画像形成装置
【課題】紙吸着機能を持った搬送ベルトを使用したプリンタにおいて、縁なしプリントを実現する。
【解決手段】用紙108を吸着して搬送する搬送ベルト101を備えた画像形成装置において、前記搬送ベルト101の表面に吐出されたインクを保持する溝102,103,105,106を備え、前記溝102,103,105,106は前記用紙108の端部が位置する箇所に設けられ、溝に位置しない端部は搬送ベルト101外に位置するように設定されている。用紙への印字が終了する毎に前記溝102,103,105,106の位置に次の用紙108が位置するように搬送ベルト101は逆転し、用紙108との相対的な位置決めが図られる。
【解決手段】用紙108を吸着して搬送する搬送ベルト101を備えた画像形成装置において、前記搬送ベルト101の表面に吐出されたインクを保持する溝102,103,105,106を備え、前記溝102,103,105,106は前記用紙108の端部が位置する箇所に設けられ、溝に位置しない端部は搬送ベルト101外に位置するように設定されている。用紙への印字が終了する毎に前記溝102,103,105,106の位置に次の用紙108が位置するように搬送ベルト101は逆転し、用紙108との相対的な位置決めが図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート状の記録媒体(以下、単に用紙と称す)を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備え、当該ベルト状搬送手段によって搬送される前記記録媒体に液状印刷材を用いて縁なし印刷を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット技術を用いたプリンタにおいて縁なしプリントは既に行われている。その方法としては用紙の幅以上のインク吐出を行い、用紙からはみ出たインクを捨てることにより縁なしプリントを実現するというものである。
【0003】
このような縁なしプリントの例として、例えば特許文献1に開示された発明が知られている。この発明は、被記録媒体を搬送ベルトで搬送するようにした場合に、余白なし記録を行うと、記録液が搬送ベルトに付着して搬送機能が低下し、あるいは被記録媒体の裏面に記録液が再転写されて印刷物の品質低下を招くことから、用紙の搬送方向に並べた第1、第2のベルトユニットを備え、第1のベルトユニットは第1の搬送ベルトを第1の搬送ローラと第1のテンションローラとの間に掛け渡し、第2のベルトユニットは第2の搬送ベルトを第2の搬送ローラと第2のテンションローラとの間に掛け渡し、第1及び第2のベルトユニット間に記録ヘッドからインク滴を吐出することによって用紙の前後端部に余白なし記録を行うようにしたものである。
【0004】
また、特許文献2に開示された発明も知られている。この発明は、搬送ベルトを主走査方向に分割された5本のベルトで構成し、5本のベルトはセンタ振り分け方式で用紙を搬送するものとした場合、搬送する用紙の主走査方向両端に対応した位置で隙間ができるように配置し、隙間に向けて用紙を外れる領域まで滴吐出を行うことによって余白なし記録を行うようにしたものである。
【0005】
いずれにしても、特許文献1及び2には、隙間を空けて2枚の搬送ベルトを設置し、プリント時、その隙間に用紙からはみ出たインクを捨てることにより縁なしプリントを実現する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−306515号公報
【特許文献2】特開2005−305688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように縁なしプリントを行う従来のプリンタでは、1枚の搬送ベルトで紙搬送を行っている訳ではなく、複数のベルトを使用して搬送していたので実現ですることができたが、精密な距離(μm単位)の紙搬送を行うには、紙を例えば静電方式で吸着させて紙搬送を行う搬送ベルトでなくては用をなさない。このような静電吸着を行う搬送ベルトは用紙幅よりも大きな幅を有していることから、用紙からはみ出たインクを捨てることはできず、インクが用紙からはみ出ると搬送ベルト上に残ることになる。
【0007】
しかし、紙吸着機能を有する搬送ベルトをインクで汚すと、インクの清掃は容易ではなく、次の用紙を吸着したときにその用紙にインクの汚れが付くなどの問題があり、紙吸着機能を有する搬送ベルトを使用したインクジェットプリンタでは、縁なしプリントを実現することはできなかった。
【0008】
そこで、本発明が解決すべき課題は、紙吸着機能を持った搬送ベルトを使用したプリンタにおいて、縁なしプリントを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を実現するため、第1の手段は、シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、前記ベルト状搬送手段の表面に吐出された液状印刷材を保持する保持溝を備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記保持溝が前記記録媒体の端部が位置する箇所に設けられていることを特徴とする。
【0011】
第3の手段は、第2の手段において、前記ベルト状搬送手段が前記保持溝と前記記録媒体の端部の相対的位置を設定するために逆転することを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、前記ベルト状搬送手段が複数設けられ、前記記録媒体の端部が前記ベルト状搬送手段の隣接部に位置していることを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第4の手段において、前記ベルト状搬送手段の1つを、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に移動させる手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、第1ないし第5の手段において、前記記録媒体の搬送方向と平行な一端部が前記ベルト状搬送手段の外側に位置することを特徴とする。
【0015】
なお、後述の実施形態では、ベルト状搬送手段は搬送ベルト101,111,112,113に、保持溝は溝102,103,104,105,106に、移動させる手段はモータ118及びベルト117に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液状印刷材を記録媒体端部から保持溝に、また、ベルト状搬送手段の隣接部に落とし込むことが可能なので、紙吸着機能を持った搬送ベルトを使用して縁なしプリントを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1に係る複合機能を有するフルカラーデジタル複写機のシステム構成を示す図である。このフルカラー複写機は、大略、自動原稿送り装置(ADF)400、操作ボード620、カラースキャナ300、インクジェット方式のカラープリンタ100、及び給紙バンク200の各ユニットで構成されている。複写機内のシステムコントローラは、LAN(Local Area Network)を介してパーソナルコンピュータPCに接続されている。前記複写機のシステムコントローラは、通信網(インターネット)に接続することができ、該通信網を介して、図示しない管理センタの管理サーバと通信してデータを交換することができる。また、機内のファクシミリコントローラFCUは、交換機PBX及び公衆通信網PNを介して、ファクシミリ通信をすることが可能である。
【0019】
図1のように構成されたデジタル複写機では、例えばパーソナルコンピュータPCからパーソナルコンピュータPCで処理しているデータあるいは画像の印字指令に基づいて、プリンタドライバから印字データがプリンタ100側に出力され、給紙バンク200から供給されてくる用紙に対して必要な枚数の印字がプリンタ100によって行われ(画像が形成され)、用紙1枚毎の印字が終了する毎に排紙トレーに排紙される。
【0020】
図2及び図3は、本実施例における給紙バンク200内の各トレー201,202内における用紙位置決定の状態を示す図である。この実施例の場合、用紙は縦送りでセットされる。給紙トレー201,202上には壁(用紙ガイド)が用紙サイズに合わせて装着され、あるいは用紙サイズに調整される。すなわち、第1の壁(用紙ガイド)123は取り外し可能、移動不可の壁、第2の壁(用紙ガイド)124は取り外し不可、移動可能の壁、第3の壁(用紙ガイド)125は取り外し不可、移動不可の壁である。なお、移動は給紙方向(矢印Y方向)に直交する方向(図示X方向)の移動である。
【0021】
例えばA4縦の場合、図2に示すように移動不能の第1の壁123を基準として移動可能な第2の壁124の位置を調整してA4縦の幅に設定する。また、A3縦の場合には、第1の壁123を取り外し、第3の壁125を基準として第2の壁124の位置を調整してA3縦の幅に設定する。
【0022】
一方、インクジェットプリンタの場合、用紙を印字ヘッドまで搬送し、印字位置から排紙位置まで搬送ベルトを使用するのが一般的である。このうち用紙の搬送精度を確保するために搬送ベルトと用紙との間に静電吸着力を作用させ、用紙を吸着させて搬送することが一般に行われている。そこで、用紙の端部に印字した場合、あるいは用紙端部を外して印字した場合には、インクが搬送ベルトに付着する。前述のように搬送ベルトに一旦インクが付着すると、クリーニングするのは容易ではなく、用紙を汚す原因となり、あるいは厚さが増すと印字の用紙の平面度が悪くなって印字品質の劣化を招く原因ともなる。
【0023】
これに対処するため、本実施例では、搬送ベルト表面に用紙サイズに合わせて溝を形成した。この例を図4及び図5に示す。図4はA4用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図、図5はA3用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。図4の例では、搬送ベルト101に形成された第1及び第2の溝102,103はA4縦の先端と後端の位置に、第3及び第4の溝104,105は両側端の位置に合わせて形成されている。
【0024】
前記図2に示した第1及び第2の壁123,124の位置と図4に示した溝102,103,104,105の位置はA4用紙縦搬送の場合の用紙の4辺と合わせてあるので、A4用紙を縦搬送する場合に、用紙トレー201を図2のようにセットして搬送すると、搬送ベルト101に形成された第1ないし第4の溝102〜105にインクを吐出させることにより縁なしプリントを実現することができる。A3用紙搬送の場合も同様に前記図3に示した第2及び第3の壁124,125の位置と図5に示した第1、第4及び第5の溝102,105,106並びに平面視右側のベルト外の位置をA3用紙縦搬送の場合の用紙の4辺と合わせてあるので、A4用紙を縦搬送する場合に、用紙トレー201を図3のようにセットして搬送すると、搬送ベルトに形成された前記溝102,105,106及び搬送ベルト101の右側のベルト外にインクを吐出させることが可能となり、縁なしプリントを実現することができる。
【0025】
なお、図4の第3の溝104に用紙右端が入るように、図2における移動不可の第1の壁123が用紙位置決定の基準となっている。このように基準を設定して給紙すると搬送ベルト101の第3の溝104に用紙右端が重なる。またA3の場合、用紙右端がベルト外に出るように、移動不可の第3の壁125が用紙位置決定の基準となり、給紙されると搬送ベルト101外へ用紙右端が位置することになる。図2ないし図5の給紙トレー201と搬送ベルト101との関係はあくまで縁なしプリントを実現するための構成例である。A4用紙縦搬送の場合でも、右端はベルト外、その他3辺は溝を利用するという構成でも構わない。また、図4及び図5では、それぞれA4縦及びA3縦の例を個別に設定しているが、図4及び図5に示した搬送ベルト101上の溝の配置を合成して、A4及びA3縦の両者に適用するように構成することも可能である。その他、使用する用紙サイズと方向に応じて予め溝を形成しておき、用紙サイズや方向に関わりなく縁なし印字を行うことができるように設定することも可能である。
【0026】
図6は、搬送ベルト101と本体側の位置検知装置の関係を示す要部平面図、図7は搬送ベルトとその駆動機構の構成を示す平面図である。図2ないし図5に示したような壁と溝との相対的な位置関係が正確に合わなければインクは溝以外の搬送ベルト101上に吐出される。このような相対的な位置制御を行うためには搬送ベルト101のホームポジションを精度良く検知する必要がある。本実施例では、搬送ベルト101側にはフィラー109を、本体側には光透過型センサ(ホトインタラプタ)110をそれぞれ設け、透過型センサ110の光路をフィラー109が遮断することによって透過型センサがフィラー109の位置を検知するという構成を取っている。すなわち、搬送ベルト101が回転すると、これと一体にフィラー109も回転する。搬送ベルト101がホームポジションに達すると、搬送ベルト101側のフィラー109が本体側の透過型センサ110のLED光を遮断し、透過型センサ110の出力を変化させることによりホームポジションを検知する。ホームポジション自体はこの位置でなくとも、透過型センサ110をフィラー109が切ってから予め設定したパルス数移動した位置というように設定することもできる。このようにしてホームポジションが検知されたら、搬送ベルト101の回転を止める。なお、前記パルス数は搬送ベルトを送るモータがステッピングモータの場合のパルス数である。また、エンコーダを使用してエンコーダパルスによって位置を規定することもできる。
【0027】
このようにして搬送ベルト101のホームポジションセンサが精度良く検出できると、ホームポジションと前記各溝、特に搬送方向に対して直交する方向に形成された第1、第2、及び第5の溝102,103,106と用紙端部との位置関係を精度良く設定することが可能になる。
【0028】
図8は本実施例に係るカラー複写機のプリンタ100と給紙バンク200の電気的構成の要部を示すブロック図である。同図では、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、搬送ベルト101の用紙吸着を行う吸着機能処理部3、及び給紙位置セット部4が示されている。同図において、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、及び吸着機能処理部3はプリンタ100に、給紙位置セット部4は前記給紙バンク200に設けられている。印字制御部1と給紙位置セット部4の間では、給紙位置セット部4から用紙セット情報が印字制御部1へ送られ、印字制御部1は、縁なし印字を行うための位置に用紙がセットされていることを確認する。印字制御部1と搬送ベルト回転処理部2の間では、搬送ベルト回転処理部2から搬送ベルト101の回転量情報(エンコーダカウント値等)が印字制御部1へフィードバックされ、その情報から印字制御部1内で適切な搬送ベルト送り量を計算し、搬送ベルト回転量処理部2へ指示を出す。印字制御部1と吸着機能処理部3の間では、印字制御部1から吸着機能処理部3へ用紙吸着制御情報、例えば用紙の大きさ、用紙のベルトに乗っている位置に応じた制御変更等の情報を出力する。この情報に基づいて吸着機能処理部3では、用紙の吸着機能を制御する。
【0029】
図9は本実施例における用紙の搬送ベルト101上の位置決めと印字の制御手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、給紙トレー201内で用紙サイズ検知を行い、機械的に給紙トレー201内で用紙の位置を決定する(ステップS101)。これは、図2あるいは図3に示すように用紙サイズに応じて壁123,124,125の位置が設定されているので、壁の位置から用紙サイズは一義的に決められる。用紙サイズが一義的に決まれば、用紙位置は前記壁123,124,125によって一義的に決まることになる。このようにして用紙位置が一義的に決まると、用紙の左右端がベルトの溝又はベルト外に位置するように給紙することができる。
【0030】
次いで、用紙前端と搬送ベルト101の第1の溝102が一致するようにホームポジションセンサ101を用いて搬送ベルト101を初期位置に移動させる(ステップS102)。ステップS101で用紙の左右端は給紙トレー201上で溝あるいはベルト外に位置するように設定されているので、前記初期位置から搬送ベルト101を移動させ、用紙を吸着した状態で搬送するとき用紙の4辺は溝に、あるいは4辺のうちの一辺は搬送ベルト外に位置することになる。このような状態でインクジェットヘッドからインクが吐出されて書き込めば、用紙端部のインクは前記溝102〜106、あるいは搬送ベルト外に吐出され、縁なしの画像を印刷することができる(ステップS103)。
【0031】
印字が終了すると、用紙後端が位置していた溝を次ぎに印字させる用紙の前端の溝として使用できるように、搬送ベルト101を逆回転させる(ステップS104)。このとき、搬送ベルト101のホームポジションをホームポジションセンサ110によって検知しているので、当該センサ110を使用することなくソフトウェアによって逆回転量を制御することも可能である。
【0032】
このような搬送ベルト101の逆回転機能を備えていない場合には、プリント中用紙後端側で使用している溝の直後に次プリントされる用紙の前端に使用される溝を作る必要がある。これは、プリント中の用紙と次プリント用紙の間には多少の紙間距離が必要なためであるが、このようにすると溝の数が増えてしまうので搬送ベルト101を逆回転させ、プリント中の用紙後端の溝と、次プリント用紙前端の溝を共有させるようにしている。なお、ここでいう逆回転機能とは、当然ながら、用紙を一定方向に搬送させるためベルトは一定方向のみ回転させることができれば良いが、上記プリント中用紙後端と次プリント用紙前端で使用する溝を共通で使用するために、紙搬送方向のためのベルト回転とは逆方向に回転させる機能のことである。
【0033】
また、溝102ないし106内に吐出されたインクが搬送ベルト101や用紙に悪影響を与えないよう、溝の中には図示しないインクの吸収体が装着されている。このように溝中にインクの吸収体を装着すると、メンテナンス時に汚れた吸収体を交換することによって機能は保たれるので、大掛かりな搬送ベルト交換は不要となる。
【0034】
以上のように、本実施例によれば、搬送ベルト101に溝102〜106を形成し、これらの溝102〜106中に取り外し可能なインクの吸収体を設けたので、用紙からはみ出た位置に吐出されたインクを溝102〜106内に吐出することによりインクを溝102〜106に保持することが可能となる。また、このようにインクを溝102〜106に保持することにより搬送ベルト101や用紙を汚すことなく縁なしプリントを実現することができる。さらに、吸着機能を有することからμm単位で紙搬送が可能なので、高精度で高品質の縁なしプリントを行うことができる。
【実施例2】
【0035】
実施例1に係る発明は、縁なしプリントを行う際、用紙の端部及び縁部へ吐出されたインクを搬送ベルト101に形成された溝102〜106、あるいは前記溝に加えて搬送ベルト101外に吐出して縁なしプリントを実現している。この実施例は溝を形成することなく縁なしプリントを可能にする例である。実施例1において図1に示したシステム構成、並びに図2及び図3に示した給紙トレー201の構成は本実施例でも同一なので、同一構成についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0036】
図10は実施例2における搬送ベルト部の平面図である。本実施例においては、搬送ベルト部は第1ないし第3の搬送ベルト110,112,113の3種の搬送ベルトから構成されている。このうち第1の搬送ベルト111は最大幅の用紙の用紙幅に対応する幅に形成され、その用紙搬送方向上流側に第1の搬送ベルト111のほぼ半分の幅の第2の搬送ベルト112と、この第2の搬送ベルト112のほぼ半分の幅の第3の搬送ベルト113とが設けられている。このうち第1及び第2の搬送ベルト111,112は図において右端の位置を合わせて平行に配置され、第3の搬送ベルト113は用紙搬送方向に対して直交する方向に移動可能に前記第2の搬送ベルト112に並列に設けられている。これら第1ないし第3の搬送ベルト111,112,113の上面は同一平面になるように精度良く配置され、それぞれ用紙を静電吸着による保持する機能を備えている。
【0037】
図10はA4用紙114を搬送し、印字するときの状態を示す平面図である。このように3種の搬送ベルト110,112,113を用いると、用紙前端114aは第1の搬送ベルト111と第2の搬送ベルト112の間の隙間111aに、用紙右端114bは搬送ベルト111,112外に、用紙左端114cは第2の搬送ベルト112と第3の搬送ベルト113の間の隙間112aに、用紙後端114dは前端と同じ隙間111aにそれぞれインクを吐出することにより縁なしプリントを行うことができる。用紙114の前端114a、後端114d、右端114b側の縁なしプリントは、第1及び第2の搬送ベルト111,112の用紙搬送方向に直交する方向の移動なしで常に実現可能である。しかし、左端114cは用紙の大きさに応じて適切な場所へ第3の搬送ベルト113を移動させることにより縁なしプリントが可能となる。
【0038】
すなわち、図11に示すように用紙がA3用紙115となった場合、第3の搬送ベルト113が図10の位置にあると、用紙左端114cが第3の搬送ベルト113上に位置することになる。この位置で縁なしプリントを行うと、第3の搬送ベルト113が汚れ、用紙の搬送不良や用紙への汚れを招くことになる。そこで、本実施例では、図11に示すように第3の搬送ベルト113を第2の搬送ベルト112方向に移動させ、用紙左端114cが第3の搬送ベルト113の左端からさらに外側に位置させる。これにより、用紙左端に吐出されたインクが第3の搬送ベルト113に付着することなく縁なしプリントを行うことができる。
【0039】
図12は本実施例に係るカラー複写機のプリンタ100と給紙バンク200の電気的構成の要部を示すブロック図であり、同図では、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、搬送ベルト101の用紙吸着を行う吸着機能処理部3、給紙位置セット部4及び搬送ベルト位置処理部5が示されている。同図において、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、吸着機能処理部3、及び搬送ベルト位置処理部5はプリンタ100に、給紙位置セット部4は前記給紙バンク200に設けられている。
【0040】
同図において、印字制御部1と給紙位置セット部4の間では、給紙位置セット部4から用紙セット情報が印字制御部1へ送られ、縁なし印字を行うための位置に用紙がセットされていることを確認する。印字制御部1と搬送ベルト位置処理部5の間では、搬送ベルト位置処理部5から搬送ベルト111〜113の位置に関する情報、例えば、搬送ベルト位置を制御しているエンコーダ出力等の情報を印字制御部1へ送り、印字制御部1からは給紙される用紙の大きさ情報を処理し、搬送ベルト移動信号を搬送ベルト位置処理部5へ送る。
【0041】
印字制御部1と搬送ベルト回転処理部2の間では、搬送ベルト回転処理部2から搬送ベルト111〜113の回転量情報(エンコーダカウント値等)が印字制御部1へフィードバックされ、その情報から印字制御部1内で適切な搬送ベルト送り量を計算し、搬送ベルト回転処理部2へ指示を出す。印字制御部1と吸着機能処理部3の間では、印字制御部1から吸着機能処理部3へ用紙吸着制御情報、例えば、用紙の大きさ、用紙のベルトに乗っている位置に応じた制御変更等の情報を出力する。
【0042】
図13は本実施例における搬送ベルトの移動の制御手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、まず、給紙される用紙サイズを給紙トレー201で検知する(ステップS201)。これは実施例1の図2及び図3を参照して説明した通りである。次いで、給紙トレー201で検知された用紙サイズに合わせて予め設定された位置に第3の搬送ベルト113を移動させる(ステップS202)。これにより図10あるいは図11に示したような搬送ベルト111〜113と用紙114,115との関係になり、搬送ベルト111,112間、112,113間、及び搬送ベルト外に用紙からはみ出たインクを吐出することができ、縁なしプリントが実現される(ステップS203)。
【0043】
図14は第3の搬送ベルト113の横移動機構を示す平面図である。この移動機構では、第3の搬送ベルト113は用紙搬送方向に対して直交する方向に設置されたシャフト116及びこのシャフト116と平行に設置されたタイミングベルト117に沿って移動可能に設けられている。第3の搬送ベルト113の移動距離はタイミングベルト117と噛合し、このタイミングベルト117を駆動するモータ118の回転軸に同軸に設けられ、一体に回転するエンコーダ119によって検知される。また、第3の搬送ベルト113のホームポジション位置は、当該第3の搬送ベルト113の非回転部に突設されたフィラー121を光透過型センサ120によって検出することによって設定される。
【0044】
図15は第3の搬送ベルト113を用紙搬送方向と直交する方向に移動させるときの制御手順を示すフローチャートである。この処理手順では、電源ON時に、第3の搬送ベルト113が用紙搬送方向と直交する方向に移動する(ステップS301)。その際、前記フィラー121が、第3の搬送ベルト113の移動とともにプリンタ100本体に固定された透過型センサ120のLED−PD間の光路を遮断する。本実施例では、その位置をホームポジションとしている(ステップS302)。ホームポジションが設定されると、搬送される用紙サイズに応じて予め設定された移動距離分前記モータ118が回転し、用紙の左端114cを搬送ベルト113の外側に位置させ、用紙からはみ出たインクを搬送ベルト113の外側に吐出させる。前記予め設定された移動距離は本実施例では、エンコーダ119を用いて検出され、精度良く移動位置を設定することができる(ステップS303)。
【0045】
以上のように、本実施例では、複数の搬送ベルトを用紙に合わせ用紙搬送方向と直交する方向に移動させることにより、搬送ベルト間に隙間を作り、その隙間に用紙端を重ね、さらにその隙間にインクを吐出するので、搬送ベルトをインクで汚すことなく縁なしプリントを実現することができる。かつ、吸着機能を持った搬送ベルトを用いているのでμm単位の紙搬送制御を実現することができ、高精度で高品質の縁なしプリントを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1に係る複合機能を有するフルカラーデジタル複写機のシステム構成を示す図である。
【図2】実施例1における給紙バンク内の給紙トレー内におけるA4縦用紙の用紙位置決定の状態を示す図である。
【図3】実施例1における給紙バンク内の給紙トレー内におけるA4縦用紙の用紙位置決定の状態を示す図である。
【図4】実施例1におけるA4用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。
【図5】実施例1におけるA3用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。
【図6】実施例1における搬送ベルトと本体側の位置検知装置の関係を示す要部平面図である。
【図7】実施例1における搬送ベルトとその駆動機構の構成を示す平面図である。
【図8】実施例1におけるカラー複写機のプリンタと給紙バンクの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図9】実施例1における用紙の搬送ベルト上の位置決めと印字の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例2におけるA4縦の用紙を搬送するときの搬送ベルト部の平面図である。
【図11】実施例2におけるA3縦の用紙を搬送するときの搬送ベルト部の平面図である。
【図12】実施例2におけるカラー複写機のプリンタと給紙バンクの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図13】実施例2における搬送ベルトの移動の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例2における第3の搬送ベルトの横移動機構を示す平面図である。
【図15】実施例2における第3の搬送ベルトを用紙搬送方向と直交する方向に移動させるときの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 印字制御部
2 搬送ベルト回転処理部
3 吸着機能処理部
4 給紙位置セット部
5 搬送ベルト処理部
100 プリンタ
101,111,112,113 搬送ベルト
102,103,104,105,106 溝
107,108,114,115 用紙
109,121 フィラー
110,120 透過型センサ
123,124,125 壁(用紙ガイド)
118 モータ
119 エンコーダ
200 給紙バンク
201,202 給紙トレー
【技術分野】
【0001】
本発明はシート状の記録媒体(以下、単に用紙と称す)を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備え、当該ベルト状搬送手段によって搬送される前記記録媒体に液状印刷材を用いて縁なし印刷を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット技術を用いたプリンタにおいて縁なしプリントは既に行われている。その方法としては用紙の幅以上のインク吐出を行い、用紙からはみ出たインクを捨てることにより縁なしプリントを実現するというものである。
【0003】
このような縁なしプリントの例として、例えば特許文献1に開示された発明が知られている。この発明は、被記録媒体を搬送ベルトで搬送するようにした場合に、余白なし記録を行うと、記録液が搬送ベルトに付着して搬送機能が低下し、あるいは被記録媒体の裏面に記録液が再転写されて印刷物の品質低下を招くことから、用紙の搬送方向に並べた第1、第2のベルトユニットを備え、第1のベルトユニットは第1の搬送ベルトを第1の搬送ローラと第1のテンションローラとの間に掛け渡し、第2のベルトユニットは第2の搬送ベルトを第2の搬送ローラと第2のテンションローラとの間に掛け渡し、第1及び第2のベルトユニット間に記録ヘッドからインク滴を吐出することによって用紙の前後端部に余白なし記録を行うようにしたものである。
【0004】
また、特許文献2に開示された発明も知られている。この発明は、搬送ベルトを主走査方向に分割された5本のベルトで構成し、5本のベルトはセンタ振り分け方式で用紙を搬送するものとした場合、搬送する用紙の主走査方向両端に対応した位置で隙間ができるように配置し、隙間に向けて用紙を外れる領域まで滴吐出を行うことによって余白なし記録を行うようにしたものである。
【0005】
いずれにしても、特許文献1及び2には、隙間を空けて2枚の搬送ベルトを設置し、プリント時、その隙間に用紙からはみ出たインクを捨てることにより縁なしプリントを実現する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−306515号公報
【特許文献2】特開2005−305688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように縁なしプリントを行う従来のプリンタでは、1枚の搬送ベルトで紙搬送を行っている訳ではなく、複数のベルトを使用して搬送していたので実現ですることができたが、精密な距離(μm単位)の紙搬送を行うには、紙を例えば静電方式で吸着させて紙搬送を行う搬送ベルトでなくては用をなさない。このような静電吸着を行う搬送ベルトは用紙幅よりも大きな幅を有していることから、用紙からはみ出たインクを捨てることはできず、インクが用紙からはみ出ると搬送ベルト上に残ることになる。
【0007】
しかし、紙吸着機能を有する搬送ベルトをインクで汚すと、インクの清掃は容易ではなく、次の用紙を吸着したときにその用紙にインクの汚れが付くなどの問題があり、紙吸着機能を有する搬送ベルトを使用したインクジェットプリンタでは、縁なしプリントを実現することはできなかった。
【0008】
そこで、本発明が解決すべき課題は、紙吸着機能を持った搬送ベルトを使用したプリンタにおいて、縁なしプリントを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を実現するため、第1の手段は、シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、前記ベルト状搬送手段の表面に吐出された液状印刷材を保持する保持溝を備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記保持溝が前記記録媒体の端部が位置する箇所に設けられていることを特徴とする。
【0011】
第3の手段は、第2の手段において、前記ベルト状搬送手段が前記保持溝と前記記録媒体の端部の相対的位置を設定するために逆転することを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、前記ベルト状搬送手段が複数設けられ、前記記録媒体の端部が前記ベルト状搬送手段の隣接部に位置していることを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第4の手段において、前記ベルト状搬送手段の1つを、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に移動させる手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、第1ないし第5の手段において、前記記録媒体の搬送方向と平行な一端部が前記ベルト状搬送手段の外側に位置することを特徴とする。
【0015】
なお、後述の実施形態では、ベルト状搬送手段は搬送ベルト101,111,112,113に、保持溝は溝102,103,104,105,106に、移動させる手段はモータ118及びベルト117に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液状印刷材を記録媒体端部から保持溝に、また、ベルト状搬送手段の隣接部に落とし込むことが可能なので、紙吸着機能を持った搬送ベルトを使用して縁なしプリントを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1に係る複合機能を有するフルカラーデジタル複写機のシステム構成を示す図である。このフルカラー複写機は、大略、自動原稿送り装置(ADF)400、操作ボード620、カラースキャナ300、インクジェット方式のカラープリンタ100、及び給紙バンク200の各ユニットで構成されている。複写機内のシステムコントローラは、LAN(Local Area Network)を介してパーソナルコンピュータPCに接続されている。前記複写機のシステムコントローラは、通信網(インターネット)に接続することができ、該通信網を介して、図示しない管理センタの管理サーバと通信してデータを交換することができる。また、機内のファクシミリコントローラFCUは、交換機PBX及び公衆通信網PNを介して、ファクシミリ通信をすることが可能である。
【0019】
図1のように構成されたデジタル複写機では、例えばパーソナルコンピュータPCからパーソナルコンピュータPCで処理しているデータあるいは画像の印字指令に基づいて、プリンタドライバから印字データがプリンタ100側に出力され、給紙バンク200から供給されてくる用紙に対して必要な枚数の印字がプリンタ100によって行われ(画像が形成され)、用紙1枚毎の印字が終了する毎に排紙トレーに排紙される。
【0020】
図2及び図3は、本実施例における給紙バンク200内の各トレー201,202内における用紙位置決定の状態を示す図である。この実施例の場合、用紙は縦送りでセットされる。給紙トレー201,202上には壁(用紙ガイド)が用紙サイズに合わせて装着され、あるいは用紙サイズに調整される。すなわち、第1の壁(用紙ガイド)123は取り外し可能、移動不可の壁、第2の壁(用紙ガイド)124は取り外し不可、移動可能の壁、第3の壁(用紙ガイド)125は取り外し不可、移動不可の壁である。なお、移動は給紙方向(矢印Y方向)に直交する方向(図示X方向)の移動である。
【0021】
例えばA4縦の場合、図2に示すように移動不能の第1の壁123を基準として移動可能な第2の壁124の位置を調整してA4縦の幅に設定する。また、A3縦の場合には、第1の壁123を取り外し、第3の壁125を基準として第2の壁124の位置を調整してA3縦の幅に設定する。
【0022】
一方、インクジェットプリンタの場合、用紙を印字ヘッドまで搬送し、印字位置から排紙位置まで搬送ベルトを使用するのが一般的である。このうち用紙の搬送精度を確保するために搬送ベルトと用紙との間に静電吸着力を作用させ、用紙を吸着させて搬送することが一般に行われている。そこで、用紙の端部に印字した場合、あるいは用紙端部を外して印字した場合には、インクが搬送ベルトに付着する。前述のように搬送ベルトに一旦インクが付着すると、クリーニングするのは容易ではなく、用紙を汚す原因となり、あるいは厚さが増すと印字の用紙の平面度が悪くなって印字品質の劣化を招く原因ともなる。
【0023】
これに対処するため、本実施例では、搬送ベルト表面に用紙サイズに合わせて溝を形成した。この例を図4及び図5に示す。図4はA4用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図、図5はA3用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。図4の例では、搬送ベルト101に形成された第1及び第2の溝102,103はA4縦の先端と後端の位置に、第3及び第4の溝104,105は両側端の位置に合わせて形成されている。
【0024】
前記図2に示した第1及び第2の壁123,124の位置と図4に示した溝102,103,104,105の位置はA4用紙縦搬送の場合の用紙の4辺と合わせてあるので、A4用紙を縦搬送する場合に、用紙トレー201を図2のようにセットして搬送すると、搬送ベルト101に形成された第1ないし第4の溝102〜105にインクを吐出させることにより縁なしプリントを実現することができる。A3用紙搬送の場合も同様に前記図3に示した第2及び第3の壁124,125の位置と図5に示した第1、第4及び第5の溝102,105,106並びに平面視右側のベルト外の位置をA3用紙縦搬送の場合の用紙の4辺と合わせてあるので、A4用紙を縦搬送する場合に、用紙トレー201を図3のようにセットして搬送すると、搬送ベルトに形成された前記溝102,105,106及び搬送ベルト101の右側のベルト外にインクを吐出させることが可能となり、縁なしプリントを実現することができる。
【0025】
なお、図4の第3の溝104に用紙右端が入るように、図2における移動不可の第1の壁123が用紙位置決定の基準となっている。このように基準を設定して給紙すると搬送ベルト101の第3の溝104に用紙右端が重なる。またA3の場合、用紙右端がベルト外に出るように、移動不可の第3の壁125が用紙位置決定の基準となり、給紙されると搬送ベルト101外へ用紙右端が位置することになる。図2ないし図5の給紙トレー201と搬送ベルト101との関係はあくまで縁なしプリントを実現するための構成例である。A4用紙縦搬送の場合でも、右端はベルト外、その他3辺は溝を利用するという構成でも構わない。また、図4及び図5では、それぞれA4縦及びA3縦の例を個別に設定しているが、図4及び図5に示した搬送ベルト101上の溝の配置を合成して、A4及びA3縦の両者に適用するように構成することも可能である。その他、使用する用紙サイズと方向に応じて予め溝を形成しておき、用紙サイズや方向に関わりなく縁なし印字を行うことができるように設定することも可能である。
【0026】
図6は、搬送ベルト101と本体側の位置検知装置の関係を示す要部平面図、図7は搬送ベルトとその駆動機構の構成を示す平面図である。図2ないし図5に示したような壁と溝との相対的な位置関係が正確に合わなければインクは溝以外の搬送ベルト101上に吐出される。このような相対的な位置制御を行うためには搬送ベルト101のホームポジションを精度良く検知する必要がある。本実施例では、搬送ベルト101側にはフィラー109を、本体側には光透過型センサ(ホトインタラプタ)110をそれぞれ設け、透過型センサ110の光路をフィラー109が遮断することによって透過型センサがフィラー109の位置を検知するという構成を取っている。すなわち、搬送ベルト101が回転すると、これと一体にフィラー109も回転する。搬送ベルト101がホームポジションに達すると、搬送ベルト101側のフィラー109が本体側の透過型センサ110のLED光を遮断し、透過型センサ110の出力を変化させることによりホームポジションを検知する。ホームポジション自体はこの位置でなくとも、透過型センサ110をフィラー109が切ってから予め設定したパルス数移動した位置というように設定することもできる。このようにしてホームポジションが検知されたら、搬送ベルト101の回転を止める。なお、前記パルス数は搬送ベルトを送るモータがステッピングモータの場合のパルス数である。また、エンコーダを使用してエンコーダパルスによって位置を規定することもできる。
【0027】
このようにして搬送ベルト101のホームポジションセンサが精度良く検出できると、ホームポジションと前記各溝、特に搬送方向に対して直交する方向に形成された第1、第2、及び第5の溝102,103,106と用紙端部との位置関係を精度良く設定することが可能になる。
【0028】
図8は本実施例に係るカラー複写機のプリンタ100と給紙バンク200の電気的構成の要部を示すブロック図である。同図では、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、搬送ベルト101の用紙吸着を行う吸着機能処理部3、及び給紙位置セット部4が示されている。同図において、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、及び吸着機能処理部3はプリンタ100に、給紙位置セット部4は前記給紙バンク200に設けられている。印字制御部1と給紙位置セット部4の間では、給紙位置セット部4から用紙セット情報が印字制御部1へ送られ、印字制御部1は、縁なし印字を行うための位置に用紙がセットされていることを確認する。印字制御部1と搬送ベルト回転処理部2の間では、搬送ベルト回転処理部2から搬送ベルト101の回転量情報(エンコーダカウント値等)が印字制御部1へフィードバックされ、その情報から印字制御部1内で適切な搬送ベルト送り量を計算し、搬送ベルト回転量処理部2へ指示を出す。印字制御部1と吸着機能処理部3の間では、印字制御部1から吸着機能処理部3へ用紙吸着制御情報、例えば用紙の大きさ、用紙のベルトに乗っている位置に応じた制御変更等の情報を出力する。この情報に基づいて吸着機能処理部3では、用紙の吸着機能を制御する。
【0029】
図9は本実施例における用紙の搬送ベルト101上の位置決めと印字の制御手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、給紙トレー201内で用紙サイズ検知を行い、機械的に給紙トレー201内で用紙の位置を決定する(ステップS101)。これは、図2あるいは図3に示すように用紙サイズに応じて壁123,124,125の位置が設定されているので、壁の位置から用紙サイズは一義的に決められる。用紙サイズが一義的に決まれば、用紙位置は前記壁123,124,125によって一義的に決まることになる。このようにして用紙位置が一義的に決まると、用紙の左右端がベルトの溝又はベルト外に位置するように給紙することができる。
【0030】
次いで、用紙前端と搬送ベルト101の第1の溝102が一致するようにホームポジションセンサ101を用いて搬送ベルト101を初期位置に移動させる(ステップS102)。ステップS101で用紙の左右端は給紙トレー201上で溝あるいはベルト外に位置するように設定されているので、前記初期位置から搬送ベルト101を移動させ、用紙を吸着した状態で搬送するとき用紙の4辺は溝に、あるいは4辺のうちの一辺は搬送ベルト外に位置することになる。このような状態でインクジェットヘッドからインクが吐出されて書き込めば、用紙端部のインクは前記溝102〜106、あるいは搬送ベルト外に吐出され、縁なしの画像を印刷することができる(ステップS103)。
【0031】
印字が終了すると、用紙後端が位置していた溝を次ぎに印字させる用紙の前端の溝として使用できるように、搬送ベルト101を逆回転させる(ステップS104)。このとき、搬送ベルト101のホームポジションをホームポジションセンサ110によって検知しているので、当該センサ110を使用することなくソフトウェアによって逆回転量を制御することも可能である。
【0032】
このような搬送ベルト101の逆回転機能を備えていない場合には、プリント中用紙後端側で使用している溝の直後に次プリントされる用紙の前端に使用される溝を作る必要がある。これは、プリント中の用紙と次プリント用紙の間には多少の紙間距離が必要なためであるが、このようにすると溝の数が増えてしまうので搬送ベルト101を逆回転させ、プリント中の用紙後端の溝と、次プリント用紙前端の溝を共有させるようにしている。なお、ここでいう逆回転機能とは、当然ながら、用紙を一定方向に搬送させるためベルトは一定方向のみ回転させることができれば良いが、上記プリント中用紙後端と次プリント用紙前端で使用する溝を共通で使用するために、紙搬送方向のためのベルト回転とは逆方向に回転させる機能のことである。
【0033】
また、溝102ないし106内に吐出されたインクが搬送ベルト101や用紙に悪影響を与えないよう、溝の中には図示しないインクの吸収体が装着されている。このように溝中にインクの吸収体を装着すると、メンテナンス時に汚れた吸収体を交換することによって機能は保たれるので、大掛かりな搬送ベルト交換は不要となる。
【0034】
以上のように、本実施例によれば、搬送ベルト101に溝102〜106を形成し、これらの溝102〜106中に取り外し可能なインクの吸収体を設けたので、用紙からはみ出た位置に吐出されたインクを溝102〜106内に吐出することによりインクを溝102〜106に保持することが可能となる。また、このようにインクを溝102〜106に保持することにより搬送ベルト101や用紙を汚すことなく縁なしプリントを実現することができる。さらに、吸着機能を有することからμm単位で紙搬送が可能なので、高精度で高品質の縁なしプリントを行うことができる。
【実施例2】
【0035】
実施例1に係る発明は、縁なしプリントを行う際、用紙の端部及び縁部へ吐出されたインクを搬送ベルト101に形成された溝102〜106、あるいは前記溝に加えて搬送ベルト101外に吐出して縁なしプリントを実現している。この実施例は溝を形成することなく縁なしプリントを可能にする例である。実施例1において図1に示したシステム構成、並びに図2及び図3に示した給紙トレー201の構成は本実施例でも同一なので、同一構成についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0036】
図10は実施例2における搬送ベルト部の平面図である。本実施例においては、搬送ベルト部は第1ないし第3の搬送ベルト110,112,113の3種の搬送ベルトから構成されている。このうち第1の搬送ベルト111は最大幅の用紙の用紙幅に対応する幅に形成され、その用紙搬送方向上流側に第1の搬送ベルト111のほぼ半分の幅の第2の搬送ベルト112と、この第2の搬送ベルト112のほぼ半分の幅の第3の搬送ベルト113とが設けられている。このうち第1及び第2の搬送ベルト111,112は図において右端の位置を合わせて平行に配置され、第3の搬送ベルト113は用紙搬送方向に対して直交する方向に移動可能に前記第2の搬送ベルト112に並列に設けられている。これら第1ないし第3の搬送ベルト111,112,113の上面は同一平面になるように精度良く配置され、それぞれ用紙を静電吸着による保持する機能を備えている。
【0037】
図10はA4用紙114を搬送し、印字するときの状態を示す平面図である。このように3種の搬送ベルト110,112,113を用いると、用紙前端114aは第1の搬送ベルト111と第2の搬送ベルト112の間の隙間111aに、用紙右端114bは搬送ベルト111,112外に、用紙左端114cは第2の搬送ベルト112と第3の搬送ベルト113の間の隙間112aに、用紙後端114dは前端と同じ隙間111aにそれぞれインクを吐出することにより縁なしプリントを行うことができる。用紙114の前端114a、後端114d、右端114b側の縁なしプリントは、第1及び第2の搬送ベルト111,112の用紙搬送方向に直交する方向の移動なしで常に実現可能である。しかし、左端114cは用紙の大きさに応じて適切な場所へ第3の搬送ベルト113を移動させることにより縁なしプリントが可能となる。
【0038】
すなわち、図11に示すように用紙がA3用紙115となった場合、第3の搬送ベルト113が図10の位置にあると、用紙左端114cが第3の搬送ベルト113上に位置することになる。この位置で縁なしプリントを行うと、第3の搬送ベルト113が汚れ、用紙の搬送不良や用紙への汚れを招くことになる。そこで、本実施例では、図11に示すように第3の搬送ベルト113を第2の搬送ベルト112方向に移動させ、用紙左端114cが第3の搬送ベルト113の左端からさらに外側に位置させる。これにより、用紙左端に吐出されたインクが第3の搬送ベルト113に付着することなく縁なしプリントを行うことができる。
【0039】
図12は本実施例に係るカラー複写機のプリンタ100と給紙バンク200の電気的構成の要部を示すブロック図であり、同図では、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、搬送ベルト101の用紙吸着を行う吸着機能処理部3、給紙位置セット部4及び搬送ベルト位置処理部5が示されている。同図において、印字制御部1、搬送ベルト回転処理部2、吸着機能処理部3、及び搬送ベルト位置処理部5はプリンタ100に、給紙位置セット部4は前記給紙バンク200に設けられている。
【0040】
同図において、印字制御部1と給紙位置セット部4の間では、給紙位置セット部4から用紙セット情報が印字制御部1へ送られ、縁なし印字を行うための位置に用紙がセットされていることを確認する。印字制御部1と搬送ベルト位置処理部5の間では、搬送ベルト位置処理部5から搬送ベルト111〜113の位置に関する情報、例えば、搬送ベルト位置を制御しているエンコーダ出力等の情報を印字制御部1へ送り、印字制御部1からは給紙される用紙の大きさ情報を処理し、搬送ベルト移動信号を搬送ベルト位置処理部5へ送る。
【0041】
印字制御部1と搬送ベルト回転処理部2の間では、搬送ベルト回転処理部2から搬送ベルト111〜113の回転量情報(エンコーダカウント値等)が印字制御部1へフィードバックされ、その情報から印字制御部1内で適切な搬送ベルト送り量を計算し、搬送ベルト回転処理部2へ指示を出す。印字制御部1と吸着機能処理部3の間では、印字制御部1から吸着機能処理部3へ用紙吸着制御情報、例えば、用紙の大きさ、用紙のベルトに乗っている位置に応じた制御変更等の情報を出力する。
【0042】
図13は本実施例における搬送ベルトの移動の制御手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、まず、給紙される用紙サイズを給紙トレー201で検知する(ステップS201)。これは実施例1の図2及び図3を参照して説明した通りである。次いで、給紙トレー201で検知された用紙サイズに合わせて予め設定された位置に第3の搬送ベルト113を移動させる(ステップS202)。これにより図10あるいは図11に示したような搬送ベルト111〜113と用紙114,115との関係になり、搬送ベルト111,112間、112,113間、及び搬送ベルト外に用紙からはみ出たインクを吐出することができ、縁なしプリントが実現される(ステップS203)。
【0043】
図14は第3の搬送ベルト113の横移動機構を示す平面図である。この移動機構では、第3の搬送ベルト113は用紙搬送方向に対して直交する方向に設置されたシャフト116及びこのシャフト116と平行に設置されたタイミングベルト117に沿って移動可能に設けられている。第3の搬送ベルト113の移動距離はタイミングベルト117と噛合し、このタイミングベルト117を駆動するモータ118の回転軸に同軸に設けられ、一体に回転するエンコーダ119によって検知される。また、第3の搬送ベルト113のホームポジション位置は、当該第3の搬送ベルト113の非回転部に突設されたフィラー121を光透過型センサ120によって検出することによって設定される。
【0044】
図15は第3の搬送ベルト113を用紙搬送方向と直交する方向に移動させるときの制御手順を示すフローチャートである。この処理手順では、電源ON時に、第3の搬送ベルト113が用紙搬送方向と直交する方向に移動する(ステップS301)。その際、前記フィラー121が、第3の搬送ベルト113の移動とともにプリンタ100本体に固定された透過型センサ120のLED−PD間の光路を遮断する。本実施例では、その位置をホームポジションとしている(ステップS302)。ホームポジションが設定されると、搬送される用紙サイズに応じて予め設定された移動距離分前記モータ118が回転し、用紙の左端114cを搬送ベルト113の外側に位置させ、用紙からはみ出たインクを搬送ベルト113の外側に吐出させる。前記予め設定された移動距離は本実施例では、エンコーダ119を用いて検出され、精度良く移動位置を設定することができる(ステップS303)。
【0045】
以上のように、本実施例では、複数の搬送ベルトを用紙に合わせ用紙搬送方向と直交する方向に移動させることにより、搬送ベルト間に隙間を作り、その隙間に用紙端を重ね、さらにその隙間にインクを吐出するので、搬送ベルトをインクで汚すことなく縁なしプリントを実現することができる。かつ、吸着機能を持った搬送ベルトを用いているのでμm単位の紙搬送制御を実現することができ、高精度で高品質の縁なしプリントを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1に係る複合機能を有するフルカラーデジタル複写機のシステム構成を示す図である。
【図2】実施例1における給紙バンク内の給紙トレー内におけるA4縦用紙の用紙位置決定の状態を示す図である。
【図3】実施例1における給紙バンク内の給紙トレー内におけるA4縦用紙の用紙位置決定の状態を示す図である。
【図4】実施例1におけるA4用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。
【図5】実施例1におけるA3用紙縦搬送の場合の搬送ベルトと用紙との関係を示す平面図である。
【図6】実施例1における搬送ベルトと本体側の位置検知装置の関係を示す要部平面図である。
【図7】実施例1における搬送ベルトとその駆動機構の構成を示す平面図である。
【図8】実施例1におけるカラー複写機のプリンタと給紙バンクの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図9】実施例1における用紙の搬送ベルト上の位置決めと印字の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例2におけるA4縦の用紙を搬送するときの搬送ベルト部の平面図である。
【図11】実施例2におけるA3縦の用紙を搬送するときの搬送ベルト部の平面図である。
【図12】実施例2におけるカラー複写機のプリンタと給紙バンクの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図13】実施例2における搬送ベルトの移動の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例2における第3の搬送ベルトの横移動機構を示す平面図である。
【図15】実施例2における第3の搬送ベルトを用紙搬送方向と直交する方向に移動させるときの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 印字制御部
2 搬送ベルト回転処理部
3 吸着機能処理部
4 給紙位置セット部
5 搬送ベルト処理部
100 プリンタ
101,111,112,113 搬送ベルト
102,103,104,105,106 溝
107,108,114,115 用紙
109,121 フィラー
110,120 透過型センサ
123,124,125 壁(用紙ガイド)
118 モータ
119 エンコーダ
200 給紙バンク
201,202 給紙トレー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、
前記ベルト状搬送手段の表面に吐出された液状印刷材を保持する保持溝を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記保持溝は前記記録媒体の端部が位置する箇所に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルト状搬送手段が前記保持溝と前記記録媒体の端部の相対的位置を設定するために逆転することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、
前記ベルト状搬送手段が複数設けられ、前記記録媒体の端部が前記ベルト状搬送手段の隣接部に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト状搬送手段の1つを、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に移動させる手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体の搬送方向と平行な一端部が、前記ベルト状搬送手段の外側に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、
前記ベルト状搬送手段の表面に吐出された液状印刷材を保持する保持溝を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記保持溝は前記記録媒体の端部が位置する箇所に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルト状搬送手段が前記保持溝と前記記録媒体の端部の相対的位置を設定するために逆転することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
シート状の記録媒体を吸着して搬送するベルト状搬送手段を備えた画像形成装置において、
前記ベルト状搬送手段が複数設けられ、前記記録媒体の端部が前記ベルト状搬送手段の隣接部に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト状搬送手段の1つを、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に移動させる手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体の搬送方向と平行な一端部が、前記ベルト状搬送手段の外側に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−1480(P2008−1480A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172775(P2006−172775)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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