画像形成装置
【課題】 電子写真画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジの着脱の操作性を向上し、電子写真画像形成装置本体の挿入空間を小型化すること。
【解決手段】 画像形成装置本体の一対のガイドユニット間の寸法を規制している部材を金属製とし、プロセスカートリッジまたはカートリッジの長手寸法を規制している部材を補強板金又は、クリーニングブレード板金又は、現像ブレード板金により構成する。
【解決手段】 画像形成装置本体の一対のガイドユニット間の寸法を規制している部材を金属製とし、プロセスカートリッジまたはカートリッジの長手寸法を規制している部材を補強板金又は、クリーニングブレード板金又は、現像ブレード板金により構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える、画像形成装置に関するものである。画像形成装置としては、電子写真方式の画像形成装置がある。カートリッジとしては、例えば、現像カートリッジ、プロセスカートリッジがあげられる。
【0002】
現像カートリッジとは、現像ローラを有し、現像ローラによって電子写真感光体に形成された静電潜像を、現像剤を用いて可視像化する現像装置をカートリッジ化し、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体ドラムと、この電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【0004】
例えば、電子写真感光体ドラムと、前記プロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。
【0005】
また、電子写真画像形成装置とは電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。
【0006】
電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【背景技術】
【0007】
従来の電子写真画像形成装置では、その使用が長時間に及ぶと電子写真感光体の交換、現像剤の補給や交換、その他(帯電器、クリーニング容器等)の調整・清掃、交換が必要となる。このような保守作業は専門知識を有するサービスマン以外は事実上は困難であった。
【0008】
そこで、電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体ドラム及び電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0009】
あるいは、電子写真感光体ドラムに現像剤を供給する現像手段と現像剤とを電子写真感光体ドラムとは別にカートリッジ化したものを、電子写真画像形成装置本体に着脱可能とする現像カートリッジ方式も採用されている。
【0010】
このようなプロセスカートリッジまたは現像カートリッジの電子写真画像形成装置本体(以下、装置本体と称す)への着脱方法としては、まず、装置本体に着脱用の開口部を形成している。そして、この着脱開口の内部両側に、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの外部両側の被ガイド部を係合させて所定の装着位置まで挿入をガイドするガイド部を形成したものが一般的である。(例えば、特許文献1参照)
ここで、装置本体のガイド部間の幅は、ガイドが取り付けられた一対の側板間を架設して固定しているビーム部材で決められていることが多い。ビーム部材としては、例えば、電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光装置を固定する部材等がある。
【0011】
また、装置本体のビーム部材は剛性を出す為に金属で構成され、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの着脱時の長手位置を規制している枠体は、形状の自由度の高さから、樹脂により構成されるのが一般的である。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−259233号公報(第8頁、図4)
【特許文献2】特開平11−258885号公報(第2頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来例では、ビーム部材と枠体の材質の違いによる線膨張率の差が大きいため、高温、低温時を想定し、ガイド部とプロセスカートリッジまたは現像カートリッジとの隙間を大きく設定する必要があった。その為、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジを画像形成装置本体へ着脱する際の姿勢が安定しにくい場合があり、操作性の向上と小型化が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える画像形成装置において、前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体又は前記像担持体に作用するプロセス手段を少なくとも備える枠体と、前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に沿って前記枠体に設けられる移動規制部材と、を備え、画像形成装置本体は、画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱軌跡上において前記着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のガイドユニットと、
一対の前記ガイドユニットに架設固定された少なくとも一つのビーム部材と、を備え、
前記移動規制部材は、前記着脱軌跡上において、一対の前記ガイドユニットに接触することで、前記着脱方向と交差する方向への前記カートリッジの移動を規制する規制部を備え、
前記移動規制部材は、金属であり、前記ビーム部材は、金属である、ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本出願に係る発明によればガイド部とプロセスカートリッジまたは現像カートリッジとの隙間を小さく設定できる為、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの電子写真画像形成装置本体への着脱時の姿勢が安定し、操作性を向上できる。また、電子写真画像形成装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の断面図である。
【図2】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置の電子写真画像形成装置本体及びプロセスカートリッジの断面図である。
【図3】本発明を適用可能な第1の実施例に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】本発明を適用可能な第1の実施例に係るプロセスカートリッジの構成を説明する斜視図である。
【図5】本発明を適用可能な第1の実施例に係るクリーニングユニットの構成を説明する斜視図である。
【図6】本発明を適用可能な第1の実施例に係る現像装置ユニットの構成を説明する斜視図である。
【図7】本発明を適用可能な第1の実施例に係る開閉扉を開いた電子写真画像形成装置本体、プロセスカートリッジの斜視図である。
【図8】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の模式図である。
【図9】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【図10】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の斜視図である。
【図11】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【図12】本発明を適用可能な第2の実施例に係る現像装置ユニットの斜視図である。
【図13】本発明を適用可能な第2の実施例に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図14】本発明を適用可能な第2の実施例に係る現像装置ユニットの断面図である。
【図15】本発明を適用可能な第2の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
なお、電子写真感光体ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。
【0019】
また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側(図6において駆動力受け部63a側)とし、その反対側を非駆動側とする。
【0020】
図2および図3を用いて全体構成および画像形成プロセスについて説明する。
【0021】
図2は、本発明の一実施の形態である電子写真画像形成装置の画像形成装置本体(以下、装置本体Aと記載する)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。
【0022】
図3は、カートリッジBの断面図である。
【0023】
ここで、電子写真画像形成装置の装置本体Aとは、カートリッジBを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【0024】
○電子写真画像形成装置全体構成
図2において、電子写真画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱可能とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側に露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。
【0025】
また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、シート材Pと記載する)を収容したシートトレイ4が配置されている。
【0026】
更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
【0027】
○画像形成プロセス
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム(以下、ドラム62と記載する)は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。ドラム62は、トナー像を担持する像担持体である。
【0028】
バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。
【0029】
露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部74を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。
【0030】
これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0031】
一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。
【0032】
トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。
【0033】
トナーTは、現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ32周面の層厚が規制される。
【0034】
そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ転移され、トナー像として可視像化される。
【0035】
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。
【0036】
そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。
【0037】
トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。
【0038】
このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0039】
一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
【0040】
上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0041】
○カートリッジ全体の構成
次にカートリッジBの全体構成について図3、図4を用いて説明する。
【0042】
図4は、カートリッジBの構成を説明する斜視図である。
【0043】
カートリッジBはクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を合体して構成される。
【0044】
クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、ドラム62、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77、補強板金100(補強部材)等からなる。
【0045】
一方、現像装置ユニット20は、トナー収納容器21、蓋22、現像容器23、第1サイド部材26L、第2サイド部材26R、現像ブレード42、現像ローラ32、マグネットローラ34、搬送部材43、トナーT、付勢部材46等からなる。
【0046】
これらクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を、結合部材75によって互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
【0047】
具体的には、現像装置ユニット20の長手方向(現像ローラ32の軸線方向)両端の現像容器23に形成したアーム部23aL、23aRの先端に、現像ローラ32と平行な回動穴23bL、23bRが設けられている。
【0048】
また、クリーニング枠体71の長手両端部には、結合部材75を嵌入するための嵌入穴71aが形成されている。
【0049】
そして、アーム部23aL、23aRをクリーニング枠体71の所定の位置に合わせて、結合部材75を回動穴23bL、23bRと嵌入穴71aに挿入することで、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20が結合部材75を中心に回動可能に結合される。
【0050】
○クリーニングユニットの構成
次にクリーニングユニット60の構成について図5を用いて説明する。
【0051】
図5は、クリーニングユニット60の構成を説明する斜視図である。
【0052】
クリーニングブレード77は、板金からなる支持部材77aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材77bからなり、支持部材77aの両端をビス91で固定することで、クリーニング枠体71に対して所定の位置に配置される。ここで、弾性部材77bがクリーニング部材であり、支持部材77aがクリーニング支持部材である。クリーニング枠体71に対する支持部材77aの固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。
【0053】
補強板金100は、両端をビス94で固定することで、クリーニング枠体71に対して取り付けられる。補強板金100は、移動規制部材である。また、補強板金100は、クリーニング枠体71と支持部材77aの線膨張係数の差により高温、低温環境にてクリーニング枠体71と支持部材77aが変形してドラム62に対するクリーニングブレード77の当接状態が大きく変化するのを抑制している。また、補強板金100は、支持部材77aと同等の線膨張係数および強度とするために板金で構成される。また、クリーニング枠体71に対する補強板金100の固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。補強板金100は、カートリッジBの着脱方向と交差する方向(本実施例では、着脱方向と直交する長手方向)に沿ってクリーニング枠体71に設けられている。
【0054】
弾性部材77bはドラム62と当接し、ドラム62の外周面上から残留トナーを除去する。除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71b(図3)に貯蔵される。
【0055】
ドラム62はフランジ64、フランジ63と一体的に結合され、電子写真感光体ドラムユニット(以下、ドラムユニット61と記載する)となる。この結合方法は、カシメ、接着、溶着等を用いる。
【0056】
軸受部材76がビス90によりクリーニング枠体71の駆動側に一体的に固定され、ドラム軸78がクリーニング枠体71の非駆動側に圧入固定される。
【0057】
そして、軸受部材76は、フランジ63と嵌合し、ドラム軸78は、フランジ64の穴64aと嵌合する。
【0058】
これにより、ドラムユニット61はクリーニング枠体71に回転可能に支持される。
【0059】
○現像装置ユニット
次に現像装置ユニット20の構成について、図6を用いて説明する。
【0060】
図6は現像装置ユニット20の構成を説明する斜視図である。
【0061】
トナー収納容器21と蓋22および現像容器23からなる現像枠体は、トナーを収納するトナー室29やトナー供給室28(図3)を形成する。トナー収納容器21と蓋22および現像容器23は、溶着等の手段により、一体に結合されている。
【0062】
現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材42bで構成され、清掃部材47と共に支持部材42aの両端をビス93で現像容器23に対して所定の位置に固定される。ここで、現像容器23に対する支持部材42aの固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。
【0063】
弾性部材42bは現像ローラ32と当接し、現像ローラ32の周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与する。
【0064】
清掃部材47は、現像ローラ32の端部表面と当接して、トナー等の付着物を清掃する。
【0065】
現像ローラ32が、ドラム62にトナーTを供給するための現像剤担持体である。また、弾性部材42bが、現像ローラ32の周面に担持された現像剤層の層厚を規制する規制部材である。支持部材42aが規制部材に接合され現像枠体に固定された現像支持部材である。
【0066】
現像ローラユニット31は、現像ローラ32、マグネットローラ34、フランジ35、間隔保持部材38、軸受部材37および現像ローラギア39等によって構成される。
【0067】
現像ローラ32の非駆動側端部からマグネットローラ34が挿入され、端部にはフランジ35が圧入固定されている。
【0068】
フランジ35には導電性の電極線(不図示)が組み込まれており、電極線は現像ローラ32および電極板27に当接している。
【0069】
導電性の電極板27は、第1サイド部材26Lに固定される。
【0070】
電極板27は、装置本体Aの給電部(不図示)に接触しており、電極板27、電極線を給電経路として現像ローラ32に給電する。
【0071】
間隔保持部材38は、現像ローラ32の両端部に取り付けられる。その外側に軸受部材37が配置され、駆動側においては、その外側に現像ローラギア39が組み込まれる。
【0072】
両端に配置された、軸受部材37によって現像ローラ32は回転可能に支持される。
【0073】
駆動伝達部材である第1ギア48と第2ギア49は、現像枠体に回転可能に取り付けられている。これにより、装置本体Aから受けた駆動力は、フランジギア部63b(図6)、現像ローラギア39、第1ギア48、第2ギア49および、搬送ギア50が順次噛み合い、回転することにより、現像ローラ32、搬送部材43へ伝達される。
【0074】
第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rは、長手方向の両端にビス92を用いて現像枠体に固定される。
【0075】
その際、現像ローラユニット31の軸受部材37は、第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rによって保持される。
【0076】
○装置本体へのカートリッジ着脱
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について、図1、図7、図8、図9を用いて説明する。
【0077】
図1は、装置本体AへのカートリッジBの着脱時における、着脱方向および長手方向に垂直な方向からみた模式的断面図であり、説明に必要な部品以外を省略している。図1のWはカートリッジBの装着方向を示している。
【0078】
図7は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体A、カートリッジBの斜視図である。図7のWは装置本体AへのカートリッジBの装着方向を示している。
【0079】
図8は、装置本体AへのカートリッジBの装着時の模式的断面図であり、(a)は駆動側、(b)は非駆動側の説明図である。また、説明に必要な部品以外を省略している。
【0080】
図9は、装置本体AへのカートリッジBの装着時の装着方向(図7のW)上流側からみたときの模式的断面図であり、説明に必要な部品以外を省略している。
【0081】
図7で示す様に、装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。この開閉扉13を開くとガイド210が備えてあり、カートリッジBはガイド210に沿って装置本体A内に装着される。
【0082】
ここで、図1、図9のように、ガイド210L、210Rはそれぞれ側板220L、220Rにビスやパッチン爪等(不図示)により固定されガイドユニット230L、230Rを構成している。ガイドユニット230は、カートリッジBの着脱軌跡上において着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のユニットである。また、ガイドユニット230間には、ビーム部材200がビス等(不図示)により架設固定されている。ビーム部材200の上部には露光装置3がビス(不図示)等で固定されている。ここで、ビーム部材200は露光装置3を固定している部材としているが、ガイドユニット230間に固定され、ガイドユニット230間の長手寸法を決めている部材であればこの限りではない。
【0083】
ビーム部材200は、ガイドユニット230の長手寸法を決めるものであり、強度が必要であるため金属で構成される必要がある。
【0084】
図8、図9のようにガイド210に設けられた第1ガイド溝212に第1被ガイド部110が、第2ガイド溝213に第2被ガイド部111がそれぞれ案内される。また、装置本体AへのカートリッジBの装着軌跡上において、長手方向(ドラム62の軸線方向)へのカートリッジBの移動は、補強板金100に設けられた規制部101と、ガイド210に設けられたガイド規制部211とが接触して規制される。
【0085】
また、長手方向の移動を規制するために、第2被ガイド部111とガイド210との長手方向の距離をL1、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をL2とした場合に、L2<L1となっている。尚、L2<L1の関係は、カートリッジBを構成する樹脂部材が熱膨張した場合においても満たされる。
【0086】
ここで、装置本体A側のビーム部材200と、カートリッジB側の補強板金100とを、同程度の線膨張係数を持つ金属で構成している。従来、カートリッジ枠体は線膨張係数65〜123[×10−6/℃]程度の樹脂材料、装置本体Aのビーム部材200は線膨張係数9〜25[×10−6/℃]程度の金属材料からなり、線膨張係数の差が大きい。
【0087】
これに対して、本実施の形態においては、補強板金100およびビーム部材200に線膨張係数9〜25[×10−6/℃]程度の金属材料を使用している。このように、補強板金100およびビーム部材200の両方を金属とすることで両者の線膨張係数が同程度となり、線膨張係数の差も小さくすることができる。ここで、線膨張係数が同程度というのは、補強板金100とビーム部材200との線膨張係数の差が、0〜16[×10−6/℃]の範囲を指している。なお、線膨張係数の測定は、JIS Z2285、JIS K7140−1に基づくものとする。
【0088】
これにより、温度変化による、装置本体A側とカートリッジB側との長手方向の寸法の変化量の差が小さくなるため、ガイド210と補強板金100との隙間を小さく設定することができる。その為、装置本体A内でのカートリッジBの長手方向への移動量が小さくなり、第一ガイド溝212、第二ガイド溝213に対する第一被ガイド部110、第二被ガイド部111の係合する長さも小さく設定することができ、装置本体Aを小型化することができる。
【0089】
ここで、ビーム部材200は、板金としているが、金属軸やブロック状の金属、金属パイプにより構成しても同様の効果を得ることができる。また、ビーム部材200は、1つだけではなく、複数配置してもよい。
【0090】
図1のように、規制部101の装置本体AへのカートリッジBの装着方向Wの下流側に曲げ部下流側102、装着方向上流側に曲げ部上流側103を設けている。こうすることで、装置本体AへのカートリッジBの着脱時に、板金のエッジがガイド210に接触しにくくなるため着脱動作をスムーズに行うことができる。また、ガイド210や規制部101への潤滑剤の塗布や、規制部101のエッジ部を面打ちする等しても、着脱動作をスムーズにすることができる。
【0091】
画像形成位置においては、図8(a)(b)のように、装置本体Aの長手方向両端に設けられた付勢部材15L、15Rにより第1被ガイド部110L、110Rはそれぞれ第1ガイド溝212L、212Rに対して付勢される。また、第1被ガイド部110Lと110Rを中心として、第2被ガイド部111Rが第2ガイド溝213Rの上面に対して接触するまで自重あるいは駆動力により回転することで、カートリッジBの画像形成時の姿勢が決まる。
【0092】
そして、装置本体Aのモータ(不図示)により駆動される駆動軸14が、カートリッジBに設けられた駆動力受け部63a(図6)と係合する。これにより、駆動力受け部63aと結合しているドラム62が装置本体Aから駆動力を受けて回転する。さらに、帯電ローラ66、現像ローラ32は、装置本体Aの給電部(不図示)より給電される。
【0093】
以上、本実施例によれば、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時に、装置本体AとカートリッジBとの長手方向の隙間を小さく設定することができ、操作性を向上することが可能となる。
【0094】
また、本実施例においては、固定ガイドに対するカートリッジBの着脱について述べたが、図10、図11のように装着部が引き出される構成でもよい。
【0095】
図10は装着部が引き出される構成の装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時の斜視図である。
【0096】
図11は、装置本体Aに対するカートリッジBの装着方向Wの上流側からみた断面図である。
【0097】
ここで、装置本体Aから引き出された装着部に対してカートリッジBが並列に複数装着されており、ガイドユニット230L、230Rをビーム部材200により固定することで、長手方向のガイドユニット230間の寸法を決めている。ガイドユニット230に設けられた第1ガイド溝212L、212Rに対して第1被ガイド部110L、110Rがそれぞれ所定の位置まで案内される。また、カートリッジBには補強板金100が固定されており、補強板金100の両端に設けられた規制部101L、101Rとガイド規制部211L、211Rとが接触することで、装着時の長手方向の移動が規制される。
【0098】
また、図11に示すように、長手方向の移動を規制するために、第1被ガイド部110とガイドユニット230との長手方向の距離をL1、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をL2とした場合に、L2<L1となっている。尚、L2<L1の関係は、カートリッジBを構成する樹脂部材が熱膨張した場合においても満たされる。
【0099】
ここで、前述したように、ビーム部材200と補強板金100とを同程度の線膨張係数をもつ金属で構成することで、同様の効果を得ることができる。
【0100】
なお、補強板金100およびビーム部材200について、同じ材質からなる金属材料を使用すれば、両者の線膨張係数の差がなくなるため、更に小型化することができ好ましい。
【0101】
[実施例2]
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部材で装置本体AへのカートリッジBの着脱時の長手規制を行う場合について、図12、図13、図14、図15を用いて説明する。
【0102】
図12は、現像装置ユニット20の斜視図である。
【0103】
図13は、カートリッジBの断面図であり、説明に必要な部品以外は省略している。
【0104】
図14は、現像装置ユニット20の断面図である。
【0105】
図15は、装置本体Aに対するカートリッジBの装着方向下流側からみた断面図である。
【0106】
また、これまでの説明で一度説明した部材についての材質、形状、構成部品の機能、配置などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0107】
前述したように、現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材42bで構成され、支持部材42aの両端をビス93で現像容器23に対して所定の位置に固定している。
【0108】
ここで、図12、図13のように、支持部材42aの長手方向両端部に規制部101を設け、さらに実施形態1で説明した曲げ部上流側102および曲げ部下流側103が設けている。即ち、本実施例では、カートリッジBの着脱方向と交差する方向(本実施例では、着脱方向と直交する長手方向)に沿って設けられる移動規制部材として、支持部材42aを用いている。
【0109】
一般的に、良好な画像を得るために、現像ブレード42と現像ローラ32との位置関係を精度よく設定している。現像ブレード42の位置がずれてしまうと、現像ローラ32に対する現像ブレード42の当接圧が変化し、現像ローラ32の周面のトナーTの帯電状態が変化してしまうために良好な画像が得られない場合がある。
【0110】
このようなずれを防止するため、図14のように、現像容器23に対して支持部材42aが固定されている固定座面120の法線方向Vと、装置本体Aに対するプロセスカートリッジBの装着方向Wとを略平行にしている。
【0111】
ここで、矢印X、矢印Vのどちらに現像ローラ32に対する現像ブレード42との位置がずれた場合においても、現像ローラ32に対する現像ブレード42の当接圧は変化する。
【0112】
仮に、固定座面120に対してせん断方向である矢印X方向の力が支持部材42aに加わった場合、ビス93の締結力による摩擦力を上回る力であれば容易にずれが発生する。ただし、矢印X方向の現像容器23に対する支持部材42aの位置が、不図示の穴と軸により決められている場合においては穴と軸の嵌合ガタ分でずれが発生する。
【0113】
しかし、固定座面120の法線方向Vの力が支持部材42aに加わった場合には、支持部材42は固定座面120とビス93に清掃部材47を介して挟まれている為、ビス93が緩まない限り、V方向への支持部材42aのズレは発生しにくい。
【0114】
つまり、カートリッジBの装着方向Wと固定座面120の法線方向Vとを略平行とすることで、着脱時にW方向の力が規制部101に加わった場合に、現像ローラ32に対する現像ブレード42の位置ずれを抑制することができる。
【0115】
このほか、現像ローラ32に対する現像ブレード42のずれを防止するために、図12のように、規制部101の脇に、規制部101よりも着脱方向および長手方向へ突出した凸部26fをサイド部材26に設けている。これにより、誤ってカートリッジBを落下してしまった場合にも、支持部材42aには接触せずに力が加わらないため、現像ローラ32に対する現像ブレード42の位置ずれを抑制することができる。
【0116】
ここで、凸部26fを設ける場合には、図15のように凸部26fがガイド210に接触して装着を妨げることのないようにガイド210に凹部210gを設ける必要がある。図15では長手一端側を図示しているが、他端側も同様である。このとき、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をa、凸部26fと凹部210gとの長手方向の距離をbとした場合、必ずa<bとなるよう設定している。こうすることで、凸部26fがカートリッジBの装着時に装着を妨げることなく、規制部101により長手方向へのカートリッジBの移動を規制することができる。
【0117】
ここで、装置本体A側の長手寸法を決めている部材であるビーム部材200と、カートリッジB側の長手寸法を決めている部材である支持部材42aとを、同程度の線膨張係数を持つ金属で構成している。その為、実施形態1と同様に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時の長手方向の隙間を小さく設定することができ、操作性を向上することが可能となる。
【0118】
また、本実施例においては、カートリッジBを構成する板金部材として、現像ブレード42の支持部材42aに規制部101を設けたが、クリーニングブレード77の支持部材77aに設けてもよい。
【0119】
クリーニングブレード77とドラム62とは、確実にドラム62上のトナーをクリーニングし、且つ弾性部材77bが捲れてしまわないように位置を精度良く設定しており、本実施例と同様位置ずれを防止して、着脱時の操作性を向上することができる。
【符号の説明】
【0120】
20 現像装置ユニット
60 クリーニングユニット
100 補強板金
200 ビーム部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える、画像形成装置に関するものである。画像形成装置としては、電子写真方式の画像形成装置がある。カートリッジとしては、例えば、現像カートリッジ、プロセスカートリッジがあげられる。
【0002】
現像カートリッジとは、現像ローラを有し、現像ローラによって電子写真感光体に形成された静電潜像を、現像剤を用いて可視像化する現像装置をカートリッジ化し、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体ドラムと、この電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【0004】
例えば、電子写真感光体ドラムと、前記プロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。
【0005】
また、電子写真画像形成装置とは電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。
【0006】
電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【背景技術】
【0007】
従来の電子写真画像形成装置では、その使用が長時間に及ぶと電子写真感光体の交換、現像剤の補給や交換、その他(帯電器、クリーニング容器等)の調整・清掃、交換が必要となる。このような保守作業は専門知識を有するサービスマン以外は事実上は困難であった。
【0008】
そこで、電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体ドラム及び電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0009】
あるいは、電子写真感光体ドラムに現像剤を供給する現像手段と現像剤とを電子写真感光体ドラムとは別にカートリッジ化したものを、電子写真画像形成装置本体に着脱可能とする現像カートリッジ方式も採用されている。
【0010】
このようなプロセスカートリッジまたは現像カートリッジの電子写真画像形成装置本体(以下、装置本体と称す)への着脱方法としては、まず、装置本体に着脱用の開口部を形成している。そして、この着脱開口の内部両側に、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの外部両側の被ガイド部を係合させて所定の装着位置まで挿入をガイドするガイド部を形成したものが一般的である。(例えば、特許文献1参照)
ここで、装置本体のガイド部間の幅は、ガイドが取り付けられた一対の側板間を架設して固定しているビーム部材で決められていることが多い。ビーム部材としては、例えば、電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光装置を固定する部材等がある。
【0011】
また、装置本体のビーム部材は剛性を出す為に金属で構成され、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの着脱時の長手位置を規制している枠体は、形状の自由度の高さから、樹脂により構成されるのが一般的である。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−259233号公報(第8頁、図4)
【特許文献2】特開平11−258885号公報(第2頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来例では、ビーム部材と枠体の材質の違いによる線膨張率の差が大きいため、高温、低温時を想定し、ガイド部とプロセスカートリッジまたは現像カートリッジとの隙間を大きく設定する必要があった。その為、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジを画像形成装置本体へ着脱する際の姿勢が安定しにくい場合があり、操作性の向上と小型化が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える画像形成装置において、前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体又は前記像担持体に作用するプロセス手段を少なくとも備える枠体と、前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に沿って前記枠体に設けられる移動規制部材と、を備え、画像形成装置本体は、画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱軌跡上において前記着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のガイドユニットと、
一対の前記ガイドユニットに架設固定された少なくとも一つのビーム部材と、を備え、
前記移動規制部材は、前記着脱軌跡上において、一対の前記ガイドユニットに接触することで、前記着脱方向と交差する方向への前記カートリッジの移動を規制する規制部を備え、
前記移動規制部材は、金属であり、前記ビーム部材は、金属である、ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本出願に係る発明によればガイド部とプロセスカートリッジまたは現像カートリッジとの隙間を小さく設定できる為、プロセスカートリッジまたは現像カートリッジの電子写真画像形成装置本体への着脱時の姿勢が安定し、操作性を向上できる。また、電子写真画像形成装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の断面図である。
【図2】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置の電子写真画像形成装置本体及びプロセスカートリッジの断面図である。
【図3】本発明を適用可能な第1の実施例に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】本発明を適用可能な第1の実施例に係るプロセスカートリッジの構成を説明する斜視図である。
【図5】本発明を適用可能な第1の実施例に係るクリーニングユニットの構成を説明する斜視図である。
【図6】本発明を適用可能な第1の実施例に係る現像装置ユニットの構成を説明する斜視図である。
【図7】本発明を適用可能な第1の実施例に係る開閉扉を開いた電子写真画像形成装置本体、プロセスカートリッジの斜視図である。
【図8】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の模式図である。
【図9】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【図10】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の斜視図である。
【図11】本発明を適用可能な第1の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【図12】本発明を適用可能な第2の実施例に係る現像装置ユニットの斜視図である。
【図13】本発明を適用可能な第2の実施例に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図14】本発明を適用可能な第2の実施例に係る現像装置ユニットの断面図である。
【図15】本発明を適用可能な第2の実施例に係る電子写真画像形成装置本体へのプロセスカートリッジの装着時の装着方向上流側からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
なお、電子写真感光体ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。
【0019】
また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側(図6において駆動力受け部63a側)とし、その反対側を非駆動側とする。
【0020】
図2および図3を用いて全体構成および画像形成プロセスについて説明する。
【0021】
図2は、本発明の一実施の形態である電子写真画像形成装置の画像形成装置本体(以下、装置本体Aと記載する)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。
【0022】
図3は、カートリッジBの断面図である。
【0023】
ここで、電子写真画像形成装置の装置本体Aとは、カートリッジBを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【0024】
○電子写真画像形成装置全体構成
図2において、電子写真画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱可能とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側に露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。
【0025】
また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、シート材Pと記載する)を収容したシートトレイ4が配置されている。
【0026】
更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
【0027】
○画像形成プロセス
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム(以下、ドラム62と記載する)は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。ドラム62は、トナー像を担持する像担持体である。
【0028】
バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。
【0029】
露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部74を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。
【0030】
これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0031】
一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。
【0032】
トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。
【0033】
トナーTは、現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ32周面の層厚が規制される。
【0034】
そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ転移され、トナー像として可視像化される。
【0035】
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。
【0036】
そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。
【0037】
トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。
【0038】
このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0039】
一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
【0040】
上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0041】
○カートリッジ全体の構成
次にカートリッジBの全体構成について図3、図4を用いて説明する。
【0042】
図4は、カートリッジBの構成を説明する斜視図である。
【0043】
カートリッジBはクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を合体して構成される。
【0044】
クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、ドラム62、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77、補強板金100(補強部材)等からなる。
【0045】
一方、現像装置ユニット20は、トナー収納容器21、蓋22、現像容器23、第1サイド部材26L、第2サイド部材26R、現像ブレード42、現像ローラ32、マグネットローラ34、搬送部材43、トナーT、付勢部材46等からなる。
【0046】
これらクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を、結合部材75によって互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
【0047】
具体的には、現像装置ユニット20の長手方向(現像ローラ32の軸線方向)両端の現像容器23に形成したアーム部23aL、23aRの先端に、現像ローラ32と平行な回動穴23bL、23bRが設けられている。
【0048】
また、クリーニング枠体71の長手両端部には、結合部材75を嵌入するための嵌入穴71aが形成されている。
【0049】
そして、アーム部23aL、23aRをクリーニング枠体71の所定の位置に合わせて、結合部材75を回動穴23bL、23bRと嵌入穴71aに挿入することで、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20が結合部材75を中心に回動可能に結合される。
【0050】
○クリーニングユニットの構成
次にクリーニングユニット60の構成について図5を用いて説明する。
【0051】
図5は、クリーニングユニット60の構成を説明する斜視図である。
【0052】
クリーニングブレード77は、板金からなる支持部材77aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材77bからなり、支持部材77aの両端をビス91で固定することで、クリーニング枠体71に対して所定の位置に配置される。ここで、弾性部材77bがクリーニング部材であり、支持部材77aがクリーニング支持部材である。クリーニング枠体71に対する支持部材77aの固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。
【0053】
補強板金100は、両端をビス94で固定することで、クリーニング枠体71に対して取り付けられる。補強板金100は、移動規制部材である。また、補強板金100は、クリーニング枠体71と支持部材77aの線膨張係数の差により高温、低温環境にてクリーニング枠体71と支持部材77aが変形してドラム62に対するクリーニングブレード77の当接状態が大きく変化するのを抑制している。また、補強板金100は、支持部材77aと同等の線膨張係数および強度とするために板金で構成される。また、クリーニング枠体71に対する補強板金100の固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。補強板金100は、カートリッジBの着脱方向と交差する方向(本実施例では、着脱方向と直交する長手方向)に沿ってクリーニング枠体71に設けられている。
【0054】
弾性部材77bはドラム62と当接し、ドラム62の外周面上から残留トナーを除去する。除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71b(図3)に貯蔵される。
【0055】
ドラム62はフランジ64、フランジ63と一体的に結合され、電子写真感光体ドラムユニット(以下、ドラムユニット61と記載する)となる。この結合方法は、カシメ、接着、溶着等を用いる。
【0056】
軸受部材76がビス90によりクリーニング枠体71の駆動側に一体的に固定され、ドラム軸78がクリーニング枠体71の非駆動側に圧入固定される。
【0057】
そして、軸受部材76は、フランジ63と嵌合し、ドラム軸78は、フランジ64の穴64aと嵌合する。
【0058】
これにより、ドラムユニット61はクリーニング枠体71に回転可能に支持される。
【0059】
○現像装置ユニット
次に現像装置ユニット20の構成について、図6を用いて説明する。
【0060】
図6は現像装置ユニット20の構成を説明する斜視図である。
【0061】
トナー収納容器21と蓋22および現像容器23からなる現像枠体は、トナーを収納するトナー室29やトナー供給室28(図3)を形成する。トナー収納容器21と蓋22および現像容器23は、溶着等の手段により、一体に結合されている。
【0062】
現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材42bで構成され、清掃部材47と共に支持部材42aの両端をビス93で現像容器23に対して所定の位置に固定される。ここで、現像容器23に対する支持部材42aの固定方法は、ここではビス固定としたが、かしめや、インサート成型、樹脂接合、接着等でも良い。
【0063】
弾性部材42bは現像ローラ32と当接し、現像ローラ32の周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与する。
【0064】
清掃部材47は、現像ローラ32の端部表面と当接して、トナー等の付着物を清掃する。
【0065】
現像ローラ32が、ドラム62にトナーTを供給するための現像剤担持体である。また、弾性部材42bが、現像ローラ32の周面に担持された現像剤層の層厚を規制する規制部材である。支持部材42aが規制部材に接合され現像枠体に固定された現像支持部材である。
【0066】
現像ローラユニット31は、現像ローラ32、マグネットローラ34、フランジ35、間隔保持部材38、軸受部材37および現像ローラギア39等によって構成される。
【0067】
現像ローラ32の非駆動側端部からマグネットローラ34が挿入され、端部にはフランジ35が圧入固定されている。
【0068】
フランジ35には導電性の電極線(不図示)が組み込まれており、電極線は現像ローラ32および電極板27に当接している。
【0069】
導電性の電極板27は、第1サイド部材26Lに固定される。
【0070】
電極板27は、装置本体Aの給電部(不図示)に接触しており、電極板27、電極線を給電経路として現像ローラ32に給電する。
【0071】
間隔保持部材38は、現像ローラ32の両端部に取り付けられる。その外側に軸受部材37が配置され、駆動側においては、その外側に現像ローラギア39が組み込まれる。
【0072】
両端に配置された、軸受部材37によって現像ローラ32は回転可能に支持される。
【0073】
駆動伝達部材である第1ギア48と第2ギア49は、現像枠体に回転可能に取り付けられている。これにより、装置本体Aから受けた駆動力は、フランジギア部63b(図6)、現像ローラギア39、第1ギア48、第2ギア49および、搬送ギア50が順次噛み合い、回転することにより、現像ローラ32、搬送部材43へ伝達される。
【0074】
第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rは、長手方向の両端にビス92を用いて現像枠体に固定される。
【0075】
その際、現像ローラユニット31の軸受部材37は、第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rによって保持される。
【0076】
○装置本体へのカートリッジ着脱
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について、図1、図7、図8、図9を用いて説明する。
【0077】
図1は、装置本体AへのカートリッジBの着脱時における、着脱方向および長手方向に垂直な方向からみた模式的断面図であり、説明に必要な部品以外を省略している。図1のWはカートリッジBの装着方向を示している。
【0078】
図7は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体A、カートリッジBの斜視図である。図7のWは装置本体AへのカートリッジBの装着方向を示している。
【0079】
図8は、装置本体AへのカートリッジBの装着時の模式的断面図であり、(a)は駆動側、(b)は非駆動側の説明図である。また、説明に必要な部品以外を省略している。
【0080】
図9は、装置本体AへのカートリッジBの装着時の装着方向(図7のW)上流側からみたときの模式的断面図であり、説明に必要な部品以外を省略している。
【0081】
図7で示す様に、装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。この開閉扉13を開くとガイド210が備えてあり、カートリッジBはガイド210に沿って装置本体A内に装着される。
【0082】
ここで、図1、図9のように、ガイド210L、210Rはそれぞれ側板220L、220Rにビスやパッチン爪等(不図示)により固定されガイドユニット230L、230Rを構成している。ガイドユニット230は、カートリッジBの着脱軌跡上において着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のユニットである。また、ガイドユニット230間には、ビーム部材200がビス等(不図示)により架設固定されている。ビーム部材200の上部には露光装置3がビス(不図示)等で固定されている。ここで、ビーム部材200は露光装置3を固定している部材としているが、ガイドユニット230間に固定され、ガイドユニット230間の長手寸法を決めている部材であればこの限りではない。
【0083】
ビーム部材200は、ガイドユニット230の長手寸法を決めるものであり、強度が必要であるため金属で構成される必要がある。
【0084】
図8、図9のようにガイド210に設けられた第1ガイド溝212に第1被ガイド部110が、第2ガイド溝213に第2被ガイド部111がそれぞれ案内される。また、装置本体AへのカートリッジBの装着軌跡上において、長手方向(ドラム62の軸線方向)へのカートリッジBの移動は、補強板金100に設けられた規制部101と、ガイド210に設けられたガイド規制部211とが接触して規制される。
【0085】
また、長手方向の移動を規制するために、第2被ガイド部111とガイド210との長手方向の距離をL1、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をL2とした場合に、L2<L1となっている。尚、L2<L1の関係は、カートリッジBを構成する樹脂部材が熱膨張した場合においても満たされる。
【0086】
ここで、装置本体A側のビーム部材200と、カートリッジB側の補強板金100とを、同程度の線膨張係数を持つ金属で構成している。従来、カートリッジ枠体は線膨張係数65〜123[×10−6/℃]程度の樹脂材料、装置本体Aのビーム部材200は線膨張係数9〜25[×10−6/℃]程度の金属材料からなり、線膨張係数の差が大きい。
【0087】
これに対して、本実施の形態においては、補強板金100およびビーム部材200に線膨張係数9〜25[×10−6/℃]程度の金属材料を使用している。このように、補強板金100およびビーム部材200の両方を金属とすることで両者の線膨張係数が同程度となり、線膨張係数の差も小さくすることができる。ここで、線膨張係数が同程度というのは、補強板金100とビーム部材200との線膨張係数の差が、0〜16[×10−6/℃]の範囲を指している。なお、線膨張係数の測定は、JIS Z2285、JIS K7140−1に基づくものとする。
【0088】
これにより、温度変化による、装置本体A側とカートリッジB側との長手方向の寸法の変化量の差が小さくなるため、ガイド210と補強板金100との隙間を小さく設定することができる。その為、装置本体A内でのカートリッジBの長手方向への移動量が小さくなり、第一ガイド溝212、第二ガイド溝213に対する第一被ガイド部110、第二被ガイド部111の係合する長さも小さく設定することができ、装置本体Aを小型化することができる。
【0089】
ここで、ビーム部材200は、板金としているが、金属軸やブロック状の金属、金属パイプにより構成しても同様の効果を得ることができる。また、ビーム部材200は、1つだけではなく、複数配置してもよい。
【0090】
図1のように、規制部101の装置本体AへのカートリッジBの装着方向Wの下流側に曲げ部下流側102、装着方向上流側に曲げ部上流側103を設けている。こうすることで、装置本体AへのカートリッジBの着脱時に、板金のエッジがガイド210に接触しにくくなるため着脱動作をスムーズに行うことができる。また、ガイド210や規制部101への潤滑剤の塗布や、規制部101のエッジ部を面打ちする等しても、着脱動作をスムーズにすることができる。
【0091】
画像形成位置においては、図8(a)(b)のように、装置本体Aの長手方向両端に設けられた付勢部材15L、15Rにより第1被ガイド部110L、110Rはそれぞれ第1ガイド溝212L、212Rに対して付勢される。また、第1被ガイド部110Lと110Rを中心として、第2被ガイド部111Rが第2ガイド溝213Rの上面に対して接触するまで自重あるいは駆動力により回転することで、カートリッジBの画像形成時の姿勢が決まる。
【0092】
そして、装置本体Aのモータ(不図示)により駆動される駆動軸14が、カートリッジBに設けられた駆動力受け部63a(図6)と係合する。これにより、駆動力受け部63aと結合しているドラム62が装置本体Aから駆動力を受けて回転する。さらに、帯電ローラ66、現像ローラ32は、装置本体Aの給電部(不図示)より給電される。
【0093】
以上、本実施例によれば、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時に、装置本体AとカートリッジBとの長手方向の隙間を小さく設定することができ、操作性を向上することが可能となる。
【0094】
また、本実施例においては、固定ガイドに対するカートリッジBの着脱について述べたが、図10、図11のように装着部が引き出される構成でもよい。
【0095】
図10は装着部が引き出される構成の装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時の斜視図である。
【0096】
図11は、装置本体Aに対するカートリッジBの装着方向Wの上流側からみた断面図である。
【0097】
ここで、装置本体Aから引き出された装着部に対してカートリッジBが並列に複数装着されており、ガイドユニット230L、230Rをビーム部材200により固定することで、長手方向のガイドユニット230間の寸法を決めている。ガイドユニット230に設けられた第1ガイド溝212L、212Rに対して第1被ガイド部110L、110Rがそれぞれ所定の位置まで案内される。また、カートリッジBには補強板金100が固定されており、補強板金100の両端に設けられた規制部101L、101Rとガイド規制部211L、211Rとが接触することで、装着時の長手方向の移動が規制される。
【0098】
また、図11に示すように、長手方向の移動を規制するために、第1被ガイド部110とガイドユニット230との長手方向の距離をL1、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をL2とした場合に、L2<L1となっている。尚、L2<L1の関係は、カートリッジBを構成する樹脂部材が熱膨張した場合においても満たされる。
【0099】
ここで、前述したように、ビーム部材200と補強板金100とを同程度の線膨張係数をもつ金属で構成することで、同様の効果を得ることができる。
【0100】
なお、補強板金100およびビーム部材200について、同じ材質からなる金属材料を使用すれば、両者の線膨張係数の差がなくなるため、更に小型化することができ好ましい。
【0101】
[実施例2]
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部材で装置本体AへのカートリッジBの着脱時の長手規制を行う場合について、図12、図13、図14、図15を用いて説明する。
【0102】
図12は、現像装置ユニット20の斜視図である。
【0103】
図13は、カートリッジBの断面図であり、説明に必要な部品以外は省略している。
【0104】
図14は、現像装置ユニット20の断面図である。
【0105】
図15は、装置本体Aに対するカートリッジBの装着方向下流側からみた断面図である。
【0106】
また、これまでの説明で一度説明した部材についての材質、形状、構成部品の機能、配置などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0107】
前述したように、現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材42bで構成され、支持部材42aの両端をビス93で現像容器23に対して所定の位置に固定している。
【0108】
ここで、図12、図13のように、支持部材42aの長手方向両端部に規制部101を設け、さらに実施形態1で説明した曲げ部上流側102および曲げ部下流側103が設けている。即ち、本実施例では、カートリッジBの着脱方向と交差する方向(本実施例では、着脱方向と直交する長手方向)に沿って設けられる移動規制部材として、支持部材42aを用いている。
【0109】
一般的に、良好な画像を得るために、現像ブレード42と現像ローラ32との位置関係を精度よく設定している。現像ブレード42の位置がずれてしまうと、現像ローラ32に対する現像ブレード42の当接圧が変化し、現像ローラ32の周面のトナーTの帯電状態が変化してしまうために良好な画像が得られない場合がある。
【0110】
このようなずれを防止するため、図14のように、現像容器23に対して支持部材42aが固定されている固定座面120の法線方向Vと、装置本体Aに対するプロセスカートリッジBの装着方向Wとを略平行にしている。
【0111】
ここで、矢印X、矢印Vのどちらに現像ローラ32に対する現像ブレード42との位置がずれた場合においても、現像ローラ32に対する現像ブレード42の当接圧は変化する。
【0112】
仮に、固定座面120に対してせん断方向である矢印X方向の力が支持部材42aに加わった場合、ビス93の締結力による摩擦力を上回る力であれば容易にずれが発生する。ただし、矢印X方向の現像容器23に対する支持部材42aの位置が、不図示の穴と軸により決められている場合においては穴と軸の嵌合ガタ分でずれが発生する。
【0113】
しかし、固定座面120の法線方向Vの力が支持部材42aに加わった場合には、支持部材42は固定座面120とビス93に清掃部材47を介して挟まれている為、ビス93が緩まない限り、V方向への支持部材42aのズレは発生しにくい。
【0114】
つまり、カートリッジBの装着方向Wと固定座面120の法線方向Vとを略平行とすることで、着脱時にW方向の力が規制部101に加わった場合に、現像ローラ32に対する現像ブレード42の位置ずれを抑制することができる。
【0115】
このほか、現像ローラ32に対する現像ブレード42のずれを防止するために、図12のように、規制部101の脇に、規制部101よりも着脱方向および長手方向へ突出した凸部26fをサイド部材26に設けている。これにより、誤ってカートリッジBを落下してしまった場合にも、支持部材42aには接触せずに力が加わらないため、現像ローラ32に対する現像ブレード42の位置ずれを抑制することができる。
【0116】
ここで、凸部26fを設ける場合には、図15のように凸部26fがガイド210に接触して装着を妨げることのないようにガイド210に凹部210gを設ける必要がある。図15では長手一端側を図示しているが、他端側も同様である。このとき、規制部101とガイド規制部211との長手方向の距離をa、凸部26fと凹部210gとの長手方向の距離をbとした場合、必ずa<bとなるよう設定している。こうすることで、凸部26fがカートリッジBの装着時に装着を妨げることなく、規制部101により長手方向へのカートリッジBの移動を規制することができる。
【0117】
ここで、装置本体A側の長手寸法を決めている部材であるビーム部材200と、カートリッジB側の長手寸法を決めている部材である支持部材42aとを、同程度の線膨張係数を持つ金属で構成している。その為、実施形態1と同様に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱時の長手方向の隙間を小さく設定することができ、操作性を向上することが可能となる。
【0118】
また、本実施例においては、カートリッジBを構成する板金部材として、現像ブレード42の支持部材42aに規制部101を設けたが、クリーニングブレード77の支持部材77aに設けてもよい。
【0119】
クリーニングブレード77とドラム62とは、確実にドラム62上のトナーをクリーニングし、且つ弾性部材77bが捲れてしまわないように位置を精度良く設定しており、本実施例と同様位置ずれを防止して、着脱時の操作性を向上することができる。
【符号の説明】
【0120】
20 現像装置ユニット
60 クリーニングユニット
100 補強板金
200 ビーム部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える画像形成装置において、
前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体又は前記像担持体に作用するプロセス手段を少なくとも備える枠体と、前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に沿って前記枠体に設けられる移動規制部材と、を備え、
画像形成装置本体は、画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱軌跡上において前記着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のガイドユニットと、
一対の前記ガイドユニットに架設固定された少なくとも一つのビーム部材と、を備え、
前記移動規制部材は、前記着脱軌跡上において、一対の前記ガイドユニットに接触することで、前記着脱方向と交差する方向への前記カートリッジの移動を規制する規制部を備え、
前記移動規制部材は、金属であり、
前記ビーム部材は、金属である、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記規制部は、前記着脱方向の上流側又は下流側の少なくとも一方に曲げ部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動規制部材は前記枠体に設けられた固定座面に固定され、
前記固定座面の法線方向が前記画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱方向と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記枠体は前記規制部よりも突出した凸部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体の上の現像剤を除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材と接合され前記枠体に固定されたクリーニング支持部材と、を有し、
前記移動規制部材は前記クリーニング支持部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の周面に担持された現像剤層の層厚を規制する規制部材と、
前記規制部材に接合され前記枠体に固定された現像支持部材と、
を有し、
前記移動規制部材は前記現像支持部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能に設けられるカートリッジを備える画像形成装置において、
前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体又は前記像担持体に作用するプロセス手段を少なくとも備える枠体と、前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に沿って前記枠体に設けられる移動規制部材と、を備え、
画像形成装置本体は、画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱軌跡上において前記着脱方向に交差する方向の両端に配置された一対のガイドユニットと、
一対の前記ガイドユニットに架設固定された少なくとも一つのビーム部材と、を備え、
前記移動規制部材は、前記着脱軌跡上において、一対の前記ガイドユニットに接触することで、前記着脱方向と交差する方向への前記カートリッジの移動を規制する規制部を備え、
前記移動規制部材は、金属であり、
前記ビーム部材は、金属である、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記規制部は、前記着脱方向の上流側又は下流側の少なくとも一方に曲げ部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動規制部材は前記枠体に設けられた固定座面に固定され、
前記固定座面の法線方向が前記画像形成装置本体への前記カートリッジの着脱方向と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記枠体は前記規制部よりも突出した凸部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、トナー像を担持する像担持体の上の現像剤を除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材と接合され前記枠体に固定されたクリーニング支持部材と、を有し、
前記移動規制部材は前記クリーニング支持部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の周面に担持された現像剤層の層厚を規制する規制部材と、
前記規制部材に接合され前記枠体に固定された現像支持部材と、
を有し、
前記移動規制部材は前記現像支持部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−128290(P2012−128290A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281055(P2010−281055)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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