説明

画像形成装置

【課題】搬送される記録材料の蛇行を好適に抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ロールを収納する複数のマガジンと、各マガジンからの記録材料を圧着搬送可能に構成される共通の圧着搬送手段とを備えると共に、各マガジンと圧着搬送手段との間に形成される複数の搬送経路のうち、少なくとも搬送距離の長い搬送経路には、搬送される記録材料の蛇行を防止するための蛇行防止手段を備える画像形成装置であって、該蛇行防止手段は、搬送される記録材料の側縁が当接し、搬送される記録材料の幅寸法に応じて間隔を調整可能な一対の幅規制ガイドを備えると共に、該一対の幅規制ガイド間に備えられ、最小幅の記録材料に応じて前記調整された幅規制ガイドの間隔よりも幅が狭く且つ搬送される記録材料の表面、裏面側に対向配置される一対の湾曲規制ガイドを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材料に露光・現像処理、或いは描画処理を施し、該記録材料上に画像を形成する画像形成装置に関する。特には、ロールを収容する複数のマガジンと、各マガジンから供給される記録材料を圧着搬送する共通の圧着搬送手段とを備え、各マガジンと圧着搬送手段との間の複数の搬送経路のうち、少なくとも搬送距離の長い搬送経路に、搬送される記録材料の蛇行を防止する蛇行防止手段を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録材料上に画像を形成する画像形成装置として、感光材料(記録材料の一形態)に対して露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置や、記録材料に描画処理を施して画像を形成するプリンター等が知られている。これらの画像形成装置には、長尺な感光材料が巻回されたロールを収容するための複数のマガジンと、マガジンから供給される感光材料に画像を形成する画像形成手段(写真処理装置においては露光ユニット、プリンタにおいてはプリンタヘッド)とを備えたものがある。
【0003】
かかる画像形成装置は、各マガジンからの記録材料を共通(単一)の画像形成手段で処理できるように、各マガジンから単一の圧着搬送手段(例えば、ローラ対を備えたローラユニット)に感光材料を供給し、該圧着搬送手段による圧着搬送で各マガジンからの記録材料を画像形成手段(画像を形成する処理領域)に繋がる搬送経路上に供給できるようになっている。
【0004】
各マガジンは、ロールを軸支状態で収納可能に構成されており、ロールから巻きの解かれた記録材料を送り出す(圧着搬送する)一対の送出ローラと、装置本体側から駆動を受けて送出ローラに駆動を伝達する駆動伝達機構とを備えている。これにより、各マガジンは、送出ローラによる圧着搬送(送り出し)で記録材料を略一定速度で圧着搬送手段にまで供給できるようになっている。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3653651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記構成の画像形成装置には、各マガジンから圧着搬送手段までの記録材料の搬送経路が、搬送距離を異にして形成されたものがある。すなわち、複数のマガジンを備えた画像形成装置には、マガジンの配置の関係上、マガジンから圧着搬送手段までの記録材料の搬送距離(経路長さ)が最短となる搬送経路(短手搬送経路)と、マガジンから圧着搬送手段までの記録材料の搬送距離が短手搬送経路よりも長い搬送経路(長手搬送経路)とが形成されたものがある。
【0006】
かかる画像形成装置は、各マガジンから供給された記録材料が短手搬送経路や長手搬送経路を搬送された後、合流部を経由させて共通の圧着搬送手段まで導かれるよう、構成されている。そのため、各マガジンからの搬送経路うち、長手搬送経路は、搬送経路が長くなるために搬送経路上へ配置される記録材料を案内するガイドやローラ等の数が多くなるだけでなく、記録材料を合流部へ導くために搬送経路を方向転換するためのターンローラが必要となるか、あるいは、短手搬送経路に比べて長手搬送経路は搬送経路の方向を変換する箇所が増えるためにそのターンローラの数が増えてしまう。
【0007】
その結果、各マガジンからの記録材料の搬送経路のうち、長手搬送経路は、複数のガイドやローラ等と接触して生じる搬送抵抗、あるいはターンローラの影響を受けて、搬送される記録材料の蛇行(搬送ぶれ)のおそれが生じてくる。蛇行とは、搬送経路の向きに対して記録材料が幅方向に逸れた状態で搬送されることをいい、このような蛇行が生じると、記録材料に対して画像がずれた状態で形成され得るので、アウトプット(写真処理装置においては写真プリント)の画像品質に問題が生じてしまう。
【0008】
そのため、長手搬送経路に、蛇行防止手段として、搬送される記録材料の側縁を当接させて記録材料の幅規制をおこなう一対の幅規制ガイド(案内バー)を備える画像形成装置が提供された。この一対の幅規制ガイドは、記録材料の搬送経路に沿った面を有し且つ記録材料が当接している間は幅方向へ動かないように固定されている。そのため、蛇行して搬送される記録材料の側縁がこの面に当接すると、当接した面(幅規制ガイド)から該記録材料の側縁が逸れている方向と反対方向の力(蛇行を押し戻す力)を受け、搬送される記録材料の蛇行が抑制される。
【0009】
しかしながら、搬送される記録材料に基準を越える蛇行(基準以上の幅方向の逸れ)が生じた場合、搬送される記録材料の側縁が幅規制ガイドに当接した際、記録材料が全幅に亘って面方向(面と直交する方向)に湾曲(膨出)してしまう。そのため、幅規制ガイドからの蛇行と反対方向に記録材料を押し戻す力は、記録材料が湾曲することで面方向に逃げてしまい、記録材料の好適な幅規制(抑制)がなされないといった問題が生じることが懸念された。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、搬送される記録材料の蛇行を好適に抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係る画像形成装置は、長尺の記録材料を巻回することで形成されるロールを収納する複数のマガジンと、各マガジンから供給される記録材料を下流側に圧着搬送可能に構成される共通の圧着搬送手段とを備えると共に、各マガジンと圧着搬送手段との間に形成される複数の搬送経路のうち、少なくとも搬送距離の長い搬送経路には、搬送される記録材料の蛇行を防止するための蛇行防止手段を備える画像形成装置であって、該蛇行防止手段は、搬送される記録材料の側縁が当接し、搬送される記録材料の幅寸法に応じて間隔を調整可能な一対の幅規制ガイドを備えると共に、該一対の幅規制ガイド間に備えられ、最小幅の記録材料に応じて前記調整された幅規制ガイドの間隔よりも幅が狭く且つ搬送される記録材料の表面、裏面側に対向配置される一対の湾曲規制ガイドを備えることを特徴とする。尚、ここで「圧着搬送」とは、駆動源から駆動を受けて、記録材料を圧着した状態で搬送することを意味する。また、「共通の」とは、複数のマガジンのそれぞれに対して共通した単一のものを意味する。即ち、何れのマガジンから記録材料が供給されても該記録材料を受け入れて搬送できる単一の構成であることを意味する。
【0012】
かかる構成によれば、蛇行防止手段に一対の湾曲規制ガイドを備えることで、記録材料の全幅に亘る面方向(面と直交する方向)への湾曲(膨出)を規制することができる。即ち、記録材料が面方向に膨出するように湾曲しようとしても、該記録材料を挟むように対向配置される前記湾曲規制ガイドの少なくとも一方に湾曲した記録材料が当接するために湾曲が規制され、湾曲規制ガイド間の間隔以上の湾曲を防ぐことができる。
【0013】
そのため、搬送される記録材料が基準を越える蛇行(基準以上の幅方向の逸れ)をした場合であっても、該搬送される記録材料の側縁が幅規制ガイドに当接することで記録材料が全幅に亘って面方向へ湾曲して、当接している幅規制ガイドからの記録材料を蛇行と反対方向(搬送経路の向きに対して記録材料が幅方向に逸れた方向と反対方向)に押し戻す力が面方向へ逃げることを防ぐことができるようになり、記録材料の蛇行が好適に抑制されて(幅規制が行われて)搬送直進性が維持される。
【0014】
また、前記蛇行防止手段の下流側に備えられる一対の案内ガイドであって、記録材料の全幅に亘って対向配置される一対の案内ガイドがさらに備えられる構成としても良い。
【0015】
かかる構成とすることで、前記蛇行防止手段から供給される記録材料の先端部の全幅に亘って(先端部の幅方向における一方端から他方端まで)、その局部的な面方向への曲がり(特には先端角部の跳ね上がり)を規制することができるようになると共に、下流側の所定位置へ記録材料の先端部全幅を確実に案内することができるようになる。
【0016】
その結果、搬送される記録材料が前記蛇行防止手段から搬送経路の下流側に供給される際に、先端角部の跳ね上がった記録材料であっても、該記録材料を下流側に搬送するための搬送経路の所定位置へ確実に案内(例えば、一対のローラからなる搬送手段のローラ間にペーパー先端を挿入する際、ローラの外周面に前記記録材料の先端角部の跳ね上がりがぶつかることなく案内)されるようになる。
【発明の効果】
【0017】
以上より、本発明によれば、搬送される記録材料の蛇行を好適に抑制することができる画像形成装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、ペーパー(記録材料)に対して画像を形成する画像形成装置として、ペーパーにインクやトナーを用いて画像を形成するプリンターや、ペーパーとしての感光材料に露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置等があるが、本実施形態においては写真処理装置を一例にして説明することとする。
【0019】
図1及び図2に示す如く、本実施形態に係る写真処理装置1は、画像データに基づいて感光材料Pを露光処理する露光処理部2と、露光処理された感光材料Pを現像処理する現像処理部3と、現像処理後の感光材料Pを乾燥処理する乾燥処理部4と、乾燥処理された感光材料Pを写真プリントとしてオーダー毎に仕分ける仕分部5とを備えている。
【0020】
この写真処理装置1は、別個の制御装置6が電気的に接続され、該制御装置6によって全体の制御が行われるとともに、その制御装置6で読み取った画像データや編集した画像データに基づいて露光処理等を行うようになっている。制御装置6について概略説明すると、図2及び図3に示す如く、この制御装置6は、各処理の処理状況や操作案内等を表示するモニター60と、該モニター60の表示に基づいて入力操作を行うための入力手段61と、露光処理部2で感光材料Pに露光処理を行うための画像データを読み取る読取手段62と、画像編集等の各種処理や写真処理装置1全体の実質的な制御を行う演算処理装置63とを備えている。
【0021】
モニター60には、ブラウン管モニター或いは液晶モニターを採用することができ、本実施形態においては、ブラウン管モニターが採用されている。入力手段61には、キーボード61aとマウス61bとが採用されている。また、読取手段62には、写真プリント等から画像を読み取るフラットベッドスキャナ62a、帯状のフィルムFに形成された複数の駒画像を読み取るフィルムスキャナ62b、CD−R/RWやメモリカード等の各種メディアからデータ(例えば、画像データ)を読み込むメディアドライブ62cが採用されている。該読取手段62(フラットベッドスキャナ62a,フィルムスキャナ62b、メディアドライブ62c)は、演算処理装置63に電気的に接続され、該演算処理装置63に読み取った各画像データを伝送するようになっている。演算処理装置63は、実質的な演算を行うCPU63aや、該CPU63aに演算を実行させるためのソフトウェア等が記憶されるRAM63b、ROM63c等から構成されており、I/Oインターフェース(図示せず)を介して、読取手段62の他に、モニター60や入力手段61が電気的に接続されている。
【0022】
露光処理部2は、図2に示す如く、長尺な感光材料Pが巻回されたロールRを収容するためのマガジン20a,20b、20c,20dと、マガジン20a,20b,20c,20dから供給された感光材料Pを所定の長さで切断してカットシートにする切断装置21と、該切断装置21で切断された感光材料Pを露光処理する露光ユニット22と、各マガジン20a,20b,20c,20dから供給される感光材料Pを下流側(現像処理部3)に搬送するための露光処理部搬送系23とを備えている。
【0023】
マガジン20a,20b,20c、20dは、ロールRを軸支状態で収納できるよう箱状に形成されており、該写真処理装置1内の所定の位置(後述する主筐体10、及び副筐体11内の所定位置)に装填された状態で、ロールRを軸心回りに回転させつつ該ロールRから感光材料Pを長手方向に供給できるようになっている。
【0024】
具体的に説明すると、前記マガジン20a,20b,20c,20dは、ロールRが外挿される芯体200を軸装可能に構成され、芯体200を介してロールRを軸支状態で収容できるようになっている。さらに、該マガジン20a,20b,20c,20dは、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pを外部に送り出すための供給口(図示しない)が一角部に設けられるとともに、該供給口に対応して感光材料Pを圧着搬送する一対の送出ローラ201,201が配設されている。
【0025】
本実施形態に係るマガジン20a,20b,20c,20dは、写真処理装置1内に装填された状態で外部(後述の主筐体10又は副筐体11)に設けられた駆動源からの駆動を芯体200(ロールR)及び一対の送出ローラ201,201に伝達し、これらを軸心回りで回転させるための駆動伝達機構(図示しない)を備えている。これにより、上記構成のマガジン20a,20b,20c,20dは、外部の駆動源からの駆動を受けることで、芯体200(ロールR)と一対の送出ローラ201,201とを駆動し、ロールRの巻きを解きつつ感光材料Pを一対の送出ローラ201,201の圧着搬送によって供給口から下流側に送り出す(供給する)ようになっている。
【0026】
本実施形態に係る写真処理装置1は、露光処理部2、現像処理部3及び乾燥処理部4が一体的に収容された主筐体10(露光処理部2)に対し、上記構成のマガジン20a,20bが標準の装備として装填され、さらに、標準の装備と同様(同一)のマガジン20c、20dをオプションとして追加でき、装置全体に対するマガジン20a,20b,20c,20dの装填数を増やせるようになっている。
【0027】
具体的に説明すると、該写真処理装置1は、主筐体10に対し、上記構成のマガジン20c,20dを装填可能に構成された副筐体11を接続でき、該副筐体11内のマガジン20c,20dから標準装備のマガジン20a,20bと同様に感光材料Pを供給できるようになっている。すなわち、主筐体10に接続された副筐体11内の各構成(オプションのマガジン20c,20dや後述する中間搬送ユニット24等)は、主筐体10内の各構成と連動し、オプションのマガジン20c,20dが標準装備のマガジン20a,20bと同様に露光処理部2の一部(ペーパー供給手段)として機能するようになっている。
【0028】
本実施形態においては、標準装備としてのマガジン20a,20bが主筐体10内に二つ設けられ(以下、主筐体10内のマガジンを第一マガジン20a及び第二マガジン20bという)、オプションのマガジン20c,20dが副筐体11内に二つ設けられる(副筐体11内のマガジンを第三マガジン20c及び第四マガジン20dという)。そして、第一及び第二マガジン20a,20bから供給される感光材料Pの搬送経路に対し、第三及び第四マガジン20c,20dから供給される感光材料Pの搬送経路が合流し、写真処理に際して何れか一つのマガジン20a,20b,20c,20dから感光材料Pを供給できるようになっている。
【0029】
本実施形態に係る写真処理装置1は、第一及び第二マガジン20a,20bがそれぞれ供給口を後述する第一ローラユニット230(第一アドバンスローラ230a(図4参照))側に向くように主筐体10内に装填されるようになっているが、第一マガジン20aは供給口を下向きにして感光材料Pを垂直方向下方に向けて供給できるように主筐体10内に装填される一方、第二マガジン20bは、供給口を第二マガジン20bの上側で横向きして感光材料Pを水平方向に供給できるように主筐体10内に装填され、各供給口から第一ローラユニット230までの感光材料Pの搬送距離が略等しくなっている。
【0030】
これに対し、第三及び第四マガジン20c,20dは、副筐体11内に上下並列で、それぞれの供給口を横向きにして(主筐体10側に向け)感光材料Pを水平方向に供給できるように副筐体11内に装填される。このような配置の関係上、副筐体11内には感光材料Pの搬送距離を異する二系統の搬送経路TL1,TL2が第三及び第四マガジン20c,20dと後述する第二ローラユニット231(圧着搬送手段)との間に形成されている。なお、この二系統の搬送経路TL1,TL2、及び該搬送経路TL1,TL2を構成するための各構成については、露光処理部搬送系23の説明と併せて詳細に後述することとする。
【0031】
露光ユニット22は、露光処理部搬送系23において搬送される感光材料Pの乳剤面を露光する露光エンジン221を備えている。該露光エンジン221は、レーザー光源(図示しない)や、該レーザー光源からのレーザー光を露光ポイント(画像形成処理領域)Aにまで導く光学系(例えば、ポリゴンミラーやレンズ:図示しない)等を備えた、いわゆるレーザーエンジンが採用されている。尚、露光エンジン221には、ハロゲンランプ等からなる光源と、該光源に光ファイバー束を介して接続された光シャッター(PLZT)とで構成されたもの等、その他のいわゆるデジタル露光エンジンであってもよい。
【0032】
前記露光処理部搬送系23は、露光処理部2内の搬送経路に対して随所に配置され、感光材料Pを圧着搬送(ローラ搬送)する複数のローラ対232…と、感光材料Pを圧着(把持)可能に構成され且つ搬送経路に沿って往復動可能に構成されたスライド搬送体233,234とを備え、これらの組合せで主筐体10内で感光材料Pを搬送するための主たる搬送経路(主搬送経路という)TMを形成している。該主搬送経路TMは、最上流(第一及び第二ローラユニット230,231の下流側)から感光材料Pに対して画像を形成するための領域(露光ポイント)Aに繋がり、さらに、露光ポイントAから現像処理部3に繋がるように形成されている。前記スライド搬送体233,234は、ローラ対232,232間(本実施形態においては、切断装置21の下流側で略垂直方向に形成された主搬送経路TM上と、露光ユニット22(露光ポイントA)の下流側で略水平方向に形成された主搬送経路TM上と)に設けられており、上流側のローラ対232から送られてくる感光材料Pを受け取って、該感光材料Pを下流側のローラ対232に送り出すように構成されている。
【0033】
本実施形態においては、主筐体10内に第一及び第二マガジン20a,20bを装填し、副筐体11内に第三及び第四マガジン20c,20dを装填するようになっているため露光処理部搬送系23は、上記構成に加え、第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pを主搬送経路TMに導くための第一ローラユニット230と、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを主搬送経路TMに導くための圧着搬送手段としての第二ローラユニット231とを更に備えている。そして、本実施形態に係る露光処理部搬送系23は、マガジン20a〜20dとは異なるそれ独自の駆動源を有しつつ、マガジン20a〜20dの芯体200及び送出ローラ201と同期的に駆動するよう制御されている。
【0034】
第一ローラユニット230は、第一及び第二マガジン10a,10bから異なる経路を経て供給される感光材料Pの搬送方向を変更して主搬送経路TMに導くためのものである。本実施形態においては、第二ローラユニット231から垂直方向上方に向けて搬送されてくる第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pをそのままの姿勢で主搬送経路TMに合流させるのに経路を確保すべく、第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pの搬送方向を変更し、下流側で垂直方向上方に向けて伸びる主搬送経路TMに対して第一及び第二マガジン20a,20bからの感光材料Pを斜め下方から(主搬送経路TMに対して傾斜して)進入させるようになっている。
【0035】
具体的には、該第一ローラユニット230は、図4に示す如く、回転駆動される第一アドバンスローラ230aと、該第一アドバンスローラ230aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う第一圧着ローラ230b、230bとを備えている。
【0036】
第一アドバンスローラ230aは、主筐体10内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転するようになっている。該第一ローラユニット230は、感光材料Pを介して第一アドバンスローラ230aに第一圧着ローラ230b,230bが圧接することで、感光材料Pを下流側に搬送できる(圧着搬送する)ようになっている。そして、本実施形態に係る第一ローラユニット230は、第一圧着ローラ230b,230bが第一アドバンスローラ230aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられるとともに、第一圧着ローラ230b,230b間に感光材料Pを案内するターンガイド230dが設けられている。これにより、第一アドバンスローラ230aと上流側の第一圧着ローラ230bとによって圧着搬送される感光材料Pが、ターンガイド230dに案内されて第一アドバンスローラ230aと下流側の第一圧着ローラ230bとの間に導かれる結果、第一アドバンスローラ230aに対する感光材料Pの巻き掛け(感光材料Pの搬送方向の変更)を確実にできるようになっている。そして、該第一ローラユニット230は、搬送方向を変更した感光材料Pを斜め上方にある主搬送経路TM(最上流のローラ対232)に向けて送り出すようになっており、最上流のローラ対232に到達した感光材料Pが該ローラ対232の一方のローラ232aに巻き掛けられることで搬送方向が垂直方向に変更されて主搬送経路TMに導かれるようになっている。
【0037】
該第一ローラユニット230は、二本の第一圧着ローラ230b、230bが単一のフレーム230cに軸支されており、該フレーム230cを第一アドバンスローラ230aに対して接離させることで、二本の第一圧着ローラ230b、230bを第一アドバンスローラ230aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを切り換えることができるようになっている。
【0038】
第二ローラユニット231は、第三及び第四マガジン20c,20dから異なる経路を経て供給される感光材料Pの搬送方向を変更して主搬送経路TMに導くためのものである。本実施形態に係る第二ローラユニット231は、第一ローラユニット230の下方に設けられており、副筐体11側から搬送されてくる感光材料Pの搬送方向を垂直方向上方に変更しつつ搬送するようになっている。
【0039】
具体的には、該第二ローラユニット231は、回転駆動される第二アドバンスローラ231aと、該第二アドバンスローラ231aに対して接離可能に構成され、感光材料Pの圧着とその解除を行う第二圧着ローラ231b、231bと、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231aの外周上(実際には第二アドバンスローラ231aと第二圧着ローラ231b、231bとの間)に導くためのガイド手段235a,235bとを備えている。
【0040】
第二アドバンスローラ231aは、主筐体10内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転するようになっている。該第二ローラユニット231は、感光材料Pを介して第二アドバンスローラ231aに第二圧着ローラ231b,231bが圧接することで、感光材料Pを下流側に搬送できる(圧着搬送する)ようになっている。そして、本実施形態に係る第二ローラユニット231は、第二圧着ローラ231b、231bが第二アドバンスローラ231aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられるとともに、該第二圧着ローラ231b,231b間に感光材料Pを案内するターンガイド231cが設けられている。これにより、第二アドバンスローラ231aと上流側の第二圧着ローラ231bとによって圧着搬送される感光材料Pが、ターンガイド231cに案内されて第二アドバンスローラ231aと下流側の第二圧着ローラ231bとの間に導かれる結果、第二アドバンスローラ231aに対する感光材料Pの巻き掛け(感光材料Pの搬送方向の変更)を確実にできるようになっている。該第二ローラユニット231は、搬送方向を変更した感光材料Pを垂直方向上方にある主搬送経路TM(最上流のローラ対232)に向けて送り出すようになっており、該感光材料Pが姿勢を変更することなく主搬送経路TM(最上流のローラ対232間)に導かれるようになっている。
【0041】
本実施形態においては、二本の第二圧着ローラ231b、231bが単一のフレーム236に軸支されており、該フレーム236を第二アドバンスローラ231aに対して接離させることで、二本の第二圧着ローラ231b、231bを第二アドバンスローラ231aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを同時に切り換えることができるようになっている。
【0042】
前記ガイド手段235a,235bは、第三マガジン20cからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231a上に導くためもの(第一ガイド手段235a)と、第四マガジン20dからの感光材料Pを第二アドバンスローラ231a上に導くためのもの(第二ガイド手段235b)とが設けられている。第一ガイド手段235a及び第二ガイド手段235bは、それぞれ感光材料Pを両面から案内する一対の板材(採番しない)で構成されている。第一ガイド手段235aは、副筐体11側から第二アドバンスローラ231aに向けて略水平の経路を形成し、第二ガイド手段235bは、副筐体11側の斜め上方から第二アドバンスローラ231aに向けて先下りに傾斜した経路を形成しており、それぞれ第二アドバンスローラ231aの外周面(下側に向くの外周面上)に感光材料Pを案内できるようになっている。これにより、副筐体11側から供給される感光材料Pの搬送経路TL1,TL2が第二アドバンスローラ231a上で合流している。そして、第二圧着ローラ231b、231bは、搬送経路TL1,TL2の合流部分の下流側で第二アドバンスローラ231aに対して接離できるようになっており、各搬送経路TL1,TL2からの感光材料Pを下流側に圧着搬送できるようになっている。
【0043】
次に、副筐体11内部に形成された上述の二系統の搬送経路TL1,TL2について説明する。なお、該搬送経路TL1,TL2の説明に伴い、副筐体11、及びその内部構造についても併せて説明する。
【0044】
前記副筐体11は、縦方向に延びる仕切り壁113によって内部空間が二つの空間(室)に区画されており、第三及び第四マガジン20c,20dを収容するマガジン収容室11aと、第三及び第四マガジン20c,20dからの感光材料Pを第二ローラユニット231に導くための搬送系(各種ガイド114a,114b,115,116や中間搬送ユニット24)を収容するための搬送系収容室11bとが横並びに形成されている。
【0045】
前記マガジン収容室11aは、第三、及び第四マガジン20c,20dを上下二段にして収容できるようになっている。具体的には、該マガジン収容室11aには、二本一組のレール112,112が上下方向に間隔をおいて二組取り付けられている。そして、各組のレール112,112にはマガジン20c,20dが載置されるベース111がスライド可能に設けられ、ベース111に載置した第三及び第四マガジン20c,20dを副筐体11から感光材料Pの幅方向(副筐体11の前面カバーを開いて手前側)に引き出し可能且つ着脱可能となっている。なお、図示しないが、第一及び第二マガジン20a,20bについても、主筐体10内に取り付けられたレールに対してスライド可能なベース上に載置され、第三及び第四マガジン20c,20dと同様に、感光材料Pの幅方向(主筐体10の前面カバーを開いて手前側)に引き出し可能且つ着脱可能となっている。
【0046】
そして、該副筐体11(主として搬送系収容室11b)内には、感光材料Pの搬送距離を異する二系統の搬送経路TL1,TL2、すなわち、マガジン収容室11a内の下側に装填されるマガジン(第三マガジン20c)と第二ローラユニット231とを結ぶ搬送経路(以下、この搬送経路を短手搬送経路という。)TL1と、マガジン収容室11a内の上側に装填されるマガジン(第四マガジン20d)と第二ローラユニット231とを結ぶ搬送経路(以下、この搬送経路を長手搬送経路という。)TL2とが形成されている。
【0047】
短手搬送経路TL1は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する中継搬送ユニット)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。即ち、第二アドバンスローラ231aの外周下部に対する水平方向の接線上に第三マガジン20cの供給口が位置しており、短手搬送経路TL1は、搬送系収容室11bを介してマガジン収容室11aと主筐体10内とに跨って、水平方向に直線状に形成されている。
【0048】
該短手搬送経路TL1は、マガジン収容室11aと搬送系収容室11bとに跨るように設けられ、マガジン収容室11a内の第三マガジン20cの供給口と隣接する一対の第一補助ガイド板114a,114aと、搬送系収容室11bと主筐体10内とに跨るように設けられ、一対の第一補助ガイド板114a,114aと第二ローラユニット231(第二ガイド手段235b)との間に配設される一対のガイド板115,115とで形成されている。
【0049】
一対の第一補助ガイド板114a,114a、及び一対のガイド板115,115の何れも、所定の間隔をおいて上下方向で対向配置され、ガイド板114a,114a,115,115間の間隙で連続した直線状の経路(短手搬送経路TL1)を形成し、感光材料Pを両面側から案内するようになっている。
【0050】
本実施形態に係る一対の第一補助ガイド板114a,114aは、副筐体11内の仕切り壁113を貫通して設けられ、第三マガジン20c側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、第三マガジン20c(供給口)からの感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。他方、本実施形態に係る一対のガイド板115,115は、接続された副筐体11及び主筐体10の壁部を貫通して設けられ、第三マガジン20c側(一対の第一補助ガイド板114a,114a側)に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入(補助ガイド板114a,114aからの乗り移り)を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0051】
該短手搬送経路TL1は、駆動系を一切備えておらず、第三マガジン20cを駆動(送出ローラ201及び芯体200を回転駆動)することで、第三マガジン20cから感光材料Pを送り出し、第二ローラユニット231に導くようになっている。即ち、短手搬送経路TL1は、直線状で且つ感光材料Pの搬送距離が可能な限り短くなるように形成されることから、感光材料Pを供給するに際して抵抗が小さいため、第三マガジン20cの駆動(送出ローラ201による圧着搬送)だけで感光材料Pを第二ローラユニット231にまで搬送するようになっている。
【0052】
長手搬送経路TL2は、第四マガジン20dの配置(第四マガジン20dと第二ローラユニット231との配置)の関係上、感光材料Pの搬送距離が短手搬送経路TL1よりも大幅に長くなっている。そして、該長手搬送経路TL2は、複数箇所(本実施形態においては二カ所)にターン部Uを有して迂曲するように形成され、感光材料Pの搬送安定性を確保した上で感光材料Pを第二ローラユニット231にまで導けるようになっている。具体的には、長手搬送経路TL2は、第四マガジン20dから水平方向に伸びる第一経路TL2aと、ターン部Uを介して第一経路TL2aから垂直方向下方に伸びる第二経路TL2bと、ターン部Uを介して第二経路TL2bから第二ローラユニット231(第二ガイド手段235b)に向けて斜め下方に伸びる第三経路TL2cとで構成されている。
【0053】
該長手搬送経路TL2(第一乃至第三経路TL2a〜TL2c)は、第四マガジン20dの供給口と隣接する一対の第二補助ガイド板114b,114bと、第二補助ガイド板114b,114bで案内される感光材料Pを受け取り、該感光材料Pを垂直方向下方に搬送した後に斜め下方に方向変換させる中継搬送ユニット24と、該中継搬送ユニット24と第二ローラユニット231(第二ガイド手段235b)との間に配設され、中継搬送ユニット24からの感光材料Pを第二ローラユニット231に導く一対の傾斜ガイド板116,116とで形成され、マガジン収容室11a、搬送系収容室11b、及び主筐体10に跨るように形成されている。
【0054】
一対の第二補助ガイド板114b,114bは、所定の間隔をおいて上下に対向配置され、該一対の第二補助ガイド板114b,114b間の間隙で水平方向の第一経路TL2aの一部を形成し、感光材料Pを両面側から案内するようになっている。本実施形態に係る一対の第二補助ガイド板114b,114bは、副筐体11内の仕切り壁113を貫通するように設けられており、第四マガジン20d側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、第四マガジン20d(供給口)からの感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0055】
該中継搬送ユニット24は、長手搬送経路TL2上の感光材料Pに対しての供給力(搬送力)を補助的に付加し、該感光材料Pを第二ローラユニット231にまで円滑に供給できるようにするための中継搬送手段240を備えている。
【0056】
より具体的に説明すると、中継搬送ユニット24は、第二補助ガイド板114b,114bで案内されてくる感光材料Pを受け入れ、該感光材料Pを下流側に案内する第一案内手段241と、第一案内手段241で案内されてくるペーパーを補助的に圧着搬送する中継搬送手段240と、中継搬送手段240によって搬送力が付加され、下流側に搬送される感光材料Pを案内する第二案内手段242と、該第二案内手段242で案内されてくる感光材料Pの搬送方向を変換させる方向変換手段243と、第二案内手段242から方向変換手段243に感光材料Pを導くための第三案内手段244と、方向変換手段243で方向変換された感光材料Pを前記一対の傾斜ガイド板116,116間に導くための第四案内手段245とを備えており、これらが共通フレーム246に取り付けられて一体的にユニット化されている。
【0057】
該中継搬送ユニット24は、搬送系収容室11b内に収容されており、マガジン収容室11a内のマガジン20c,20dと同様に、感光材料Pの搬送方向と直交する方向に引き出し可能になっている。これにより、中継搬送ユニット24や副筐体11内の駆動系等に対してメンテナンスできるようになっている。
【0058】
第一案内手段241は、一対の第二補助ガイド板114b,114bと同様に、所定の間隔をおいて上下方向に対向配置された一対の板材で構成され、該板材間の間隙で一対の第二補助ガイド板114b,114b間の間隙とともに水平方向の第一経路TL2aを形成している。これにより、第一案内手段241は、各板材で感光材料Pを両面側から案内し、該感光材料Pを中継搬送手段240(後述する第一ターンローラ240aの外周上)に導けるようになっている。該第一案内手段241(一対の板材)は、両側端部が共通フレーム246に固定され、一対の第二補助ガイド板114b,114b側に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0059】
本実施形態に係る中継搬送手段240は、長手搬送経路TL2上で感光材料Pの搬送方向を変更するターン部U(上流側のターン部U)に設けられ、第一経路TL2aを介して第四マガジン20dから供給されてくる感光材料Pの搬送方向を垂直方向下方に変更しつつ該感光材料Pを搬送し、垂直方向に伸びる第二経路TL2bに送り出すように構成されている。
【0060】
中継搬送手段240について具体的に説明すると、該中継搬送手段240は、副筐体11(搬送系収容室11b)内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転する(回転駆動する)第一ターンローラ240aと、該第一ターンローラ240aに対して接離可能に構成され、感光材料Pの圧着とその解除を行う第一サブローラ240bとを備え、感光材料Pを介して第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aに圧接することで感光材料Pを圧着搬送できるようになっている。
【0061】
本実施形態に係る中継搬送手段240は、第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aの外周回りに複数本(図においては二本)設けられるとともに、第一サブローラ240b間に感光材料Pを案内するターンガイド(第一ターンガイド)240dが設けられている。これにより、第一ターンローラ240aと上流側の第一サブローラ240bとによって圧着搬送される感光材料Pが、第一ターンガイド240dによって中心となる第一ターンローラ240a回りで案内され、第一ターンローラ240aと下流側の第一サブローラ240bとの間に導かれる結果、第一ターンローラ240aに巻き掛けられ、該感光材料Pの搬送方向が変更されるようになっている。
【0062】
本実施形態においては、第一ターンローラ240aが共通フレーム246に両端部が軸支される一方、二本の第一サブローラ240bが共通フレーム246に対して移動可能に設けられた単一の支持フレーム240cに軸支されており、該支持フレーム240cを第一ターンローラ240aに対して接離させることで、二本の第一サブローラ240bを第一ターンローラ240aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを切り換えることができるようになっている。
【0063】
該中継搬送手段240は、感光材料Pの搬送速度が第四マガジン20d(芯体200)の駆動による感光材料Pの送り出し(供給)速度よりも高速になっており、中継搬送手段240と第四マガジン20dとの間(第一経路TL2a上)で感光材料Pにテンションを作用させる(下流側に引っ張られる力が作用する)ようになっている。その一方で、該中継搬送手段240は、感光材料Pの搬送速度が第二ローラユニット231による感光材料Pの搬送速度よりも遅く設定されている。すなわち、第二ローラユニット231での感光材料Pの搬送速度は、中継搬送手段240での搬送速度よりも高速に設定されており、感光材料Pが第二ローラユニット231と中継搬送手段240とに跨った状態で、その間(第二経路TL2b乃至第三経路TL2c上)で感光材料Pにテンションを作用させる(下流側に引っ張られる力が作用する)ようになっている。
【0064】
このように、第四マガジン20dの供給速度V1<中継搬送手段240の搬送速度V2<第二ローラユニット231の搬送速度V3の関係により、上流側で感光材料Pが過剰に供給(搬送)されることがなく、長手搬送経路TL2(各経路TL2a〜TL2c)上で感光材料Pが詰まってしまう等といった問題が発生するのを防止できるようになっている。なお、第二ローラユニット231に対して下流側にある主搬送経路TM(ローラ対232)については、第二ローラユニット231よりも高速に設定されており、主筐体10(露光処理部)内でのペーパー詰まり(ジャム)の発生を防止するようになっている。
【0065】
そして、上記構成の中継搬送手段240は、感光材料Pの先端部が第二ローラユニット231に到達し、第二ローラユニット231によって感光材料Pに対する圧着搬送が行われる状態で、第一サブローラ240b,240bが第一ターンローラ240aから離間して圧着が解除され、第二ローラユニット231(第二アドバンスローラ231a)の駆動と、第四マガジン20d(芯体200)の駆動とで感光材料Pが供給されるようになっており、中継搬送手段240による感光材料Pに対する圧着で不要な圧着癖(いわゆる、圧着かぶり)が付くのを防止している。このように第一サブローラ240b、240bを第一ターンローラ240aから離間して圧着が解除されても、第四マガジン20dの供給速度V1<第二ローラユニット231の搬送速度V3との関係が成り立つため、第四マガジン20dと第二ローラユニット231との間の感光材料Pにテンションが作用し、第一ターンローラ240aに対する感光材料Pの巻き掛け状態を維持することができるとともに感光材料Pの過剰な供給が防止され、ペーパー詰まりの発生が防止される。
【0066】
図4及び図5に示す如く、本実施形態に係る第二案内手段242は、感光材料Pの幅方向の蛇行(搬送ぶれ)を防止する、いわゆる幅規制ガイド242a,242aを備える。該幅規制ガイド242a,242aは、感光材料Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)に間隔をおいて設けられた一対の案内バーで構成され、副筐体11内に設けられた駆動源から駆動を受け、該一対の案内バーで構成される幅規制ガイド242a,242aを接離させる(間隔を調節する)ボールネジ242bとを備えている。
【0067】
さらに、第二案内手段242は、幅規制ガイド242a,242a間に、感光材料Pの全幅に亘る面方向(搬送方向及び幅方向と直交する方向)への湾曲(膨出)を防止するための、いわゆる湾曲規制ガイド242c,242cを備える。該湾曲規制ガイド242c,242cは、感光材料Pの面方向(感光材料Pの面と直交する方向)に間隔をおいて設けられた一対の案内板で構成されている。
【0068】
一対の幅規制ガイド242a,242aのそれぞれは、上下方向(垂直方向)に伸びるように設けられており、互いに対向する面には、垂直方向に延びる案内スリットSが形成されている。該幅規制ガイド242a,242aは、感光材料Pの両側部が各案内スリットSに入り込むと共に、感光材料Pの一方側の側縁が一方の案内スリットS内壁に当接することで、感光材料Pが搬送方向と直交する方向への搬送ぶれ(蛇行)を規制(抑制)するようになっている。
【0069】
そして、上述の如く、ボールネジ242bで一対の幅規制ガイド242a,242aを相対的に移動(接離)させることで感光材料Pの幅に対応した位置に各幅規制ガイド242a,242aを配置できるようになっている。なお、マガジン20c,20bがセットされる際に、感光材料Pの幅寸法を制御装置6に入力しておくので、感光材料Pの幅寸法の情報が制御装置6から自動的に取得され、該情報を基に駆動源がボールネジ242bを作動させ、一対の幅規制ガイド242a,242aの間隔が感光材料Pに対応して調節される。
【0070】
一対の湾曲規制ガイド242c,242cのそれぞれは、上下方向に伸びると共に、所定の間隔をおいて前後方向に対向配置された一対の板材(案内板)によって構成されている。即ち、一対の案内板は、搬送される感光材料Pに沿って且つ挟むように(感光材料Pの表面、裏面側に)対向配置されている。また、該案内板で構成される湾曲規制ガイド242c,242cの幅は、画像形成装置で使用される最小幅の感光材料Pに対応して調節された一対の幅規制ガイド242a,242aの間隔よりも狭く形成されている。即ち、湾曲規制ガイド242c,242cは、幅規制ガイド242a,242aが感光材料Pに対応する間隔に調節されるのを妨げないような幅に設定されている。
【0071】
そして、上述の如く、ボールネジ242bの作動により幅規制ガイド242a,242aの間隔が調節されても、湾曲規制ガイド242c,242cは、常に搬送される感光材料Pの幅方向中央部に位置するように配設されている。本実施形態においては、湾曲規制ガイド242c,242cの上流側端部と下流側端部とが、共通フレーム246において第二案内手段242を上下から挟む位置で、且つ搬送される感光材料Pの幅方向へ架橋されたガイド板(図示せず)に固定されている。
【0072】
湾曲規制ガイド242c,242cは、感光材料Pが該案内板の間隙に入り込むことで、感光材料Pが面(感光面)方向へ所定量以上に湾曲(膨出)するのを規制するようになっている。
【0073】
図1乃至図4に戻って、方向変換手段243は、第二案内手段242の下流側であって感光材料Pの搬送方向を変更するターン部U(下流側のターン部)に設けられている。該方向変換手段243は、感光材料Pが巻き掛けられる第二ターンローラ243aと、第二ターンローラ243aの外周回りに設けられた複数(図においては二つ)の第二サブローラ243b,243bと、第二サブローラ243b,243b間に設けられ、感光材料Pを案内するターンガイド(第二ターンガイド)243cとで構成されている。
【0074】
前記第二ターンローラ243a及び第二サブローラ243bの何れもフリーローラで構成されており、共通フレーム246に軸支されている。そして、各第二サブローラ243bは、第二ターンローラ243aとの間に所定の隙間を形成するように配置されている。すなわち、方向変更手段243は、第二案内手段242で案内されてきた感光材料Pが、圧着されることなく第二ターンローラ243aと上流側の第二サブローラ243bとの間に入り込み、第二サブローラ243b間の第二ターンガイド243cによって第二ターンローラ243a回りで案内されるようになっている。そして、該方向変換手段243は、第二ターンガイド243cに案内される感光材料Pが、圧着されることなく第二ターンローラ243aと下流側の第二サブローラ243bとの間に入り込む結果、該感光材料Pが中心となる第二ターンローラ243aに巻きかけられた状態(第二ターンローラ243aの外周面に沿った状態)になるように配置されている。
【0075】
第三案内手段244は、間隔をおいて互いに対向する一対の板材(採番しない)で構成されている。該第三案内手段244は、一対の板材が垂直方向に起立した状態で設けられることで、該板材間の間隙で第二案内手段242とともに垂直方向に伸びる第二経路TL2bを形成し、感光材料Pを両面側から案内して該感光材料Pを方向変換手段243(第二ターンローラ243aと第二サブローラ243b,243bとの間)に導くようになっている。また、第三案内手段244は、感光材料Pが該第三案内手段244に入り込むことで、その先端部の全幅に亘って(先端部の幅方向における一方端から他方端まで)、その局部的な面方向への曲がり(特には先端角部の跳ね上がり)が抑制されると共に、前記感光材料Pの局部的に曲がった部分がローラの外周面にぶつかることなく、確実に第二ターンローラ243aと第二サブローラ243bとの間に導かれるようになっている。そして、第四案内手段245についても、間隔をおいて互いに対向する一対の板材(採番しない)で構成されている。該第四案内手段245は、一対の板材が主筐体10側に先下りするように設けられることで、該板材間の間隙で第三経路TL2cの一部を形成し、方向変換手段243で方向変換された感光材料P(第二ターンローラ243aに巻き掛けられた感光材料P)を両面側から案内して斜め下方にある一対の傾斜ガイド板116,116間に導くようになっている。
【0076】
一対の傾斜ガイド板116,116は、間隔をおいて互いに対向配置され、主筐体10側に向けて先下りに傾斜した状態で設けられており、一対の傾斜ガイド板116,116間の間隙で第三経路TL2cの一部を形成し、感光材料Pを両面側から案内して第二ガイド手段235bに導くようになっている。すなわち、該一対の傾斜ガイド板116,116は、第四案内手段245(板材間の間隙)及び第二ガイド手段235b(板材間の間隙)とともに第二ローラユニット231(第二アドバンスローラ231a)に向けて先下りに傾斜して連続する第三経路TL2cを形成している。本実施形態に係る一対の傾斜ガイド116,116は、副筐体11及び主筐体10の壁部を貫通して設けられ、上流側(第四案内手段245側)に位置する端部が、互いに離間するように曲げ加工され、感光材料Pの進入(第四案内手段245からの乗り移り)を許容するテーパー状のガイド部(採番しない)が形成されている。
【0077】
図2に戻り、現像処理部3は、露光処理部2から送り込まれてくる感光材料Pを現像するためのもので、現像処理液が貯留される現像処理液槽30と、該現像処理液槽30内の現像処理液に対して感光材料Pを浸漬して引き上げる動作を繰り返すように、感光材料Pを搬送する現像処理部搬送系32とを備えている。現像処理液槽30は、複数の液槽30a,30b…が横並びに配置されることで構成されている。各液槽30a,30b…には、感光材料Pに対して現像処理、漂白処理、定着処理、安定処理を行うための現像処理液が貯留されている。すなわち、各液槽30a,30b…には、上流側から順に現像液(CD)、漂白・定着液(BF)、安定液(STB)、洗浄液が貯留されている。現像処理部搬送系32は、現像処理液槽30(各液槽30a,30b…)の現像処理液(現像液、漂白・定着液、安定液、洗浄液)中で感光材料Pを搬送する液中搬送系32aと、各液槽30a,30b…から引き上げられた感光材料Pを下流側で隣接する液槽30b…内に導きつつ搬送する外部搬送系32bとで構成されており、各搬送系32a,32bのそれぞれは、複数のローラ対(採番しない)により構成されている。
【0078】
乾燥処理部4は、上流側の現像処理部3から送り込まれる感光材料Pを搬送する乾燥処理部搬送系40と、該乾燥処理部搬送系40で搬送される感光材料Pを乾燥させる乾燥装置41とを備えている。乾燥処理部搬送系40は、現像処理部3から送り込まれてきた感光材料Pの搬送経路を方向転換しつつ搬送し、該感光材料Pに対する乾燥処理に必要な距離(実際には、乾燥処理に必要な時間)を担保するようになっている。
【0079】
図1に戻り、該写真処理装置1は、乾燥処理した感光材料Pを主筐体10外に排出する排出口434,435(小判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する第一排出口434及び大判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する第二排出口435)を備えている。仕分部5は、第一排出口434から排出される写真プリントを搬送するコンベア50と、該コンベア50で搬送されてくる写真プリントをオーダー毎に仕分ける仕分機構51とで構成されている。そして、該仕分機構51は、コンベア50で搬送されてくる写真プリントを受けるための複数のトレー51a,51b…と、該複数のトレー51a,51b…のうち、所定(空)のトレー51a,51b…をコンベア50から写真プリントを受け取り可能な位置に移動させるための駆動手段(図示しない)とで構成され、トレー51a,51b…の配置を適宜変更することで、写真プリントをオーダー毎にそれぞれのトレー51a,51b…に排出できるようになっている。
【0080】
本実施形態に係る写真処理装置1は、以上の概略構成からなり、次に、この写真処理装置1の作動について図2及び図4を参照して説明する。
【0081】
まず、選択したマガジン20a,20b,20c,20dに対応する駆動源が作動し、該マガジン20a,20b,20c,20d内のロールR(芯体200)及び一対の送出ローラ201,201に駆動が伝達される。そうすると、該芯体200に外挿されたロールRが回転し、該ロールRの巻きが解かれて感光材料Pが一対の送出ローラ201,201によって圧着搬送され供給口から送り出される。そして、第一マガジン20a、又は第二マガジン20bから感光材料Pが供給される場合には、ロールRの回転と一対の送出ローラ201,201による圧着搬送のみで感光材料Pが第一ローラユニット230に供給され、該第一ローラユニット230の圧着搬送で当該感光材料Pが主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0082】
そして、第三マガジン20cから感光材料Pが供給される場合には、ロールRの回転及び一対の送出ローラ201,201による圧着搬送によって、ロールRから巻きが解かれた感光材料Pが供給口から水平方向に送り出される。そうすると、第三マガジン20cから送り出された感光材料Pは、一対の第一補助ガイド板114a,114a、及び一対のガイド板115,115の案内で姿勢を略水平状態に維持しつつ短手搬送経路TL1上で搬送され、第二ローラユニット231に供給される。そうすると、該第二ローラユニット231に到達した感光材料Pは、該第二ローラユニット231によって下流側に圧着搬送されるが、上述の如く、第二ローラユニット231の搬送速度が第三マガジン20cの供給速度よりも高速に設定されているので、第三マガジン20cからの感光材料Pの供給が過剰になることなく、供給された感光材料Pは搬送方向を水平方向から垂直方向上方に変更されつつ円滑に下流側に搬送されることになる。そして、搬送方向が垂直方向に変更された(切り換わった)感光材料Pは、第二ローラユニット231の圧着搬送で主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0083】
その一方で、第四マガジン20dから感光材料Pが供給される場合、ロールRの回転と一対の送出ローラ201,201による圧着搬送によって、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pが供給口から水平方向に送り出される。そうすると、感光材料Pは、第二補助ガイド板114b,114b、第一案内手段241の案内によって中継搬送手段240に導かれ、該中継搬送手段240の第一ターンローラ240aと第一サブローラ240bとによって圧着される。そして、中継搬送手段240は、第四マガジン20dと同期的に作動している(第一ターンローラ240aが回転している)ので、感光材料Pは、第一ターンローラ240aと第一サブローラ240bとによって圧着搬送される結果、該第一ターンローラ240aに巻き掛けられた状態になって搬送方向が水平方向から垂直方向下方に変更される。このように搬送方向が垂直方向下方に変更された感光材料Pは、中継搬送手段240と第四マガジン20dとの駆動によって下流側の第二案内手段242に向けて搬送される。
【0084】
そして、第二案内手段242に到達した感光材料Pは、両側部が一対の幅規制ガイド(案内バー)242a,242aの案内スリットS内に入り込み、下流側に搬送される。その際、感光材料Pが蛇行した状態で案内スリットS内に入り込むと、該感光材料Pの一方側の側縁が一方の案内スリットSの内壁に当接し、幅方向において、蛇行している方向と反対方向(搬送方向からの逸れと反対方向)に押されることで幅方向の蛇行が抑制されつつ下流側に搬送される。そして、感光材料Pは、第三案内手段244を介して方向変換手段243(第二ターンローラ243aと第二サブローラ243b,243bとの間)に導かれる。
【0085】
しかし、基準を超える蛇行状態(基準以上の搬送方向の逸れ幅)で感光材料Pが案内スリットS内に入り込んだ場合、該感光材料Pの一方側の側縁が案内スリットSの内壁から押される力が大きくなるため、感光材料Pの幅方向の蛇行が修正されずに感光材料Pが全幅に亘って湾曲し(幅方向において、円弧状に膨出し)てしまい、前記案内スリットS内壁から感光材料Pの一方側の側縁に働く蛇行と反対方向へ押し戻す力が前記湾曲によって面方向へ逃げるために好適な蛇行の抑制ができなくなる。
【0086】
そこで、搬送される感光材料Pと対向し、即ち、感光材料Pを両面から挟むよう、互いに対向配置された一対の湾曲規制ガイド242c,242cを設けて前記感光材料Pの幅方向における湾曲を規制することで、感光材料Pの一方側の側縁に働く案内スリットS内壁からの蛇行を押し戻す力が、面方向へ逃げないように規制され、感光材料Pの蛇行は好適に抑制される。
【0087】
このように、感光材料Pが一対の幅規制ガイド242a,242aや一対の湾曲規制ガイド242c,242cによる蛇行の抑制、及び方向変換手段243に案内されるに際し、これらとの接触や干渉で搬送抵抗が大きくなるが、本実施形態に係る写真処理装置1は、中継搬送手段240で補助的な搬送力を付加しているため、搬送力が不足することなく、感光材料Pが下流側に円滑に搬送されることになる。
【0088】
そして、上述の如く、方向変換手段243に導かれた感光材料Pは、搬送方向が斜め下方に変更され、第四案内手段245及び第二ガイド手段235bを介して第二ローラユニット231に導かれ、該第二ローラユニット231によって圧着搬送される。このように第二ローラユニット231で感光材料Pを搬送できる状態になると、中継搬送手段240は第一サブローラ240bが第一ターンローラ240aから離間して感光材料Pに対する圧着を解除し、感光材料Pは、第二ローラユニット231と第四マガジン20dの駆動のみによって搬送されることになる。なお、第二ローラユニット231は、中継搬送手段240、第四マガジン20dと同期的に作動(駆動)しているため、中継搬送手段240の圧着が解除されるまでに一時的に第二ローラユニット231、中継搬送手段240、及び第四マガジン20dの三つが同期的に駆動して感光材料Pを搬送した状態になるが、下流側ほど搬送速度が高速に設定されているため、各構成に対して上流側から感光材料Pが過剰に供給されることがなく、安定した搬送が続行される。
【0089】
そして、上述の如く、中継搬送手段240による圧着を解除しても、第二ローラユニット231の搬送速度と第四マガジン20dの供給速度との関係が維持されるので、第四マガジン20dからの感光材料Pの供給が過剰になることなく、供給された感光材料Pは搬送方向が垂直方向上方に変更されつつ円滑に下流側に搬送されることになる。そして、搬送方向が垂直方向に変更された(切り換わった)感光材料Pは、第二ローラユニット231の圧着搬送で主搬送経路TM上に導かれる(供給される)ことになる。
【0090】
そして、各マガジン20a,20b,20c,20dから供給されて主搬送経路TMに到達した感光材料Pは、切断装置21を通過して主搬送経路TM上で垂直方向に往復動するスライド搬送体233に到達するまでローラ対232によって更に下流側に搬送される。そして、スライド搬送体233に到達した感光材料Pは、該スライド搬送体233に先端部を把持され、その状態でスライド搬送体233が垂直方向上方に向けて移動することで下流側に搬送される。そして、下流側に搬送された感光材料Pの先端から切断装置21までの距離が予め設定したサイズに対応する長さになると、切断装置21が作動して感光材料Pが枚葉状に切断されることになる。
【0091】
そして、垂直方向上方に搬送された感光材料Pが露光ユニット22の露光ポイントAに到達すると、該感光材料Pは、下流側に搬送されつつ先端から後端にかけて順々に露光処理が行われる。そして、露光処理された感光材料Pはローラ対232…で搬送された後、水平方向に往復動するスライド搬送体234に先端部を把持させた状態で水平方向に搬送され、その下流側に設けられたローラ対232…を介して現像処理部3に送り込まれる。
【0092】
現像処理部3に送り込まれた感光材料Pは、各液槽30a,30b…の現像処理液Wに対して浸漬と引き上げとを繰り返すように液中搬送系32a及び外部搬送系32bによって搬送されて現像処理が行われる。そして、現像処理された感光材料Pは、乾燥処理部4で乾燥処理され、小判サイズである場合には第一排出口434側に、大判サイズである場合には第二排出口435側に振り分けられる。そして、大判サイズの写真プリントは、第二排出口435を介して大判用のトレーT上に排出され、小判サイズの写真プリントは、第一排出口434を介してコンベア50上に排出された後、仕分機構51のトレー51a,51b…上にオーダー毎に仕分けられた状態で排出されることになる(図1参照)。
【0093】
以上のように、本実施形態に係る写真処理装置(画像形成装置)は、第二案内手段242の幅規制ガイド242a,242a間に、湾曲規制ガイド242c,242cを備えることで、基準を超える蛇行状態で感光材料Pが搬送され、該感光材料Pの側縁が幅規制ガイド242a,242aに当接することで感光材料Pが全幅に亘って面方向へ湾曲し、当接している幅規制ガイド242a,242aからの感光材料Pを押し戻す力が面方向に逃げようとしても、該感光材料Pを挟むように対向配置される前記湾曲規制ガイド242a,242aの少なくとも一方に感光材料Pが当接するため、湾曲が規制され、湾曲規制ガイド242a,242a間の間隔以上の湾曲を防ぐことができる。その結果、前記感光材料Pを押し戻す力が面方向へ逃げることなく、感光材料Pが蛇行方向と反対方向に押し戻され、感光材料Pの蛇行が好適に抑制されて搬送直進性が維持される。
【0094】
また、第二案内手段242の下流側近傍に、間隔をおいて互いに対向する一対の板材で構成されている第三案内手段244が設けられることで、第二案内手段242からの感光材料Pが該第三案内手段244に入り込んで、その先端部の全幅に亘って、その局部的な曲がりが抑制され、ローラの外周面にぶつかることなく、下流側の第二ターンローラ243aと第二サブローラ243bとの間に確実に導かれるようになる。
【0095】
尚、本発明の画像形成装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0096】
例えば、本実施形態においては、湾曲規制ガイド242c,242cは、一対の板材を対向配置することで構成されているが、これに限定される必要はない。即ち、厚板を対向配置したものでも良く、また、一対の棒状体(又は幅狭の板体)を対向配置したものであっても良い。
【0097】
また、対向配置された板材は、一対である必要もなく、前記幅狭の板材又は前記棒状体の対が、感光材料の搬送方向に沿って平行に複数備えられても良い。
【0098】
また、本実施形態においては、湾曲規制ガイド242c,242cの上流側端部と下流側端部とが、共通フレーム246の第二案内手段242を上下から挟む位置に、搬送される感光材料Pの幅方向へ架橋されたガイド板(図示せず)に固定されているが、これに限定される必要はなく、例えば、図6に示す如く、湾曲規制ガイドの242c,242cの外側の面(互いに対向している面と反対側の面)に感光材料Pの搬送方向と直交する方向にピン242d,242dをそれぞれ設け、該ピン242d,242dの先端部は、出入自在に幅規制ガイド242a,242aの対応する位置に穿設された穴を挿通し、このピンにおける湾曲規制ガイド242cと幅規制ガイド242aとの間には、弾性体(例えば、つるまきバネ)Bが外嵌されており、この弾性体Bの付勢力によって、湾曲規制ガイド242c,242cは、常に一対の幅規制ガイド242a,242a間の中心に維持されるようになっていても良い。即ち、湾曲規制ガイド242c,242cは、幅規制ガイド242a,242a間の間隔が搬送される感光材料Pの幅に対応して調整されても、常に幅規制ガイド242a,242a間の幅方向における中心に位置するよう、配設されていれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の外観斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の概略構成図を示す。
【図3】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)と一緒に用いられる制御装置の正面図を示す。
【図4】同実施形態に係る画像形成装置(写真処理装置)の部分断面図を示す。
【図5】同実施形態に係る蛇行防止手段の一部拡大断面斜視図を示す。
【図6】他実施形態に係る蛇行防止手段の一部拡大斜視図を示す。
【符号の説明】
【0100】
1…写真処理装置、2…露光処理部、3…現像処理部、4…乾燥処理部、5…仕分部、6…制御装置、10…主筐体、11…副筐体、11a…マガジン収容室、11b…搬送系収容室、20a…第一マガジン(マガジン)、20b…第二マガジン(マガジン)、20c…第三マガジン(マガジン)、20d…第四マガジン(マガジン)、21…切断装置、22…露光ユニット、23…露光処理部搬送系、24…中継搬送ユニット、30…現像処理液槽、30a,30b…液槽、32…現像処理部搬送系、32a…液中搬送系、32b…外部搬送系、40…搬送系、41…乾燥装置、50…コンベア、51…仕分機構、51a,51b…トレー、60…モニター、61…入力手段、61a…キーボード、61b…マウス、62…読取手段、62a…フラットベッドスキャナ、62b…フィルムスキャナ、62c…メディアドライブ、63…演算処理装置、111…ベース、112,112…レール、113…仕切り壁、114a…第一補助ガイド板、114b…第二補助ガイド板、115…ガイド板、116…傾斜ガイド板、200…芯体、201…送出ローラ、221…露光エンジン、230…第一ローラユニット、230a…第一アドバンスローラ、230b…第一圧着ローラ、231…第二ローラユニット、231a…第二アドバンスローラ、231b…第二圧着ローラ、232…ローラ対、232a…ローラ、233,234…スライド搬送体、235a…第一ガイド手段(ガイド手段)、235b…第二ガイド手段(ガイド手段)、236…フレーム、240…中継搬送手段、240a…第一ターンローラ、240b…第一サブローラ、240c…支持フレーム、241…第一案内手段、242…第二案内手段、242a…幅規制ガイド(案内バー)、242b…ボールネジ、242c…湾曲規制ガイド(案内板)、242d…ピン、243…方向変換手段、243a…第二ターンローラ、243b…第二サブローラ、244…第三案内手段、245…第四案内手段、246…共通フレーム、434…第一排出口(排出口)、435…第二排出口(排出口)、A…露光ポイント(画像形成処理領域)、B…弾性体(つるまきバネ)、F…フィルム、P…感光材料(ペーパー)、R…ロール、S…案内スリット、T…トレー、TL1…短手搬送経路(搬送経路)、TL2…長手搬送経路(搬送経路)、TL2a…第一経路、TL2b…第二経路、TL2c…第三経路、TM…主搬送経路、U…ターン部、W…現像処理液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録材料を巻回することで形成されるロールを収納する複数のマガジンと、各マガジンから供給される記録材料を下流側に圧着搬送可能に構成される共通の圧着搬送手段とを備えると共に、各マガジンと圧着搬送手段との間に形成される複数の搬送経路のうち、少なくとも搬送距離の長い搬送経路には、搬送される記録材料の蛇行を防止するための蛇行防止手段を備える画像形成装置であって、
該蛇行防止手段は、搬送される記録材料の側縁が当接し、搬送される記録材料の幅寸法に応じて間隔を調整可能な一対の幅規制ガイドを備えると共に、該一対の幅規制ガイド間に備えられ、最小幅の記録材料に応じて前記調整された幅規制ガイドの間隔よりも幅が狭く且つ搬送される記録材料の表面、裏面側に対向配置される一対の湾曲規制ガイドを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記蛇行防止手段の下流側に備えられる一対の案内ガイドであって、記録材料の全幅に亘って対向配置される一対の案内ガイドがさらに備えられる請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−204200(P2007−204200A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24037(P2006−24037)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】