説明

画像形成装置

【課題】 ローラを軸方向に移動させることにより、当該ローラを取り外すことが可能な画像形成装置において、当接部材の揺動中心を、ローラの軸線上に位置させた状態でローラの軸方向中心に近づける。
【解決手段】 当接部材35を回転シャフト37Aの軸線から偏心した位置に設ける。これにより、ローラ19を軸方向に移動させてもローラ19と当接部材35とが干渉することがない。したがって、当接部材35をローラ19の軸線上に位置させた状態でローラ19の軸方向中心に近づけることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等のシートに画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シートに搬送力を付与する分離ローラ等のローラは、例えば、特許文献1に記載の発明のごとく、ローラの軸線と同軸上に配設された駆動シャフトから回転力を受けて回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−139021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ローラはシートに接触して回転するので、次第にその外周面が摩耗していき、シートの搬送不良を誘発するおそれが高くなる。そこで、発明者は、当該ローラを軸方向に移動可能な構成とすることにより、当該ローラを容易に交換することが可能な画像形成装置を検討した。
【0005】
また、シートへの画像形成は、搬送移動しているシートに対して行われるので、良好な画像形成を行うには、ローラの回転開始や回転停止タイミング、及び画像形成部の作動タイミング等を正確に制御する必要がある。
【0006】
このため、一般的が画像形成装置では、揺動可能な当接部材をシートの搬送経路に設けることにより、シートの搬送方向端部の位置、つまり搬送方向先端又は搬送方向後端の位置を検出している。そして、当接部材は、搬送されるシートに接触した当接ポジションとシートと接触していない非当接ポジションとの間で揺動する。
【0007】
ところで、当接部材の揺動中心が、軸方向においてローラの軸線からずれた位置にあると、当該ローラとシートと接点に対して搬送方向にずれた位置で、搬送方向端部の位置を検出することとなる。このため、仮に、シートが搬送方向に対して傾いた状態で搬送されている場合には、正確に搬送方向端部の位置を検出することができない。
【0008】
さらに、当接部材の揺動中心が、ローラの軸方向中心から軸線方向に大きく離れている場合には、シートが当接部材に衝突した際に、ローラとシートと接点を中心としてシートに作用するモーメントが大きくなるので、シートが搬送方向に対して傾いてしまうおそれが高くなる。
【0009】
したがって、当接部材の揺動中心は、ローラの軸線上に位置し、かつ、ローラの軸方向中心に近い位置にあることが望ましい。
しかし、ローラを軸方向に移動させることにより、当該ローラを取り外し可能な構成においては、ローラを取り外す際にローラと当接部材とが干渉しない構成とする必要性がある。このため仮に、当接部材の揺動中心を、単純にローラの軸線上に位置させると、当接部材をローラに対して軸方向に大きくずらした位置に配置せざるを得ない。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、ローラを軸方向に移動させることにより、当該ローラを取り外すことが可能な画像形成装置において、当接部材の揺動中心を、ローラの軸線上に位置させた状態でローラの軸方向中心に近づけることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、シートに画像を形成する画像形成部(5)と、シートに接触して回転するローラ(19)と、ローラ(19)の軸線と同軸上に配設されてローラ(19)に回転力を伝達するとともに、ローラ(19)の軸方向一端側に着脱可能に連結された駆動シャフト(31)と、ローラ(19)の軸方向他端側に設けられてローラ(19)を支持するとともに、軸方向に延びる支持シャフト(33)と、支持シャフト(33)を軸方向に平行移動可能な状態で支持する軸受部(27C)と、ローラ(19)の軸方向他端側に設けられ、ローラ(19)により搬送されるシートに接触した当接ポジションとシートと接触していない非当接ポジションとの間で揺動する当接部材(35)と、当接部材(35)を揺動可能に支持する揺動シャフト(37)とを備え、揺動シャフト(37)は、ローラ(19)の軸線と同軸上に設定された回転シャフト(37A)、及びローラ(19)の軸方向他端側の位置であって、かつ、回転シャフト(37A)の軸線から偏心した位置において、ローラ(19)側に延びる偏心部(37B)を有して構成され、当接部材(35)は偏心部に設けられており、さらに、回転シャフト(37A)の軸線から偏心部(37B)までの半径方向の距離(R1)は、支持シャフト(33)の半径寸法より大きいことを特徴とする。
【0012】
そして、本発明では、当接部材(35)が回転シャフト(37A)の軸線から偏心しているので、ローラ(19)を軸方向に移動させてもローラ(19)と当接部材(35)とが干渉することがない。したがって、当接部材(35)をローラ(19)の軸線上に位置させた状態でローラ(19)の軸方向中心に近づけることが可能となる。
【0013】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係る画像形成装置のメインフレーム27及びサブフレーム27Aの配置を示す図であり、(b)は図2(a)のA矢視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のローラユニット29を下方側から見た図である。
【図4】図2(b)のA−A断面図であって、(a)は連結状態を示す図であり、(b)は非連結状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置のローラユニット29を取り外す際の状態を示す図であって、(a)は前方側から見た図であり、(b)は下方側から見た図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の当接部材35の作動を示す図であって、(a)は非当接ポジションを示す図であり、(b)は当接ポジションを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の揺動シャフト37の三面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の揺動シャフト37をアクチュエータホルダ39に組み付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0016】
そして、本実施形態は、電子写真方式の画像形成装置に本発明を適用したものである。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.画像形成装置の概略構造
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等のシートに現像剤像を転写することにより、シートに画像を形成するモノクロ方式の画像形成部5が収納されている。
【0017】
なお、本実施形態に係る画像形成部5は、現像ユニットをなすプロセスカートリッジ7、感光ドラム7Aを露光する露光器9、感光ドラム7Aに形成された現像剤像をシートに転写させる転写ローラ11、及びシートに転写された現像剤像を加熱して定着させる定着器13等から構成されている。
【0018】
また、給紙カセット15は、画像形成部5に搬送されるシートが積層された状態で収納される給紙トレイである。なお、本実施形態に係る給紙カセット15は、装置本体(筐体3)に対して着脱可能に装着されている。
【0019】
そして、給紙カセット15に収納されているシートは、ピックアップローラ17により画像形成部5に向けて送出された後、分離ローラ19及び分離パッド21により1枚ずつ分離されて画像形成部5に搬送される。因みに、本実施形態では、ピックアップローラ17と分離ローラ19とは、後述するローラホルダ29Aを介して一体化されてローラユニット29が構成されている。
【0020】
なお、分離パッド21は、分離ローラ19と対向する位置に配設されてシートに搬送抵抗を付与する。一方、分離ローラ19はシートに接触して回転することによりシートに搬送力を付与する。このため、ピックアップローラ17から画像形成部5側に複数枚のシートが送出された場合であっても、それらシートが分離されて1枚ずつ画像形成部5に搬送される。
【0021】
また、分離ローラ19から搬出されたシートは、搬送ローラ23にて搬送されながら、その搬送方向が搬送シュート23Aにより上方側に折り返すように転向させられる。その後、シートは、一対のレジストローラ25にて姿勢が矯正された後、所定のタイミングにて画像形成部5に送り込まれる。
【0022】
ところで、プロセスカートリッジ7や定着器13等の画像形成部5は、図2(a)に示すように、略板状に形成された一対のメインフレーム27間に配設された状態で、これらメインフレーム27に直接的又は間接的に支持されている。なお、図2(a)では、画像形成部5や給紙カセット15等は省略されている。
【0023】
また、一対のメインフレーム27は、両メインフレーム27間を渡すように延びるサブフレーム27Aにより連結されている。そして、ローラユニット29を構成する分離ローラ19及び搬送ローラ23は、サブフレーム27Aに組み付けられている。
【0024】
2.ローラユニット等の構成
ピックアップローラ17は、図3(a)に示すように、その軸線L2が分離ローラ19の軸線L1と平行に配置されている。分離ローラ19の軸線方向両端には、当該両端からピックアップローラ17側に延びる一対のローラホルダ29Aが設けられている。
【0025】
そして、ピックアップローラ17は、一対のローラホルダ29Aの先端側に回転可能に組み付けられている。このため、ピックアップローラ17と分離ローラ19とは、1つの部品として取り扱うことができる。
【0026】
また、ピックアップローラ17の軸端には、ピックアップローラ17と一体的に回転する従動歯車29Cが設けられている。そして、分離ローラ19と一体的に回転する駆動歯車29Bと噛み合う中間歯車29Dを介して駆動歯車29Bから従動歯車29Cに回転力が伝達される。
【0027】
なお、ローラホルダ29Aは、分離ローラ19の軸線L1を回転中心として回転可能であり、中間歯車29Dは、ローラホルダ29Aに回転可能に支持されている。このため、ピックアップローラ17はシートに接触していない状態、つまりローラホルダ29Aが自由に回転可能な状態において、分離ローラ19が回転すると、ピックアップローラ17は、回転することなくローラホルダ29Aと共に分離ローラ19の周りを旋回する。
【0028】
そして、ピックアップローラ17がシートに接触してローラホルダ29Aの回転が規制されると、中間歯車29Dがローラホルダ29Aに対して回転し始めるので、ピックアップローラ17が回転し始める。このように、本実施形態では、分離ローラ19に回転力が伝達されると、ピックアップローラ17は、シートに接触する位置まで旋回移動した後、回転し始める。
【0029】
また、駆動シャフト31は、分離ローラ19に回転力を伝達する伝達シャフトである。この駆動シャフト31は、分離ローラ19の軸線L1と同軸上に配設されているとともに、分離ローラ19の軸線方向一端側に着脱可能に連結されている。なお、駆動シャフト31は、サブフレーム27Aに設けられた軸受部27Bにより回転可能に支持されている。
【0030】
そして、駆動シャフト31の長手方向一端側、つまり分離ローラ19側には、図4(b)に示すように、スプライン状の係合部31Aが設けられている。この係合部31Aは、分離ローラ19に設けられた筒状の被係合部19Aと着脱可能に係合する。一方、駆動シャフト31の長手方向他端側は、メインフレーム27まで延びて、メインフレーム27側に設けられた電動モータ等の駆動源から回転力の供給を受けている。
【0031】
また、分離ローラ19の軸方向他端側には、分離ローラ19を支持する支持シャフト33が設けられている。そして、支持シャフト33は、分離ローラ19から離間する向きに軸線方向に沿って延びている。
【0032】
なお、支持シャフト33は、図4(a)に示すように、ローラホルダ29Aに固定された円筒状の外筒軸33A、及び外筒軸33A内に回転可能に挿入され、かつ、分離ローラ19と一体回転する中心軸33B等から構成されている。
【0033】
そして、支持シャフト33、つまり外筒軸33Aは、サブフレーム27Aに設けられた軸受部27Cにより、軸線方向に平行移動可能な状態で支持されている。この軸受部27Cの内周面、つまり軸受部27Cのうち外筒軸33Aの外周面と接触する面は、図2(b)に示すように、給紙カセット15側に面する幅寸法W1が、サブフレーム27A側に面する幅寸法W2より小さくなるように設定されている。
【0034】
なお、軸受部27Cの幅寸法とは、軸線方向と平行部位の寸法をいう。また、本実施形態では、軸受部27Cの給紙カセット15側とは、軸受部27Cの下方側に相当し、軸受部27Cのサブフレーム27A側とは、軸受部27Cの上方側に相当する。
【0035】
また、支持シャフト33が軸線方向に平行移動可能であるので、分離ローラ19は、ピックアップローラ17と共にローラユニット29として軸線方向に平行移動することができる。
【0036】
このため、ローラユニット29が、図4(a)に示すように、軸受部27Cから離間した位置であって、分離ローラ19の被係合部19Aと駆動シャフト31の係合部31Aとが係合した状態では、駆動シャフト31から分離ローラ19に回転力が伝達される。以下、図4(a)及び図3(a)に示す状態を連結状態という。
【0037】
一方、図3(b)に示すように、連結状態のローラユニット29が軸受部27Cに近接するように軸線方向に平行移動すると、被係合部19Aと係合部31Aとの連結・係合が解除されるため、ローラユニット29の軸方向一端側、つまり駆動シャフト31側は、サブフレーム27Aに支持されていない自由な状態となる。以下、図4(b)及び図3(b)に示す状態を非連結状態という。
【0038】
このため、ローラユニット29を非連結状態とした上で、図5に示すように、ローラユニット29のうち駆動シャフト31側を給紙カセット15側に移動させるように下げた傾斜状態としたまま、ローラユニット29を駆動シャフト31側に移動させれば、支持シャフト33を軸受部27Cから抜き取ることができる。
【0039】
このとき、本実施形態では、軸受部27Cのうち給紙カセット15側の幅寸法W1が、サブフレーム27A側の幅寸法W2より小さくなるように設定されているので、容易にローラユニット29を傾斜状態とすることができる。
【0040】
3.シートの後端検知機構
本実施形態に係る画像形成装置1では、ローラユニット29から画像形成部5側に搬送されるシートの位置に基づいて、ピックアップローラ17及び分離ローラ19の回転、つまり前記駆動源の回転を制御している。
【0041】
具体的には、図6に示すように、分離ローラ19により搬送されるシートに接触した当接ポジションと当該シートと接触していない非当接ポジションとの間で揺動する略扇板状の当接部材35を設けている。
【0042】
そして、当接部材35が、図6(b)に示す当接ポジションから図6(a)に示す非当接ポジションに揺動変位した時、つまり、分離ローラ19により搬送されるシートの搬送方向後端が分離ローラ19から抜け出た時を基準として、前記駆動源を回転させる場合と前記駆動源を停止する場合とを制御している。
【0043】
また、当接部材35は、図3に示すように、分離ローラ19の軸線方向他端側、つまり支持シャフト33の延び方向先端側に配設されている。そして、当接部材35の揺動中心軸線は、分離ローラ19の軸線L1と同軸上に設定されている。このため、当接部材35は、シートの搬送方向前進向きに変位する場合と、搬送方向後退向きに変位する場合とが発生するように搬送方向に揺動する。
【0044】
また、当接部材35を揺動可能に支持する揺動シャフト37は、図7(a)に示すように、回転シャフト37A及び偏心部37B等を有して構成されたクランクシャフト状の軸である。
【0045】
回転シャフト37Aは、図4に示すように、その軸線L3が分離ローラ19の軸線L1と同軸上に設定された直線状の軸部である。そして、回転シャフト37Aの軸線方向両端側は、図8に示すように、アクチュエータホルダ39に設けられた一対の軸受部39Aにより回転可能に支持されている。
【0046】
一方、アクチュエータホルダ39は、図3に示すように、給紙カセット15側、つまり下方側からサブフレーム27Aに着脱可能に組み付けられている。因みに、本実施形態係るアクチュエータホルダ39は、ネジ等の機械的締結手段又は弾性変形を利用した係合部等によりサブフレーム27Aに固定されている。
【0047】
また、偏心部37Bは、図4に示すように、回転シャフト37Aの軸線方向端部のうち分離ローラ19側に設けられている。つまり、偏心部37Bは、ローラユニット29に対しては、分離ローラ19の軸方向他端側の位置することとなる。そして、偏心部37Bは、回転シャフト37Aの軸線L3から偏心した位置において、分離ローラ19側に延びている。
【0048】
なお、本実施形態に係る偏心部37Bは、分離ローラ19側に開口したコップ状のポケット部37Cの一部として構成されている。すなわち、ポケット部37Cは、図7(b)に示すように、回転シャフト37Aの軸線方向一端から半径方向に拡がる略円盤状のフランジ部37D、及びフランジ部37Dから分離ローラ19側に延びる円筒部37E等から構成されている。
【0049】
そして、偏心部37Bは、円筒部37Eの一部として構成されているので、偏心部37Bにポケット部37Cが設けられていることになる。また、ポケット部37Cは、分離ローラ19側に開口したコップ状であるので、図4(b)に示すように、分離ローラ19が非連結状態となったときに、ポケット部37Cに形成された空間である凹部37Fに支持シャフト33を受け入れることができる。
【0050】
このため、円筒部37Eの内半径寸法、つまり回転シャフト37Aの軸線L3から偏心部37Bまでの半径方向の距離R1は、図4(a)に示すように、支持シャフト33の外半径寸法R2より大きい寸法に設定されている。そして、当接部材35は、図7(b)に示すように、偏心部37B、つまり円筒部37Eのうち分離ローラ19側の端部に設けられている。
【0051】
また、ポケット部37Cの円筒部37Eは、図7(c)に示すように、その円筒壁面の一部が開放された樋状に構成されている。このため、ローラユニット29を非連結状態としたときに、図5(a)に示すように、ローラユニット29を給紙カセット15側に移動させるように傾斜状態させることができる。
【0052】
なお、回転シャフト37Aの軸線方向端部のうち偏心部37Bと反対側には、図8に示すように、回転シャフト37Aと一体的に揺動することにより、光学式センサ41の発光部から受光部に至る光路を断続する遮断部39Gが設けられている。なお、光学式センサ41は、発光部と受光部とからなるものであって、受光部が発光部から発せられた光を受光できたか否かに応じて信号を出力する周知のセンサである。
【0053】
そして、本実施形態では、回転シャフト37A、偏心部37Bを含むポケット部37C及び遮断部39G、並びに当接部材35が樹脂にて一体成形されて一部品が構成されている。
【0054】
なお、回転シャフト37Aの軸線方向中間には、径方向に突出する突起部37Hが設けられている。そして、本実施形態では、図4に示すように、当該突起部37Hをアクチュエータホルダ39の一部に摺接させることにより、揺動シャフト37がアクチュエータホルダ39に対して軸線方向に変位することを規制している。
【0055】
4.本実施形態に係る画像形成装置(特に、後端検知機構)の特徴
本実施形態では、当接部材35が回転シャフト37Aの軸線L3から偏心しているので、分離ローラ19、つまりローラユニット29を軸方向に移動させてもローラユニット29と当接部材35とが干渉することがない。したがって、当接部材35を分離ローラ19の軸線L1上に位置させた状態で分離ローラ19の軸方向中心に近づけることが可能となる。
【0056】
ところで、仮に、偏心部37Bを設けることなく、回転シャフト37Aに当接部材35を設けた場合には、取り外し移動寸法以上、当接部材35をローラユニット29から離間させた位置に配設する必要がある。なお、取り外し移動寸法とは、ローラユニット29を取り外すために必要な軸方向の移動量をいう。
【0057】
このため、当接部材35を偏心させることなく、回転シャフト37Aに当接部材35を設けた場合には、当接部材35をローラユニット29、つまり分離ローラ19に近接した位置に配設することはできない。
【0058】
また、本実施形態では、当接部材35を偏心部37B、つまり円筒部37Eのうち分離ローラ19側の端部に設けたことを特徴としているので、当接部材35を分離ローラ19の軸方向中心により一層近づけることが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、偏心部37Bには、支持シャフト33を受け入れ可能な凹部37Fが形成されたポケット部37Cが設けられていることを特徴としているので、例えば、棒材を単純にクランクシャフト状に屈曲させて揺動シャフト37を構成した場合に比べて、揺動シャフト37の強度を高めることができる。
【0060】
また、本実施形態では、ポケット部37Cは、円周壁面の一部が開放された円筒状に構成されていることを特徴としているので、上述したように、当該開放された部位から支持シャフト33を容易に取り外すことができる。
【0061】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ローラユニット29、つまり分離ローラ19及び後端検知機構に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば、その他のローラ及び前端検知機構等にも適用することができる。
【0062】
また、上述の実施形態では、偏心部37Bをポケット部37Cの一部として構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポケット部37Cを廃止するとともに、棒材を単純にクランクシャフト状に屈曲させて揺動シャフト37を構成してもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、モノクロレーザプリンタに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばカラーレーザプリンタやインクジェット方式の画像形成装置等にも適用することができる。
【0064】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0065】
1… 画像形成装置 3… 筐体 5… 画像形成部
7… プロセスカートリッジ 7A… 感光ドラム 9… 露光器 11… 転写ローラ
15… 給紙カセット 17… ピックアップローラ 19… 分離ローラ
19A… 被係合部 21… 分離パッド 21B… 軸受部 23… 搬送ローラ
23A… 搬送シュート 25… レジストローラ 27… メインフレーム
27A… サブフレーム 27B… 軸受部 27C… 軸受部
29A… ローラホルダ 29… ローラユニット 29C… 従動歯車
29B… 駆動歯車 29D… 中間歯車 31… 駆動シャフト
31A… 係合部 33… 支持シャフト 33A… 外筒軸 35… 当接部材
37… 揺動シャフト 37A… 回転シャフト 37B… 偏心部
37C… ポケット部 37D… フランジ部 37E… 円筒部 37F… 凹部
37H… 突起部 39… アクチュエータホルダ 39A… 軸受部
39G… 遮断部 41… 光学式センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
シートに接触して回転するローラと、
前記ローラの軸線と同軸上に配設されて前記ローラに回転力を伝達するとともに、前記ローラの軸方向一端側に着脱可能に連結された駆動シャフトと、
前記ローラの軸方向他端側に設けられて前記ローラを支持するとともに、前記軸方向に延びる支持シャフトと、
前記支持シャフトを前記軸方向に平行移動可能な状態で支持する軸受部と、
前記ローラの軸方向他端側に設けられ、前記ローラにより搬送されるシートに接触した当接ポジションとシートと接触していない非当接ポジションとの間で揺動する当接部材と、
前記当接部材を揺動可能に支持する揺動シャフトとを備え、
前記揺動シャフトは、
前記ローラの軸線と同軸上に設定された回転シャフト、及び
前記ローラの軸方向他端側の位置であって、かつ、前記回転シャフトの軸線から偏心した位置において、前記ローラ側に延びる偏心部を有して構成され、
前記当接部材は前記偏心部に設けられており、
さらに、前記回転シャフトの軸線から前記偏心部までの半径方向の距離は、前記支持シャフトの半径寸法より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記当接部材は、前記偏心部のうち前記ローラ側の端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記偏心部には、前記支持シャフトを受け入れ可能な凹部が形成されたポケット部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ポケット部は、円周壁面の一部が開放された円筒状に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ポケット部、前記偏心部及び前記回転シャフトは、樹脂にて一体形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記軸受部は、前記軸方向と平行な方向に延びるフレームに設けられており、
さらに、前記回転シャフトを回転可能に支持するホルダーは、前記フレームに着脱可能に組み付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ローラ及び前記支持シャフトが前記当接部材側に平行移動した際には、前記支持シャフトが前記揺動シャフトに接触する前に、前記駆動シャフトと前記ローラの軸方向一端側との連結が解除されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ローラと対向する位置には、シートに搬送抵抗を付与する分離パッドが設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−112460(P2013−112460A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259262(P2011−259262)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】