説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置を操作する操作者の操作性を向上させる。
【解決手段】印刷指示情報を受信する受信部と、受信した前記印刷指示情報を記憶する記憶部と、載置された原稿を読取り、読取った原稿の画像情報を生成する原稿読取部と、前記原稿読取部に載置された原稿を検知する原稿検知部と、受信した印刷指示情報または読取った原稿の画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記受信部で印刷指示情報を受信したとき、前記原稿検知部により原稿が検知されている場合、受信した前記印刷指示情報を前記記憶部に記憶させて前記印刷指示情報に基づく画像形成処理を保留する制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機能および画像読取り機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、画像を印刷する印刷機能および原稿等の画像を読取る画像読取り機能を備え(例えば、特許文献1参照)、その印刷機能および画像読取り機能が動作中でないとき、通信回線等で接続されたホストコンピュータ等の上位装置から受信した印刷データ(印刷指示情報)を直ぐに印刷し、一方印刷機能または画像読取り機能が動作中のときは、受信した印刷データを受信バッファ等の記憶部に蓄積し、印刷機能または画像読取り機能の動作が完了した後、記憶部に蓄積した印刷データの印刷動作を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−358871号公報(段落「0023」〜段落「0029」、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、操作者の入力操作による画像読取り機能、複写機能やファクシミリ機能等を使用する場合、その使用に際して原稿等の読み取りを開始しようとするときに、上位装置から印刷データが送信されると、操作者の入力操作による画像読取り機能、複写機能やファクシミリ機能等の動作は、画像形成装置が動作中であるとして印刷データによる印刷動作が終了するまで待たされてしまい、操作者の操作性を損なうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、画像形成装置を操作する操作者の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、印刷指示情報を受信する受信部と、受信した前記印刷指示情報を記憶する記憶部と、載置された原稿を読取り、読取った原稿の画像情報を生成する原稿読取部と、前記原稿読取部に載置された原稿を検知する原稿検知部と、受信した印刷指示情報または読取った原稿の画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記受信部で印刷指示情報を受信したとき、前記原稿検知部により原稿が検知されている場合、受信した前記印刷指示情報を前記記憶部に記憶させて前記印刷指示情報に基づく画像形成処理を保留する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、画像形成装置を操作する操作者の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例におけるMFPの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における印刷ジョブ受信処理の流れを示すフローチャート
【図3】第1の実施例における各機能処理の流れを示すフローチャート
【図4】第1の実施例における印刷ジョブの印刷処理の流れを示すフローチャート
【図5】第1の実施例における印刷ジョブキューの説明図
【図6】第2の実施例におけるMFPの構成を示すブロック図
【図7】第2の実施例における各機能処理の流れを示すフローチャート
【図8】第2の実施例における操作パネルに表示する操作画面の説明図
【図9】画像形成装置と上位装置との接続形態の説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
従来、図9(a)に示すように画像形成装置としてのMFP(Multi Function Printer)と上位装置としてのPC(Personal Computer)とがUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等で接続されている場合は、画像形成装置(MFP)と上位装置(PC)が接近しているため、上位装置(PC)を操作している人が画像形成装置(MFP)を操作する人を視認することができ、上位装置(PC)から大量の印刷データを送信する場合には双方の操作者が声をかけ合う等して画像形成装置(MFP)の操作者の待ち時間を調整することができる。
【0009】
しかし、図9(b)に示すように画像形成装置(MFP)と上位装置(PC)とがLAN(Local Area Network)ケーブル等のネットワークで接続されている場合は、上位装置(PC)を操作している人が画像形成装置(MFP)を操作する人を視認することができないこともあり、上位装置(PC)から大量の印刷データが送信された場合は画像形成装置(MFP)の操作者が印刷機能以外の画像読取り機能、複写機能やファクシミリ機能等を使用するとき(割り込み複写機能を使用したとしても)、上位装置(PC)から送信された印刷データによる印刷動作が終了するまで、その動作が待たされてしまう。
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例におけるMFPの構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成装置としてのMFP100は、PCやホストコンピュータ等の上位装置200とケーブルやネットワーク等の通信回線300を介して通信可能に接続されている。
【0011】
MFP100は、原稿の画像を読取り、読取った原稿の画像データ(画像情報)を生成する原稿読取部としてのスキャナ部110と、印刷部としてのプリンタ部140とから構成され、そのスキャナ部110は、自動原稿送り部に載置された原稿を1枚ずつ分離して搬送し、搬送される原稿の画像を画像読取りセンサで読取るADF(Auto Document Feeder)部120と、読取り部に載置された1枚の原稿の画像を画像読取りセンサで読取るフラットベッド部130と、原稿検知判断部111と、画像読取り制御部112と、Scan制御部113と、Copy制御部114と、Fax制御部115と、機能制御部116とを含んで構成されている。
【0012】
ADF部120は、原稿が自動原稿送り部に原稿が載置されたこと、すなわち読取りを待機する原稿をセンサ等により検知する原稿検知部A121と、自動原稿送り部から引き込んだ原稿の画像を画像読取りセンサで読取る原稿読取り部A122とから構成される。
フラットベッド部130は、原稿が読取り部に載置されたこと、すなわち読取りを待機する原稿をセンサ等により検知する原稿検知部B131と、読取り部に載置された原稿の画像を画像読取りセンサで読取る原稿読取り部B132とから構成される。
【0013】
また、MFP100は、載置された原稿を押さえるための開閉蓋を備えており、原稿検知部B131は、この開閉蓋の開閉を検知することにより、原稿の有無を検知する構成としても良い。
原稿検知判断部111は、原稿検知部A121または原稿検知部B131から入力された信号によりADF部120の自動原稿送り部またはフラットベッド部130の読取り部のいずれかに、原稿読取り部(原稿読取り部A122または原稿読取り部B132)での読み取りを待機する原稿が載置されているかを判別する。
【0014】
原稿読取り制御部112は、原稿検知判断部111の判別結果に基づいて原稿が載置されているADF部120またはフラットベッド部130で原稿の画像を読取る。原稿読取り制御部112は、ADF部120に原稿が載置されている場合には、原稿読取り部A122に原稿読取り指示を出力し、フラットベッド部130に原稿が載置されている場合には、原稿読取り部B132に原稿読取り指示を出力して原稿の画像を読取り、読取った原稿の画像情報を機能制御部116へ送信する。
【0015】
機能制御部116は、図示しない操作部としての操作パネルで操作者の操作により選択された機能(例えば、原稿の画像を読取る原稿読取り機能としてのScan機能、原稿の画像を読取り、その画像を印刷する複写機能としてのCopy機能、原稿の画像を読取り、その画像情報を入力された送信先へファクシミリ送信する画像情報送信機能としてのFax機能等)を判別し、選択された機能に応じてScan制御部113、Copy制御部114、またはFax制御部115のいずれかに読取った原稿の画像情報を送信するとともに選択された機能の種別をプリンタ部140へ送信する。
【0016】
Scan制御部113は、機能制御部116から送信された原稿の画像情報を図示しない送信部およびUSB等の出力ポート等を介して送信するScan機能の処理を実行する。
Copy制御部114は、機能制御部116から送信された原稿の画像情報を印刷データとしてプリンタ部140へ送信し、原稿の画像を印刷するCopy機能の処理を実行する。
【0017】
Fax制御部115は、機能制御部116から送信された原稿の画像情報を図示しない送信部および電話回線等を介して操作パネルで入力された送信先へ送信するFax機能の処理を実行する。
プリンタ部140は、受信部141と、編集開始判断部142と、ジョブ記憶部143と、Print制御部144とから構成されている。
【0018】
受信部141は、上位装置200から印刷データを印刷する指示としての印刷指示情報(以下、「印刷ジョブ」という。)を受信する。
編集開始判断部142は、スキャナ部110の原稿検知判断部111からの原稿検知情報に基づき、受信部141で上位装置200から受信した印刷ジョブを直ぐにPrint制御部144へ送信するか、ジョブ記憶部143に記憶して保存するか、またはジョブ記憶部143に既に記憶され保存されている印刷ジョブを取り出してPrint制御部144へ送信するかを判断し、それぞれの処理を行う。
【0019】
記憶部としてのジョブ記憶部143は、編集開始判断部142から送信された印刷ジョブを一時的にメモリ等に記憶させ、保存(保留)しておき、また編集開始判断部142からの要求により保存しておいた印刷ジョブを読み出して編集開始判断部142へ送信する。
【0020】
受信した印刷ジョブまたは読取った原稿の画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部としてのPrint制御部144は、スキャナ部110のCopy制御部114から送信された画像情報やプリンタ部140の編集開始判断部142から送信された印刷ジョブにしたがって印刷動作を行う。なお、Print制御部144が行う印刷動作は、既知の電子写真方式等の印刷動作とする。
【0021】
制御部としての上述した機能制御部116、Scan制御部113、Copy制御部114、Fax制御部115、および編集開始判断部142は、受信部141で印刷ジョブを受信したとき、原稿検知判断部111により原稿が検知されている場合、受信した印刷ジョブをジョブ記憶部143に記憶させて印刷ジョブに基づく画像形成処理を保留する。
【0022】
上述した構成の作用について説明する。
まず、MFPのプリンタ部が行う印刷ジョブ受信処理を図2の第1の実施例における印刷ジョブ受信処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
S101:プリンタ部140の受信部141は、上位装置200から送信された印刷ジョブを受信する。
【0023】
S102:受信部141が印刷ジョブを受信すると編集開始判断部142は、スキャナ部110の原稿検知判断部111から通知された情報に基づいてADF部120またはフラットベッド部130のいずれかで原稿が検知されているか否かを判断する。ADF部120またはフラットベッド部130のいずれかで原稿が検知されている場合、処理をS103へ移行し、一方原稿が検知されていない場合は、処理をS104へ移行する。これは、MFP100の前にいるユーザ(操作者)が原稿をセットし、MFP100のいずれかの機能を使用しようとするときに、突然、MFP100が上位装置200から印刷データを受信して機能の使用を割り込まれてしまうことを防ぐためである。
【0024】
S103:ADF部120またはフラットベッド部130のいずれかで原稿が検知されていると判断した編集開始判断部142は、受信部141で受信した印刷ジョブをジョブ記憶部143へ送信し、先入れ先出し方式の印刷ジョブキューに印刷ジョブを保存して処理を終了する。すなわち、MFP100の前にいる、原稿をセットしたユーザ(操作者)に、優先的にMFP100の機能を使用させることができる。
【0025】
S104:ADF部120およびフラットベッド部130で原稿が検知されていないと判断した編集開始判断部142は、Print制御部144へ受信部141で受信した印刷ジョブを送信して印刷処理を行い、処理を終了する。すなわち、原稿がセットされていないということは、MFP100の前にはユーザ(操作者)がいないと推定されるので、上位装置200から送信された印刷データに関する処理が実行される。
【0026】
ここで、上述したS103において使用される印刷ジョブキューを図5に基づいて説明する。図5は第1の実施例における印刷ジョブキューの説明図であり、印刷ジョブキューの概念図である。
図5において、印刷ジョブキュー1431は、印刷ジョブを記憶する領域であり、一般的な先入れ先出し方式のデータ構造を有する記憶領域である。図5(a)は、印刷ジョブキュー1431に印刷ジョブが記憶されていない状態を示し、図5(b)は、印刷ジョブキュー1431にひとつの印刷ジョブ1が記憶された状態を示している。
【0027】
図5(c)は、印刷ジョブ1が記憶された後に、印刷ジョブキュー1431に印刷ジョブ2を新たに記憶した状態を示し、このとき、新たに記憶する印刷ジョブ2は既に記憶されている印刷ジョブ1の後に記憶される。
図5(d)は、さらに印刷ジョブキュー1431に印刷ジョブ3、印刷ジョブ4、印刷ジョブ5が記憶され、その状態で印刷ジョブキュー1431から印刷ジョブを取り出した状態を示している。このとき、印刷ジョブキュー1431から取り出される印刷ジョブは最先に記憶された印刷ジョブ1が取り出される。
【0028】
次に、MFPのスキャナ部が行う各機能処理を図3の第1の実施例における各機能処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
S201:MFP100の図示しない操作パネルで操作者による各機能の動作を選択、開始させる操作を受け付ける。
【0029】
S202:スキャナ部110の機能制御部116は、操作パネルで受け付けた機能がプリンタ部140を使用する機能であるか否かを判断し、プリンタ部140を使用しない機能である場合、処理をS203およびS204へ移行し、プリンタ部140を使用する機能である場合、処理をS206へ移行する。
【0030】
ここで、操作パネルで受け付けた機能がプリンタ部140を使用しない機能(本実施例では、Scan機能またはFax機能)であると判断した機能制御部116は、S203の処理を行うように指示をスキャナ部110のScan制御部113またはFax制御部115へ通知し、それと同時にS204およびS205の処理を行うようにプリンタ部140のPrint制御部144へ通知する。したがって、MFP100は、S203の処理と、S204およびS205との処理を並行して行う。
【0031】
S203:スキャナ部110のScan制御部113またはFax制御部115は、機能制御部116から通知された指示にしたがってScan機能またはFax機能の処理を行い、処理を終了する。
S204:S203の処理と並行してプリンタ部140のPrint制御部144は、機能制御部116から通知された指示にしたがって印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを印刷する指示を編集開始判断部142へ通知する。
【0032】
印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを印刷する指示を受けた編集開始判断部142は、ジョブ記憶部143に問い合わせ、印刷ジョブキューに印刷を待機する印刷ジョブが存在するか否かを判断する。編集開始判断部142は、印刷ジョブが存在すると判断した場合、処理をS205へ移行し、印刷ジョブが存在しないと判断すると処理を終了する。
【0033】
S205:印刷ジョブキューに印刷を待機する印刷ジョブが存在すると判断した編集開始判断部142は、印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを取り出し、その印刷ジョブを印刷する指示をPrint制御部144へ通知して後述する印刷ジョブの印刷処理を行い、処理を終了する。なお、S203と、S204およびS205とは、双方の処理が完了すると本各機能処理を終了する。
【0034】
このようにして、制御部としての機能制御部116は、原稿検知判断部111により検知されている原稿の原稿読取り部(原稿読取り部A122または原稿読取り部B132)による読取り処理と、画像形成部としてのPrint制御部144によるジョブ記憶部143に記憶させた印刷ジョブに基づく画像形成処理とを並行して行う。
【0035】
S206:S202において、操作パネルで受け付けた機能がプリンタ部140を使用する機能(本実施例では、Copy機能)であると判断した機能制御部116は、Copy制御部114へ指示を通知し、Copy機能の処理を行う。
S207:機能制御部116は、操作者による操作が完了したか否かを判定し、操作が完了したことを検知してCopy機能の処理を終了すると、S208およびS209の処理を行うようにプリンタ部140のPrint制御部144へ通知する。
【0036】
ここで、操作者による操作が完了したか否かの判定は、ADF部120を使用する場合、自動原稿送り部上の原稿が無くなったこと、すなわち自動原稿送り部上の原稿がすべて読み込まれたことを、ADF部120の原稿検知部121が検知したとき、操作者による操作が完了したと判定し、フラットベッド部130を使用する場合、原稿読込後、所定時間(例えば、10秒間)経過しても操作者による操作パネルへの操作がなかったことを、機能制御部116が検知したとき、操作者による操作が完了したと判定するものとする。
【0037】
S208:プリンタ部140のPrint制御部144は、機能制御部116から通知された指示にしたがって印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを印刷する指示を編集開始判断部142へ通知する。
印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを印刷する指示を受けた編集開始判断部142は、ジョブ記憶部143に問い合わせ、印刷ジョブキューに印刷を待機する印刷ジョブが存在するか否かを判断する。編集開始判断部142は、印刷ジョブが存在すると判断した場合、処理をS209へ移行し、印刷ジョブが存在しないと判断すると処理を終了する。
【0038】
S209:印刷ジョブキューに印刷を待機する印刷ジョブが存在すると判断した編集開始判断部142は、印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブを取り出し、その印刷ジョブを印刷する指示をPrint制御部144へ通知して後述する印刷ジョブの印刷処理を行い、処理を終了する。
【0039】
次に、MFPのプリンタ部が行う印刷ジョブの印刷処理を図4の第1の実施例における印刷ジョブの印刷処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップしたがって図1を参照しながら説明する。
S301:編集開始判断部142は、ジョブ記憶部143に問合せ、先入れ先出し方式の印刷ジョブキューに保存された印刷ジョブの中から印刷ジョブを一つ取り出す。
【0040】
S302:編集開始判断部142は、印刷ジョブキューから取り出した印刷ジョブをPrint制御部144へ送信し、Print制御部144は受信した印刷ジョブの印刷処理を行う。
S303:Print制御部144が行う印刷処理が終了すると、編集開始判断部142は、ジョブ記憶部143に問合せ、印刷ジョブキューに印刷を待機する印刷ジョブが存在するか否かを判断する。編集開始判断部142は、印刷ジョブが存在すると判断した場合、処理をS301へ移行し、印刷ジョブが存在しないと判断すると処理を終了する。
【0041】
このように、MFP100のADF部120の原稿検知部121またはフラットベッド部130の原稿検知部131で原稿を検知しているときに、上位装置200から印刷ジョブを受信した場合、その印刷ジョブを先入れ先出し方式の印刷ジョブキューに保存し、原稿の読取り動作を含むScan機能、Fax機能、またはCopy機能の動作を行うようにしたことにより、MFP100を操作する操作者を待たせることがなくなる。
【0042】
また、このとき、操作者の操作により選択された機能がプリンタ部140を使用しないScan機能またはFax機能である場合、印刷ジョブキューに保存した印刷ジョブを取り出し、その印刷ジョブの印刷処理をScan機能やFax機能の原稿読取り等の処理と並行して行うようにしたことにより、上位装置200からの印刷ジョブの待ち時間を短縮することができる。
【0043】
以上説明したように、第1の実施例では、画像形成装置の原稿検知部で原稿を検知しているときに、上位装置から印刷ジョブを受信した場合、その印刷ジョブを先入れ先出し方式の印刷ジョブキューに保存し、原稿の読取り動作を含むScan機能、Fax機能、またはCopy機能の動作を行うようにしたことにより、画像形成装置を操作する操作者の待ち時間を短縮することができ、操作者の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【0044】
また、操作者の操作により選択された機能が画像形成装置のプリンタ部を使用しないScan機能またはFax機能である場合、印刷ジョブキューに保存した印刷ジョブを取り出し、その印刷ジョブの印刷処理をScan機能やFax機能の原稿読取り等の処理と並行して行うようにしたことにより、上位装置からの印刷ジョブの待ち時間を短縮することができ、操作者の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0045】
第2の実施例の構成は、図1に示す第1の実施例の構成の構成に加え、MFPのスキャナ部の原稿検知判断部で原稿読み取り部に載置された原稿を検知したとき、原稿を使用しない機能を選択するメニューボタンの大きさを通常のメニューボタンの大きさより小さくして表示するパネル表示制御部を備えたものとしている。その第2の実施例の構成を図6の第2の実施例におけるMFPの構成を示すブロック図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図6において、MFP100は、原稿読取部としてのスキャナ部110と、印刷部としてのプリンタ部140とから構成され、そのスキャナ部110は、自動原稿送り部に載置された原稿を1枚ずつ分離して搬送し、搬送される原稿の画像を画像読取りセンサで読取るADF部120と、読取り部に載置された1枚の原稿の画像を画像読取りセンサで読取るフラットベッド部130と、原稿検知判断部111と、画像読取り制御部112と、Scan制御部113と、Copy制御部114と、Fax制御部115と、機能制御部116とに加え、パネル表示制御部150を含んでいる。
【0047】
パネル表示制御部150は、原稿検知判断部111から通知された原稿検知情報に基づいてADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に原稿が載置されているか否かを判断し、図示しない操作パネル部の表示部に、Scan機能、Copy機能、Fax機能、印刷機能としてのPrint機能等のそれぞれの機能を選択するための操作を受付ける選択入力手段としてのメニューボタンの大きさを変化させて表示する。
【0048】
ここで、Print機能とは、メモリ等の記憶部に一時記憶した画像データ(例えば、予めScan機能で読取った画像データやファクシミリ受信した画像データ等)を印刷する機能である。例えば、親展印刷機能が挙げられる。
なお、上述したPrint機能が選択された場合、機能制御部116は原稿の読み取りを行うことなく、Print機能が選択された旨の情報をプリンタ部140へ直接送信する。
【0049】
ADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に原稿が載置されている場合、操作パネルから原稿を使用しない機能がメニューボタンにより選択される可能性は低い。そのため、原稿読取り部に原稿が載置されていることを検知したとき、パネル表示制御部150が原稿を使用しない機能を選択するメニューボタンの大きさを、原稿読取り部に原稿が載置されていないときに表示するメニューボタンの大きさより小さくして表示、すなわち原稿読取り部に原稿が載置されていることを検知したとき、原稿の読み取りを行う機能を選択するためのメニューボタンの大きさを、原稿の読み取りを行わない機能を選択するためのメニューボタンの大きさより大きくして表示することにより、操作者の操作性を向上させることができる。
【0050】
上述した構成の作用について説明する。
MFPが行う各機能処理を図7の第2の実施例における各機能処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図6を参照しながら説明する。
S401:MFP100のパネル表示制御部150は、原稿検知判断部111から通知された原稿検知情報に基づいてADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に原稿が載置されているか否かを判断し、図示しない操作パネル部の表示部にメニューボタンの大きさを変化させて表示する。
【0051】
パネル表示制御部150は、ADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に原稿が載置されていると判断すると操作パネル部の表示部に、例えば図8(a)に示す操作画面80を表示する。この操作画面80は、ADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に原稿が載置されていないと判断したときにパネル表示制御部150が表示する図8(b)に示す操作画面と比較してPrint機能を選択するためのメニューボタン81を縮小して表示し、またその他の機能、例えばCopy機能、Scan機能やFax機能等を選択するためのメニューボタン82を拡大して表示している。
【0052】
これは、原稿がADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に載置されている場合、その原稿の読み取りを行なわないPrint機能が選択される可能性は低く、載置された原稿の読み取りを行なうCopy機能、Scan機能やFax機能等が選択される可能性が高いためである。
【0053】
このように、原稿がADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に載置されている場合、原稿がADF部120やフラットベッド部130の原稿読取り部に載置されていない場合に表示する操作画面と比較して、選択される可能性が低いPrint機能を選択するためのメニューボタン81を縮小して表示し、また選択される可能性が高いその他の機能、例えばCopy機能、Scan機能やFax機能等を選択するためのメニューボタン82を拡大して表示することにより、操作者の操作性を向上させることができる。
【0054】
S402〜S410:図3におけるS201〜S209と同様の処理なのでその説明を省略する。
また、MFPのプリンタ部が行う印刷ジョブ受信処理、およびMFPのプリンタ部が行う印刷ジョブの印刷処理は、第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
【0055】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、原稿がスキャナ部の原稿読取り部に載置されている場合、原稿が原稿読取り部に載置されていない場合に表示する操作画面と比較して、選択される可能性が低いPrint機能を選択するためのメニューボタンを縮小して表示し、また選択される可能性が高いその他の機能、例えばCopy機能、Scan機能やFax機能等を選択するためのメニューボタンを拡大して表示することにより、操作者の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【0056】
なお、第2の実施例では、原稿がスキャナ部の原稿読取り部に載置されている場合に、操作パネルに表示するメニューボタンの大きさを変更するようにしたが、USBメモリやメモリカード、ハードディスクドライブ等のデバイスの有無によって操作パネルに表示するメニューボタンの大きさを変更するようにしても良い。
【符号の説明】
【0057】
100 MFP
110 スキャナ部
111 原稿検知判断部
112 画像読取り制御部
113 Scan制御部
114 Copy制御部
115 Fax制御部
116 機能制御部
120 ADF部
121 原稿検知部A
122 原稿読取り部A
130 フラットベッド部
131 原稿検知部B
132 原稿読取り部B
140 プリンタ部
141 受信部
142 編集開始判断部
143 ジョブ記憶部
144 Print制御部
150 パネル表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示情報を受信する受信部と、
受信した前記印刷指示情報を記憶する記憶部と、
原稿を読取り、読取った原稿の画像情報を生成する原稿読取部と、
前記原稿読取部での読取りを待機する原稿を検知する原稿検知部と、
受信した印刷指示情報または読取った原稿の画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記受信部で印刷指示情報を受信したとき、前記原稿検知部により原稿が検知されている場合、受信した前記印刷指示情報を前記記憶部に記憶させて前記印刷指示情報に基づく画像形成処理を保留する制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記制御部は、前記原稿検知部により検知されている原稿の前記原稿読取部による読取り処理と、前記画像形成部による前記記憶部に記憶させた前記印刷指示情報に基づく画像形成処理とを並行して行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記原稿読取部により原稿の画像を読取る原稿読取り機能および前記原稿読取部により読取った原稿の画像情報を送信する画像情報送信機能を選択する操作を受付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記原稿読取り機能または前記画像情報送信機能における原稿の読取り処理と、前記画像形成処理とを並行して行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記操作部は、前記原稿読取り機能および前記画像情報送信機能に加え、画像情報を印刷する印刷機能を選択する操作を受付け、それぞれの機能の選択操作を受付ける選択入力手段を表示する表示部を有し、
前記原稿検知部により原稿が検知されている場合、前記表示部は、前記原稿読取り機能および前記画像情報送信機能の選択操作を受付ける選択入力手段の大きさを、前記印刷機能の選択操作を受付ける選択入力手段の大きさより大きくして表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項の画像形成装置において、
前記記憶部は、先入れ先出し方式の記憶部としたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−227816(P2012−227816A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95045(P2011−95045)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】