説明

画像形成装置

【課題】挿抜可能な複数のストレージデバイスの取り付け時の取り扱いを改善する。
【解決手段】個々に挿抜可能であって各々の接続位置が置換可能な状態で画像形成装置に接続されると共にデータを不揮発性の状態で記憶可能な複数のストレージデバイスと、前記複数のストレージデバイスのそれぞれに対応して記憶あるいは処理を実行する複数のデバイスと、を有する画像形成装置であって、前記複数のストレージデバイスの各々の接続位置に関して前記複数のデバイスとの間の対応関係が固定されない状態で前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとが前記画像形成装置に接続されており、前記複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間の対応関係を設定し、前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置に関し、特に、画像形成装置でのストレージデバイスの取り付け時における取り扱いの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の画像形成装置では、大容量の不揮発性の記憶手段であるストレージデバイスとして、一般的にはハードディスクドライブを使用している。
そして、この種の画像形成装置では、ハードディスクドライブの障害発生によるデータ消失を防止するため、定期的にバックアップとしてデータを他のストレージデバイス(待避用のストレージデバイスなど)に待避させることが可能になるよう、ハードディスクドライブを挿抜可能に構成されている。これにより、万が一、障害が発生した場合には、待避用ストレージデバイスからデータを書き戻すことで、画像形成装置の動作を保証するようにしている。
【0003】
また、この種の画像形成装置では、ハードディスクドライブの障害発生の際に、交換用の新たなハードディスクドライブと交換可能なように、ハードディスクドライブを挿抜可能に構成されている。これにより、万が一、障害が発生した場合には、故障したハードディスクドライブを取り外し、新たなハードディスクドライブを装着することで、画像形成装置の動作を保証するようにしている。
【0004】
なお、この種の、ストレージデバイスとしてハードディスクドライブを備えた画像形成装置については、以下の特許文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-190089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献1では、ハードディスクドライブを備えた画像形成装置を想定し、寿命などにより該ハードディスクドライブを交換することが記載されている。なお、ここで、画像形成装置は、カラー画像形成の為の各記録色Y,M,C,Kの色毎にハードディスクドライブを備えているものが具体例として記載されている。
【0007】
なお、この種の画像形成装置では、たとえば、Y,M,C,Kの各色毎にハードディスクドライブを備えて構成されている。また、Y,M,C,Kに加え、サムネイル画像用やタグデータ用なども加えて、合計で6台のハードディスクドライブを備えた画像形成装置も一般的である。
【0008】
ここで、図10に、上記特許文献1などに記載されている画像形成装置100の代表的な構成を示す。ここで、画像形成装置100は、画像処理部110、スキャナ120、プリントエンジン130を備えて構成されている。
【0009】
そして、画像処理部110は、制御部101、ROM102、揮発性のRAM103、不揮発性のRAM104、操作表示部105がシステムバスB1に接続されている。
また、PCIバスなどの汎用バスB2には、バスブリッジ114-1〜114-4の複数のバスブリッジが接続されている。
【0010】
そして、バスブリッジ114-1には、バスB3-1が接続されており、そのバスB3-1に、HDDコントローラ111-1とY用のメモリ115-Yとが接続されている。また、HDDコントローラ111-1には、スロット112-1を介して、Y用のHDD113-Yが接続されている。
【0011】
また、バスブリッジ114-2には、バスB3-2が接続されており、そのバスB3-2に、HDDコントローラ111-2とM用のメモリ115-Mとが接続されている。また、HDDコントローラ111-2には、スロット112-2を介して、M用のHDD113-Mが接続されている。
【0012】
また、バスブリッジ114-3には、バスB3-3が接続されており、そのバスB3-3に、HDDコントローラ111-3とC用のメモリ115-Cとが接続されている。また、HDDコントローラ111-3には、スロット112-3を介して、C用のHDD113-Cが接続されている。
【0013】
また、バスブリッジ114-4には、バスB3-4が接続されており、そのバスB3-4に、HDDコントローラ111-4とK用のメモリ115-Kとが接続されている。また、HDDコントローラ111-4には、スロット112-4を介して、K用のHDD113-Kが接続されている。
【0014】
この場合、スロット112-1〜112-4はコネクタ形状が同じであり、HDD113-Y〜113-K側も共通のコネクタ形状であり、HDD113-Y〜113-Kはスロット112-1〜112-4に対して挿抜可能に構成されている。
【0015】
このため、Y,M,C,Kの各HDDを異なるスロットに装着してしまうこともある。しかし、各HDDと各メモリとはバスブリッジの下流で1対1の対応付けがなされているため、間違ったHDDの装着によって、HDDとメモリとの対応関係が崩れてしまい、画像形成装置として正常な動作することができない状態に陥る。例えば、画像データの色が入れ替わった状態の画像が形成されたり、あるいは、画像形成がストップしてしまう、といったことになる。
【0016】
また、HDDの各スロットにおけるY,M,C,Kの装着順は正しいとしても、他の画像形成装置ともHDDやスロットの形状が同じであるため、異なる機種のHDDを装着してしまうこともある。
【0017】
このような場合、Y,M,C,Kの接続を間違えて動作しない、或いは、他の機種のハードディスクドライブを接続してしまったために動作しない、あるいは、似た他機種のハードディスクドライブを接続したために必要なデータが存在しないなど、各種の問題が発生しうるが、そのような場合に、画像形成装置側で問題の原因を特定することができず、また、動作の継続もできない。
【0018】
なお、以上はハードディスクドライブを具体例にした場合であるが、ハードディスクドライブ以外の各種の挿抜可能に構成されたリムーバブルなストレージデバイスにおいて同様の問題が発生しうる。
【0019】
本発明は以上の問題点を解決するものであり、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置における間違った取り付け時に対処可能な画像形成装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した課題を解決する本願発明は、以下に述べる通りである。
(1)請求項1記載の発明は、個々に挿抜可能であって各々の接続位置が置換可能な状態で画像形成装置に接続されると共にデータを不揮発性の状態で記憶可能な複数のストレージデバイスと、前記複数のストレージデバイスのそれぞれに対応して記憶あるいは処理を実行する複数のデバイスと、を有する画像形成装置であって、前記複数のストレージデバイスの各々の接続位置に関して前記複数のデバイスとの間の対応関係が固定されない状態で前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとが前記画像形成装置に接続されており、前記複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間の対応関係を設定し、前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する制御部を備える、ことを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
(2)請求項2記載の発明は、各種状態あるいは各種メッセージを表示する表示部を備え、前記制御部は、前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間の対応関係の設定について対応できない場合に、前記表示部に所定の表示を行う、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
【0022】
(3)請求項3記載の発明は、前記制御部は、前記ストレージデバイスの記憶領域に付された用途あるいは機種を示す情報または識別情報を参照し、前記対応関係の設定を行う、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置である。
【0023】
(4)請求項4記載の発明は、前記対応関係が固定されない状態として、前記複数のストレージデバイスのうち少なくとも2以上の前記ストレージデバイスが共通に接続され、前記複数のデバイスのうち少なくとも2以上の前記デバイスが共通に接続される、ことを特徴とする請求項1−3の少なくとも一項に記載の画像形成装置である。
【0024】
(5)請求項5記載の発明は、前記制御部は、所定のタイミングにおいて前記複数のストレージデバイスに所定のコードを生成して記憶させ、該所定のコードを読み取ることで、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1−3の少なくとも一項に記載の画像形成装置である。
【0025】
(6)請求項6記載の発明は、前記制御部は、該所定のコードを読み取り、コード生成時に別途画像形成装置内のいずれかに記憶させておいた同一のコードと比較するか、あるいは、コード生成のアルゴリズムに照らし合わせることで、前記ストレージデバイスが、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する、ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0026】
以上の発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)請求項1記載の画像形成装置の発明では、個々に挿抜可能であって各々の接続位置が置換可能なストレージデバイスが画像形成装置に接続される場合であって、複数のストレージデバイスの各々の接続位置に関して複数のデバイスとの間の対応関係が固定されない状態で複数のストレージデバイスと複数のデバイスとが画像形成装置に接続されている場合に、制御部は、複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間の対応関係を設定し、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する。
【0027】
このため、複数のストレージデバイスを異なる接続位置に装着したとしても、制御部が、複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間の対応関係を設定するため、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間で対応するデータ処理が行われるように制御される。
【0028】
従って、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が崩れてしまうことはなく、画像形成装置としての動作が確保される。
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続してしまったとしても画像形成装置で対処して正常な動作を確保することができる。
【0029】
(2)請求項2記載の画像形成装置の発明では、各種状態あるいは各種メッセージを表示する表示部を備えており、制御部は、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間の対応関係の設定について対応関係の設定が対処できない場合には、表示部に所定の表示を行う。
【0030】
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続した場合には、対処可能な場合には接続の対応関係を設定して画像形成装置の動作を確保し、対処不可能な場合には表示部に表示して通知や報知を行うことで状態を明らかにすることができる。
【0031】
(3)請求項3記載の画像形成装置の発明では、上記(1)または(2)において、制御部は、ストレージデバイスの記憶領域に付された用途あるいは機種を示す情報または識別情報を参照することで、複数のストレージデバイスと複数のデバイスの対応関係の設定を行う。
【0032】
このため、複数のストレージデバイスを異なる接続位置に装着したとしても、制御部が、複数のストレージデバイスの各々を正しく識別することができ、該複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間の対応関係を設定するため、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間で対応するデータ処理が行われるように制御される。従って、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が崩れてしまうことはなく、画像形成装置としての動作が確保される。
【0033】
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続してしまったとしても画像形成装置で対処して正常な動作を確保することができる。
【0034】
(4)請求項4記載の画像形成装置の発明では、上記(1)−(3)において、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が固定されない状態として、複数のストレージデバイスのうち少なくとも2以上のストレージデバイスが共通に接続され、複数のデバイスのうち少なくとも2以上のデバイスが共通に接続される。
【0035】
これにより、共通接続された2以上のストレージデバイスと、共通接続された2以上のデバイスとで、制御部が対応関係を設定し、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する。
【0036】
従って、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が崩れてしまうことはなく、画像形成装置としての動作が確保される。
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続してしまったとしても画像形成装置で対処して正常な動作を確保することができる。
【0037】
(5)請求項5記載の画像形成装置の発明では、上記(1)−(4)において、制御部は、所定のタイミングにおいて複数のストレージデバイスに所定のコードを生成して記憶させておき、該所定のコードを読み取ることで、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する。
【0038】
従って、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が崩れてしまうことはなく画像形成装置としての動作が確保されるだけでなく、他機の同種のストレージデバイスが間違って装着された場合の判定も可能になる。
【0039】
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続してしまったとしても画像形成装置で対処して正常な動作を確保することができる。
【0040】
(6)請求項6記載の画像形成装置の発明では、上記(5)において、制御部は、該所定のコードを読み取り、コード生成時に別途画像形成装置内のいずれかに記憶させておいた同一のコードと比較するか、あるいは、コード生成のアルゴリズムに照らし合わせることで、ストレージデバイスが、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する。
【0041】
従って、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの対応関係が崩れてしまうことはなく画像形成装置としての動作が確保されるだけでなく、他機の同種のストレージデバイスが間違って装着された場合の判定も正確に行うことが可能になる。
【0042】
これにより、データを保存するために挿抜可能に接続されている複数のストレージデバイスを備えた画像形成装置において、該ストレージデバイスを間違った位置に接続してしまったとしても画像形成装置で対処して正常な動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す構成図である
【図2】本発明の実施形態の構成を示す構成図である
【図3】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】従来の画像形成装置を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置を実施するための形態(実施形態)を詳細に説明する。
〔画像形成装置100の構成(1)〕
ここで、第一実施形態の画像形成装置100の構成を、図1(ブロック図)に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態の画像形成装置100としては、各種の画像形成装置に適用が可能であるが、ここでは、スキャナ,複写機,プリンタ,ファクシミリ装置の機能を備えた複合機(MFP)を具体例にして説明を続ける。また、画像形成装置100として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0045】
また、ここでは、複数のストレージデバイスとして複数のハードディスクドライブ(HDD)、複数のデバイスとして複数のメモリを具体例にして説明を行う。なお、複数のストレージデバイスは、複数のソリッドステートドライブ(Solid State Drive)を用いることが可能である。また、複数のデバイスとしては、処理回路などを用いることが可能である。また、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、処理回路などを混在させた状態でもよい。
【0046】
本実施形態の画像形成装置100は、画像データに画像処理を行う画像処理部110、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ120、画像処理された画像データにより画像形成を行うプリントエンジン130、を備えて構成されている。
【0047】
なお、この画像形成装置では、たとえば、イエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各色毎にハードディスクドライブなどのストレージデバイスを備えて構成されている。
ここで、画像処理部110は、制御部101、ROM(Read Only Memory)102、揮発性のRAM(Random Access Memory)103、不揮発性のRAM104、操作表示部105がシステムバスB1に接続されている。
【0048】
また、PCIバスなどの汎用バスB2には、複数のHDD(Hard Disk Drive)コントローラ111-1〜111-4が接続されている。ここで、HDDコントローラは、後述するHDDのライト(書き込み)/リード(読み出し)を制御する記憶制御手段である。
【0049】
ここで、HDDコントローラ111-1には、スロット112-1を介して、Y用のHDD113-Yが接続されている。HDDコントローラ111-2には、スロット112-2を介して、M用のHDD113-Mが接続されている。HDDコントローラ111-3には、スロット112-3を介して、C用のHDD113-Cが接続されている。HDDコントローラ111-4には、スロット112-4を介して、K用のHDD113-Kが接続されている。
【0050】
この場合、スロット112-1〜112-4はコネクタ形状が同じであり、HDD113-Y〜113-K側も共通のコネクタ形状であり、HDD113-Y〜113-Kはスロット112-1〜112-4に対して挿抜可能に構成されている。
【0051】
ここで、複数のHDD113-Y〜113-Kは、スロット112-1〜112-4、HDDコントローラ111-1〜111-4を介して、汎用バスB2に共通に接続された状態になっている。
【0052】
また、汎用バスB2に接続されたバスブリッジ114にはバスB3が接続されており、このバスB3に、複数のデバイスとしての複数の色別の画像処理用のメモリ(メモリ115-Y,メモリ115-M,メモリ115-C,メモリ115-K)が共通に接続されている。
【0053】
なお、以上の複数のHDD(ストレージデバイス)と複数のメモリ(デバイス)とは、Y,M,C,K同士の対応関係が固定されない状態として、複数のストレージデバイスがバスB2に共通に接続され、複数のデバイスがバスB2以下のバスB3に共通に接続されている。
【0054】
そして、画像処理部110では、画像形成装置100において処理すべき画像データを必要に応じて画像処理する。なお、この際に、処理前あるいは処理中あるいは処理後の画像データを、画像出力までの間にスプールデータとして、色毎にHDD113-Y〜113-Kに記憶させる。さらに、画像処理部110では、画像形成装置100において処理すべき画像データを、色毎にメモリ115-Y,メモリ115-M,メモリ115-C,メモリ115-Kを用いて画像処理を行う。
【0055】
ここで、各部を制御するためCPU(Central Processing Unit)などで構成された制御部101は、インストールされているOS(Operating System)またはファームウェア等に基づいて、画像形成装置100の制御プログラムに従って、画像形成装置100を構成する各部を制御して、各種の演算処理を行うことによって、画像形成装置を統括的に制御する。また、この実施形態では、制御部101は、複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間の対応関係を設定し、複数のストレージデバイスと複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する。
【0056】
ROM102は、BIOS(Basic Input Output System)や各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。ここで、BIOSは、制御部101の基本動作を制御するためのプログラム(ファームウェア)である。また、BIOSは、制御部101に起動イベントが発生したときに、最初に実行され、各コンポーネントを初期化するためのPOST(Power On Self Test)処理を実行するものである。
【0057】
揮発性のRAM103は、制御部101の作業用領域(メインメモリ)として使用される揮発性のメモリである。例えばHDDやROM等に記憶されたOSや制御プログラム、処理データ等を一時的に記憶するメモリである。不揮発性のRAM104は、制御部101が必要とする各種情報やデータが電源オフによっても消失しない状態で記憶されるメモリである。操作表示部105には制御部101からの指示による各種メッセージ表示がなされ、また、使用者からの操作が制御部101に伝達される。
【0058】
スキャナ120は、原稿から画像を読み取って画像データを入力するスキャナなどの画像入力手段である。原稿から画像を読み取って画像データを取得するスキャナ120は、走査光源部、走査ミラー部、結像レンズ、CCDイメージセンサから構成される。
【0059】
プリントエンジン130としては、画像形成装置100が上述した複合機である場合には、記録材上にトナー像を形成するプリンタとして構成することが可能である。
〔画像形成装置100の構成(2)〕
ここで、第一実施形態の画像形成装置100の別な構成を、図2(ブロック図)に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態の画像形成装置100としては、各種の画像形成装置に適用が可能であるが、ここでは、スキャナ,複写機,プリンタ,ファクシミリ装置の機能を備えた複合機(MFP)を具体例にして説明を続ける。また、画像形成装置100として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0060】
また、ここでは、複数のストレージデバイスとして複数のハードディスクドライブ(HDD)、複数のデバイスとして複数のメモリを具体例にして説明を行う。なお、複数のストレージデバイスは、複数のソリッドステートドライブ(Solid State Drive)を用いることが可能である。また、複数のデバイスとしては、処理回路などを用いることが可能である。また、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、処理回路などを混在させた状態でもよい。
【0061】
本実施形態の画像形成装置100は、画像データに画像処理を行う画像処理部110、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ120、画像処理された画像データにより画像形成を行うプリントエンジン130、を備えて構成されている。
【0062】
なお、この画像形成装置では、たとえば、イエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各色毎に加え、更に、タグデータT、サムネイルデータS毎に、ハードディスクドライブなどのストレージデバイスを備えて構成されている。
【0063】
ここで、画像処理部110は、制御部101、ROM(Read Only Memory)102、揮発性のRAM(Random Access Memory)103、不揮発性のRAM104、操作表示部105がシステムバスB1に接続されている。
【0064】
ここで、この画像形成装置100では、システムバスB1以下に、バスB21と、バスB22との2組のPCIバスなどの汎用バスが接続されている。
バスB21には、複数のHDD(Hard Disk Drive)コントローラ111-1〜111-3が接続されている。ここで、HDDコントローラは、後述するHDDのライト(書き込み)/リード(読み出し)を制御する記憶制御手段である。
【0065】
ここで、HDDコントローラ111-1には、スロット112-1を介して、Y用のHDD113-Yが接続されている。HDDコントローラ111-2には、スロット112-2を介して、M用のHDD113-Mが接続されている。HDDコントローラ111-3には、スロット112-3を介して、C用のHDD113-Cが接続されている。
【0066】
また、バスB21に接続されたバスブリッジ114aにはバスB31が接続されており、このバスB31に、複数のデバイスとしての複数の色別の画像処理用のメモリ(メモリ115-Y,メモリ115-M,メモリ115-C)が共通に接続されている。
【0067】
この場合、スロット112-1〜112-3はコネクタ形状が同じであり、HDD113-Y〜113-C側も共通のコネクタ形状であり、HDD113-Y〜113-Cはスロット112-1〜112-3に対して挿抜可能に構成されている。ここで、複数のHDD113-Y〜113-Cは、スロット112-1〜112-3、HDDコントローラ111-1〜111-3を介して、バスB21に共通に接続された状態になっている。
【0068】
また、バスB22には、複数のHDD(Hard Disk Drive)コントローラ111-4〜111-6が接続されている。ここで、HDDコントローラは、後述するHDDのライト(書き込み)/リード(読み出し)を制御する記憶制御手段である。
【0069】
ここで、HDDコントローラ111-4には、スロット112-4を介して、K用のHDD113-Kが接続されている。HDDコントローラ111-5には、スロット112-5を介して、タグデータ(T)用のHDD113-Tが接続されている。HDDコントローラ111-6には、スロット112-6を介して、サムネイルデータ(S)用のHDD113-Sが接続されている。
【0070】
また、バスB22に接続されたバスブリッジ114bにはバスB32が接続されており、このバスB32に、複数のデバイスとしての複数のデータ別の画像処理用のメモリ(K用のメモリ115-K,タグデータT用のメモリ115-T,サムネイルデータS用のメモリ115-S)が共通に接続されている。
【0071】
この場合、スロット112-4〜112-6はコネクタ形状が同じであり、HDD113-K〜113-S側も共通のコネクタ形状であり、HDD113-K〜113-Sはスロット112-4〜112-6に対して挿抜可能に構成されている。ここで、複数のHDD113-K〜113-Sは、スロット112-4〜112-5、HDDコントローラ111-4〜111-6を介して、バスB22に共通に接続された状態になっている。
【0072】
なお、以上の複数のHDD(ストレージデバイス)と複数のメモリ(デバイス)とは、YMC同士の対応関係が固定されない状態として、複数のストレージデバイスがバスB21に共通に接続され、複数のデバイスがバスB21以下のバスB31に共通に接続されている。
【0073】
同様に、以上の複数のHDD(ストレージデバイス)と複数のメモリ(デバイス)とは、KTS同士の対応関係が固定されない状態として、複数のストレージデバイスがバスB22に共通に接続され、複数のデバイスがバスB22以下のバスB32に共通に接続されている。
【0074】
すなわち、Y,M,C,K,T,Sの合計6系統のHDD(ストレージデバイス)とメモリ(デバイス)とが、YMCとKTSの2組に分かれて、それぞれの組の中では対応関係が固定されない状態として共通に接続されている。
【0075】
また、言い換えると、対応関係が固定されない状態とは、複数のHDD113(ストレージデバイス)のうち少なくとも2以上のものが共通に接続され、複数のメモリ115(デバイス)のうち少なくとも2以上のものが共通に接続され、かつ、これらが、共通のバスを介して接続されている状態、すなわち、図1または図2の状態を言う。
【0076】
〔画像形成装置100の動作〕
以下、図3以降のフローチャートを参照して、画像形成装置100の動作について説明する。ここでは、画像形成装置100の電源オン時において、取り外されているHDDを装着する際の動作を説明する。また、ここでは、図2の構成の合計6台のHDDを挿抜可能な構成について動作を説明する。
【0077】
制御部101は、画像形成装置の電源オン時において(図3中のステップS11)、スロット112−1〜112−6のいずれかに装着されるHDDについて台数パラメータnについて初期値を1として(図3中のステップS12)、HDDコントローラ111経由で装着されたHDDに何らかのエラーが発生しないかを判定する(図3中のステップS13)。ここで、エラーとは、HDDが接続されたHDDコントローラ111が何らかの異常を検知した場合を言う。
【0078】
装着したHDDに何らかのエラーが発生した場合には(図3中のステップS13でエラー)、HDDコントローラ111経由でエラーコードなどを取得して記録しておく(図3中のステップS15)。
【0079】
装着したHDDにエラーが発生しない場合(図3中のステップS113で正常)は、制御部101は、HDDコントローラ111経由でHDDの内部に記録されている認識IDなどの所定のコードを取得する(図3中のステップS14)。ここで、所定のコードとしては、画像形成装置100の用途あるいは機種を示す情報、シリアル番号などの識別情報、タイムスタンプなどであり、これらに、Y,M,C,K,T,Sなどの区別のコードを付加したものを、この所定のコードをHDDの認識IDとして用いる。
【0080】
ここでは、この認識IDとしての所定のコードの内容については判断せず、HDDの予め設定された所定の領域から、認識ID(所定のコード)についての読み取りが可能か否かだけを判断する。
【0081】
装着したHDDから認識ID(所定のコード)が読み取れない場合には(図3中のステップS14でエラー)、制御部101は、認識ID読み取り不能としてエラーを記録しておく(図3中のステップS15)。
【0082】
装着したHDDから認識ID(所定のコード)が読み取れた場合には(図3中のステップS14で正常)、制御部101は、読み取った認識IDを保存しておく(図3中のステップS16)。さらに、この認識IDに関連したファイルがHDD内に存在する場合には、そのファイルも認識IDに併せて保存しておく(図3中のステップS17)。
【0083】
そして、いずれかのスロット112に装着されたHDDについてのエラー検知あるいは認識ID取得・保存がなされた時点で(図3中のステップS15またはS17)、台数パラメータnをインクリメントして(図3中のステップS18)、画像形成装置100に装着しうる最大数N(図1の構成では4、図2の構成では6)までの各HDDについて、装着とエラー検知(図3中のステップS13)、認識ID取得とエラー検知(図3中のステップS114)とを繰り返す(図3中のステップS19でNO〜S13)。
【0084】
画像形成装置100に装着しうる最大数NのHDDを装着した時点で(図3中のステップS19でYES)、制御部101は、発生したエラー内容を解析するエラー解析処理(図3中のステップS20)、複数のHDD(ストレージデバイス)と複数のメモリ(デバイス)との間の対応関係を設定するマウント処理(図3中のステップS21)、画像形成装置の電源オフに関する電源オフ処理(図3中のステップS22)、を実行する。
【0085】
これら、エラー解析処理(図3中のステップS20)、マウント処理(図3中のステップS21)、電源オフ処理(図3中のステップS22)については、別途フローチャートを参照して詳細に説明する。
【0086】
図3ステップS20におけるエラー解析処理について、以下、図4のフローチャートを用いて説明する。
このエラー解析処理としては、制御部101は、HDDそれぞれについて(図3中のステップS201、S206)、マウントエラー判断(図4中のステップS202)、IDエラー判断(図4中のステップS203)、ID判断(図4中のステップS204)、を実行する。
【0087】
ここで、マウントエラー判断(図4中のステップS202)について、以下、図5のフローチャートを用いて説明する。
HDD113のスロット112への装着時にエラー(マウントエラー)が検知された場合(図3中のステップS13)、後述するマウント処理(図3ステップS21)で対処することができない根本な原因が存在すると考えられるため、マウントエラーを発生したHDD113がスロット112-1〜112-6のいずれに装着されたHDDであるかを、制御部101が操作表示部105に表示する(図5中のステップS2021)。この際、HDDの装着時のエラーであって、HDD内から情報の取得はできない可能性があり、認識ID取得などを行っていないため、どのスロットに装着されるHDDであるかを表示する。
【0088】
そして、制御部101は、予め定められたマウントエラーについてのガイダンス、すなわち、画像形成装置100の使用者がどのように対処すればよいかのヘルプ表示を、操作表示部105に表示する(図5中のステップS2022)。この場合には、マウントエラーを発生したHDDを取り外し、別な適切なHDDをスロットに装着するような手順を示したガイダンスを表示すればよい。
【0089】
つぎに、IDエラー判断(図4中のステップS203)について、以下、図6のフローチャートを用いて説明する。
HDD113のスロット112への装着時に認識IDの読み取りエラー(IDエラー)が検知された場合(図3中のステップS14)、IDが書き込まれていない新規のHDDであると考えられるため、制御部101は、新規に認識IDの書き込みを行うようにする。
【0090】
なお、この際に、ライトプロテクトなどによって新規の認識IDの書き込みをHDDが受け付けない場合(図6中のステップS2032でエラー)、書き込み時にエラーを発生した場合(図6中のステップS2033でエラー)には、制御部101は、認識ID新規書き込みエラーとして記録しておく(図6中のステップS2034)。
【0091】
一方、新規の認識IDの書き込みでエラーが発生しない場合(図6中のステップS2032正常、S2033正常)、制御部101は、HDDコントローラ111経由でHDDの内部の所定の領域に、所定のコードとして、画像形成装置100の用途あるいは機種を示す情報、シリアル番号などの識別情報、タイムスタンプなどの予め定められたデータやコードを認識IDとしてHDDに書き込む(図6中のステップS2035)。
【0092】
なお、この新規の認識IDが書き込まれたHDDについては、このまま使用可能に登録しても良いし、再度の装着によって図3のフローチャートを繰り返してから使用可能にしてもよい。
【0093】
つぎに、ID判断(図4中のステップS204)、について、以下、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、HDD113のスロット112への装着時にマウントエラー(図3中のステップS13)が検知されず、認識IDの読み取りエラー(図3中のステップS14)が検知されない場合(図7中のステップS2041で正常)、制御部101は、各HDD113(HDD113-Y〜113-S)について、認識IDなどとしてタイムスタンプが含まれているか否かを調べる(図7中のステップS2042)。
【0094】
認識IDなどとしてタイムスタンプが含まれている場合には(図7中のステップS2042でYES)、制御部101は、同一日時を示す同一表記のタイムスタンプであるかを調べる(図7中のステップS2043)。
【0095】
同一日時を示す同一表記のタイムスタンプであれば(図7中のステップS2043でYES)、複数のHDD113-Y〜113-Sは同一の画像形成装置100で使用されていたものであるため、制御部101は、同一機種用HDDであるとして登録する(図7中のステップS2044a)。
【0096】
複数のHDD113-Y〜113-Sのうち、いずれかで異なる日時を示すタイムスタンプがあれば(図7中のステップS2043でNO)、複数のHDD113-Y〜113-Sは同一の画像形成装置100で使用されていたものではないため、制御部101は、他機種HDD混在であるとして登録する(図7中のステップS2044b)。
【0097】
そして、制御部101は、各HDDの認識IDを参照し、Y用、M用、C用、K用、T用、S用の別をチェックする(図7中のステップS2045)。すなわち、制御部101は、認識IDにより、各スロット112-1〜112-6にいずれのHDD113が装着されているかをチェックする。
【0098】
そして、以上のID判定を装着された全てのHDD113について実行し(図7中のステップS2046)、
各スロット112-1〜112-6に複数のHDD113-Y〜113-Sのいずれが装着されているか、同一機種用HDDが搭載されているか否か、他機種用であって使用できない状態になっているHDDがあるか、装着位置の関係で後述するマウント処理によっても使用できなHDDがあるか、などを、制御部101は操作表示部105に表示する(図7中のステップS2047)。
【0099】
また、他機種のHDDが搭載されている場合には、このまま使用するか、あるいは、HDDを交換するかを、使用者に問い合わせるメッセージを、制御部101は操作表示部105に表示する。
【0100】
そして、制御部101は、操作表示部105における使用者へのメッセージに対する使用者からの操作や選択を受け入れ(図7中のステップS2048)、各スロット112-1〜112-6へのHDD113-Y〜113-Sの装着状態、同一機種用HDD/他機種用HDDの装着状態、他機種用であって使用できない状態になっているHDD、装着位置の関係で後述するマウント処理によっても使用できなHDD、使用できないHDDにより画像形成装置として使用できない機能、などを、制御部101は操作表示部105に表示する(図7中のステップS2049)。
【0101】
以上の処理により、他の画像形成装置ともHDDやスロットの形状が同じであって異なる機種のHDDを装着してしまう場合にも、画像形成装置100側で問題の原因を特定することが可能になり、また、可能な範囲で動作の継続をすることができるようになる。
【0102】
つぎに、マウント処理(図3中のステップS21)、について、以下、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部101は、以上の各種処理により解析されたHDD113についてのエラーの種類や状態、HDD113の装着状態を参照する(図8中のステップS211)。
【0103】
そして、制御部101は、エラーや装着状態に応じて、該複数のHDD113と複数のメモリ115との間の対応関係の設定が可能であるかであるか否かを判定する(図8中のステップS212)。
【0104】
ここで、図1の構成であれば、HDD113-Y〜113-Kは、スロット112-1〜112-4のいずれの位置に装着されても、メモリ115-Y〜115-Kとの対応関係が固定されていない状態に構成されているため、装着されたHDD113-Y〜113-Kにエラーが発生していなければ、あるいは、ID書き込みなどでエラーが回復していれば、制御部101が対応関係を設定することで、対応するデータ処理を行うようことが可能になる。
【0105】
また、ここで、図2の構成であれば、HDD113-Y〜113-Cは、スロット112-1〜112-3のいずれの位置に装着されても、メモリ115-Y〜115-Cとの対応関係が固定されていない状態に構成されているため、装着されたHDD113-Y〜113-Cにエラーが発生していなければ、あるいは、ID書き込みなどでエラーが回復していれば、制御部101が対応関係を設定することで、対応するデータ処理を行うようことが可能になる。同様に、HDD113-K〜113-Sは、スロット112-4〜112-6のいずれの位置に装着されても、メモリ115-K〜115-Sとの対応関係が固定されていない状態に構成されているため、装着されたHDD113-K〜113-Sにエラーが発生していなければ、あるいは、ID書き込みなどでエラーが回復していれば、制御部101が対応関係を設定することで、対応するデータ処理を行うようことが可能になる。
【0106】
この対応関係の設定が全てのHDD113とメモリ115との間で可能であれば(図8中のステップS212でYES(可能))、以下のような対応関係の設定(マウント割り当て)を制御部101が行う(図8中のステップS214)。また、この対応関係の設定が一部のHDD113とメモリ115との間で可能であれば(図8中のステップS212でYES(一部可能))、以下のような対応関係の設定(マウント割り当て)を制御部101が行う(図8中のステップS216)。
【0107】
ここで、図1の構成では、複数のHDD113と複数のメモリ115との間の対応関係の設定とは、各スロット112-1〜112-6に対して、HDD113-Y〜113-Sがどのように装着されているかの状態に応じて、HDD113-Yとメモリ115-Yとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Mとメモリ115-Mとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Cとメモリ115-Cとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Kとメモリ115-Kとが対応関係になるように割り当てる、ことを意味する。そして、このような対応関係の設定をするように、HDDコントローラ111-1〜111-4に対して、以上のような割り当てについての指示を与える。
【0108】
また、この図2の構成では、複数のHDD113と複数のメモリ115との間の対応関係の設定とは、各スロット112-1〜112-6に対して、HDD113-Y〜113-Sがどのように装着されているかの状態に応じて、HDD113-Yとメモリ115-Yとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Mとメモリ115-Mとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Cとメモリ115-Cとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Kとメモリ115-Kとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Tとメモリ115-Tとが対応関係になるように割り当て、HDD113-Sとメモリ115-Sとが対応関係になるように割り当てる、ことを意味する。そして、このような対応関係の設定をするように、HDDコントローラ111-1〜111-3に対して、さらに、HDDコントローラ111-4〜111-6に対して、以上のような割り当てについての指示を与える。
【0109】
以上のHDD113とメモリ115との対応関係の設定により、複数のHDD113と複数のメモリ115との対応関係が崩れてしまうことはなくなり、画像形成装置100としての通常の動作が確保される。
【0110】
また、以上のHDD113とメモリ115との対応関係の設定について、全てではないが一部のHDD113とメモリ115との間で可能であれば、対応関係の設定が可能な範囲の複数のHDD113と複数のメモリ115との対応関係が崩れてしまうことはなくなり、画像形成装置100としての通常の動作が一部確保される。
【0111】
そして、制御部101は、以上の複数のHDD113と複数のメモリ115との間の対応関係の設定ができない場合(図8中のステップS212でNO(不可))には、対応関係の設定ができないこと、対応関係の設定ができないために画像形成ができないこと、画像形成は可能であるが対応関係の設定ができないために動作が制限される機能(サムネイル機能の制限など)、対応関係の設定ができないために動作が可能となる一部の機能(基本的な画像形成動作のみなど)、について、使用者に通知することが必要な表示を行う(図8中のステップS213)。
また、制御部101は、複数のHDD113と複数のメモリ115との全ての間の対応関係の設定ができる場合(図8中のステップS212でYES)には、対応関係の設定ができること、対応関係の設定ができるために画像形成が問題なくできること、について、使用者に通知することが必要な表示を行う(図8中のステップS215)
また、制御部101は、複数のHDD113と複数のメモリ115との一部の間の対応関係の設定ができる場合(図8中のステップS212でYES(一部可能))には、対応関係の設定が一部のHDDとメモリとの間でできること、対応関係の設定ができるために画像形成ができること、画像形成は可能であるが対応関係の設定が一部できないために動作が制限される機能(サムネイル機能の制限など)、対応関係の設定が一部しかできないために動作が可能となる一部の機能(基本的な画像形成動作のみなど)、について、使用者に通知することが必要な表示を行う(図8中のステップS217)。
つぎに、電源オフ処理(図3中のステップS22)、について、以下、図9のフローチャートを用いて説明する。この電源オフ処理とは、画像形成装置100の電源オフ時において、電源オフ直前に所定のコードをHDD113-1〜113-KあるいはHDD113-1〜113-Sに書き込む処理を意味している。
【0112】
まず、制御部101は、画像形成装置100の用途あるいは機種を示す情報(型番などの情報)、シリアル番号などの識別情報、タイムスタンプなどに、Y,M,C,K,T,Sなどの区別のコードを付加したものを、各HDD113の認識IDとして使用される所定のコードを生成する(図9中のステップS221)。この際、以上の元になる各情報をそのままの形(いわゆる平文)で使用しても良いし、あるいは、以上の情報とハッシュ関数などを用いて平文ではない形の所定のコードを生成してもよい。
【0113】
そして、制御部101は、以上の所定のコードを各HDD113の所定の予め定められた記憶領域に書き込む(図9中のステップS222)。なお、この所定のコードとしては、各種の変形や、暗号化などが可能である。また、この所定のコード単体ではなく、他の情報と合わせた状態で書き込むことも可能である。この所定のコードの書き込みが完了したら、制御部101は、画像形成装置100の電源を遮断する。
【0114】
なお、ここでは、電源オフ処理として所定のコードを各HDD113に書き込むことを示したが、電源オフ時に限られるものではない。すなわち、電源オフ時が最も確実ではあるが、画像形成装置100の動作中の他の任意のタイミング、たとえば、スリープ時など、画像形成に影響を与えないタイミングに実行してもよい。また、任意のタイミングと電源オフ時との両方で、制御部101が所定のコードを各HDD113に書き込むようにしても良い。
【0115】
〔画像形成装置100のその他の構成〕
以上の実施形態では、ストレージデバイスの具体例として、HDD113を用いて説明してきた。しかし、ストレージデバイスはHDD113に限定されず、フラッシュメモリ等を用いたソリッドステートドライブ(Solid State Drive)であってもよい。
【0116】
また、ここでは、HDD113と対応関係の設定がなされる複数のデバイスとして複数の画像処理用のメモリを具体例にして説明を行ったが、これに限定されず、複数のデバイスとして各色の画像処理用のプロセッサや処理回路などであってもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 画像形成装置
105 操作表示部
102 ROM
103 RAM
104 RAM
110 画像処理部
120 スキャナ
130 プリントエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に挿抜可能であって各々の接続位置が置換可能な状態で画像形成装置に接続されると共にデータを不揮発性の状態で記憶可能な複数のストレージデバイスと、
前記複数のストレージデバイスのそれぞれに対応して記憶あるいは処理を実行する複数のデバイスと、
を有する画像形成装置であって、
前記複数のストレージデバイスの各々の接続位置に関して前記複数のデバイスとの間の対応関係が固定されない状態で前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとが前記画像形成装置に接続されており、
前記複数のストレージデバイスの各々を識別し、該複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間の対応関係を設定し、前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間で対応するデータ処理を行うよう制御する制御部を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
各種状態あるいは各種メッセージを表示する表示部を備え、
前記制御部は、
前記複数のストレージデバイスと前記複数のデバイスとの間の対応関係の設定について対応できない場合に、前記表示部に所定の表示を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ストレージデバイスの記憶領域に付された用途あるいは機種を示す情報または識別情報を参照し、前記対応関係の設定を行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記対応関係が固定されない状態として、
前記複数のストレージデバイスのうち少なくとも2以上の前記ストレージデバイスが共通に接続され、
前記複数のデバイスのうち少なくとも2以上の前記デバイスが共通に接続される、
ことを特徴とする請求項1−3の少なくとも一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
所定のタイミングにおいて前記複数のストレージデバイスに所定のコードを生成して記憶させておき、
該所定のコードを読み取ることで、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1−3の少なくとも一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
該所定のコードを読み取り、コード生成時に別途画像形成装置内のいずれかに記憶させておいた同一のコードと比較するか、あるいは、コード生成のアルゴリズムに照らし合わせることで、前記ストレージデバイスが、それまで使用していたストレージデバイスであるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−10116(P2011−10116A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152655(P2009−152655)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】