画像形成装置
【課題】現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えるように構成した。
【解決手段】像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置としては、例えば、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像装置によってトナーを用いて可視像化し、当該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録用紙上に転写した後に定着することにより画像を形成するように構成したものがある。
【0003】
ところで、かかる画像形成装置では、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、現像装置内のトナーが殆ど消費されずに内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化し、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像に静電的に付着して当該静電潜像を現像するのに要するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
【0004】
そこで、上記画像形成装置において画像密度の低い画像が形成される頻度が高い場合における画質低下を抑制し得る技術としては、例えば、特開2000−206744号公報や特開2003−76079号公報、あるいは特開2005−43388号公報、特開2008−170562号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0005】
上記特開2000−206744号公報に係る画像形成装置は、静電潜像が形成担持される像担持体と、前記像担持体に対して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像形成手段により形成された静電潜像に対し現像剤を用いて現像する現像装置とを有する画像形成装置であって、前記静電潜像形成手段によって静電潜像を形成する前に、前記像担持体に対して形成するであろう画像の画像密度を検出する画像密度検出手段と、前記画像密度検出手段による検出値が所望の値より低いと判断されたときに、所定の静電潜像を形成して現像装置の現像剤を強制的に消費させる強制排出手段とを具備するように構成したものである。
【0006】
また、上記特開2003−76079号公報に係る画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成し、現像装置から供給される現像剤により静電潜像を現像する画像形成装置において、作像する画像の面積率を検知する画像面積率検知手段と、前記現像装置の現像駆動時間を検知する現像駆動時間検知手段とを備え、現像の単位駆動時間あたりの画像面積率に応じて現像剤を強制消費させるように構成したものである。
【0007】
さらに、上記特開2005−43388号公報に係る画像形成装置は、像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び、
現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び制御手段を有し、前記画像面積率検知手段は、画像データ及び前記移動距離検知手段の検知結果に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知するとともに、該制御手段は、画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うように構成したものである。
【0008】
又、上記特開2008−170562号公報に係る画像形成装置は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像器と、
前記現像器にトナー補給を行うトナー補給手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を被転写材上に転写する転写手段、或は、前記静電潜像担持体上に形成された複数の色のトナー像を順次中間転写体上に重ね合わせた後、被転写材上に一括転写する転写手段と、
前記静電潜像担持体上のトナーを除去するクリーニング手段と、
中間転写体を用いる転写手段を用いる場合、中間転写体上のトナーを除去する中間転写体クリーニング手段と、
前記潜像形成手段および前記現像器を所定のタイミングで動作させて前記現像器内のトナーを強制的に前記静電潜像担持体に付着させ、前記転写手段による被転写材への転写を行わずに前記クリーニング手段によって前記静電潜像担持体上及び、中間転写体を用いる場合は、前記中間転写体クリーニング手段によって前記中間転写体上のトナーを除去するトナー強制消費手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に形成した画像量を積算カウントする画像量積算手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に画像形成が実行された領域の総面積または現像器駆動時間を積算カウントする現像器駆動量積算手段と、
前記画像量積算手段および現像器駆動量積算手段による各積算値を格納する積算値記憶手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間の画像量積算値を、画像形成が実行された領域の総面積または現像器駆動時間の積算値で除して平均画像密度を算出する平均画像密度算出手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に供給したトナー量に相当する値を積算するトナー供給量積算手段と、
前記平均画像密度算出手段で算出された平均画像密度が予め設定された所定値以下であり、且つ、前記積算値記憶手段に格納されている画像量積算値に対する前記トナー供給量積算手段により積算されたトナー供給量の積算値の比率が所定値以上である、という二つの条件を満たした場合に、前記トナー強制消費手段によるトナーの強制的な消費を実行するように制御する制御手段と、を備えるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−206744号公報
【特許文献2】特開2003−76079号公報
【特許文献3】特開2005−43388号公報
【特許文献4】特開2008−170562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、請求項1に記載された発明は、像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
また、請求項2に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記画像形成手段によって形成される画像に相当する画像相当領域に帯状のトナー像を形成し、前記帯状のトナー像が形成された画像相当領域を含めて、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値に達するまで前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記累積画像数検出手段は、前記強制消費手段による現像剤の強制的な消費動作を終了した時点で、当該累積画像数検出手段による画像数の累積値を基準値に戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0014】
又、請求項4に記載された発明は、前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置である。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明は、前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0016】
また、請求項6に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
【0017】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記第1の動作モードと第2の動作モードと第3の動作モードをユーザーが選択的に切り換える切換手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
【0018】
又、請求項8に記載された発明は、像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成手段と、
前記各画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記各画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記複数の画像形成手段のうち、いずれか1つ以上の画像形成手段において、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、該当する前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画質の低下を確実に回避することが可能となる。
【0021】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、累積画像数検出手段の構成を簡略化することができる。
【0022】
又、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、1回の画像形成動作が多数の画像数にわたるユーザーであっても、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0023】
更に、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザーの多様なニーズに応えつつ、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0024】
また、請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、1回の画像形成動作が多数の画像数にわたるユーザーであっても、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0025】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザーの多様なニーズに応えつつ、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0026】
又、請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、本来、高い生産性が要求される画像形成装置において、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンターを示す構成図である。
【図3】画像形成部を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
【図5】画像パネルの構成を示す説明図である。
【図6】画像の形成状態を示す説明図である。
【図7】画像形成動作を示すタイミングチャートである。
【図8】トナーバンドの形成状態を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の動作を示す説明図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンタは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。また、このフルカラープリンタは、単位時間あたりに画像形成可能な記録用紙の枚数である生産性が高く設定されており、例えば、A4サイズのLEF(Long Edge Feed)の記録用紙に毎分当たり100枚程度画像を形成することが可能となっている。ただし、本発明は、高速のタンデム方式の画像形成装置に限定されるものではないことは勿論である。
【0030】
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
【0031】
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換される。なお、上記画像処理装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
【0032】
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
【0033】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて並列的に配置されているとともに、これらの画像形成部13Y、13M、13C、13Kの上流側には、例えば、透明トナー(CT)を用いて画像を形成する特定色の画像形成部13CTが、他の画像形成部と等しい間隔をおいて配置されている。このように、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置したのは、フルカラー等の画像に光沢を付与したりする場合に使用される透明トナーからなる画像が、記録媒体上においてフルカラー等の画像の表面に転写・定着されるようにするためである。また、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置することにより、透明トナーの画像を形成しない場合には、下流側のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて直ちに画像形成動作を開始することができ、透明トナーの画像形成部13CTを配置しても、生産性が低下することがなく望ましい。
【0034】
なお、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kと、透明トナーの画像形成部13CTとの配列順序は、図示のものに限定されるものではなく、異なる順序で配列しても良く、透明トナーの画像形成部13CTに代わって、又、透明トナーの画像形成部13CTとともに濃度の異なるカラートナーなどの複数の特定色の画像形成部を併せて配置しても良い。また、1つ又は複数の特定色の画像形成部は、必要に応じて他の画像形成部と交換可能に画像形成装置本体に装着しても良い。
【0035】
上記透明トナーとしては、例えば、他のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kで使用されるトナーを構成する樹脂材料から着色剤としての顔料を除いたものが用いられる。また、上記画像処理装置12からは、透明トナーの画像形成部13CTに透明トナーに対応した画像データが出力される。この透明トナーに対応した画像データは、例えば、記録媒体の全面に予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものや、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在する領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するもの、あるいはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在しない領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものであっても良い。
【0036】
これらの5つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、クリーニング装置18とから構成されている。
【0037】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
【0038】
上記画像処理装置12からは、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kに各色の画像データが順次出力される。これらの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15Kの表面に主走査方向に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kによって、それぞれ透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0039】
上記現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kとしては、図3に示すように、例えば、現像装置本体170の内部にトナーとキャリアとからなる二成分の現像剤171を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体170の内部には、予め定められたタイミングでトナーカートリッジ175CT〜175K(図2参照)からトナーが補給され、現像装置本体170内のトナー濃度を予め定められた範囲内に維持するように構成されている。また、上記現像装置本体170の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ172、173によって現像装置本体170内の現像剤171と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール174へ供給されるとともに、当該現像ロール174の表面に形成された現像剤171の磁気ブラシとして感光体ドラム15の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
【0040】
上記各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15CT、15Y、15M、15C、15K上に、順次形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26CT、26Y、26M、26C、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
【0041】
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、張力付与ロール28と、従動ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15CT 、15Y、15M、15C、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0042】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33によって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0043】
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ41、42のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ローラ43及び用紙搬送用のローラ対44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ41、42のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと送り出される。
【0044】
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0045】
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム16は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置50によって清掃される。
【0046】
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kのうち、少なくともいずれか1つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kにおいて、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、該当する画像形成部13の現像装置17内のトナーが殆ど消費されずに現像装置本体170内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化してしまい、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
【0047】
そこで、この実施の形態に係る画像形成装置では、画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、前記画像形成手段によって過去に予め定められた数だけ形成された画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えるように構成されている。
【0048】
図4はこの実施の形態に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
【0049】
図4において、100は画像形成装置の画像形成動作を制御するCPUやMCU等からなる制御手段としての制御回路を示すものであり、この制御回路100は、例えば、ROM101に記憶されたプログラムに従って、NVRAM(不揮発性メモリ)102に記憶された制御データに基づき、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける各色のトナー像の画像形成条件を制御する制御手段としての機能を兼ね備えている。
【0050】
また、13CT、13Y、13M、13C、13Kは、上述した透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部をそれぞれ示している。
【0051】
上記制御回路100は、図5(a)に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像601、602、・・・の数をそれぞれ累積的に検出する累積画像数検出手段としての機能をも備えている。
【0052】
制御回路100では、図5(a)に示すように、直前に形成された画像をN枚目の画像60Nとすると、1枚目前の画像が60N-1、・・・62枚目前の画像が60N-62、63枚目前の画像が60N-63、64枚目前の画像が60N-64となる。
【0053】
上記画像形成装置では、図2に示すように、記録用紙34を給紙トレイ41や給紙トレイ42から給紙することにより、任意のサイズの記録用紙34に対して画像を形成することが可能となっているが、この実施の形態では、図5(b)に示すように、A4サイズの記録用紙34を相対的に長さが長く設定された一辺34aを先頭にして給紙(LEF:Long Edge Feed)するように設定された画像領域を基準となる画像パネル61として画像の数を計数するように構成されている。即ち、1つの画像パネル61が1つの画像60に対応している。ここでは簡略化のため、A4サイズ(LEF)の記録用紙以下のサイズの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「1」として計数し、A4サイズ(LEF)の記録用紙よりも大きく最大サイズであるA3サイズまでの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「2」として計数することとする。なお、これに限らず、画像の数は、A4サイズ(LEF)の記録用紙34を画像パネル「1」とし、他のサイズの記録用紙34は、その面積のA4サイズ(LEF)の記録用紙34に対する比に応じた係数を乗算して計数するように構成しても勿論良い。
【0054】
また、上記制御回路100は、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて、過去に形成された複数の画像にわたる平均画像密度を画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13K毎に検出する平均画像密度検出手段としても機能するように構成されている。ここで、上記平均画像密度は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kにおけるトナーの劣化度合いを評価するパラメータとして用いられる。
【0055】
更に説明すると、上記平均画像密度は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数にわたって画像が形成された画像パネルの総画素数を、当該過去に予め定められた数にわたる画像を現像するのに要した現像装置の累積駆動時間によって除算した値として与えられる。
【0056】
上記制御回路100は、図2に示すように、画像処理装置12から透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kに出力される画像データに基づいて、当該各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14によって形成される画像の総画素数を、画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することによって求める。上記画像露光装置14では、図6に示すように、画像処理装置12から出力される画像データに基づいて、当該画像データの解像度に応じて1ドット毎に画像露光が施されるため、制御回路100は、画像処理装置12から出力される画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することで、1つの画像パネル61当たりの総画素数が求められる。
【0057】
制御回路100は、図5に示すように、1枚目の画像60の総画素数をK1、2枚目の画像60の総画素数をK2、・・・N枚目の画像60の総画素数をKNとすると、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に形成された画像のうち、例えば、直前に予め定められた数(例えば、64個)にわたって画像60が形成された画像パネル61の累積的な画素数ΣK=KN、KN-1、・・・KN-63を計数する。
【0058】
一方、制御回路100は、図7に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数(例えば、64個)の画像を現像するのに必要とする現像装置17の駆動時間ΣT=TN、TN-1、・・・TN-63を累積的に計数することによって、過去に予め定められた数にわたる画像60を現像するのに必要とした現像装置17の累積駆動時間が求められる。
【0059】
そして、制御回路100は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数にわたって画像60が形成された画像パネル61の総画素数ΣKを、当該過去に予め定められた数にわたる画像を現像するのに要した現像装置の累積駆動時間ΣTによって除算した値として、平均画像密度KAVE=ΣK/ΣTを演算することにより求める。
【0060】
また、上記制御回路100では、図5(a)に示すように、平均画像密度KAVEとして、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって直前に(最新の)画像が形成されたN枚目の画像パネル61を基準として、常に、予め定められた数だけ過去に遡った画像の画像密度Kを平均した所謂移動平均をとった移動平均画像密度を求めている。
【0061】
さらに、上記制御回路100は、累積画像数検出手段によって検出された画像60の数の累積値が第1の画像閾値P1以上となり、且つ、平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度Kが第1の密度閾値K1未満となったとき、当該条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって実行中の画像形成動作が終了した後に現像装置17の現像剤を強制的に消費する強制消費手段としても機能する。
【0062】
この現像剤の強制的な消費動作は、図8に示すように、条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%程度)で、中間転写ベルト25の移動方向に沿って予め定められた長さにわたりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、透明トナー(CT)及び予備(#)の各色の帯状のトナー像62Y、62M、62C、62K、62CT、62#(以下、「トナーバンド」という。)を形成し、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を中間転写ベルト25上に転写することによって行われる。上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作は、基本的に通常の画像形成動作と同様の条件で実行されるが、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成可能なものであれば、通常の画像形成動作と異なる条件で実行しても勿論よい。なお、中間転写ベルト25上に転写されたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、記録用紙34を通紙しない状態で形成され、中間転写ベルト25のクリーニング装置50によって除去される。
【0063】
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図5(b) に示すように、画像パネル61に相当して設定されたトナーバンド用のパネル63に、その現像装置17の長手方向における全幅において、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた長さLのトナー像を、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%)で形成するものである。なお、トナー像の長さLは、適宜設定できるように可変にしても良い。
【0064】
また、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでもトナーバンドの形成条件を満たさなかった場合には、開いたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の領域に他の色のトナーバンドを形成しても良い。
【0065】
更に説明すると、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図8に示すように、例えば、トナーバンド用パネル63の進行方向に沿って先頭部からイエロー、マゼンタ、シアン、黒、透明トナー、予備の順で形成される。なお、上記トナーバンド用パネル63の先端には、画像濃度や画像位置を検出するためのパッチを形成するパッチ領域64が設けられている。トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、パッチ領域64の下流側に一次転写ロール26に印加する電圧を切り替えるのに要する間隙65を開けて形成される。
【0066】
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、例えば、画像濃度が50%か60%&度に設定されるが、これに限定されるものではなく、他の濃度で形成しても良いことは勿論である。
【0067】
さらに、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を含めた平均画像密度Kが予め定められた閾値に達するまで行なわれる。即ち、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、1つのトナーバンド用パネル63ですべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達した場合、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成が終了するが、1つのトナーバンド用パネル63では、すべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達しない場合は、すべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達するまで、新たなトナーバンド用パネル63が連続して設定されてトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作が繰り返される。
【0068】
また、予め定められた閾値に平均画像密度が達した現像装置17は、その時点で停止される。
【0069】
なお、上記平均画像密度としては、上述したように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて過去に画像が形成された予め定められた数の画像にわたる累積画素数を、各現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kの累積駆動時間によって除算した値に限定されるものではなく、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて過去に画像が形成された予め定められた数の画像にわたる累積画素数を、当該各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された予め定められた数(例えば、「64」)で除算した値などで代用するように構成しても良い。
【0070】
即ち、上記現像装置17の累積的な駆動時間は、画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像の総数やプリント枚数、感光体ドラム15の総駆動時間などに比例する値であるため、これらの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像の総数やプリント枚数、感光体ドラム15の総駆動時間などを用いても良い。
【0071】
ただし、上記現像装置17の累積的な駆動時間は、上述したように画質低下の原因となるトナーの劣化状態を直接評価する指標となるため、現像装置17の累積的な駆動時間を用いるのが望ましい。
【0072】
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となっている。
【0073】
すなわち、上記画像形成装置では、図2に示すように、例えば、画像処理装置12に入力された画像データに基づいて、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて各色のトナー像が形成され、これらの各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kで形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に転写された後、当該中間転写ベルト25上から記録用紙34に一括して二次転写される。
【0074】
そして、上記画像形成装置では、図2に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)等の画像データに応じた色のトナー像が転写された記録用紙34が、定着装置37によって定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0075】
その際、上記画像形成装置では、図9に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて作像動作が実行されると(ステップ101)、制御回路100では、図1に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて画像が形成された画像パネル61の数を累積的に計数し、いずれかの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける画像パネル61の累積値がNVRAM102に記憶された予め定められた値P1以上に達したか否かが判別される(ステップ102)。
【0076】
そして、制御回路100では、いずれの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、画像パネル61の累積値ΣPが予め定められたP1以上に達していないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0077】
一方、制御回路100では、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、画像パネル61の累積値ΣPが所定値P1以上に達したと判別されると、当該画像パネル61の累積値ΣPが所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であるか否かが判別される(ステップ103)。制御回路100では、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満でないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0078】
一方、制御回路100では、図1に示すように、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1未満であると判別されると、該当する画像形成部13におけるトナーバンドの形成条件が満たされたとして、トナーバンドのエントリー動作を行い(ステップ104)、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0079】
そして、制御回路100では、実行中のプリントジョブが終了したと判別されると(ステップ105)、トナーバンドエントリーの有無を判別し(ステップ106)、トナーバンドのエントリーが無い場合には、そのままプリント動作を終了する。
【0080】
また、制御回路100では、トナーバンドのエントリーが有ると判別される(ステップ106)、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ107)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ108)。
【0081】
次に、制御回路100では、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1に達して当該第1の密度閾値K1以上となったか否かが判別され(ステップ109)、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1以上となっていない場合には、ステップ108に戻って該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される。
【0082】
ここで、制御回路100においてステップ109で判別される画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度は、直前に形成されたトナーバンド62のトナーバンド形成用パネル62を含めて画像密度を算出したものである。
【0083】
そして、制御回路100では、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1以上となったと判別されると(ステップ109)、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ110)、画像パネル61の累積値を基準値である「0」に戻してリセットするゼロリセット動作が実行され(ステップ111)、プリント動作が終了される。
【0084】
このように、上記実施の形態では、制御回路100によって画像数の累積値と平均画像密度に応じて、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たしているか否かが決定され、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たした場合であって、一連のプリントジョブを実行中の場合には、当該実行しているプリントジョブが終了した後に、該当する画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいてトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作が実行される。
【0085】
そのため、上記実施の形態では、比較的少ない枚数の画像を頻繁に形成するユーザーなどにおいても、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成するために、不本位にプリント動作が中断されることがなく、しかもトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たした場合には、プリントジョブの終了後にトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作を実行することができ、生産性を維持しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【0086】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費するように構成されている。
【0087】
上記実施の形態1では、図9に示すように、制御回路100によってトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成する条件を満たしていると判別され、トナーバンドの形成動作がエントリーされた場合であっても、プリントジョブが終了するまで、実行中のプリント動作が継続される。
【0088】
従って、上記実施の形態1では、制御回路100によってトナーバンド62を形成する条件を満たしていると判別されてから、実行中のプリントジョブが終了するまでにプリントされる記録用紙34の枚数が相対的に多い場合には、その間に現像装置17内のトナーの劣化が進行する虞れがある。
【0089】
そこで、この実施の形態2では、図10に示すように、制御回路100は、トナーバンド62の形成条件を満たしている、つまりトナーバンドのエントリーがなされた場合であっても(ステップ104)、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値Pよりも大きい第2の画像閾値P2以上であるか否かが判別される(ステップ120)。
【0090】
そして、制御回路100は、図10に示すように、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値P1よりも大きい第2の画像閾値P2未満であると判別されたときは、密度パラメータK3を第1の密度閾値K1に設定し(ステップ121)当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続する(ステップ109)。
【0091】
一方、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値P1よりも大きい第2の画像閾値P2以上であると判別されたときは、密度パラメータK3を第2の密度閾値K2に設定し(ステップ121)、図11に示すように、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1よりも大きい第2の密度閾値K2に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続するように構成されている(ステップ109)。
【0092】
こうすることによって、実施の形態2では、トナーバンド62を形成する条件を満たしていると判別されてから、実行中のプリントジョブが終了するまでにプリントされる記録用紙34の枚数が相対的に多い場合には、制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1よりも大きい第2の密度閾値k2に達するまで、トナーバンド62の作像動作が継続されるので、その間に現像装置17内のトナーの劣化が進行して、次に形成する画像の画質が劣化するのを抑制乃至回避することができる。
【0093】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0094】
実施の形態3
図12乃至図14はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えるように構成されている。
【0095】
また、この実施の形態3では、前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えるように構成されている。
【0096】
すなわち、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替手段としての動作モード切替スイッチ200を備えており、この動作モード切替スイッチ200によって、制御回路100は、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードから、現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、第1の動作モードと第2の動作モードを併用する第3の動作モードとに切り替え可能となっている。
【0097】
更に説明すると、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替スイッチ200によって第1の動作モードに切り替えられた場合、上述した実施の形態1の動作が実行される。
【0098】
また、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替スイッチ200によって第2の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値に達するまで(未満の場合)は、上述した実施の形態2の動作が実行される。
【0099】
すなわち、第2の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、図13に示すように、ステップ105においてプリントジョブが終了するか否かが判別され、プリントジョブが終了しないと判別された場合には、そのままステップ101に戻るのではなく、画像パネルの累積値が第2の画像閾値P2よりも大きい第3の画像閾値P3以上であるか否かが判別され、画像パネルの累積値が第3の画像閾値P3以上でないと判別された場合には、ステップ101に戻り、上述した実施の形態2の動作が実行される。
【0100】
一方、制御回路100では、図13のステップ131において、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値P2よりも大きい第3の画像閾値P3以上であると判別されると、動作モード切替スイッチ200によって選択された動作モードが、第2の動作モードか第3の動作モードかが判別される(ステップ132)。
【0101】
そして、制御回路100では、図13に示すように、動作モードが第2の動作モードであると判別されると(ステップ132)、トナーバンドのエントリーが有るか否かが判別され(ステップ133)、トナーバンドのエントリーがないと判別された場合には、プリント動作が実行される(ステップ138)。
【0102】
また、制御回路100では、トナーバンドのエントリーが有ると判別されると、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ134)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ135)。
【0103】
次に、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続し(ステップ136)、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達すと、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ137)、プリント動作を実行する(ステップ138)。
【0104】
その後、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1未満となったか否かが判別され(ステップ139)、平均画像密度が第1の密度閾値K1未満となった場合には、トナーバンドのエントリーがなされた後(ステップ140)、プリントジョブが終了したか否かが判別され(ステップ141)、平均画像密度が第1の密度閾値K1以上である場合には、プリントジョブが終了したか否かが判別される(ステップ141)。そして、制御回路100では、プリントジョブが終了していない場合には、ステップ133に戻り、プリントジョブが終了している場合には、そのままプリント動作を終了する。
【0105】
これに対して、制御回路100では、図13のステップ132に示すように、動作モードが第3の動作モードであると判別されると、図14のフローチャートに示す動作が実行される。
【0106】
すなわち、第3の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、図14に示すように、プリント作像動作が実行された後(ステップ151)、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、当該画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であるか否かが判別される(ステップ1152)。
【0107】
制御回路100では、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満でないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ154)、画像パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であると判別されると、トナーバンドのエントリーがなされた後(ステップ153)、プリントジョブが終了か否かが判別される(ステップ154)。
【0108】
そして、制御回路100では、プリントジョブが終了であると判別されると(ステップ154)、図13のステップ106〜ステップ111に示した動作モードと同様に、第1の動作モードが実行される(ステップ156〜ステップ163)。
【0109】
一方、制御回路100では、図14に示すように、プリントジョブが終了でないと判別されると(ステップ154)、トナーバンドのエントリーの有無が判別され(ステップ164)、トナーバンドのエントリーが無い場合には、ステップ151に戻る。
【0110】
また、制御回路100では、図14に示すように、トナーバンドのエントリーが有ると判別されると(ステップ164)、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ165)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ166)。
【0111】
次に、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続し(ステップ167)、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達すと、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ168)、ステップ151に戻ってプリント動作を実行する(ステップ151)。
【0112】
このように、この実施の形態3では、1回のジョブでプリントする記録用紙34の枚数が大幅に多いユーザーの場合には、動作モード切替スイッチ200によって第2の動作モード又は第3の動作モードに切り替えることにより、一連の画像形成動作の途中であっても現像装置17の現像剤を強制的に消費する動作を実行することで、画質が劣化するのを効果的に抑制することができる。
【0113】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0114】
なお、前記実施の形態では、互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成部を備えた画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像を形成する1つの画像形成部のみを備えた画像形成装置や、1つの像保持体上に順次異なった色の画像を形成する所謂4サイクルの画像形成装置にも適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0115】
13CT、13Y、13M、13C、13K:透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部、62Y、62M、62C、62K、62CT:トナーバンド、100:制御回路(累積画像数検出手段、平均画像密度検出手段、強制消費手段)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置としては、例えば、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像装置によってトナーを用いて可視像化し、当該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録用紙上に転写した後に定着することにより画像を形成するように構成したものがある。
【0003】
ところで、かかる画像形成装置では、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、現像装置内のトナーが殆ど消費されずに内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化し、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像に静電的に付着して当該静電潜像を現像するのに要するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
【0004】
そこで、上記画像形成装置において画像密度の低い画像が形成される頻度が高い場合における画質低下を抑制し得る技術としては、例えば、特開2000−206744号公報や特開2003−76079号公報、あるいは特開2005−43388号公報、特開2008−170562号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0005】
上記特開2000−206744号公報に係る画像形成装置は、静電潜像が形成担持される像担持体と、前記像担持体に対して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像形成手段により形成された静電潜像に対し現像剤を用いて現像する現像装置とを有する画像形成装置であって、前記静電潜像形成手段によって静電潜像を形成する前に、前記像担持体に対して形成するであろう画像の画像密度を検出する画像密度検出手段と、前記画像密度検出手段による検出値が所望の値より低いと判断されたときに、所定の静電潜像を形成して現像装置の現像剤を強制的に消費させる強制排出手段とを具備するように構成したものである。
【0006】
また、上記特開2003−76079号公報に係る画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成し、現像装置から供給される現像剤により静電潜像を現像する画像形成装置において、作像する画像の面積率を検知する画像面積率検知手段と、前記現像装置の現像駆動時間を検知する現像駆動時間検知手段とを備え、現像の単位駆動時間あたりの画像面積率に応じて現像剤を強制消費させるように構成したものである。
【0007】
さらに、上記特開2005−43388号公報に係る画像形成装置は、像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び、
現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び制御手段を有し、前記画像面積率検知手段は、画像データ及び前記移動距離検知手段の検知結果に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知するとともに、該制御手段は、画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うように構成したものである。
【0008】
又、上記特開2008−170562号公報に係る画像形成装置は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像器と、
前記現像器にトナー補給を行うトナー補給手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を被転写材上に転写する転写手段、或は、前記静電潜像担持体上に形成された複数の色のトナー像を順次中間転写体上に重ね合わせた後、被転写材上に一括転写する転写手段と、
前記静電潜像担持体上のトナーを除去するクリーニング手段と、
中間転写体を用いる転写手段を用いる場合、中間転写体上のトナーを除去する中間転写体クリーニング手段と、
前記潜像形成手段および前記現像器を所定のタイミングで動作させて前記現像器内のトナーを強制的に前記静電潜像担持体に付着させ、前記転写手段による被転写材への転写を行わずに前記クリーニング手段によって前記静電潜像担持体上及び、中間転写体を用いる場合は、前記中間転写体クリーニング手段によって前記中間転写体上のトナーを除去するトナー強制消費手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に形成した画像量を積算カウントする画像量積算手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に画像形成が実行された領域の総面積または現像器駆動時間を積算カウントする現像器駆動量積算手段と、
前記画像量積算手段および現像器駆動量積算手段による各積算値を格納する積算値記憶手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間の画像量積算値を、画像形成が実行された領域の総面積または現像器駆動時間の積算値で除して平均画像密度を算出する平均画像密度算出手段と、
所定印刷枚数に達するまでの間または所定の現像器駆動時間が経過するまでの間に供給したトナー量に相当する値を積算するトナー供給量積算手段と、
前記平均画像密度算出手段で算出された平均画像密度が予め設定された所定値以下であり、且つ、前記積算値記憶手段に格納されている画像量積算値に対する前記トナー供給量積算手段により積算されたトナー供給量の積算値の比率が所定値以上である、という二つの条件を満たした場合に、前記トナー強制消費手段によるトナーの強制的な消費を実行するように制御する制御手段と、を備えるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−206744号公報
【特許文献2】特開2003−76079号公報
【特許文献3】特開2005−43388号公報
【特許文献4】特開2008−170562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、請求項1に記載された発明は、像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
また、請求項2に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記画像形成手段によって形成される画像に相当する画像相当領域に帯状のトナー像を形成し、前記帯状のトナー像が形成された画像相当領域を含めて、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値に達するまで前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記累積画像数検出手段は、前記強制消費手段による現像剤の強制的な消費動作を終了した時点で、当該累積画像数検出手段による画像数の累積値を基準値に戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0014】
又、請求項4に記載された発明は、前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置である。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明は、前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0016】
また、請求項6に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
【0017】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記強制消費手段は、前記第1の動作モードと第2の動作モードと第3の動作モードをユーザーが選択的に切り換える切換手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
【0018】
又、請求項8に記載された発明は、像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成手段と、
前記各画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記各画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記複数の画像形成手段のうち、いずれか1つ以上の画像形成手段において、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、該当する前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画質の低下を確実に回避することが可能となる。
【0021】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、累積画像数検出手段の構成を簡略化することができる。
【0022】
又、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、1回の画像形成動作が多数の画像数にわたるユーザーであっても、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0023】
更に、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザーの多様なニーズに応えつつ、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0024】
また、請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、1回の画像形成動作が多数の画像数にわたるユーザーであっても、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0025】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザーの多様なニーズに応えつつ、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することができる。
【0026】
又、請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、本来、高い生産性が要求される画像形成装置において、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンターを示す構成図である。
【図3】画像形成部を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
【図5】画像パネルの構成を示す説明図である。
【図6】画像の形成状態を示す説明図である。
【図7】画像形成動作を示すタイミングチャートである。
【図8】トナーバンドの形成状態を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の動作を示す説明図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンタは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。また、このフルカラープリンタは、単位時間あたりに画像形成可能な記録用紙の枚数である生産性が高く設定されており、例えば、A4サイズのLEF(Long Edge Feed)の記録用紙に毎分当たり100枚程度画像を形成することが可能となっている。ただし、本発明は、高速のタンデム方式の画像形成装置に限定されるものではないことは勿論である。
【0030】
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
【0031】
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換される。なお、上記画像処理装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
【0032】
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
【0033】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて並列的に配置されているとともに、これらの画像形成部13Y、13M、13C、13Kの上流側には、例えば、透明トナー(CT)を用いて画像を形成する特定色の画像形成部13CTが、他の画像形成部と等しい間隔をおいて配置されている。このように、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置したのは、フルカラー等の画像に光沢を付与したりする場合に使用される透明トナーからなる画像が、記録媒体上においてフルカラー等の画像の表面に転写・定着されるようにするためである。また、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置することにより、透明トナーの画像を形成しない場合には、下流側のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて直ちに画像形成動作を開始することができ、透明トナーの画像形成部13CTを配置しても、生産性が低下することがなく望ましい。
【0034】
なお、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kと、透明トナーの画像形成部13CTとの配列順序は、図示のものに限定されるものではなく、異なる順序で配列しても良く、透明トナーの画像形成部13CTに代わって、又、透明トナーの画像形成部13CTとともに濃度の異なるカラートナーなどの複数の特定色の画像形成部を併せて配置しても良い。また、1つ又は複数の特定色の画像形成部は、必要に応じて他の画像形成部と交換可能に画像形成装置本体に装着しても良い。
【0035】
上記透明トナーとしては、例えば、他のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kで使用されるトナーを構成する樹脂材料から着色剤としての顔料を除いたものが用いられる。また、上記画像処理装置12からは、透明トナーの画像形成部13CTに透明トナーに対応した画像データが出力される。この透明トナーに対応した画像データは、例えば、記録媒体の全面に予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものや、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在する領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するもの、あるいはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在しない領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものであっても良い。
【0036】
これらの5つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、クリーニング装置18とから構成されている。
【0037】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
【0038】
上記画像処理装置12からは、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kに各色の画像データが順次出力される。これらの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15Kの表面に主走査方向に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kによって、それぞれ透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0039】
上記現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kとしては、図3に示すように、例えば、現像装置本体170の内部にトナーとキャリアとからなる二成分の現像剤171を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体170の内部には、予め定められたタイミングでトナーカートリッジ175CT〜175K(図2参照)からトナーが補給され、現像装置本体170内のトナー濃度を予め定められた範囲内に維持するように構成されている。また、上記現像装置本体170の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ172、173によって現像装置本体170内の現像剤171と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール174へ供給されるとともに、当該現像ロール174の表面に形成された現像剤171の磁気ブラシとして感光体ドラム15の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
【0040】
上記各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15CT、15Y、15M、15C、15K上に、順次形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26CT、26Y、26M、26C、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
【0041】
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、張力付与ロール28と、従動ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15CT 、15Y、15M、15C、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0042】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33によって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0043】
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ41、42のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ローラ43及び用紙搬送用のローラ対44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ41、42のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと送り出される。
【0044】
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0045】
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム16は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置50によって清掃される。
【0046】
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kのうち、少なくともいずれか1つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kにおいて、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、該当する画像形成部13の現像装置17内のトナーが殆ど消費されずに現像装置本体170内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化してしまい、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
【0047】
そこで、この実施の形態に係る画像形成装置では、画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、前記画像形成手段によって過去に予め定められた数だけ形成された画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えるように構成されている。
【0048】
図4はこの実施の形態に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
【0049】
図4において、100は画像形成装置の画像形成動作を制御するCPUやMCU等からなる制御手段としての制御回路を示すものであり、この制御回路100は、例えば、ROM101に記憶されたプログラムに従って、NVRAM(不揮発性メモリ)102に記憶された制御データに基づき、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける各色のトナー像の画像形成条件を制御する制御手段としての機能を兼ね備えている。
【0050】
また、13CT、13Y、13M、13C、13Kは、上述した透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部をそれぞれ示している。
【0051】
上記制御回路100は、図5(a)に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像601、602、・・・の数をそれぞれ累積的に検出する累積画像数検出手段としての機能をも備えている。
【0052】
制御回路100では、図5(a)に示すように、直前に形成された画像をN枚目の画像60Nとすると、1枚目前の画像が60N-1、・・・62枚目前の画像が60N-62、63枚目前の画像が60N-63、64枚目前の画像が60N-64となる。
【0053】
上記画像形成装置では、図2に示すように、記録用紙34を給紙トレイ41や給紙トレイ42から給紙することにより、任意のサイズの記録用紙34に対して画像を形成することが可能となっているが、この実施の形態では、図5(b)に示すように、A4サイズの記録用紙34を相対的に長さが長く設定された一辺34aを先頭にして給紙(LEF:Long Edge Feed)するように設定された画像領域を基準となる画像パネル61として画像の数を計数するように構成されている。即ち、1つの画像パネル61が1つの画像60に対応している。ここでは簡略化のため、A4サイズ(LEF)の記録用紙以下のサイズの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「1」として計数し、A4サイズ(LEF)の記録用紙よりも大きく最大サイズであるA3サイズまでの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「2」として計数することとする。なお、これに限らず、画像の数は、A4サイズ(LEF)の記録用紙34を画像パネル「1」とし、他のサイズの記録用紙34は、その面積のA4サイズ(LEF)の記録用紙34に対する比に応じた係数を乗算して計数するように構成しても勿論良い。
【0054】
また、上記制御回路100は、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて、過去に形成された複数の画像にわたる平均画像密度を画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13K毎に検出する平均画像密度検出手段としても機能するように構成されている。ここで、上記平均画像密度は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kにおけるトナーの劣化度合いを評価するパラメータとして用いられる。
【0055】
更に説明すると、上記平均画像密度は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数にわたって画像が形成された画像パネルの総画素数を、当該過去に予め定められた数にわたる画像を現像するのに要した現像装置の累積駆動時間によって除算した値として与えられる。
【0056】
上記制御回路100は、図2に示すように、画像処理装置12から透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kに出力される画像データに基づいて、当該各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14によって形成される画像の総画素数を、画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することによって求める。上記画像露光装置14では、図6に示すように、画像処理装置12から出力される画像データに基づいて、当該画像データの解像度に応じて1ドット毎に画像露光が施されるため、制御回路100は、画像処理装置12から出力される画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することで、1つの画像パネル61当たりの総画素数が求められる。
【0057】
制御回路100は、図5に示すように、1枚目の画像60の総画素数をK1、2枚目の画像60の総画素数をK2、・・・N枚目の画像60の総画素数をKNとすると、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に形成された画像のうち、例えば、直前に予め定められた数(例えば、64個)にわたって画像60が形成された画像パネル61の累積的な画素数ΣK=KN、KN-1、・・・KN-63を計数する。
【0058】
一方、制御回路100は、図7に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数(例えば、64個)の画像を現像するのに必要とする現像装置17の駆動時間ΣT=TN、TN-1、・・・TN-63を累積的に計数することによって、過去に予め定められた数にわたる画像60を現像するのに必要とした現像装置17の累積駆動時間が求められる。
【0059】
そして、制御回路100は、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって過去に予め定められた数にわたって画像60が形成された画像パネル61の総画素数ΣKを、当該過去に予め定められた数にわたる画像を現像するのに要した現像装置の累積駆動時間ΣTによって除算した値として、平均画像密度KAVE=ΣK/ΣTを演算することにより求める。
【0060】
また、上記制御回路100では、図5(a)に示すように、平均画像密度KAVEとして、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって直前に(最新の)画像が形成されたN枚目の画像パネル61を基準として、常に、予め定められた数だけ過去に遡った画像の画像密度Kを平均した所謂移動平均をとった移動平均画像密度を求めている。
【0061】
さらに、上記制御回路100は、累積画像数検出手段によって検出された画像60の数の累積値が第1の画像閾値P1以上となり、且つ、平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度Kが第1の密度閾値K1未満となったとき、当該条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって実行中の画像形成動作が終了した後に現像装置17の現像剤を強制的に消費する強制消費手段としても機能する。
【0062】
この現像剤の強制的な消費動作は、図8に示すように、条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%程度)で、中間転写ベルト25の移動方向に沿って予め定められた長さにわたりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、透明トナー(CT)及び予備(#)の各色の帯状のトナー像62Y、62M、62C、62K、62CT、62#(以下、「トナーバンド」という。)を形成し、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を中間転写ベルト25上に転写することによって行われる。上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作は、基本的に通常の画像形成動作と同様の条件で実行されるが、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成可能なものであれば、通常の画像形成動作と異なる条件で実行しても勿論よい。なお、中間転写ベルト25上に転写されたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、記録用紙34を通紙しない状態で形成され、中間転写ベルト25のクリーニング装置50によって除去される。
【0063】
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図5(b) に示すように、画像パネル61に相当して設定されたトナーバンド用のパネル63に、その現像装置17の長手方向における全幅において、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた長さLのトナー像を、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%)で形成するものである。なお、トナー像の長さLは、適宜設定できるように可変にしても良い。
【0064】
また、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでもトナーバンドの形成条件を満たさなかった場合には、開いたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の領域に他の色のトナーバンドを形成しても良い。
【0065】
更に説明すると、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図8に示すように、例えば、トナーバンド用パネル63の進行方向に沿って先頭部からイエロー、マゼンタ、シアン、黒、透明トナー、予備の順で形成される。なお、上記トナーバンド用パネル63の先端には、画像濃度や画像位置を検出するためのパッチを形成するパッチ領域64が設けられている。トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、パッチ領域64の下流側に一次転写ロール26に印加する電圧を切り替えるのに要する間隙65を開けて形成される。
【0066】
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、例えば、画像濃度が50%か60%&度に設定されるが、これに限定されるものではなく、他の濃度で形成しても良いことは勿論である。
【0067】
さらに、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を含めた平均画像密度Kが予め定められた閾値に達するまで行なわれる。即ち、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、1つのトナーバンド用パネル63ですべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達した場合、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成が終了するが、1つのトナーバンド用パネル63では、すべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達しない場合は、すべての色の現像装置17において予め定められた閾値に平均画像密度が達するまで、新たなトナーバンド用パネル63が連続して設定されてトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作が繰り返される。
【0068】
また、予め定められた閾値に平均画像密度が達した現像装置17は、その時点で停止される。
【0069】
なお、上記平均画像密度としては、上述したように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて過去に画像が形成された予め定められた数の画像にわたる累積画素数を、各現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kの累積駆動時間によって除算した値に限定されるものではなく、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて過去に画像が形成された予め定められた数の画像にわたる累積画素数を、当該各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された予め定められた数(例えば、「64」)で除算した値などで代用するように構成しても良い。
【0070】
即ち、上記現像装置17の累積的な駆動時間は、画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像の総数やプリント枚数、感光体ドラム15の総駆動時間などに比例する値であるため、これらの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成された画像の総数やプリント枚数、感光体ドラム15の総駆動時間などを用いても良い。
【0071】
ただし、上記現像装置17の累積的な駆動時間は、上述したように画質低下の原因となるトナーの劣化状態を直接評価する指標となるため、現像装置17の累積的な駆動時間を用いるのが望ましい。
【0072】
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、現像剤の強制的な消費動作が頻繁に実行されることに伴う生産性の低下を回避しつつ画質を良好に維持することが可能となっている。
【0073】
すなわち、上記画像形成装置では、図2に示すように、例えば、画像処理装置12に入力された画像データに基づいて、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて各色のトナー像が形成され、これらの各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kで形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に転写された後、当該中間転写ベルト25上から記録用紙34に一括して二次転写される。
【0074】
そして、上記画像形成装置では、図2に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)等の画像データに応じた色のトナー像が転写された記録用紙34が、定着装置37によって定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
【0075】
その際、上記画像形成装置では、図9に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて作像動作が実行されると(ステップ101)、制御回路100では、図1に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて画像が形成された画像パネル61の数を累積的に計数し、いずれかの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける画像パネル61の累積値がNVRAM102に記憶された予め定められた値P1以上に達したか否かが判別される(ステップ102)。
【0076】
そして、制御回路100では、いずれの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、画像パネル61の累積値ΣPが予め定められたP1以上に達していないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0077】
一方、制御回路100では、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、画像パネル61の累積値ΣPが所定値P1以上に達したと判別されると、当該画像パネル61の累積値ΣPが所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であるか否かが判別される(ステップ103)。制御回路100では、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満でないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0078】
一方、制御回路100では、図1に示すように、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1未満であると判別されると、該当する画像形成部13におけるトナーバンドの形成条件が満たされたとして、トナーバンドのエントリー動作を行い(ステップ104)、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ105)、プリントジョブが終了していない場合は、ステップ101に戻り、作像動作が実行される。
【0079】
そして、制御回路100では、実行中のプリントジョブが終了したと判別されると(ステップ105)、トナーバンドエントリーの有無を判別し(ステップ106)、トナーバンドのエントリーが無い場合には、そのままプリント動作を終了する。
【0080】
また、制御回路100では、トナーバンドのエントリーが有ると判別される(ステップ106)、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ107)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ108)。
【0081】
次に、制御回路100では、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1に達して当該第1の密度閾値K1以上となったか否かが判別され(ステップ109)、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1以上となっていない場合には、ステップ108に戻って該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される。
【0082】
ここで、制御回路100においてステップ109で判別される画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度は、直前に形成されたトナーバンド62のトナーバンド形成用パネル62を含めて画像密度を算出したものである。
【0083】
そして、制御回路100では、画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度が第1の密度閾値K1以上となったと判別されると(ステップ109)、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ110)、画像パネル61の累積値を基準値である「0」に戻してリセットするゼロリセット動作が実行され(ステップ111)、プリント動作が終了される。
【0084】
このように、上記実施の形態では、制御回路100によって画像数の累積値と平均画像密度に応じて、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たしているか否かが決定され、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たした場合であって、一連のプリントジョブを実行中の場合には、当該実行しているプリントジョブが終了した後に、該当する画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいてトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作が実行される。
【0085】
そのため、上記実施の形態では、比較的少ない枚数の画像を頻繁に形成するユーザーなどにおいても、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成するために、不本位にプリント動作が中断されることがなく、しかもトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成条件を満たした場合には、プリントジョブの終了後にトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作を実行することができ、生産性を維持しつつ画質を良好に維持することが可能となる。
【0086】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費するように構成されている。
【0087】
上記実施の形態1では、図9に示すように、制御回路100によってトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成する条件を満たしていると判別され、トナーバンドの形成動作がエントリーされた場合であっても、プリントジョブが終了するまで、実行中のプリント動作が継続される。
【0088】
従って、上記実施の形態1では、制御回路100によってトナーバンド62を形成する条件を満たしていると判別されてから、実行中のプリントジョブが終了するまでにプリントされる記録用紙34の枚数が相対的に多い場合には、その間に現像装置17内のトナーの劣化が進行する虞れがある。
【0089】
そこで、この実施の形態2では、図10に示すように、制御回路100は、トナーバンド62の形成条件を満たしている、つまりトナーバンドのエントリーがなされた場合であっても(ステップ104)、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値Pよりも大きい第2の画像閾値P2以上であるか否かが判別される(ステップ120)。
【0090】
そして、制御回路100は、図10に示すように、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値P1よりも大きい第2の画像閾値P2未満であると判別されたときは、密度パラメータK3を第1の密度閾値K1に設定し(ステップ121)当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続する(ステップ109)。
【0091】
一方、トナーバンド62の作成に際して、制御回路100によって計数された画像数の累積値が第1の画像閾値P1よりも大きい第2の画像閾値P2以上であると判別されたときは、密度パラメータK3を第2の密度閾値K2に設定し(ステップ121)、図11に示すように、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1よりも大きい第2の密度閾値K2に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続するように構成されている(ステップ109)。
【0092】
こうすることによって、実施の形態2では、トナーバンド62を形成する条件を満たしていると判別されてから、実行中のプリントジョブが終了するまでにプリントされる記録用紙34の枚数が相対的に多い場合には、制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1よりも大きい第2の密度閾値k2に達するまで、トナーバンド62の作像動作が継続されるので、その間に現像装置17内のトナーの劣化が進行して、次に形成する画像の画質が劣化するのを抑制乃至回避することができる。
【0093】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0094】
実施の形態3
図12乃至図14はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えるように構成されている。
【0095】
また、この実施の形態3では、前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えるように構成されている。
【0096】
すなわち、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替手段としての動作モード切替スイッチ200を備えており、この動作モード切替スイッチ200によって、制御回路100は、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードから、現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、第1の動作モードと第2の動作モードを併用する第3の動作モードとに切り替え可能となっている。
【0097】
更に説明すると、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替スイッチ200によって第1の動作モードに切り替えられた場合、上述した実施の形態1の動作が実行される。
【0098】
また、この実施の形態3では、図12に示すように、動作モード切替スイッチ200によって第2の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値に達するまで(未満の場合)は、上述した実施の形態2の動作が実行される。
【0099】
すなわち、第2の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、図13に示すように、ステップ105においてプリントジョブが終了するか否かが判別され、プリントジョブが終了しないと判別された場合には、そのままステップ101に戻るのではなく、画像パネルの累積値が第2の画像閾値P2よりも大きい第3の画像閾値P3以上であるか否かが判別され、画像パネルの累積値が第3の画像閾値P3以上でないと判別された場合には、ステップ101に戻り、上述した実施の形態2の動作が実行される。
【0100】
一方、制御回路100では、図13のステップ131において、累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第2の画像閾値P2よりも大きい第3の画像閾値P3以上であると判別されると、動作モード切替スイッチ200によって選択された動作モードが、第2の動作モードか第3の動作モードかが判別される(ステップ132)。
【0101】
そして、制御回路100では、図13に示すように、動作モードが第2の動作モードであると判別されると(ステップ132)、トナーバンドのエントリーが有るか否かが判別され(ステップ133)、トナーバンドのエントリーがないと判別された場合には、プリント動作が実行される(ステップ138)。
【0102】
また、制御回路100では、トナーバンドのエントリーが有ると判別されると、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ134)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ135)。
【0103】
次に、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続し(ステップ136)、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達すと、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ137)、プリント動作を実行する(ステップ138)。
【0104】
その後、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1未満となったか否かが判別され(ステップ139)、平均画像密度が第1の密度閾値K1未満となった場合には、トナーバンドのエントリーがなされた後(ステップ140)、プリントジョブが終了したか否かが判別され(ステップ141)、平均画像密度が第1の密度閾値K1以上である場合には、プリントジョブが終了したか否かが判別される(ステップ141)。そして、制御回路100では、プリントジョブが終了していない場合には、ステップ133に戻り、プリントジョブが終了している場合には、そのままプリント動作を終了する。
【0105】
これに対して、制御回路100では、図13のステップ132に示すように、動作モードが第3の動作モードであると判別されると、図14のフローチャートに示す動作が実行される。
【0106】
すなわち、第3の動作モードに切り替えられた場合、制御回路100では、図14に示すように、プリント作像動作が実行された後(ステップ151)、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも、当該画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であるか否かが判別される(ステップ1152)。
【0107】
制御回路100では、画像パネル61の累積値が所定値P1以上に達したと判別された画像形成部13における過去N(例えば、64)パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満でないと判別されると、プリントジョブが終了か否かが判別され(ステップ154)、画像パネルの平均画像密度KAVEが第1の密度閾値K1未満であると判別されると、トナーバンドのエントリーがなされた後(ステップ153)、プリントジョブが終了か否かが判別される(ステップ154)。
【0108】
そして、制御回路100では、プリントジョブが終了であると判別されると(ステップ154)、図13のステップ106〜ステップ111に示した動作モードと同様に、第1の動作モードが実行される(ステップ156〜ステップ163)。
【0109】
一方、制御回路100では、図14に示すように、プリントジョブが終了でないと判別されると(ステップ154)、トナーバンドのエントリーの有無が判別され(ステップ164)、トナーバンドのエントリーが無い場合には、ステップ151に戻る。
【0110】
また、制御回路100では、図14に示すように、トナーバンドのエントリーが有ると判別されると(ステップ164)、トナーバンドの形成動作を開始して(ステップ165)、図8に示すように、該当する画像形成部13においてトナーバンド62の作像動作が実行される(ステップ166)。
【0111】
次に、制御回路100では、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達するまで、トナーバンド62の作像動作を継続し(ステップ167)、当該制御回路100によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値K1に達すと、トナーバンド62の作像動作を終了して(ステップ168)、ステップ151に戻ってプリント動作を実行する(ステップ151)。
【0112】
このように、この実施の形態3では、1回のジョブでプリントする記録用紙34の枚数が大幅に多いユーザーの場合には、動作モード切替スイッチ200によって第2の動作モード又は第3の動作モードに切り替えることにより、一連の画像形成動作の途中であっても現像装置17の現像剤を強制的に消費する動作を実行することで、画質が劣化するのを効果的に抑制することができる。
【0113】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0114】
なお、前記実施の形態では、互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成部を備えた画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像を形成する1つの画像形成部のみを備えた画像形成装置や、1つの像保持体上に順次異なった色の画像を形成する所謂4サイクルの画像形成装置にも適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0115】
13CT、13Y、13M、13C、13K:透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部、62Y、62M、62C、62K、62CT:トナーバンド、100:制御回路(累積画像数検出手段、平均画像密度検出手段、強制消費手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記強制消費手段は、前記画像形成手段によって形成される画像に相当する画像相当領域に帯状のトナー像を形成し、前記帯状のトナー像が形成された画像相当領域を含めて、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値に達するまで前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記累積画像数検出手段は、前記強制消費手段による現像剤の強制的な消費動作を終了した時点で、当該累積画像数検出手段による画像数の累積値を基準値に戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記強制消費手段は、前記第1の動作モードと第2の動作モードと第3の動作モードをユーザーが選択的に切り換える切換手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成手段と、
前記各画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記各画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記複数の画像形成手段のうち、いずれか1つ以上の画像形成手段において、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、該当する前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記強制消費手段は、前記画像形成手段によって形成される画像に相当する画像相当領域に帯状のトナー像を形成し、前記帯状のトナー像が形成された画像相当領域を含めて、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値に達するまで前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記累積画像数検出手段は、前記強制消費手段による現像剤の強制的な消費動作を終了した時点で、当該累積画像数検出手段による画像数の累積値を基準値に戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記強制消費手段は、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたときであっても、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第1の画像閾値よりも大きい第2の画像閾値以上となったときは、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が前記第1の密度閾値よりも大きい第2の密度閾値に達するまで、前記現像手段の現像剤を強制的に消費することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記強制消費手段は、実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第1の動作モードに加えて、当該強制消費手段による現像剤の強制消費動作を実行すべき条件を満たしたとき、一連の画像形成動作の途中であっても前記現像手段の現像剤を強制的に消費する第2の動作モードと、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードを併用した第3の動作モードとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記強制消費手段は、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が前記第2の画像閾値よりも大きい第3の画像閾値以上となったときは、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに自動的に切り換えるか、又は前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを併用する第3の動作モードに自動的に切り換えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記強制消費手段は、前記第1の動作モードと第2の動作モードと第3の動作モードをユーザーが選択的に切り換える切換手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成手段と、
前記各画像形成手段によって形成された画像の数を累積的に検出する累積画像数検出手段と、
前記各画像形成手段によって過去に画像が形成された予め定められた数にわたる画像の平均画像密度を検出する平均画像密度検出手段と、
前記複数の画像形成手段のうち、いずれか1つ以上の画像形成手段において、前記累積画像数検出手段によって検出された画像数の累積値が第1の画像閾値以上となり、且つ、前記平均画像密度検出手段によって検出された平均画像密度が第1の密度閾値未満となったとき、該当する前記画像形成手段によって実行中の画像形成動作が終了した後に前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−93444(P2012−93444A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238785(P2010−238785)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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