画像形成装置
【課題】発光素子部が発光面の中心部からずれた位置に配置される場合にも発光面をムラなく光らせることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】この昇華型プリンタ1(画像形成装置)は、表示用の光を出射する表示用LED11と、表示用LED11を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面32aと、表示用LED11から出射される光を発光面32aに導く周状の導光部32bと、周状の導光部32bの内側に、導光部32bと連続するとともに、表示用LED11を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部32cとを含む導光部材32と、導光部材32のドーム部32cを覆うように設けられた蓋部材31とを備えている。そして、ドーム部32cは挿入穴部32dを含み、蓋部材31は、ドーム部32cの挿入穴部32dに挿入され、周状の発光面32aに導かれる表示用LED11から出射された光を調整する壁部31bを含むように構成する。
【解決手段】この昇華型プリンタ1(画像形成装置)は、表示用の光を出射する表示用LED11と、表示用LED11を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面32aと、表示用LED11から出射される光を発光面32aに導く周状の導光部32bと、周状の導光部32bの内側に、導光部32bと連続するとともに、表示用LED11を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部32cとを含む導光部材32と、導光部材32のドーム部32cを覆うように設けられた蓋部材31とを備えている。そして、ドーム部32cは挿入穴部32dを含み、蓋部材31は、ドーム部32cの挿入穴部32dに挿入され、周状の発光面32aに導かれる表示用LED11から出射された光を調整する壁部31bを含むように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示用の光を出射する発光素子部を有するスイッチおよび操作機構(たとえば、特許文献1〜4参照)、またはそのようなスイッチおよび操作機構を含む画像形成装置が知られている。
【0003】
上記特許文献1には、天面にイルミネーション部(発光面)を含むキートップ(スイッチ部)と、キートップを下部から支持する支持軸を含む揺動体と、揺動体の下部に配置された発光ダイオードとを備えた光検知型スイッチが開示されている。この特許文献1に記載の光検知型スイッチでは、キートップのイルミネーション部と揺動体の支持軸と発光ダイオードとが同一軸線上に配置されており、発光ダイオードから出射された光が支持軸の内側に形成された導光用貫通孔を通過してキートップのイルミネーション部を光らせることが可能である。
【0004】
上記特許文献2には、操作子(スイッチ部)と、操作子の下部に配置されたタクト板(可動接点)と、タクト板の下部に配置されたコモン接片(固定接点)と、タクト板およびコモン接片を収容する収容部と、発光部材とを備えた照光式押釦スイッチ装置が開示されている。この特許文献2に記載の照光式押釦スイッチ装置では、操作子と、収容部に収容されているタクト板およびコモン接片と、発光部材とが同一軸線上に配置されており、発光部材から出射された光がタクト板とコモン接片と収容部とのそれぞれに設けられた開口部を通過して操作子を光らせることが可能である。
【0005】
上記特許文献3には、内部中央に発光素子を含む発光ボタンと、発光ボタンの下部に配置された可動接点と、発光ボタンを覆うようにして設けられた透光性フィルムとを備えた照光式プッシュスイッチが開示されている。この特許文献3に記載の照光式プッシュスイッチでは、発光ボタン内部の発光素子から上側に出射された光と下側に出射されて可動接点により上側に反射した光とによって透光性フィルタの上側を光らせることが可能である。
【0006】
上記特許文献4には、上側面が半球状に形成された操作部と、操作部の下側に配置されたLEDとを備えた操作部機構が開示されている。この特許文献4に記載の操作部機構では、LEDが操作部の下側面の中心部に対向する位置に配置されているとともに、操作部の下側面とLEDとの距離が一定になるように操作部の下側面が球面状に形成されていることによって、LEDから出射される光は操作部の下側面で屈折することなく透過して上側面をムラなく光らせるように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開平08−241658号公報
【特許文献2】特開2003−257271号公報
【特許文献3】特開平05−041135号公報
【特許文献4】特開2001−273093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の種々のスイッチやボタンでは、スイッチ部の発光面をムラなく光らせるためにスイッチ部の発光面の中心部に対向する位置に発光素子部を配置しており、スイッチ部の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に発光素子部を配置した場合、スイッチ部の発光面をムラなく光らせるのが困難であるという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献4に記載の操作部機構では、半球状に形成された操作部の上側面をムラなく光らせるために、操作部の下側面の中心部に対向する位置にLEDを配置しており、操作部の下側面の中心部に対向する位置からずれた位置にLEDを配置した場合、操作部の上側面をムラなく光らせるのが困難であるという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、発光素子部が発光面の中心部からずれた位置に配置される場合にも発光面をムラなく光らせることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
この発明の第1の局面による画像形成装置は、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置において、発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、発光素子部から出射される光を発光面に導く周状の導光部と、周状の導光部の内側に、導光部と連続するとともに、発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材と、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部とをさらに備え、ドーム部は第1穴部と第2穴部とを含み、蓋部材は、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含み、周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、蓋部材の壁部は、円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成され、ドーム部の第1穴部は、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有し、壁部は、壁部の両端に設けられ、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含み、蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、壁部は、蓋部材に一体的に形成されている。
【0012】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、表示用の発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部を、第1穴部を含むように構成するとともに、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材を、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含むように構成することによって、ドーム部内を通過する発光素子部からの光を壁部により調整した状態で周状の発光面に導くことができるので、発光素子部を導光部材の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面をムラなく光らせることができる。
【0013】
また、第1の局面による画像形成装置では、周状の発光面を、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材の壁部を、円周状の発光面に沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成することによって、円周状の発光面に沿って壁部を配置することができるので、ドーム部内から第1穴部を介して出射された発光素子部の光を確実に調整した状態で円周状の発光面に導くことができる。また、ドーム部の第1穴部を、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有するように構成することによって、ドーム部の第1穴部の形状と壁部の形状とが対応しているので、容易に蓋部材の壁部をドーム部の第1穴部に挿入することができる。また、壁部の両端に、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を設けることによって、壁部が第1穴部に挿入された際に壁部の両端の位置決め部がドーム部の第1穴部の両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部に対する蓋部材の位置を容易に保持することができる。また、ドーム部に、第2穴部を設けるとともに、蓋部材を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように赤外線受信部を設けることによって、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材を透過しない一方で、赤外線は蓋部材を透過するとともに第2穴部を通過して赤外線受信部に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、壁部を、蓋部材に一体的に形成することによって、導光部材の発光面をムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、表示用の光を出射する発光素子部と、発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、発光素子部から出射される光を発光面に導く周状の導光部と、周状の導光部の内側に、導光部と連続するとともに、発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材とを備え、ドーム部は第1穴部を含み、蓋部材は、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含む。
【0015】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、表示用の発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部を第1穴部を含むように構成するとともに、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材を、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含むように構成することによって、ドーム部内を通過する発光素子部からの光を壁部により調整した状態で周状の発光面に導くことができるので、発光素子部を導光部材の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面をムラなく光らせることができる。
【0016】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、周状の発光面を、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材の壁部を、円周状の発光面に沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成する。このように構成すれば、円周状の発光面に沿って壁部を配置することができるので、ドーム部内から第1穴部を介して出射された発光素子部の光を確実に調整した状態で円周状の発光面に導くことができる。
【0017】
この場合、好ましくは、ドーム部の第1穴部を、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有する。このように構成すれば、ドーム部の第1穴部の形状と壁部の形状とが対応しているので、容易に蓋部材の壁部をドーム部の第1穴部に挿入することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、壁部の両端に、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を設ける。このように構成すれば、壁部が第1穴部に挿入された際に壁部の両端の位置決め部がドーム部の第1穴部の両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部に対する蓋部材の位置を容易に保持することができる。
【0019】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、ドーム部に、第2穴部を設けるとともに、蓋部材を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように赤外線受信部を設ける。このように構成すれば、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材を透過しない一方で、赤外線は蓋部材を透過するとともに第2穴部を通過して赤外線受信部に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、壁部を、蓋部材に一体的に形成する。このように構成すれば、導光部材の発光面をムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2〜図14は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの詳細を示す図である。まず、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ1の構造について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である昇華型プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0023】
本実施形態による昇華型プリンタ1は、図1および図2に示すように、筐体10と、後述する筐体10の内部に収納される印画部19(図2参照)と、筐体上面10aに配置される電源ボタン30とを備えている。筐体10の矢印A方向の筐体前面10bには、用紙40が収納される用紙カセット50が着脱可能に装着されている。なお、本実施形態では、昇華型プリンタ1と赤外線通信が可能な機器として、カメラ機能を有する携帯電話60を想定している。
【0024】
また、図1に示すように、筐体10は、上述の筐体上面10a、矢印A方向の筐体前面10bに加えて、矢印B方向の筐体背面10c、筐体下面10d、矢印C方向の筐体側面10eおよび矢印D方向の筐体側面10fによって構成されている。また、図2に示すように、筐体上面10aは、水平面に対して傾斜するように形成されるとともに、傾斜面に電源ボタン30を取り付けるための開口部10gを有する。また、筐体上面10aには、開口部10gの前方側(矢印A方向側)の内側面に、電源ボタン30を取り付けるための突起部10hが一体的に設けられている。また、筐体前面10bには、用紙カセット50(図1参照)を取り付けるための用紙カセット取付口10iが設けられている。
【0025】
ここで、本実施形態では、図2および図3に示すように、筐体10の内部の印画部19の上方に、表示用の光を出射する4つの表示用LED11が設けられているとともに、表示用LED11と隣接する位置に赤外線信号を受信可能な赤外線受信部12が配置されている。なお、表示用LED11は、本発明の「発光素子部」の一例である。
【0026】
また、赤外線受信部12は、約30度(±約15度)の範囲で携帯電話60(図1参照)から赤外線信号を受信可能なように構成されている。また、4つの表示用LED11は、図2および図3に示すように、水平に設置された基板13に配置されている。また、基板13には、4つの表示用LED11に取り囲まれる位置にスイッチ部14が配置されるとともに、4つの表示用LED11の矢印C方向側および矢印D方向側にそれぞれ電子部品13aおよび13bが配置されている。また、赤外線受信部12は、図2に示すように、水平方向に対して約15度上向きの方向(矢印U方向)に設置された基板15に配置されている。これによって、約30度(±約15度)の範囲で赤外線信号の受信が可能な赤外線受信部12は、筐体10が水平に設置された状態において、約15度上向きの方向に対して±約15度の範囲(水平面から上方側に約30度の範囲)で赤外線信号を受信することが可能となる。また、基板15には、赤外線受信部12の後方側(矢印B方向側)に電子部品15a、15bおよび15cが設置されている。また、図2および図3に示すように、基板15は、台座16に配置される基板台17によって支持されている。また、台座16の上面の基板台17の後方側(矢印B方向側)には、脚部18(図2参照)を介して基板13が設置されている。
【0027】
また、図2に示すように、印画部19は、金属製のシャーシ20によって底部および側部を覆われるとともに、インクシート21aが収納されたインクシートカートリッジ21を装着可能に構成されている。また、印画部19は、印画を行うための印字ヘッド部22と、印字ヘッド部22に対向するように配置されたプラテンローラ23aと、金属製の送りローラ23bと、所定の押圧力で送りローラ23bを押圧する金属製の押さえローラ23cと、ゴム製の給紙ローラ23dと、ゴム製の排紙ローラ23eと、樹脂製の下部用紙ガイド24aと、樹脂製の上部用紙ガイド24bと、インクシートカートリッジ21を支持するインクシートカートリッジ支持部25と、メイン基板26と、天板27とを含むように構成されている。
【0028】
また、図2に示すように、シャーシ20は、底面20aと、図1の矢印C方向側に図示しない一方側面と、矢印D方向側に他方側面20bとによって形成されている。また、一方側面(図示せず)の上端部および他方側面20bの上端部には、それぞれ、メイン基板26を取り付けるための取付部20cが2つずつ形成されている。また、取付部20cには、メイン基板26を固定するためのネジ28aが螺合されるネジ孔20dが形成されている。また、インクシートカートリッジ21は、インクシート21aを巻き取る巻取り部21bと、インクシート21aを供給する供給部21cとを含むように構成されている。また、インクシートカートリッジ21の巻取り部21bおよび供給部21cは、それぞれ、巻取りボビン21dおよび供給ボビン21eを有する。また、メイン基板26は、天板27を介してシャーシ20の取付部20cに取り付けられている。具体的には、メイン基板26は、メイン基板26に設けられた4つの孔26aおよび天板27に設けられた4つの孔27aに通された4つのネジ28aをシャーシ20の取付部20cのネジ穴20dに締め付けることによって固定されている。また、メイン基板26の上面には、筐体上面10aに設けられた開口部10gに対向する位置に、台座16が2つのネジ28bによって取り付けられている。これによって、4つの表示用LED11、スイッチ部14および赤外線受信部12は、開口部10gに対向する位置に配置される。
【0029】
ここで、本実施形態では、図4および図5に示すように、電源ボタン30(図1参照)は、蓋部材31と、導光部材32と、ボタン支持部33とによって構成され、図2に示すように、筐体上面10aの開口部10gに取り付けられている。また、蓋部材31は、ドーム形状を有するとともに、可視光線を遮る一方で赤外線を透過することが可能な赤外線フィルタ部材としての機能を有している。
【0030】
また、本実施形態では、図5に示すように、導光部材32は、円周状の発光面32a(図9参照)と、4つの表示用LED11から出射される光を円周状の発光面32aに導く円周状の導光部32bと、円周状の導光部32bの内側に一体的に形成された円形状のドーム部32cとによって構成されているとともに、表示用LED11および赤外線受信部12を覆うように配置されている。また、ドーム部32cは、導光部32bと同様に導光機能を有している。
【0031】
また、図5に示すように、蓋部材31の上面側には、たとえば、赤外線受信部12であることを示す印としてプリント部31aが印刷されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図6〜図8に示すように、蓋部材31の下面側には、発光面32aに導かれる表示用LED11の光量を調整するためのリブ状の壁部31bが設けられている。また、壁部31bは蓋部材31に一体的に設けられているとともに、後述する導光部材32のドーム部32cに設けられた挿入穴部32dに挿入されるように構成されている。
【0033】
また、本実施形態では、図5に示すように、ドーム部32cには、蓋部材31の壁部31bを挿入するための挿入穴部32dと、携帯電話60(図1参照)から送信された赤外線信号が蓋部材31およびドーム部32cを通過して赤外線受信部12に受信されるように通過穴部32eが設けられている。なお、挿入穴部32dは、本発明の「第1穴部」の一例である。また、通過穴部32eは、本発明の「第2穴部」の一例である。
【0034】
また、本実施形態では、図10に示すように、蓋部材31の壁部31bは、導光部材32の円周状の発光面32a(図9参照)に沿って円弧状に形成されている。具体的には、図7および図10に示すように、蓋部材31と導光部材32(ドーム部32c)とは、それぞれ中心線X1および中心線X2が交差する中心点(中心部)Xを中心とする円周状に形成されており、互いに中心位置を等しくしている。そして、壁部31bは、蓋部材31の中心点(中心部)Xを中心として180度未満の所定の角度αになるように円弧状に形成されている。
【0035】
また、本実施形態では、図8および図11に示すように、壁部31bは、ドーム部32cの挿入穴部32dから下方に突出するように形成されている。また、壁部31bは、壁部31bの円弧状の角度αおよび長さL1(図7参照)を調整することにより表示用LED11の光を調整することができるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態では、図10に示すように、ドーム部32cの挿入穴部32dは、円弧状に形成された壁部31bと対応する円弧状の長穴形状に形成されている。
【0037】
また、図9に示すように、挿入穴部32dの幅Wは、実質的に均一に形成されている。また、挿入穴部32dの矢印C方向および矢印D方向における長さL1は、通過穴部32eの矢印C方向および矢印D方向における長さL2よりも大きくなるように構成されている。
【0038】
ここで、本実施形態では、図6、図7および図9に示すように、蓋部材31の壁部31bの両端に、ドーム部32cの挿入穴部32dの両端の内径(図9の幅W)と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部31cが設けられている。
【0039】
また、図11に示すように、導光部材32は、筐体上面10aの傾斜に沿って、前方側(矢印A方向側)が下がるように、水平面に対してβの角度で傾斜して形成されている。
【0040】
また、図12に示すように、4つの表示用LED11は、スイッチ部14の矢印C方向および矢印D方向側に2つずつ配置されるとともに、4つの表示用LED11の中心部がスイッチ部14(の中心点)になるように配置され、中心線Y1および中心線X2からなるスイッチ部14の中心点(中心部)Yはドーム部32cの中心点Xに対して壁部31b側(矢印B方向側)に配置されている。すなわち、4つの表示用LED11の中心部およびスイッチ部14は、ドーム部32cの中心位置(中心点X)より壁部31b側に配置されている。
【0041】
また、図13に示すように、導光部材32の発光面32aおよび導光部32bには、光を拡散させる微細な凹凸形状を形成するシボ加工を施されており、光が拡散した状態で発光して発光面32aを均一に光らせることが可能なように構成されている。
【0042】
また、図11に示すように、ドーム部32cには、電源ボタン30(図1参照)が押圧される際に、スイッチ部14(図3参照)を押圧するためのスイッチ押圧部32fが、スイッチ部14に対向する位置に設けられている。また、ドーム部32cの外側表面32gには、表示用LED11から出射し、ドーム部32cの内部に入射した光が、外側表面32gから出射するのを抑制するために、光を反射させる機能を有する白い塗装からなる反射層34が形成されている。
【0043】
また、図5、図11および図14に示すように、ボタン支持部33は、筐体上面10aの突起部10h(図11参照)に取り付けるための取付部33aと、導光部32bの外側側面と接するように内周面33bが形成されるリング部33cと、取付部33aとリング部33cとを繋ぐアーム部33dとによって構成されている。また、取付部33aは、突起部10hに挿入(圧入)可能な挿入孔33eを有する。また、取付部33aは、挿入孔33eに突起部10hが軽圧入されることによって、上部が筐体上面10aに取り付けられるとともに、下面が天板27の上面に接するように構成されていることにより、ボタン支持部33の取付部33aは固定されている。また、リング部33cは、内周面33bの下部に導光部材32が抜け落ちるのを防止するL字形状の受部33fを有する。また、図5に示すように、リング部33cに蓋部材31が取り付けられた導光部材32が矢印E方向に挿入されて電源ボタン30が組み立てられるように構成されている。また、アーム部33dは、一方端部が取付部33aの上端に固定されるとともに、他方端部がリング部33cの下面に固定されている。つまり、組み立てられた電源ボタン30は、固定された取付部33aから伸びるアーム部33dによって支持されている。具体的には、図11に示すように、ボタン支持部33の取り付部33aが固定された電源ボタン30は、矢印E方向の押圧力Pに対して、アーム部33dが、アーム部33dの取付部33a側の一方端部を支点として撓むことによって、押圧方向(矢印E方向)に移動可能に支持されている。これによって、電源ボタン30が、矢印E方向に押圧されると、アーム部33dが取付部33a側の一方端部を支点として撓むので、導光部材32に設けられたスイッチ押圧部32fは、押圧方向に移動され、スイッチ部14が押圧される。また、押圧力Pが解除されると、撓み変形されたアーム部33dの上方への付勢力によって上方に移動されて、電源ボタン30は元の位置に復帰される。
【0044】
図15および図16は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための断面図および平面図である。次に、図9、図12、図15および図16を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ1の表示用LED11から出射された光の通過経路を説明する。
【0045】
図15および図16に示すように、表示用LED11から出射した光は、導光部材32のドーム部32cの内側表面および導光部32bの内周側面に照射される。ドーム部32cの内側表面に照射され、ドーム部32cの内部に入射した光は、外側表面32gの反射層34によって反射される。反射した光は、内側表面および外側表面32gで反射を繰り返しながら、ドーム部32cの内部を通って発光面32aに到達する。また、導光部32bの内周側面に照射され、導光部32bの内部に入射した光は、導光部32bの下面、外周側面および内周側面で反射を繰り返しながら、導光部32bの内部を通って発光面32aに到達する。
【0046】
ここで、上述したように、4つの表示用LED11の中心部は、蓋部材31および導光部材32の中心線X1(図12参照)に対して壁部31b側(矢印B方向側)に配置されているので、壁部31b側(矢印B方向側)の部分には、表示用LED11から出射された光が到達しやすい。その一方、赤外線受信部12が、蓋部材31および導光部材32の中心線X1(図12参照)に対して壁部31bとは反対側(矢印A方向側)に配置されているので、赤外線受信部12が光の通路に対しての障害物となり、壁部31bとは反対側(矢印A方向側)の部分には、表示用LED11から出射された光が到達しにくい。すなわち、ドーム部32cの矢印B方向側の部分は、矢印A方向側の部分に比べて光が到達されやすいので、円周状の発光面32aの矢印B方向側の部分は、矢印A方向側の部分に比べて明るく光りやすくなる。
【0047】
また、ドーム部32cの矢印B方向側の部分には、挿入穴部32dが形成されているとともに、蓋部材31の壁部31bが挿入穴部32dに挿入されているために、ドーム部32cの内部を壁部31bに向かって通過する光は、挿入穴部32dに到達した際に挿入穴部32dから出射されるとともに、壁部31bにより遮断されて導光部32bおよび発光面32aには到達しない。さらに本実施形態では、壁部31bの矢印C方向および矢印D方向の長さL1(図9参照)は、長さL2(図9参照)に比べて大きくなるように構成されており、ドーム部32cの矢印B方向側を通過して導光部32bおよび発光面32aに到達する光とドーム部32cの矢印A方向側を通過して導光部32bおよび発光面32aに到達する光とは同程度の明るさになる。すなわち、本実施形態では、蓋部材31の壁部31bによりドーム部32c内を通過する光が調整された状態で発光面32aに導かれることによって、発光面32aがムラなく光る。
【0048】
本実施形態では、上記のように、表示用LED11を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部32cを、挿入穴部32dを含むように構成するとともに、導光部材32のドーム部32cを覆うように設けられた蓋部材31を、ドーム部32cの挿入穴部32dに挿入され、周状の発光面32aに導かれる表示用LED11から出射された光を調整する壁部31bを含むように構成することによって、ドーム部32c内を通過する表示用LED11からの光を壁部31bにより調整した状態で周状の発光面32aに導くことができるので、表示用LED11を導光部材32の発光面32aの中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面32aをムラなく光らせることができる。
【0049】
また、本実施形態では、周状の発光面32aを、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材31の壁部31bを、円周状の発光面32aに沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部32cの挿入穴部32dから下方に突出するように形成することによって、円周状の発光面32aに沿って壁部31bを配置することができるので、ドーム部32c内から挿入穴部32dを介して出射された表示用LED11の光を確実に調整した状態で円周状の発光面32aに導くことができる。
【0050】
また、本実施形態では、ドーム部32cの挿入穴部32dを、円弧状の壁部31bと対応する円弧状の長穴形状を有することによって、ドーム部32cの挿入穴部32dの形状と壁部31bの形状とが対応しているので、容易に蓋部材31の壁部31bをドーム部32cの挿入穴部32dに挿入することができる。
【0051】
また、本実施形態では、壁部31bの両端に、ドーム部32cの挿入穴部32dの両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部31cを設けることによって、壁部31bが挿入穴部32dに挿入された際に壁部31bの両端の位置決め部31cがドーム部32cの挿入穴部32dの両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部32cに対する蓋部材31の位置を容易に保持することができる。したがって、容易に蓋部材31のプリント部31aの位置決めを行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、ドーム部32cに、通過穴部32eを設けるとともに、蓋部材31を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部32cにより覆われる領域に表示用LED11と隣接するように赤外線受信部12を設けることによって、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材31を透過しない一方で、赤外線は蓋部材31を透過するとともに通過穴部32eを通過して赤外線受信部12に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、壁部31bを、蓋部材31に一体的に形成することによって、導光部材32の発光面32aをムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのをさらに抑制することができる。
【0054】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例としての昇華型プリンタに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置であれば、昇華型プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0056】
また、上記実施形態では、蓋部材の壁部を導光部材の発光面に沿って円弧状に形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、円弧状以外の形状に形成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、表示用LEDが円周状の導光部材の中心点Xに対して蓋部材の壁部側に配置される例を示したが、本発明はこれに限らず、表示用LEDを、導光部材の中心点に位置するように配置してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、赤外線通信が可能な機器として携帯電話を示したが、本発明はこれに限らず、赤外線通信が可能な機器であれば、携帯電話以外の他の機器を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの断面図である。
【図3】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LED周辺を示す平面図である。
【図4】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す斜視図である。
【図5】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図6】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の斜視図である。
【図7】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の平面図である。
【図8】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の側面図である。
【図9】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける導光部材の平面図である。
【図10】図9に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける導光部材に蓋部材を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す断面図である。
【図12】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す平面図である。
【図13】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの導光部の微細な凹凸形状を示す拡大断面図である。
【図14】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタのボタン支持部を示す平面図である。
【図15】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための断面図である。
【図16】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 昇華型プリンタ(画像形成装置)
11 表示用LED(発光素子部)
12 赤外線受信部
31 蓋部材
31b 壁部
31c 位置決め部
32 導光部材
32a 発光面
32b 導光部
32c ドーム部
32d 挿入穴部
32e 通過穴部
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示用の光を出射する発光素子部を有するスイッチおよび操作機構(たとえば、特許文献1〜4参照)、またはそのようなスイッチおよび操作機構を含む画像形成装置が知られている。
【0003】
上記特許文献1には、天面にイルミネーション部(発光面)を含むキートップ(スイッチ部)と、キートップを下部から支持する支持軸を含む揺動体と、揺動体の下部に配置された発光ダイオードとを備えた光検知型スイッチが開示されている。この特許文献1に記載の光検知型スイッチでは、キートップのイルミネーション部と揺動体の支持軸と発光ダイオードとが同一軸線上に配置されており、発光ダイオードから出射された光が支持軸の内側に形成された導光用貫通孔を通過してキートップのイルミネーション部を光らせることが可能である。
【0004】
上記特許文献2には、操作子(スイッチ部)と、操作子の下部に配置されたタクト板(可動接点)と、タクト板の下部に配置されたコモン接片(固定接点)と、タクト板およびコモン接片を収容する収容部と、発光部材とを備えた照光式押釦スイッチ装置が開示されている。この特許文献2に記載の照光式押釦スイッチ装置では、操作子と、収容部に収容されているタクト板およびコモン接片と、発光部材とが同一軸線上に配置されており、発光部材から出射された光がタクト板とコモン接片と収容部とのそれぞれに設けられた開口部を通過して操作子を光らせることが可能である。
【0005】
上記特許文献3には、内部中央に発光素子を含む発光ボタンと、発光ボタンの下部に配置された可動接点と、発光ボタンを覆うようにして設けられた透光性フィルムとを備えた照光式プッシュスイッチが開示されている。この特許文献3に記載の照光式プッシュスイッチでは、発光ボタン内部の発光素子から上側に出射された光と下側に出射されて可動接点により上側に反射した光とによって透光性フィルタの上側を光らせることが可能である。
【0006】
上記特許文献4には、上側面が半球状に形成された操作部と、操作部の下側に配置されたLEDとを備えた操作部機構が開示されている。この特許文献4に記載の操作部機構では、LEDが操作部の下側面の中心部に対向する位置に配置されているとともに、操作部の下側面とLEDとの距離が一定になるように操作部の下側面が球面状に形成されていることによって、LEDから出射される光は操作部の下側面で屈折することなく透過して上側面をムラなく光らせるように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開平08−241658号公報
【特許文献2】特開2003−257271号公報
【特許文献3】特開平05−041135号公報
【特許文献4】特開2001−273093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の種々のスイッチやボタンでは、スイッチ部の発光面をムラなく光らせるためにスイッチ部の発光面の中心部に対向する位置に発光素子部を配置しており、スイッチ部の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に発光素子部を配置した場合、スイッチ部の発光面をムラなく光らせるのが困難であるという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献4に記載の操作部機構では、半球状に形成された操作部の上側面をムラなく光らせるために、操作部の下側面の中心部に対向する位置にLEDを配置しており、操作部の下側面の中心部に対向する位置からずれた位置にLEDを配置した場合、操作部の上側面をムラなく光らせるのが困難であるという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、発光素子部が発光面の中心部からずれた位置に配置される場合にも発光面をムラなく光らせることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
この発明の第1の局面による画像形成装置は、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置において、発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、発光素子部から出射される光を発光面に導く周状の導光部と、周状の導光部の内側に、導光部と連続するとともに、発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材と、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部とをさらに備え、ドーム部は第1穴部と第2穴部とを含み、蓋部材は、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含み、周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、蓋部材の壁部は、円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成され、ドーム部の第1穴部は、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有し、壁部は、壁部の両端に設けられ、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含み、蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、壁部は、蓋部材に一体的に形成されている。
【0012】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、表示用の発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部を、第1穴部を含むように構成するとともに、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材を、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含むように構成することによって、ドーム部内を通過する発光素子部からの光を壁部により調整した状態で周状の発光面に導くことができるので、発光素子部を導光部材の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面をムラなく光らせることができる。
【0013】
また、第1の局面による画像形成装置では、周状の発光面を、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材の壁部を、円周状の発光面に沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成することによって、円周状の発光面に沿って壁部を配置することができるので、ドーム部内から第1穴部を介して出射された発光素子部の光を確実に調整した状態で円周状の発光面に導くことができる。また、ドーム部の第1穴部を、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有するように構成することによって、ドーム部の第1穴部の形状と壁部の形状とが対応しているので、容易に蓋部材の壁部をドーム部の第1穴部に挿入することができる。また、壁部の両端に、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を設けることによって、壁部が第1穴部に挿入された際に壁部の両端の位置決め部がドーム部の第1穴部の両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部に対する蓋部材の位置を容易に保持することができる。また、ドーム部に、第2穴部を設けるとともに、蓋部材を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように赤外線受信部を設けることによって、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材を透過しない一方で、赤外線は蓋部材を透過するとともに第2穴部を通過して赤外線受信部に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、壁部を、蓋部材に一体的に形成することによって、導光部材の発光面をムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、表示用の光を出射する発光素子部と、発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、発光素子部から出射される光を発光面に導く周状の導光部と、周状の導光部の内側に、導光部と連続するとともに、発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材とを備え、ドーム部は第1穴部を含み、蓋部材は、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含む。
【0015】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、表示用の発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部を第1穴部を含むように構成するとともに、導光部材のドーム部を覆うように設けられた蓋部材を、ドーム部の第1穴部に挿入され、周状の発光面に導かれる発光素子部から出射された光を調整する壁部を含むように構成することによって、ドーム部内を通過する発光素子部からの光を壁部により調整した状態で周状の発光面に導くことができるので、発光素子部を導光部材の発光面の中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面をムラなく光らせることができる。
【0016】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、周状の発光面を、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材の壁部を、円周状の発光面に沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成する。このように構成すれば、円周状の発光面に沿って壁部を配置することができるので、ドーム部内から第1穴部を介して出射された発光素子部の光を確実に調整した状態で円周状の発光面に導くことができる。
【0017】
この場合、好ましくは、ドーム部の第1穴部を、円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有する。このように構成すれば、ドーム部の第1穴部の形状と壁部の形状とが対応しているので、容易に蓋部材の壁部をドーム部の第1穴部に挿入することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、壁部の両端に、ドーム部の第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を設ける。このように構成すれば、壁部が第1穴部に挿入された際に壁部の両端の位置決め部がドーム部の第1穴部の両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部に対する蓋部材の位置を容易に保持することができる。
【0019】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、ドーム部に、第2穴部を設けるとともに、蓋部材を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部により覆われる領域に発光素子部と隣接するように赤外線受信部を設ける。このように構成すれば、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材を透過しない一方で、赤外線は蓋部材を透過するとともに第2穴部を通過して赤外線受信部に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、壁部を、蓋部材に一体的に形成する。このように構成すれば、導光部材の発光面をムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2〜図14は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの詳細を示す図である。まず、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ1の構造について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である昇華型プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0023】
本実施形態による昇華型プリンタ1は、図1および図2に示すように、筐体10と、後述する筐体10の内部に収納される印画部19(図2参照)と、筐体上面10aに配置される電源ボタン30とを備えている。筐体10の矢印A方向の筐体前面10bには、用紙40が収納される用紙カセット50が着脱可能に装着されている。なお、本実施形態では、昇華型プリンタ1と赤外線通信が可能な機器として、カメラ機能を有する携帯電話60を想定している。
【0024】
また、図1に示すように、筐体10は、上述の筐体上面10a、矢印A方向の筐体前面10bに加えて、矢印B方向の筐体背面10c、筐体下面10d、矢印C方向の筐体側面10eおよび矢印D方向の筐体側面10fによって構成されている。また、図2に示すように、筐体上面10aは、水平面に対して傾斜するように形成されるとともに、傾斜面に電源ボタン30を取り付けるための開口部10gを有する。また、筐体上面10aには、開口部10gの前方側(矢印A方向側)の内側面に、電源ボタン30を取り付けるための突起部10hが一体的に設けられている。また、筐体前面10bには、用紙カセット50(図1参照)を取り付けるための用紙カセット取付口10iが設けられている。
【0025】
ここで、本実施形態では、図2および図3に示すように、筐体10の内部の印画部19の上方に、表示用の光を出射する4つの表示用LED11が設けられているとともに、表示用LED11と隣接する位置に赤外線信号を受信可能な赤外線受信部12が配置されている。なお、表示用LED11は、本発明の「発光素子部」の一例である。
【0026】
また、赤外線受信部12は、約30度(±約15度)の範囲で携帯電話60(図1参照)から赤外線信号を受信可能なように構成されている。また、4つの表示用LED11は、図2および図3に示すように、水平に設置された基板13に配置されている。また、基板13には、4つの表示用LED11に取り囲まれる位置にスイッチ部14が配置されるとともに、4つの表示用LED11の矢印C方向側および矢印D方向側にそれぞれ電子部品13aおよび13bが配置されている。また、赤外線受信部12は、図2に示すように、水平方向に対して約15度上向きの方向(矢印U方向)に設置された基板15に配置されている。これによって、約30度(±約15度)の範囲で赤外線信号の受信が可能な赤外線受信部12は、筐体10が水平に設置された状態において、約15度上向きの方向に対して±約15度の範囲(水平面から上方側に約30度の範囲)で赤外線信号を受信することが可能となる。また、基板15には、赤外線受信部12の後方側(矢印B方向側)に電子部品15a、15bおよび15cが設置されている。また、図2および図3に示すように、基板15は、台座16に配置される基板台17によって支持されている。また、台座16の上面の基板台17の後方側(矢印B方向側)には、脚部18(図2参照)を介して基板13が設置されている。
【0027】
また、図2に示すように、印画部19は、金属製のシャーシ20によって底部および側部を覆われるとともに、インクシート21aが収納されたインクシートカートリッジ21を装着可能に構成されている。また、印画部19は、印画を行うための印字ヘッド部22と、印字ヘッド部22に対向するように配置されたプラテンローラ23aと、金属製の送りローラ23bと、所定の押圧力で送りローラ23bを押圧する金属製の押さえローラ23cと、ゴム製の給紙ローラ23dと、ゴム製の排紙ローラ23eと、樹脂製の下部用紙ガイド24aと、樹脂製の上部用紙ガイド24bと、インクシートカートリッジ21を支持するインクシートカートリッジ支持部25と、メイン基板26と、天板27とを含むように構成されている。
【0028】
また、図2に示すように、シャーシ20は、底面20aと、図1の矢印C方向側に図示しない一方側面と、矢印D方向側に他方側面20bとによって形成されている。また、一方側面(図示せず)の上端部および他方側面20bの上端部には、それぞれ、メイン基板26を取り付けるための取付部20cが2つずつ形成されている。また、取付部20cには、メイン基板26を固定するためのネジ28aが螺合されるネジ孔20dが形成されている。また、インクシートカートリッジ21は、インクシート21aを巻き取る巻取り部21bと、インクシート21aを供給する供給部21cとを含むように構成されている。また、インクシートカートリッジ21の巻取り部21bおよび供給部21cは、それぞれ、巻取りボビン21dおよび供給ボビン21eを有する。また、メイン基板26は、天板27を介してシャーシ20の取付部20cに取り付けられている。具体的には、メイン基板26は、メイン基板26に設けられた4つの孔26aおよび天板27に設けられた4つの孔27aに通された4つのネジ28aをシャーシ20の取付部20cのネジ穴20dに締め付けることによって固定されている。また、メイン基板26の上面には、筐体上面10aに設けられた開口部10gに対向する位置に、台座16が2つのネジ28bによって取り付けられている。これによって、4つの表示用LED11、スイッチ部14および赤外線受信部12は、開口部10gに対向する位置に配置される。
【0029】
ここで、本実施形態では、図4および図5に示すように、電源ボタン30(図1参照)は、蓋部材31と、導光部材32と、ボタン支持部33とによって構成され、図2に示すように、筐体上面10aの開口部10gに取り付けられている。また、蓋部材31は、ドーム形状を有するとともに、可視光線を遮る一方で赤外線を透過することが可能な赤外線フィルタ部材としての機能を有している。
【0030】
また、本実施形態では、図5に示すように、導光部材32は、円周状の発光面32a(図9参照)と、4つの表示用LED11から出射される光を円周状の発光面32aに導く円周状の導光部32bと、円周状の導光部32bの内側に一体的に形成された円形状のドーム部32cとによって構成されているとともに、表示用LED11および赤外線受信部12を覆うように配置されている。また、ドーム部32cは、導光部32bと同様に導光機能を有している。
【0031】
また、図5に示すように、蓋部材31の上面側には、たとえば、赤外線受信部12であることを示す印としてプリント部31aが印刷されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図6〜図8に示すように、蓋部材31の下面側には、発光面32aに導かれる表示用LED11の光量を調整するためのリブ状の壁部31bが設けられている。また、壁部31bは蓋部材31に一体的に設けられているとともに、後述する導光部材32のドーム部32cに設けられた挿入穴部32dに挿入されるように構成されている。
【0033】
また、本実施形態では、図5に示すように、ドーム部32cには、蓋部材31の壁部31bを挿入するための挿入穴部32dと、携帯電話60(図1参照)から送信された赤外線信号が蓋部材31およびドーム部32cを通過して赤外線受信部12に受信されるように通過穴部32eが設けられている。なお、挿入穴部32dは、本発明の「第1穴部」の一例である。また、通過穴部32eは、本発明の「第2穴部」の一例である。
【0034】
また、本実施形態では、図10に示すように、蓋部材31の壁部31bは、導光部材32の円周状の発光面32a(図9参照)に沿って円弧状に形成されている。具体的には、図7および図10に示すように、蓋部材31と導光部材32(ドーム部32c)とは、それぞれ中心線X1および中心線X2が交差する中心点(中心部)Xを中心とする円周状に形成されており、互いに中心位置を等しくしている。そして、壁部31bは、蓋部材31の中心点(中心部)Xを中心として180度未満の所定の角度αになるように円弧状に形成されている。
【0035】
また、本実施形態では、図8および図11に示すように、壁部31bは、ドーム部32cの挿入穴部32dから下方に突出するように形成されている。また、壁部31bは、壁部31bの円弧状の角度αおよび長さL1(図7参照)を調整することにより表示用LED11の光を調整することができるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態では、図10に示すように、ドーム部32cの挿入穴部32dは、円弧状に形成された壁部31bと対応する円弧状の長穴形状に形成されている。
【0037】
また、図9に示すように、挿入穴部32dの幅Wは、実質的に均一に形成されている。また、挿入穴部32dの矢印C方向および矢印D方向における長さL1は、通過穴部32eの矢印C方向および矢印D方向における長さL2よりも大きくなるように構成されている。
【0038】
ここで、本実施形態では、図6、図7および図9に示すように、蓋部材31の壁部31bの両端に、ドーム部32cの挿入穴部32dの両端の内径(図9の幅W)と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部31cが設けられている。
【0039】
また、図11に示すように、導光部材32は、筐体上面10aの傾斜に沿って、前方側(矢印A方向側)が下がるように、水平面に対してβの角度で傾斜して形成されている。
【0040】
また、図12に示すように、4つの表示用LED11は、スイッチ部14の矢印C方向および矢印D方向側に2つずつ配置されるとともに、4つの表示用LED11の中心部がスイッチ部14(の中心点)になるように配置され、中心線Y1および中心線X2からなるスイッチ部14の中心点(中心部)Yはドーム部32cの中心点Xに対して壁部31b側(矢印B方向側)に配置されている。すなわち、4つの表示用LED11の中心部およびスイッチ部14は、ドーム部32cの中心位置(中心点X)より壁部31b側に配置されている。
【0041】
また、図13に示すように、導光部材32の発光面32aおよび導光部32bには、光を拡散させる微細な凹凸形状を形成するシボ加工を施されており、光が拡散した状態で発光して発光面32aを均一に光らせることが可能なように構成されている。
【0042】
また、図11に示すように、ドーム部32cには、電源ボタン30(図1参照)が押圧される際に、スイッチ部14(図3参照)を押圧するためのスイッチ押圧部32fが、スイッチ部14に対向する位置に設けられている。また、ドーム部32cの外側表面32gには、表示用LED11から出射し、ドーム部32cの内部に入射した光が、外側表面32gから出射するのを抑制するために、光を反射させる機能を有する白い塗装からなる反射層34が形成されている。
【0043】
また、図5、図11および図14に示すように、ボタン支持部33は、筐体上面10aの突起部10h(図11参照)に取り付けるための取付部33aと、導光部32bの外側側面と接するように内周面33bが形成されるリング部33cと、取付部33aとリング部33cとを繋ぐアーム部33dとによって構成されている。また、取付部33aは、突起部10hに挿入(圧入)可能な挿入孔33eを有する。また、取付部33aは、挿入孔33eに突起部10hが軽圧入されることによって、上部が筐体上面10aに取り付けられるとともに、下面が天板27の上面に接するように構成されていることにより、ボタン支持部33の取付部33aは固定されている。また、リング部33cは、内周面33bの下部に導光部材32が抜け落ちるのを防止するL字形状の受部33fを有する。また、図5に示すように、リング部33cに蓋部材31が取り付けられた導光部材32が矢印E方向に挿入されて電源ボタン30が組み立てられるように構成されている。また、アーム部33dは、一方端部が取付部33aの上端に固定されるとともに、他方端部がリング部33cの下面に固定されている。つまり、組み立てられた電源ボタン30は、固定された取付部33aから伸びるアーム部33dによって支持されている。具体的には、図11に示すように、ボタン支持部33の取り付部33aが固定された電源ボタン30は、矢印E方向の押圧力Pに対して、アーム部33dが、アーム部33dの取付部33a側の一方端部を支点として撓むことによって、押圧方向(矢印E方向)に移動可能に支持されている。これによって、電源ボタン30が、矢印E方向に押圧されると、アーム部33dが取付部33a側の一方端部を支点として撓むので、導光部材32に設けられたスイッチ押圧部32fは、押圧方向に移動され、スイッチ部14が押圧される。また、押圧力Pが解除されると、撓み変形されたアーム部33dの上方への付勢力によって上方に移動されて、電源ボタン30は元の位置に復帰される。
【0044】
図15および図16は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための断面図および平面図である。次に、図9、図12、図15および図16を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ1の表示用LED11から出射された光の通過経路を説明する。
【0045】
図15および図16に示すように、表示用LED11から出射した光は、導光部材32のドーム部32cの内側表面および導光部32bの内周側面に照射される。ドーム部32cの内側表面に照射され、ドーム部32cの内部に入射した光は、外側表面32gの反射層34によって反射される。反射した光は、内側表面および外側表面32gで反射を繰り返しながら、ドーム部32cの内部を通って発光面32aに到達する。また、導光部32bの内周側面に照射され、導光部32bの内部に入射した光は、導光部32bの下面、外周側面および内周側面で反射を繰り返しながら、導光部32bの内部を通って発光面32aに到達する。
【0046】
ここで、上述したように、4つの表示用LED11の中心部は、蓋部材31および導光部材32の中心線X1(図12参照)に対して壁部31b側(矢印B方向側)に配置されているので、壁部31b側(矢印B方向側)の部分には、表示用LED11から出射された光が到達しやすい。その一方、赤外線受信部12が、蓋部材31および導光部材32の中心線X1(図12参照)に対して壁部31bとは反対側(矢印A方向側)に配置されているので、赤外線受信部12が光の通路に対しての障害物となり、壁部31bとは反対側(矢印A方向側)の部分には、表示用LED11から出射された光が到達しにくい。すなわち、ドーム部32cの矢印B方向側の部分は、矢印A方向側の部分に比べて光が到達されやすいので、円周状の発光面32aの矢印B方向側の部分は、矢印A方向側の部分に比べて明るく光りやすくなる。
【0047】
また、ドーム部32cの矢印B方向側の部分には、挿入穴部32dが形成されているとともに、蓋部材31の壁部31bが挿入穴部32dに挿入されているために、ドーム部32cの内部を壁部31bに向かって通過する光は、挿入穴部32dに到達した際に挿入穴部32dから出射されるとともに、壁部31bにより遮断されて導光部32bおよび発光面32aには到達しない。さらに本実施形態では、壁部31bの矢印C方向および矢印D方向の長さL1(図9参照)は、長さL2(図9参照)に比べて大きくなるように構成されており、ドーム部32cの矢印B方向側を通過して導光部32bおよび発光面32aに到達する光とドーム部32cの矢印A方向側を通過して導光部32bおよび発光面32aに到達する光とは同程度の明るさになる。すなわち、本実施形態では、蓋部材31の壁部31bによりドーム部32c内を通過する光が調整された状態で発光面32aに導かれることによって、発光面32aがムラなく光る。
【0048】
本実施形態では、上記のように、表示用LED11を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部32cを、挿入穴部32dを含むように構成するとともに、導光部材32のドーム部32cを覆うように設けられた蓋部材31を、ドーム部32cの挿入穴部32dに挿入され、周状の発光面32aに導かれる表示用LED11から出射された光を調整する壁部31bを含むように構成することによって、ドーム部32c内を通過する表示用LED11からの光を壁部31bにより調整した状態で周状の発光面32aに導くことができるので、表示用LED11を導光部材32の発光面32aの中心部に対向する位置からずれた位置に配置する場合にも、発光面32aをムラなく光らせることができる。
【0049】
また、本実施形態では、周状の発光面32aを、平面的に見て円周状に形成するとともに、蓋部材31の壁部31bを、円周状の発光面32aに沿って円弧状に形成し、かつ、ドーム部32cの挿入穴部32dから下方に突出するように形成することによって、円周状の発光面32aに沿って壁部31bを配置することができるので、ドーム部32c内から挿入穴部32dを介して出射された表示用LED11の光を確実に調整した状態で円周状の発光面32aに導くことができる。
【0050】
また、本実施形態では、ドーム部32cの挿入穴部32dを、円弧状の壁部31bと対応する円弧状の長穴形状を有することによって、ドーム部32cの挿入穴部32dの形状と壁部31bの形状とが対応しているので、容易に蓋部材31の壁部31bをドーム部32cの挿入穴部32dに挿入することができる。
【0051】
また、本実施形態では、壁部31bの両端に、ドーム部32cの挿入穴部32dの両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部31cを設けることによって、壁部31bが挿入穴部32dに挿入された際に壁部31bの両端の位置決め部31cがドーム部32cの挿入穴部32dの両端部にそれぞれ配置されるので、ドーム部32cに対する蓋部材31の位置を容易に保持することができる。したがって、容易に蓋部材31のプリント部31aの位置決めを行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、ドーム部32cに、通過穴部32eを設けるとともに、蓋部材31を、赤外線フィルタ部材として機能するように構成し、かつ、ドーム部32cにより覆われる領域に表示用LED11と隣接するように赤外線受信部12を設けることによって、可視光などの赤外線以外の光線は蓋部材31を透過しない一方で、赤外線は蓋部材31を透過するとともに通過穴部32eを通過して赤外線受信部12に到達することができる。したがって、赤外線通信用に別途赤外線フィルタ部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、壁部31bを、蓋部材31に一体的に形成することによって、導光部材32の発光面32aをムラなく光らせるために、別途壁部材を設ける必要がないので、これによっても部品点数が増加するのをさらに抑制することができる。
【0054】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例としての昇華型プリンタに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置であれば、昇華型プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0056】
また、上記実施形態では、蓋部材の壁部を導光部材の発光面に沿って円弧状に形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、円弧状以外の形状に形成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、表示用LEDが円周状の導光部材の中心点Xに対して蓋部材の壁部側に配置される例を示したが、本発明はこれに限らず、表示用LEDを、導光部材の中心点に位置するように配置してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、赤外線通信が可能な機器として携帯電話を示したが、本発明はこれに限らず、赤外線通信が可能な機器であれば、携帯電話以外の他の機器を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの断面図である。
【図3】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LED周辺を示す平面図である。
【図4】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す斜視図である。
【図5】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図6】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の斜視図である。
【図7】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の平面図である。
【図8】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける蓋部材の側面図である。
【図9】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける導光部材の平面図である。
【図10】図9に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタンにおける導光部材に蓋部材を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す断面図である。
【図12】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの電源ボタン周辺を示す平面図である。
【図13】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの導光部の微細な凹凸形状を示す拡大断面図である。
【図14】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタのボタン支持部を示す平面図である。
【図15】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための断面図である。
【図16】図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの表示用LEDから出射された光の通過経路を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 昇華型プリンタ(画像形成装置)
11 表示用LED(発光素子部)
12 赤外線受信部
31 蓋部材
31b 壁部
31c 位置決め部
32 導光部材
32a 発光面
32b 導光部
32c ドーム部
32d 挿入穴部
32e 通過穴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置において、
前記発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、前記発光素子部から出射される光を前記発光面に導く周状の導光部と、前記周状の導光部の内側に、前記導光部と連続するとともに、前記発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、
前記導光部材の前記ドーム部を覆うように設けられた蓋部材と、
前記ドーム部により覆われる領域に前記発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部とをさらに備え、
前記ドーム部は第1穴部と第2穴部とを含み、
前記蓋部材は、前記ドーム部の前記第1穴部に挿入され、前記周状の発光面に導かれる前記発光素子部から出射された光を調整する壁部を含み、
前記周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、
前記蓋部材の前記壁部は、前記円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、前記ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成され、
前記ドーム部の第1穴部は、前記円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有し、
前記壁部は、前記壁部の両端に設けられ、前記ドーム部の前記第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含み、
前記蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、
前記壁部は、前記蓋部材に一体的に形成されている、画像形成装置。
【請求項2】
表示用の光を出射する発光素子部と、
前記発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、前記発光素子部から出射される光を前記発光面に導く周状の導光部と、前記周状の導光部の内側に、前記導光部と連続するとともに、前記発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、
前記導光部材の前記ドーム部を覆うように設けられた蓋部材とを備え、
前記ドーム部は第1穴部を含み、
前記蓋部材は、前記ドーム部の前記第1穴部に挿入され、前記周状の発光面に導かれる前記発光素子部から出射された光を調整する壁部を含む、画像形成装置。
【請求項3】
前記周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、
前記蓋部材の前記壁部は、前記円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、前記ドーム部の前記第1穴部から下方に突出するように形成されている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ドーム部の前記第1穴部は、前記円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記壁部は、前記壁部の両端に設けられ、前記ドーム部の前記第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含む、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドーム部は、第2穴部をさらに含み、
前記蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、
前記ドーム部により覆われる領域に前記発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部をさらに備える、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記壁部は、前記蓋部材に一体的に形成されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
表示用の光を出射する発光素子部を備えた画像形成装置において、
前記発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、前記発光素子部から出射される光を前記発光面に導く周状の導光部と、前記周状の導光部の内側に、前記導光部と連続するとともに、前記発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、
前記導光部材の前記ドーム部を覆うように設けられた蓋部材と、
前記ドーム部により覆われる領域に前記発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部とをさらに備え、
前記ドーム部は第1穴部と第2穴部とを含み、
前記蓋部材は、前記ドーム部の前記第1穴部に挿入され、前記周状の発光面に導かれる前記発光素子部から出射された光を調整する壁部を含み、
前記周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、
前記蓋部材の前記壁部は、前記円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、前記ドーム部の第1穴部から下方に突出するように形成され、
前記ドーム部の第1穴部は、前記円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有し、
前記壁部は、前記壁部の両端に設けられ、前記ドーム部の前記第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含み、
前記蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、
前記壁部は、前記蓋部材に一体的に形成されている、画像形成装置。
【請求項2】
表示用の光を出射する発光素子部と、
前記発光素子部を取り囲むように配置されるとともに、周状の発光面と、前記発光素子部から出射される光を前記発光面に導く周状の導光部と、前記周状の導光部の内側に、前記導光部と連続するとともに、前記発光素子部を覆うように設けられた導光機能を有するドーム部とを含む導光部材と、
前記導光部材の前記ドーム部を覆うように設けられた蓋部材とを備え、
前記ドーム部は第1穴部を含み、
前記蓋部材は、前記ドーム部の前記第1穴部に挿入され、前記周状の発光面に導かれる前記発光素子部から出射された光を調整する壁部を含む、画像形成装置。
【請求項3】
前記周状の発光面は、平面的に見て円周状に形成されており、
前記蓋部材の前記壁部は、前記円周状の発光面に沿って円弧状に形成されているとともに、前記ドーム部の前記第1穴部から下方に突出するように形成されている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ドーム部の前記第1穴部は、前記円弧状の壁部と対応する円弧状の長穴形状を有する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記壁部は、前記壁部の両端に設けられ、前記ドーム部の前記第1穴部の両端の内径と実質的に同じ大きさの外径を有する円柱状の位置決め部を含む、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドーム部は、第2穴部をさらに含み、
前記蓋部材は、赤外線フィルタ部材として機能し、
前記ドーム部により覆われる領域に前記発光素子部と隣接するように設けられた赤外線受信部をさらに備える、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記壁部は、前記蓋部材に一体的に形成されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−173901(P2008−173901A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10825(P2007−10825)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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