説明

画像形成装置

【課題】支持部材を大型化にすることなく且つ簡易な構成で、支持部材に対する画像読取部材の取付強度を高めることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成部3の上に排紙空間9をあけて画像読取部5を支持する支持部材7を備え、支持部材7は画像読取部5との接合部11が画像読取部5の厚みと略同一の寸法を有する画像形成装置1において、支持部材7は外周にフランジ13を形成した板材であり、画像読取部5との接合部11は、一側面に画像読取部5を当接して接合してあり、フランジ13は他面側に突設して形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部の上に排紙空間をあけて画像読取部を支持する支持部材を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置において、画像形成部の上に原稿を読取る画像読取部を設けると共に、画像形成部と画像読取部との間に画像形成後の用紙を排紙する排紙空間を設けたものが公知である。
【0003】
係る画像形成装置では、下端部を画像形成部に固定した支持部材の上端部に画像読取部を接合部してあり、この接合部の上下寸法は画像読取部の厚みと略同一の寸法になっている。
【0004】
特許文献1には、支持部材を板状の鋼材で形成し、その外囲に画像読取部側に突設するフランジを曲げて形成し、フランジの内周側に画像読取部側に突設した突設部を設けて突設部を画像読取部に接合することが開示されている。
【0005】
また、他の従来技術として、図7〜図9に示すように、板状の支持部材101において、その外周に画像読取部5(図9参照)側に向けて突設したフランジ103を形成し、内周側を画像読取部5側に突設した突設部(接合部)105を形成し、突設部105を画像読取部5に当接してねじ107で接合することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、画像読取部では、画像読取時に原稿を上から抑える為、支持部材101における画像読取部5との接合部105に下に向かう大きな外力F(図9参照)がかかり、支持部材101の接合部105と画像読取部5との取付け強度が低下するという問題がある。
【0007】
これに対して、支持部材101の接合部105と画像読取部5との取付強度を高めようとすると、支持部材101を大型化したり、特許文献1のように画像読取部側に突設する突設部を取付けて画像読取部との接触面積を増やしたのでは構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、支持部材を大型化にすることなく且つ簡易な構成で、支持部材に対する画像読取部材の取付強度を高めることができる画像形成装置の提供を目的とする
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為、本発明は、画像形成部の上に排紙空間をあけて画像読取部を支持する支持部材を備え、支持部材は画像読取部との接合部が画像読取部の厚みと略同一の上下寸法を有する画像形成装置において、支持部材は外周にフランジを形成した板材であり、画像読取部との接合部は、一側面に画像読取部を当接して接合してあり、フランジは他面側に突設するように曲げて形成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、支持部材において、画像読取部との接合部は、フランジを画像読取部と反対の側に突設して形成しているので、フランジを画像読取部側に突設した場合に比較して画像読取部との接触面を大きく取ることができ、画像読取部を強固に固定することができる。即ち、フランジの突設方向を画像読取部と反対側(接合部の他面側)にするだけであるから、支持部材を大型化することなく且つ簡易な構成で画像読取部を支持部材に強固に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施の形態に係る画像形成装置において、支持部材と画像読取部との接合部分を、カバーを外して示す斜視部である。
【図2】図1に示す支持部材と画像読取部との接合部分を、画像読取部を除いて示す斜視図である。
【図3】図1に示すA―A断面図である。
【図4】図1のB部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4に示す分部を図4に示すC方向から見た斜視図である。
【図6】本時実施の形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図7】従来の画像形成装置において、支持部材と画像読取部との接合部分を、画像読取部を除いて示す斜視図である。
【図8】図9に示すE―E断面図である。
【図9】従来の画像形成装置において、高さ位置調整部材と画像読取部との係合部分を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
【0013】
図6に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、画像形成部3と、画像読取部(スキャナー部)5と、下端部を画像形成部3に固定し上端部を画像読取部5に固定して画像読取部5を支持する支持部材7とを備えており、画像形成部3と画像読取部5との間には排紙空間9が形成されている。
【0014】
画像読取部5は略四角柱形状であり、その一側面に支持部材7の接合部11が固定されている。
【0015】
支持部材7は、板状の鋼材(板材)でできており、図1〜図3に示すように、画像形成部との固定部10と、固定部10の上部に位置する接合部11とから構成されており、固定部10と接合部11とで略L字形状を成している。接合部11にはその一面側に画像読取部5を固定している。
【0016】
接合部11は、画像読取部5の側面に沿って延出する略長四角形状を成しており、上下寸法は画像読取部3の厚み寸法(上下寸法)と略同じ寸法に形成されている。
【0017】
支持部材7の外周には画像読取部3と反対側(他面側)に突設したフランジ13が折り曲げて形成されている。
【0018】
支持部材7の接合部11には、フランジ13の内周側に画像読取部5と反対側に突設した絞り部15が形成されており、絞り部15の周囲が画像読取部5との当接面17(図2及び図3参照)になっている。
【0019】
図1及び図2に示すように、接合部11において、絞り部15とフランジ13との間には接合部11の上部と下部において各々長手方向に間隔をあけてねじ孔19が形成されている。ねじ孔19は、図3に示すように、ねじ孔19に挿通するねじ27の座面27aの半径位置にねじの軸部27bを挿通する位置に形成している。本実施の形態では、ねじ27の座面27aの半径は5mm〜10mmであり、フランジ13からその内周側5mm〜10mmの位置に形成されている。
【0020】
支持部材7の接合部11において、画像形成部3との固定部10から最も離れた位置にある先端部12には、画像読取部5の取付け高さを調整する高さ調整部材21が取付けてある。この高さ調整部材21は支持部材7と画像読取部5との間に位置し、支持部材7の画像読取部5側面にねじ固定されている。
【0021】
高さ調整部材21は、図4に示すように、支持部材7の先端部12に形成された斜め方向の長孔23により、矢印Sで示すように斜めにスライド調整してねじ29で固定されている。
【0022】
図2及び図5に示すように、高さ調整部材21の下端には、画像読取部5側に突設して画像読取部5の下面を受ける受け部25が形成されている。高さ調整部材21は、板状の鋼材でできており、受け部25は画像読取部5側に折り曲げて形成してある。
【0023】
次に、本実施の形態における組立て及び作用効果を説明する。画像形成装置1の組立ては、支持部材7の下端部側にある固定部10を画像形成部3にねじ固定し、支持部材7の上端部側にある接合部11の先端部12に高さ調整部材21をねじ29で取付ける。高さ調整部材21は接合部11の画像読取部5側面(一面)に取付ける。
【0024】
そして、支持部材7の接合部11を画像読取部5の側面に当接し、接合部11の上下に設けてある各ねじ孔19にねじ27を挿通して、接合部11に画像読取部5をねじ固定する(図3参照)。
【0025】
次に、高さ調整部材21の受け部25が画像読取部5の下面に当接するように、長孔23に沿って移動することにより位置を調節し、ねじ29で固定する。
【0026】
本実施の形態によれば、支持部材7において、画像読取部5との接合部11は、フランジ13を画像読取部5と反対側(他面側)に突設するように形成しているので、図3に示すように、画像読取部5との接触面を、図8に示すフランジ13を画像読取部5側に突設した場合よりも大きく取ることができ、支持部材7に画像読取部5を強固に固定することできる。即ち、フランジ13の突設方向を画像読取部5と反対側(他面側)にするだけであるから、支持部材7を大型化することなく且つ簡易な構成で画像読取部5を支持部材7に強固に固定できる。
【0027】
しかも、図3に示すように本実施の形態では、支持部材7の接合部11は、上下2箇所の面で画像読取部5に接触しているので2面で当接することができ、図8に示す一面が当接する場合に比較して安定に取付けでき、取付け強度を更に高めることができる。
【0028】
支持部材7の接合部11では、少なくともその上部と下部とで画像読取部5にねじ27で固定してあり、ねじ27は上端又は下端からねじの座面27aの略半径位置にねじの軸部27bを取付けているから、上下方向におけるねじの取付け間隔を最大にでき、上下におけるねじの取付け間隔を狭くした場合に比較して、画像読取部5を安定に且つ強固に固定することができる。
【0029】
高さ調整部材21は支持部材7と画像読取部5との間設けてあるから、図5に示すように、高さ調整部材21を画像読取部5に近接して配置でき、画像読取部5の下面を受ける受け部25において、画像読取部5を受け部25の曲げ部25a近傍に配置できる。即ち、図9に示すように高さ調整部材を支持部材7に対して画像読取部5と反対側に配置した場合には受け部109において曲げ部111から画像読取部5までの距離L2に比較して本実施の形態では図5に示す短い距離L1にできるから、受け部25が変形し難く、画像読取部5を安定に保持することができる。
【0030】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 画像形成装置
3 画像形成部
5 画像読取部
7 支持部材
9 排紙空間
11 接合部
13 フランジ
17 当接面(一面)
19 ねじ孔
21 高さ調整部材
25 受け部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2007−328204号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部の上に排紙空間をあけて画像読取部を支持する支持部材を備え、支持部材は画像読取部との接合部が画像読取部の厚みと略同一の上下寸法を有する画像形成装置において、
支持部材は外周にフランジを形成した板材であり、画像読取部との接合部は、一側面に画像読取部を当接して接合してあり、フランジは他面側に突設するように曲げて形成してあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
支持部材の前記接合部は、少なくともその上部と下部とで画像読取部にねじ固定してあり、ねじは上端又は下端からねじの座面の略半径位置にねじの軸部を取付けていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像読取部の下端を受け部で受けて画像読取部の高さを調整する高さ調整部材を備え、高さ調整部材は板材でできており支持部材と画像読取部との間設けてあり、且つ画像読取部側に曲げて前記受け部を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−186110(P2010−186110A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30936(P2009−30936)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】