説明

画像形成装置

【課題】異なるサイズのシート状記録媒体を、搬送路の搬送方向に直交する方向の中央位置が基準となるように幅寄せして搬送し、シート状記録媒体を搬送方向に直交する方向に対して正確に位置決めして記録ヘッドへ搬入可能とした画像形成装置を提供する。
【解決手段】1枚の記録媒体を、搬送部の位置決め搬送装置100の基準ガイド部材102と補助ガイド部材104との間に通してセンター基準で搬送するようガイドし、記録媒体を搬送路上で真っ直ぐに搬送し、搬送時の位置決め用付勢手段130、136、138によって、記録媒体の一方の側辺全体を基準ガイド部材102のガイド面上に摺動させて一方の側辺基準の位置決めし、画像記録部へ搬入し、画像記録部で記録媒体の一方の側辺基準に対応して画像記録処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異なるサイズのシート状記録媒体を、搬送路上で搬送方向に直交する方向の中央位置が基準となるように幅寄せしたセンター基準にして真っ直ぐに搬送し、シート状記録媒体の一方の側辺を搬送方向に直交する方向に対して正確に位置決めした状態で記録ヘッドに搬入可能とした画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医療用診断装置では、画像形成装置として、湿式の現像処理が不要でかつ取り扱いが簡単なことから、超音波診断装置、CT(Computerized Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、CR(Computed Radiography)、マンモグラフィー、X線診断装置等の各種の医療用診断装置で撮影した医療用画像を形成したプリントを出力する感熱プリンタが広く利用されている。
【0003】
このような医療用の感熱プリンタは、フィルム状の感熱記録材料(シート状記録媒体である、いわゆる感熱フィルム)に対して、サーマルヘッド(記録ヘッド)により画像を記録したプリントを出力するのが普通である。
【0004】
これまでの医療用診断装置では、出力されるプリントのサイズ(感熱フィルムのサイズ)を所定のサイズに限定していたため、医療用画像を形成する感熱プリンタも、接続される装置に応じた1サイズの感熱フィルムのみに対応して構成していた。
【0005】
このような1サイズの感熱フィルムのみに対応した感熱プリンタでは、マガジンに収納された感熱フィルムを枚葉装置で一枚づつ分離しシート搬送装置で搬送路上を搬送する際に、位置決め装置により感熱フィルムの幅方向(搬送方向に直交する方向)の位置決めを行って、感熱フィルムを正確に位置決めした状態でサーマルヘッドへ搬送して感熱記録を行うように構成する。
【0006】
このような感熱プリンタでは、サーマルヘッドにおける感熱記録のため発熱した発熱素子の全てが感熱フィルムに摺接させる必要がある。これは、サーマルヘッドでは、発熱した発熱素子が感熱フィルムに摺接しないと発熱素子の熱の逃げ場がなくなって熱が蓄積することになり、熱が蓄積した発熱素子の使用寿命が短くなって、高価なサーマルヘッド全体使用寿命も短くなるという特性がある。
【0007】
そこで、感熱プリンタの位置決め装置では、搬送路上に、感熱フィルムの一方の側端部の位置を定めるための位置決め板を搬送方向に沿って配置し、押し当て装置によって、感熱フィルムの一方の側辺部を位置決め板に押し当てて正確に位置決めした状態で感熱フィルムをサーマルヘッドへ搬入させるように構成していた。
【0008】
また、近年の医療現場では、DICOM(Digital Image and Communication in Medicine「医療用画像データや波形データ等の伝送規格」)の普及や画像ネットワークシステムの進歩により、1台の感熱プリンタに異なる複数の医療用診断装置を接続し、1台の感熱プリンタで複数サイズの感熱フィルムに画像を記録できるようにしたシステムに対する需要が増大し、いわゆるマルチサイズのプリントを出力する感熱プリンタの開発が急がれている。
【0009】
このようなマルチサイズのプリントを出力する感熱プリンタでは、幅方向が2倍程度となるような異なるサイズの感熱フィルムを搬送路上で搬送する際に、感熱フィルムの一方の側辺部を位置決め板に押し当てて基準とし位置決めを行ってサーマルヘッドへ搬入すると、感熱フィルムの異なるサイズに応じて、搬送路上に配置された感熱フィルム搬送用のローラに加わる圧力の左右のバランスが異なってしまい、搬送される感熱フィルムの幅方向の正確な位置を確保することができなくなる虞がある。
【0010】
そこで、シート体の幅寄せ装置によって、感熱フィルムの幅方向の位置決めを感熱フィルムの中央位置を基準として行うことにより、搬送用ローラによって搬送される感熱フィルムの幅方向の正確な位置を確保する必要がある。
【0011】
このようなシート体の幅寄せ装置には、左右一対の幅寄せ爪を、変位機構によって搬送路の幅方向中央に対して対称となるように間隔を移動調整して各感熱フィルムの幅サイズに合わせてから、この左右一対の幅寄せ爪の間に感熱フィルムを通すことによって、感熱フィルムを両側端部側から中央方向へガイドするよう構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
しかし、上述のような左右一対の幅寄せ爪の間に感熱フィルムを挟んでガイドするシート体の幅寄せ装置では、感熱フィルムの製造上の許容公差の範囲で感熱フィルムの幅方向の寸法が異なると、ガイドされる感熱フィルムの幅方向の正確な位置を確保することができなくなる虞がある。
【特許文献1】特開2000−255839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述の点に鑑み、異なるサイズのシート状記録媒体を、搬送路の搬送方向に直交する方向の中央位置が基準となるように幅寄せして搬送し、シート状記録媒体を搬送方向に直交する方向に対して正確に位置決めして記録ヘッドへ搬入可能とした画像形成装置を新たに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に記載の画像形成装置は、複数のシート状記録媒体を積層して装填する装填部から、複数のシート状記録媒体の内より枚葉手段で1枚の記録媒体を取り出して搬送部に供給し、搬送部に配置した位置決め搬送装置で記録媒体を位置決めしてから画像記録部へ搬入して記録媒体に画像を記録する画像形成装置において、位置決め搬送装置に基準ガイド部材と補助ガイド部材とを相互の間隔を移動調整可能に装着し、基準ガイド部材と補助ガイド部材との相対向する間隔を変位機構により搬送路の幅方向中心に対して略対称に移動調整して、基準ガイド部材と補助ガイド部材との間を通過する記録媒体をセンター基準で搬送するようガイドし、基準ガイド部材と補助ガイド部材との間を搬送されている記録媒体を、搬送時の位置決め用付勢手段によって、記録媒体の一方の側辺全体が基準ガイド部材のガイド面上を摺動して搬送されるようにして記録媒体の全面に対して一方の側辺基準の位置決めを行ってから、画像記録部へ搬入し、画像記録部で、記録媒体の一方の側辺基準に対応して画像記録処理を行うことを特徴とする。
【0015】
上述のように構成することにより、枚葉手段で1枚づつ記録媒体を取り出して搬送部へ供給し、搬送部の位置決め搬送装置の基準ガイド部材と補助ガイド部材との間に記録媒体を通す際にガイドして、搬送路の幅方向中心に記録媒体の幅方向中心が略一致するセンター基準で搬送することにより、記録媒体を搬送路上でスキュー等を生じることなく真っ直ぐに搬送することができる。さらに、この位置決め搬送装置でセンター基準で搬送中に、搬送時の位置決め用付勢手段によって、記録媒体の一方の側辺全体を基準ガイド部材のガイド面上に摺動させて一方の側辺基準の位置決めを行ってから、画像記録部へ搬入し、画像記録部で記録媒体の一方の側辺基準に対応して画像記録処理を行うので、画像記録部における画像記録処理を行う範囲から記録媒体が外れることを防止し、適切に画像記録処理を行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、基準ガイド部材と補助ガイド部材との相対向する側面に、それぞれ記録媒体の各側辺を通すガイド搬送路を構成するようガイドブロックを配置し、ガイドブロックにおける、記録媒体の各側辺を通すための通路の両側に対向するガイド側面を、基準ガイド部材と補助ガイド部材とのガイド表面から離間する方向に向けて間隔が開くようなハの字状に形成したことを特徴とする。
【0017】
上述のように構成することにより、請求項1に記載の発明の作用、効果に加えて、ガイドブロックで構成された通路を記録媒体の一側辺が通過する際に、記録媒体の一側辺の端辺近傍だけがガイドブロックの傾斜したガイド側面に対して線状に摺接してガイドされることになるので、記録媒体の両側表面に擦り傷を付けることを防止できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、搬送時の位置決め用付勢手段を、搬送駆動用のローラ機構の回動軸に設けた搬送路の幅方向中心部に配置する駆動ローラに対して、記録媒体をニップして搬送するようピンチローラを転接させ、ピンチローラを記録媒体の先端部の一方の側辺が基準ガイド部材へ向けて移動するように付勢させるため、その回転中心軸を記録媒体の搬送路の幅方向に対して傾けて配置すると共に、補助ガイド部材における記録媒体の入口側に、記録媒体における一方の側辺の後端部を基準ガイド部材に押し当てるように付勢して、記録媒体の一方の側辺の全体が平均的に基準ガイド部材に押し当てられてガイドされるようにする付勢部材を装着して構成したことを特徴とする。
【0019】
上述のように構成することにより、請求項1に記載の発明の作用、効果に加えて、記録媒体の一方の側辺の全体が平均的に基準ガイド部材に押し当てられてガイドされるようにする動作を確実に行うことができ、しかも搬送時の位置決め用付勢手段を、簡素で廉価に構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の画像形成装置によれば、異なるサイズのシート状記録媒体を、搬送路の搬送方向に直交する方向の中央位置が基準となるように幅寄せし、シート状記録媒体を搬送方向に直交する方向に対して正確に位置決めして記録ヘッドへ搬入し、記録ヘッドにより適正に画像形成の処理ができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の画像形成装置に関する実施の形態について図1乃至図6により説明する。本実施の形態に係わる画像形成装置である感熱プリンタ10は、CRやマンモグラフィー等の医療用診断装置で撮影した医療用画像を形成したプリントを出力する、医療用の感熱プリンタ(いわゆる医療用のイメージャ)であって、フィルム材を所定サイズ形状にカットして形成したシート状記録媒体である感熱記録材料(いわゆる感熱フィルム)に、サーマルヘッド12によって画像を記録する。
【0022】
この感熱プリンタ10は、記録媒体である感熱フィルム11の供給部14から1枚づつ分離して搬送部16により画像記録部18へ搬送し、この画像記録部18に設置したサーマルヘッド12で感熱フィルム11に、この感熱フィルム11の一方の側辺基準に対応した画像記録処理を行うよう構成する。この感熱プリンタ10は、装置全体の動作等を制御/管理する、制御手段20を有する。
【0023】
なお、感熱プリンタ10は、図示した部材以外にも、必要に応じて、感熱フィルム11を搬送する搬送ローラ(対)、感熱フィルム11を所定の方向に案内するガイド手段、感熱記録に先立って感熱フィルム11の表面(サーマルヘッド12との当接面)を清浄化するクリーニング手段、各位置で感熱フィルム11を検出するセンサ、サーマルヘッド12を後述するプラテンローラ76に押圧する押圧手段やサーマルヘッド12の移動機構等、通常の感熱プリンタが備える各種の機器を必要に応じて備えたものとして構成する。
【0024】
この感熱プリンタ10の供給部14では、マガジン24(24a,24b)から1枚の感熱フィルム11を取り出して、搬送部16に供給する。
【0025】
この供給部14に着脱可能に装填するマガジン24は、感熱フィルム11を積層状態で収容する筐体として構成する。このマガジン24の上面には、感熱フィルム11の取出口27が形成されており、この取出口27は、揺動可能な扉状の蓋体26によって、閉塞/開放自在になっている。なお、この感熱フィルム11を積層/収容するマガジン24は、揺動する扉状の蓋体を用いた構成の他に、例えば、シャッタをスライドして筐体内部を開放/閉塞する構成としても良い。
【0026】
また、マガジン24は、B4サイズ以下の小サイズの感熱フィルム11を収容可能なマガジン24aと、小サイズのみならず半切サイズなどの大サイズの感熱フィルム11も収容可能な大型のマガジン24bとを用意する。
【0027】
図1に示すように、感熱プリンタ10の供給部14は、2段に構成し、その上段に第1装填部28を設け、下段に第2装填部30を設け、それぞれに感熱フィルム11を積層/収容したマガジン24を着脱可能に構成する。
【0028】
この第1装填部28には、枚葉手段34、載置トレー38、スライド台40、位置決め部材42、および装填口28aを構成する。
【0029】
このスライド台40は、上面が良好な滑性を有する構造に構成する。さらに、スライド台40の枚葉方向の端部には、マガジン24aの先端を当接させて位置決めする位置決め部材42を立設する。
【0030】
この第1装填部28にマガジン24(感熱フィルム11)を装填する場合には、マガジン24を所定位置に収容した載置トレイ38を、マガジン24の蓋体26が枚葉方向側となる状態で、装填口28aから感熱プリンタ10内に挿入し、スライド台40に案内されるように摺動させて位置決め部材42に当接するまで枚葉方向に押し込み、所定位置に装填する。
【0031】
第1装填部28には、載置トレイ38の装填位置の上部に、枚葉手段34を配置する。この枚葉手段34は、吸着手段を利用して、載置トレイ38に積み重ねた複数のシート状記録媒体である感熱フィルム11の内より、最も上にある1枚の感熱フィルム11を、1枚づつに分離して引き出すように構成する。
【0032】
この枚葉手段34の吸着手段は、図示しないポンプ等の排気手段に接続された吸盤で感熱フィルム11を吸引/吸着して保持可能に構成する。この吸着手段は、カムやリンク等から構成される公知の移動手段によって、マガジン24a内の感熱フィルム11を吸着する保持位置と、感熱フィルム11を搬出する供給位置との間を移動可能に構成する。
【0033】
また図示しないが、第1装填部28には、マガジン24aの蓋体26を開閉操作する開蓋機構を配置する。なお、この蓋体26の開蓋機構は、カムやリンク等を用いて構成する。
【0034】
この第1装填部28では、開蓋機構でマガジン24aの蓋体26を開放し、吸着手段が保持位置でマガジン24aに収容されている感熱フィルム11を吸着保持し、その後、吸着手段により感熱フィルム11を供給位置まで移動して、感熱フィルム11を先端部から搬送部16に搬入し、吸着手段が感熱フィルム11を開放する。
【0035】
この第1装填部28では、1枚の感熱フィルム11をマガジン24から完全に搬出すると、開蓋機構がマガジン24の蓋体26を閉塞する。
【0036】
また、上述した第1装填部28では、載置トレー38にマガジン24を収容して装填するよう構成したものについて説明したが、載置トレー38を用いずに、後述する第2装填部30のように、直接、マガジン24を挿入/装填するように構成しても良い。
【0037】
この感熱プリンタ10では、第1装填部28の下に、第2装填部30を配置する。この第2装填部30は、大型のマガジン24bをそのまま装填可能に構成する。
【0038】
この第2装填部30には、枚葉手段62、スライド台40、位置決め部材42、および、装填口30aを構成する。これらスライド台40、位置決め部材42、枚葉手段62は、それぞれ前述した第1装填部28のものと同様に構成する。
【0039】
この第2装填部30では、感熱フィルム11を収容したマガジン24bをマガジン24の蓋体26を枚葉方向側にして、装填口30aから感熱プリンタ10内に挿入し、スライド台40上を摺動させて位置決め部材42に当接するまで枚葉方向に押し込み、感熱フィルム11が所定位置に位置する状態に装填する。
【0040】
第2装填部30に装填された感熱フィルム11を用いてプリントを作成する際には、開蓋機構がマガジン24bの蓋体26を開放すると、吸着手段がマガジン24bに収容される感熱フィルム11を吸着保持して移動し、感熱フィルム11の先端部を搬送部16に搬入し、吸着手段が感熱フィルム11を開放する。
【0041】
なお、この第2装填部30は、前述した第1装填部28と同様に、マガジン24bを載置トレー38に収容して第2装填部30の所定位置に装填するように構成してもよい。
【0042】
この感熱プリンタ10では、第1装填部28と第2装填部30とにサイズの異なる感熱フィルム11を装填しておき、1台で複数サイズのプリントを出力可能に構成する。すなわち、この感熱プリンタ10では、例えば、大型の半切サイズの感熱フィルム11を収納したマガジン24bと、半切サイズの半分程度の面積しかない小型のB4サイズの感熱フィルム11を収納したマガジン24aとをそれぞれ装填しておき、これらから所要サイズの感熱フィルム11を選択して、マルチサイズのプリント作成を可能に構成する。
【0043】
このため、この感熱プリンタ10では、異なるサイズの感熱フィルム11を、搬送路の搬送方向に直交する方向の中央位置が基準となるように幅寄せしてから搬送路上を搬送することにより、スキュー等を生じる事無く適正な姿勢を保って真直に搬送可能とすると共に、サーマルヘッド12における感熱記録のため発熱素子を駆動(発熱)させる範囲内にある全ての発熱素子が感熱フィルム11に当たるように感熱フィルム11を搬送方向に直交する方向に対して正確に位置決めしてサーマルヘッド12へ搬入するための位置決め搬送装置100を、供給部14と画像記録部18との間の搬送部16に配置する。
【0044】
図2及び図3に示すように、この位置決め搬送装置100は、横方向から縦方向に向けて湾曲する搬送路に沿って搬送するもので、搬入された感熱フィルム11をセンター基準で幅寄せすると共に図2及び図3に向かって左側に当たる感熱フィルム11の搬送方向に沿った一側辺を基準に位置決めするためのガイド手段と、感熱フィルム11をセンター基準で真直に搬送するための搬送手段とを有する。
【0045】
この位置決め搬送装置100のガイド手段では、搬送部16上を搬送される感熱フィルム11の搬送方向に沿った両側をガイドするため、図2乃至図4に向かって左側に基準ガイド部材102を装着し、図2乃至図4に向かって右側に補助ガイド部材104を装着する。
【0046】
これら基準ガイド部材102と補助ガイド部材104は、左右対称に構成するもので、側面視略逆L字状に形成した金属(ステンレス)板製のガイド板106の相対向する内側面部に、潤滑性に優れ感熱フィルム11の表面に傷を付けない性質を持つ樹脂材料等で一体成形した複数のガイドブロック108を配置する。これら基準ガイド部材102と補助ガイド部材104に各々設けた複数のガイドブロック108は、横から上に向けて滑らかに湾曲するガイド搬送路を構成する。
【0047】
図5に示すように、基準ガイド部材102と補助ガイド部材104とに設置した複数のガイドブロック108は、感熱フィルム11の一側辺を通すための通路の両側に複数に分割して配置する。なお、ガイドブロック108を複数に分割してガイド板106に配置するのは、ガイド板106にガイドブロック108を一体成形する際の樹脂材料の収縮(ひけ)により、ガイド板106が撓んで変形することを防止するためである。よって、加工製造時の変形を考慮する必要が無い場合には、複数のガイドブロック108を1個の部材に形成しても良い。
【0048】
また、複数のガイドブロック108は、感熱フィルム11の一側辺を通すための通路の両側に対向するガイド側面を、ガイド板106の表面から離間する方向に向けて間隔が開くようなハの字状に形成する。
【0049】
このように構成した場合には、複数のガイドブロック108で構成された通路を感熱フィルム11の一側辺が通過する際に、感熱フィルム11の一側辺の端辺近傍だけがガイド板106と複数のガイドブロック108の傾斜したガイド側面とに対して線状に摺接してガイドされることになるので、感熱フィルム11の両側表面に擦り傷を付けることを防止できる。
【0050】
また、基準ガイド部材102と補助ガイド部材104とに複数のガイドブロック108で構成する通路は、供給部14側の入口を広く開けるように構成して感熱フィルム11の先端部を容易に受け入れられるようにすると共に、その出口側を幅狭に窄めて感熱フィルム11の先端部を画像記録部18側の適正位置に向けて搬出できるように構成する。
【0051】
このように構成した基準ガイド部材102と補助ガイド部材104とは、図4に示すように、変位機構110により相対向する間隔を搬送路の幅方向中央に対して略対称に移動調整可能に装着する。この変位機構110では、搬送部16における搬送方向に直交する方向に基材112を配置する。
【0052】
さらに変位機構110では、搬送部16の両側に配置した図示しない一対の支持部材の間に、基材112と平行となる搬送方向に直交する方向に沿うように、互いに平行な1組のレール114を配設する。
【0053】
これらレール114には、1組の平面略L字状の幅寄せ部材116A、116Bを摺動自在に装着する。このように配設される幅寄せ部材116A、116Bには、レール114と平行で所定間隔を開けて対向する側辺部にラック118を形成する。
【0054】
また、搬送部16における搬送路の幅方向中央(搬送方向に直交する方向の中央)には、一対のラック118にそれぞれ噛み合うピニオン120を配置する。このピニオン120は、基材112に配置したステッピングモータ(駆動装置)122で回転駆動制御されるように構成する。
【0055】
このように装着された1組の平面略L字状の幅寄せ部材116A、116Bには、その図4に向かって左側の幅寄せ部材116Aにおける搬送路の外側端部に対応する端部に基準ガイド部材102を立設する。さらに、図4に向かって右側の幅寄せ部材116Bには、その搬送路の外側端部に対応する端部に補助ガイド部材104を立設する。
【0056】
また、この変位機構110では、図2及び図5に示すように、基準ガイド部材102の移動量をステッピングモータ122で駆動制御するための補助として、基準ガイド部材102に、初期位置被検出子124を突設する。
【0057】
さらに、感熱プリンタ10内部には、基準ガイド部材102が最も端に寄った初期位置にあるときに、初期位置被検出子124を検出して基準ガイド部材102の初期位置を検知するための位置検出センサ126を図示しない固定部材に取り付けて配置する。
【0058】
この変位機構110では、位置検出センサ126が初期位置被検出子124を検出した位置を基準として制御手段20によってステッピングモータ122の回転数を駆動制御することにより、ピニオン120ラック118の機構で幅寄せ部材116Aが移動する距離を高精度で制御し、搬送路の中心に対する基準ガイド部材102の位置が、搬送する感熱フィルム11のサイズに対応して高精度で位置決めされるように構成する。
【0059】
すなわち、この変位機構110では、基準ガイド部材102をピニオン120の中心(搬送路の幅方向中央)から感熱フィルム11幅の半分の位置に移動させるように構成する。
【0060】
また、この変位機構110では、制御手段20によるステッピングモータ122の駆動制御に伴い、ピニオン120ラック118の機構で幅寄せ部材116Bが同時に移動し、搬送路の幅方向中心に対する補助ガイド部材104の位置を、搬送する感熱フィルム11のサイズの公差(許容誤差)の範囲で感熱フィルム11を無理に押し付けて変形させるようなことが無いように余裕を持たせた補助ガイド用の位置(ここでは、搬送路の中心と基準ガイド部材102との間の距離よりも2mm長い距離の位置)へ移動させるように構成する。
【0061】
すなわち、補助ガイド部材104は、ピニオン120の中心から感熱フィルム11の幅の半分の位置より多少広い位置になるように移動させて、感熱フィルム11サイズのバラツキを吸収するために、基準ガイド部材102の移動量と不均等にする。
【0062】
なお、上述した変位機構110は、ピニオン及びラックを用いた機構で構成したものについて説明したが、これに代えて、タイミングベルトやソレノイド等を用いて変位機構110を構成してもよい。
【0063】
図2及び図3に示すように、この位置決め搬送装置100における感熱フィルム11をセンター基準で真直に搬送するための搬送手段では、基材112の上側に設定される湾曲した搬送路の所定位置に対応して搬送駆動用のローラ機構と、搬送路の一部を構成するための複数のガイド台とを配設する。
【0064】
この搬送手段では、搬送駆動用のローラ機構を構成するため、搬送部16の搬送路に直交する方向に回動軸128を、図示しない支持軸受に回動自由に装着して配置する。さらに回動軸128は、その一方の端部を、ベルト巻き掛け連動機構134を介して駆動モータ132の出力軸に接続し、駆動モータ132で回動軸128を回転駆動するように構成する。
【0065】
この回動軸128には、その搬送路の幅方向中心位置に対して左右対称となる複数箇所に搬送用の駆動ローラ130を配置する。
【0066】
この搬送駆動用のローラ機構では、回動軸128に設けた搬送路の幅方向中心部に配置する駆動ローラ130に対して回転軸方向の長さが駆動ローラ130より短い(ここでは半分以下の長さ)ピンチローラ136を転接させて感熱フィルム11をニップして搬送する搬送ローラ対を構成する。
【0067】
このピンチローラ136は、図3に示すように、駆動ローラ130の回転軸方向の中央位置よりも図に向かって右側に偏った位置で駆動ローラ130に転接するよう配置する。
【0068】
これと共にピンチローラ136は、感熱フィルム11の先端部の一方の側辺(左側辺先端部)が基準ガイド部材102へ向けて移動するように付勢させるため、その回転中心軸を感熱フィルム11の搬送路の幅方向に対して反時計方向に所定角度だけ傾けて、回動自由に軸着して配置する。
【0069】
このように構成した搬送駆動用のローラ機構では、駆動ローラ130とピンチローラ136とに感熱フィルム11がニップされ転接されて搬送される方向が搬送路の幅方向に対して反時計方向に所定角度だけ傾くので、感熱フィルム11の一方の側辺(ここでは左側辺)が基準ガイド部材102に対して軽く押し当てられて案内される状態を設定することになる。
【0070】
また、図2、図3及び図6に示すように、搬送駆動用のローラ機構の駆動ローラ130と所定角度だけ傾けたピンチローラ136とにより感熱フィルム11を搬送する場合には、傾いた状態で搬送される感熱フィルム11の一方の側辺(ここでは左側辺)の先端部が基準ガイド部材102に対して軽く押し当てられ、感熱フィルム11の一方の側辺の後端部が基準ガイド部材102から離間して不安定な状態(感熱フィルム11の端部がいわゆる暴れる状態)となるのを防止するため、感熱フィルム11の一方の側辺の搬送時の後端部側を基準ガイド部材102に軽く押し当てるように付勢して、感熱フィルム11の一方の側辺の全体が平均的に基準ガイド部材102に軽く押し当てられてガイドされるようにする付勢部材138を補助ガイド部材104の供給部14の側(搬送方向上流側)の端部に装着する。
【0071】
この付勢部材138は、搬送路上における搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136とを配置した位置よりも搬送方向上流側に配置し、搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136とが感熱フィルム11をニップして感熱フィルム11の先端部を基準ガイド部材102側へ寄る方向に向けて搬送しているときに、感熱フィルム11の後端部を基準ガイド部材102側へ寄せるように付勢する。
【0072】
図6に示すように、付勢部材138は、金属製の薄板を曲げ加工して感熱フィルム11の側辺部をガイドする通路の側面形状に形成したガイド板面部138Aと、これを軸着するための支受板部138Bとを形成する。
【0073】
この付勢部材138は、補助ガイド部材104における感熱フィルム11が搬入される入口近傍の所定位置に立設した支持軸140に、支受板部138Bに穿孔した軸孔が軸着されて回動自由に支受される。
【0074】
さらに、この付勢部材138は、ガイド板面部138Aと反対側の端部と、補助ガイド部材104のガイド板106の端部との間に引張コイルばね142を張架して、ガイド板面部138Aの自由端部が搬送路の内側へ斜めに突出するように付勢する。
【0075】
なお、この付勢部材138は、図示しないストッパによって、図6に示す位置からさらに搬送路の内側へ斜めに突出することを制止するよう構成する。また、この付勢部材138は、搬送路を搬送されて来た感熱フィルム11がガイド板面部138Aに摺接した際に、引張コイルばね142の付勢力に抗してガイド板106のガイド表面と略面一となる状態まで回動する。
【0076】
このとき感熱フィルム11は、付勢部材138から付勢力を受けて感熱フィルム11の後端部側を基準ガイド部材102へ当接させるように動作する。
【0077】
よって、この位置決め搬送装置100では、搬送時の位置決め用付勢手段としての、搬送用の駆動ローラ130及びピンチローラ136と、付勢部材138とによって、感熱フィルム11の一方の側辺全体が、基準ガイド部材102におけるガイド板106のガイド面上を摺動して搬送されるようにして、感熱フィルム11の全面に対して左側辺基準の位置決めを適正に行うことができる。
【0078】
図2及び図3に示すように、この位置決め搬送装置100では、搬送路の中央部分で、感熱フィルム11の幅方向中央部の下側を支えるようにガイドして湾曲した搬送路に沿わせて搬送するため、回動軸12に対して搬送方向上流側近傍にガイド台144を配置し、回動軸12に対して搬送方向下流側近傍にガイド台146を配置する。
【0079】
このガイド台144は、各搬送用の駆動ローラ130に対応して3個配置する。またガイド台146は、中央の搬送用の駆動ローラ130に2個対応させ、他の搬送用の駆動ローラ130に1個づつ対応させて配置する。
【0080】
このガイド台144は、基材112の上面先端角部から搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136とのニップ高さ位置へかけて斜面を形成するよう構成する。
【0081】
またガイド台146は、搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136とのニップ高さ位置から湾曲して斜め上へ立ち上がる搬送路に対応した斜面を形成し、この斜面の上端部にフリーローラ148を回動自由に軸着して構成する。
【0082】
このように構成したガイド台146では、感熱フィルム11の先端部が斜面上を摺動してガイドされ、感熱フィルム11の平面部にフリーローラ148が転接してガイドされるので、感熱フィルム11の表面に擦り傷を付けることなく滑らかにガイドできる。
【0083】
図1に示すように、この感熱プリンタ10における第1装填部28に設置する位置決め搬送装置100は、第2装填部30から画像記録部18へ至る搬送路を共用する。このため、図1、図2及び図5に示すように、位置決め搬送装置100には、第1装填部28内の枚葉手段34から画像記録部18へ至る湾曲した搬送路に合流する第2装填部30から直線的に上方に延びる搬送路を形成する。
【0084】
図1に示すように、この感熱プリンタ10では、第2装填部30に配置する位置決め搬送装置100Aを、枚葉手段62から第1装填部28の位置決め搬送装置100へ至る湾曲した搬送路に対応するよう構成する。
【0085】
なお、第2装填部30に配置する位置決め搬送装置100Aにおける搬送路以外の構成は、前述した第1装填部28に配置する位置決め搬送装置100と同様に構成する。
【0086】
図1に示すように、搬送部16には、位置決め搬送装置100から画像記録部18へかけての部分に、搬送ガイド70及び搬送ローラ対72を配置して構成する。
【0087】
前述のように構成した位置決め搬送装置100では、搬送動作の開始に当たり、制御手段20に入力された次に画像を形成すべき感熱フィルム11のサイズ情報に基づいてステッピングモータ122を駆動し、基準ガイド部材102と補助ガイド部材104との間隔を感熱フィルム11のサイズに合わせる。
【0088】
次に、第1装填部28内のマガジン24aから枚葉手段34によって1枚の感熱フィルム11が引き出されて搬送部16にある位置決め搬送装置100の入口に搬入されると、この位置決め搬送装置100は、駆動モータ132で回動軸128を回転駆動し、搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136との間に感熱フィルム11をニップして転接することにより、感熱フィルム11を搬送する。
【0089】
このとき、感熱フィルム11は、その搬送方向に直交する方向(幅方向)の両側部を基準ガイド部材102と補助ガイド部材104とに挟まれるようにして幅寄せされることにより、搬送路上をセンター基準で搬送される状態となる。
【0090】
これと共に感熱フィルム11は、位置決め搬送装置100で搬送される際に、感熱フィルム11の一方の側辺(ここでは左側辺)が基準ガイド部材102のガイド板106のガイド面に摺接されることにより、一方の側辺を基準としてサーマルヘッド12に対する所定位置に位置決めされてからサーマルヘッド12上の所定位置へ搬入される。
【0091】
また、第2装填部30内のマガジン24bから引き出した感熱フィルム11を、搬送部16を通してサーマルヘッド12へ搬送する場合には、搬送動作の開始に当たり、制御手段20に入力された次に画像を形成すべき感熱フィルム11のサイズ情報に基づいて位置決め搬送装置100と位置決め搬送装置100Aとにおける基準ガイド部材102と補助ガイド部材104との間隔を、それぞれ感熱フィルム11のサイズに合わせる。
【0092】
次に、第2装填部30内のマガジン24bから枚葉手段62によって1枚の感熱フィルム11が引き出されて位置決め搬送装置100Aの入口に搬入されると、この位置決め搬送装置100Aは、駆動モータ132で回動軸128を回転駆動し、搬送用の駆動ローラ130とピンチローラ136との間に感熱フィルム11をニップして転接することにより、感熱フィルム11を搬送する。
【0093】
このとき、感熱フィルム11は、その搬送方向に直交する方向(幅方向)の両側部を基準ガイド部材102と補助ガイド部材104とに挟まれるようにして幅寄せされることにより、搬送路上をセンター基準でスキュー等を生じない状態で搬送される。
【0094】
これと共に感熱フィルム11は、位置決め搬送装置100Aで搬送される際に、感熱フィルム11の一方の側辺(ここでは左側辺)が基準ガイド部材102のガイド板106のガイド面に摺接されることにより、一方の側辺を基準としてサーマルヘッド12に対する所定位置に位置決めされてから、前述した第1装填部28に設置した位置決め搬送装置100の搬送路内へ搬入され合流される。
【0095】
このとき感熱フィルム11は、位置決め搬送装置100によって、前述したと同様に、搬送路上をセンター基準でスキュー等を生じない状態で真直に搬送されると共に、感熱フィルム11の一方の側辺を基準としてサーマルヘッド12に対する位置決めがされて、搬送ガイド70を通り搬送ローラ対72で送られて画像記録部18に配置されたサーマルヘッド12上の所定位置へ搬入される。
【0096】
図1に示すように、画像記録部18は、サーマルヘッド12を用いて感熱記録によって感熱フィルム11に画像を記録する感熱記録手段であって、サーマルヘッド12と、規制ローラ対74と、プラテンローラ76と、冷却ファン78と、排出ローラ対80と、一部を感熱プリンタ10から突出する排出トレイ82と、搬送ガイド84とを有する。
【0097】
このサーマルヘッド12は、感熱フィルム11の搬送方向と直交する方向(幅方向)に沿って発熱素子を一方向に配列して感熱記録を可能にした、一般に用いられているいわゆるラインヘッドとして構成する。
【0098】
このサーマルヘッド12には、搬送部16から感熱フィルム11が搬送されて来るが、この際に、規制ローラ対74は両ローラを当接した状態で停止している。
【0099】
感熱フィルム11は、先端を停止している規制ローラ対74のローラ間に当接することで、先端の位置決めが行なわれる。次いで、規制ローラ対74が感熱フィルム11の搬送を開始して、搬送ガイド84によって案内しつつ、感熱フィルム11をサーマルヘッド12およびプラテンローラ76の間に搬入する。
【0100】
サーマルヘッド12の発熱素子列は、所定の力でプラテンローラ76に押圧されており、プラテンローラ76が回転することにより、感熱フィルム11を挟持搬送する。この搬送の際に、サーマルヘッド12の各発熱素子を記録画像に応じて変調駆動(発熱)することにより、感熱フィルム11を発色させて、画像を記録する。
【0101】
画像を記録されたフィルムは、排出ローラ対80によって挟持搬送され、排出トレイ82上に排出される。
【0102】
また、記録中(あるいはさらに待機中)は、必要に応じて冷却ファン78を駆動して、サーマルヘッド12を冷却する。
【0103】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、カットシート状の記録媒体を積層して装填する装置であれば、インクジェットプリンタ、電子写真プリンタ、写真プリンタ等の各種の画像記録装置に利用可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を取り得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置内部の全体的な概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の内部に設置する位置決め搬送装置部分を取り出して示す要部斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の内部に設置する位置決め搬送装置部分を取り出して示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の内部に設置する位置決め搬送装置の基準ガイド部材と補助ガイド部材との間隔を移動調整する変位機構の部分を取り出して示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の内部に設置する位置決め搬送装置の基準ガイド部材におけるガイド面側を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の内部に設置する位置決め搬送装置の補助ガイド部材側に設ける付勢部材部分を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
10 感熱プリンタ
11 感熱フィルム
12 サーマルヘッド
12 回動軸
14 供給部
16 搬送部
18 画像記録部
20 制御手段
24aマガジン
24bマガジン
34 枚葉手段
62 枚葉手段
100搬送装置
100A 搬送装置
102基準ガイド部材
104補助ガイド部材
106ガイド板
108ガイドブロック
110変位機構
116A 幅寄せ部材
116B 幅寄せ部材
118ラック
120ピニオン
122ステッピングモータ
124初期位置被検出子
126位置検出センサ
128回動軸
130駆動ローラ
136ピンチローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシート状記録媒体を積層して装填する装填部から、前記複数のシート状記録媒体の内より枚葉手段で1枚の前記記録媒体を取り出して搬送部に供給し、前記搬送部に配置した位置決め搬送装置で前記記録媒体を位置決めしてから画像記録部へ搬入して前記記録媒体に画像を記録する画像形成装置において、
前記位置決め搬送装置に基準ガイド部材と補助ガイド部材とを相互の間隔を移動調整可能に装着し、
前記基準ガイド部材と前記補助ガイド部材との相対向する間隔を変位機構により搬送路の幅方向中心に対して略対称に移動調整して、前記基準ガイド部材と前記補助ガイド部材との間を通過する前記記録媒体をセンター基準で搬送するようガイドし、
前記基準ガイド部材と前記補助ガイド部材との間を搬送されている前記記録媒体を、搬送時の位置決め用付勢手段によって、前記記録媒体の一方の側辺全体が前記基準ガイド部材のガイド面上を摺動して搬送されるようにして前記記録媒体の全面に対して一方の側辺基準の位置決めを行ってから、前記画像記録部へ搬入し、
前記画像記録部で、前記記録媒体の一方の側辺基準に対応して画像記録処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基準ガイド部材と前記補助ガイド部材との相対向する側面に、それぞれ前記記録媒体の各側辺を通すガイド搬送路を構成するようガイドブロックを配置し、前記ガイドブロックにおける、前記記録媒体の各側辺を通すための通路の両側に対向するガイド側面を、前記基準ガイド部材と前記補助ガイド部材とのガイド表面から離間する方向に向けて間隔が開くようなハの字状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送時の位置決め用付勢手段を、
搬送駆動用のローラ機構の回動軸に設けた前記搬送路の幅方向中心部に配置する駆動ローラに対して、前記記録媒体をニップして搬送するようピンチローラを転接させ、当該ピンチローラを前記記録媒体の先端部の一方の側辺が前記基準ガイド部材へ向けて移動するように付勢させるため、その回転中心軸を前記記録媒体の搬送路の幅方向に対して傾けて配置すると共に、
前記補助ガイド部材における前記記録媒体の入口側に、前記記録媒体における一方の側辺の後端部を前記基準ガイド部材に押し当てるように付勢して、前記記録媒体の一方の側辺の全体が平均的に前記基準ガイド部材に押し当てられてガイドされるようにする付勢部材を装着して構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−297197(P2007−297197A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128442(P2006−128442)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】