユニット回転手段35bと、搬送ローラ対11aを回転駆動させるローラ駆動手段35cと、を備えている。ここで、前記圧着駆動手段35aは、露光エンジン7により画像の露光が行われているときは、搬送ローラ対11aを非圧着状態とし、ペーパーPに負荷が作用しないようにする。
【0053】
第2搬送ユニット駆動部36は、第2搬送ユニット12を駆動するための機構を有するもので、搬送ローラ対12aを回転駆動させるローラ駆動手段36aを備えている。そして、搬送ユニット駆動制御手段37が第1搬送ユニット11及び第2搬送ユニット12の駆動制御を行う。例えば、ペーパー位置検出部33によってペーパーPの後端が焼付露光位置から脱出したことが検出されたときに、搬送ローラ対11aを圧着状態に切り替える。
【0054】
プリントサイズ設定手段40には、画像の露光されるペーパーPのプリントサイズのデータが設定記憶される。そして、このプリントサイズ設定手段40に記憶されているプリントサイズデータに基づいて巻き取り移動機構13に対する制御や巻き取りドラム20に対する制御が行われる。例えば、ペーパーPの長さが所定長さ(本実施形態では430.1mm)よりも短い場合には、巻き取り機構8によるペーパーPの巻き取りは行わないようにする。
【0055】
ドラム駆動手段42は、巻き取りドラム20を回転駆動するための機構を備えている。回転量検出手段43は、巻き取りドラム20の回転量を検出できるように構成されている。例えば、巻き取りドラム20に連動して回転するエンコーダにより、回転量をモニターすることができる。
【0056】
ドラム回転制御手段44は、巻き取りドラム20の回転駆動制御を行う機能を有する。すなわち、ドラム回転制御手段44は、挿入検出手段33cによるペーパーPの先端挿入の検出結果や、プリントサイズ設定手段40に記憶・設定されているプリントサイズのデータなどに基づいて、詳しくは以下にフローチャートを参照して説明するように、巻き取りドラム20の回転及び停止制御を行う。
【0057】
巻き取り制御手段45は、ペーパーPの搬送方向の長さに応じて巻き取り移動機構13の駆動制御を行う。例えば、長さの短いペーパーPの場合は、巻き取り機構8による巻き取り動作を行わないため、巻き取りドラム20を一番下の第2位置に逃がしておく。それ以外のペーパーPでは、回転量検出手段43により圧着ローラ21による圧着動作が完了(θ=210゜回転)したことを検出すると、巻き取りドラム20を第1位置から第2位置へ移動させるように制御する。なお、ペーパーPの長さ寸法に関する情報は、前記プリントサイズ設定手段40から得ることができる。
【0058】
前記図5に示す制御ブロックは、コンピュータソフトウェアやハードウェアの機能により構築することができる。どの機能をソフトウェアで実現し、どの機能をハードウェアにより実現するかについては、ペーパー処理の能力等に応じて適宜決めることができる。
【0059】
(露光後の搬送動作)
次に、露光エンジン7にて画像が露光されたペーパーPを現像処理部Eへ送り出す搬送動作について、図6A,6Bのフローチャート及び図2、図7〜図11により説明する。なお、プリントサイズ設定手段40には、巻き取り機構8を第2位置まで下降させる必要がある長さのプリントサイズが設定されているものとする。
【0060】
まず、所定のプリントサイズに切断されたペーパーPの先端がペーパー検出センサー10及びペーパー先端検出手段30により検出される(ステップST1)。ペーパーPの先端が検出されてから所定タイミングが経過して、露光開始タイミング検出手段33aによって露光開始のタイミングであることが検出された後、露光制御部34によってペーパーPの乳剤面に対してレーザー光が走査露光され、画像が形成されていく(ステップST2)。
【0061】
このようにレーザー光による走査露光が行われながら、ペーパーPは露光搬送ローラ9により下流側に向かって搬送されて、ペーパーPの先端は、第1搬送ユニット11のガイド板11bを通過する。このとき、第1搬送ユニット11の搬送ローラ対11aは圧着が解除された状態であるため、ペーパーPに大きな負荷が作用することなく、該ペーパーPは第1搬送ユニット11の位置を通過することができる。
【0062】
巻き取りドラム20は、予め図2に示すような第1位置に設定されているため、前述のように第1搬送ユニット11を通過したペーパーPは、そのまま巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に向かって搬送される。そして、ペーパーPの先端位置は、ペーパー検出センサー10による検出結果とペーパーPの搬送量とに基づいてペーパー位置検出部33により演算され、この演算結果に基づいて挿入検出手段33cにより、ペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたか否かを判断する(ステップST3)。
【0063】
なお、前記挿入検出手段33cは、ペーパー検出センサー10からの出力信号に基づいてペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたことを検出するようにしているが、この限りではなく、ペーパーPの挿入を検出するための専用のセンサーを挿入位置の近傍に設けてもよい。
【0064】
そして、前記のようにペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との隙間に挿入されたことが検出されれば(ステップST3においてYES)、巻き取りドラム20の回転を開始する(ステップST4)。図2は、ペーパーPの先端が前記隙間に挿入された直後の状態を示している。そして、巻き取りドラム20は、図2において反時計方向に回転するとともに、圧着ローラ21も同様に回転軸芯20a周りに回転する。その後、前述したカム機構によって圧着ローラ21と巻き取りドラム20との間の隙間は徐々に狭くなっていき、圧着ローラ21は圧着方向に移動することになる。
【0065】
このとき、前記ペーパーPの搬送方向後側においてはレーザー光による走査露光が行われている。すなわち、一部分において露光中のペーパーPの先端部が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間に挟持されることになるが、そうしてペーパーPの先端部を挟持する巻き取りドラム20の周速度が、露光搬送ローラ9によるペーパーPの送り速度(搬出速度)と略同じになるか、或いは少しだけ遅くなるように設定されているため、ペーパーPに若干のたるみを持たせて、これに大きな負荷変動を加えることなく、その先端側を巻き取ることができる。
【0066】
そして、前記巻き取りドラム20が所定量(図の例では210゜)回転したかどうか判定し(ステップST5)、所定量回転したと判定されたとき(ステップST5でYESの場合)には、巻き取りドラム20の回転を停止する(ステップST6)。この回転量の検出は回転量検出手段43により行う。図7は、巻き取りドラム20の回転が停止した直後の状態を示す図である。
【0067】
前記ステップST6で巻き取りドラム20の回転を停止した後、前記プリントサイズ設定手段から得られたペーパーPのペーパー長さに応じて、巻き取り制御手段45によって巻き取り移動機構13を駆動して巻き取り機構8を第1位置から第2位置へと下降させると共に、ペーパー長さが所定長さよりも長いときには巻き取りドラム20を再び回転させる(ステップST7)。詳しくは、ペーパーPのペーパー長さに基づいて、巻き取りドラム20を第1位置から第2位置の間のどの位置まで降下させるのか、あるいは、巻き取りドラム20を第2位置まで降下させた状態で該巻き取りドラム20を回転させてペーパーPをさらにどれだけ巻き取るのかが予め決められており、前記プリントサイズ設定手段から得られたペーパーPのペーパー長さに応じて巻き取りドラム20の動作が決定される。このステップST6、ST7の制御手順は略同時に行ようにしてもよい。例えば、巻き取りドラム20が停止する直前に、巻き取り機構8の下方への移動を開始してもよい。
【0068】
そのような巻き取り機構8の下方への移動速度も、ペーパーPが収容空間部S内へ送り込まれてくる速度よりも遅くなるように設定されており、これにより、ペーパーPにたるみを持たせて、これに大きな負荷変動を加えることなく、巻き取り機構8を下方へ移動するることができる。図8は、巻き取りドラム20が第1位置と第2位置との中間位置(第3位置)まで移動した状態を示しており、巻き取りドラム20と第1搬送ユニット11との間のペーパーP部分にたるみが生じ始めていることを示す。
【0069】
尚、ステップST7においては、前記除去ブラシ25は待避姿勢となっており、収容空間部S内へ搬送されるペーパーPとは接触しないようになっている。こうすることで、除去ブラシ25がペーパーPへ接触することによる振動や負荷変動がペーパーPの露光されている部分に伝わることはなく、露光ムラなどが発生することを防止することができる。
【0070】
また、図9は、巻き取り機構8が第2位置まで下降完了した状態を示す。前述のとおり、収容されるペーパーPが側壁面14とできる限り接触しないように構成されているが、多少は接触する場合もある。
【0071】
さらに、図10は、図9の状態から巻き取りドラム20を再び回転させ、ペーパーPをさらに巻き取った状態を示している。かかる場合、圧着ローラ21は210゜以上回転していることから、クラッチ部材204が滑っている状態である。
【0072】
前述のように巻き取りドラム20を下降及び回転させてペーパーPを巻き取りながら、ペーパー後端脱出検出手段33bによってペーパーPの後端が第1搬送ユニット11に到達したか否かを判断する(ステップST8)。なお、第1搬送ユニット11にペーパーPの後端が到達した状態とは、挟持搬送ローラ対11aよりもペーパーPの後端が少し上流側に突出した状態であり、このこともペーパー検出センサー10による検出結果とペーパーPの搬送量とに基づいて判断される。但し、ペーパー後端の到達を検出するための専用のセンサーを第1搬送ユニット11に設けてもよい。
【0073】
そして、ペーパーPの後端が到達していると判定すれば(ステップST8でYESの場合)、巻き取りドラム20の下降又は回転を停止する(ステップST9)一方、ステップST8で後端が到達していないと判定すれば(NOの場合)、ステップST7へ戻って、ステップST7、ST8を繰り返す。
【0074】
以上のような巻き取りドラム20の回転及び停止の制御は、ドラム回転制御手段44の機能に基づいて行われる。言い換えると、前記ドラム回転制御手段44は、露光エンジン7から搬出されるペーパーPにたるみを生じるように、間欠的に(即ち、搬出速度に対し平均的には低い速度で)ペーパーPを巻き取るものである。
【0075】
斯くして、ペーパーPの後端が第1搬送ユニット11に到達し、且つ巻き取りドラム20の回転が停止すると、圧着駆動手段35aによって、第1搬送ユニット11の挟持搬送ローラ対11aは非圧着状態から圧着状態へと切り替えられる(ステップST10)。そして、図11に示すように、ユニット回転手段35bによって第1搬送ユニット11は90゜回転して垂直姿勢となる(ステップST11)。このとき、第1搬送ユニット11の搬送面と第2搬送ユニット12の搬送面とが一列に並んだ状態となる。
【0076】
次に、前記除去ブラシ25を除去姿勢に切り替える(ステップST12)。こうすることで、除去ブラシ25のブラシ部25bがペーパーPの乳剤面に接触した状態となる。
【0077】
続いて、搬送ローラ対11aを回転駆動させて、ペーパーPを第2搬送ユニット12へ向かって搬送し、受け渡す(ステップST13)。この際、巻き取りドラム20は逆回転(時計回り)させる。これにより、第2搬送ユニット12によって挟持されたペーパーPは上方に搬送され、図示しない現像処理部Eに送り込まれて現像処理が施される。すなわち、ペーパーPは、巻き取り機構8によりペーパーPが巻き取られる前と、その後、第2搬送ユニット12によって搬送されるときとで、搬送方向における前側と後側とが入れ替わることになる。
【0078】
このとき、ペーパーPは、その乳剤面がブラシ部25bと接触した状態で第2搬送ユニット12へ搬送されていくため、側壁面14と接触することで乳剤面に付着した紙粉等の塵埃が除去ブラシ25によって除去することができる。
【0079】
前記のように第2搬送ユニット12へのペーパーPの受け渡しが完了すると(ステップST14)、次のペーパーPを受け入れるべく初期状態にリセットする。すなわち、巻き取りドラム機構8を第2位置から第1位置へと上昇させるとともに、圧着ローラ21も初期位置に復帰させ、次のペーパーPを受け入れ可能な状態にする。また、第1搬送ユニット11も水平状態に復帰させるとともに、搬送ローラ対11aを非圧着状態とする。さらに、除去ブラシ25を待避姿勢に切り替える。
【0080】
なお、以上の説明では、ペーパーPの搬送方向の長さが所定値(例えば430.1mm、第1の長さ)以上のプリントサイズの場合の搬送方法について述べたが、ペーパーPの長さが前記所定値以下の場合には、次のような動作を行う。
【0081】
すなわち、サービスサイズのようにペーパーPの搬送方向長さが所定値よりも短い場合(例えば430.1mmよりも短い場合、第2の長さ)は、該ペーパーPを巻き取りドラム20で巻き取る必要がないため、巻き取り機構8を最初から第2位置へと移動させておく。これにより、露光エンジン7により画像が露光されたペーパーPは、第1搬送ユニット11により直ちに方向変換され、第2搬送ユニット12へと受け渡しされる。尚、この場合であっても、ペーパーPが収容空間部S内に一旦収容された際に、ペーパーPが側壁面14に接触する虞があるため、第1搬送ユニット11で方向転換して、第2搬送ユニットへ受け渡すときには、除去ブラシ25を除去姿勢に切り替えて、搬送されていくペーパーPの乳剤面にブラシ部25bが接触するようにしておくとよい。
【0082】
以上、説明したように、この実施形態に係る画像形成装置Aによると、露光エンジン7の搬送路下流側に露光後バッファとして設けた収容空間部S内に、巻き取り機構8を配設して、これによりペーパーPを巻き取るようにしたから、収容空間部Sをあまり大きくすることなく、露光後バッファの容量を十分に大きくすることができる。従って、装置全体の小型化を図りつつ、非常に長いサイズ(例えば430.1mm以上)のプリントを行う場合でも、露光中のペーパーPの先端が現像処理部Eに到達することをなくして、現像処理等に起因する露光ムラの発生を防止することができる。
【0083】
しかも、そうして露光エンジン7から送られてくるペーパーPは、これに或る程度のたるみを持たせて巻き取ったり、下方に移動させるようにしているから、こうしてペーパーPを巻き取って貯留する際に負荷変動が加わっても、ペーパーPの露光されている部分には大きな振動や負荷変動が伝わることはなく、露光ムラなどが発生することはない。
【0084】
さらに、そうして巻き取られるペーパーPは、収容空間部S内の側壁面14と接触する場合もあるが、この側壁面14におけるペーパーPとの接触部分T1よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の下流側に除去ブラシ25を設けることによって、ペーパーPが側壁面14に接触することで乳剤面に付着した紙粉等の塵埃を除去することができる。こうして、ペーパーPが現像処理部Eへ搬送される前に塵埃を除去することができるため、現像不良の発生を未然に防止することができる。
【0085】
さらにまた、除去ブラシ25を側壁面14におけるペーパーPとの接触部分T1よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の直近下流側、即ち、該ペーパー搬送方向において側壁面14の接触部分T1の次にペーパーPと接触する部材(本実施形態では、第1搬送ユニット11)と該側壁面14の接触部分T1との間に設けることによって、ペーパーPに付着した塵埃が該側壁面14の接触部分T1よりも下流側の部材、即ち、第1搬送ユニット11、第2搬送ユニット12及び現像処理部E等へ付着して、次回以降に搬送されるペーパーPに塵埃が二次的、三次的に付着することを防止することができる。
【0086】
《発明の実施形態2》
次に本発明の実施形態2に係る画像形成装置Aについて説明する。本実施形態2に係る画像形成装置Aは、塵埃除去手段として除去ファンを採用した点で前記実施形態1とは異なる。尚、前記実施形態1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
図12に、実施形態2に係る塵埃除去手段としての除去ファン26を示す。実施形態2では、収容空間部S内に収容されるペーパーPが収容空間部S内の側壁面14とは接触することはなく、底壁面16と接触するように構成されている。
【0088】
前記除去ファン26は、収容空間部S内に空気を吸い込み、この吸い込んだ空気をペーパーPの乳剤面に吹き付けて、ペーパーPが底壁面16と接触することでペーパーPの乳剤面に付着した紙粉等を除去するためのものである。また、除去ファン26は、側壁面14の下方であって、底壁面16におけるペーパーPとの接触部分T2よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の下流側位置に設けられている。さらに、除去ファン26の吹出側(収容空間部S内側)には、吹出口が絞られたガイド27が設けられている。このガイド27によって、除去ファン26により吸い込まれた空気は、速度が速くなった状態で且つペーパーPの所定の幅に集中して吹き付けられることになる。
【0089】
また、収容空間部Sの底壁面16には、前記除去ファン26によってペーパーPの乳剤面から除去された紙粉等を収容空間部S内から吸い出す吸い出しファン28が設けられている。この吸い出しファン28を設けることによって、ペーパーPに付着した紙粉等を除去ファン26で吹き飛ばしても、該紙粉が収容空間部S内に飛散して拡散していくことがなく、収容部空間S外へ吸い出される。
【0090】
このように構成された画像形成装置Aの露光後の搬送動作は、前記実施形態1と基本的には同じである。図6のフローチャートのステップST12における「除去ブラシをセット」を「除去ファン及び吸い出しファンを作動」に代えればよい。
【0091】
つまり、前記ステップST11において第1搬送ユニット11を90度を回転させた後に、ステップST12において除去ファン26及び吸い出しファン28を作動させる。そして、これらのファン26、28を作動させた状態で、搬送ローラ対11aを回転駆動させて、ペーパーPを第2搬送ユニット12へ向かって搬送し、受け渡す(ステップST13)。
【0092】
こうして、ペーパーPは、その乳剤面に空気が吹き付けられた状態で第2搬送ユニット12へ搬送されていくため、乳剤面に付着した紙粉等の塵埃が除去される。そして、この除去された塵埃は拡散することなく、吸い出しファン28によって収容空間部S外へ吸い出される。
【0093】
このように、搬送されるペーパーPの乳剤面が底壁面16と接触する場合であっても、その接触部分T2よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも搬送方向上流側に設けられた除去ファン26によって、乳剤面に付着した塵埃が除去されるため、塵埃が付着していない状態でペーパーPを現像処理部Eへ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0094】
尚、前記除去ファン26は、イオン発生装置を備えるように構成してもよい。こうすることで、ペーパーPの帯電を防止することもできる。
【0095】
また、前記除去ファン26はステップST12において初めて作動することになるが、これに限られず、常時、作動しているものであってもよい。
【0096】
さらに、除去ファン26によって吹き付けられる空気は、ペーパーPの、底壁面16と接触する部分よりも搬送方向下流側の部分に当たるように構成されているが、ペーパーPの、底壁面16と接触する部分に当たるように構成してもよい。こうすることで、ペーパーPだけでなく、底壁面16の接触部分T2にも除去ファン26からの空気が当たることになり、接触部分T2に溜まっている塵埃も吹き飛ばすことができる。その結果、ペーパーPが底壁面16に接触することでペーパーPに付着する塵埃を可及的に低減、あるいはなくすことができる。
【0097】
また、前記吸い出しファン28を設けない構成であってもよい。
【0098】
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係る画像形成装置Bについて説明する。本実施形態3に係る画像形成装置Bは、前記実施形態1に係る画像形成装置Aとペーパーマガジン3や露光エンジン7等の配置が異なる。尚、前記実施形態1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0099】
図13に、実施形態3に係る画像形成装置Bの概略構成を示す。
【0100】
画像形成装置Bでは、筐体C内において、ペーパーマガジン3が下方に設けられ、その上方に露光エンジン7が設けられ、さらにその上方に露光後搬送部が設けられている。
【0101】
前記ペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPは、アドバンスローラユニット4によって方向転換されペーパーカッター5によって所定のペーパー長さに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって下流側に位置する露光エンジン7へと搬送される。露光後のペーパーPは、露光後搬送部によって現像処理部Eまで搬送される。
【0102】
ここで、前記露光後搬送部について詳しく説明する。露光後搬送部は、露光エンジン7で露光処理され鉛直上方へ搬出されたペーパーPの搬送方向を水平方向に変換する第1搬送ユニット51と、ペーパーPを受け渡されて現像処理部Eまで搬送する第2搬送ユニット53と、これら第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との間を水平方向に移動すると共に第1搬送ユニット51からペーパーPを受け取って該ペーパーPを第2搬送ユニット53へ受け渡すチャッカー52とを有する。
【0103】
前記チャッカー52は、第1搬送ユニット51からペーパーPが送り出されるときには、第1搬送ユニット51と近接する待機位置(図中の二点鎖線参照)に位置する。そうすることで、第1搬送ユニット51から送り出されるペーパーPを受け取る。このときチャッカー52のチャックローラは開放状態となっており、ペーパーPを圧着していない。
【0104】
そして、第1搬送ユニット51からペーパーPを受け取ると、チャッカー52は第2搬送ユニット53側へ移動を始める。このとき、チャッカー52の移動速度(搬送速度)は、第1搬送ユニット51のペーパー搬送速度よりも遅く設定されており、この速度差によって、搬送されるペーパーPは第1搬送ユニット51とチャッカー52との間の部分が下方に撓んだ状態となる。
【0105】
尚、チャッカー52が第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との略中間地点に到達したときにチャックローラが圧着状態となり、ペーパーPはチャッカー52により挟持された状態となる。このチャッカー52によりペーパーPを挟持するときには、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間の部分には下方に撓んだ部分が形成されているため、挟持時の振動がペーパーPの露光処理中の部分に伝わることが防止される。
【0106】
こうして、ペーパーPは、チャッカー52に挟持されて第2搬送ユニット53まで搬送される。尚、この第2搬送ユニット53まで搬送される間も、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間には下方に撓んだ部分が形成されているため、チャッカー52による搬送時のペーパーPへの負荷変動がペーパーPの露光処理中の部分に伝わることが防止される。
【0107】
チャッカー52が第2搬送ユニットに近接する位置(図中の実線参照)まで到達すると、ペーパーPが第2搬送ユニット53へ受け渡される。その後、ペーパーPは、第2搬送ユニット53によって現像処理部Eへ搬送され、現像処理が行われる。
【0108】
このようにしてペーパーPを搬送する露光後搬送部においては、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間に下方に撓んだ部分が形成された状態で搬送されるため、ペーパーPの乳剤面が搬送中にチャッカー52等が設けられたテーブル部54(詳しくは、テーブル部54における第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との中間地点付近)部分T3と接触する場合がある。そこで、テーブル部54の接触部分T3よりも搬送方向下流側には除去ブラシ25が設けられており、除去ブラシ25のブラシ部25bが接触部分T3に接触したペーパーPが下流側へ搬送されるときに該ペーパーPの乳剤面と接触するように構成されている。尚、除去ブラシ25は、テーブル部54上を移動するチャッカー52と干渉しない位置に設けられている。このテーブル部54がペーパーPが接触する壁面に相当する。
【0109】
このように、搬送されるペーパーPの乳剤面がテーブル部54と接触する場合であっても、その接触部分T3よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも搬送方向上流側に設けられた除去ブラシ25によって、乳剤面に付着した塵埃が除去されるため、塵埃が付着していない状態でペーパーPを現像処理部Eへ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0110】
また、露光エンジン7におけるペーパーPの搬送方向(鉛直上向き)は、第1搬送ユニット51によって水平方向へ湾曲しながら方向転換され、前記除去ブラシ25は、ペーパーPの搬送方向が変化する位置よりも搬送方向下流側に位置するテーブル部54に設けられているため、除去ブラシがペーパーPに接触することでペーパーPに作用する振動や負荷がペーパーP後部の露光処理中の部分まで伝達し難くなっている。その結果、露光ムラの発生を防止することができる。
【0111】
尚、前記除去ブラシ25は、搬送されるペーパーPの乳剤面に空気を吹き付けて、乳剤面に付着した紙粉等の塵埃を除去する除去ファン26であってもよい。かかる場合、除去ファン26が吹き付ける空気が、ペーパーPの、テーブル部54との接触部分T3よりも搬送方向下流側の部分に当たるように、除去ファン26の吹出側にガイド27が設けられていることが好ましい。尚、これら除去ファン26及びガイド27は、テーブル部54上を移動するチャッカー52と干渉しない位置に設けるようにするとよい。また、除去ファン26によって吹き飛ばされた塵埃を外部に吸い出すための吸い出しファンを設けることが好ましい。
【0112】
《その他の実施形態》
なお、本発明に係る画像形成装置A、Bの構成は、前述した実施形態に限定されることなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ペーパーPの乳剤面が収容空間部S内の側壁面14や底壁面16、又はテーブル部54と接触する構成であったが、これに限られるものではない。つまり、ペーパーPが装置内部の壁面と接触する構成であれば任意の構成を採用することができる。尚、装置内部の壁面とは、筐体Cの内面だけを意味するものではなく、装置内部に設けられた各部材、各機構を構成する壁面を含むものである。
【0113】
また、前記実施形態では、ペーパーPの乳剤面が側壁面14等と接触する構成であったが、これに限られず、ペーパーPの乳剤面と反対側の面が側壁面14等と接触する構成であってもよい。かかる場合であっても、ペーパーPの乳剤面と反対側の面に付着した塵埃が現像処理部Eへ搬送されることを防止することができ、該塵埃に起因する現像不良を防止することができる。
【0114】
なお、ペーパーPが装置内部の壁面と接触するか否かは、ペーパーPの搬送路の配置、ペーパーPのペーパー長さ、ペーパーPの搬送方法(例えば巻き取り機構8で巻き取るか否か等)によって決まる。つまり、画像形成装置の構成や画像形成条件等に応じて装置内部の壁面のどの部分にペーパーPが接触するかはわかるため、その接触部分よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも上流側に塵埃除去手段を設けるようにすればよい。
【0115】
また、前記実施形態では、画像形成されるペーパーPは、ペーパー長さ等の画像形成条件に応じて、側壁面14や底壁面16と接触する場合としない場合があったが、かかる構成に限られず、画像形成条件等に拘わらず、画像形成される全てのペーパーが壁面と接触しながら搬送されるように構成された画像形成装置に本発明を採用できることは言うまでもない。
【0116】
また、前記実施形態では、画像形成部としてレーザー光を用いる露光エンジンについて説明したが、この限りではなく、例えば、液晶シャッターを用いた画像の露光エンジンであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本発明における画像形成装置は、塵埃除去手段によってペーパーの乳剤面に付着した塵埃を除去してから該ペーパーを現像処理部へ搬送するため、その構成上、搬送されるペーパーの乳剤面が装置内部の壁面と接触する場合がある画像形成装置に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を備えた写真処理システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】収容空間部の構成を示す図である
【図3】巻き取り機構の構成を示す詳細な斜視図である。
【図4】圧着ローラを移動させるカム機構の断面図である。
【図5】画像形成装置の制御ブロック構成を示す図である。
【図6A】画像形成装置の動作を示すフローチャート(前半)である。
【図6B】画像形成装置の動作を示すフローチャート(後半)である。
【図7】画像形成装置の動作(その1)を示す図である。
【図8】画像形成装置の動作(その2)を示す図である。
【図9】画像形成装置の動作(その3)を示す図である。
【図10】画像形成装置の動作(その4)を示す図である。
【図11】画像形成装置の動作(その5)を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る画像形成装置の収容空間部を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態3に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0119】
A 画像形成装置
E 現像処理部(現像処理手段)
P ペーパー(画像形成媒体)
T1、T2、T3 接触部分
11 第1搬送ユニット(露光後搬送手段)
12 第2搬送ユニット(露光後搬送手段)
14 側壁面(壁面)
16 底壁面(壁面)
25 除去ブラシ(塵埃除去手段)
26 除去ファン(塵埃除去手段)
3 ペーパーマガジン(収納手段)
54 テーブル部(壁面)
7 露光エンジン(露光手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた画像形成媒体を所定長さに切断するカッターを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の画像形成装置として、レーザー光によりペーパー(例えば印画紙等の画像形成媒体)に画像露光を行うようにしたものが知られている(特許文献1参照)。このような装置は、ロール状に巻かれたペーパーをマガジンにセットし、このマガジンを装置本体に収納している。そして、このマガジンから引き出されたペーパーをペーパーカッターで所定の長さに切断して、該ペーパーの乳剤面に走査露光を行って画像を焼付露光するように構成されている。
【0003】
ところで、特許文献1に開示された画像形成装置においては、露光手段と現像処理手段との間には、露光処理後のペーパーを搬送するための、上流側の前部搬送ユニットと、下流側の後部搬送ユニットとが設けられている。そして、これら前部搬送ユニットと後部搬送ユニットとの間には、このユニット間を移動可能に構成され、前部搬送ユニットから搬送されてきたペーパーを受け取って、そのペーパーを後部搬送ユニットに受け渡すチャッカーが設けられている。この装置では、ペーパー長さによっては、ペーパー前端部がチャッカーで挟持された状態で後部搬送ユニットに向かって搬送されている一方、ペーパーの後部が露光手段で露光処理が行われているという場合がある。このとき、チャッカーでペーパー前端部を挟持するときの振動やチャッカーで搬送するときの負荷変動等がペーパー後部の露光処理中の部分に伝達すると、露光ムラが発生してしまう。そこで、特許文献1に係る画像形成装置では、前部搬送ユニットと該チャッカーとの間のペーパーを下方に撓ませて、この撓んだ状態でペーパーを後部搬送ユニットまで搬送するように構成している。こうすることで、ペーパーをチャッカーで挟持した際の振動やチャッカーからの負荷変動をペーパーの撓んだ部分で吸収して、露光ムラの発生を防止している。
【特許文献1】特開2005−219897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記画像形成装置では、前部搬送ユニットと該チャッカーとの間のペーパーを下方に撓ませた状態で搬送する際に、ペーパーの画像形成面、即ち乳剤面が装置内部の壁面に接触する場合がある。
【0005】
特許文献1に係る画像形成装置では、ペーパーが接触する壁面には樹脂を塗布したり、不織布等の柔軟な素材を設けることによってペーパーの損傷を防止するように構成している。
【0006】
しかしながら、ペーパーが壁面に接触することで問題となるのは、ペーパーの損傷だけではない。ペーパーが壁面に接触することによって、そこに溜まっている塵埃がペーパーの画像形成面に付着して、現像不良を引き起こす虞がある。特に、装置本体内部において、ペーパーロールから引き出されたペーパーをペーパーカッターで切断する構成では、ペーパー切断時に紙粉が発生し、この紙粉が装置本体内部に溜まることになる。つまり、ペーパーが装置内部の壁面に接触すると、この紙粉がペーパーに付着してしまう。
【0007】
このようにペーパーの画像形成面に紙粉が付着し、紙粉が付着したままペーパーが現像処理部へ搬送されていくと、現像処理部において適切に現像が行われず、現像不良が発生してしまう。
【0008】
また、ペーパーの画像形成面と反対側の面(以下、裏面という)が装置内部の壁面に接触する場合であっても、該裏面に紙粉が付着する。この場合、画像形成面には紙粉が付着していないが、該裏面に付着した紙粉を現像処理部まで運ぶことなるため問題となる。すなわち、ペーパーの裏面に付着した紙粉は、ペーパーと共に現像処理部に運ばれ、現像液中に混入することになる。すると、現像液中を搬送されるペーパーの画像形成面に該紙粉が付着する虞がある。特に、紙粉が現像液の液面に浮遊している場合には、ペーパーが現像液中に搬入されるときに、その画像形成面に紙粉が付着しやすい。このように、ペーパーの裏面に紙粉が付着する場合であっても、現像不良を引き起こす虞がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成媒体への塵埃の付着に起因する現像不良の発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、現像処理手段に搬送されるまでの間に塵埃除去手段によって画像形成媒体に付着した塵埃を除去するようにしたものである。詳しくは、本発明は、ロール状に巻かれた画像形成媒体を装置本体内部に収納する収納手段と、装置本体内部に設けられて該収納手段から引き出された画像形成媒体を所定の長さに切断するカッターと、画像形成媒体を搬送させながらその画像形成面に走査露光を行う露光手段と、走査露光後の画像形成媒体を現像処理手段まで搬送する露光後搬送手段とを備える画像形成装置であって、前記装置本体内部には、該装置本体内部を搬送される画像形成媒体が接触する壁面があり、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側には、画像形成媒体に付着した塵埃を取り除く塵埃除去手段が設けられているものである。
【0011】
前記の構成のように、画像形成媒体を前記カッターによって切断するように構成すると、画像形成媒体を切断したときに紙粉が発生し、この紙粉が装置本体内部に溜まることになる。そして、このように紙粉等の塵埃が溜まった装置本体内部を搬送される画像形成媒体が装置本体内部の壁面に接触すると、その壁面に溜まっていた塵埃が画像形成媒体に付着することになる。そこで、前記の構成では、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側に前記塵埃除去手段を設けることによって、画像形成媒体が現像処理手段に搬入される前に、該画像形成媒体に付着した塵埃を除去することができる。その結果、塵埃が付着していない状態で画像形成媒体を現像処理手段へ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0012】
前記装置本体内部を搬送される画像形成媒体が該装置本体内部の壁面と接触する場合がある構成としては、例えば、露光処理と現像処理とが1枚の画像形成媒体上で同時に行われないように、露光処理される画像形成媒体を、露光処理が完全に終了するまでは現像処理部へ搬入されないように、前記露光手段と現像処理手段との間にループを形成したり、巻き取ったりして、貯留しておく構成がある。かかる構成においては、画像形成媒体のループが形成された部分や巻き取った部分の一部が装置本体内部の壁面と接触する場合がある。また、別の構成として、1枚の画像形成媒体において、露光処理が終了した前端部は現像処理が行われると共に同時に後部では露光処理が行われるような画像形成装置であって、現像処理部で発生する振動等が画像形成媒体の後部の現像処理中の部分まで伝達しないように、露光手段と現像処理手段との間において搬送される画像形成媒体にループを形成するような構成がある。かかる構成においては、画像形成媒体のループが形成された部分の一部が装置本体内部の壁面と接触する場合がある。その他にも、これらに限られず、装置本体内部を搬送される画像形成媒体が装置本体内部の壁面と接触する構成には種々のものがある。
【0013】
また、前記露光後搬送手段は、画像形成媒体を湾曲させて、該画像形成媒体の搬送方向を前記露光手段における画像形成媒体の搬送方向とは異なる方向へ変化させており、前記塵埃除去手段は、画像形成媒体が湾曲した部分よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される画像形成媒体と接触している除去ブラシであることが好ましい。
【0014】
例えば、前記露光手段において画像形成媒体が水平方向に搬送されており、そのまま水平方向に露光手段から搬出され、搬送方向が方向転換されずに水平方向に真っ直ぐに搬送されている部分に前記除去ブラシを配置すると、除去ブラシが画像形成媒体に接触するときの振動が画像形成媒体の露光処理中の部分まで伝達し易い。ところが、前記の構成の場合、前記除去ブラシを画像形成媒体の搬送方向が変化する部分よりも搬送方向下流側に設けることによって、前記露光手段と前記除去ブラシとの間に画像形成媒体が湾曲する部分が形成され、除去ブラシの接触に起因する振動や負荷変動が画像形成媒体の露光処理中の部分まで伝達し難くなる。このため、除去ブラシの接触により振動や負荷変動が生じても、露光ムラを引き起こすことがない。
【0015】
ここで、前述のように、画像形成媒体が湾曲することによって、振動や負荷変動が伝わり難くなる理由としては、a)湾曲部位で搬送方向の負荷変動が吸収されて、露光部分では搬送速度の変化が起き難くなること、b)湾曲部位乃至その近傍は通常、ガイド部材やローラ等の別の部材と接触しており、この部材によって振動や負荷変動が吸収、減衰されること、c)湾曲部位の内側では圧縮応力が生じ、外側では引張応力が生じており、このことが振動や負荷変動の減衰を早めること、などが考えられる。
【0016】
さらに、画像形成媒体は、湾曲してその搬送方向が変化する部分よりも下流側において、前記壁面の所定の接触部分と接触するように構成されており、前記除去ブラシは、前記壁面の所定の接触部分の搬送方向直近下流側に設けられていることが好ましい。
【0017】
前記塵埃除去手段がなければ、前記壁面に溜まっていた塵埃は、該壁面に接触した画像形成媒体を介して前記露光後搬送手段へ、さらに該露光後搬送手段によって搬送される、壁面に接触していない画像形成媒体へと、次々に付着していく。そこで、前記の構成では、前記除去ブラシを前記壁面における画像形成媒体が接触する所定の接触部分の直近下流側に設けることによって、画像形成媒体に付着した塵埃が二次的、三次的に拡散していくことを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記現像処理手段よりも搬送方向上流側に前記塵埃除去手段を設けることによって、画像形成媒体が前記壁面と接触して塵埃が付着したとしても、該画像形成媒体が前記現像処理手段へ搬送される前に塵埃を除去することができ、その結果、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
(写真処理システムの全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Aを備えた写真処理システムの構成を示す。この写真処理システムは、画像データを取得し、この画像データに基づいてペーパー(画像形成媒体に相当)の乳剤面(画像形成面に相当)に画像を焼付露光し、写真プリントを作成する機能を備えている。また、この写真処理システムは、現像済みの写真フィルムに形成されているコマ画像をスキャニングし、画像データを取得するためのフィルムスキャナー(図示省略)や、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体に格納されている画像データを読み取るためのメディア読取部(図示省略)を備えている。
【0021】
前記図1に示すペーパーマガジン3,3には、それぞれ、長尺のペーパーがロール状に巻かれたロールRとして収容されており、該ペーパーマガジン3,3は、画像形成装置A本体に着脱可能に取り付けられている。そして、該画像形成装置A本体に取り付けられた2台のペーパーマガジン3,3のうち、一方のペーパーマガジン3がプリントサイズ等に応じて選択され、該選択された方のペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPが、所定の搬送経路に沿って搬送されるようになっている。すなわち、ペーパーマガジン3から引き出されたペーパーは、アドバンスローラユニット4により方向変換され、ペーパーカッター5により、所定のプリントサイズに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって、下流側に位置する露光エンジン7(露光手段に相当)へと搬送される。
【0022】
前記露光エンジン7には、上流側露光搬送ローラ9a及び下流側露光搬送ローラ9bが設けられている。これらの露光搬送ローラ9a,9bの間には、ペーパーPをレーザー光によって露光処理するための露光位置が設定されている。露光搬送ローラ9の上流側には、ペーパー検出センサー10が設けられており、ペーパーPが送り込まれてくると、その先端(搬送方向前端)部分を検出して信号を出力するようになっている。このペーパー検出センサー10は、赤外光を出力する発光素子と、これを受光する受光素子とにより構成される。このペーパー検出センサー10によってペーパーPの位置を検出することで、前記露光位置における露光開始タイミングを決めることができる。
【0023】
前記露光エンジン7は、公知の構造のもので、レーザー光源(レーザーダイオード等)から出力されるレーザー光を画像データに基づいて光変調し、この光変調されたレーザー光をペーパーPに照射することで、画像の露光を行う。すなわち、ペーパーPは、露光搬送ローラ9a,9bにより挟持された状態で、所定速度(一定速度)で搬送される一方、前記レーザー光は、ペーパーPの搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査されるため、ペーパーP上には1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
【0024】
そして、前述のような走査露光が行われながら、ペーパーPは、下流側の露光搬送ローラ9bによって露光位置よりも下流側へ送り出されていく。前記露光エンジン7の下流側には、露光後搬送手段としての第1及び第2搬送ユニット11,12が設けられており、詳しくは後述するが、第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯まわりに回転可能に設けられていて、下流側の露光搬送ローラ9bにより受け渡されたペーパーPを第2搬送ユニット12に受け渡す機能を備えている。そして、第2搬送ユニット12が、前記第1搬送ユニット11から受け取ったペーパーPを図示しない現像処理部Eへと送り込む。
【0025】
また、前記露光エンジン7の下流側(図1において露光エンジン7の左側)には、搬送方向の長さが所定値以上(例えば430.1mm以上)のペーパーPを一時的に収容(貯留)するための収容空間部Sが設けられている。すなわち、露光エンジン7の露光位置から現像処理部Eまでの距離よりもペーパーPが長いと、その一部において走査露光が行われている状態でペーパーPの先端が現像処理部Eに入ることになり、これに伴い発生する振動や負荷変動がペーパーPの露光部分に伝達されて、露光ムラを引き起こす虞れがあるが、斯かる負荷変動等が発生しないように、この実施形態では、露光搬送ローラ9bにより送り出されるペーパーPを一時、貯留するようにしたものである。
【0026】
また、この実施形態では、前記収容空間部SにペーパーPを巻き取るための巻き取りドラム20が配置されている。この巻き取りドラム20には、その外周面にペーパーPの先端部を圧着して挟持するための圧着ローラ21が付設されており、両者間にペーパーPの先端部を挟持して巻き取る巻き取り機構8を構成している。収容空間部S及び巻き取り機構8により、露光エンジン7から搬出されるペーパーPを巻き取って一時、貯留する巻き取り貯留部が構成される。
【0027】
これら、ペーパーマガジン3、露光エンジン7、第1及び第2搬送ユニット11、12及び収容空間部S等は、遮光された筐体C内に配置されている。
【0028】
(収容空間部の構成)
次に、前記収容空間部S内の構成を図2に基づいて説明する。まず、第1搬送ユニット11は、下流側露光搬送ローラ9bのさらに下流側に配置されていて、挟持搬送ローラ対11aと、ガイド板11bとを備えている。この挟持搬送ローラ対11aの高さ方向位置は、露光搬送ローラ9と同じ高さ位置になるように設定されているとともに、前記ガイド板11bの上流側端部には開口部11cが形成されており、ペーパーPの受け入れが容易になっている。
【0029】
また、前記第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯周りに90゜回転可能に構成されていて(図11参照)、90゜回転した状態では、第2搬送ユニット12へペーパーPを受け渡すことができる。第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿って配置され、図示しない駆動機構によって駆動される複数の挟持搬送ローラ対12aと、ペーパーPをガイドするガイド板12bとを備えており、第1搬送ユニット11から受け取ったペーパーPを現像処理部Eへと送り込む役割を果たす。
【0030】
巻き取りドラム20は、回転軸芯20a周りに回転可能に構成されている。この巻き取りドラム20によりペーパーPの巻き取りを開始する前は、巻き取りドラム20の外周面と圧着ローラ21の表面とは離間していて隙間が形成された状態になっている。これにより、搬送されてくるペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に容易に挿入される。
【0031】
また、前記巻き取りドラム20によるペーパーPの受け入れ高さは、露光搬送ローラ9による搬送面の高さや、第1搬送ユニット11の回動前の搬送面と同じ高さになるように設定されている。これにより、露光搬送ローラ9によって送り出されるペーパーPを巻き取りドラム20側でスムーズに受け入れることができる。なお、図2に示す状態では、圧着ローラ21の軸芯は、巻き取りドラム20の軸芯のちょうど真上に位置している。
【0032】
さらに、前記収容空間部S内には、前記巻き取りドラム20を上下方向に移動させるための巻き取り移動機構13が設けられており、この巻き取りドラム20に圧着ローラ21を含めた巻き取り機構8全体を、露光エンジン7の露光位置に近い上方の第1位置(図2の位置)と、露光位置から遠ざかる下方の第2位置(図9の位置)との間で上下に移動させるようになっている。
【0033】
すなわち、前記巻き取り移動機構13は、上下方向に延びるガイド部材13aと、巻き取り機構8を該ガイド部材13aに沿って移動させるためのタイミングベルト13bとを備えているとともに、このタイミングベルト13bには巻き取り機構8を支持するための支持体15が固定されていて、該タイミングベルト13bを図示しないモータ等によって駆動させることで巻き取り機構8を上下動させることができるようになっている。前記支持体15には、巻き取りドラム20を回転駆動するためのドラム駆動手段(モーターや減速機構など)が搭載されている。
【0034】
ここで、前記収容空間部Sは、現像処理部Eと隣接していて、側壁面14によって仕切られているが、前記巻き取りドラム20にペーパーPを巻き取った状態で上下動させるときに、ペーパーPが該側壁面14とできる限り接触しないようにするのが好ましい。これに対して、前記収容空間部Sを大きくすれば、側壁面14とペーパーPとの接触を解消することはできるが、装置全体が大きくなるという問題点がある。
【0035】
そこで、前記巻き取り移動機構13は、図2に示すように、巻き取り機構8が斜め下方に移動するように構成している。具体的には、前記巻き取り移動機構13は、巻き取り機構8が下方に下がるほど側壁面14から遠ざかる方向に移動するように構成されており、これにより、ペーパーPが側壁面14と接触することをできる限り抑制し、接触したとしてもその接触面積を可及的に小さくして、巻き取り機構8を収容空間部S内の下方に向かって移動させることができる。
【0036】
また、以下に詳述するが、前記巻き取り機構8の巻き取りドラム20にペーパーPを巻き取るときや、該巻き取り機構8全体を巻き取り移動機構13によって下方に移動させるときには、基本的にペーパーPにたるみを生じさせるようにしている。こうすることで、前記のようにペーパーPの一部において画像形成が行われている状態で、その先端側を巻き取ったり、それを下方に移動させたりしても、露光位置には大きな振動や負荷変動が伝わることがなく、露光ムラなどの発生を防止することができる。
【0037】
さらに、前述巻き取り機構8は、前述のとおり、収容されるペーパーPが側壁面14とできる限り接触しないように構成されているが、多少は接触する場合もある。そこで、収容空間部S内には、ペーパーPの側壁面14への接触による乳剤面への紙粉の付着に備えて、ペーパーPに付着した紙粉等の塵埃を除去する塵埃除去手段としての除去ブラシ25が設けられている。
【0038】
この除去ブラシ25は、側壁面14とペーパーPとが接触する接触部分T1(図9参照)よりも上方であって、巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPよりもペーパーPの乳剤面側に設けられている。この除去ブラシ25は、ペーパー幅方向に延びて設けられ且つペーパー幅方向に延びる軸回りに回動可能に支持された本体部25aと、該本体部25aにペーパー幅方向の全長に亘って設けられたブラシ部25bとを有し、該ブラシ部25bが第1搬送ユニット11から収容空間部S内へ搬送されるペーパーPの搬送軌跡上から外れた待避姿勢(図9の実線参照)と、該ブラシ部25bが第2搬送ユニット12へ搬送されていくペーパーPの搬送軌跡上に位置する除去姿勢(図9の二点鎖線参照)とに切替可能に構成されている。
【0039】
−巻き取り機構−
以下に、巻き取り機構8を構成する巻き取りドラム20及び圧着ローラ21の詳細構成を図3に基づいて説明する。また、該圧着ローラ21を圧着方向に移動させるためのカム機構について図4に示す。
【0040】
前記巻き取りドラム20は、固定軸200の周りに回転可能に構成されている。該巻き取りドラム20は、樹脂製であり、その外周面上にペーパーPを巻き取るようになっている。巻き取りドラム20の軸方向両端部には、圧着ローラ21を圧着方向に付勢するためのコイルスプリング24を掛ける円周溝202が設けられていて、該巻き取りドラム20の軸方向両端部のうち一方の端部の円周溝202よりも端側には、巻き取りドラム20を回転させるための連結ギヤ201が設けられている。
【0041】
圧着ローラ21は、巻き取りドラム20の軸線に対して略平行に配置されるローラ支軸210と、このローラ支軸210の外周面を覆うように軸方向に複数個並んで設けられる樹脂製の支軸211,211,…と、さらにこの各支軸211の表面にそれぞれ取り付けられる圧着部材212,212,…と、を備えている。この圧着部材212は、スポンジのような弾性を有する発泡部材(例えば発泡ウレタン等)により形成され、巻き取りドラム20の外周面との間でペーパーPの先端部を挟持する際に容易に弾性変形することで、このペーパーPへの負荷変動を緩和する。
【0042】
前記ローラ支軸210には、支軸211,211,…が該ローラ支軸210に対して軸方向に移動するのを防止するためのEリング213が嵌合されている。また、その軸方向両端部には、前記コイルスプリング24を掛けるための溝部214,214が形成されている。さらに、ローラ支軸210の軸方向両端部で前記溝部214,214よりも軸方向内側には、それぞれ、カム連結軸215,215が設けられていて、該各カム連結軸215が後述するカム機構のカム面203aの形状に応じて上下動することで、前記圧着ローラ21を圧着方向若しくは非圧着方向へと移動させることができるようになっている。
【0043】
斯かる巻き取り機構8の構成により、巻き取りドラム20が回転すると、これに連動して圧着ローラ21も巻き取りドラム20の外周方向に沿って回転移動(固定軸200回りに回転移動)するようになる。なお、圧着ローラ21自体は、ローラ支軸210に対して回転自在に嵌挿され、フリーに回転できるようになっている。
【0044】
次に、前記圧着ローラ21を圧着方向に移動させるためのカム機構を図4に基づいて説明する。図4は、図3に示す巻き取り機構8を、カムの形成されている箇所で固定軸200に垂直な面で切断した断面図を示している。図示の如く、カム部材203は、クラッチ部材204を介して固定軸200に対して結合されている。該カム部材203は、カム面203aを有しており、先ほど説明したコイルスプリング24の付勢力により、カム連結軸215の先端215aがカム面203aに常時接触するようになっている。
【0045】
前記カム面203aは、カム部材203の外周面上のθ=210゜の範囲に形成されているため、カム連結軸215(圧着ローラ21)がカム部材203に対して回転移動できる範囲も210゜となる。そして、このカム面203aの周方向両端には、第1壁面203b及び第2壁面203cが形成されていて、カム連結軸215が該カム面203a上を相対移動すると、該カム連結軸215がこれらの壁面203b,203cに当接して位置決めされる。
【0046】
図4(a)は、圧着ローラ21と巻き取りドラム20との間に隙間が形成された初期状態を示す図であり、図4(b)は圧着ローラ21が210゜回転し、圧着ローラ21によってペーパーPが圧着された状態を示す図である。このように、巻き取りドラム20を210゜回転させると、図4(b)の状態となるが、さらに巻き取りドラム20を回転させると、カム連結軸215が第2壁面203cに当接して、強制的にカム部材203も一緒に固定軸200回りに回転させることになる。このとき、クラッチ部材204には滑りが生じている。すなわち、前記クラッチ部材204を設けることで、圧着ローラ21をカム部材203によって規制される範囲(210゜)以上に回転させることが可能になる。
【0047】
(制御ブロック図)
次に、画像形成装置Aの制御ブロック構成を図5に基づいて説明する。この図5において、ペーパー先端検出手段30は、ペーパー検出センサー10からの出力信号によってペーパーPの先端を検出して、ペーパーPが到来したことを判定するものである。また、ペーパーPの先端が検出されるタイミングによって、現在、ペーパーPが下流側のどの位置にあるかを認識することができる。ローラ駆動手段31は、露光搬送ローラ9を駆動するための駆動機構や駆動回路等により構成される。さらに、搬送量検出手段32は、露光搬送ローラ9の回転量をエンコーダ等により検出することで、ペーパーPの搬送量を検出するように構成されている。
【0048】
ペーパー位置検出部33は、前記ペーパー先端検出手段30により検出されたペーパーPの先端位置と、前記搬送量検出手段32により検出されたペーパーPの搬送量とに基づいて、ペーパーPの種々の位置を演算して求める機能を有する。具体的には、前記ペーパー位置検出部33は、露光開始タイミング検出手段33a、ペーパー後端脱出検出手段33b及び挿入検出手段33cを備えている。
【0049】
前記露光開始タイミング検出手段33aは、ペーパー先端検出手段30によって検出されたペーパーPの先端位置に基づいてレーザー光による露光開始タイミングを検出するように構成されている。すなわち、ペーパー検出センサー10の位置及びレーザー光による露光位置は、設計的に定まっているため、ペーパーPの先端位置が分かれば前記露光開始タイミング検出手段33aによって露光位置における露光開始タイミングを演算することができる。
【0050】
また、前記ペーパー後端脱出検出手段33bは、画像の焼付露光が完了したペーパーPの後端が、その焼付露光位置から脱出したことを検出するためのものである。さらに、前記挿入検出手段33cは、ペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたことを検出するためのものである。この隙間への挿入量は適宜、設定することができるが、通常は約20mm程度とされている。
【0051】
露光制御部34は、露光開始タイミング検出手段33aによる露光タイミングの演算結果に基づいてレーザー光による画像の走査露光を開始するように構成されている。これにより、所定速度で搬送されるペーパーPの乳剤面に画像データにより光変調されたレーザー光を走査して、潜像を形成することができる。
【0052】
第1搬送ユニット駆動部35は、第1搬送ユニット11を駆動するための機構を有する。具体的には、この第1搬送ユニット駆動部35は、搬送ローラ対11aを圧着状態と非圧着状態とに切り替えるための圧着駆動手段35aと、第1搬送ユニット11の全体を90゜回転させて水平状態と垂直状態とに切り替えるためのユニット回転手段35bと、搬送ローラ対11aを回転駆動させるローラ駆動手段35cと、を備えている。ここで、前記圧着駆動手段35aは、露光エンジン7により画像の露光が行われているときは、搬送ローラ対11aを非圧着状態とし、ペーパーPに負荷が作用しないようにする。
【0053】
第2搬送ユニット駆動部36は、第2搬送ユニット12を駆動するための機構を有するもので、搬送ローラ対12aを回転駆動させるローラ駆動手段36aを備えている。そして、搬送ユニット駆動制御手段37が第1搬送ユニット11及び第2搬送ユニット12の駆動制御を行う。例えば、ペーパー位置検出部33によってペーパーPの後端が焼付露光位置から脱出したことが検出されたときに、搬送ローラ対11aを圧着状態に切り替える。
【0054】
プリントサイズ設定手段40には、画像の露光されるペーパーPのプリントサイズのデータが設定記憶される。そして、このプリントサイズ設定手段40に記憶されているプリントサイズデータに基づいて巻き取り移動機構13に対する制御や巻き取りドラム20に対する制御が行われる。例えば、ペーパーPの長さが所定長さ(本実施形態では430.1mm)よりも短い場合には、巻き取り機構8によるペーパーPの巻き取りは行わないようにする。
【0055】
ドラム駆動手段42は、巻き取りドラム20を回転駆動するための機構を備えている。回転量検出手段43は、巻き取りドラム20の回転量を検出できるように構成されている。例えば、巻き取りドラム20に連動して回転するエンコーダにより、回転量をモニターすることができる。
【0056】
ドラム回転制御手段44は、巻き取りドラム20の回転駆動制御を行う機能を有する。すなわち、ドラム回転制御手段44は、挿入検出手段33cによるペーパーPの先端挿入の検出結果や、プリントサイズ設定手段40に記憶・設定されているプリントサイズのデータなどに基づいて、詳しくは以下にフローチャートを参照して説明するように、巻き取りドラム20の回転及び停止制御を行う。
【0057】
巻き取り制御手段45は、ペーパーPの搬送方向の長さに応じて巻き取り移動機構13の駆動制御を行う。例えば、長さの短いペーパーPの場合は、巻き取り機構8による巻き取り動作を行わないため、巻き取りドラム20を一番下の第2位置に逃がしておく。それ以外のペーパーPでは、回転量検出手段43により圧着ローラ21による圧着動作が完了(θ=210゜回転)したことを検出すると、巻き取りドラム20を第1位置から第2位置へ移動させるように制御する。なお、ペーパーPの長さ寸法に関する情報は、前記プリントサイズ設定手段40から得ることができる。
【0058】
前記図5に示す制御ブロックは、コンピュータソフトウェアやハードウェアの機能により構築することができる。どの機能をソフトウェアで実現し、どの機能をハードウェアにより実現するかについては、ペーパー処理の能力等に応じて適宜決めることができる。
【0059】
(露光後の搬送動作)
次に、露光エンジン7にて画像が露光されたペーパーPを現像処理部Eへ送り出す搬送動作について、図6A,6Bのフローチャート及び図2、図7〜図11により説明する。なお、プリントサイズ設定手段40には、巻き取り機構8を第2位置まで下降させる必要がある長さのプリントサイズが設定されているものとする。
【0060】
まず、所定のプリントサイズに切断されたペーパーPの先端がペーパー検出センサー10及びペーパー先端検出手段30により検出される(ステップST1)。ペーパーPの先端が検出されてから所定タイミングが経過して、露光開始タイミング検出手段33aによって露光開始のタイミングであることが検出された後、露光制御部34によってペーパーPの乳剤面に対してレーザー光が走査露光され、画像が形成されていく(ステップST2)。
【0061】
このようにレーザー光による走査露光が行われながら、ペーパーPは露光搬送ローラ9により下流側に向かって搬送されて、ペーパーPの先端は、第1搬送ユニット11のガイド板11bを通過する。このとき、第1搬送ユニット11の搬送ローラ対11aは圧着が解除された状態であるため、ペーパーPに大きな負荷が作用することなく、該ペーパーPは第1搬送ユニット11の位置を通過することができる。
【0062】
巻き取りドラム20は、予め図2に示すような第1位置に設定されているため、前述のように第1搬送ユニット11を通過したペーパーPは、そのまま巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に向かって搬送される。そして、ペーパーPの先端位置は、ペーパー検出センサー10による検出結果とペーパーPの搬送量とに基づいてペーパー位置検出部33により演算され、この演算結果に基づいて挿入検出手段33cにより、ペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたか否かを判断する(ステップST3)。
【0063】
なお、前記挿入検出手段33cは、ペーパー検出センサー10からの出力信号に基づいてペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間の隙間に挿入されたことを検出するようにしているが、この限りではなく、ペーパーPの挿入を検出するための専用のセンサーを挿入位置の近傍に設けてもよい。
【0064】
そして、前記のようにペーパーPの先端が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との隙間に挿入されたことが検出されれば(ステップST3においてYES)、巻き取りドラム20の回転を開始する(ステップST4)。図2は、ペーパーPの先端が前記隙間に挿入された直後の状態を示している。そして、巻き取りドラム20は、図2において反時計方向に回転するとともに、圧着ローラ21も同様に回転軸芯20a周りに回転する。その後、前述したカム機構によって圧着ローラ21と巻き取りドラム20との間の隙間は徐々に狭くなっていき、圧着ローラ21は圧着方向に移動することになる。
【0065】
このとき、前記ペーパーPの搬送方向後側においてはレーザー光による走査露光が行われている。すなわち、一部分において露光中のペーパーPの先端部が巻き取りドラム20と圧着ローラ21との間に挟持されることになるが、そうしてペーパーPの先端部を挟持する巻き取りドラム20の周速度が、露光搬送ローラ9によるペーパーPの送り速度(搬出速度)と略同じになるか、或いは少しだけ遅くなるように設定されているため、ペーパーPに若干のたるみを持たせて、これに大きな負荷変動を加えることなく、その先端側を巻き取ることができる。
【0066】
そして、前記巻き取りドラム20が所定量(図の例では210゜)回転したかどうか判定し(ステップST5)、所定量回転したと判定されたとき(ステップST5でYESの場合)には、巻き取りドラム20の回転を停止する(ステップST6)。この回転量の検出は回転量検出手段43により行う。図7は、巻き取りドラム20の回転が停止した直後の状態を示す図である。
【0067】
前記ステップST6で巻き取りドラム20の回転を停止した後、前記プリントサイズ設定手段から得られたペーパーPのペーパー長さに応じて、巻き取り制御手段45によって巻き取り移動機構13を駆動して巻き取り機構8を第1位置から第2位置へと下降させると共に、ペーパー長さが所定長さよりも長いときには巻き取りドラム20を再び回転させる(ステップST7)。詳しくは、ペーパーPのペーパー長さに基づいて、巻き取りドラム20を第1位置から第2位置の間のどの位置まで降下させるのか、あるいは、巻き取りドラム20を第2位置まで降下させた状態で該巻き取りドラム20を回転させてペーパーPをさらにどれだけ巻き取るのかが予め決められており、前記プリントサイズ設定手段から得られたペーパーPのペーパー長さに応じて巻き取りドラム20の動作が決定される。このステップST6、ST7の制御手順は略同時に行ようにしてもよい。例えば、巻き取りドラム20が停止する直前に、巻き取り機構8の下方への移動を開始してもよい。
【0068】
そのような巻き取り機構8の下方への移動速度も、ペーパーPが収容空間部S内へ送り込まれてくる速度よりも遅くなるように設定されており、これにより、ペーパーPにたるみを持たせて、これに大きな負荷変動を加えることなく、巻き取り機構8を下方へ移動するることができる。図8は、巻き取りドラム20が第1位置と第2位置との中間位置(第3位置)まで移動した状態を示しており、巻き取りドラム20と第1搬送ユニット11との間のペーパーP部分にたるみが生じ始めていることを示す。
【0069】
尚、ステップST7においては、前記除去ブラシ25は待避姿勢となっており、収容空間部S内へ搬送されるペーパーPとは接触しないようになっている。こうすることで、除去ブラシ25がペーパーPへ接触することによる振動や負荷変動がペーパーPの露光されている部分に伝わることはなく、露光ムラなどが発生することを防止することができる。
【0070】
また、図9は、巻き取り機構8が第2位置まで下降完了した状態を示す。前述のとおり、収容されるペーパーPが側壁面14とできる限り接触しないように構成されているが、多少は接触する場合もある。
【0071】
さらに、図10は、図9の状態から巻き取りドラム20を再び回転させ、ペーパーPをさらに巻き取った状態を示している。かかる場合、圧着ローラ21は210゜以上回転していることから、クラッチ部材204が滑っている状態である。
【0072】
前述のように巻き取りドラム20を下降及び回転させてペーパーPを巻き取りながら、ペーパー後端脱出検出手段33bによってペーパーPの後端が第1搬送ユニット11に到達したか否かを判断する(ステップST8)。なお、第1搬送ユニット11にペーパーPの後端が到達した状態とは、挟持搬送ローラ対11aよりもペーパーPの後端が少し上流側に突出した状態であり、このこともペーパー検出センサー10による検出結果とペーパーPの搬送量とに基づいて判断される。但し、ペーパー後端の到達を検出するための専用のセンサーを第1搬送ユニット11に設けてもよい。
【0073】
そして、ペーパーPの後端が到達していると判定すれば(ステップST8でYESの場合)、巻き取りドラム20の下降又は回転を停止する(ステップST9)一方、ステップST8で後端が到達していないと判定すれば(NOの場合)、ステップST7へ戻って、ステップST7、ST8を繰り返す。
【0074】
以上のような巻き取りドラム20の回転及び停止の制御は、ドラム回転制御手段44の機能に基づいて行われる。言い換えると、前記ドラム回転制御手段44は、露光エンジン7から搬出されるペーパーPにたるみを生じるように、間欠的に(即ち、搬出速度に対し平均的には低い速度で)ペーパーPを巻き取るものである。
【0075】
斯くして、ペーパーPの後端が第1搬送ユニット11に到達し、且つ巻き取りドラム20の回転が停止すると、圧着駆動手段35aによって、第1搬送ユニット11の挟持搬送ローラ対11aは非圧着状態から圧着状態へと切り替えられる(ステップST10)。そして、図11に示すように、ユニット回転手段35bによって第1搬送ユニット11は90゜回転して垂直姿勢となる(ステップST11)。このとき、第1搬送ユニット11の搬送面と第2搬送ユニット12の搬送面とが一列に並んだ状態となる。
【0076】
次に、前記除去ブラシ25を除去姿勢に切り替える(ステップST12)。こうすることで、除去ブラシ25のブラシ部25bがペーパーPの乳剤面に接触した状態となる。
【0077】
続いて、搬送ローラ対11aを回転駆動させて、ペーパーPを第2搬送ユニット12へ向かって搬送し、受け渡す(ステップST13)。この際、巻き取りドラム20は逆回転(時計回り)させる。これにより、第2搬送ユニット12によって挟持されたペーパーPは上方に搬送され、図示しない現像処理部Eに送り込まれて現像処理が施される。すなわち、ペーパーPは、巻き取り機構8によりペーパーPが巻き取られる前と、その後、第2搬送ユニット12によって搬送されるときとで、搬送方向における前側と後側とが入れ替わることになる。
【0078】
このとき、ペーパーPは、その乳剤面がブラシ部25bと接触した状態で第2搬送ユニット12へ搬送されていくため、側壁面14と接触することで乳剤面に付着した紙粉等の塵埃が除去ブラシ25によって除去することができる。
【0079】
前記のように第2搬送ユニット12へのペーパーPの受け渡しが完了すると(ステップST14)、次のペーパーPを受け入れるべく初期状態にリセットする。すなわち、巻き取りドラム機構8を第2位置から第1位置へと上昇させるとともに、圧着ローラ21も初期位置に復帰させ、次のペーパーPを受け入れ可能な状態にする。また、第1搬送ユニット11も水平状態に復帰させるとともに、搬送ローラ対11aを非圧着状態とする。さらに、除去ブラシ25を待避姿勢に切り替える。
【0080】
なお、以上の説明では、ペーパーPの搬送方向の長さが所定値(例えば430.1mm、第1の長さ)以上のプリントサイズの場合の搬送方法について述べたが、ペーパーPの長さが前記所定値以下の場合には、次のような動作を行う。
【0081】
すなわち、サービスサイズのようにペーパーPの搬送方向長さが所定値よりも短い場合(例えば430.1mmよりも短い場合、第2の長さ)は、該ペーパーPを巻き取りドラム20で巻き取る必要がないため、巻き取り機構8を最初から第2位置へと移動させておく。これにより、露光エンジン7により画像が露光されたペーパーPは、第1搬送ユニット11により直ちに方向変換され、第2搬送ユニット12へと受け渡しされる。尚、この場合であっても、ペーパーPが収容空間部S内に一旦収容された際に、ペーパーPが側壁面14に接触する虞があるため、第1搬送ユニット11で方向転換して、第2搬送ユニットへ受け渡すときには、除去ブラシ25を除去姿勢に切り替えて、搬送されていくペーパーPの乳剤面にブラシ部25bが接触するようにしておくとよい。
【0082】
以上、説明したように、この実施形態に係る画像形成装置Aによると、露光エンジン7の搬送路下流側に露光後バッファとして設けた収容空間部S内に、巻き取り機構8を配設して、これによりペーパーPを巻き取るようにしたから、収容空間部Sをあまり大きくすることなく、露光後バッファの容量を十分に大きくすることができる。従って、装置全体の小型化を図りつつ、非常に長いサイズ(例えば430.1mm以上)のプリントを行う場合でも、露光中のペーパーPの先端が現像処理部Eに到達することをなくして、現像処理等に起因する露光ムラの発生を防止することができる。
【0083】
しかも、そうして露光エンジン7から送られてくるペーパーPは、これに或る程度のたるみを持たせて巻き取ったり、下方に移動させるようにしているから、こうしてペーパーPを巻き取って貯留する際に負荷変動が加わっても、ペーパーPの露光されている部分には大きな振動や負荷変動が伝わることはなく、露光ムラなどが発生することはない。
【0084】
さらに、そうして巻き取られるペーパーPは、収容空間部S内の側壁面14と接触する場合もあるが、この側壁面14におけるペーパーPとの接触部分T1よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の下流側に除去ブラシ25を設けることによって、ペーパーPが側壁面14に接触することで乳剤面に付着した紙粉等の塵埃を除去することができる。こうして、ペーパーPが現像処理部Eへ搬送される前に塵埃を除去することができるため、現像不良の発生を未然に防止することができる。
【0085】
さらにまた、除去ブラシ25を側壁面14におけるペーパーPとの接触部分T1よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の直近下流側、即ち、該ペーパー搬送方向において側壁面14の接触部分T1の次にペーパーPと接触する部材(本実施形態では、第1搬送ユニット11)と該側壁面14の接触部分T1との間に設けることによって、ペーパーPに付着した塵埃が該側壁面14の接触部分T1よりも下流側の部材、即ち、第1搬送ユニット11、第2搬送ユニット12及び現像処理部E等へ付着して、次回以降に搬送されるペーパーPに塵埃が二次的、三次的に付着することを防止することができる。
【0086】
《発明の実施形態2》
次に本発明の実施形態2に係る画像形成装置Aについて説明する。本実施形態2に係る画像形成装置Aは、塵埃除去手段として除去ファンを採用した点で前記実施形態1とは異なる。尚、前記実施形態1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
図12に、実施形態2に係る塵埃除去手段としての除去ファン26を示す。実施形態2では、収容空間部S内に収容されるペーパーPが収容空間部S内の側壁面14とは接触することはなく、底壁面16と接触するように構成されている。
【0088】
前記除去ファン26は、収容空間部S内に空気を吸い込み、この吸い込んだ空気をペーパーPの乳剤面に吹き付けて、ペーパーPが底壁面16と接触することでペーパーPの乳剤面に付着した紙粉等を除去するためのものである。また、除去ファン26は、側壁面14の下方であって、底壁面16におけるペーパーPとの接触部分T2よりもペーパー搬送方向(巻き取り機構8によって巻き取られたペーパーPが第2搬送ユニット12へ搬送されるときの搬送方向)の下流側位置に設けられている。さらに、除去ファン26の吹出側(収容空間部S内側)には、吹出口が絞られたガイド27が設けられている。このガイド27によって、除去ファン26により吸い込まれた空気は、速度が速くなった状態で且つペーパーPの所定の幅に集中して吹き付けられることになる。
【0089】
また、収容空間部Sの底壁面16には、前記除去ファン26によってペーパーPの乳剤面から除去された紙粉等を収容空間部S内から吸い出す吸い出しファン28が設けられている。この吸い出しファン28を設けることによって、ペーパーPに付着した紙粉等を除去ファン26で吹き飛ばしても、該紙粉が収容空間部S内に飛散して拡散していくことがなく、収容部空間S外へ吸い出される。
【0090】
このように構成された画像形成装置Aの露光後の搬送動作は、前記実施形態1と基本的には同じである。図6のフローチャートのステップST12における「除去ブラシをセット」を「除去ファン及び吸い出しファンを作動」に代えればよい。
【0091】
つまり、前記ステップST11において第1搬送ユニット11を90度を回転させた後に、ステップST12において除去ファン26及び吸い出しファン28を作動させる。そして、これらのファン26、28を作動させた状態で、搬送ローラ対11aを回転駆動させて、ペーパーPを第2搬送ユニット12へ向かって搬送し、受け渡す(ステップST13)。
【0092】
こうして、ペーパーPは、その乳剤面に空気が吹き付けられた状態で第2搬送ユニット12へ搬送されていくため、乳剤面に付着した紙粉等の塵埃が除去される。そして、この除去された塵埃は拡散することなく、吸い出しファン28によって収容空間部S外へ吸い出される。
【0093】
このように、搬送されるペーパーPの乳剤面が底壁面16と接触する場合であっても、その接触部分T2よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも搬送方向上流側に設けられた除去ファン26によって、乳剤面に付着した塵埃が除去されるため、塵埃が付着していない状態でペーパーPを現像処理部Eへ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0094】
尚、前記除去ファン26は、イオン発生装置を備えるように構成してもよい。こうすることで、ペーパーPの帯電を防止することもできる。
【0095】
また、前記除去ファン26はステップST12において初めて作動することになるが、これに限られず、常時、作動しているものであってもよい。
【0096】
さらに、除去ファン26によって吹き付けられる空気は、ペーパーPの、底壁面16と接触する部分よりも搬送方向下流側の部分に当たるように構成されているが、ペーパーPの、底壁面16と接触する部分に当たるように構成してもよい。こうすることで、ペーパーPだけでなく、底壁面16の接触部分T2にも除去ファン26からの空気が当たることになり、接触部分T2に溜まっている塵埃も吹き飛ばすことができる。その結果、ペーパーPが底壁面16に接触することでペーパーPに付着する塵埃を可及的に低減、あるいはなくすことができる。
【0097】
また、前記吸い出しファン28を設けない構成であってもよい。
【0098】
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係る画像形成装置Bについて説明する。本実施形態3に係る画像形成装置Bは、前記実施形態1に係る画像形成装置Aとペーパーマガジン3や露光エンジン7等の配置が異なる。尚、前記実施形態1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0099】
図13に、実施形態3に係る画像形成装置Bの概略構成を示す。
【0100】
画像形成装置Bでは、筐体C内において、ペーパーマガジン3が下方に設けられ、その上方に露光エンジン7が設けられ、さらにその上方に露光後搬送部が設けられている。
【0101】
前記ペーパーマガジン3から引き出されたペーパーPは、アドバンスローラユニット4によって方向転換されペーパーカッター5によって所定のペーパー長さに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって下流側に位置する露光エンジン7へと搬送される。露光後のペーパーPは、露光後搬送部によって現像処理部Eまで搬送される。
【0102】
ここで、前記露光後搬送部について詳しく説明する。露光後搬送部は、露光エンジン7で露光処理され鉛直上方へ搬出されたペーパーPの搬送方向を水平方向に変換する第1搬送ユニット51と、ペーパーPを受け渡されて現像処理部Eまで搬送する第2搬送ユニット53と、これら第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との間を水平方向に移動すると共に第1搬送ユニット51からペーパーPを受け取って該ペーパーPを第2搬送ユニット53へ受け渡すチャッカー52とを有する。
【0103】
前記チャッカー52は、第1搬送ユニット51からペーパーPが送り出されるときには、第1搬送ユニット51と近接する待機位置(図中の二点鎖線参照)に位置する。そうすることで、第1搬送ユニット51から送り出されるペーパーPを受け取る。このときチャッカー52のチャックローラは開放状態となっており、ペーパーPを圧着していない。
【0104】
そして、第1搬送ユニット51からペーパーPを受け取ると、チャッカー52は第2搬送ユニット53側へ移動を始める。このとき、チャッカー52の移動速度(搬送速度)は、第1搬送ユニット51のペーパー搬送速度よりも遅く設定されており、この速度差によって、搬送されるペーパーPは第1搬送ユニット51とチャッカー52との間の部分が下方に撓んだ状態となる。
【0105】
尚、チャッカー52が第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との略中間地点に到達したときにチャックローラが圧着状態となり、ペーパーPはチャッカー52により挟持された状態となる。このチャッカー52によりペーパーPを挟持するときには、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間の部分には下方に撓んだ部分が形成されているため、挟持時の振動がペーパーPの露光処理中の部分に伝わることが防止される。
【0106】
こうして、ペーパーPは、チャッカー52に挟持されて第2搬送ユニット53まで搬送される。尚、この第2搬送ユニット53まで搬送される間も、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間には下方に撓んだ部分が形成されているため、チャッカー52による搬送時のペーパーPへの負荷変動がペーパーPの露光処理中の部分に伝わることが防止される。
【0107】
チャッカー52が第2搬送ユニットに近接する位置(図中の実線参照)まで到達すると、ペーパーPが第2搬送ユニット53へ受け渡される。その後、ペーパーPは、第2搬送ユニット53によって現像処理部Eへ搬送され、現像処理が行われる。
【0108】
このようにしてペーパーPを搬送する露光後搬送部においては、ペーパーPの第1搬送ユニット51とチャッカー52との間に下方に撓んだ部分が形成された状態で搬送されるため、ペーパーPの乳剤面が搬送中にチャッカー52等が設けられたテーブル部54(詳しくは、テーブル部54における第1搬送ユニット51と第2搬送ユニット53との中間地点付近)部分T3と接触する場合がある。そこで、テーブル部54の接触部分T3よりも搬送方向下流側には除去ブラシ25が設けられており、除去ブラシ25のブラシ部25bが接触部分T3に接触したペーパーPが下流側へ搬送されるときに該ペーパーPの乳剤面と接触するように構成されている。尚、除去ブラシ25は、テーブル部54上を移動するチャッカー52と干渉しない位置に設けられている。このテーブル部54がペーパーPが接触する壁面に相当する。
【0109】
このように、搬送されるペーパーPの乳剤面がテーブル部54と接触する場合であっても、その接触部分T3よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも搬送方向上流側に設けられた除去ブラシ25によって、乳剤面に付着した塵埃が除去されるため、塵埃が付着していない状態でペーパーPを現像処理部Eへ搬送することができ、塵埃の付着に起因する現像不良を防止することができる。
【0110】
また、露光エンジン7におけるペーパーPの搬送方向(鉛直上向き)は、第1搬送ユニット51によって水平方向へ湾曲しながら方向転換され、前記除去ブラシ25は、ペーパーPの搬送方向が変化する位置よりも搬送方向下流側に位置するテーブル部54に設けられているため、除去ブラシがペーパーPに接触することでペーパーPに作用する振動や負荷がペーパーP後部の露光処理中の部分まで伝達し難くなっている。その結果、露光ムラの発生を防止することができる。
【0111】
尚、前記除去ブラシ25は、搬送されるペーパーPの乳剤面に空気を吹き付けて、乳剤面に付着した紙粉等の塵埃を除去する除去ファン26であってもよい。かかる場合、除去ファン26が吹き付ける空気が、ペーパーPの、テーブル部54との接触部分T3よりも搬送方向下流側の部分に当たるように、除去ファン26の吹出側にガイド27が設けられていることが好ましい。尚、これら除去ファン26及びガイド27は、テーブル部54上を移動するチャッカー52と干渉しない位置に設けるようにするとよい。また、除去ファン26によって吹き飛ばされた塵埃を外部に吸い出すための吸い出しファンを設けることが好ましい。
【0112】
《その他の実施形態》
なお、本発明に係る画像形成装置A、Bの構成は、前述した実施形態に限定されることなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ペーパーPの乳剤面が収容空間部S内の側壁面14や底壁面16、又はテーブル部54と接触する構成であったが、これに限られるものではない。つまり、ペーパーPが装置内部の壁面と接触する構成であれば任意の構成を採用することができる。尚、装置内部の壁面とは、筐体Cの内面だけを意味するものではなく、装置内部に設けられた各部材、各機構を構成する壁面を含むものである。
【0113】
また、前記実施形態では、ペーパーPの乳剤面が側壁面14等と接触する構成であったが、これに限られず、ペーパーPの乳剤面と反対側の面が側壁面14等と接触する構成であってもよい。かかる場合であっても、ペーパーPの乳剤面と反対側の面に付着した塵埃が現像処理部Eへ搬送されることを防止することができ、該塵埃に起因する現像不良を防止することができる。
【0114】
なお、ペーパーPが装置内部の壁面と接触するか否かは、ペーパーPの搬送路の配置、ペーパーPのペーパー長さ、ペーパーPの搬送方法(例えば巻き取り機構8で巻き取るか否か等)によって決まる。つまり、画像形成装置の構成や画像形成条件等に応じて装置内部の壁面のどの部分にペーパーPが接触するかはわかるため、その接触部分よりも搬送方向下流側であって現像処理部Eよりも上流側に塵埃除去手段を設けるようにすればよい。
【0115】
また、前記実施形態では、画像形成されるペーパーPは、ペーパー長さ等の画像形成条件に応じて、側壁面14や底壁面16と接触する場合としない場合があったが、かかる構成に限られず、画像形成条件等に拘わらず、画像形成される全てのペーパーが壁面と接触しながら搬送されるように構成された画像形成装置に本発明を採用できることは言うまでもない。
【0116】
また、前記実施形態では、画像形成部としてレーザー光を用いる露光エンジンについて説明したが、この限りではなく、例えば、液晶シャッターを用いた画像の露光エンジンであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本発明における画像形成装置は、塵埃除去手段によってペーパーの乳剤面に付着した塵埃を除去してから該ペーパーを現像処理部へ搬送するため、その構成上、搬送されるペーパーの乳剤面が装置内部の壁面と接触する場合がある画像形成装置に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を備えた写真処理システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】収容空間部の構成を示す図である
【図3】巻き取り機構の構成を示す詳細な斜視図である。
【図4】圧着ローラを移動させるカム機構の断面図である。
【図5】画像形成装置の制御ブロック構成を示す図である。
【図6A】画像形成装置の動作を示すフローチャート(前半)である。
【図6B】画像形成装置の動作を示すフローチャート(後半)である。
【図7】画像形成装置の動作(その1)を示す図である。
【図8】画像形成装置の動作(その2)を示す図である。
【図9】画像形成装置の動作(その3)を示す図である。
【図10】画像形成装置の動作(その4)を示す図である。
【図11】画像形成装置の動作(その5)を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る画像形成装置の収容空間部を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態3に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0119】
A 画像形成装置
E 現像処理部(現像処理手段)
P ペーパー(画像形成媒体)
T1、T2、T3 接触部分
11 第1搬送ユニット(露光後搬送手段)
12 第2搬送ユニット(露光後搬送手段)
14 側壁面(壁面)
16 底壁面(壁面)
25 除去ブラシ(塵埃除去手段)
26 除去ファン(塵埃除去手段)
3 ペーパーマガジン(収納手段)
54 テーブル部(壁面)
7 露光エンジン(露光手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻かれた画像形成媒体を装置本体内部に収納する収納手段と、装置本体内部に設けられて該収納手段から引き出された画像形成媒体を所定の長さに切断するカッターと、画像形成媒体を搬送させながらその画像形成面に走査露光を行う露光手段と、走査露光後の画像形成媒体を現像処理手段まで搬送する露光後搬送手段とを備える画像形成装置であって、
前記装置本体内部には、該装置本体内部を搬送される画像形成媒体が接触する壁面があり、
前記現像処理手段よりも搬送方向上流側には、画像形成媒体に付着した塵埃を取り除く塵埃除去手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記露光後搬送手段は、画像形成媒体を湾曲させて、該画像形成媒体の搬送方向を前記露光手段における画像形成媒体の搬送方向とは異なる方向へ変化させており、
前記塵埃除去手段は、画像形成媒体が湾曲した部分よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される画像形成媒体と接触している除去ブラシであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
画像形成媒体は、湾曲してその搬送方向が変化する部分よりも下流側において、前記壁面の所定の接触部分と接触するように構成されており、
前記除去ブラシは、前記壁面の所定の接触部分の搬送方向直近下流側に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
ロール状に巻かれた画像形成媒体を装置本体内部に収納する収納手段と、装置本体内部に設けられて該収納手段から引き出された画像形成媒体を所定の長さに切断するカッターと、画像形成媒体を搬送させながらその画像形成面に走査露光を行う露光手段と、走査露光後の画像形成媒体を現像処理手段まで搬送する露光後搬送手段とを備える画像形成装置であって、
前記装置本体内部には、該装置本体内部を搬送される画像形成媒体が接触する壁面があり、
前記現像処理手段よりも搬送方向上流側には、画像形成媒体に付着した塵埃を取り除く塵埃除去手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記露光後搬送手段は、画像形成媒体を湾曲させて、該画像形成媒体の搬送方向を前記露光手段における画像形成媒体の搬送方向とは異なる方向へ変化させており、
前記塵埃除去手段は、画像形成媒体が湾曲した部分よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される画像形成媒体と接触している除去ブラシであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
画像形成媒体は、湾曲してその搬送方向が変化する部分よりも下流側において、前記壁面の所定の接触部分と接触するように構成されており、
前記除去ブラシは、前記壁面の所定の接触部分の搬送方向直近下流側に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−163696(P2007−163696A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358140(P2005−358140)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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