説明

画像形成装置

【課題】商用電源に切断可能に接続されるコンデンサの容量を変更することなく、雑音除去特性を維持しつつ待機電力を低減させる。
【解決手段】画像形成装置(1)は、商用電源(8)の両端と切断可能に並列接続されるコンデンサ(731)と、前記商用電源および前記コンデンサから供給される交流電力が加熱を行うヒータ(43)とを備え、前記商用電源から供給される交流電力が遮断されたとき、前記コンデンサに残存している残留電荷が前記ヒータに放電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、電源スイッチをオフにした後に、商用電源に並列接続されたノイズ除去用コンデンサに蓄積された残留電荷を減少させる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、商用電源に接続された電子機器は、ノイズ対策用にACラインフィルタが内蔵されている。このACラインフィルタは、ノーマルモード対策用にいわゆるXコンデンサがライン間に接続されている。このXコンデンサは、一般的に、1[μF]程度と大きな値であり、一般的なACラインフィルタは、Xコンデンサに放電抵抗を並列接続させている。
コンデンサに並列接続される放電抵抗が待機電力を増加させる一方、コンデンサの容量が0.1μF以下であるならば、放電抵抗が不要なので待機電力を下げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−160953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器、特に、画像形成装置は、消費電力が大きな定着装置を有しているが、画像形成を行わない省エネモードで動作させることもある。この省エネモードでは、待機電力を減少させることが好ましい。そこで、容量が0.1[μF]以下のコンデンサを用いて待機電力を低減する方法を使用することが考えられる。しかしながら、0.1[μF]以下のコンデンサを用いる方法は、コンデンサの容量が少なすぎて、遮断周波数が高くなり、ACラインフィルタとしての特性を満足させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、商用電源に切断可能に接続されるコンデンサの容量を変更することなく、雑音除去特性を維持しつつ待機電力を低減させることができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、商用電源の両端と切断可能に並列接続されるコンデンサと、前記商用電源および前記コンデンサから供給される交流電力が加熱を行うヒータとを備える画像形成装置において、前記商用電源から供給される交流電力が遮断されたとき、前記コンデンサに残存している残留電荷が前記ヒータに放電されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、商用電源に切断可能に接続されるコンデンサの容量を変更することなく、雑音除去特性を維持しつつ待機電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成図である。
【図2】定着部の斜視図である。
【図3】本発明の制御部が実行する制御処理を示すブロック図である。
【図4】本発明の加熱用電源部およびその周辺装置の構成図である。
【図5】(a)商用電源の交流電圧、(b)ゼロクロス信号が出力されるタイミング、(c)温度検出センサが検出した温度データ、(d)制御部が出力するヒータ制御信号、(e)Xコンデンサのエネルギ、それぞれを時系列で示す図である。
【図6】制御部が実行する制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の加熱用電源部の一部であるヒータスイッチ回路の変形例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1の実施形態》
本発明の画像形成装置を図1を用いて説明する。
画像形成装置1は、用紙20を供給する給紙部2と、用紙20にトナー像(画像)を形成する画像形成部3と、用紙20にトナー像を定着させる定着部4と、給紙部2から供給された用紙20を、画像形成部3、定着部4を経由して外部に排出する用紙搬送部5と、各構成部を制御する制御部6(図3)と、各構成部が動作するために必要な電圧を印加する電源部7(図3)とを備える。電源部7には、商用電源8(図3)から交流電圧が印加される。また、画像形成装置1は、電源スイッチ71(図3)を備え、商用電源8とACプラグ付きケーブルで接続され、電源スイッチ71をオンにすることで交流電力が供給される。
【0010】
(給紙部2)
給紙部2は、用紙カセット21と、ピックアップローラ22とを備える。
用紙カセット21は、1ないし複数の用紙20を収納する。用紙20の種類やサイズなどにより収納されるカセットが別々に設けられる。
ピックアップローラ22は、モータなどのアクチュエータ(不図示)と回転可能に接続され、制御部6に制御されて回転して、1枚の用紙20を用紙カセット21から用紙搬送部5に供給する。
【0011】
(画像形成部3)
画像形成部3は、4つの現像装置31(31K,31Y,31M,31C)と、4つのLEDヘッド32(32K,32Y,32M,32C)と、4つの転写ローラ33(33a,33b,33c,33d)とを備える。なお、K,Y,M,Cは色を表現する文字であり、それぞれブラック、イエロー、マゼンダ、シアンに対応する。
現像装置31は、トナーが充填された4色の現像装置31(31K,31Y,31M,31C)が、用紙20の搬送方向(矢印)に沿って配列されており、各々の現像装置は、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。現像装置31については詳細を後記する。
LEDヘッド32は、複数の単結晶薄膜発光素子をライン上に配列したものであり、制御部6からの印刷データに従って、後記する感光ドラム315(現像装置31が備える)を露光して、静電潜像を形成する。
転写ローラ33は、後記する現像ローラ313(現像装置31が備える)に形成されたトナー像を用紙20に転写するローラである。
【0012】
(現像装置31)
現像装置31は、トナーカートリッジ311と、トナー供給ローラ312と、現像ローラ313と、帯電ローラ314と、感光ドラム315とを備える。
トナーカートリッジ311は、現像剤としてのトナーが充填されている。
トナー供給ローラ312は、トナーカートリッジ311からトナーを現像ローラ313に供給するためのローラである。
現像ローラ313は、感光ドラム315にトナーを供給するローラであり、電界の作用により、感光ドラム315に形成された静電潜像に、現像ローラ313からトナーが移動することで、感光ドラム315にトナーを供給している。
帯電ローラ314は、感光ドラム315の表面を一様に負極に帯電させるローラである。
感光ドラム315は、LEDヘッド32からの光が照射されて、負極に帯電した表面層が放電させられ、静電潜像が形成される。そして、感光ドラム315は、現像ローラ313によりトナーが供給され、静電潜像にトナーが付着することで現像されてトナー像が形成される。
【0013】
(定着部4)
定着部4は、定着ローラ41a,41bと、温度検出センサ42とを備える。
定着ローラ41aは内部にヒータ43を備え、ヒータ43は所定の定着温度まで定着ローラ41aの表面を加熱する。ヒータ43は、例えばハロゲンヒータである。ヒータ43の構成についての詳細は後記する。
定着部4の各構成部の動作について、図2を用いて説明する。後記する用紙搬送部5により用紙20が矢印の向きで搬送される。定着ローラ41aと定着ローラ41aとが搬送方向に用紙20が移動するように回転することで、用紙20は、定着ローラ41aと41bとの2つのローラに挟持され、表面および裏面から加圧される。これにより、用紙20にトナー像が定着される。
温度検出センサ42は、定着ローラ41aの表面温度を検出して、制御部6に温度データを出力する。温度検出センサ42は、例えば、サーミスタである。
【0014】
再び図1に戻る。
(用紙搬送部5)
用紙搬送部5は、用紙20を搬送路50(太線で示す)に沿って搬送し、給紙部2から画像形成部3、定着部4を経由して外部に排出する。用紙搬送部5は、レジストローラ51(51a,51b)、転写ベルト52、排出ローラ53などのローラで構成される。
レジストローラ51(51a,51b)は、給紙部2から搬送された用紙20が画像形成部3に到達する前に設置され、用紙20の向きを整えるローラである。
転写ベルト52は、無端状に形成されたベルト部材であり、レジストローラ51により向きが整えられた用紙20を定着部4まで搬送するベルトである。ドライブローラ52a,52bは、転写ベルト52を回転させる搬送手段であるとともに、定着部4により温められた転写ベルト52を冷却する冷却手段としても機能する。
排出ローラ53は、定着部4を経由して搬送された用紙20(定着部4によりトナー像が定着したもの)を画像形成装置1の外部に排出する。
【0015】
(制御部6)
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される制御手段であり、後記する記憶部93に記憶されたプログラムを取得して、記憶部93にデータを記憶させたり、記憶部93からデータを取得したりして、画像形成装置1が備える各構成部の制御を行う。
記憶部93は、ROM(Read Only Memory)931やRAM(Random Access Memory)932、HD(Hard Disk)、光ディスクなどで構成される記憶手段である。
【0016】
本実施形態において、画像形成装置1が備える各構成部に対して、制御部6が実行する制御処理について、図3を用いて説明する。図3の太線は商用電源8からの電圧が印加されることを示しており、AC−DC変換部74、ACゼロクロス回路75、ヒータスイッチ回路76には、電源部7が備える電源スイッチ71がオフであるときに、交流電圧が印加される。ヒータ43には、ヒータスイッチ回路76がオン状態であるときに、交流電圧が印加される。制御部6には、AC−DC変換部74(後記する)により交流電圧から変換された直流電圧が印加される。また、図示しないが、このAC−DC変換部74は、後記するアクチュエータ制御部92や、アクチュエータ制御部92が制御するモータ(不図示)などのアクチュエータ、画像形成部3などの画像形成装置1が備える各構成部に、直流電圧を印加する。
ここで、AC−DC変換部74は、内部に図示しない蓄電部(コンデンサ)を備えており、電源スイッチ71がオフに切り替えられた後でも、いわゆる出力電圧保持時間だけ、出力電圧を発生することができる。このため、制御部6は、処理を正常に終了させることができる。
【0017】
制御部6は、ACゼロクロス回路75(後記する)から、商用電源8の交流電圧の瞬時値が0となるタイミング(ゼロクロス点)でゼロクロス信号を受信する。詳細は後記する。
制御部6は、ACゼロクロス回路75(後記する)からゼロクロス信号を受信するとすぐに、ヒータ制御信号のON/OFFをヒータスイッチ回路76に出力する。これにより、ヒータスイッチ回路76は、ACゼロクロス回路75が出力するゼロクロス信号と同期させることができる。このヒータスイッチ回路76は、商用電源8とヒータ43とを接続して、ヒータ43に交流電圧を印加するスイッチであり、制御部6からのヒータ制御信号に応じて、スイッチのオン(ON)/オフ(OFF)を切り替える。このようにして、制御部6は、ヒータ制御信号(ON/OFF信号)を出力して、ヒータ43への交流電圧の印加/遮断を制御する。この制御部6が行う制御処理についての詳細は後記する。本実施形態において、ヒート制御信号がONとは、制御部6がヒート制御信号を出力していることであり、ヒート制御信号がOFFとは、制御部6がヒート制御信号を出力していないことである。
【0018】
制御部6は、温度検出センサ42から温度データを取得し、温度データに基づいて、ヒータ制御信号を出力する。例えば、制御部6は、温度データが所定の範囲内になるようにヒータ制御信号の出力(ON/OFF)や、位相制御の位相角を制御する。これにより、定着ローラ41aの表面温度が所定の温度範囲の温度で維持される。詳細は後記する。
【0019】
制御部6は、LAN(Local Area Network)などのネットワークNと接続された通信部91と接続し、ネットワークNの先に接続されたコンピュータから送信された印刷データを取得して、その印刷データに基づき、画像形成装置1の各構成部を制御して、用紙20に印刷を行う。
【0020】
制御部6は、アクチュエータ制御部92に指示信号を出力して、アクチュエータ制御部92を介してモータ、クラッチや空冷用のファンを制御し、給紙部2や画像形成部3、用紙搬送部5などが備える各種ローラをモータで回転させたり、ファンを回転させて、CPUなどを冷却させたりする。
制御部6は、タイマ94から時刻データを取得して、経過時間を算出する。
また、制御部6は、画像形成装置1が備える各種センサ(用紙位置検出用の用紙走行路センサや画像濃度・色ずれ補正用のセンサなど)や、画像形成部3が備える各構成部と、AC−DC変換部74とを接続するスイッチのオン/オフを制御する。この制御は、画像形成装置1で消費される消費電力を低減する目的の処理である。
【0021】
(電源部7)
電源部7は、外部の商用電源8に接続され、電源スイッチ71と、保護素子72と、電力用ノイズフィルタ73と、AC−DC変換部74と、ACゼロクロス回路75(加熱用電源部10)と、ヒータスイッチ回路76(加熱用電源部10)とを備える。
電源部7は、ヒータスイッチ回路76が商用電源8からの交流電力を定着部4のヒータ43に供給し、AC−DC変換部74が交流電圧を所定の直流電圧に変換して、その他の画像形成装置1が備える各構成部に印加する。また、電源部7は、ACゼロクロス回路75が交流電圧の瞬時値が0となるゼロクロス点を検出して、制御部6にゼロクロス信号を出力する。
電力用ノイズフィルタ73は、ノイズの通過を低減する回路である。詳細は後記する。
AC−DC変換部74は、印加される交流電圧を直流電圧に変換すると共に、降圧を行うことにより、所定の値の直流電圧を発生する。本実施形態のAC−DC変換部74は、+24[V],+5[V],+3.3[V],そして、ゼロレベル電圧(0[V])を発生する。
【0022】
ACゼロクロス回路75は、交流電圧の瞬時値が0となるゼロクロス点を検出して、制御部6にゼロクロス信号を出力する。詳細は後記する。
ヒータスイッチ回路76は、ヒータ43に交流電力を供給するスイッチ回路であり、制御部6からのヒータ制御信号に応じて、スイッチのオン(ON)/オフ(OFF)を切り替えたり、位相制御を行ったりする。詳細は後記する。
【0023】
図4に示す保護素子72は、雷の影響により発生する異常な高電圧が印加された場合に、画像形成装置1に大電流が流れ込むことを防ぐものであり、例えば、バリスタなどで構成される。
【0024】
(電力用ノイズフィルタ73)
電力用ノイズフィルタ73は、Xコンデンサ731と、コモンモードチョークコイル732と、2つのYコンデンサ733,734と、入力端子a,bと、出力端子c,dとを備える。コモンモードチョークコイル732は、単一の磁性コアに第1巻線および第2巻線が同一方向に巻回して構成されている。電力用ノイズフィルタ73は、入力端子aと出力端子cとが互いに第1巻線により接続され、入力端子bと出力端子dとが互いに第2巻線により接続されている。さらに、電力用ノイズフィルタ73は、入力端子aと入力端子bとの間にXコンデンサ731が接続され、出力端子cと接地端子FG(Frame Ground)との間にYコンデンサ733が接続され、出力端子dと接地端子FGとの間にYコンデンサ734が接続されている。
【0025】
ここで、Xコンデンサ731には、必要なフィルタ特性を得るために、例えば、1[μF]のものが使用される。そして、Yコンデンサ733,734には、例えば、4700[pF]のものが使用される。Xコンデンサ731は、ノーマルモードノイズを低減させるためのものであり、コモンモードチョークコイル732およびYコンデンサ733は、コモンモードノイズを低減させるためのものである。
【0026】
従来の電力用ノイズフィルタは、Xコンデンサ731と並列に放電抵抗器が接続されていた。この放電抵抗器は、Xコンデンサ731に蓄積された残留電荷を消費するための抵抗器である。しかしながら、電源スイッチ71がオンのときも、この放電抵抗器に交流電流が流れて電力が消費されていた。本実施形態では、当該放電抵抗器を接続せずに、ユーザにより、ACプラグが取り外されたときや電源スイッチ71がオフにされたときに、Xコンデンサ731に蓄積された残留電荷を消費するように、ヒータスイッチ回路76、及びヒータ43が接続されている。
【0027】
(ACゼロクロス回路75)
ACゼロクロス回路75(加熱用電源部10)は、トランス751と、整流回路752と、フォトカプラ753と、シュミットトリガ754とを備える。
【0028】
トランス751は、一次側に印加される交流電圧を降圧して、二次側に交流電圧を出力する。
整流回路752は、4つのダイオードで構成されるブリッジ形全波整流回路であり、入力端子AC1,AC2から印加された交流電圧の波形を整流して、出力端子DC1(+),DC2(−)から出力する。正の半周期において電流は、入力端子AC1から出力端子DC1(+)を通り、抵抗器、及びフォトカプラ753を介して、出力端子DC2(−)から入力端子AC2に流れる。そして負の半周期において電流は、入力端子AC1から出力端子DC2(−)を通り、フォトカプラ753、及び抵抗器を介して、出力端子DC1(+)から入力端子AC2に流れる。
【0029】
フォトカプラ753は、発光ダイオード7531(発光素子)とフォトトランジスタ7532(受光素子)とを備え、発光ダイオード7531が発光する光をフォトトランジスタ7532が受光することで、コレクタ−エミッタ間に電流が流れるようになる。ここで、発光ダイオード7531は両端電圧が順方向電圧(例えば、0.7[V])未満になると、次に両端電圧がその発光ダイオード7531の順方向電圧になるまで発光しない。この間、フォトトランジスタ7532のコレクタ−エミッタ間には電流が流れない。
フォトトランジスタ7532は、コレクタが抵抗器を介して、プルアップされており、
コレクタ−エミッタ間に電流が流れると、コレクタ電位がローレベルとなり、電流が流れないと、コレクタ電位がハイレベルとなる。
シュミットトリガ754は、バッファとして機能するものであるが、一端、出力レベルが変化すると、僅かの入力電圧の変化に対しては、出力レベルが変化しないように構成されている。
したがって、ACゼロクロス回路75は、トランス751の一次側に印加される交流電圧が正の半周期、及び負の半周期で発光ダイオード7531が発光し、フォトトランジスタ7532のコレクタ電位がローレベルになるが、交流電圧のゼロクロス点で、発光ダイオード7531の両端電圧が順方向電圧未満になるので、発光ダイオード7531が光らず、フォトトランジスタ7532のコレクタ電位がハイレベルになる。すなわち、ACゼロクロス回路75は、ゼロクロス点でハイレベルとなるゼロクロス信号を出力する。
【0030】
本実施形態におけるACゼロクロス回路75の回路構成について説明する。
トランス751の一次側が電力用ノイズフィルタ73の入力端子a,bと接続され、二次側が整流回路752の入力端子AC1,AC2と接続される。整流回路752の出力端子DC1(+),DC2(−)がフォトカプラ753と接続される。
フォトカプラ753の発光ダイオード7531は、カソードが抵抗器を介して整流回路752の出力端子DC1(+)と接続され、アノードがDC2(−)と接続される。フォトトランジスタ7532は、受光部であるベースが発光ダイオード7531からの光を受光する向きで配設され、コレクタが抵抗器を介して+5[V]の直流電源と接続され、エミッタが接地される。
シュミットトリガ754は、入力端子が抵抗器を介して+5[V]の直流電源に接続され、出力端子が制御部6と接続される。ここで、+5[V]の直流電源は、AC−DC変換部74である。
【0031】
以上により、電力用ノイズフィルタ73の入力端子a,bからACゼロクロス回路75に印加される交流電圧は、整流回路752で整流されて半周期毎に0[V]となる(0.7[V]未満となる)。このタイミングで、発光ダイオード7531が消灯して、トランジスタ7532のエミッタ−コレクタ間が遮断され、シュミットトリガ754の入力電位が高くなり、シュミットトリガ754はゼロクロス信号を制御部6に出力する。これにより、制御部6は、商用電源8のゼロクロス点を検知することができる。
【0032】
(ヒータ43)
ここで、ヒータ43の構成について説明する。
ヒータ43は、ハロゲンランプ431と、サーモスタット432と、端子p,qとを備える。端子p、サーモスタット432、ハロゲンランプ431、端子qの順番に直列に接続される。
ハロゲンランプ431は、端子p−q間に交流電圧が印加されることで、入力電力を熱に変換する。これにより、図1の定着ローラ41aが加熱され、ローラの表面温度が上がる。一方、端子p−q間の電圧が0となると、ハロゲンランプ431が発熱しなくなり、自然冷却により定着ローラ41aの表面温度が下がる。
サーモスタット432は、定着ローラ41aの異常加熱を検出して電流を遮断する保護素子である。
【0033】
(ヒータスイッチ回路76)
ヒータスイッチ回路76(加熱用電源部10)は、スイッチオンの状態(オン状態)のとき、電力用ノイズフィルタ73の入力端子a,bから印加される交流電圧を、位相制御して、ヒータ43の端子p,qに出力する。ヒータスイッチ回路76は、フォトトライアック762と、メイントライアック763と、トランジスタ764とを備え、ON/OFF制御や位相制御を行う。
ヒータスイッチ回路76の動作を簡単に説明する。まず、トランジスタ764に電流が流れることで、フォトトライアック762が導通状態となり、メイントライアック763のゲート端子Gにゲート電流が流れると、メイントライアック763が導通状態となる。これにより、電力用ノイズフィルタ73の入力端子a,bから印加される電圧が、メイントライアック763に印加され、この電圧がヒータスイッチ回路76と接続するヒータ43に印加される。
【0034】
トランジスタ764は、制御部6からヒータ制御信号を受信したとき(ヒータ制御信号がON)に、ヒータスイッチ回路76をオン状態にし、ヒータ制御信号を受信していないとき(ヒータ制御信号がOFF)に、ヒータスイッチ回路76をオフ状態にするスイッチである。トランジスタ764は、ベースが制御部6に接続されヒータ制御信号を受信し、カソードが+5[V]の直流電源と接続され、エミッタがフォトトライアック762を介して接地される。これにより、トランジスタ764がヒータ制御信号(ヒータ制御信号がON)を受信してオン状態にあるとき、トランジスタ764のコレクタ−エミッタ間に電流が流れ、発光ダイオード7621のカソードからエミッタに電流が流れる。これにより、フォトトライアック762(後記する発光ダイオード7621)に電流が流れ込む。
【0035】
フォトトライアック762は、発光ダイオード7621(発光素子)とトライアック7622(受光素子)とを備える。発光ダイオード7621は、カソードがトランジスタ764のエミッタと接続し、トランジスタ764を介して+5[V]の直流電源と接続される。一方、アノードは接地される。トライアック7622は、端子T3がメイントライアック763のゲート端子Gと接続され、さらに端子T4は、抵抗器を介してメイントライアック763の端子T1およびヒータ43の端子q(ハロゲンランプ431)と接続される。また、トライアック7622の端子T4は、抵抗器を介して電力用ノイズフィルタ73の入力端子aと接続される。
以上のように、フォトトライアック762は、制御部6からヒータ制御信号が出力された(ヒータ制御信号がON)ときに、トランジスタ764のコレクタ−エミッタ間に電流が流れることで、発光ダイオード7621が発光し、トライアック7622の端子T3と端子T4との間が接続され、抵抗器により電流が制限された交流電流が流れる。そして、メイントライアック763がターンオンすることにより、交流電流の瞬時値が保持電流以下になると、トライアック7622の端子T3と端子T4との間が開放される。
【0036】
メイントライアック763は、ゲート端子Gがフォトトライアック762の端子T3と接続され、端子T1がヒータ43の端子qと接続されるとともに、抵抗器を介してフォトトライアック762の一端と接続される。また、メイントライアック763の端子T2は電力用ノイズフィルタ73の入力端子aと接続される。このメイントライアック763は、ゲート端子Gにゲートパルス電流が流れ込むことで、端子T1と端子T2との間が接続され、交流電流の瞬時値が保持電流以下になるゼロクロス点で開放する。
以上のように、メイントライアック763もフォトトライアック762と同様に、制御部6からのヒータ制御信号のON/OFFに応じて接続/開放をするスイッチの役割をする。
【0037】
ヒータスイッチ回路76は、制御部6がヒータ制御信号としてパルス信号を出力するときに、フォトトライアック762が備えるトライアック7622の端子T3と端子T4との間を接続することにより、メイントライアック763のゲートパルス電流を流し、端子T1と端子T2との間が接続される。このとき、トライアック7622は、電流が流れなくなりターンオフする。結果的に、ヒータスイッチ回路76は、メイントライアック763のみがオン状態となり、ヒータ43(ハロゲンランプ431)に交流電圧が印加されることとなる。
【0038】
そして、交流電流の瞬時値が保持電流以下になるゼロクロス点で、メイントライアック763がターンオフする。つまり、制御部6がパルス信号の発生タイミングを交流電圧のゼロクロス点に設定すると、ヒータスイッチ回路76は、メイントライアック763の通電時間が交流電圧の全周期となり、制御部6がパルス信号の発生タイミングをゼロクロス点から所定の位相角ずらすことにより、ヒータスイッチ回路76は、位相制御が可能になる。
したがって、制御部6がヒータ制御信号として、ゼロクロス点に同期した繰り返しパルス信号を出力すると、ヒータスイッチ回路76は、ヒータ43への加熱電力を位相制御することができる。
【0039】
一方、制御部6がヒータ制御信号としてOFFを出力し続けるときは、ヒータスイッチ回路76はオフ状態となり、ヒータ43(ハロゲンランプ431)に印加される交流電圧は0となり、ヒータ43への加熱電力も0となる。
【0040】
以上の構成を備える加熱用電源部10は、電源スイッチ71がオンであるときには、商用電源8からの交流電圧が電力用ノイズフィルタ73のXコンデンサ731に印加され、その交流電圧をヒータ43(ハロゲンランプ431)に印加する。一方、電源スイッチ71がオフにされた瞬間に、Xコンデンサ731に対する交流電圧の印加が停止されるとともに、Xコンデンサ731に蓄えられた残留電荷が、ヒータ43(ハロゲンランプ431)に放電される。
【0041】
(電源スイッチOFF後の動作処理の説明)
ユーザが電源スイッチ71をオフに切り替えた後の制御部6が実行する処理について、図5および図6を用いて説明する。図5の横軸は時間の経過を示している。時刻t1は、電源スイッチ71をオンからオフに切り替えた時刻である。時刻t2は、時刻t1から所定の時間TAが経過し、制御部6がゼロクロス信号に基づき電源スイッチ71がオフされたと判定した時刻である。時刻t3は、Xコンデンサ731の放電が完了した(充電エネルギが0)時刻である。時刻t4は、定着ローラ41aの表面温度が下がったと制御部6が判定したタイミングである。
【0042】
《t<t0》
まず、電源スイッチ71がオンの状態にある。このとき、電力用ノイズフィルタ73の入力端子a,bには、商用電源8の交流電圧が印加されている(図5(a))。そして、ACゼロクロス回路75は、商用電源8の交流電圧の瞬時値が0となるタイミングで、ゼロクロス信号を制御部6に出力している(図5(b))。制御部6からヒータ制御信号が出力されていれば(ゼロクロス信号に同期したパルス信号が出力し続けていれば)(図5(d))、ヒータスイッチ回路76を介してヒータ43には商用電源8の交流電圧が印加され、ハロゲンランプ431が発熱して図2の定着ローラ41aが加熱される。これにより、定着ローラ41aの表面温度が上がり、温度検出センサ42が検出する温度データも上がる(図5(c))。ここで、電源スイッチ71がオンの状態にあるとき、Xコンデンサ731には、交流電圧が印加され、Eのエネルギが蓄えられている(図5(e))。
【0043】
《t=t0》
制御部6は、温度検出センサ42から温度データを取得して、温度データが所定の範囲内(HmaxからHminまで)になるようにヒータ制御信号(ゼロクロス信号に同期した繰り返しパルス列信号)を出力する。例えば、時刻t0のときに、温度検出センサ42から取得した温度データがHmaxに達すると(図5(c))、ゼロクロス信号を受信したタイミング(図5(b))で、制御部6はヒータ制御信号を出力しない(OFFの継続)(図5(d))。ヒータ制御信号を受信できないヒータスイッチ回路76は、オン状態からオフ状態に切り替えて、商用電源8とヒータ43との接続を開放し続ける。これにより、商用電源8の交流電力が、ヒータ43(ハロゲンランプ431)に供給されなくなる。
【0044】
《t0<t<t1》
時刻t0以降、ヒータ43のハロゲンランプ431が発熱しなくなるため、定着ローラ41aの表面温度が徐々に低下する。そのため、温度検出センサ42が検出する温度データが下がる(図5(c))。
【0045】
《t=t1》
時刻t1のときに、ユーザが電源スイッチ71をオンからオフに切り替えることで、商用電源8と電源部7とが接続されなくなる(図5(a))。これにより、ACゼロクロス回路75に交流電圧が印加されなくなるため、ACゼロクロス回路75はゼロクロス信号を出力しない(図5(b))。
制御部6は、常に、ACゼロクロス回路75からゼロクロス信号を受信したときに、タイマ94から時刻データを取得し、次のゼロクロス信号を受信するまでに所定の時間TAが経過したか否かを判定する(図6:ステップS101)。ここで、時間TAは任意の値である。
所定の時間TA内に次のゼロクロス信号を受信すれば(図6:ステップS101,No)、制御部6は電源スイッチ71がオンであると判定し、再びステップS101の処理を行い、次のゼロクロス信号の受信を待つ。
一方、所定の時間TA内に次のゼロクロス信号を受信していなければ(所定の時間TAを経過した)(図6:ステップS101,Yes)、制御部6は、電源スイッチ71がオフであると判定する(図6:ステップS102)。
【0046】
《時刻t=t2》
時刻t2は、時刻t1から所定の時間TAが経過した時刻である(図5(b))。
制御部6は、時刻t2で電源スイッチ71がオフであると判定し(図6:ステップS102)、温度検出センサ42(メインサーミスタ421、サイドサーミスタ422)から温度データH1を取得する(図6:ステップS103)。このとき、制御部6は、タイマ94から時刻データをも取得する。そして、制御部6はONのヒータ制御信号(ゼロクロス信号に同期した繰り返しパルス列信号)をヒータスイッチ回路76に出力する(ステップS104)(図5(d))。
ここで、時刻t1の時点で制御部6がヒータ制御信号を出力していれば、時刻t2の時点でも制御部6はそのままヒータ制御信号を出力する。
【0047】
メイントライアック763(図4)は、保持電流以下になるまでオン状態であるので、Xコンデンサ731とヒータ43とがヒータスイッチ回路76を介して接続されて、Xコンデンサ731に蓄えられた残留電荷がヒータ43に放電される。そして、ヒータ43のハロゲンランプ431がその放電電力で発熱する。そのため、このとき温度検出センサ42が検出する温度データは、ステップS103の温度データH1より高くなる。
その後、Xコンデンサ731の残留電荷がすべて放電されたときの温度検出センサ42が検出する温度データが、制御部6がヒータ制御信号をヒータスイッチ回路76に出力してからの最高温度となる。そのため、制御部6は、温度検出センサ42から取得した温度データHnが、その直前で取得した温度データHn-1より低い(温度が低い)とき、Xコンデンサ731の残留電荷がすべて放電されたと判断することができる。
【0048】
《時刻t2<t<t3》
制御部6は、温度検出センサ42(メインサーミスタ421、サイドサーミスタ422)から温度データH1を取得してから所定の時間TBが経過するまで待機する(図6:ステップS105)。
温度データH1を取得してから所定の時間TBが経過したとき、制御部6は、再度温度検出センサ42から温度データH2を取得する(図6:ステップS106)。そして、制御部6は、温度データH1と温度データH2とを比較し、H1>H2であるか否かを判定する(図6:ステップS107)。ここで、制御部6は、温度データH2を取得したときに、タイマ94から時刻データを取得する。
H1≦H2であれば(図6:ステップS107,No)、まだXコンデンサ731の残留電荷のすべてが放電できていない(図5(d)の時刻t3になっていない)こととなり、後記するステップS109を実行する。
【0049】
《時刻t3<t<t4》
H1>H2であれば(図6:ステップS107,Yes)、制御部6は、直前で取得した温度データH1よりも温度が低い温度データH2を取得したこととなる。これにより、Xコンデンサ731の残留電荷のすべてを放電した後(図5(e)の時刻t3を経過している)と判定し、制御部6はヒータ制御信号の出力を停止する(OFFの継続状態)(図6:ステップS108)(図5(d)の時刻t4)。そして、処理を終了する。
時刻t4は、直前で取得した温度データHn-1よりも温度が低い温度データHnを制御部6が取得した時刻である。
【0050】
(ステップS109)
一方、ステップS107にて、H1≦H2であれば(図6:ステップS107,No)、次に、制御部6は、予め記憶部93に記憶された閾値Hdと、温度データH2とを比較し、H2>Hdであるか否かを判定する(図6:ステップS109)。
この閾値Hdは、時刻t1のときに、温度検出センサ42が検出した温度データがHmaxであり、かつXコンデンサ731には最大電圧まで電荷が蓄積された状態であった場合に、その電荷をヒータ43に放電させて、温度検出センサ42が検出する温度データの最高値(Hz)よりも、さらに高い温度である。つまり、H2>Hdのとき、制御部6は、ヒータ43に、Xコンデンサ731以外からの電圧が印加されていると判断することができる。
【0051】
ステップS109にて、H2≦Hdであれば(図6:ステップS109,No)、Xコンデンサ731にまだ電荷が残っている(残留電荷を放電中)と判定して、制御部6は、ヒータスイッチ回路76にヒータ制御信号を出力したままにする(ヒータ制御信号ONの継続状態)。そして、制御部6は、ステップS106で取得した温度データH2を温度データH1として保持し(ステップS110)、ステップS105に戻り、その温度データH1を取得してから(つまり、ステップS106で温度データH2を取得してから)所定の時間TBが経過するまで待機する。
【0052】
一方、ステップS109にて、H2>Hdであれば(図6:ステップS109,Yes)、制御部6は、Xコンデンサ731以外からの電圧がヒータ43に印加されていると判定し、まず、ヒータ制御信号の出力を停止する(ヒータ制御信号OFFの継続状態)(図6:ステップS111)。さらに、制御部6は、異常が発生したことをユーザに通知する(図6:ステップS112)。このとき、制御部6は、画像形成装置1が備える不図示の表示部やスピーカなどに、警告表示や警告音を出力させて、異常が発生したことをユーザに通知する。そして、制御部6は、電源スイッチOFF後の動作処理を終了する。
【0053】
ここで、ステップS109にてH2>Hdとなる場合として、ACゼロクロス回路75が故障して、電源スイッチ71がONであるにもかかわらず、ゼロクロス信号が出力されなくなった場合が考えられる。この場合、ヒータスイッチ回路76を介して、商用電源8の電圧がヒータ43に印加され続けるため、温度検出センサ42はHdを超えた温度データを検出することができる。
【0054】
本実施形態において、AC−DC変換部74は、出力電圧保持時間が存在し、あるいは、制御部6がバッテリバックアップされることにより、時刻t1にユーザが電源スイッチ71をオフしてから、時刻t4で制御部6がヒータ制御信号の出力を停止する(OFFの継続状態)までの時間、制御部6には処理を行う十分な電圧が印加されるようになっている。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザにより電源スイッチ71がオフにされてからでも、Xコンデンサ731に蓄積された残留電荷がメイントライアック763を介してヒータ43のハロゲンランプ431に放電する。また、温度制御のため、メイントライアック763が位相制御されている場合であって、メイントライアック763がOFF状態であるときに、電源スイッチ71がオフにされることもある。このときでも、制御部6は、ゼロクロス信号の受信が途絶えたことを検出し、ヒータ制御信号(パルス信号)をヒータスイッチ回路76に送る。これにより、メイントライアック763が強制的にON状態にされ、Xコンデンサ731に蓄積された残留電荷がメイントライアック763を介して放電される。
したがって、Xコンデンサ731と並列に放電抵抗器が接続しなくても、ユーザにより電源スイッチ71がオフにされたときに、Xコンデンサ731に蓄積された残留電荷を消費することができる。
また、本実施形態によれば、Xコンデンサ731と並列に放電抵抗器を接続しない回路構成であるため、電源スイッチ71がオン時に、放電抵抗器で消費される電力を削減することができる。
【0056】
《第2の実施形態》
本発明の画像形成装置を図7を用いて説明する。
(ヒータスイッチ回路76A)
図7に示す第2の実施形態のヒータスイッチ回路76A(加熱用電源部10)は、第1の実施形態のヒータスイッチ回路76の変形例である。
【0057】
コイル761は、一端が電力用ノイズフィルタ73の入力端子aと接続され、他端が抵抗器を介してフォトトライアック762のトライアック7622の端子T4に接続される。
【0058】
フォトトライアック762は、発光ダイオード7621(発光素子)とトライアック7622(受光素子)とを備える。発光ダイオード7621は、カソードがトランジスタ764のエミッタと接続し、トランジスタ764を介して+5[V]の直流電源と接続される。一方、アノードは接地される。トライアック7622は、端子T3が抵抗器を介してメイントライアック763のゲート端子Gおよびヒータ43の端子q(ハロゲンランプ431)と接続される。また、トライアック7622の端子T4は、抵抗器およびコイル761を介して電力用ノイズフィルタ73の入力端子aと接続される。
【0059】
メイントライアック763は、ゲート端子Gが抵抗器を介してフォトトライアック762の端子T3と接続され、端子T1がヒータ43の端子pと接続される。また、メイントライアック763の端子T2は抵抗器を介して電力用ノイズフィルタ73の入力端子aと接続される。
【0060】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0061】
例えば、第1または第2の実施形態において、制御部6は、電源スイッチ71がオフされたと判定したときに(図6のステップS102)、タイマ94から時刻データを取得して、その時刻からの経過時間が所定の時間tzを経過したときにヒータ制御信号をOFFにしてもよい。
この時間tzは、ユーザにより電源スイッチ71がオフされたときから、Xコンデンサ731に蓄えられた残留電荷のすべてがヒータ43に放電されるまでの十分な時間であり、ヒータの内部抵抗およびXコンデンサの容量に基づいて決まる値である。時間tzは、記憶部93に予め記憶されたデータである。
これは、ACゼロクロス回路75が故障しているにもかかわらず、温度検出センサ42が検出した温度データが閾値Hdを超えなかった場合に有効な手段であり、時間tzが経過したタイミングで、異常が発生したことをユーザに通知することができる。
【0062】
前記各実施形態は、ヒータスイッチ回路76に保持電流以下でターンオフするトライアックを使用したが、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子を使用することもできる。この場合には、省電力等の制限があるがゲート電圧のみによりON/OFF状態を制御することができ、図6のステップS109にて、Xコンデンサ731にまだ電荷が残っている(残留電荷を放電中)と判定して、制御部6は、ヒータスイッチ回路76にヒータ制御信号を出力したままにすることで、残留放電し続けることができる。
すなわち、制御部6は、ゼロクロス信号を受信してから、所定時間内に次のゼロクロス信号を受信できなかったときに、ヒータスイッチ回路を制御して、Xコンデンサ731とヒータ43とを電気的に接続させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
2 給紙部
3 画像形成部
4 定着部
5 用紙搬送部
6 制御部
7 電源部
8 商用電源
10 加熱用電源部
20 用紙
21 用紙カセット
22 ピックアップローラ
31 現像装置
32 LEDヘッド
33 転写ローラ
41a,41b 定着ローラ
42 温度検出センサ
43 ヒータ
50 搬送路
51(51a,51b) レジストローラ
52 転写ベルト
52a,52b ドライブローラ
53 排出ローラ
71 電源スイッチ
72 保護素子
73 電力用ノイズフィルタ
74 AC−DC変換部
75 ACゼロクロス回路
76 ヒータスイッチ回路
91 通信部
92 アクチュエータ制御部
93 記憶部
94 タイマ
311 トナーカートリッジ
312 トナー供給ローラ
313 現像ローラ
314 帯電ローラ
315 感光ドラム
431 ハロゲンランプ
432 サーモスタット
731 Xコンデンサ
732 コモンモードチョークコイル
733,734 Yコンデンサ
751 トランス
752 整流回路
753 フォトカプラ
754 シュミットトリガ
761 コイル
762 フォトトライアック
763 メイントライアック
764 トランジスタ
931 ROM
932 RAM
7531 発光ダイオード
7532 フォトトランジスタ
7621 発光ダイオード
7622 トライアック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源の両端と切断可能に並列接続されるコンデンサと、前記商用電源および前記コンデンサから供給される交流電力が加熱を行うヒータとを備える画像形成装置であって、
前記商用電源から供給される交流電力が遮断されたとき、前記コンデンサに残存している残留電荷が前記ヒータに放電されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コンデンサの両端電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路と、
前記商用電源および前記コンデンサと前記ヒータとの間に挿入されるヒータスイッチ回路と、
前記ゼロクロス検出回路が前記ゼロクロス点を検出してから、所定時間内に次の前記ゼロクロス点を検出できなかったときに、前記ヒータスイッチ回路を電気的に接続させる制御部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コンデンサは、0.1μF以上のノーマルモードノイズ除去用コンデンサであり、
前記コンデンサの両端に放電抵抗器が接続されていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ヒータスイッチ回路は、トライアックを用いて通電制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
商用電源の両端と切断可能に並列接続され、両端に放電抵抗器が接続されていないコンデンサと、前記商用電源および前記コンデンサから供給される交流電力が加熱を行うヒータとを備える画像形成装置であって、
前記商用電源から供給される交流電力が遮断されたとき、前記コンデンサに残存している残留電荷が前記ヒータに放電されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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