説明

画像形成装置

【課題】用紙冷却部の冷却効果を損なわずに、用紙の反転搬送部を用紙冷却部の下側配置とすることが可能な画像形成装置の提供を図る。
【解決手段】用紙冷却部50から送り出された用紙Pは、U字状の搬送ガイド部材61により搬送方向が下向きにUターンされて、用紙冷却部50の下側に配置した反転搬送部60に搬送案内される。用紙Pは、反転搬送部60のU字状の反転ガイド部材63によって反転されて、作像ユニット10よりも上流位置において主搬送部40へと送り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファックス等、およびこれら複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター等の画像形成装置では、画像形成直後における用紙の冷却は、ファン送風による冷却が主流となっている。ところが、高速プロダクションプリンターのような線速の速い機種では、ファン送風による冷却では用紙温度を効果的に低減できないため、特許文献1に示されているように、接触タイプの冷却装置によって、定着部で加熱された用紙を積極的に冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−112102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の画像形成装置は、用紙の片面に画像を形成するのみならず、用紙の両面に画像を形成することが可能となっており、両面印刷といったシーンでは、用紙表面への画像形成後に、用紙の表裏反転を行っている。
【0005】
この用紙の表裏反転は、特許文献1に示されているように、用紙冷却部の下流側に設けた用紙反転機構によって行われる。
【0006】
画像形成装置の小型化のため、用紙冷却部の下側に用紙反転機構を配置することが考えられるが、この場合、印字率の高い用紙では冷却後であっても画像面の保有熱が高いため、用紙反転機構で表裏反転された用紙表面の熱が用紙冷却部の冷却効果に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は用紙冷却部の冷却効果を損なうことなく、用紙の反転搬送部を用紙冷却部の下側配置とすることが可能な画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、用紙の両面に画像を形成可能としている。この画像形成装置は、主搬送経路に沿って用紙を搬送する主搬送部と、この主搬送部により搬送される用紙に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部により画像が形成された用紙を冷却する用紙冷却部と、反転搬送経路に沿って用紙を搬送し、用紙の表裏を反転させる反転搬送部と、を備えている。
【0009】
この反転搬送部は、前記用紙冷却部の下側に配置してあり、前記用紙冷却部から送り出された用紙をU字状の搬送ガイド部材により当該反転搬送部へ搬送案内するようにしたことを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、反転搬送部を、用紙冷却部の下側配置とした構成としているため、画像形成装置の小型化を実現できる。
【0011】
そして、用紙冷却部から送り出された用紙は、U字状の搬送ガイド部材により反転搬送部へ搬送案内させるため、用紙の画像面を用紙冷却部とは反対側の下向きとすることができる。この結果、用紙の画像面の保有熱が用紙冷却部へ放射されるのを抑制できて、用紙冷却部の冷却効果を阻害するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像形成装置を概念的に示す全体構成図。
【図2】本発明の第1施形態の要部を示す模式的説明図。
【図3】本発明の第2実施形態の要部を示す模式的説明図。
【図4】図3のA矢視図。
【図5】本発明の第2実施形態における用紙の反転搬送模様を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0014】
図1に示す画像形成装置1は、例えば複写機といった電子写真方式の画像形成装置であり、複数の感光体を一本の中間転写ベルトに対面させて縦方向に配列することによりフルカラーの画像を形成する、いわゆる、タンデム型カラー画像形成装置である。
【0015】
本実施形態では、画像形成装置1は、中央に配置した第1本体1Aと、図1において第1本体1Aの左側に配置した第2本体1Bと、第1本体1Aの右側に配置した給紙部1Cと、を備えている。
【0016】
画像形成装置1は、原稿読取装置2と、作像ユニット10と、定着装置30と、主搬送部40と、用紙冷却部50と、反転搬送部60と、を主体に構成されている。
【0017】
本実施形態では、作像ユニット10を本体1Aに、定着装置30を用紙冷却部50および反転搬送部60と共に第2本体1Bに配置しているが、定着装置30を作像ユニット10と共に第1本体1Aに配置するようにしてもよい。
【0018】
原稿読取装置2は、第1本体1Aの上部に備えられた図外の自動原稿送り装置を有し、原稿を搬送しながら、原稿の画像を読み取ることによって、画像信号を得る。
【0019】
具体的には、原稿読取装置2は、原稿の画像をランプにて照射し、その反射光を撮像素子の受光面に結像させる。撮像素子は入射した光を光電変換して所定の画像信号を画像読取制御部3に出力する。画像読取制御部3は、この画像信号に対して、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理を施し、図外のメイン制御部に画像データとして出力する。なお、メイン制御部に入力される画像データとしては、原稿読取装置2で読み取ったものに限られず、例えば、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置から受信したものであってもよい。
【0020】
作像ユニット10は、画像データにもとづいてトナー画像を作成し、この作成したトナー画像を用紙Pに転写する。作像ユニット10は、露光部15Y,15M,15C,15K、帯電・現像ユニット20Y,20M,20C,20K、中間転写部23および2次転写ローラ26を主体に構成されている。
【0021】
個々の露光部15Y〜15Kは、レーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ等から構成される。各露光部15Y〜15Kは、画像データをもとに前記メイン制御部から出力される出力情報に対応して、後述する感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kの表面をレーザビームにより走査露光する。この走査露光により、感光体ドラム21Y〜21K上に潜像がそれぞれ形成される。
【0022】
帯電・現像ユニット20Yは、回転軸を中心に回転する感光体ドラム21Yと、その周辺に配置されている帯電・現像部22Yを主体に構成されており、イエローに対応するトナー画像を感光体ドラム21Y上に形成する。また、その他の帯電・現像ユニット20M,20C,20Kも、帯電・現像ユニット20Yと同様な構成であり、感光体ドラム21M,21C,21Kの周辺に、帯電・現像部22M,22C,22Kがそれぞれ配置されており、マゼンダ、シアン、ブラックに対応するトナー画像を感光体ドラム21M,21C,21K上にそれぞれ形成する。
【0023】
具体的には、感光体ドラム21Y〜21Kは、帯電・現像部22Y〜22Kによりその表面が一様に帯電させられており、前述の通り、露光部15Y〜15Kによりその表面に潜像が形成される。
【0024】
帯電・現像部22Y〜22Kは、トナーで現像することによって感光体ドラム21Y〜21K上の潜像を顕像化する。
【0025】
これにより、各感光体ドラム21Y〜21K上にトナー画像がそれぞれ形成される。個々の感光体ドラム21Y〜21K上に形成されたトナー画像は、中間転写部23を構成する中間転写ベルト24上の所定位置に逐次転写される。
【0026】
2次転写ローラ26は、中間転写ベルト24上に転写されたトナー画像を、主搬送部40により所定のタイミングで搬送される用紙Pに転写する。
【0027】
トナー画像が転写された用紙P、即ち、未定着な状態のトナー画像を備えた用紙Pは、定着装置30に送られる。
【0028】
定着装置30は、用紙Pを加圧および加熱することによって、トナー画像を用紙Pに定着させる。定着装置30は、例えば定着上ローラ31と定着下ローラ32とを主体に構成されている。定着上ローラ31と定着下ローラ32とは、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラ31および定着下ローラ32との間に定着ニップ部が形成される。また、定着上ローラ31の内部には、熱定着を行う加熱部として図外のヒーターが内蔵されており、ヒーターからの輻射熱により定着上ローラ31が加熱される。
【0029】
この定着装置30において、用紙Pは定着対象面(未定着なトナー画像を備える面)が定着上ローラ31と向き合う格好で搬送されており、その搬送過程において定着ニップ部を通過する。これにより、定着上ローラ31および定着下ローラ32による加圧および定着上ローラ31の有する熱の作用を通じて、用紙Pへのトナー画像の定着が行われる。
【0030】
本実施形態において、上述の作像ユニット10および定着装置30が、画像形成部として機能する。
【0031】
即ち、画像形成部は、(1)感光体ドラム21Y〜21Kを帯電させる、(2)露光部15Y〜15Kにより感光体ドラム21Y〜21K上に静電潜像を形成する、(3)形成された静電潜像にトナーを付着させる、(4)感光体ドラム21Y〜21K上のトナー画像を中間転写ベルト24に一次転写させる、(5)中間転写ベルト24上のトナー画像を用紙Pに二次転写させる、(6)トナー画像を用紙Pに定着する、という一連のプロセスを通じて、後述する主搬送部40により搬送される用紙Pにトナー画像を形成する。
【0032】
主搬送部40は、ガイド部材や複数のローラで構成されており、用紙Pに画像形成を行うために規定された所定の搬送経路(以下、主搬送経路という)に沿って配置されている。主搬送部40は、第1本体1Aから第2本体1Bに亘って構成され、第1本体1Aの給紙トレイTr、もしくは給紙部1Cにおける給紙トレイTr〜Trのいずれかから用紙Pが供給されると、当該用紙Pを主搬送経路に沿って搬送する。主搬送部40による用紙搬送方向FD1は、用紙Pにおけるトナー画像の主走査方向と直行する方向(副走査方向)と対応する。
【0033】
主搬送部40は、主搬送経路に沿って用紙Pを搬送する過程において、画像形成部による画像形成位置へと用紙Pを供給する。具体的には、用紙Pは、搬送ローラ41およびレジストローラ45により用紙Pにトナー画像を転写する二次転写位置へと供給され、そして、搬送ローラ42により用紙Pにトナー画像を定着する定着装置30へと供給される。
【0034】
画像形成位置である二次転写位置および定着位置を通過した用紙Pは、後述する用紙冷却部50へ搬送される。用紙冷却部50で冷却された用紙Pは、ガイド部材によって案内され、排出ローラ46により第2本体1Bの筺体の外部側面に取付けられた排紙トレイ47に排出される。
【0035】
これに対して、用紙表面のみならず用紙裏面にもトナー画像の形成を行う場合、主搬送部40は、用紙表面に対する画像形成処理と冷却とを終えた用紙Pを反転搬送部60に搬送する。
【0036】
反転搬送部60は、後述するようにガイド部材や複数のローラで構成され、用紙Pの表裏反転を行うために規定された所定の搬送経路(以下、反転搬送経路という)に沿って配置されている。反転搬送部60は、用紙冷却部50よりも下流側において主搬送部40から用紙Pを受け取ると、当該用紙Pを反転搬送経路に沿って搬送する。
【0037】
反転搬送部60で表裏が反転されて再給紙搬送路70に送り出された用紙Pは、搬送ローラ43,44によって画像形成部へと再搬送される。
【0038】
図2は、上述の用紙冷却部50と、反転搬送部60の構成を模式的に示すものである。
【0039】
用紙冷却部50は、上,下一対のベルトユニット51,52を備え、定着装置30から送り出された用紙Pを、これらベルトユニット51,52に挟み込んで無端ベルト53,54に密着させて主搬送部40の主搬送経路に沿って搬送させる。
【0040】
ベルトユニット51,52の少なくとも一方、例えば、上側のベルトユニット51の内側には、無端ベルト53の裏面に摺接する冷却器、例えばヒートシンク55が配設されている。これにより、定着装置30で加熱された用紙Pは、このベルトユニット51,52によって挟み込んで搬送される過程で冷却される。
【0041】
ヒートシンク55の放熱作用を効果的に行わせるため、冷却ファン56により無端ベルト53の内側に一側方向から冷却用空気を積極的に導入するようにしている(図4参照)。
【0042】
反転搬送部60は、用紙冷却部50の下側に配置してあって、上下方向に多段に配置された上段の第1搬送部60Aと、下段の第2搬送部60Bと、で構成されている。
【0043】
第1搬送部60Aは、用紙冷却部50から送り出された用紙Pを矢印FD2で示すようにUターンさせて、当該用紙Pを用紙冷却部50の下側へ搬送案内する。
【0044】
第2搬送部60Bは、第1搬送部60Aから送り出された用紙Pを、矢印FD2で示す搬送方向で反転させ、当該第1搬送部60Aの下側へ搬送案内させて、これら第1,第2搬送部を経由して表裏が反転された用紙Pを画像形成部よりも上流位置において主搬送部40へと送り出す。即ち、図1に示す例では、用紙Pを第2搬送部60Bから再給紙搬送路70へ送り出し、該再給紙搬送路70を経由して用紙Pを2次転写ローラ26よりも上流位置のレジストローラ45へと送り出す。
【0045】
図1,図2に示す第1実施形態の反転搬送部60は、第1搬送部60Aから送り出された用紙Pを第2搬送部60Bで受取って、これをスイッチバックして主搬送部40へ送り出すスイッチバック方式の反転機構を備えている。
【0046】
具体的には、第1搬送部60Aは、用紙冷却部50から送り出された用紙Pを受け取って、下向きにUターンさせて該用紙冷却部50の下側近傍へ搬送案内するU字状に弯曲した搬送ガイド部材61と、該U字状の搬送ガイド部材61に連設され、用紙冷却部50の下側に配置された平坦な上段ガイド部材62とで構成している。搬送ガイド部材61および上段ガイド部材62は、何れも搬送ローラ61a,62aを備えている。
【0047】
第2搬送部60Bは、第1搬送部60Aから送り出された用紙Pを上述の搬送方向FD2に反転させて上段ガイド部材62の下側へ搬送案内するU字状に弯曲した反転ガイド部材63と、上段ガイド部材62の下側に配置され、反転ガイド部材63から送り出された用紙Pを一旦受け取って、これをスイッチバックして再給紙搬送路70へ送り出す平坦な下段ガイド部材64とで構成している。すなわち、これら反転ガイド部材63と下段ガイド部材64とで、スイッチバック方式の反転機構を構成している。反転ガイド部材63および下段ガイド部材64は、何れも搬送ローラ63a,64aを備えている。
【0048】
これにより、用紙冷却部50で冷却されて送り出された用紙Pは、搬送ガイド部材61で下向きにUターンされて、画像が形成された表面を下向きとして上段ガイド部材62へ搬送案内される。上段ガイド部材62から送り出された用紙Pは、反転ガイド部材63により反転され、表面を上向きとして下段ガイド部材64へ搬送案内される。下段ガイド部材64で用紙Pを一旦受け取ると、これをスイッチバックして表面を上向きにした反転状態で再給紙搬送路70へ送り出す。従って、この下段ガイド部材64が用紙反転後位置となる。
【0049】
以上の構成からなる本実施形態の画像形成装置1によれば、上下方向に多段配置した上段の第1搬送部60Aと下段の第2搬送部60Bとからなる反転搬送部60を、用紙冷却部50の下側配置としているため、第2本体1Bを小型化することができて、画像形成装置1を全体的にコンパクトに構成することができる。
【0050】
そして、用紙冷却部50から送り出された用紙Pを、第1搬送部60AにおけるU字状の搬送ガイド部材61により下向きにUターンして搬送案内させるため、上段ガイド部材62上で用紙Pの画像面を用紙冷却部50とは反対側の下向きとすることができる。この結果、用紙Pの画像面の保有熱が用紙冷却部50へ放射されるのを抑制できて、用紙冷却部50の冷却効果を阻害するのを回避することができる。
【0051】
また、本実施形態では反転搬送部60は、下段の第2搬送部60BにおけるU字状の反転ガイド部材63と、下段ガイド部材64とでスイッチバック反転機構を構成し、用紙Pの反転方式をスイッチバック方式としているため、構成を簡単にすることができる。
【0052】
ここで、用紙冷却部50から送り出された用紙Pを、上段の第1搬送部60Aにおける上段ガイド部材62で一旦受け取り、当該上段ガイド部材62でスイッチバックさせて第2搬送部60Bへ搬送案内し、該第2搬送部60Bで用紙Pを反転して主搬送部40へ送り出すことも可能である。しかし、このように上段の第1搬送部60Aで用紙Pのスイッチバックを行わせると、第1搬送部60Aでの用紙の滞留時間が長くなってしまう。
【0053】
一方、本実施形態では、上段の第1搬送部60Aでは、U字状の搬送ガイド部材61で用紙Pの送り出し方向を下向きにUターンさせると、上段ガイド部材62では用紙Pの画像面を下向きにしてそのまま通過させて下段の第2搬送部60Bへ送り出して、反転ガイド部材63と下段ガイド部材64とでスイッチバックさせるようにしている。このため、上段の第1搬送部60Aでの用紙Pの滞留時間を短くして、用紙冷却部50への熱影響の回避をより効果的に行わせることができる。
【0054】
図3,図4は本発明の第2実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、図5に示すように第1搬送部60Aにおける搬送ガイド部材61の用紙Pの送り出し方向FD2aと、第2搬送部60Bにおける反転ガイド部材63による用紙Pの反転方向FD2bとが直交し、これら第1,第2搬送部60A,60Bを経由して表裏が反転されて前記画像形成部に進入する用紙Pの端部が表裏で同一となるセイムエッジ方式としている。
【0055】
具体的には、上段の第1搬送部60Aは、用紙冷却部50から送り出された用紙Pを受け取って、下向きにUターンさせて該用紙冷却部50の下側近傍へ搬送案内する上述のU字状に弯曲した第1ガイド部材61と、用紙冷却部50の下側に配置された平坦な上段ガイド部材65とで構成している。上段ガイド部材65は、搬送ガイド部材61の用紙送り出し方向FD2aに用紙Pを搬送する搬送ローラ65aと、該上段ガイド部材65から用紙Pを搬送ガイド部材61の用紙送り出し方向FD2aと直交する方向に送り出す搬送ローラ65bとを備えている。これら搬送ローラ65aと65bは、用紙Pの受け入れ時と送り出し時とで作動切換えされる。
【0056】
下段の第2搬送部60Bは、上段の第1搬送部60Aから送り出された用紙Pを、搬送ガイド部材61の送り出し方向FD2aと直交する方向FD2bに下向きに反転させて上段ガイド部材65の下側へ搬送案内する上述のU字状に弯曲した反転ガイド部材63と、上段ガイド部材65の下側に配置された平坦な下段ガイド部材66とで構成している。下段ガイド部材66は、反転ガイド部材63の用紙送り出し方向FD2bに用紙を搬送する搬送ローラ66bと、該下段ガイド部材66から用紙Pを上述の搬送ガイド部材61の用紙送り出し方向FD2aと同一方向に送り出す搬送ローラ66aと、を備えている。即ち、これら反転ガイド部材63と下段ガイド部材66とで、セイムエッジ方式の反転機構を構成している。搬送ローラ66aと66bは、用紙Pの受け入れ時と送り出し時とで作動切換えされる。
【0057】
これにより、用紙冷却部50で冷却されて送り出された用紙Pは、U字状の搬送ガイド部材61により下向きにUターンされて、画像が形成された表面を下向きとして上段ガイド部材65へ搬送案内される。
【0058】
図5は用紙Pの搬送模様を示しており、第1搬送部60Aでは、搬送ガイド部材61から上段ガイド部材65に亘って用紙Pが送り出し方向FD2aに沿って搬送案内される。
【0059】
上段ガイド部材65から送り出される用紙Pは、第2搬送部60Bの反転ガイド部材63により搬送ガイド部材61の用紙送り出し方向FD2aと直交する方向FD2bに下向きに反転される。そして、下段ガイド部材65で用紙Pの表面を上向きにした反転状態で、用紙Pを反転搬送部60に進入して来た時と同じ端部を先端とした状態で再給紙搬送路70へ送り出す。従って、この下段ガイド部材65が用紙反転後位置となる。
【0060】
この第2実施形態の画像形成装置1によれば、前記第1実施形態と同様に用紙Pの画像面の保有熱による用紙冷却部50への熱影響を回避できる他、セイムエッジ反転方式の採用により、用紙Pの表裏画像の位置合わせ精度を高めることができる。
【0061】
即ち、反転搬送部60では、用紙Pが搬送方向FD2aと反転方向FD2bとが直交した搬送経路を経由して反転搬送され、用紙表面への画像形成位置へ進入する用紙Pの先端と後端とが入れ替わることなく表裏反転を行わせることができる。この結果、表裏画像の形成に際して用紙Pの同一端部を基準として画像を形成することが可能となって、用紙Pの表裏画像の位置合わせ精度が高められる。
【0062】
ここで、本実施形態では、反転ガイド部材63の配設位置を、図4に示すように、用紙冷却部50における冷却ファン56による冷却用空気の導入側、つまり、ヒートシンク55に導入される冷却用空気流の上流側に設定している。
【0063】
これにより、反転ガイド部材63により反転される用紙Pが、ヒートシンク55で熱交換された冷却用空気の排熱の影響を受けるのを回避することができる。
【0064】
なお、前記実施形態では、便宜的に画像形成装置1を、第1本体1Aと第2本体1Bと給紙部1Cとに分割したタイプを例示したが、各機能部材が1つの筺体に集合配設されたものであってもよいことは勿論である。
【0065】
また、用紙冷却部50はヒートシンク55を用いたものを例示したが、この他、冷却器としてヒートパイプやペルチェ素子を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置
10…作像ユニット(画像形成部)
30…定着装置(画像形成部)
40…主搬送部
50…用紙冷却部
51・52…ベルトユニット
53・54…無端ベルト
55…冷却器
56…冷却ファン
60…反転搬送部
60A…第1搬送部
60B…第2搬送部
61…U字状の搬送ガイド部材
63…U字状の反転ガイド部材
70…再給紙搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の両面に画像を形成可能な画像形成装置において、
主搬送経路に沿って用紙を搬送する主搬送部と、
前記主搬送部により搬送される用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された用紙を冷却する用紙冷却部と、
反転搬送経路に沿って用紙を搬送し、用紙の表裏を反転させる反転搬送部と、を備え、
前記反転搬送部を、前記用紙冷却部の下側に配置し、前記用紙冷却部から送り出された用紙を、U字状の搬送ガイド部材により当該反転搬送部へ搬送案内するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記U字状の搬送ガイド部材により、前記用紙をその画像面が下向きとなるように前記反転搬送部へ送り出すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記反転搬送部は、U字状の反転ガイド部材により前記用紙を反転して、これをスイッチバックして前記主搬送部へ送り出すスイッチバック方式の反転機構を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記反転搬送部は、U字状の反転ガイド部材により前記U字状の搬送ガイド部材の用紙送り出し方向と直交する方向に前記用紙を反転して、これを前記主搬送部へ送り出すセイムエッジ方式の反転機構を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙冷却部は、用紙を挟んで搬送する一対の無端ベルトと、
少なくとも一方の無端ベルトの内側に摺接して配置された冷却器と、
前記一方の無端ベルトの内側に一側方向から冷却用空気を導入させる冷却ファンと、を備え、
前記U字状の反転ガイド部材の配設位置を、前記用紙冷却部の冷却用空気の導入側に設定したことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254841(P2012−254841A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127900(P2011−127900)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】