説明

画像形成装置

【課題】 外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 MFP20は、操作部23を介したMFP利用者のログインを受け付けるログイン受付手段21aと、印刷データ22eを外部のPCから受信する印刷データ受信手段21cと、表示制御手段21dと、印刷制御手段21eとを備えており、印刷データ受信手段21cによって受信された印刷データ22eがログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者宛てのデータである場合、表示制御手段21dは、印刷データ22eの存在を表示部24に表示させ、印刷制御手段21eは、操作部23を介した印刷の指示に応じて印刷データ22eに基づいてプリンター25に印刷を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の装置から受信した印刷データに基づいて印刷を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の装置から受信した情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部とを備えている画像形成装置が知られている(特許文献1〜3参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのホスト装置に接続されている画像形成装置である。この画像形成装置は、エラーメッセージなどの固有のメッセージと、ユーザがホスト装置で作成したエラーメッセージなどのユーザ定義メッセージとを格納し、メッセージの表示要求があった場合に、固有のメッセージおよびユーザ定義メッセージの何れかを画像形成装置自身の表示部に表示するものである。
【0004】
特許文献2に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのホストコンピュータに接続されている複合機である。この複合機は、ホストコンピュータで登録されたメッセージを複合機自身の画面に表示するものである。
【0005】
特許文献3に記載された画像形成装置は、外部の装置としてのPCに接続されている複写機などの画像形成装置である。この画像形成装置は、ユーザがPCで作成した会議の案内などのスケジュール情報、伝言情報、天気予報などのメッセージを画像形成装置自身の表示器に表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−249781号公報
【特許文献2】特開2001−358877号公報
【特許文献3】特開2004−345161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、外部の装置から受信した情報を表示部に表示することができるが、画像形成装置にログイン中の利用者宛ての印刷データを外部の装置から受信した場合に、その印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、印刷データに基づいて印刷を実行するプリンターと、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付手段と、前記印刷データを外部の装置から受信する印刷データ受信手段と、前記表示部による表示を制御する表示制御手段と、前記プリンターによる印刷を制御する印刷制御手段とを備えており、前記表示制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記印刷データの存在を前記表示部に表示させ、前記印刷制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記操作部を介した印刷の指示に応じて前記印刷データに基づいて前記プリンターに印刷を実行させることを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の画像形成装置は、外部の装置から受信された印刷データがログイン中の利用者宛てのデータである場合に印刷データが存在する旨を表示部に表示するので、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置の前記表示制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記指示を受け付けるための操作用の情報を前記表示部に表示させても良い。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者に容易に指示させることができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者の識別情報である利用者情報を前記外部の装置に送信する利用者情報送信手段を備えていても良い。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成装置は、ログイン中の利用者の利用者情報を外部の装置に送信するので、ログイン中の利用者宛ての印刷データが外部の装置から画像形成装置にリアルタイムで送信される可能性を向上することができる。
【0015】
本発明の画像形成装置用プログラムは、情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、印刷データに基づいて印刷を実行するプリンターとを備えている画像形成装置に、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付ステップと、前記印刷データを外部の装置から受信する印刷データ受信ステップと、前記表示部による表示を制御する表示制御ステップと、前記プリンターによる印刷を制御する印刷制御ステップとを実行させ、前記表示制御ステップは、前記印刷データ受信ステップによって受信された前記印刷データが前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記画像形成装置が前記印刷データの存在を前記表示部に表示させるステップであり、前記印刷制御ステップは、前記印刷データ受信ステップによって受信された前記印刷データが前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記画像形成装置が前記操作部を介した印刷の指示に応じて前記印刷データに基づいて前記プリンターに印刷を実行させるステップであることを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明の画像形成装置用プログラムを実行する画像形成装置は、外部の装置から受信された印刷データがログイン中の利用者宛てのデータである場合に印刷データが存在する旨を表示部に表示するので、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像形成装置は、外部の装置から受信したログイン中の利用者宛ての印刷データに基づいた印刷を利用者による操作部を介した指示に応じて実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】図1に示すPCのブロック図である。
【図4】ログイン中のMFP利用者の利用者情報をMFPに要求するときの図1に示すPCの動作のフローチャートである。
【図5】表示用情報を受信したときの図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図6】図5に示すS123において図2に示す表示部に表示される表示用情報の一例を示す図である。
【図7】印刷データを受信したときの図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図8】図7に示すS144において図2に示す表示部に表示される情報の一例を示す図である。
【図9】図7に示すS145において図2に示す表示部に表示される情報の一例を示す図である。
【図10】MFP利用者がMFPにログインした直後の図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム10のブロック図である。
【0022】
図1に示すように、ネットワークシステム10は、画像形成装置であるMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20の外部の装置としてのPC(Personal Computer)30とを備えている。MFP20およびPC30は、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0024】
図2に示すように、MFP20は、MFP20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部24と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、ネットワーク11経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28とを備えている。
【0025】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。ROMは、表示部24に表示させるための情報である表示用情報を記憶している。
【0026】
記憶部22は、MFP20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aと、MFP20の利用者(以下「MFP利用者」という。)の識別情報である利用者情報22bと、MFP利用者のログイン用のパスワード22cとを記憶している。なお、利用者情報22bおよびパスワード22cは、MFP利用者毎に記憶部22に記憶されている。また、記憶部22は、表示部24に表示させるための表示用情報22dと、プリンター25によって印刷されるための印刷データ22eとを記憶することができる。
【0027】
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク11上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0028】
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、操作部23を介したMFP利用者のログインを受け付けるログイン受付手段21a、表示用情報22dをPC30から受信する表示用情報受信手段21b、印刷データ22eをPC30から受信する印刷データ受信手段21c、表示部24による表示を制御する表示制御手段21d、プリンター25による印刷を制御する印刷制御手段21e、および、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bをPC30に送信する利用者情報送信手段21fとして機能する。
【0029】
図3は、PC30のブロック図である。
【0030】
図3に示すように、PC30は、PC30全体を制御する制御部31と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部32と、利用者による種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部33と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部34と、ネットワーク11経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部35とを備えている。
【0031】
制御部31は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMや記憶部32に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0032】
次に、ネットワークシステム10の動作について説明する。
【0033】
以下において、PC30の制御部31は、例えば、表示部34に表示するウェブブラウザーを介して、MFP20に対して情報の送受信を行うことができる。なお、制御部31は、ウェブブラウザー以外の方法によって、MFP20に対して情報の送受信を行うようになっていても良い。
【0034】
<MFP利用者のログイン>
MFP20の制御部21のログイン受付手段21aは、記憶部22に予め登録されている利用者情報22bおよびパスワード22cの組み合わせが操作部23を介して入力されると、その利用者情報22bに対応するMFP利用者のログインを受け付ける。
【0035】
<ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bの表示>
図4は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをMFP20に要求するときのPC30の動作のフローチャートである。
【0036】
PC30の制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをMFP20に要求することをPC30の利用者(以下「PC利用者」という。)から操作部33を介して指示されると、図4に示す処理を実行する。
【0037】
図4に示すように、制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部35を介してMFP20に要求する(S101)。
【0038】
ここで、MFP20の制御部21の利用者情報送信手段21fは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bの要求をネットワーク通信部28を介してPC30から受信すると、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部28を介してPC30に送信する。
【0039】
次いで、PC30の制御部31は、MFP20から送信されたログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをネットワーク通信部35を介して受信し(S102)、受信したログイン中のMFP利用者の利用者情報22bを表示部34に表示して(S103)、図4に示す処理を終了する。
【0040】
したがって、PC利用者は、表示部34に表示された利用者情報22bによって、ログイン中のMFP利用者を認識することができる。
【0041】
なお、PC利用者は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bと同様に、MFP20の設定情報と、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b以外のMFP20の状態情報とをPC30にMFP20から取得させて表示部34に表示させることによって、MFP20の設定情報と、MFP20の状態情報とを認識することができる。ここで、設定情報とは、MFP20のトレイの用紙サイズなど、MFP20に設定されている情報である。状態情報とは、印刷中の状態など、MFP20の状態を表す情報である。
【0042】
<リアルタイムでの表示用情報22dの表示>
上述したようにログイン中のMFP利用者を認識したPC利用者は、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dを操作部33を介して入力し、入力した表示用情報22dをMFP20に送信する指示を操作部33を介してPC30に入力することができる。
【0043】
この指示が入力されると、PC30の制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bを表示用情報22dに関連付けた後、利用者情報22bが関連付けられた表示用情報22dをネットワーク通信部35を介してMFP20に送信する。
【0044】
なお、PC30からMFP20への表示用情報22dの送信は、MFP20宛ての電子メールによって実行されても良い。MFP20宛ての電子メールによって実行される場合、MFP20に表示用情報22dを処理させるためのパスワードが電子メールのサブジェクトフィールドに設定されるようになっていても良い。
【0045】
図5は、表示用情報22dを受信したときのMFP20の動作のフローチャートである。
【0046】
MFP20の制御部21の表示用情報受信手段21bは、表示用情報22dをネットワーク通信部28を介して受信すると、図5に示す処理を実行する。
【0047】
図5に示すように、表示用情報受信手段21bは、受信した表示用情報22dを記憶部22に記憶する(S121)。
【0048】
次いで、制御部21の表示制御手段21dは、S121において記憶した表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるか否かを判断する(S122)。ここで、表示制御手段21dは、表示用情報22dに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bである場合に、表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であると判断する。一方、表示制御手段21dは、表示用情報22dに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22bではない場合に、表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報ではないと判断する。
【0049】
表示制御手段21dは、表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるとS122において判断すると、S121において記憶した表示用情報22dを表示部24に表示して(S123)、図5に示す処理を終了する。
【0050】
表示制御手段21dは、表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報ではないとS122において判断すると、図5に示す処理を終了する。このように、PC利用者は、何時でも、任意のMFP利用者宛ての表示用情報22dをPC30を介してMFP20に送信して、図5に示すように表示用情報22dをMFP20に記憶させることができる。
【0051】
図6は、S123において表示部24に表示される表示用情報22dの一例を示す図である。
【0052】
図6に示すように、表示用情報22dは、既に表示されている画面に重ねて表示部24に表示されても良い。また、表示用情報22dは、例えば半透明の状態で表示されても良い。図6に示す表示用情報22dには、閉じるボタン41と、削除ボタン42とが含まれている。
【0053】
MFP利用者が操作部23を介して閉じるボタン41を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による表示用情報22dの表示を終了する。
【0054】
MFP利用者が操作部23を介して削除ボタン42を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による表示用情報22dの表示を終了する。また、制御部21は、この表示用情報22dを記憶部22から削除する。PC利用者は、PC30の操作部33を介して表示用情報22dを入力する際に、表示用情報22dに削除ボタン42を含めるか否かを指定することができる。
【0055】
なお、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して表示用情報22dの削除の指示があった場合、削除の指示があった表示用情報22dを記憶部22から削除するようになっていても良いし、表示用情報22dを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで表示用情報22dを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0056】
<リアルタイムでの印刷データ22eの印刷>
上述したようにログイン中のMFP利用者を認識したPC利用者は、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eをMFP20に送信する指示を操作部33を介してPC30に入力することができる。
【0057】
この指示が入力されると、PC30の制御部31は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bを印刷データ22eに関連付けた後、利用者情報22bが関連付けられた印刷データ22eをネットワーク通信部35を介してMFP20に送信する。ここで、制御部31は、操作部33を介して入力された表示用情報22dを更に関連付けてネットワーク通信部35を介してMFP20に送信しても良い。
【0058】
なお、PC30からMFP20への印刷データ22eの送信は、MFP20宛ての電子メールによって実行されても良い。MFP20宛ての電子メールによって実行される場合、MFP20に印刷データ22eを処理させるためのパスワードが電子メールのサブジェクトフィールドに設定されるようになっていても良い。
【0059】
図7は、印刷データ22eを受信したときのMFP20の動作のフローチャートである。
【0060】
MFP20の制御部21の印刷データ受信手段21cは、印刷データ22eをネットワーク通信部28を介して受信すると、図7に示す処理を実行する。
【0061】
図7に示すように、印刷データ受信手段21cは、受信した印刷データ22eを記憶部22に記憶する(S141)。ここで、表示用情報受信手段21bは、印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dをネットワーク通信部28を介して受信した場合、受信した表示用情報22dを記憶部22に記憶する。
【0062】
次いで、制御部21の表示制御手段21dは、S141において記憶した印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータであるか否かを判断する(S142)。ここで、表示制御手段21dは、印刷データ22eに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bである場合に、印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータであると判断する。一方、表示制御手段21dは、印刷データ22eに関連付けられている利用者情報22bがログイン中のMFP利用者の利用者情報22bではない場合に、印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータではないと判断する。
【0063】
表示制御手段21dは、印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータであるとS142において判断すると、S141において記憶した印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶しているか否かを判断する(S143)。
【0064】
表示制御手段21dは、印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶しているとS143において判断すると、記憶部22に記憶している表示用情報22dを表示部24に表示するとともに、印刷データ22eの存在を表示部24に表示して(S144)、図7に示す処理を終了する。
【0065】
表示制御手段21dは、印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶していないとS143において判断すると、印刷データ22eの存在を表示部24に表示して(S145)、図7に示す処理を終了する。
【0066】
表示制御手段21dは、印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータではないとS142において判断すると、図7に示す処理を終了する。
【0067】
図8は、S144において表示部24に表示される情報の一例を示す図である。
【0068】
図8に示すように、表示部24には、表示用情報22dとともに、印刷データ22eに基づいた印刷の指示を受け付けるための操作用の情報としての印刷ボタン43が表示されている。図8に示す表示用情報22dには、閉じるボタン41と、削除ボタン42とが含まれている。印刷ボタン43は、印刷データ22eの存在を表示するものである。なお、表示制御手段21dは、印刷データ22eに基づいた印刷結果のプレビューを表示部24に表示させても良い。
【0069】
MFP利用者が操作部23を介して閉じるボタン41を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による表示用情報22dおよび印刷ボタン43の表示を終了する。
【0070】
MFP利用者が操作部23を介して削除ボタン42を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による表示用情報22dおよび印刷ボタン43の表示を終了する。また、制御部21は、この表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを記憶部22から削除する。PC利用者は、PC30の操作部33を介して印刷データ22eを入力する際に、表示用情報22dに削除ボタン42を含めるか否かを指定することができる。
【0071】
MFP利用者が操作部23を介して印刷ボタン43を押すと、印刷制御手段21eは、印刷データ22eに基づいてプリンター25に印刷を実行させる。この印刷は、待機中の印刷ジョブが存在する場合、待機中の印刷ジョブより優先して実行されるようになっていても良い。表示制御手段21dは、この印刷データ22eの印刷後に、表示部24による表示用情報22dおよび印刷ボタン43の表示を終了する。また、制御部21は、この表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除する。ただし、制御部21は、表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除しないように設定されている場合、表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除しない。
【0072】
なお、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して表示用情報22dの削除の指示があった場合、削除の指示があった表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを記憶部22から削除するようになっていても良いし、表示用情報22dを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで、この表示用情報22dと、この表示用情報22dに関連付けられた印刷データ22eとを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0073】
また、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して印刷データ22eの削除の指示があった場合、削除の指示があった印刷データ22eと、この印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dとを記憶部22から削除するようになっていても良いし、印刷データ22eを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで、この印刷データ22eと、この印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dとを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0074】
図9は、S145において表示部24に表示される情報の一例を示す図である。
【0075】
図9に示すように、表示部24には、印刷データ22eに基づいた印刷の指示を受け付けるための操作用の情報としての印刷ボタン43と、デフォルトのメッセージ44とが表示されている。印刷ボタン43は、印刷データ22eの存在を表示するものである。図9に示すメッセージ44には、閉じるボタン45と、削除ボタン46とが含まれている。なお、表示制御手段21dは、印刷データ22eに基づいた印刷結果のプレビューを表示部24に表示させても良い。
【0076】
MFP利用者が操作部23を介して閉じるボタン45を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による印刷ボタン43およびメッセージ44の表示を終了する。
【0077】
MFP利用者が操作部23を介して削除ボタン46を押すと、表示制御手段21dは、表示部24による印刷ボタン43およびメッセージ44の表示を終了する。また、制御部21は、この印刷ボタン43に関連付けられた印刷データ22eを記憶部22から削除する。PC利用者は、PC30の操作部33を介して印刷データ22eを入力する際に、削除ボタン46を表示させるか否かを指定することができる。
【0078】
MFP利用者が操作部23を介して印刷ボタン43を押すと、印刷制御手段21eは、印刷データ22eに基づいてプリンター25に印刷を実行させる。この印刷は、待機中の印刷ジョブが存在する場合、待機中の印刷ジョブより優先して実行されるようになっていても良い。表示制御手段21dは、この印刷データ22eの印刷後に、表示部24による印刷ボタン43およびメッセージ44の表示を終了する。また、制御部21は、この印刷データ22eを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除する。ただし、制御部21は、この印刷データ22eを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除しないように設定されている場合、この印刷データ22eを、この印刷データ22eの印刷後に記憶部22から削除しない。
【0079】
なお、MFP20の制御部21は、PC利用者からPC30を介して印刷データ22eの削除の指示があった場合、削除の指示があった印刷データ22eを記憶部22から削除するようになっていても良いし、印刷データ22eを受信したときに削除のタイミングが指定されていた場合、指定されていたタイミングで、この印刷データ22eを記憶部22から削除するようになっていても良い。
【0080】
<MFP利用者がログインした直後のMFP20の動作>
図10は、MFP利用者がMFP20にログインした直後のMFP20の動作のフローチャートである。
【0081】
MFP利用者がMFP20にログインすると、MFP20のログイン受付手段21aは、図10に示す処理を実行する。
【0082】
図10に示すように、MFP20の表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dが記憶部22に記憶されているか否か、つまり、過去に受信した表示用情報22dがログイン中のMFP利用者宛ての情報であるか否かを判断する(S161)。ここで、表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている表示用情報22dが記憶部22に記憶されている場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dが記憶部22に記憶されていると判断する。一方、表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている表示用情報22dが記憶部22に記憶されていない場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dが記憶部22に記憶されていないと判断する。なお、表示制御手段21dは、S161において、印刷データ22eに関連付けられている表示用情報22dを判断対象から除外する。
【0083】
表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dが記憶部22に記憶されているとS161において判断すると、記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dを図6に示すように表示部24に表示する(S162)。
【0084】
表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者宛ての表示用情報22dが記憶部22に記憶されていないとS161において判断するか、S162の処理を終了すると、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eが記憶部22に記憶されているか否か、つまり、過去に受信した印刷データ22eがログイン中のMFP利用者宛てのデータであるか否かを判断する(S163)。ここで、表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22b、すなわち、ログイン受付手段21aによってログインが受け付けられているMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている印刷データ22eが記憶部22に記憶されている場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eが記憶部22に記憶されていると判断する。一方、表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられている印刷データ22eが記憶部22に記憶されていない場合に、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eが記憶部22に記憶されていないと判断する。
【0085】
表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eが記憶部22に記憶されているとS163において判断すると、記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶しているか否かを判断する(S164)。
【0086】
表示制御手段21dは、記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶しているとS164において判断すると、図8に示すように、記憶部22に記憶している表示用情報22dを表示部24に表示するとともに、印刷データ22eの存在を表示部24に表示して(S165)、図10に示す処理を終了する。
【0087】
表示制御手段21dは、記憶部22に記憶されているログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eに関連付けられた表示用情報22dを記憶部22に記憶していないとS164において判断すると、印刷データ22eの存在を図9に示すように表示部24に表示して(S166)、図10に示す処理を終了する。
【0088】
表示制御手段21dは、ログイン中のMFP利用者宛ての印刷データ22eが記憶部22に記憶されていないとS163において判断すると、図10に示す処理を終了する。
【0089】
以上に説明したように、MFP20は、PC30から受信された印刷データ22eがログイン中のMFC利用者宛てのデータである場合に印刷データ22eが存在する旨を表示部24に表示するので、PC30から受信したログイン中のMFC利用者宛ての印刷データ22eに基づいた印刷をMFC利用者による操作部23を介した指示に応じて実行することができる。
【0090】
また、MFP20は、印刷データ22eに基づいた印刷の指示を受け付けるための操作用の情報としての印刷ボタン43を表示制御手段21dが表示部24に表示させるので、PC30から受信したログイン中のMFC利用者宛ての印刷データ22eに基づいた印刷をMFC利用者に容易に指示させることができる。
【0091】
また、MFP20は、ログイン中のMFP利用者の利用者情報22bをPC30に送信するので、ログイン中のMFC利用者宛ての印刷データ22eがPC30からMFP20にリアルタイムで送信される可能性を向上することができる。
【0092】
なお、以上においては、特定のMFP利用者宛ての印刷データ22eがPC30からMFP20に送信される場合について説明しているが、MFP20の全ての利用者宛ての印刷データ22eがPC30からMFP20に送信される場合についても同様である。MFP20の全ての利用者宛ての印刷データ22eは、特定のMFP利用者の利用者情報22bが関連付けられないことによって実現されることができる。
【0093】
また、以上においては、PC利用者の手動によって印刷データ22eがPC30からMFP20に送信される場合について説明しているが、PC30がMFP20の設定情報と、MFP20の状態情報との少なくとも一方を自動でMFP20から取得し、取得した情報に基づいた印刷データ22eを自動でMFP20に送信するなど、PC30がMFP20に自動で印刷データ22eを送信するようになっていても良い。
【0094】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【0095】
本発明の外部の装置は、本実施の形態においてPCであるが、PC以外の装置であっても良い。
【符号の説明】
【0096】
20 MFP(画像形成装置)
21a ログイン受付手段
21c 印刷データ受信手段
21d 表示制御手段
21e 印刷制御手段
21f 利用者情報送信手段
22a 画像形成装置用プログラム
22b 利用者情報
22e 印刷データ
23 操作部
24 表示部
25 プリンター
30 PC(外部の装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、印刷データに基づいて印刷を実行するプリンターと、前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付手段と、前記印刷データを外部の装置から受信する印刷データ受信手段と、前記表示部による表示を制御する表示制御手段と、前記プリンターによる印刷を制御する印刷制御手段とを備えており、
前記表示制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記印刷データの存在を前記表示部に表示させ、
前記印刷制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記操作部を介した印刷の指示に応じて前記印刷データに基づいて前記プリンターに印刷を実行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記印刷データ受信手段によって受信された前記印刷データが前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記指示を受け付けるための操作用の情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ログイン受付手段によってログインが受け付けられている前記利用者の識別情報である利用者情報を前記外部の装置に送信する利用者情報送信手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
情報を表示する表示部と、利用者による操作が入力される操作部と、印刷データに基づいて印刷を実行するプリンターとを備えている画像形成装置に、
前記操作部を介した前記利用者のログインを受け付けるログイン受付ステップと、前記印刷データを外部の装置から受信する印刷データ受信ステップと、前記表示部による表示を制御する表示制御ステップと、前記プリンターによる印刷を制御する印刷制御ステップとを実行させ、
前記表示制御ステップは、前記印刷データ受信ステップによって受信された前記印刷データが前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記画像形成装置が前記印刷データの存在を前記表示部に表示させるステップであり、
前記印刷制御ステップは、前記印刷データ受信ステップによって受信された前記印刷データが前記ログイン受付ステップによってログインが受け付けられている前記利用者宛てのデータである場合に、前記画像形成装置が前記操作部を介した印刷の指示に応じて前記印刷データに基づいて前記プリンターに印刷を実行させるステップであることを特徴とする画像形成装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−249200(P2012−249200A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121036(P2011−121036)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】