説明

画像形成装置

【課題】シート搬送が間欠駆動となる画像形成装置本体に取り付けても、画像形成装置本体側では画像の伸び縮み、シート折り装置側では折り寸法のバラツキが発生することの無い装置とする。
【解決手段】シートに画像を形成する作像手段220にシートPを搬送する給紙搬送手段210、画像を形成したシートPを排出する排紙搬送手段230を備える画像形成装置本体200と、画像が形成されたシートPを指定された仕様に折るシート折り手段30、シートPを受け入れるシート受入手段10、シート受入手段10からシート折り手段30までシートPを搬送する給送手段20、折りあげられたシート束Pbを排出する排紙搬送手段50を備えるシート折り装置1とを備えた画像形成装置において、作像手段220とシート折り手段30との間に、シートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ等の画像形成装置に関し、詳細には、折りローラ対の正転、逆転の繰り返しによりシートを折り畳むためのシート折り装置、あるいはフォルダー、フィニッシャー等と称する装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にA0、A1等の大判のシートに画像を複写可能な画像形成装置を使用する際、これらの大判のシートをそのまま保管したり、あるいは大判のままで取り扱ったのでは保管スペースが大きくなったり、またはその取り扱いが不便であるため、通常はシートを折りたたんで収納、取り扱う。しかしながらシートの折りたたみ作業を、手作業で行った場合にはかなりの時間を要してしまい、シートの折りたたみに要する時間が、複写に要する時間よりかかってしまう場合もある。
【0003】
このようなことから画像形成装置本体のシート排出路に、自動的にシートを折りたたむ事ができるシート折り装置を配置し、複写した大判のシートを連続して自動で折りたたむことを可能とした画像形成装置(以下、単にシステムと記載することがある。)が知られている。
【0004】
またこのようなシステムに使用されるシート折り装置では、画像形成装置本体から排出されるシートを自動で折りたたむ(オンライン操作)他に、既に折りたたまずに複写、排出してしまったシートや、他の画像形成装置などで作成した大判のシートを折りたたむための手段(オフライン操作)を有している場合がある。
【0005】
このようなシステムで実際にシート折りを行うとき、A0、A1等の定形用紙の場合であれば折り上げる用紙の各面毎のサイズは、予め決まったサイズを用いて紙折りを行う事ができるが、大判シートに複写可能な画像形成装置では副走査長さが数メートルあるような長尺の用紙に複写を行う事もあり、このような不定形の長尺用紙であっても紙折りを行うことが要求される。
【0006】
そこで、特許文献1に記載の紙折り装置は、各折り部の折り長さを自動的に調整する事により、定形長以外の用紙でも規定寸法に折るようにしている。また、特許文献2は、所望の折り態様で整然と折り目を形成する紙折り方法および機構を開示し、引用文献3は、折りを終えた用紙を排出するときに不要な折れが発生しないようにする紙折り機を開示している。さらに特許文献4は、先端がカールした大版用紙でも、折り寸法のばらつきを少なくする紙折り装置を開示している。
【0007】
以下、図面を参照しつつ上述したような従来技術による画像形成装置について説明する。図1は従来の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中100は上述のようなシステムである画像形成装置(以下では、画像形成システム100と言う。)、図中200は画像形成装置の一例である複写機本体、1は複写機本体200のシート排出路に配置されたシート折り装置である。複写機本体200には給紙部209または手差し給紙部208より給紙されたシートPが給紙搬送手段210により搬送され、作像手段220により画像形成が行われた後、排紙搬送手段230により複写機本体200外へ排出される。
【0008】
複写機本体200外へ排出されたシートPは複写機本体200のシート排出路に配置されたシート折り装置1のシート受入手段10より進入し、給送手段20によりシート折り手段30へ搬送される。
【0009】
シート折り手段30は、搬送ローラ対33と、その下部左右に対向配置されている第1の折りローラ対36と、第2の折りローラ対37と、搬送ローラ対33から搬送されるシートPを各折りローラ対方向へ選択的に案内する第1シートガイド部材34及び第2シートガイド部材35と、シートPの下面をガイドするシート下面ガイド40により構成されている。シートPは搬送ローラ対33により搬送され、第1シートガイド部材34または第2シードガイド部材35の動作により、第1の折りローラ対36または第2の折りローラ対37へ選択的に案内され、第1の折りローラ対36と第2の折りローラ対37の正転逆転の繰り返しに合わせ、第1シートガイド部材34または第2シードガイド部材35の動作によりシートPはシート下面ガイド40の上面を滑りながら第1の折りローラ対36または第2の折りローラ対37間へ送り込まれることにより所定回数だけ折り畳まれる。所定回数折り終えたら、折りあげられたシート束を排紙搬送手段50の搬送により、シート折り装置1の外側へ排出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したような複写機本体200のシート排出路にシート折り装置1を配置した画像形成システム100では、複写機本体200から排出されたシートPがシート折り装置の入口ローラに進入し、挟み持たれた状態で搬送される。シートPの先端がシート折り装置入口ローラである受入ローラ11へ進入してからシートPの後端が複写機本体200の排紙ローラから排出されるまでの間、シートPは複写機本体200とシート折り装置1の両方により搬送されることとなり、互いの搬送速度が一致していないと、シートPは突っ張ったり、たるんだりすることなる。
【0011】
シートPが突っ張ったり、たるんだりしている状態では、複写機本体200とシート折り装置1の搬送がお互いに影響しあい、複写機本体200側では画像の伸び縮み、シート折り装置1側では折り寸法のバラツキとなることもある。そのため、複写機本体200のシート排出路にシート折り装置1を配置した画像形成システムでは、シート折り装置1のシート搬送速度を複写機本体200のシート搬送速度にあわせる必要があるため、特定の画像形成装置本体にのみ取り付け得るように専用設計がなされていることが多い。
【0012】
また近年、画像形成装置の記録方式がインクジェットであったりするこの記録方式の場合では、シートの搬送が一定速ではなく、搬送・停止を繰り返す間欠駆動である場合が多い。複写機本体200のシート搬送が間欠駆動である場合もシート折り装置1のシート搬送は画像形成システムのシート搬送に合わせて間欠駆動としなければならない。
【0013】
しかしながらインクジェット式の記録方式の場合、シートの大きさや記録するデータにより間欠駆動の割合が変化するため、シート折り装置のシート搬送をあわせることは困難であった。
【0014】
そこで本発明においては、画像形成装置本体のシート搬送速度にかかわらず画像形成装置本体のシート排出路に取り付け、さらにはインクジェット式等の記録方式を採用し、シート搬送が間欠駆動となる画像形成装置本体に取り付けても、画像形成装置本体側では画像の伸び縮み、シート折り装置側では折り寸法のバラツキが発生することの無い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の画像装置のうち請求項1に係るものは、シートに画像を形成する作像手段、該作像手段にシートPを搬送する給紙搬送手段、及び前記作像手段が画像を形成したシートを排出する排紙搬送手段を備える画像形成装置本体と、該画像形成装置本体により画像が形成されたシートを指定された折り仕様に折るシート折り手段、前記画像形成装置本体により画像が形成されたシートを受け入れるシート受入手段、該シート受入手段から前記シート折り手段までシートを搬送する給送手段、及び前記シート折り手段により折りあげられたシート束を排出する排紙搬送手段を備えるシート折り装置とを備えた画像形成装置において、前記画像形成装置本体の前記作像手段と前記シート折り装置の前記シート折り手段との間に、画像が形成されたシートを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
同請求項2に係るものは、請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記画像形成装置本体に設けたことを特徴とする。
【0017】
同請求項3に係るものは、請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記シート折り装置に設けたことを特徴とする。
【0018】
同請求項4に係るものは、請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を2箇所以上に設けたことを特徴とする。
【0019】
同請求項5に係るものは、請求項4記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記画像形成装置本体と前記シート折り装置それぞれに設けたことを特徴とする。
【0020】
同請求項6に係るものは、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、画像が形成されたシートを下流へ搬送しないようする滞留の開始タイミングが、シート先端位置を基準とすることを特徴とする。
【0021】
同請求項7に係るものは、請求項6記載の画像形成装置において、シートを滞留させる長さを、該シートの長さL、前記画像形成装置本体のシートの搬送速度VC、前記シート折り装置のシート搬送速度VFにより求めることを特徴とする。
【0022】
同請求項8に係るものは、請求項7記載の画像形成装置において、画像が形成されたシートを滞留させるためにループを形成するものであり、該ループを画像形成面を内側とする方向に形成することを特徴とする。
【0023】
同請求項9に係るものは、請求項6記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段にシート後端が画像形成装置本体から排出されるまで滞留させることを特徴とする。
【0024】
同請求項10に係るものは、請求項9記載の画像形成装置において、シート後端が前記画像形成装置本体から排出されたことを検出する検出手段を備えることを特徴とする。
【0025】
同請求項11に係るものは、請求項10記載の画像形成装置において、シート後端が画像形成装置本体から排出されたことを検出する前記検出手段を、前記シート折り装置のシートを受け入れるシート受入手段に設けたことを特徴とする。
【0026】
同請求項12に係るものは、請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段の下流にシート搬送のために設けるローラ対を停止させ、前記シート滞留手段の上流にシート搬送のために設けるローラ対は駆動し続けることにより、前記シート滞留手段にシートを滞留せせることを特徴とする。
【0027】
同請求項13に係るものは、請求項12記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段にシートを滞留させている時のシート先端位置より上流に位置するシート搬送のためのローラ対それぞれの駆動部がシートの搬送力を規制できる手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、画像形成装置本体側とシート折り装置側とで互いのシート搬送が互いの動作に影響することなく、画像形成装置本体側では画像の伸び縮み、シート折り装置では折り寸法のバラツキが発生しにくくなり、画像形成からシートの折りまで行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来の画像形成装置の概略構成図
【図2】本発明の実施対象となる画像形成装置の概略構成図
【図3】本発明による画像形成装置の実施例1の概略構成図
【図4】本発明による画像形成装置の実施例2の概略構成図
【図5】本発明による画像形成装置の実施例3の概略構成図
【図6】本発明による画像形成装置の実施例4の概略構成図
【図7】本発明による画像形成装置の実施例5の概略構成図
【図8】本発明による画像形成装置の実施例8の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の画像形成装置では、画像形成装置本体とシート折り装置のシートの搬送速度に違いがある場合や、画像形成装置本体のシート搬送が間欠駆動である場合など、互いのシートの搬送量に違いがあっても、その搬送量差分をシート滞留手段に蓄えることにより吸収させることが可能である。そのことにより、互いのシート搬送が互いの動作に影響することなく、画像形成装置本体側では画像の伸び縮み、シート折り装置では折り寸法のバラツキが発生すること無く、画像形成から折りまで行なうことが可能となる。
【0031】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段が画像形成装置本体側に設けられていることにより、シート折り装置側には特別な構造が必要なくなり、一般的なシート折り装置を用い得るようになる。
【0032】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段がシート折り装置側に設けられていることにより、画像形成装置本体側には特別な構造が必要なくなり、一般的な画像形成装置本体を用い得るようになる。しかも、画像形成装置本体側には特別な構造が必要ない。このことにより、シート折り装置を必要としないユーザーに対して価格を抑えた、あるいは適正価格の画像形成装置、画像形成システムを提供できることになる。
【0033】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段を2箇所以上設け、画像形成装置本体とシート折り装置のシート搬送速度差による搬送量の違いをより多く吸収すること可能となる。このことにより、より大きな搬送速度差、より長尺のシートも画像形成対象とすることが可能となる。
【0034】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段を画像形成装置本体、シート折り装置それぞれに設ける。このことにより、設置スペースに余裕ができ、シート滞留手段を容易に2箇所以上設定できる。
【0035】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段をシート折り手段直前の給送手段内に設け、滞留を開始するタイミングをシート折り手段内の搬送ローラ対の上流に設置されているシート先端検出手段によるシート先端検出とする。このことにより、シート搬送量差分の吸収が必要となるタイミングでシートの滞留が行なわれる。すると、シートの滞留を維持したまま搬送する必要が無くなり、シートの搬送経路との接触を低減させることが可能となる。このことにより、シートへのダメージも低減させ得る。また、シート先端検出手段によるシート先端検出時にシート後端が画像形成装置の排紙搬送手段より排出されていた場合は、滞留を行わずにシート折り手段により折りを行える。このことにより、画像形成装置の排紙搬送手段の排紙口からシート先端検出手段までの距離より短いシート長の場合は滞留動作不要でシート折りを行うことが可能となる。
【0036】
また本発明の画像形成装置では、シートPの滞留させる長さを、
必要滞留長さ=L×VF/VC−L
との計算式により求め、シート滞留手段に滞留させる。このことにより、シートの滞留長さを必要最低限に抑えることを可能とすると同時に、シート滞留手段の滞留スペースも小さくすることを可能としている。
【0037】
また本発明の画像形成装置では、シートを滞留させる方向が画像形成面が内側となる方向とする。このことにより、滞留時のシート画像形成面と搬送経路との接触が避けられ、搬送経路による画像形成面へのダメージを防止することが可能となる。
【0038】
また本発明の画像形成装置では、シートのシート滞留手段への滞留がシート後端が画像形成装置本体から排出されるまで行われる。このことにより、シート長さによらず、滞留量を制御することなく動作することが可能となる。
【0039】
また本発明の画像形成装置では、シート後端が画像形成装置本体から排出されたことを検出する検出手段を備える。このことにより、シートを滞留させる動作を停止させ、シート折り装置によるシート折り実施に向けた動作開始を適正なタイミングで行わせることができる。そのため、動作遅れによる生産性低下を防止できる。
【0040】
また本発明の画像形成装置では、シート後端が画像形成装置本体から排出されたことを検出する検出手段をシート折り装置のシートを受け入れるシート受入手段に設ける。このことにより、画像形成装置本体側には特別な構造が必要なくなり、一般的な画像形成装置本体を用いることが可能となる。また、このシート検出手段はシート折り装置へのシート進入検出にも使用可能であるので、進入検出手段がある場合には新たに設置する必要もない。
【0041】
また本発明の画像形成装置では、シート滞留手段下流のローラ対を停止させ、同上流のローラ対を駆動してシートを滞留させる。このことにより、搬送時間による滞留量の管理が可能となり、滞留量の過不足による不具合が防止可能となる。
【0042】
さらに本発明の画像形成装置では、シートの滞留実施時のシート先端位置より上流に位置する搬送ローラ対のシート搬送力を規制できるようにする。このことにより、画像形成装置よりシート折り装置のシート搬送速度が高い場合でも、画像形成中のシートを必要以上に引っ張ることが無い。そのため、画像形成装置本体側での画像の伸びを防止できる。
【実施例】
【0043】
図2は本発明の実施対象となる画像形成装置の概略構成図である。なお図1の装置と共通する部分には共通する符号を付すにとどめ、重複する説明は省略する。
【0044】
シート受入手段10は受入ローラ11、第1受入搬送ローラ12、第2受入搬送ローラ13、シート検出手段15により、給送手段20は第1給送ローラ21、第2給送ローラ22、シート先端検出手段23により構成され、第1給送ローラ21、第2給送ローラ22の間にシート滞留手段80が設けられている。複写機本体200より排出されたシートPは、シート受入手段10の受入ローラ11、第1受入搬送ローラ12、第2受入搬送ローラ13を通過し、給送手段20の第1給送ローラ21、第2給送ローラ22へと搬送される。シート先端検出手段23にシート先端Psを検出し、第2給送ローラ22の停止と、上流に位置する、受入ローラ11、第1受入搬送ローラ12、第2受入搬送ローラ13、第1給送ローラ21の継続した搬送により、第1給送ローラ21と第2給送ローラ22の間に設けられたシート滞留手段80にシートPが滞留する。シート受入手段10のシート検出手段15はシート後端Peを検出する。
【0045】
<実施例1>
図2に示されるように、複写機本体200の作像手段220とシート折り装置1のシート折り手段30との間に、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80を設け、複写機本体200のシートP搬送速度、シート折り装置1のシートP搬送速度の差により必要な滞留量をシート滞留手段80に吸収させる。本実施例では、図3に示すように、複写機本体200の排紙搬送手段230とシート折り装置1のシート受入手段10の間にシート滞留手段80を設け、シートP搬送速度の関係により以下の動作となる。
【0046】
複写機本体200のシートP搬送速度がシート折り装置1のシートP搬送速度より大きい場合は、複写機本体200が速いことを利用してシート滞留手段80に搬送速度差によるシートPのタルミを吸収させながらシート折り装置1は搬送、折りを行う。複写機本体200のシートP搬送速度がシート折り装置1のシートP搬送速度より小さい場合は、複写機本体200が遅いことに起因して、シートPを複写機本体200とシート折り装置1で引っ張りあうことなり、互いの動作に悪影響を与える。この場合、シート折り装置1から見たシートP搬送速度差による不足分をあらかじめシート滞留手段80に蓄えておくことにより補う。
【0047】
<実施例2>
図4は本発明による画像形成装置の実施例2の概略構成図である。なお以下の各実施例では、図2に示した画像形成装置の例と、図3に示した実施例と異なる点についてだけ説明する。本実施例では図4のように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80を複写機本体200の排紙搬送手段230内に設けてある。動作に関しては先に説明した画像形成装置の例と同様である。
【0048】
<実施例3>
図5は本発明による画像形成装置の実施例3の概略構成図である。本実施例に係るシート折り装置と先の実施例との異なる点について説明する。この実施例では図示のように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80をシート折り装置1のシート受入手段10内に設けてある。動作に関しては先に説明した画像形成装置の例と同様である。
【0049】
<実施例4>
図6は本発明による画像形成装置の実施例4の概略構成図である。本実施例に係るシート折り装置と先の実施例との異なる点について説明する。この実施例では図示のように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80をシート受入手段10内の受入ローラ11と第1受入搬送ローラ12の間と、第1受入搬送ローラ12と第2受入搬送ローラ13の間の2箇所に設けてある。動作に関しては先の実施例と同様であるが、シート滞留手段80が2箇所あることより、シートの滞留方法には1箇所ずつ滞留する方法と2つ同時に滞留する点が異なる。
【0050】
<実施例5>
図7は本発明による画像形成装置の実施例5の概略構成図である。本実施例に係るシート折り装置と先の実施例との異なる点について説明する。この実施例では図示のように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80を複写機本体200の排紙搬送手段230内とシート折り装置1のシート受入手段10内に設けてある。動作に関しては先の実施例と同様である。
【0051】
<実施例6>
本発明による画像形成装置の実施例6としては、図2に示すように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80をシート折り手段30直前の給送手段20内に設け、滞留を開始するタイミングをシート折り手段30内の搬送ローラ対33上流に設置されているシート先端検出手段23によるシート先端Ps検出する構成とする。この実施例でも動作に関しては先の実施例と同様であるが、シート先端検出手段23によるシート先端Ps検出時にシート後端Peが複写機本体200の排紙搬送手段230より排出されていた場合は滞留を行なわず、シート折り手段30により折りを行なう。複写機本体200の排紙搬送手段230の排紙口からシート先端検出手段23までの距離を1189mm以上に設定することにより、A系列定型サイズ(最大A0:1189×841mm)のシートPに関してはシートPの滞留動作が不要となり、滞留動作が必要となるのはA0を超えるサイズの場となる。
【0052】
<実施例7>
本発明による画像形成装置の実施例7としては、図示は省略するが、複写機本体200、シート折り装置1のシート滞留手段80などの位置関係や動作に関しては他の実施例と同様の構成としながらも、シートPの滞留させる長さを、シートPの長さL、複写機本体200のシートP搬送速度VC、シート折り装置1のシートP搬送速度VFにより求め、求められた滞留量をシート滞留手段80に滞留させる。この滞留量がシート折り手段30の折り動作が連続的に実施するに十分な長さになる、または、シート後端Peが複写機本体200から排出されるまで滞留動作を継続する。
【0053】
滞留長さを求める計算式の一例としては、
必要滞留長さ=L×VF/VC−L
を挙げ得る。なお滞留させる動作に関しては先の実施例と同様である。ここで、
L:シートPの長さ
VC:複写機本体200のシートP搬送速度
VF:シート折り装置1のシートP搬送速度
である。
【0054】
<実施例8>
本発明による画像形成装置の実施例8としては、図8に示すように、画像が形成されたシートPを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段80をシート折り装置1のシート受入手段10内に設けてあり、シートPを滞留させる方向が画像形成面が内側となる方向で設ける。動作に関しては他の実施例と同様である。
【0055】
<実施例9>
本発明による画像形成装置の実施例9としては、図示は省略するが、シートPのシート滞留手段80への滞留がシート後端Peが複写機本体200から排出されるまで行なう構成とする。動作に関しては他の実施例と同様である。
【0056】
<実施例10>
本発明による画像形成装置の実施例10としては、図示は省略するが、シートPのシート滞留手段80への滞留はシート後端Peが複写機本体200から排出されるまでであるが、このシート後端Peの複写機本体200からの排出をシート検出手段15により検出する構成とする。動作に関しては他の実施例と同様である。
【0057】
<実施例11>
本発明による画像形成装置の実施例11としては、これも図示は省略するが、シートPのシート滞留手段80への滞留はシート後端Peが複写機本体200から排出されるまでであるが、このシート後端Peの複写機本体200からの排出を検出するシート検出手段をシート折り装置1のシート受入手段10に設ける。この配置のシート検出手段は、シート折り装置1へのシートPの進入検出にも使用可能である。動作に関しては他の実施例と同様である。
【0058】
<実施例12>
本発明による画像形成装置の実施例12としては、これも図示は省略するが、シート滞留手段80下流ローラ対、第2給送ローラ22を停止させ、上流のローラ対、受入ローラ11、第1受入搬送ローラ12、第2受入搬送ローラ13、第1給送ローラ21は駆動させ続けることによりシート滞留手段80にシートPを滞留させる構成とする。動作に関しては他の実施例と同様である。
【0059】
<実施例13>
図を元に請求項13記載の説明を行なう。これも図示は省略するが、シート受入手段10の受入ローラ11、第1受入搬送ローラ12、第2受入搬送ローラ13、給送手段20の第1給送ローラ21、第2給送ローラ22の図示しない駆動系にトルクリミッタを装備し、各ローラのシートP搬送力を規制できる構造とする。
【符号の説明】
【0060】
P:シート
Ps:シート先端
Pe:シート後端
Pi:シート画像形成面
Pb:シート束
1:シート折り装置
10:第1のシート受入手段
11:受入ローラ
12:第1受入搬送ローラ
13:第2受入搬送ローラ
14:搬送経路
15:シート検出手段
20:給送手段
21:第1給送ローラ
22:第2給送ローラ
23:シート先端検出手段
30:シート折り手段
33:搬送ローラ対
34:第1シートガイド部材
35:第2シートガイド部材
36:第1の折りローラ対
37:第2の折りローラ対
40:シート下面ガイド
80:シート滞留手段
200:画像形成装置本体
208:手差し給紙部
209:給紙部
210:給紙搬送手段
220:作像手段
230:排紙搬送手段
250:操作部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開平5−238635号公報
【特許文献2】特開平11−349218号公報
【特許文献3】特開2004−67266号公報
【特許文献4】特開2006−335500号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する作像手段、
該作像手段にシートPを搬送する給紙搬送手段、及び
前記作像手段が画像を形成したシートを排出する排紙搬送手段
を備える画像形成装置本体と、
該画像形成装置本体により画像が形成されたシートを指定された折り仕様に折るシート折り手段、
前記画像形成装置本体により画像が形成されたシートを受け入れるシート受入手段、
該シート受入手段から前記シート折り手段までシートを搬送する給送手段、及び
前記シート折り手段により折りあげられたシート束を排出する排紙搬送手段
を備えるシート折り装置
とを備えた画像形成装置において、
前記画像形成装置本体の前記作像手段と前記シート折り装置の前記シート折り手段との間に、画像が形成されたシートを下流へ搬送しないよう滞留させるシート滞留手段を設けた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記画像形成装置本体に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記シート折り装置に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を2箇所以上に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段を前記画像形成装置本体と前記シート折り装置それぞれに設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、画像が形成されたシートを下流へ搬送しないようする滞留の開始タイミングが、シート先端位置を基準とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、シートを滞留させる長さを、該シートの長さL、前記画像形成装置本体のシートの搬送速度VC、前記シート折り装置のシート搬送速度VFにより求めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、画像が形成されたシートを滞留させるためにループを形成するものであり、該ループを画像形成面を内側とする方向に形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段にシート後端が画像形成装置本体から排出されるまで滞留させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、シート後端が前記画像形成装置本体から排出されたことを検出する検出手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、シート後端が画像形成装置本体から排出されたことを検出する前記検出手段を、前記シート折り装置のシートを受け入れるシート受入手段に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段の下流にシート搬送のために設けるローラ対を停止させ、前記シート滞留手段の上流にシート搬送のために設けるローラ対は駆動し続けることにより、前記シート滞留手段にシートを滞留せせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12記載の画像形成装置において、前記シート滞留手段にシートを滞留させている時のシート先端位置より上流に位置するシート搬送のためのローラ対それぞれの駆動部がシートの搬送力を規制できる手段を有することを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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