説明

画像形成装置

【課題】用紙にトナー像を転写し、定着する工程を複数回繰り返して多色画像を形成する画像形成装置であって、用紙の形状を検知する検知位置から転写位置までの用紙搬送経路の長さが確保された小型の画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、トナー像が形成される像保持体10と、トナー像を用紙に転写する転写装置30と、トナー像を定着する定着装置40と、用紙にトナー像を転写し、定着する工程が複数回繰り返され、複数色のトナー像が用紙上に形成されるように、像保持体の周囲を周回する搬送経路51に沿って用紙を搬送する搬送機構50と、用紙の形状を検知する用紙形状検知装置60とを有する。搬送経路から用紙が排出される排出位置PEと搬送経路に用紙が供給される供給位置PSと用紙の形状が検知される検知位置PDとが、定着位置PFの直後の用紙搬送方向下流に用紙搬送方向に沿って上記順番で互いに近接して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光体上に複数色のトナー像を順次形成し、当該複数色のトナー像を用紙に転写、定着して、多色(カラー)画像を形成するカラー画像形成装置がある。
【0003】
特許文献1には、定着器を通過した用紙が感光体および現像器の周りを周回して転写器の上流位置まで搬送されるように構成された用紙搬送路を備え、用紙を転写器および定着器を複数回通過させて用紙上で複数色のトナー画像を重ねて形成することでカラー画像を形成する画像形成装置が記載されている。
【0004】
また、当該画像形成装置において、定着器の通過による用紙の熱収縮に起因する色重ねズレを防止するために、用紙上での各色画像の位置を合わせる技術が記載されている。具体的には、1回目に転写器を通る前の用紙の端部位置を端部検知手段で検知し、2回目以降に転写器を通る前の用紙の端部位置を上記端部検知手段で検知し、2回目以降の端部位置検知結果と前回の端部位置検知結果との比較に基づいて、2回目以降のトナー画像が用紙上において印刷開始位置、主走査方向幅、副走査方向幅および主走査方向傾きが1回目のトナー画像と一致するように感光体上に形成される2回目以降のトナー画像を補正することが記載されている。
【0005】
また、特許文献1に記載の画像形成装置では、用紙を収容する給紙部は装置下部に配置されており、用紙を排紙する排紙経路は装置上部に配置されている。すなわち、給紙部と排紙経路とは、感光体、現像器、転写器、定着器などを挟んで互いに反対側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−349701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、用紙にトナー像を転写し、定着する工程を複数回繰り返して、用紙上に多色画像を形成する画像形成装置においては、装置をより小型化したいという要望がある。一方、当該画像形成装置において、用紙上で各色の画像を精度良く位置合わせする等の観点より、転写前の用紙の形状を検知する場合、用紙搬送方向の長い範囲を検知できることが望ましい。したがって、用紙の形状を検知する検知位置から転写位置までの用紙搬送経路の長さは、ある程度確保されることが望まれる。
【0008】
本発明は、用紙にトナー像を転写し、定着する工程を複数回繰り返して多色画像を形成する画像形成装置であって、用紙の形状を検知する検知位置から転写位置までの用紙搬送経路の長さが確保された小型の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数色のトナー像が順次形成される像保持体と、前記像保持体に形成されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、前記用紙に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記用紙にトナー像を転写し、定着する工程が複数回繰り返され、前記複数色のトナー像が前記用紙上に形成されるように、前記像保持体の周囲を周回する搬送経路に沿って前記用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送経路を搬送される用紙の形状を検知する用紙形状検知手段と、を有し、前記搬送経路から用紙が排出される排出位置と、前記搬送経路に用紙が供給される供給位置と、前記用紙形状検知手段により用紙の形状が検知される検知位置とが、前記トナー像が用紙に定着される定着位置の直後の用紙搬送方向下流に、用紙搬送方向に沿って前記順番で互いに近接して配置されている、ことを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記検知位置は、前記トナー像が用紙に転写される転写位置から、用紙の搬送方向長さ以上離れている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、前記搬送経路に供給される用紙を収容する供給用紙収容部と、前記搬送経路から排出された用紙を収容する排出用紙収容部と、を有し、前記供給用紙収容部および前記排出用紙収容部は、前記搬送経路の前記転写位置から前記定着位置までの第1の経路部分と、前記供給用紙収容部に収容される用紙と、前記排出用紙収容部に収容される用紙とが互いに対向するように配置される、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置であって、前記供給用紙収容部は、前記搬送経路の前記定着位置から前記転写位置までの第2の経路部分を挟んで、前記第1の経路部分と対向するように配置され、前記排出用紙収容部は、前記第2の経路部分および前記供給用紙収容部を挟んで、前記第1の経路部分と対向するように配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、用紙にトナー像を転写し、定着する工程を複数回繰り返して多色画像を形成する画像形成装置であって、用紙の形状を検知する検知位置から転写位置までの用紙搬送経路の長さが確保された小型の画像形成装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、検知位置が転写位置から用紙の搬送方向長さ以上離れていない場合と比較して、各色の画像の位置合わせを精度良く行うことが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、第1の経路部分と、供給用紙収容部に収容される用紙と、排出用紙収容部に収容される用紙とが互いに対向しない場合と比較して、装置の小型化が可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、用紙搬送への負荷や画像劣化の影響を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
【図2】排出位置、供給位置、および検知位置の配置を説明するための図である。
【図3】排出位置、供給位置、および検知位置の配置を説明するための図である。
【図4】排出位置、供給位置、および検知位置の配置を説明するための図である。
【図5】供給用紙収容部、排出用紙収容部、および搬送経路の配置の一例を示す図である。
【図6】供給用紙収容部、排出用紙収容部、および搬送経路の配置の別の一例を示す図である。
【図7】供給用紙収容部、排出用紙収容部、および搬送経路の配置のさらに別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成の一例を示す概略図である。この画像形成装置1は、用紙にトナー像を転写し、定着する工程を複数回繰り返して、用紙上に多色(カラー)画像を形成するものである。
【0020】
図1において、画像形成装置1は、像保持体10、現像装置20、転写装置30、定着装置40、搬送機構50、用紙形状検知装置60、供給用紙収容部70、排出用紙収容部80、および制御装置90を有する。
【0021】
像保持体10は、複数色のトナー像が順次形成される部材であり、例えば感光体である。図1の例では、像保持体10はドラム状の感光体である。ただし、像保持体10の形状は、例えばベルト状など、他の態様であってもよい。具体的には、像保持体10の表面には、色毎に、静電潜像が形成され、この静電潜像がトナーで現像されてトナー像が形成される。一つの態様では、上記複数色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色である。ただし、色の種類や数は、上記以外であってもよい。
【0022】
現像装置20は、像保持体10に形成された静電潜像を現像して像保持体10上に複数色のトナー像を1色ずつ順番に形成する。一つの態様では、現像装置20は、複数色分の現像器と、現像に使用される現像器を切り替える機構とを含む。図1の例では、現像装置20は、それぞれY,M,C,Kのトナーで現像する4つの現像器と、これら4つの現像器を回転軸周りに保持する保持体とを含む。この保持体は、4つの現像器と一体的に回転軸周りに回転して、像保持体10に対向する現像器(すなわち現像に使用される現像器)を切り替える。
【0023】
転写装置30は、現像装置20により像保持体10に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。具体的には、転写装置30は、トナー像を静電的に用紙P上に転写するものであり、図1の例では転写ローラである。
【0024】
定着装置40は、転写装置30により用紙Pに転写されたトナー像を定着する。具体的には、定着装置40は、熱および圧力によってトナー像を用紙P上に定着するものであり、図1の例では、トナー像を加熱する加熱ローラと、当該加熱ローラに加圧状態で接する加圧ローラとを含む。
【0025】
なお、図1では図示が省略されているが、具体的な一態様では、像保持体10の回転方向について、現像装置20の上流側には、像保持体10の表面を一様に帯電する帯電装置と、当該帯電装置により帯電された像保持体10の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置とが設けられる。また、転写装置30の下流側には、像保持体10に残存するトナーを除去するクリーニング装置が設けられる。すなわち、転写装置30の下流かつ現像装置20の上流には、像保持体10の回転方向に沿って、クリーニング装置、帯電装置、露光装置が順に配置される。
【0026】
搬送機構50は、用紙Pにトナー像を転写し、定着する工程が複数回繰り返され、複数色のトナー像が用紙P上に形成されるように、像保持体10の周囲を周回する搬送経路51に沿って用紙Pを搬送する。
【0027】
具体的には、搬送機構50は、用紙Pを搬送経路51に沿って案内するための案内部材や、用紙Pを搬送方向に駆動する駆動部材などを含む。
【0028】
図1の例では、搬送機構50は、搬送経路51に供給される用紙Pが搬送される供給経路52、供給用紙収容部70に収容された用紙Pを1枚ずつ供給経路52に送り出すピックアップローラ53、供給経路52から供給された用紙Pを搬送経路51に沿って搬送する搬送ローラ54、搬送経路51から排出された用紙Pが搬送される排出経路55、および用紙Pの搬送経路を搬送経路51から排出経路55に切り替える切り替え爪56を含む。
【0029】
用紙形状検知装置60は、搬送経路51を搬送される用紙Pの形状を検知する。用紙形状検知装置60は、例えば光学式や機械式のセンサを含むが、検知方式は特に限定されない。用紙形状検知装置60は、用紙の形状を示す情報を検知すればよく、例えば、用紙の用紙搬送方向の長さ(すなわち副走査方向の長さ)、用紙の幅方向の長さ(すなわち主走査方向の長さ)、用紙の先端や後端の傾き、用紙の端部(例えば前方左端、前方右端、後方左端、後方右端)の位置、用紙全体の輪郭形状などを検知する。
【0030】
供給用紙収容部70は、搬送経路51に供給される用紙Pを収容するものであり、例えば1つまたは複数の給紙トレイである。
【0031】
排出用紙収容部80は、搬送経路51から排出された用紙Pを収容するものであり、例えば1つまたは複数の排紙トレイである。
【0032】
制御装置90は、画像形成装置1の動作を制御する。具体的には、制御装置90は、像保持体10、現像装置20、転写装置30、定着装置40、搬送機構50などを制御して、用紙P上にY,M,C,Kのトナー画像を重ねて形成し、カラー画像が印刷された用紙Pを生成する。
【0033】
また、制御装置90は、用紙形状検知装置60の検知結果に基づき、用紙P上に形成される各色の画像の位置を合わせるための制御を行う。具体的には、制御装置90は、定着後の用紙Pの変形による色ずれ(カラーレジストレーションのずれ)を補正するための制御を行う。
【0034】
一つの態様では、制御装置90は、用紙形状検知装置60の検知結果に基づき、像保持体10に形成される静電潜像またはトナー像を補正することにより、各色間の位置合わせ(カラーレジストレーション)を行う。具体的には、制御装置90は、1回目の転写が行われる前の用紙の形状と、2回目以降の転写が行われる前の用紙の形状との比較に基づき、2回目以降に用紙上に形成されるトナー像の位置が1回目に用紙上に形成されたトナー像の位置と合うように、2回目以降の静電潜像またはトナー像を補正する。簡単な例を挙げると、1回目の転写が行われる前の用紙の主走査方向長さがW1、副走査方向長さがL1であり、2回目の転写が行われる前の用紙の主走査方向長さがW2、副走査方向長さがL2であった場合、2回目の静電潜像の主走査方向長さが1回目のW2/W1となり、副走査方向長さが1回目のL2/L1となるよう画像補正を行う。なお、制御装置90は、例えば用紙の搬送速度の補正など、画像補正以外の方法を用いて位置合わせを行ってもよい。
【0035】
制御装置90は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、制御装置90は、プログラムが記録された記録媒体と、メインメモリと、CPU(Central Processing Unit)とを含み、制御装置90の機能は、記録媒体に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。上記プログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されることも可能であるし、データ信号として通信により提供されることも可能である。ただし、制御装置90は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御装置90は、物理的に1つの装置により実現されてもよいし、物理的に複数の装置により実現されてもよい。
【0036】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1の動作について、1枚の用紙上にY,M,C,Kのトナー像を順次重ねて形成し、1枚のカラー印刷物を得る場合を例にとって説明する。
【0037】
制御装置90は、搬送機構50を制御して、供給用紙収容部70に収容された用紙Pを1枚取り出して、搬送経路51に沿って搬送する。用紙Pが転写位置PTに到達するまでの期間において、用紙形状検知装置60による1回目の用紙形状の検知が行われ、制御装置90は用紙形状検知装置60の1回目の検知結果を取得する。
【0038】
一方で、制御装置90は、Yの画像データに基づいて像保持体10に静電潜像を形成し、当該静電潜像をYの現像器で現像して像保持体10上にYのトナー像を形成する。
【0039】
そして、制御装置90は、用紙Pの先端とYのトナー像の先端とが合うように用紙Pを転写位置PTに搬送して、転写装置30により用紙P上にYのトナー像を転写し、続いて定着装置40によって当該Yのトナー像を用紙P上に定着する。
【0040】
制御装置90は、上記Yのトナー像が定着された用紙Pに次の色(M)のトナー像を形成するために、定着後の用紙Pを搬送経路51に沿って搬送する。用紙Pが再び転写位置PTに到達するまでの期間において、用紙形状検知装置60による2回目の用紙形状の検知が行われ、制御装置90は用紙形状検知装置60の2回目の検知結果を取得する。
【0041】
制御装置90は、Mの画像データに基づいて像保持体10に静電潜像を形成し、当該静電潜像をMの現像器で現像して像保持体10上にMのトナー像を形成する。このとき、制御装置90は、1回目の検知結果と2回目の検知結果とに基づき、用紙P上でYのトナー像の位置とMのトナー像の位置とが一致するように、画像データまたは画像形成条件(例えば露光条件)を補正して静電潜像の形成を行う。
【0042】
そして、制御装置90は、用紙Pの先端とMのトナー像の先端とが合うように用紙Pを転写位置PTに搬送して、転写装置30により用紙P上にMのトナー像を転写し、続いて定着装置40によって当該Mのトナー像を用紙P上に定着する。
【0043】
ついで、制御装置90は、上記Mの場合と同様に、次の色(C)のトナー像を形成するために、定着後の用紙Pを搬送経路51に沿って搬送する。用紙Pが再び転写位置PTに到達するまでの期間において、用紙形状検知装置60による3回目の用紙形状の検知が行われ、制御装置90は3回目の検知結果を取得する。
【0044】
制御装置90は、Cの画像データに基づいて像保持体10に静電潜像を形成し、当該静電潜像をCの現像器で現像して像保持体10上にCのトナー像を形成する。このとき、制御装置90は、1回目の検知結果と3回目の検知結果とに基づき、用紙P上でYのトナー像の位置とCのトナー像の位置とが一致するように、画像データまたは画像形成条件を補正して静電潜像の形成を行う。
【0045】
ついで、制御装置90は、上記M,Cの場合と同様に、定着後の用紙Pを搬送経路51に沿って搬送し、当該用紙P上にKのトナー像を転写、定着する。この場合、制御装置90は、4回目の検知結果を取得し、1回目の検知結果と4回目の検知結果とに基づき、用紙P上でYのトナー像の位置とKのトナー像の位置とが一致するように、画像データまたは画像形成条件を補正する。
【0046】
制御装置90は、切り替え爪56を制御して、用紙Pの搬送方向を搬送経路51から排出経路55に切り替え、4色のトナー像が重ねて定着された用紙Pを排出用紙収容部80に排出する。
【0047】
なお、2枚以上の用紙に連続して画像を形成する場合には、上記の処理を繰り返して行えばよい。この場合、例えば、生産性等を考慮して、後続の用紙は、先行の用紙と予め定められた間隔を空けて搬送される。
【0048】
以下、本実施の形態に係る画像形成装置1における、各構成要素の配置について説明する。
【0049】
まず、搬送経路51から用紙が排出される排出位置PE、搬送経路51に用紙が供給される供給位置PS、および用紙形状検知装置60により用紙の形状が検知される検知位置PDの配置について説明する。
【0050】
先述した通り、画像形成装置の小型化が望まれる一方、用紙上で各色の画像を精度良く位置合わせする等の観点より、用紙搬送方向の長い範囲で用紙の形状を検知できるよう、検知位置PDから転写位置PTまでの用紙搬送経路の長さは、ある程度確保されることが望まれる。
【0051】
そこで、本実施の形態では、検知位置PDから転写位置PTまでの用紙搬送経路の長さを確保しつつ、装置の小型化を図る等の観点より、排出位置PEと、供給位置PSと、検知位置PDとは、トナー像が用紙に定着される定着位置PFの直後の用紙搬送方向下流に、用紙搬送方向に沿って上記順番で互いに近接して配置される。
【0052】
具体的には、一つの態様では、排出位置PE、供給位置PS、および検知位置PDは、像保持体10に対して同一側に配置される。より具体的には、図2に示されるように、排出位置PE、供給位置PS、および検知位置PDは、転写位置PTと定着位置PFとを結ぶ平面S1に直交する転写位置PTを通る平面S2に対して同一側に配置される。
【0053】
また、一つの態様では、排出位置PE、供給位置PS、および検知位置PDは、定着装置40に対して同一側に配置される。より具体的には、図3に示されるように、排出位置PE、供給位置PS、および検知位置PDは、転写位置PTと定着位置PFとを結ぶ平面S1に直交する定着位置PFを通る平面S3に対して同一側に配置される。
【0054】
また、一つの態様では、図4に示されるように、搬送経路51は、転写位置PTから定着位置PFまでの略直線状の経路部分51aと、当該経路部分51aと像保持体10を挟んで対向して経路部分51aと逆向きに用紙を搬送する略直線状の経路部分51bと、経路部分51aからの用紙を経路部分51bに搬送する曲線状の経路部分51cと、経路部分51bからの用紙を経路部分51aに搬送する曲線状の経路部分51dとを含む。そして、排出位置PE、供給位置PS、および検知位置PDは、経路部分51cの範囲内に配置される。
【0055】
さらに、各色の画像の位置合わせをより精度良く行う、カラーレジストレーションのばらつきをさらに抑える等の観点より、用紙の用紙搬送方向の全長について用紙の形状を検知することが望ましい。
【0056】
そこで、一つの態様では、検知位置PDは、トナー像が用紙に転写される転写位置PTから、用紙の搬送方向長さ以上離れている。そして、制御装置90は、用紙の用紙搬送方向の全長についての検知結果に基づき、画像の位置合わせ制御を行う。複数種類のサイズの用紙が搬送される場合には、検知位置PDは、例えば、転写位置PTから最大用紙長さ以上離れるように配置される。
【0057】
次に、供給用紙収容部70、排出用紙収容部80、および搬送経路51の配置について説明する。
【0058】
転写と定着との間のインターラクションによる画像への影響を回避または軽減する等の観点より、搬送経路51の転写位置PTから定着位置PFまでの経路部分は、比較的長く設定される。このことから、一つの態様において、搬送経路51は、転写位置PTから定着位置PFまでの経路部分の方向に長い形状となる。
【0059】
上記を考慮して、デッドスペースを少なくする、スペース効率を良くする等の観点より、一つの態様では、図5〜7に例示されるように、供給用紙収容部70および排出用紙収容部80は、搬送経路51の転写位置PTから定着位置PFまでの第1の経路部分51−1と、供給用紙収容部70に収容される用紙と、排出用紙収容部80に収容される用紙とが互いに対向するように配置される。
【0060】
具体的な一態様では、供給用紙収容部70および排出用紙収容部80は、第1の経路部分51−1と、供給用紙収容部70に収容される用紙と、排出用紙収容部80に収容される用紙とが互いに略平行となるように配置される。より具体的には、第1の経路部分51−1は略水平となるように配置され、供給用紙収容部70および排出用紙収容部80も略水平となるように配置される。
【0061】
図5,6に示されるような構成では、排出経路55が急激に曲がっており、用紙や用紙上の画像に負荷がかかる。これにより、例えば、用紙のカールや、カールによる紙詰まり、トナー像の擦れによる画像欠陥やトナー汚れなどが発生する。
【0062】
そこで、一つの態様では、図7に示されるように、供給用紙収容部70は、搬送経路の定着位置PFから転写位置PTまでの第2の経路部分51−2を挟んで、第1の経路部分51−1と対向するように配置され、排出用紙収容部80は、第2の経路部分51−2および供給用紙収容部70を挟んで、第1の経路部分51−1と対向するように配置される。第2の経路部分51−2は、例えば、第1の経路部分51−1と像保持体10を挟んで対向して第1の経路部分51−1と逆向きに用紙を搬送する略直線状の経路部分である。
【0063】
画像形成を良好に行う等の観点より、転写位置PTから定着位置PFまでの第1の経路部分51−1において、用紙は未定着のトナー像を上向きにして搬送されることが望ましく、第1の経路部分51−1は、第2の経路部分51−2よりも下方に位置することが望ましい。そこで、具体的な一態様では、図7に示されるように、下から搬送経路51、供給用紙収容部70、排出用紙収容部80の順に配置される。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置、10 像保持体、20 現像装置、30 転写装置、40 定着装置、50 搬送機構、51 搬送経路、51−1 第1の経路部分、51−2 第2の経路部分、52 供給経路、53 ピックアップローラ、54 搬送ローラ、55 排出経路、56 切り替え爪、60 用紙形状検知装置、70 供給用紙収容部、80 排出用紙収容部、90 制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色のトナー像が順次形成される像保持体と、
前記像保持体に形成されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、
前記用紙に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
前記用紙にトナー像を転写し、定着する工程が複数回繰り返され、前記複数色のトナー像が前記用紙上に形成されるように、前記像保持体の周囲を周回する搬送経路に沿って前記用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される用紙の形状を検知する用紙形状検知手段と、
を有し、
前記搬送経路から用紙が排出される排出位置と、前記搬送経路に用紙が供給される供給位置と、前記用紙形状検知手段により用紙の形状が検知される検知位置とが、前記トナー像が用紙に定着される定着位置の直後の用紙搬送方向下流に、用紙搬送方向に沿って前記順番で互いに近接して配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記検知位置は、前記トナー像が用紙に転写される転写位置から、用紙の搬送方向長さ以上離れている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記搬送経路に供給される用紙を収容する供給用紙収容部と、
前記搬送経路から排出された用紙を収容する排出用紙収容部と、
を有し、
前記供給用紙収容部および前記排出用紙収容部は、前記搬送経路の前記転写位置から前記定着位置までの第1の経路部分と、前記供給用紙収容部に収容される用紙と、前記排出用紙収容部に収容される用紙とが互いに対向するように配置される、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記供給用紙収容部は、前記搬送経路の前記定着位置から前記転写位置までの第2の経路部分を挟んで、前記第1の経路部分と対向するように配置され、
前記排出用紙収容部は、前記第2の経路部分および前記供給用紙収容部を挟んで、前記第1の経路部分と対向するように配置される、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−43536(P2011−43536A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189747(P2009−189747)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】