説明

画像形成装置

【課題】後処理装置での紙詰りによるジャムの解消作業の作業性を大幅に向上させる。
【解決手段】用紙Pに対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置20と、この本体装置20から送り込まれた印刷済み用紙Pに対し所定の後処理を施す後処理装置30と、この後処理装置30と本体装置20との間に介設された、用紙P間に差し挟まれる合紙P1を給紙する合紙給紙装置40とを備えてなる画像形成装置10において、合紙給紙装置40は、本体装置20からの用紙Pおよび合紙給紙装置40からの合紙P1を後処理装置30へ向けて中継する用紙用搬送路S1と、この用紙用搬送路S1の下流端に設けられた、用紙Pを後処理装置30へ向けて送り込む第3ローラ対434と、用紙用搬送路S1における第3ローラ対434の直上流側に設けられた、本体装置20からの用紙Pの送り込み先を貯留容器50へ切り換える切換手段60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置と、この本体装置から所定の用紙搬送路を介して送り込まれた印刷済みの用紙に対し所定の後処理を施す後処理装置とを備えてなる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているような画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、用紙に対し所定の画像形成処理により印刷処理を施す本体装置と、この本体装置から送り込まれた印刷済みの用紙に対しパンチング処理やステイプル処理等の所定の後処理を施す後処理装置と、この後処理装置と前記本体装置との間に介設された合紙給紙装置(引用文献1ではインサータ)とから構成されている。
【0003】
前記合紙給紙装置は、本体装置から後処理装置に向けて順次送り込まれる先頭の用紙より先や最後の用紙の後、さらには所定の用紙間等に表紙や裏紙さらには別途印刷された別刷り用紙等のいわゆる合い紙(以下合紙という)を供給するものである。かかる合紙給紙装置は、本体装置と後処理装置との間に形成される狭隘な隙間に挟持された挟持部と、この挟持部頂部に形成された合紙給紙部とを備えている。
【0004】
合紙給紙部には、後処理装置側に向いた、合紙の束を載置するための合紙トレイが設けられている。また、挟持部には本体装置と後処理装置との間を結ぶ中継搬送路と、合紙トレイ上の合紙束から1枚ずつ繰り出された合紙を下方に向けて搬送し中継搬送路を介して後処理装置へ送り込むための合紙搬送路とが内装されている。
【0005】
そして、本体装置で順次画像形成処理が施された用紙は、中継搬送路を通って後処理装置へ送り込まれるとともに、合紙トレイからの合紙は、予め設定された順番で合紙搬送路を通って先の用紙と後の用紙との間に割り込むように中継搬送路へ向けて搬送されるようになっている。
【0006】
従って、1ジョブの画像形成処理が完了した後には、所定枚数の用紙と合紙とからなる所定部数の後処理済み用紙束が後処理装置の適所に設けられた排紙トレイへ排出されることになる。
【0007】
このような画像形成装置において、後処理装置には、正規の後処理用に用紙や合紙を搬送する搬送路の他に緊急搬送路と、この緊急搬送路を通った用紙や合紙を受ける緊急排紙トレイ(引用文献1では上段排紙トレイ)とが設けられている。これらの緊急搬送路や緊急トレイは、後処理装置内の後処理を行う部分(具体的にはステイプル処理を行う部分)で紙詰りが発生し、これによって本体装置での画像形成処理および後処理装置での後処理が停止されたとき、すでに合紙搬送路へ送り出された合紙や、すでに中継搬送路に到達している用紙を緊急的に搬送して受けるためのものである。
【0008】
後処理装置でこのような緊急搬送路や緊急トレイ等を用いた緊急処置が採られることにより、すでに合紙トレイを出た合紙や、すでに画像形成処理が施されて中継搬送路に到達した用紙が中継搬送路から緊急トレイへ排出されるため、わざわざ取り除かなくても中継搬送路に用紙や合紙が存在しなくなり、これによって紙詰まりの解消作業を効率的に行うことが可能になる。
【特許文献1】特開2003−280304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に示す画像形成装置においては、後処理装置で紙詰りが発生したとき、後処理装置と本体装置との間の連係が良好でない場合など、すでに中継搬送路に位置していた用紙が緊急トレイに排出され、これによって後処理装置および合紙給紙装置の搬送駆動系が停止しているにも拘わらず、本体装置から印刷済みの用紙が中継搬送路に向けて送り出されることがある。
【0010】
そして、このようなことが起こると、合紙給紙装置の搬送駆動系が停止しているため、本体装置から送り出された用紙は、中継搬送路の手前で蛇腹状に折り畳まれたような状態で詰まってしまい、この詰まった用紙を取り除くために手間がかかることから、紙詰まり解消作業の作業性が低下するという不都合が生じる。特に、処理速度が速い高速機においてかかる不都合の生じる傾向が顕著である。
【0011】
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、後処理装置において紙詰りによるジャムが発生した場合、当該ジャムの解消作業の作業性を大幅に向上させることが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、用紙に対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置と、この本体装置から所定の用紙搬送路を介して送り込まれた用紙に対し所定の後処理を施す後処理装置とを備えてなる画像形成装置において、前記用紙搬送路の下流端に設けられた、前記用紙を前記後処理装置へ向けて送り込む出口ローラと、前記用紙搬送路における前記出口ローラの直上流側に設けられた、前記用紙の送り込み先を切り換える切換手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成によれば、本体装置において所定の画像形成処理により印刷処理が施された用紙あるいは単に本体装置を通過した用紙は、用紙搬送路の下流端に設けられた出口ローラを介して後処理装置へ送り込まれ、当該後処理装置で所定の後処理が施された後に外部へ排出される。
【0014】
そして、用紙搬送路における出口ローラの直上流側に用紙の送り込み先を切り換える切換手段が設けられているため、後処理装置で紙詰まりが発生したような場合、当該切換手段を切り換えて印刷処理済みの送り込み先を後処理装置以外(例えば本体装置のハウジング内の空いている空間)に設定することにより、用紙は、紙詰まりが生じている後処理装置へ送り込まれることがない。
【0015】
従って、本体装置から紙詰まりが生じている後処理装置に用紙が送り込まれることにより、当該用紙が折り重なって紙詰まりをさらに助長し、紙詰まりの解消作業が困難になるような不都合の発生が有効に防止される。
【0016】
請求項2記載の発明は、第1の用紙に対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置と、第2の用紙を給紙する給紙装置と、前記本体装置および/または前記給紙装置から送り込まれた前記第1および第2の用紙に対し所定の後処理を施す後処理装置とを備え、前記後処理装置と前記本体装置との間に前記給紙装置が介設された画像形成装置において、前記給紙装置は、前記第1および第2の用紙を前前記後処理装置へ向けて中継する中継搬送路と、前記中継搬送路の下流端に設けられた、前記第1および第2の用紙を前記後処理装置へ向けて送り込む中継ローラと、前記中継搬送路における前記中継ローラの直上流側に設けられた、前記第1および第2の用紙の内の少なくとも前記本体装置からの第1の用紙の送り込み先を切り換える切換手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0017】
かかる構成によれば、切り換え手段が本体装置からの第1の用紙を対象として設けられている場合、本体装置において所定の画像形成処理により印刷処理が施された第1の用紙は、用紙搬送路の下流端に設けられた中継ローラを介し合紙給紙装置の中継搬送路を通って後処理装置へ送り込まれ、当該後処理装置で所定の後処理が施された後に外部へ排出される。
【0018】
そして、中継搬送路における中継ローラの直上流側に用紙の送り込み先を切り換える切換手段が設けられているため、後処理装置で紙詰まりが発生したような場合、当該切換手段を切り換えて印刷処理済みの送り込み先を後処理装置以外(例えば合紙給紙装置のハウジング内の空いている空間)に設定することにより、用紙は、紙詰まりが生じている後処理装置へ送り込まれることがない。
【0019】
また、切り換え手段が第1の用紙および給紙手段からの第2の用紙の双方を対象として設けられている場合、後処理装置で紙詰りが発生したとき、双方の用紙が紙詰まりの発生している後処理装置へ送り込まれることがない。
【0020】
従って、本体装置あるいは給紙装置から紙詰まりが生じている後処理装置へ向けて用紙が送り込まれることにより、当該用紙が折り重なって紙詰まりをさらに助長して紙詰まりの解消作業が困難になるような不都合の発生が有効に防止される。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記給紙装置は、前記第1の用紙間に差し挟まれる前記第2の用紙としての合紙を給紙する合紙給紙装置であることを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成によれば、本体装置から後処理装置へ向けて順次送り込まれる第1の用紙の予め設定された頁間あるいは第1頁の先もしくは最終頁の後に合紙給紙装置からの合紙が供給され、これによって本体装置で転写処理が施された一連の印刷済み用紙からなる印刷物が所定の体裁を整えた冊子になる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記切換手段によって前記本体装置から前記後処理装置へ向かわないように搬送先が切り換えられた用紙が排紙される排紙部を備えていることを特徴とするものである。
【0024】
かかる構成によれば、切換手段により搬送先が切り換えられた本体装置からの用紙は、排紙部に向かわせられて当該排紙部に回収されるため、送り込み先が変更された用紙が飛散するような不都合が回避される。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記排紙部には、排紙された用紙の満量を検出する満量検出手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0026】
かかる構成によれば、排紙部に排紙された用紙の量が予め設定された満量を超えると、満量検出手段がそのことを検出するため、この検出結果に基づき用紙を排紙部内から取り出すようにすることができ、排紙部内に満量を超えて用紙が貯留されるような不都合の発生が回避される。
【0027】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記切換手段は、支持軸回りに回動して前記本体装置からの用紙の前記後処理装置への送り込みを容認する容認姿勢と、前記本体装置からの用紙の前記後処理装置への送り込み先を変更させる変更姿勢との間で姿勢変更可能な切換ガイドと、この切換ガイドを前記変更姿勢に向けて付勢する付勢部材と、通常はこの付勢部材の付勢力に抗して前記切換ガイドを前記容認姿勢に姿勢設定する駆動手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0028】
かかる構成によれば、通常、切換ガイドは、付勢部材の付勢力に抗した駆動手段の駆動により本体装置からの用紙の後処理装置への送り込みを容認する容認姿勢に姿勢設定されているため、本体装置から送り込まれた印刷処理済みの用紙は、当該切換ガイドを介して後処理装置へ向けて送り込まれる。
【0029】
これに対し、後処理装置で紙詰まりが発生した場合、切換ガイドは、付勢部材の付勢力により容認姿勢に姿勢変更されるため、本体装置から搬送されてきた用紙は、姿勢変更した切換ガイドに案内されて後処理装置へは送り込まれなくなる。
【0030】
そして、切換ガイドは、通常、付勢部材の付勢力に抗した駆動手段の駆動で容認姿勢に姿勢設定されている一方、後処理装置で紙詰まりが発生したときには、駆動手段の駆動が停止されて付勢部材の付勢力により変更姿勢に姿勢変更されるため、切換ガイドは、駆動手段の駆動停止の後に付勢部材の付勢力でほとんどタイムラグなく迅速に容認姿勢から変更姿勢に姿勢変更することが可能になり、後処理装置での紙詰まり発生に迅速に対応する。
【発明の効果】
【0031】
請求項1記載の発明によれば、用紙搬送路における出口ローラの直上流側に用紙の送り込み先を切り換える切換手段が設けられているため、後処理装置で紙詰まりが発生したような場合、当該切換手段を切り換えて印刷処理済みの送り込み先を後処理装置以外に設定することにより、用紙の紙詰まりが生じている後処理装置への送り込みを回避することができる。
【0032】
従って、本体装置から紙詰まりが生じている後処理装置に用紙が送り込まれることにより、当該用紙が折り重なって紙詰まりをさらに助長して紙詰まりの解消作業が困難になるような不都合の発生を有効に防止することができる。
【0033】
請求項2記載の発明によれば、用紙搬送路における中継ローラの直上流側に少なくとも本体装置からの第1の用紙の送り込み先を切り換える切換手段が設けられているため、後処理装置で紙詰まりが発生した場合、当該切換手段を切り換えて印刷処理済みの第1の用紙の送り込み先を後処理装置以外に設定することにより、紙詰まりが生じている後処理装置への用紙の送り込みを有効に防止することができる。
【0034】
従って、本体装置から紙詰まりが生じている後処理装置に第1の用紙が送り込まれることにより、当該用紙が折り重なって紙詰まりをさらに助長して紙詰まりの解消作業が困難になるような不都合の発生を有効に防止することができる。
【0035】
また、切り換え手段が第1の用紙および給紙手段からの第2の用紙の双方を対象として設けられている場合、後処理装置で紙詰りが派生した場合、双方の用紙を紙詰まりが生じている後処理装置へ向かわせないようにすることができる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、本体装置から後処理装置へ向けて順次送り込まれる第1の用紙の予め設定された頁間あるいは第1頁の先もしくは最終頁の後に合紙給紙装置からの合紙が供給され、これによって本体装置で転写処理が施された一連の印刷済み用紙からなる印刷物を表紙や差し込み文書を備えた所定の体裁を有する利用し易い冊子にすることができる。
【0037】
請求項4記載の発明によれば、切換手段により搬送先が切り換えられた本体装置からの用紙は、排紙部に向かわせられて当該排紙部に回収されるため、送り込み先が変更された用紙が飛散するような不都合を回避することができる。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、排紙部に排紙された用紙の量が予め設定された満量を超えると、満量検出手段がそのことを検出するため、この検出結果に基づき用紙を排紙部内から取り出すようにすることができ、排紙部内に満量を超えて用紙が貯留されるような不都合の発生を回避することができる。
【0039】
請求項6記載の発明によれば、切換ガイドは、通常、付勢部材の付勢力に抗した駆動手段の駆動で容認姿勢に姿勢設定されている一方、後処理装置で紙詰まりが発生したときには、駆動手段の駆動が停止されて付勢部材の付勢力により変更姿勢に姿勢変更されるため、駆動手段の駆動停止の後に付勢部材の付勢力でほとんどタイムラグなく迅速に容認姿勢から変更姿勢に姿勢変更することが可能になり、後処理装置での紙詰まり発生に迅速に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明に係る画像形成装置の内部構造の一実施形態を示す正面断面視の説明図である。なお、図1において、X−X方向を左右方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方という。図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成処理を行う本体装置20と、この本体装置20による画像形成処理により印刷された用紙Pに対して所定の後処理を施す後処理装置30と、この後処理装置30と前記本体装置20との間に介設された合紙給紙装置(給紙装置)40とを備えて構成されている。
【0041】
前記本体装置20は、縦長の直方体状のハウジング21を有し、このハウジング21内に画像形成用の各種の機器が装着されている。
【0042】
すなわち、前記ハウジング21には、その下部に配設された給紙部22と、この給紙部22の右側方および上方に配設された用紙搬送部23と、給紙部22の上方に配設された画像形成部24と、この画像形成部24の排出側(左方)に配設された定着部25と、これら画像形成部24および定着部25の上方に配設された画像読取部26とが設けられている。
【0043】
前記給紙部22は、用紙Pを貯留する複数段(本実施形態においては4段)の給紙カセット221を有している。これらの給紙カセット221には、用紙Pの束がそれぞれ積層載置されている。これらの用紙Pの束の最上位のものが、給紙ローラ222の駆動回転によって1枚ずつ繰り出されて用紙搬送部23へ給紙される。
【0044】
前記用紙搬送部23は、給紙部22から給紙された用紙Pを、各種ローラ対231,232を介して画像形成部24へ搬送し、さらに画像形成部24および定着部25において画像形成がなされた用紙Pを、出口ローラ対233を介して合紙給紙装置40へ向けて送り出すようになっている。
【0045】
なお、両面印刷時には、用紙Pはスイッチバック部27によって画像転写面が反転された後に、再び画像形成部24に搬送される。
【0046】
前記画像読取部26は、ハウジング21の頂面に配設されているコンタクトガラス261上に載置された原稿に対し、光学系262に設けられた図略の露光ランプから光を照射してその反射光を、反射鏡を介してCCDラインセンサ等からなる図略の光電変換部に導くことにより、原稿の画像情報を読み取るものである。
【0047】
前記画像形成部24は、ハウジング21における前記画像読取部26の光学系262と用紙搬送部23のスイッチバック部27との間に配設されており、電子写真プロセスによって、用紙P上に所定のトナー像を形成させるものである。
【0048】
かかる画像形成部24は、ドラム心回りに回転可能に軸支された光導電性を有する感光体ドラム241と、この感光体ドラム241の周囲にその回転方向に沿って配設された帯電器242、露光装置243、現像装置244、転写器245、クリーニング装置246および除電器247とを備えている。
【0049】
前記定着部25は、上記画像形成部24の用紙搬送方向の下流側(クリーニング装置246の左側)に配置されている。この定着部25には、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ251と、下部でこの加熱ローラ251と対向配置された加圧ローラ252とを有している。かかる定着部25において、画像形成部24から送り込まれた用紙Pは、回転している加熱ローラ251と加圧ローラ252との間のニップ部を通過するに際し加熱ローラ251からの熱を得て加熱され、これによって用紙P上のトナー像が当該用紙Pに定着される。
【0050】
定着処理後の用紙Pは、出口ローラ対233の駆動により、ハウジング21の合紙給紙装置40に対する対向壁面の適所に設けられた排出口211を介して合紙給紙装置40へ送り込まれる。
【0051】
本体装置20は以上のように構成されているため、帯電器242により図1で時計方向に回転する感光体ドラム241が一様に帯電され、前記画像読取部26で読み取られた画像情報に基づいて露光装置243(レーザーユニット等)からのレーザービームにより感光体ドラム241上に静電潜像が形成され、現像装置244により静電潜像に現像剤(トナー)が付着されて感光体ドラム241の周面にトナー像が形成される。
【0052】
一方、給紙部22から繰り出された用紙Pは、このトナー像が形成された感光体ドラム241に向け用紙搬送部23を通って搬送され、転写ローラ等を備えた転写器245により感光体ドラム241の周面のトナー像が当該用紙Pに転写される。
【0053】
そして、トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム241から分離され、定着部25に搬送されてトナー像の定着処理が施される。定着部25を通過した用紙Pは、出口ローラ対233および排出口211を経て合紙給紙装置40へ送り込まれる。
【0054】
そして、転写器245による用紙Pへの転写処理の後に感光体ドラム241はクリーニング装置246および除電器247で残留トナーおよび残留電荷が除去され、つぎの画像形成処理のために再び帯電器242で帯電される。
【0055】
前記後処理装置30は、縦長の箱状を呈したハウジング31内に、用紙搬送路Rに沿って搬送される用紙Pに対し綴り孔を穿孔するべくパンチング処理を施すパンチ部32と、このパンチ部32の下流側(図1の左方)に設けられて用紙Pを行き先別に振り分ける用紙振分け部33と、この用紙振分け部33の下部に配設され排紙された用紙Pの束を一時的に貯留するとともに、用紙束に対してステイプル処理(綴結処理)を施すスタック部34と、ステイプル処理後の用紙束に中折り処理を施す中折り処理部35とが内装されることによって構成されている。
【0056】
一方、ハウジング31外には、その左壁面側に付設された上部トレイ311と、この上部トレイ311の下方位置に配設された汎用トレイ312と、この汎用トレイ312と対向するようにハウジング31の下端部に配設された中折りトレイ313とが設けられている。上部トレイ311および汎用トレイ312には、中折り処理が施されない用紙Pや用紙束が排紙されるのに対し、中折りトレイ313には、中折り処理部35における中折り処理が施された用紙束が排出される。
【0057】
また、ハウジング31の右壁面には、その上部位置に合紙給紙装置40から送り出される用紙Pや合紙P1を導入するための導入口314が開口されている。
【0058】
かかるハウジング31内には、目的に応じて搬送経路が設定された用紙搬送路Rが形成されている。かかる用紙搬送路Rは、ハウジング31の正面側(図1の右方)の上部に設けられた導入口314から用紙振分け部33へ向かう導入口側搬送路R1と、この導入口側搬送路R1に続く、用紙振分け部33に形成された環状搬送路R2と、この環状搬送路R2から上方左方へ向かって分岐された上部トレイ向け搬送路R3と、用紙振分け部33から上部トレイ向け搬送路R3の下部で汎用トレイ312へ向かうように分岐された汎用トレイ向け搬送路R4と、用紙振分け部33からスタック部34へ向けて垂下されたスタック部向け搬送路R5と、スタック部34内を上下に縦貫するように形成されたスタック部内搬送路R6と、このスタック部内搬送路R6と連通可能な状態で中折り処理部35内を斜めに貫通するように形成された中折り部内搬送路R7と、中折り処理部35内で中折り処理の施された用紙束を搬出するための中折れ用紙束搬出搬送路R8とを備えている。
【0059】
前記用紙振分け部33には、それぞれ適所に搬送路切り換え用の切換え部材が設けられ、これらの切換え部材の所定の切り換え動作によって合紙給紙装置40から導入口314を介して導入口側搬送路R1内に排紙された用紙Pは、予め設定された搬送路を通って目的の場所に送り込まれることになる。
【0060】
前記パンチ部32は、導入口側搬送路R1の上方位置に設けられている。かかるパンチ部32は、内部にパンチ刃を昇降させるパンチ機構を有し、導入口側搬送路R1に導入された用紙Pは、搬送が一時的に停止された状態で前記パンチ機構の駆動によるパンチ刃の昇降で所定の位置にパンチ孔が穿孔されるようになっている。
【0061】
前記用紙振分け部33は、導入口側搬送路R1から送り込まれた用紙Pをスタック部向け搬送路R5へ向かわせるための退避ドラム331を有している。前記退避ドラム331は、先の1枚または複数枚の用紙Pを一時的に待避させ、後の用紙Pと同伴させてスタック部向け搬送路R5へ向かわせるためのものであり、軸心回りに時計方向に向かう回転で用紙Pをその周面に一時的に貯留し得るようになっている。
【0062】
かかる退避ドラム331による用紙Pの一次貯留構造を採用することにより、本体装置20における画像形成処理の都合で生じた用紙Pの搬送ピッチのアンバランスを吸収することができ、後処理を含めた全体的な画像形成処理の処理効率の向上に寄与することができる。
【0063】
スタック部向け搬送路R5の略中間位置には、用紙Pをスタック部内搬送路R6へ向けて押し出すガイドローラ対R51が設けられている。用紙Pは、このガイドローラ対R51の駆動により安定した定速状態でスタック部内搬送路R6に導入されるようになっている。
【0064】
前記上部トレイ311は、パンチ部32によるパンチング処理のみが施され、スタック部34でのステイプル処理が施されない用紙Pを受けるためのものである。かかる上部トレイ311には、上部トレイ向け搬送路R3を通った用紙Pが排出される。
【0065】
前記汎用トレイ312は、特に上部トレイ311が選択されない用紙P、すなわち、汎用トレイ向け搬送路R4を通って排出される用紙Pおよび一旦スタック部内搬送路R6でステイプル処理が施された用紙束を受けるものであり、その基端側が汎用トレイ向け搬送路R4の下流端に対向配置されている。
【0066】
前記スタック部34は、スタック部向け搬送路R5を通ってスタック部内搬送路R6に順次導入された用紙Pや、退避ドラム331に一時待避された後にスタック部内搬送路R6を通って導入された用紙Pを一時貯留して用紙束を形成するとともに、形成された用紙束に対して端部を揃える整合処理と、用紙束を綴結する、いわゆるステイプル処理とを施すものである。
【0067】
スタック部向け搬送路R5は、下流端がスタック部内搬送路R6の中間位置より若干上方位置に対向されている一方、スタック部内搬送路R6の上端部は前記汎用トレイ向け搬送路R4に対向されている。
【0068】
したがって、スタック部向け搬送路R5を通って一旦スタック部内搬送路R6に導入された用紙Pは、ここで用紙束となってステイプル処理が施された後、当該用紙束がスタック部内搬送路R6の上端部から汎用トレイ向け搬送路R4を介して汎用トレイ312に排出されることになる。
【0069】
前記中折り処理部35は、スタック部34で中央部にステイプル処理が施された用紙束に対して、同中央部を境にして折り畳む、いわゆる中折り処理を施す部位である。なお、中折り処理部35の詳細については説明を省略する。
【0070】
前記合紙給紙装置40は、本体装置20から出口ローラ対233および排出口211を介して搬送される用紙Pに先立っておもて表紙となる合紙P1を後処理装置30へ送り込んだり、最後に搬送された用紙Pの後にうら表紙(裏紙)となる合紙P1を送り込んだり、さらには、搬送途中の一連の用紙Pにおける先の用紙Pと後の用紙Pとの間に挟み込む合紙P1を送り込んだりするものである。
【0071】
図2および図3は、かかる合紙給紙装置40の要部を示す図1の部分拡大図であり、図2は、下部切換ガイド61が水平姿勢U1に姿勢設定された状態、図3は、下部切換ガイド61が傾斜姿勢U2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図2および図3におけるXによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方)である。
【0072】
図2および図3に示すように、合紙給紙装置40は、本体装置20のハウジング21と、後処理装置30のハウジング31との間に介設される左右寸法が狭小で縦長のハウジング41と、このハウジング41の上部の左方壁411から左方へ向かって突設された合紙P1を載置するための合紙用トレイ42と、本体装置20からの用紙Pおよび合紙用トレイ42からの合紙P1を後処理装置30へ向けて送り出すための搬送路Sと、搬送路S内の用紙Pおよび合紙P1に搬送力を与えるローラ群43と、後処理装置30で紙詰まりが発生したとき本体装置20から送り込まれた用紙Pが送り込まれる貯留容器(排紙部)50と、本体装置20から合紙給紙装置40へ送り込まれた用紙Pの搬送先を後処理装置30と貯留容器50との間で切り換える切換手段60とを備えている。
【0073】
前記ハウジング41は、高さ寸法が後処理装置30の高さ寸法より若干高めに設定され、これによって左方壁411が後処理装置30の天板315より上方へ突出した状態になっている。かかる左方壁411の前記天板315から上方へ突出した部分から前記合紙用トレイ42が左方へ向けて突設されている。
【0074】
かかるハウジング41の右方壁412には、本体装置20の排出口211と対向した部分に排出口211を介して本体装置20から排出された用紙Pが導入される導入口413が設けられている。また、ハウジング41の左方壁411には、後処理装置30の導入口314と対向した部分に当該ハウジング41内を通過した用紙Pが排出される排出口414が設けられている。さらに、ハウジング41の左方壁411の上部には、合紙用トレイ42に載置された用紙Pと対向する位置に合紙繰り出し口415が設けられ、合紙P1は、この合紙繰り出し口415を通ってハウジング41内に導入されるようになっている。
【0075】
また、ハウジング41の左方壁411における排出口414より若干上方位置には係止突起416が左方へ向かって突設されている一方、後処理装置30の右方壁316には、前記係止突起416に対応した係止孔317が穿設され、係止突起416を係止孔317に嵌め込むことによって合紙給紙装置40が後処理装置30に密着状態で隣設されるようになっている。
【0076】
前記合紙用トレイ42は、合紙P1が載置されるトレイ板421と、このトレイ板421に載置された合紙P1をコイルスプリング423の付勢力で上方へ向けて付勢する付勢板422とを備えている。トレイ板421には、その右半分の部分に付勢板422を通過させる通過開口421aが設けられ、付勢板422は、この通過開口421aを介してトレイ板421上の合紙P1を上方に向けて付勢するようになっている。
【0077】
前記搬送路Sは、ハウジング41内で用紙Pを導入口413から排出口414へ向かわせる用紙用搬送路(中継搬送路)S1と、合紙用トレイ42から合紙繰り出し口415を介してハウジング41内に導入された合紙P1を前記用紙用搬送路S1へ向かわせる合紙用搬送路S2とを備えている。
【0078】
前記合紙用搬送路S2は、合紙繰り出し口415から右方へ向かった後に垂下して用紙用搬送路S1へ到る主搬送路S21と、この主搬送路S21の途中から合紙用トレイ42におけるトレイ板421の下部へ向かって延びる反転トレイS22とを有している。主搬送路S21と反転トレイS22との分岐点には上部切換ガイド44が設けられている。この上部切換ガイド44は、図2に二点鎖線で示す反転トレイ向け姿勢と、同点線で示す主搬送路向け姿勢と、同実線で示す中立姿勢との間で姿勢変更可能になっている。
【0079】
そして、トレイ板421から繰り出された合紙P1は、まず、反転トレイ向け姿勢に姿勢設定された上部切換ガイド44によって一旦反転トレイS22へ導かれた後、上部切換ガイド44の主搬送路向け姿勢への姿勢変更により表裏反転状態で当該上部切換ガイド44を介し主搬送路S21へ送り出され、引き続き用紙用搬送路S1へ向かわせられるようになされている。
【0080】
このような合紙P1の反転処理が行われるのは以下の理由による。すなわち、合紙P1が例えば印刷物のとき、本体装置20の場合に合わせてそのおもて面(若い頁の面)を上にした状態で合紙用トレイ42に載置されるため、合紙P1がそのまま主搬送路S21を介して用紙用搬送路S1へ供給されると、表裏が反転した状態になってしまう。かかる不都合を解消するべく、一旦反転トレイS22へ導入してここで表裏反転させ、それをさらに表裏反転させることにより元に戻して用紙用搬送路S11へ導くようにするべく反転トレイS22が設けられているのである。
【0081】
なお、合紙P1が表裏ともに白紙であるような場合には、それを反転させても反転させなくても影響がなく、従って当該合紙P1を反転させる必要はない。このような場合には、合紙給紙装置40のハウジング41の適所に設けられた所定の操作キーを押釦操作することにより上部切換ガイド44を図2に実線で示す中立姿勢に姿勢設定するようにしている。こうすることでトレイ板421から主搬送路S21へ繰り出された合紙P1は、反転トレイS22へ向かうことなく上部切換ガイド44を介して直接用紙用搬送路S1へ送り込まれる。
【0082】
前記ローラ群43は、主搬送路S21の上流端で前記合紙繰り出し口415に臨んで設けられた繰り出しローラ431と、主搬送路S21における繰り出しローラ431の直下流側に設けられた第1ローラ対432と、主搬送路S21における上部切換ガイド44の下流側に設けられた第2ローラ対433と、前記用紙用搬送路S1の下流端に前記排出口414に臨んで設けられた第3ローラ対(中継ローラ)434と、前記反転トレイS22における上部切換ガイド44の直左側に設けられた反転ローラ対435とを備えている。
【0083】
前記繰り出しローラ431は、付勢板422によって上方へ向けて付勢されたトレイ板421上の合紙P1の右端上面に当接するように設置位置が設定されている。かかる繰り出しローラ431が軸心回りに図2における反時計方向に向けて回転することにより、合紙P1の束の最上位の合紙P1が主搬送路S21へ向けて繰り出される。
【0084】
そして、主搬送路S21へ繰り出された合紙P1は、通常、上部切換ガイド44が図2に二点鎖線で示す姿勢に設定されることにより、主搬送路S21へ繰り出された合紙P1は、当該上部切換ガイド44に誘導されて反転トレイS22へ向かい、反転ローラ対435の正駆動で一旦反転トレイS22へ向かわせられて反転した後、反転ローラ対435の逆駆動で右方へ向けて搬送され、主搬送路S21を介しさらに反転して元の状態に戻って用紙用搬送路S1へ送り出されたのち後処理装置30へ送り込まれることになる。
【0085】
これに対し、例えば合紙P1が白紙である場合、当該合紙P1は、上部切換ガイド44が図2に実線で示す姿勢に設定されることにより、第1および第2ローラ対432,433の駆動で主搬送路S21に沿って搬送され、用紙用搬送路S1に合流した後、第3ローラ対434の駆動で排出口414を通って後処理装置30へ送り込まれる。
【0086】
前記切換手段60は、出口ローラ対233の駆動で本体装置20からその排出口211および合紙給紙装置40の導入口413を介して合紙給紙装置40内に導入された用紙Pの行き先を切り換える下部切換ガイド61と、この下部切換ガイド61に付勢力を付与するコイルスプリング62と、下部切換ガイド61に切り換え動作を行わせるソレノイド装置(駆動手段)63とを備えている。
【0087】
前記下部切換ガイド61は、図2の紙面と直交する方向から見た正面視で台形状を呈しており、合紙給紙装置40の導入口413と、用紙用搬送路S1の上流端(右端)との間で用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びたガイド軸(支持軸)610回りに回動可能に軸支されている。かかる下部切換ガイド61は、ガイド軸610回りに正逆回動することにより、図2に示す水平姿勢(容認姿勢)U1と、図3に示す傾斜姿勢(変更姿勢)Uとの間で姿勢変更可能になっている。
【0088】
このような下部切換ガイド61には、ガイド軸610の右方部分に形成され、かつ、当該下部切換ガイド61が水平姿勢U1に姿勢設定された状態で導入口413へ向かって先下がりに傾斜した傾斜面611を有している。また、下部切換ガイド61の裏面612は、当該下部切換ガイド61が水平姿勢U1に姿勢設定された状態(図2)で水平になっている。
【0089】
そして、下部切換ガイド61が水平姿勢U1に姿勢設定されることにより、本体装置20から導入口413を介して合紙給紙装置40内に導入された用紙Pは、図2に示すように下部切換ガイド61の傾斜面611に誘導されて当該下部切換ガイド61を乗り越え、用紙用搬送路S1へ向かうようになっている。
【0090】
これに対し、下部切換ガイド61が傾斜姿勢U2に姿勢設定された状態では、本体装置20から導入口413を介して合紙給紙装置40内に導入された用紙Pは、図3に示すように、右方に向かって先上がりになり、これによって導入口413を覆った下部切換ガイド61の裏面612に案内される。従って、下部切換ガイド61の裏面612により進路が下方に切り換えられた用紙Pは、貯留容器50へ向かうことになる。
【0091】
前記コイルスプリング62は、下部切換ガイド61をガイド軸610回りに反時計方向に向けて付勢するべく圧縮状態で下部切換ガイド61の適所に装着されている。
【0092】
前記ソレノイド装置63は、通常、下部切換ガイド61をコイルスプリング62の付勢力に抗して水平姿勢U1に姿勢設定させる一方、後処理装置30で紙詰まりが発生したとき、下部切換ガイド61を水平姿勢U1から傾斜姿勢U2へ姿勢変更させる機能を備えたものである。
【0093】
かかるソレノイド装置63は、内装された図略のソレノイドと、このソレノイドを貫通した図略の鉄心とを有し、通常はソレノイドへの通電による磁力の発生で鉄心をソレノイド内に引き入れ、これによって鉄心の先端に設けられた図略の係止部材がコイルスプリング62の付勢力に抗して下部切換ガイド61を水平姿勢U1に維持するようになされている。これに対し、ソレノイドへの通電が遮断されると、下部切換ガイド61は、コイルスプリング62の付勢力で下部切換ガイド61を傾斜姿勢U2に姿勢変更させるようになっている。
【0094】
従って、通常は本体装置20から合紙給紙装置40へ送り込まれる用紙Pは、下部切換ガイド61を介して後処理装置30へ向けて搬送されるのに対し、後処理装置30で紙詰まりが発生したときは、コイルスプリング62のソレノイドへの通電が遮断されるため、コイルスプリング62の付勢力で下部切換ガイド61が水平姿勢U1から傾斜姿勢U2へ姿勢変更され、これによって本体装置20から送り込まれた用紙Pは下部切換ガイド61の裏面612を介して貯留容器50へ投入される。
【0095】
従って、後処理装置30で紙詰りが発生して用紙Pが搬送されなくなっているにも拘わらず、本体装置20から用紙Pが次々と後処理装置30へ送り込まれることにより、次々と送り込まれた用紙Pによって紙詰まりが助長されるような不都合の発生が有効に防止される。
【0096】
そして、用紙用搬送路S1の近傍には、後処理装置30で紙詰まりが発生したとき、当該用紙用搬送路S1に用紙Pが残留しているか否かを検出するための用紙有無センサ45が設けられている。後処理装置30で紙詰まりが発生し、かつ、この用紙有無センサ45が用紙Pを検出したときは、用紙有無センサ45が用紙Pを検出しなくなるまで第3ローラ対434の駆動を継続させるようになされている。
【0097】
このようにされるのは、用紙用搬送路S1に用紙Pが存在しているにも拘わらず第3ローラ対434が停止されてしまうと、用紙Pが用紙用搬送路S1に残留したままになり、これによって本体装置20からの後続の用紙Pが合紙給紙装置40へ到達し得なくなって本体装置20の出口ローラ対233の近傍で二次的な紙詰りが発生してしまう虞があるからである。
【0098】
前記貯留容器50は、図1に示すように、上面が開放した縦長の略直方体状を呈し、合紙給紙装置40のハウジング41の下部の空間に納め得るように寸法設定されている。かかる貯留容器50の上縁部は、ハウジング41の導入口413および排出口414より下方にレベル設定され、これによって合紙給紙装置40内に導入された用紙Pが貯留容器50と干渉することがないようになされている。
【0099】
一方、合紙給紙装置40のハウジング41の底板417上には、貯留容器50内に貯留された用紙Pが満量になっているか否かを検出するための満量センサ(満量検出手段)51が設けられている。本実施形態においては、この満量センサ51として用紙Pが貯留された貯留容器50の重量を検出するいわゆる重量計が採用されている。そして、貯留容器50が満量センサ51上に載置されることにより満量センサ51が貯留容器50の重量を常に計量し、この計量値が予め設定された満量値を超えたときに貯留容器50内が用紙Pで満量になっていると判別されるようになされている。
【0100】
そして、本実施形態においては、後処理装置30に設けられた制御装置70によって切換手段60の動作が制御されるようになっている。図4は、制御装置70による制御の一実施形態を示すブロック図である。まず、後処理装置30の適所には、当該後処理装置30内で紙詰りが発生したことを検出する紙詰りセンサ37が設けられている。この紙詰りセンサ37が紙詰りを検出したときをスタート時点として切換手段60が制御装置70により制御される。
【0101】
制御装置70は、演算処理装置としてのCPU(central processing unit)71と、外部記憶装置としてのROM(read only memory)72およびRAM(random access memory)73とを備えている。前記ROM72には、この制御を実行するためのプログラムや不変データ等が記憶されている。これに対し、前記RAM73は、制御途中で発生した各種のテンポラリーデータを記憶する領域として利用される。
【0102】
前記CPU71は、後処理装置30で紙詰りが発生したか否かを判別する紙詰まり判別部711と、後処理装置30で紙詰りが発生したときに合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1に用紙Pが存在しているか否かを判別する用紙有無判別部712と、貯留容器50内に貯留された用紙Pが満量に達しているか否かを判別する満量判別部713と、これら紙詰まり判別部711、用紙有無判別部712および満量判別部713の判別結果に基づき各所に制御信号を出力する制御信号出力部714とを備えている。
【0103】
前記紙詰まり判別部711は、前記紙詰りセンサ37からの検出信号に基づき後処理装置30内で紙詰りが発生したことを判別するようになっている。この判別結果は、制御信号出力部714へ向けて指令信号として出力される。
【0104】
前記用紙有無判別部712は、前記紙詰まり判別部711から入力された判別信号および前記用紙有無センサ45からの検出信号に基づき後処理装置30で紙詰まりが発生した状態における用紙用搬送路S1内の合紙P1の有無を判別するようになっている。この判別結果は、制御信号出力部714へ向けて指令信号として出力される。
【0105】
前記満量判別部713は、前記満量センサ51からの検出信号に基づき貯留容器50が用紙Pで満量になっているか否かを判別するようになっている。この判別結果は、制御信号出力部714へ向けて指令信号として出力される。
【0106】
前記制御信号出力部714は、前記紙詰まり判別部711、用紙有無判別部712および満量判別部713からの指令信号に基づき本体装置20、後処理装置30および合紙給紙装置40の各対象機器へ向けて制御信号を出力するように構成されている。
【0107】
具体的には、紙詰まり判別部711からの後処理装置30で紙詰まりが発生したことによる指令信号を受けた制御信号出力部714は、まず、表示部38へ向けてそのことを表示させるための制御信号が出力される。これによって表示部38には、紙詰まり発生を示す表示が行われるため、オペレータはこの表示で後処理装置30に紙詰りが生じたことを認識することができる。
【0108】
引き続き制御信号出力部714は、本体側制御装置28を介し本体装置20の駆動系29へ向けて当該駆動系29を停止させるべき制御信号を出力するとともに、後処理装置30の駆動系39および合紙給紙装置40の駆動系に向けて当該各駆動系39,49を停止させるべき制御信号を出力するようになっている。制御信号出力部714からのかかる制御信号の出力によって本体装置20、後処理装置30および合紙給紙装置40の各駆動系29,39,49は停止される。
【0109】
但し、本体装置20の駆動系29については、制御信号出力部714から駆動停止の信号が出力されても、すでに定着部25で定着処理が実行されつつある用紙Pや、すでに感光体ドラム241によって転写処理が実行されつつある用紙Pについてはこれらを合紙給紙装置40へ向けて送り出すべく、これらの用紙Pの搬送に係る機器は搬送が完了するまで駆動が継続される。
【0110】
このようにされるのは、これらの用紙Pが駆動系29の停止でそのまま本体装置20内に残留すると、用紙Pが定着部25内で過加熱されたり、転写途中の用紙Pが感光体ドラム241に当接されたままとなったりして不都合が生じるため、かかる不都合を解消するべく、定着処理途中や転写処理途中の用紙Pを合紙給紙装置40へ向けて搬送するようになされている。
【0111】
また、制御信号出力部714は、各駆動系29,39,49へむけた制御信号の出力と同時に切換手段60のソレノイド装置63へ向けて電流供給停止の制御信号を出力し、これによるソレノイド装置63への電流供給停止で下部切換ガイド61をコイルスプリング62の付勢力により水平姿勢U1から傾斜姿勢U2へ姿勢変更させる。
【0112】
こうすることによって、後処理装置30で紙詰りが発生した後に本体装置20から合紙給紙装置40へ送り込まれた用紙Pは、図3に示すように、傾斜姿勢U2に姿勢変更された下部切換ガイド61の裏面612に案内されて貯留容器50へ投入されるため、後処理装置30で紙詰まりが発生した後に本体装置20からの用紙Pが後処理装置30へ向かうことはない。
【0113】
また、制御信号出力部714は、紙詰まり判別部711からの紙詰まり発生による指令信号が入力された時点において用紙有無判別部712からの指令信号が入力されたときには、後処理装置30の駆動系39へ向けて合紙給紙装置40の第3ローラ対434のみを駆動させる制御信号を出力する。かかる制御によりすでに本体装置20から合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1へ到達している用紙Pは、処理装置30へ向けて強制的に送り出される。
【0114】
このようにされるのは、後処理装置30で紙詰りが発生した後に合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1に用紙Pが残ったままになっていると、紙詰まり後に本体装置20から合紙給紙装置40へ送り込まれる用紙が先の用紙Pと干渉し、これによって本体装置20から送り込まれた用紙Pを貯留容器50へ向けて適正に搬送し得なくなるからである。
【0115】
このように紙詰まり判別部711および用紙有無判別部712からの指令信号が制御信号出力部714へ向けて出力されるときは、後処理装置30に紙詰まりが発生したときである。これに対し、満量判別部713から制御信号出力部714へ向けて指令信号が出力されるときは、後処理装置30の紙詰りとは関わりがなく、貯留容器50内が用紙Pで満量になっているときである。このときには、制御信号出力部714は、表示部38へ向けて貯留容器50が満量になっていることを表示させる制御信号を出力する。
【0116】
従って、オペレータは、表示部38に示された満量表示により貯留容器50が満量になっていることを認識し、貯留容器50を合紙給紙装置40のハウジング41から取り出して空にした後に再度ハウジング41へ戻すことになる。
【0117】
以下、図5を基に、後処理装置30で紙詰まりが発生したときの制御装置70による紙詰まり対応の制御のフローについて説明する。図5は、後処理装置30で紙詰まりが発生したときの制御装置70による紙詰まり対応制御のフローの一実施形態を示すフローチャートである。なお、このフローチャートでは、貯留容器50が満量になったときの制御については紙詰まりの制御のフローの範囲外で行われる制御であるため省略している。また、紙詰まりが発生したときの表示部38への表示についても省略している。
【0118】
まず、ステップS1において、紙詰まり判別部711が後処理装置30で紙詰まりが発生したか否かを紙詰りセンサ37の検出結果に基づき判別し、紙詰まりが発生していたとき(ステップS1でYES)には、制御信号出力部714からの制御信号に基づき本体装置20、後処理装置30の駆動系29が停止される(ステップS2)。
【0119】
なお、本体装置20の駆動系29については、後処理装置30で紙詰まりが発生したときに現に転写処理および定着処理が進行中の場合には、進行中の転写処理および定着処理が完了するまで転写処理および定着処理に係る駆動系の駆動が継続され、定着処理後の用紙Pが合紙給紙装置40へ送り込まれた後に本体装置20の駆動系29が全体的に停止される。また、合紙給紙装置40の駆動系49については、後処理装置30で紙詰まりが発生したときに原則的に停止される。
【0120】
ついで、ステップS3で合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1に用紙Pが存在しているか否か(具体的には、合紙給紙装置40内の用紙Pがすでに後処理装置30に架かっているか、あるいは架かろうとしているか否か)が用紙有無センサ45の検出結果に基づき用紙有無判別部712によって判別され、存在していない場合(ステップS3でNO)にはステップS5へスキップされる。一方、用紙Pが存在している場合(ステップS3でYES)には、制御信号出力部714からの制御信号に基づく第3ローラ対434の駆動で当該用紙Pが後処理装置30へ向けて搬送される(ステップS4)。これによって合紙給紙装置40内には用紙Pが存在しない状態になる。
【0121】
ついで、ステップS5において本体装置20内に排出するべき用紙P(定着処理の途中や転写処理の途中の用紙P)が存在するか否かが判別される。この判別は、本体側制御装置28が判別し、この判別結果が本体側制御装置28から制御信号出力部714へ入力される。
【0122】
そして、本体装置20内に、現に転写処理中であったり定着処理中であったりした排出するべき用紙Pが存在しているとき(ステップS5でYES)には、制御信号出力部714からの制御信号によるソレノイド装置63への電流供給停止によって下部切換ガイド61がコイルスプリング62の付勢力により水平姿勢U1から傾斜姿勢U2へ姿勢変更する(ステップS6)。
【0123】
その後、制御信号出力部714からの制御信号に基づく本体側制御装置28の制御で本体装置20内の定着部25に位置した用紙Pは、合紙給紙装置40へ向けて送り出されるとともに、感光体ドラム241および転写器245の駆動で転写途中の用紙Pも転写処理が完遂された後、定着部25を介して合紙給紙装置40へ向けて送り出され、引き続き合紙給紙装置40内で傾斜姿勢U2に姿勢変更した下部切換ガイド61に誘導されて貯留容器50へ回収される(ステップS7)。
【0124】
以上詳述したように、本実施形態に係る画像形成装置は、用紙Pに対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置20と、この本体装置20から送り込まれた用紙Pに対し所定の後処理を施す後処理装置30と、この後処理装置30と本体装置20との間に介設された、用紙P間に差し挟まれる合紙P1を給紙する合紙給紙装置40とを備えてなるものである。
【0125】
そして、合紙給紙装置40は、本体装置20からの用紙Pおよび合紙給紙装置40からの合紙P1を後処理装置30へ向けて中継する用紙用搬送路(中継搬送路)S1と、この用紙用搬送路S1の下流端に設けられた、用紙Pを後処理装置30へ向けて送り込む第3ローラ対434と、用紙用搬送路S1における第3ローラ対434の直上流側に設けられた、本体装置20からの用紙Pの送り込み先を切り換える切換手段60とを備えている。
【0126】
かかる構成によれば、本体装置20において所定の画像形成処理により印刷処理が施された用紙Pは、用紙用搬送路S1の下流端に設けられた第3ローラ対434を介し合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1を通って後処理装置30へ送り込まれ、当該後処理装置30で所定の後処理が施された後に外部(本実施形態では後処理装置30)へ向けて送り込まれる。
【0127】
そして、用紙搬送路における第3ローラ対434の直上流側に印刷済みの用紙Pの送り込み先を切り換える切換手段60が設けられているため、例えば、後処理装置30で紙詰まりが発生したような場合、当該切換手段60を切り換えて印刷処理済みの送り込み先を後処理装置30以外(例えば合紙給紙装置40のハウジング内の下部の空いている空間)に設定することにより、用紙Pは、紙詰まりが生じている後処理装置30へ送り込まれることがない。
【0128】
従って、本体装置20から紙詰まりが生じている後処理装置30に用紙Pが送り込まれることにより、当該用紙Pが折り重なって紙詰まりをさらに助長して紙詰まりの解消作業が困難になるような不都合の発生を有効に防止することができる。
【0129】
そして、本実施形態においては、切換手段60によって本体装置20から後処理装置30へ向かわないように搬送先が切り換えられた用紙Pは、合紙給紙装置40のハウジング41の下部の空いた空間に装着された貯留容器50へ回収されるようになされている。
【0130】
従って、切換手段60により搬送先が切り換えられた本体装置20からの用紙Pは、貯留容器50に向かって当該貯留容器50に回収されるため、送り込み先が変更された用紙Pが飛散するような不都合を回避することができる。
【0131】
そして、貯留容器50には、排紙された用紙Pの満量を検出する満量センサ51が設けられているため、貯留容器50に排紙された用紙Pの量が予め設定された満量を超えると、そのことを検出した満量センサ51の検出結果に基づき用紙Pを貯留容器50内から取り出すようにすることができ、貯留容器50内に満量を超えて用紙Pが貯留されるような不都合の発生を回避することができる。
【0132】
また、本実施形態においては、切換手段60は、ガイド軸610回りに回動して本体装置20からの用紙Pの後処理装置30への送り込みを容認する水平姿勢U1と、本体装置20からの用紙Pの後処理装置30への送り込み先を変更させる傾斜姿勢U2との間で姿勢変更する下部切換ガイド61と、この下部切換ガイド61を傾斜姿勢U2に向けて付勢するコイルスプリング62と、通常はこのコイルスプリング62の付勢力に抗して下部切換ガイド61を水平姿勢U1に姿勢設定するソレノイド装置63とを備えている。
【0133】
従って、通常、下部切換ガイド61は、コイルスプリング62の付勢力に抗したソレノイド装置63の駆動により本体装置20からの用紙Pの後処理装置30への送り込みを容認する水平姿勢U1に姿勢設定されているため、後処理装置30で紙詰まりが生じていないときには、本体装置20から送り込まれた印刷処理済みの用紙Pは、当該下部切換ガイド61を介して後処理装置30へ向けて送り込まれる。
【0134】
これに対し、後処理装置30で紙詰まりによるジャムが発生した場合、下部切換ガイド61は、コイルスプリング62の付勢力により水平姿勢U1に姿勢変更されるため、本体装置20から搬送されてきた用紙Pは、姿勢変更した下部切換ガイド61に案内されて後処理装置30へは送り込まれなくなる。
【0135】
そして、下部切換ガイド61は、通常、コイルスプリング62の付勢力に抗したソレノイド装置63の駆動で水平姿勢U1に姿勢設定されている一方、後処理装置30で紙詰まりが発生したときには、ソレノイド装置63の駆動が停止されてコイルスプリング62の付勢力により傾斜姿勢U2に姿勢変更されるため、下部切換ガイド61は、ソレノイド装置63の駆動停止の後にコイルスプリング62の付勢力でほとんどタイムラグなく迅速に水平姿勢U1から傾斜姿勢U2に姿勢変更することが可能になり、後処理装置30での紙詰まりによるジャムの発生に迅速に対応することができる。
【0136】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0137】
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る画像形成装置10として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能等の機能を兼ね備えたいわゆる複合機を例に挙げて説明したが、本発明は、画像形成装置10が複合機であることに限定されるものではなく、例えば複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置等であってもよい。
【0138】
(2)上記の実施形態においては、本体装置20と後処理装置30との間に合紙給紙装置40が挟設されているが、本発明は、本体装置20と後処理装置30との間に合紙給紙装置40が挟設されることに限定されるものではなく、特に合紙給紙装置40を設けなくてもよい。但し、合紙給紙装置40が採用されないときには、本体装置20のハウジング21内における出口ローラ対233の直下位置に貯留容器50を装着するとともに、出口ローラ対233の直上流側に切換手段60を設け、後処理装置30で紙詰りが発生したときは、この切換手段60の切り換え動作で画像形成部24からの用紙Pを貯留容器50へ向かわせるようにすればよい。
【0139】
(3)上記の実施形態においては、合紙給紙装置40は、本体装置20から送り込まれる印刷処理済みの用紙Pに対して合紙P1を追加するために使用されているが、こうする代わりに合紙給紙装置40を、本体装置20からではない通常の用紙にパンチング処理やステイプル処理を施す目的で使用してもよい。
【0140】
(4)上記の実施形態においては、本発明に係る駆動手段としてソレノイド装置63が採用されているが、本発明は、駆動手段がソレノイド装置63であることに限定されるものではなく、電動モータの駆動で動作するものや、空気圧あるいは油圧で動作するものを採用してもよい。
【0141】
(5)上記の実施形態においては、本発明に係る排紙部として貯留容器50が採用されているが、本発明は、排紙部が貯留容器50であることに限定されるものではなく、例えば、合紙給紙装置40のハウジング41の下部の空間をそのまま排紙部として採用してもよい。
【0142】
(6)上記の実施形態においては、下部切換ガイド61の容認姿勢として水平姿勢U1が採用され、変更姿勢として傾斜姿勢U2が採用されているが、本体装置20の排出口211と、後処理装置30の導入口314とが同一高さ位置出ない場合には、必然的に合紙給紙装置40の用紙用搬送路S1が傾斜するが、このような場合には容認姿勢が必ずしも水平姿勢になるとは限らない。
【0143】
(7)上記の実施形態においては、合紙給紙装置40に形成された合紙用搬送路S2が主搬送路S21と反転トレイS22とから構成されているが、本発明は、反転トレイS22が必ずしも必須ではなく、特に反転トレイS22を設けなくてもよい。
【0144】
(8)上記の実施形態においては、下部切換ガイド61が主搬送路S21の用紙用搬送路S1への合流点の上流側に設けられている。従って、後処理装置30で紙詰りが発生したときすでに合紙用トレイ42から繰り出された合紙P1があるときは、当該合紙P1が貯留容器50へ投入されることはない。
【0145】
このようにされるのは、合紙P1は、1ジョブ当たりの使用内数が用紙Pに比べて非常に少なく、後処理装置30で紙詰りが発生したときに合紙用トレイ42から繰り出された状態になっている頻度が非常に少ないこと、およびたとえ合紙P1が繰り出されていても、下部切換ガイド61の下流側に位置しているため、本体装置20から合紙給紙装置40へ送り込まれる用紙Pが下部切換ガイド61の姿勢変更で貯留容器50へ投入される動作に影響を与えることがないためである。
【0146】
しかし、後処理装置30で紙詰りが発生したとき、合紙用トレイ42から繰り出された合紙P1が貯留容器50へ向かうことなく合紙給紙装置40の搬送路S内に残留してしまうと、その後、残留した合紙P1を搬送路Sから取り出す作業を行わなければならず非常に面倒である。
【0147】
かかる不都合を解消するためには、下部切換ガイド61を、主搬送路S21と用紙用搬送路S1との合流点の下流側に設ければよい。こうすることにより後処理装置30で紙詰りが発生したとき、すでに合紙用トレイ42から繰り出された合紙P1は、水平姿勢U1から傾斜姿勢U2に姿勢変更した下部切換ガイド61に案内されて貯留容器50へ投入されるため、後で合紙P1を搬送路Sから取り出すという面倒な作業から解放される。
【0148】
すなわち、下部切換ガイド61を主搬送路S21と用紙用搬送路S1との合流点の下流側に設けることも本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明に係る画像形成装置の内部構造の一実施形態を示す正面断面視の説明図である。
【図2】合紙給紙装置の要部を示す図1の部分拡大図であり、下部切換ガイドが水平姿勢に姿勢設定された状態を示している。
【図3】合紙給紙装置の要部を示す図1の部分拡大図であり、下部切換ガイドが傾斜姿勢に姿勢設定された状態を示している。
【図4】制御装置による切換手段の動作の制御の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】後処理装置で紙詰まりが発生したときの制御装置による紙詰まり対応制御のフローの一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
10 画像形成装置 20 本体装置
21 ハウジング 211 排出口
22 給紙部 221 給紙カセット
222 給紙ローラ 23 用紙搬送部
231,232 各種ローラ対
233 出口ローラ対 24 画像形成部
241 感光体ドラム 242 帯電器
243 露光装置 244 現像装置
245 転写器 246 クリーニング装置
247 除電器 25 定着部
251 加熱ローラ 252 加圧ローラ
26 画像読取部 261 コンタクトガラス
262 光学系 27 スイッチバック部
28 本体側制御装置 29 駆動系
30 後処理装置 31 ハウジング
311 上部トレイ 312 汎用トレイ
313 中折りトレイ 314 導入口
315 天板 316 右方壁
317 係止孔 32 パンチ部
33 用紙振分け部 331 退避ドラム
34 スタック部 35 処理部
37 紙詰りセンサ 38 表示部
39 駆動系 40 合紙給紙装置(給紙装置)
41 ハウジング 411 左方壁
412 右方壁 413 導入口
414 排出口 415 合紙繰り出し口
416 係止突起 417 底板
42 合紙用トレイ 421 トレイ板
421a 通過開口 422 付勢板
423 コイルスプリング 43 ローラ群
431 繰り出しローラ 432 第1ローラ対
433 第2ローラ対 434 第3ローラ対(中継ローラ)
435 反転ローラ対 44 上部切換ガイド
45 用紙有無センサ 50 貯留容器(排紙部)
51 満量センサ(満量検出手段)
60 切換手段 61 下部切換ガイド
610 ガイド軸(支持軸) 611 傾斜面
612 裏面 62 コイルスプリング
63 ソレノイド装置(駆動手段)
70 制御装置 71 CPU
711 判別部 712 用紙有無判別部
713 満量判別部 714 制御信号出力部
72 ROM 73 RAM
P 用紙 P1 合紙
R 用紙搬送路 R1 導入口側搬送路
R2 環状搬送路 R3 上部トレイ向け搬送路
R4 汎用トレイ向け搬送路 R5 スタック部向け搬送路
R51 ガイドローラ対 R6 スタック部内搬送路
R7 中折り部内搬送路 R8 用紙束搬出搬送路
S 搬送路 S1 用紙搬送路(中継搬送路)
S2 合紙用搬送路 S21 主搬送路
S22 反転トレイ U1 水平姿勢(容認姿勢)
U2 傾斜姿勢(変更姿勢)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置と、この本体装置から所定の用紙搬送路を介して送り込まれた用紙に対し所定の後処理を施す後処理装置とを備えてなる画像形成装置において、
前記用紙搬送路の下流端に設けられた、前記用紙を前記後処理装置へ向けて送り込む出口ローラと、
前記用紙搬送路における前記出口ローラの直上流側に設けられた、前記用紙の送り込み先を切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
第1の用紙に対し所定の画像形成処理に基づく印刷処理を施す本体装置と、第2の用紙を給紙する給紙装置と、前記本体装置および/または前記給紙装置から送り込まれた前記第1および第2の用紙に対し所定の後処理を施す後処理装置とを備え、前記後処理装置と前記本体装置との間に前記給紙装置が介設された画像形成装置において、
前記給紙装置は、前記第1および第2の用紙を前記後処理装置へ向けて中継する中継搬送路と、
前記中継搬送路の下流端に設けられた、前記第1および第2の用紙を前記後処理装置へ向けて送り込む中継ローラと、
前記中継搬送路における前記中継ローラの直上流側に設けられた、前記第1および第2の用紙の内の少なくとも前記本体装置からの第1の用紙の送り込み先を切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記給紙装置は、前記第1の用紙間に差し挟まれる前記第2の用紙としての合紙を給紙する合紙給紙装置であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記切換手段によって前記本体装置から前記後処理装置へ向かわないように搬送先が切り換えられた用紙が排紙される排紙部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記排紙部には、排紙された用紙の満量を検出する満量検出手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切換手段は、支持軸回りに回動して前記本体装置からの用紙の前記後処理装置への送り込みを容認する容認姿勢と、前記本体装置からの用紙の前記後処理装置への送り込み先を変更させる変更姿勢との間で姿勢変更可能な切換ガイドと、
この切換ガイドを前記変更姿勢に向けて付勢する付勢部材と、
通常はこの付勢部材の付勢力に抗して前記切換ガイドを前記容認姿勢に姿勢設定する駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−74553(P2008−74553A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255276(P2006−255276)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】