画像形成装置
【課題】用紙搬送手段を簡単に着脱できることで作業コストを抑えられる。
【解決手段】記録ヘッドを搭載するキャリッジ4がキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されて搬送ベルト21によって搬送されてくる用紙上に記録液を吐出して画像を形成している。搬送ベルト21の上方には、キャリッジガイド部材3と、キャリッジガイド部材3に支持されるキャリッジ4とが存在するだけである。キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されているので簡単に取り外しができる。そして、キャリッジ4を取り外すと、搬送ベルト21の上方にはキャリッジガイド部材3のみが存在することになる。そして、テンションローラ23を軸に回動させ、搬送ベルト21を搬送ベルト21の上方に配置されたキャリッジガイド部材3以外の空間を介して着脱する。
【解決手段】記録ヘッドを搭載するキャリッジ4がキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されて搬送ベルト21によって搬送されてくる用紙上に記録液を吐出して画像を形成している。搬送ベルト21の上方には、キャリッジガイド部材3と、キャリッジガイド部材3に支持されるキャリッジ4とが存在するだけである。キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されているので簡単に取り外しができる。そして、キャリッジ4を取り外すと、搬送ベルト21の上方にはキャリッジガイド部材3のみが存在することになる。そして、テンションローラ23を軸に回動させ、搬送ベルト21を搬送ベルト21の上方に配置されたキャリッジガイド部材3以外の空間を介して着脱する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、複写機、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えばインクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備え、媒体を搬送しながらインク滴を用紙に付着させて画像形成を行うインクジェット記録装置がある。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
【0003】
画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置では、用紙をベルト上に吸着して搬送する用紙搬送手段によって搬送されてくる用紙上に記録液を記録ヘッドから吐出して画像を形成している。上記用紙搬送手段として静電吸着により搬送ベルトに用紙を吸着させる静電吸着搬送手段が提案されている。この静電吸着搬送手段を備えたインクジェット記録装置として、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0004】
この特許文献1のインクジェット記録装置では、図15に示すように、記録ヘッド201を搭載するキャリッジ202が用紙203の搬送方向である副走査方向(図中矢印aで示す方向)に対して直交する方向である主走査方向(図中双方向矢印bで示す方向)に移動走査しながら記録媒体である用紙203上にインクを吐出して画像を形成している。そして、左右の側板204A、204Bに横架したガイド部材である主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206の2本のガイドロッドで、キャリッジ202を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジ202は図示しない主走査モータによってタイミングベルト(図示せず)を介して主走査方向に移動走査する。そのキャリッジ202には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための記録ヘッド201、記録ヘッド201に駆動信号を与える電気回路基板(図示せず)及び記録ヘッド201に供給するインクを収容するサブタンク207を一体化した記録ヘッドユニットが搭載されている。記録ヘッド201のサブタンク207には各色の供給チューブ208を介して各色のインクカートリッジ209から各色のインクが補充供給される。そして、給紙部(図示せず)から給紙された用紙203を記録ヘッド201の下方側に送り込むために、用紙203を静電吸着して記録ヘッド201のノズル面に対向する位置に搬送するための上記静電吸着搬送手段の搬送ベルト210を備えている。
【0005】
この搬送ベルト210は無端状ベルトであり、搬送ローラ211とテンションローラ212との間に掛け渡されて、図15中の矢印aで示す副走査方向に周回するように構成している。搬送ベルト210、搬送ローラ211及びテンションローラ212を含み、搬送ベルト210を張架させた搬送ローラ211及びテンションローラ212を保持する保持部材(図示せず)によって一体化した搬送ベルトユニットを構成している。また、搬送ベルト210の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(図示せず)を備え、この帯電ローラが搬送ベルト210の表層に接触し、搬送ベルト210の回動に従動して回転するように配置されている。そして、図16の(a)に示すように、搬送ローラ211のローラ軸が軸受け部材213に嵌った状態となることで主走査方向及び副走査方向の位置決めが行われる。テンションローラ212のローラ軸は軸方向に直交する方向で軸受け部材214によって係止されている。そして、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ211が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。記録ヘッドから吐出されたインクの用紙上における着弾位置が維持され、あるいは用紙が記録ヘッドに接触して記録ヘッドを傷つけないようにするために、上記静電吸着搬送手段は記録ヘッドと用紙の間隔を一定に、かつ短い距離に保った状態で搬送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記静電吸着搬送手段の搬送ベルトは、印字に伴い飛散したインク、紙粉、ホコリ等の付着、また使用による搬送ベルトの表面の磨耗などにより、表面が汚れたり、傷つけられたりしてしまう。そのため、用紙の吸着力が低下してしまうので、搬送ベルトを交換することで機能を回復させる必要がある。
【0007】
上記特許文献1のインクジェット記録装置では、図16の(a)に示すように、搬送ベルトユニットの搬送ベルト210の上方空間に主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206が存在している。主ガイドロッド205には取り付け部材215によってキャリッジ202が摺動自在に取り付けられている。搬送ベルトユニットを着脱する際には、先ずこの取り付け部材215を取り外し、キャリッジ202を主ガイドロッド205から取り外す。一方、従ガイドロッド206にはキャリッジ202の一部が懸架しているだけであるので、キャリッジ202は各ガイドロッドから上方に取り出すことができる。そして、キャリッジ202を取り外した後搬送ベルトユニットを取り出そうとする際、図16の(b)に示すように、搬送ベルト210の上方に存在している主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206と搬送ベルト210との間にほとんどスペースがなく、2つのガイドロッドが邪魔になって、搬送ローラ211を軸受け部213から取り出すことができない。このため、キャリッジ202を取り外しただけでは搬送ベルトユニットを装置本体から取り出すことが難しい。
【0008】
そこで、2本のガイドロッドを装置本体の構造体から取り外すことが考えられるが、この2本のガイドロッドを取り外すには装置両側面の固定部材や他のユニットを取り外す必要があり、より手間がかかってしまう。よって、搬送ベルトユニットを交換する必要が発生した場合、交換に要する時間が増え、作業コストが非常に大きなものになってしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙搬送手段を簡単に着脱できることで作業コストを抑えられる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、用紙上に記録液を吐出する記録ヘッドを搭載するキャリッジと、該キャリッジを支持しながら用紙が搬送される方向の副走査方向に対して直交する主走査方向に前記キャリッジが移動走査するキャリッジガイド部材と、ベルト上に用紙を吸着させて搬送する無端状の搬送ベルト及び該搬送ベルトを張架して副走査方向に周回する一対のローラを一体化した、装置本体に着脱可能に取り付けられる用紙搬送手段とを備えた画像形成装置において、前記キャリッジガイド部材はキャリッジを片持ち梁で支持し、前記用紙搬送手段の着脱時に前記キャリッジを前記キャリッジガイド部材から取り除き、前記キャリッジガイド部材以外の前記搬送ベルトの上方に現れる空間から、前記用紙搬送手段を着脱することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用紙搬送手段を簡単に着脱できることで作業コストを抑えられるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】画像形成装置の機構部の要部平面図である。
【図3】機構部の要部斜視図である。
【図4】キャリッジの側面図である。
【図5】キャリッジの斜視図である。
【図6】キャリッジの正面図である。
【図7】本実施形態の画像形成装置における搬送ベルトユニットを取り出す様子を示す概略断面図である。
【図8】搬送ベルトユニットの取り出し可能条件を示す概略断面図である。
【図9】従来の搬送ベルトユニットの締結方向を示す部分斜視図である。
【図10】本実施形態の搬送ベルトユニットの締結方向を示す部分斜視図である。
【図11】本実施形態の搬送ローラの軸受け部材の構成を示す側面図である。
【図12】本実施形態の搬送ベルトユニットに設けられた突起部の構成を示す側面図である。
【図13】支持部材の締結部の構成を示す図である。
【図14】締結部材の別の例を示す斜視図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置の構成を示す概略平面図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置における搬送ベルトユニットの着脱の様子を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本実施形態に係る画像形成装置の一例の概要について図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態の画像形成装置の外観斜視図、図2は画像形成装置の機構部の平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体100の上面側に開閉可能にカバー101が設けられ、このカバー101を開くことで内部の機構部にアクセスすることができる。装置本体100の前面には、画像が形成された用紙を排紙する排紙トレイ103が設けられている。
【0015】
機構部は、図2に示すように、左右の側板1A、1Bに横架した案内部材であるキャリッジガイド部材3にてキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に支持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7との間に張架されたタイミングベルト8を介してキャリッジ4を主走査方向に移動走査する。
【0016】
このキャリッジ4には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドにインクを供給するヘッドタンクを含む記録ヘッドユニット(以下、単に「記録ヘッド」ともいう。)11を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。これらの複数の記録ヘッド11は図示しないヘッドホルダに保持されることでユニット化されてキャリッジ4に搭載されている。
【0017】
また、キャリッジ4の主走査方向に沿ってエンコーダスケール15を配置し、キャリッジ4側にはエンコーダスケール15の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ16を取り付け、これらのエンコーダスケール15とエンコーダセンサ16とで位置検出装置としてのリニアエンコーダを構成している。
【0018】
一方、キャリッジ4の下側には、図示しない用紙を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト21を配置している。この搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ23との間に掛け渡されて、副走査モータ31によってタイミングベルト32及びタイミングプーリ33を介して搬送ローラ22が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動される。
【0019】
更に、キャリッジ4の主走査方向の一方側には搬送ベルト21の側方に記録ヘッド11の維持回復を行う維持回復機構41が配置されている。なお、維持回復機構41は、例えば記録ヘッド11のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材、ノズル面を払拭するワイパ部材、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0020】
また、図2に示す搬送ベルト21や、図1に示す給排紙トレイ103が、装置本体100に対して着脱自在に装着される。
【0021】
このような構成を有する本実施形態の画像形成装置においては、給紙された用紙を搬送ベルト21で間歇的に搬送し、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動する。これにより、停止している用紙に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行う動作を繰り返して用紙上に画像を形成し、画像形成後用紙を排紙する。
【0022】
次に、この画像形成装置におけるキャリッジの支持構造及び高さ調整機構について図3乃至図6を参照して説明する。図3は画像形成装置の機構部の要部斜視図、図4はキャリッジの側面図、図5はキャリッジの斜視図、図6はキャリッジの正面図である。
【0023】
キャリッジガイド部材3は板金部材からなり、板金部材の長手方向(キャリッジの走査方向)と直交する短手方向の少なくとも2箇所で、それぞれ同一の折り曲げ方向で直角に折り曲げる。折り曲げられたキャリッジガイド部材3には、3つの外側面及び3つの内側面が作られる。その3つの内側面のうち中央に位置する内側面を鉛直方向の上方を向く底面301にする。そして、鉛直方向に延びた2つの外側面をそれぞれ搬送方向上下流を向く上流外側面303、下流外側面302にする。底面301は、キャリッジ4の高さを決める面であり、キャリッジ4の高さを調整する調整機構を含む摺動部401を支持する面である。また、下流側外側面302には、キャリッジ4の一部から鉛直方向の下方向に延びた摺動部402から搬送方向の上流側に向って突起した突起部402−1が摺動自在に当接する。更に、上流外側面303には、キャリッジ4の一部から搬送方向の下流側に向って突起した摺動部403が摺動自在に当接する。また、上流外側面303は、キャリッジ4の自重による、摺動部402の突起部402−1と下流外側面302との接点を中心にした図4中での時計回りの回転モーメントを受け止める。このため、キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で保持されることになる。そして、下流外側面302及び上流外側面303によってキャリッジ4の副走査方向位置が決められている。
【0024】
このような構成により、キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されている。そして、搬送ベルト21の搬送方向の上流側には先端加圧コロ61を有する加圧ユニット60が設けられ、搬送ベルト21の搬送方向の下流側には排紙ローラ62と拍車63が設けられている。給紙トレイから搬送されてくる用紙は、搬送ベルト21と先端加圧コロ61との間に案内され、搬送ベルト21の静電吸着によって搬送される。そして、記録ヘッド11のノズル面下を搬送される用紙上に、ノズルから液滴が吐出される。搬送ベルト21の下流側に搬送された用紙の先端が排紙ローラ62と拍車63とによって挟持されることで用紙は搬送ベルト21から離れ、排紙トレイ側へ搬送される。
【0025】
ここで、用紙の厚さに応じて搬送ベルトのベルト表面からのノズル面の高さを調整する高さ調整機構について説明する。用紙の2つの厚さに対す高さ調整機構を例として説明する。キャリッジ4の摺動部401は、主走査方向を回転軸心とする回転部材501がキャリッジ4に固定された4個の保持部材504にて回転自在に保持されている。この回転部材501は、底面301に摺動自在に接する摺動面512を有する2つのカム部材502と、主走査方向に沿って斜めに湾曲して形成された当接面(回転誘導面、ガイド面)513を有する第1の回転誘導部材503と、同じく主走査方向に沿って斜めに形成された当接面(回転誘導面、ガイド面)514を有する第2の回転誘導部材504とが設けられている。これら2つの第1、第2の回転誘導部材503、504は底面301に接していないので自由に回動可能となっている。そして、第1の回転誘導部材503が2段階の高さ調整用の部材であって第1の高さから第2の高さに調整する部品である。一方、第2の回転誘導部材504は第2の高さから第1の高さに戻す高さ調整用の部材である。
【0026】
画像形成動作を行う前に上位装置から用紙厚みデータが装置本体の主制御部に供給されると、主制御部はノズル面の高さ調整動作を行う。例えば上述したように用紙の2つの厚さに対する高さ調整動作を行う場合、第1の紙厚より厚い第2の紙厚の用紙厚みデータが装置本体の主制御部に供給される。主制御部はキャリッジ4を副走査する副走査モータを駆動させ、キャリッジ4を図6中の矢印Aの方向に移動させる。そして、装置本体の一方の側板(図示せず)に設けられたピン603の先端に第1の回転誘導部材503の当接面513を当てる。キャリッジ4の移動量に応じてピン603の先端が当接面513の面を所定量押圧すると、斜めに湾曲した当接面513の面に対しピン603の押圧による応力モーメントが働き、第1の回転誘導部材503が所定量回動する。そして、回転部材501が回転して回転部材501の軸部に取り付けられているカム部材502が回転する。底面301と各支持面512とが当接する。これにより、カム部材502は円板カムと呼ばれる中心から円周までの距離が一定でないため、カム部材502が回転することで、回転部材501の軸位置と底面301との間の高さが第1の高さから第2の高さに変化する。調整された高さはキャリッジ4の自重で維持される。
【0027】
一方、第2の用紙厚みから第1の用紙厚みへ調整する場合、主制御部はキャリッジ4を副走査する副走査モータを駆動させ、キャリッジ4が図6中の矢印Bの方向に移動させる。そして、装置本体の他方の側板(図示せず)に設けられたピン604の先端に第2の回転誘導部材504の当接面514を当てる。キャリッジ4の移動量に応じてピン604の先端が当接面514の面を所定量押圧すると、斜めに湾曲した当接面514の面に対しピン604の押圧による応力モーメントが働き、第2の回転誘導部材504が第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に所定量回動する。そして、回転部材501も第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に回転し、カム部材502も第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に回転する。これにより、回転部材501の軸位置と底面301との間の高さは第2の高さから第1の高さに戻る。キャリッジガイド部材3は固定されており、キャリッジガイド部材3の底面301が基準となってキャリッジ4が昇降する。このため、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド11のノズル面が鉛直方向に移動する。よって、上位装置から供給される用紙厚みデータに応じてノズル面が昇降することで、固定されている搬送ベルト21のベルト表面からのノズル面の高さが調整される。
【0028】
次に、本実施形態において搬送ベルトユニットを取り外す手順について図面に従って説明する。図7は搬送ベルトユニットの取り外し手順を示す概略断面図である。同図の(a)に示すように、キャリッジ4を持ち上げてキャリッジ4の2つの摺動部402、403とキャリッジガイド部材3の下流外側面302、上流外側面303とが当接している状態からキャリッジ4をキャリッジガイド部材3から取り外す。そして、加圧ユニット60、排紙ローラ62及び拍車63を取り外す。これらの部品を取り出した後には、図7の(b)に示すように、搬送ベルト21の上方に、キャリッジガイド部材3が配置されていた空間が現れる。そして、図7の(c)に示すように、搬送ローラ22を軸受け部材24から取り外し、搬送ベルトユニット全体を、テンションローラ23を回動軸にして回動させる。この搬送ベルトユニットを装置外部へ取り出す。本実施形態の画像形成装置では、上述したように、キャリッジガイド部材3に片持ち梁でキャリッジ4が支持され移動走査する構成となっているので、キャリッジガイド部材3は1つで済む。そして、キャリッジガイド部材3は搬送ローラ22又はテンションローラ23のいずれかのローラ寄りに配置させればよいため、搬送ベルト21の上方にはキャリッジガイド部材3が配置された空間以外に大きな空間が存在している。これにより、搬送ベルトユニットを装置本体から外部へ簡単に取り出すことができる。取り出し手順の逆の手順で行うことで搬送ベルトユニットを装置本体に簡単に装着することができる。
【0029】
ここで、図8は搬送ベルトユニットの着脱可能となるキャリッジガイド部材3の副走査方向における設置位置を示す概略構成図である。同図において点線で示すキャリッジガイド部材3の設置位置から搬送ローラ22側に移動させた設置位置が実線で示されている。この実線で示す設置位置において、テンションローラ23を回動軸にして搬送ベルトユニットの搬送ローラ22を軸受け部材24から取り出せるためには、キャリッジガイド部材3の下端縁26及び筐体の上端縁27に搬送ベルトユニットが触れることなく搬送ベルトユニットを装置外部へ移動できる開口が必要となる。この条件を満足するよう、キャリッジガイド部材3の副走査方向における設置位置、及びキャリッジガイド部材3の下端縁26と搬送ベルトの表面との間隔をそれぞれ設定する。これにより、搬送ベルトユニットを簡単に取り出すことができる。
【0030】
また、図9は従来の搬送ベルトユニット及び該搬送ベルトユニットを支持する支持部材の部分斜視図である。同図に示すように、従来の搬送ベルトユニットを装置本体に取り付ける締結部28は、搬送ローラ22とテンションローラ23とを保持する保持部材29の一部からローラ軸方向に延び、略鉛直方向の下方に折り曲げられている。そして、この締結部28にはネジ30を通すネジ穴が設けられ、ネジ穴にネジ30を通して支持部材31側に設けられた被締結部(図示せず)との間で図9中の矢印xで示す締結方向から締め付ける。従来は、締結部28を覆うサイドカバー(図示せず)を取り外す作業が必要となり、搬送ベルトユニットの装置本体への締結作業が煩雑となっていた。一方、本実施形態の搬送ベルトユニット及び該搬送ベルトユニットを支持する支持部材の部分斜視図である図10に示すように、本実施形態の画像形成装置において、締結部28は、保持部材29の一部から搬送ベルト21の搬送方向に直交する方向に延びている。ネジ30の締結方向は、図10中の矢印Yで示す方向である。この締結方向は搬送ベルトユニットの着脱方向とほぼ同じ方向である。図10で図示していないがサイドカバーを取り外されていない。このため、サイドカバーを取り外すことなく、キャリッジを取り外した後に搬送ベルトユニットの上方に存在するスペースから締結部28があらわれる。このため、あらわれた締結部28へのネジ30の取り外し又は取り付けが容易となる。よって、搬送ベルトユニットの着脱作業を簡単に行うことができる。
【0031】
更に、搬送ローラ22の軸受け部材24では、図11に示すように、ローラ軸に直交する平面内において着脱方向(図11中の矢印C)と直交する方向(図11中の矢印D)での搬送ローラ22の位置決めが行われる。また、軸受け部材24の内壁下端に、搬送ローラ22に設けられた溝部(図示せず)が嵌ることで、あるいは搬送ベルトユニットの保持部材に設けられた位置決め部材が支持部材31に設けられた基準部(図示せず)に当接することで、搬送ベルト21のベルト表面と、ベルト表面に対向するノズル面との平行度が定まる。軸受け部材24の開口形状は図11に示すU字形状以外に、V字形状であってもよい。
【0032】
また、図12に示すように、搬送ベルトユニットにおいて、搬送ローラ22とテンションローラ23とを保持する保持部材29の少なくとも互いに離れた2箇所に、搬送ベルトの外周面よりも外側に向って突起する突起部32がそれぞれ設けられている。突起部32がある保持部材29の端縁と当該突起部32がない保持部材29の端縁との間に段差が生じることになる。そして、交換作業等のために搬送ベルトユニットを平坦な作業台に置いたときに、搬送ベルトユニットの保持部材29には上記段差があるので搬送ベルトのベルト表面と作業台の表面との間に隙間が存在する。このため、搬送ベルトのベルト表面は作業台の表面に接触しない。これにより、搬送ベルトのベルト表面が傷付いたり、ベルト表面に汚れが付着したりすることを防止することができる。
【0033】
更に、図13の(a)に示すように、搬送ベルトユニット側の締結部28と締結する締結部33を支持部材31の一部に設ける。図13の(b)に示すように、この締結部33は支持部材31の端縁の一部から鉛直方向に延びた部材であり、装置の内側に曲げ加工が施されることで弾性効果を持たせている。搬送ベルトユニット側の締結部28の締結面と対向する面を有している。この面にはネジ30が通過する穴34が開いている。この締結部33は、保持部材29の下端面と支持部材31の上端縁との当接部分である位置決め部35(図13の(a)の点線で囲んだ部分の拡大図である図13の(c)参照)における加工寸法公差、及び搬送ベルトにおける搬送ローラ22のローラ軸を含む平面の傾きに対する寸法公差に伴って生じる搬送ローラ22の軸位置のずれを締結部33の弾力効果を利用して吸収する構成となっている。これにより、組立精度の向上が期待できる。
【0034】
また、図10に示したように搬送ベルトユニットの支持部材と保持部材との締結はネジで行ったが、図14に示すようなスナップフィット36を用いても良い。このスナップフィット36は、搬送ベルトユニットの保持部材の一部であって装置本体の支持部材側に向く端縁に設けられる。スナップフィット36は搬送ベルトユニットの保持部材から延びた部材に曲げ加工を施して形成された爪部36−1を有している。この爪部36−1は弾性力を持ち、弾性力が働く方向(図14中矢印Eの方向)に向って突起した締結部36−2を有している。この締結部36−2の装填方向における2つの面はテーパ状になっており、受け側となる構造体である支持部材に設けられた開口部に突起部36−2が入り易く、かつ取り外し易くなっている。開口部の開口形状は突起部36−2の長手方向における断面形状にほぼ同じである。そして、支持部材の側板の内面側にスナップフィット36の爪部36−1を挿入させて支持部材に設けられた開口部に突起部36−2を嵌め込む。これにより、突起部36−2は爪部36−1の弾性力で支持部材の開口部に保持され、搬送ベルトユニットは装置本体側の支持部材に締結される。よって、着脱の容易性が向上し、かつネジが不要となって部品の削減によるコストダウンの効果が期待できる。
【0035】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
片持ち梁のキャリッジをキャリッジガイド部材から取り除き、搬送ベルトの上方に配置されるキャリッジガイド部材以外の空間へ向う間で、用紙搬送手段を着脱する。これによれば、上記実施形態について説明したように、片持ち梁のキャリッジガイド部材3を避けるだけで簡単に用紙搬送手段である搬送ベルトユニットを着脱できる。よって、交換に要する時間を短縮でき、作業コストを抑えることができる。
(態様B)
(態様A)において、搬送ベルトを張架する一対のローラの一方を軸に回動させた用紙搬送手段のローラの他方から、搬送ベルトの上方に配置されるキャリッジガイド部材以外の空間を介して着脱する。これによれば、上記実施形態について説明したように、一方のローラを軸にして回動することで着脱空間が小さくなっても着脱できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、用紙搬送手段は搬送ベルトの外周部よりも突出した突起部を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置本体から取り出した用紙搬送手段である搬送ベルトユニットを作業台等に置いたときに搬送ベルト21の表面と作業台との間に隙間がある。これにより、搬送ベルトの表面が作業台に接せず搬送ベルトの表面を保護することができる。
(態様D)
(態様A)〜(態様C)のいずれかにおいて、用紙搬送手段を筐体の一部に締結部材で締結する締結方向を用紙搬送手段の着脱方向と略同じとする。これによれば、上記実施形態について説明したように、より着脱作業が簡単になるため、交換に要する時間をより一層短縮でき作業コストを抑えることができる。
(態様E)
(態様D)において、用紙搬送手段を締結部材で筐体の一部に締結される締結部には弾性加工が施されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、弾性加工が施された締結部に締結部材による締結する量を調整して用紙搬送手段の筐体に対する位置調整が簡単にできる。
(態様F)
(態様D)又は(態様E)において、締結部材はネジ又は爪形状のスナップフィットとする。これによれば、上記実施形態について説明したように、締結部材としてネジ30、あるいはスナップフィット36を用いる。これにより、締結作業が簡単になり、交換に要する時間をより一層短縮でき作業コストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0036】
3 キャリッジガイド部材
4 キャリッジ
21 搬送ベルト
22 搬送ローラ
23 テンションローラ
24 軸受け部材
25 軸受け部材
26 下端縁
27 上端縁
28 締結部
29 保持部材
30 ネジ
31 支持部材
32 突起部
33 締結部
34 位置決め部
35 穴
36 スナップフィット
36−1 爪部
36−2 突起部
301 底面
302 下流外側面
303 上流外側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】特開2011−031606号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、複写機、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えばインクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備え、媒体を搬送しながらインク滴を用紙に付着させて画像形成を行うインクジェット記録装置がある。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
【0003】
画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置では、用紙をベルト上に吸着して搬送する用紙搬送手段によって搬送されてくる用紙上に記録液を記録ヘッドから吐出して画像を形成している。上記用紙搬送手段として静電吸着により搬送ベルトに用紙を吸着させる静電吸着搬送手段が提案されている。この静電吸着搬送手段を備えたインクジェット記録装置として、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0004】
この特許文献1のインクジェット記録装置では、図15に示すように、記録ヘッド201を搭載するキャリッジ202が用紙203の搬送方向である副走査方向(図中矢印aで示す方向)に対して直交する方向である主走査方向(図中双方向矢印bで示す方向)に移動走査しながら記録媒体である用紙203上にインクを吐出して画像を形成している。そして、左右の側板204A、204Bに横架したガイド部材である主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206の2本のガイドロッドで、キャリッジ202を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジ202は図示しない主走査モータによってタイミングベルト(図示せず)を介して主走査方向に移動走査する。そのキャリッジ202には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための記録ヘッド201、記録ヘッド201に駆動信号を与える電気回路基板(図示せず)及び記録ヘッド201に供給するインクを収容するサブタンク207を一体化した記録ヘッドユニットが搭載されている。記録ヘッド201のサブタンク207には各色の供給チューブ208を介して各色のインクカートリッジ209から各色のインクが補充供給される。そして、給紙部(図示せず)から給紙された用紙203を記録ヘッド201の下方側に送り込むために、用紙203を静電吸着して記録ヘッド201のノズル面に対向する位置に搬送するための上記静電吸着搬送手段の搬送ベルト210を備えている。
【0005】
この搬送ベルト210は無端状ベルトであり、搬送ローラ211とテンションローラ212との間に掛け渡されて、図15中の矢印aで示す副走査方向に周回するように構成している。搬送ベルト210、搬送ローラ211及びテンションローラ212を含み、搬送ベルト210を張架させた搬送ローラ211及びテンションローラ212を保持する保持部材(図示せず)によって一体化した搬送ベルトユニットを構成している。また、搬送ベルト210の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(図示せず)を備え、この帯電ローラが搬送ベルト210の表層に接触し、搬送ベルト210の回動に従動して回転するように配置されている。そして、図16の(a)に示すように、搬送ローラ211のローラ軸が軸受け部材213に嵌った状態となることで主走査方向及び副走査方向の位置決めが行われる。テンションローラ212のローラ軸は軸方向に直交する方向で軸受け部材214によって係止されている。そして、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ211が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。記録ヘッドから吐出されたインクの用紙上における着弾位置が維持され、あるいは用紙が記録ヘッドに接触して記録ヘッドを傷つけないようにするために、上記静電吸着搬送手段は記録ヘッドと用紙の間隔を一定に、かつ短い距離に保った状態で搬送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記静電吸着搬送手段の搬送ベルトは、印字に伴い飛散したインク、紙粉、ホコリ等の付着、また使用による搬送ベルトの表面の磨耗などにより、表面が汚れたり、傷つけられたりしてしまう。そのため、用紙の吸着力が低下してしまうので、搬送ベルトを交換することで機能を回復させる必要がある。
【0007】
上記特許文献1のインクジェット記録装置では、図16の(a)に示すように、搬送ベルトユニットの搬送ベルト210の上方空間に主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206が存在している。主ガイドロッド205には取り付け部材215によってキャリッジ202が摺動自在に取り付けられている。搬送ベルトユニットを着脱する際には、先ずこの取り付け部材215を取り外し、キャリッジ202を主ガイドロッド205から取り外す。一方、従ガイドロッド206にはキャリッジ202の一部が懸架しているだけであるので、キャリッジ202は各ガイドロッドから上方に取り出すことができる。そして、キャリッジ202を取り外した後搬送ベルトユニットを取り出そうとする際、図16の(b)に示すように、搬送ベルト210の上方に存在している主ガイドロッド205及び従ガイドロッド206と搬送ベルト210との間にほとんどスペースがなく、2つのガイドロッドが邪魔になって、搬送ローラ211を軸受け部213から取り出すことができない。このため、キャリッジ202を取り外しただけでは搬送ベルトユニットを装置本体から取り出すことが難しい。
【0008】
そこで、2本のガイドロッドを装置本体の構造体から取り外すことが考えられるが、この2本のガイドロッドを取り外すには装置両側面の固定部材や他のユニットを取り外す必要があり、より手間がかかってしまう。よって、搬送ベルトユニットを交換する必要が発生した場合、交換に要する時間が増え、作業コストが非常に大きなものになってしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙搬送手段を簡単に着脱できることで作業コストを抑えられる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、用紙上に記録液を吐出する記録ヘッドを搭載するキャリッジと、該キャリッジを支持しながら用紙が搬送される方向の副走査方向に対して直交する主走査方向に前記キャリッジが移動走査するキャリッジガイド部材と、ベルト上に用紙を吸着させて搬送する無端状の搬送ベルト及び該搬送ベルトを張架して副走査方向に周回する一対のローラを一体化した、装置本体に着脱可能に取り付けられる用紙搬送手段とを備えた画像形成装置において、前記キャリッジガイド部材はキャリッジを片持ち梁で支持し、前記用紙搬送手段の着脱時に前記キャリッジを前記キャリッジガイド部材から取り除き、前記キャリッジガイド部材以外の前記搬送ベルトの上方に現れる空間から、前記用紙搬送手段を着脱することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用紙搬送手段を簡単に着脱できることで作業コストを抑えられるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】画像形成装置の機構部の要部平面図である。
【図3】機構部の要部斜視図である。
【図4】キャリッジの側面図である。
【図5】キャリッジの斜視図である。
【図6】キャリッジの正面図である。
【図7】本実施形態の画像形成装置における搬送ベルトユニットを取り出す様子を示す概略断面図である。
【図8】搬送ベルトユニットの取り出し可能条件を示す概略断面図である。
【図9】従来の搬送ベルトユニットの締結方向を示す部分斜視図である。
【図10】本実施形態の搬送ベルトユニットの締結方向を示す部分斜視図である。
【図11】本実施形態の搬送ローラの軸受け部材の構成を示す側面図である。
【図12】本実施形態の搬送ベルトユニットに設けられた突起部の構成を示す側面図である。
【図13】支持部材の締結部の構成を示す図である。
【図14】締結部材の別の例を示す斜視図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置の構成を示す概略平面図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置における搬送ベルトユニットの着脱の様子を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本実施形態に係る画像形成装置の一例の概要について図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態の画像形成装置の外観斜視図、図2は画像形成装置の機構部の平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体100の上面側に開閉可能にカバー101が設けられ、このカバー101を開くことで内部の機構部にアクセスすることができる。装置本体100の前面には、画像が形成された用紙を排紙する排紙トレイ103が設けられている。
【0015】
機構部は、図2に示すように、左右の側板1A、1Bに横架した案内部材であるキャリッジガイド部材3にてキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に支持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7との間に張架されたタイミングベルト8を介してキャリッジ4を主走査方向に移動走査する。
【0016】
このキャリッジ4には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドにインクを供給するヘッドタンクを含む記録ヘッドユニット(以下、単に「記録ヘッド」ともいう。)11を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。これらの複数の記録ヘッド11は図示しないヘッドホルダに保持されることでユニット化されてキャリッジ4に搭載されている。
【0017】
また、キャリッジ4の主走査方向に沿ってエンコーダスケール15を配置し、キャリッジ4側にはエンコーダスケール15の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ16を取り付け、これらのエンコーダスケール15とエンコーダセンサ16とで位置検出装置としてのリニアエンコーダを構成している。
【0018】
一方、キャリッジ4の下側には、図示しない用紙を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト21を配置している。この搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ23との間に掛け渡されて、副走査モータ31によってタイミングベルト32及びタイミングプーリ33を介して搬送ローラ22が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動される。
【0019】
更に、キャリッジ4の主走査方向の一方側には搬送ベルト21の側方に記録ヘッド11の維持回復を行う維持回復機構41が配置されている。なお、維持回復機構41は、例えば記録ヘッド11のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材、ノズル面を払拭するワイパ部材、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0020】
また、図2に示す搬送ベルト21や、図1に示す給排紙トレイ103が、装置本体100に対して着脱自在に装着される。
【0021】
このような構成を有する本実施形態の画像形成装置においては、給紙された用紙を搬送ベルト21で間歇的に搬送し、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動する。これにより、停止している用紙に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行う動作を繰り返して用紙上に画像を形成し、画像形成後用紙を排紙する。
【0022】
次に、この画像形成装置におけるキャリッジの支持構造及び高さ調整機構について図3乃至図6を参照して説明する。図3は画像形成装置の機構部の要部斜視図、図4はキャリッジの側面図、図5はキャリッジの斜視図、図6はキャリッジの正面図である。
【0023】
キャリッジガイド部材3は板金部材からなり、板金部材の長手方向(キャリッジの走査方向)と直交する短手方向の少なくとも2箇所で、それぞれ同一の折り曲げ方向で直角に折り曲げる。折り曲げられたキャリッジガイド部材3には、3つの外側面及び3つの内側面が作られる。その3つの内側面のうち中央に位置する内側面を鉛直方向の上方を向く底面301にする。そして、鉛直方向に延びた2つの外側面をそれぞれ搬送方向上下流を向く上流外側面303、下流外側面302にする。底面301は、キャリッジ4の高さを決める面であり、キャリッジ4の高さを調整する調整機構を含む摺動部401を支持する面である。また、下流側外側面302には、キャリッジ4の一部から鉛直方向の下方向に延びた摺動部402から搬送方向の上流側に向って突起した突起部402−1が摺動自在に当接する。更に、上流外側面303には、キャリッジ4の一部から搬送方向の下流側に向って突起した摺動部403が摺動自在に当接する。また、上流外側面303は、キャリッジ4の自重による、摺動部402の突起部402−1と下流外側面302との接点を中心にした図4中での時計回りの回転モーメントを受け止める。このため、キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で保持されることになる。そして、下流外側面302及び上流外側面303によってキャリッジ4の副走査方向位置が決められている。
【0024】
このような構成により、キャリッジ4はキャリッジガイド部材3に片持ち梁で支持されている。そして、搬送ベルト21の搬送方向の上流側には先端加圧コロ61を有する加圧ユニット60が設けられ、搬送ベルト21の搬送方向の下流側には排紙ローラ62と拍車63が設けられている。給紙トレイから搬送されてくる用紙は、搬送ベルト21と先端加圧コロ61との間に案内され、搬送ベルト21の静電吸着によって搬送される。そして、記録ヘッド11のノズル面下を搬送される用紙上に、ノズルから液滴が吐出される。搬送ベルト21の下流側に搬送された用紙の先端が排紙ローラ62と拍車63とによって挟持されることで用紙は搬送ベルト21から離れ、排紙トレイ側へ搬送される。
【0025】
ここで、用紙の厚さに応じて搬送ベルトのベルト表面からのノズル面の高さを調整する高さ調整機構について説明する。用紙の2つの厚さに対す高さ調整機構を例として説明する。キャリッジ4の摺動部401は、主走査方向を回転軸心とする回転部材501がキャリッジ4に固定された4個の保持部材504にて回転自在に保持されている。この回転部材501は、底面301に摺動自在に接する摺動面512を有する2つのカム部材502と、主走査方向に沿って斜めに湾曲して形成された当接面(回転誘導面、ガイド面)513を有する第1の回転誘導部材503と、同じく主走査方向に沿って斜めに形成された当接面(回転誘導面、ガイド面)514を有する第2の回転誘導部材504とが設けられている。これら2つの第1、第2の回転誘導部材503、504は底面301に接していないので自由に回動可能となっている。そして、第1の回転誘導部材503が2段階の高さ調整用の部材であって第1の高さから第2の高さに調整する部品である。一方、第2の回転誘導部材504は第2の高さから第1の高さに戻す高さ調整用の部材である。
【0026】
画像形成動作を行う前に上位装置から用紙厚みデータが装置本体の主制御部に供給されると、主制御部はノズル面の高さ調整動作を行う。例えば上述したように用紙の2つの厚さに対する高さ調整動作を行う場合、第1の紙厚より厚い第2の紙厚の用紙厚みデータが装置本体の主制御部に供給される。主制御部はキャリッジ4を副走査する副走査モータを駆動させ、キャリッジ4を図6中の矢印Aの方向に移動させる。そして、装置本体の一方の側板(図示せず)に設けられたピン603の先端に第1の回転誘導部材503の当接面513を当てる。キャリッジ4の移動量に応じてピン603の先端が当接面513の面を所定量押圧すると、斜めに湾曲した当接面513の面に対しピン603の押圧による応力モーメントが働き、第1の回転誘導部材503が所定量回動する。そして、回転部材501が回転して回転部材501の軸部に取り付けられているカム部材502が回転する。底面301と各支持面512とが当接する。これにより、カム部材502は円板カムと呼ばれる中心から円周までの距離が一定でないため、カム部材502が回転することで、回転部材501の軸位置と底面301との間の高さが第1の高さから第2の高さに変化する。調整された高さはキャリッジ4の自重で維持される。
【0027】
一方、第2の用紙厚みから第1の用紙厚みへ調整する場合、主制御部はキャリッジ4を副走査する副走査モータを駆動させ、キャリッジ4が図6中の矢印Bの方向に移動させる。そして、装置本体の他方の側板(図示せず)に設けられたピン604の先端に第2の回転誘導部材504の当接面514を当てる。キャリッジ4の移動量に応じてピン604の先端が当接面514の面を所定量押圧すると、斜めに湾曲した当接面514の面に対しピン604の押圧による応力モーメントが働き、第2の回転誘導部材504が第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に所定量回動する。そして、回転部材501も第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に回転し、カム部材502も第1の回転誘導部材503の回転方向とは逆方向に回転する。これにより、回転部材501の軸位置と底面301との間の高さは第2の高さから第1の高さに戻る。キャリッジガイド部材3は固定されており、キャリッジガイド部材3の底面301が基準となってキャリッジ4が昇降する。このため、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド11のノズル面が鉛直方向に移動する。よって、上位装置から供給される用紙厚みデータに応じてノズル面が昇降することで、固定されている搬送ベルト21のベルト表面からのノズル面の高さが調整される。
【0028】
次に、本実施形態において搬送ベルトユニットを取り外す手順について図面に従って説明する。図7は搬送ベルトユニットの取り外し手順を示す概略断面図である。同図の(a)に示すように、キャリッジ4を持ち上げてキャリッジ4の2つの摺動部402、403とキャリッジガイド部材3の下流外側面302、上流外側面303とが当接している状態からキャリッジ4をキャリッジガイド部材3から取り外す。そして、加圧ユニット60、排紙ローラ62及び拍車63を取り外す。これらの部品を取り出した後には、図7の(b)に示すように、搬送ベルト21の上方に、キャリッジガイド部材3が配置されていた空間が現れる。そして、図7の(c)に示すように、搬送ローラ22を軸受け部材24から取り外し、搬送ベルトユニット全体を、テンションローラ23を回動軸にして回動させる。この搬送ベルトユニットを装置外部へ取り出す。本実施形態の画像形成装置では、上述したように、キャリッジガイド部材3に片持ち梁でキャリッジ4が支持され移動走査する構成となっているので、キャリッジガイド部材3は1つで済む。そして、キャリッジガイド部材3は搬送ローラ22又はテンションローラ23のいずれかのローラ寄りに配置させればよいため、搬送ベルト21の上方にはキャリッジガイド部材3が配置された空間以外に大きな空間が存在している。これにより、搬送ベルトユニットを装置本体から外部へ簡単に取り出すことができる。取り出し手順の逆の手順で行うことで搬送ベルトユニットを装置本体に簡単に装着することができる。
【0029】
ここで、図8は搬送ベルトユニットの着脱可能となるキャリッジガイド部材3の副走査方向における設置位置を示す概略構成図である。同図において点線で示すキャリッジガイド部材3の設置位置から搬送ローラ22側に移動させた設置位置が実線で示されている。この実線で示す設置位置において、テンションローラ23を回動軸にして搬送ベルトユニットの搬送ローラ22を軸受け部材24から取り出せるためには、キャリッジガイド部材3の下端縁26及び筐体の上端縁27に搬送ベルトユニットが触れることなく搬送ベルトユニットを装置外部へ移動できる開口が必要となる。この条件を満足するよう、キャリッジガイド部材3の副走査方向における設置位置、及びキャリッジガイド部材3の下端縁26と搬送ベルトの表面との間隔をそれぞれ設定する。これにより、搬送ベルトユニットを簡単に取り出すことができる。
【0030】
また、図9は従来の搬送ベルトユニット及び該搬送ベルトユニットを支持する支持部材の部分斜視図である。同図に示すように、従来の搬送ベルトユニットを装置本体に取り付ける締結部28は、搬送ローラ22とテンションローラ23とを保持する保持部材29の一部からローラ軸方向に延び、略鉛直方向の下方に折り曲げられている。そして、この締結部28にはネジ30を通すネジ穴が設けられ、ネジ穴にネジ30を通して支持部材31側に設けられた被締結部(図示せず)との間で図9中の矢印xで示す締結方向から締め付ける。従来は、締結部28を覆うサイドカバー(図示せず)を取り外す作業が必要となり、搬送ベルトユニットの装置本体への締結作業が煩雑となっていた。一方、本実施形態の搬送ベルトユニット及び該搬送ベルトユニットを支持する支持部材の部分斜視図である図10に示すように、本実施形態の画像形成装置において、締結部28は、保持部材29の一部から搬送ベルト21の搬送方向に直交する方向に延びている。ネジ30の締結方向は、図10中の矢印Yで示す方向である。この締結方向は搬送ベルトユニットの着脱方向とほぼ同じ方向である。図10で図示していないがサイドカバーを取り外されていない。このため、サイドカバーを取り外すことなく、キャリッジを取り外した後に搬送ベルトユニットの上方に存在するスペースから締結部28があらわれる。このため、あらわれた締結部28へのネジ30の取り外し又は取り付けが容易となる。よって、搬送ベルトユニットの着脱作業を簡単に行うことができる。
【0031】
更に、搬送ローラ22の軸受け部材24では、図11に示すように、ローラ軸に直交する平面内において着脱方向(図11中の矢印C)と直交する方向(図11中の矢印D)での搬送ローラ22の位置決めが行われる。また、軸受け部材24の内壁下端に、搬送ローラ22に設けられた溝部(図示せず)が嵌ることで、あるいは搬送ベルトユニットの保持部材に設けられた位置決め部材が支持部材31に設けられた基準部(図示せず)に当接することで、搬送ベルト21のベルト表面と、ベルト表面に対向するノズル面との平行度が定まる。軸受け部材24の開口形状は図11に示すU字形状以外に、V字形状であってもよい。
【0032】
また、図12に示すように、搬送ベルトユニットにおいて、搬送ローラ22とテンションローラ23とを保持する保持部材29の少なくとも互いに離れた2箇所に、搬送ベルトの外周面よりも外側に向って突起する突起部32がそれぞれ設けられている。突起部32がある保持部材29の端縁と当該突起部32がない保持部材29の端縁との間に段差が生じることになる。そして、交換作業等のために搬送ベルトユニットを平坦な作業台に置いたときに、搬送ベルトユニットの保持部材29には上記段差があるので搬送ベルトのベルト表面と作業台の表面との間に隙間が存在する。このため、搬送ベルトのベルト表面は作業台の表面に接触しない。これにより、搬送ベルトのベルト表面が傷付いたり、ベルト表面に汚れが付着したりすることを防止することができる。
【0033】
更に、図13の(a)に示すように、搬送ベルトユニット側の締結部28と締結する締結部33を支持部材31の一部に設ける。図13の(b)に示すように、この締結部33は支持部材31の端縁の一部から鉛直方向に延びた部材であり、装置の内側に曲げ加工が施されることで弾性効果を持たせている。搬送ベルトユニット側の締結部28の締結面と対向する面を有している。この面にはネジ30が通過する穴34が開いている。この締結部33は、保持部材29の下端面と支持部材31の上端縁との当接部分である位置決め部35(図13の(a)の点線で囲んだ部分の拡大図である図13の(c)参照)における加工寸法公差、及び搬送ベルトにおける搬送ローラ22のローラ軸を含む平面の傾きに対する寸法公差に伴って生じる搬送ローラ22の軸位置のずれを締結部33の弾力効果を利用して吸収する構成となっている。これにより、組立精度の向上が期待できる。
【0034】
また、図10に示したように搬送ベルトユニットの支持部材と保持部材との締結はネジで行ったが、図14に示すようなスナップフィット36を用いても良い。このスナップフィット36は、搬送ベルトユニットの保持部材の一部であって装置本体の支持部材側に向く端縁に設けられる。スナップフィット36は搬送ベルトユニットの保持部材から延びた部材に曲げ加工を施して形成された爪部36−1を有している。この爪部36−1は弾性力を持ち、弾性力が働く方向(図14中矢印Eの方向)に向って突起した締結部36−2を有している。この締結部36−2の装填方向における2つの面はテーパ状になっており、受け側となる構造体である支持部材に設けられた開口部に突起部36−2が入り易く、かつ取り外し易くなっている。開口部の開口形状は突起部36−2の長手方向における断面形状にほぼ同じである。そして、支持部材の側板の内面側にスナップフィット36の爪部36−1を挿入させて支持部材に設けられた開口部に突起部36−2を嵌め込む。これにより、突起部36−2は爪部36−1の弾性力で支持部材の開口部に保持され、搬送ベルトユニットは装置本体側の支持部材に締結される。よって、着脱の容易性が向上し、かつネジが不要となって部品の削減によるコストダウンの効果が期待できる。
【0035】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
片持ち梁のキャリッジをキャリッジガイド部材から取り除き、搬送ベルトの上方に配置されるキャリッジガイド部材以外の空間へ向う間で、用紙搬送手段を着脱する。これによれば、上記実施形態について説明したように、片持ち梁のキャリッジガイド部材3を避けるだけで簡単に用紙搬送手段である搬送ベルトユニットを着脱できる。よって、交換に要する時間を短縮でき、作業コストを抑えることができる。
(態様B)
(態様A)において、搬送ベルトを張架する一対のローラの一方を軸に回動させた用紙搬送手段のローラの他方から、搬送ベルトの上方に配置されるキャリッジガイド部材以外の空間を介して着脱する。これによれば、上記実施形態について説明したように、一方のローラを軸にして回動することで着脱空間が小さくなっても着脱できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、用紙搬送手段は搬送ベルトの外周部よりも突出した突起部を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置本体から取り出した用紙搬送手段である搬送ベルトユニットを作業台等に置いたときに搬送ベルト21の表面と作業台との間に隙間がある。これにより、搬送ベルトの表面が作業台に接せず搬送ベルトの表面を保護することができる。
(態様D)
(態様A)〜(態様C)のいずれかにおいて、用紙搬送手段を筐体の一部に締結部材で締結する締結方向を用紙搬送手段の着脱方向と略同じとする。これによれば、上記実施形態について説明したように、より着脱作業が簡単になるため、交換に要する時間をより一層短縮でき作業コストを抑えることができる。
(態様E)
(態様D)において、用紙搬送手段を締結部材で筐体の一部に締結される締結部には弾性加工が施されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、弾性加工が施された締結部に締結部材による締結する量を調整して用紙搬送手段の筐体に対する位置調整が簡単にできる。
(態様F)
(態様D)又は(態様E)において、締結部材はネジ又は爪形状のスナップフィットとする。これによれば、上記実施形態について説明したように、締結部材としてネジ30、あるいはスナップフィット36を用いる。これにより、締結作業が簡単になり、交換に要する時間をより一層短縮でき作業コストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0036】
3 キャリッジガイド部材
4 キャリッジ
21 搬送ベルト
22 搬送ローラ
23 テンションローラ
24 軸受け部材
25 軸受け部材
26 下端縁
27 上端縁
28 締結部
29 保持部材
30 ネジ
31 支持部材
32 突起部
33 締結部
34 位置決め部
35 穴
36 スナップフィット
36−1 爪部
36−2 突起部
301 底面
302 下流外側面
303 上流外側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】特開2011−031606号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙上に記録液を吐出する記録ヘッドを搭載するキャリッジと、該キャリッジを支持しながら用紙が搬送される方向の副走査方向に対して直交する主走査方向に前記キャリッジが移動走査するキャリッジガイド部材と、ベルト上に用紙を吸着させて搬送する無端状の搬送ベルト及び該搬送ベルトを張架して副走査方向に周回する一対のローラを一体化した、装置本体に着脱可能に取り付けられる用紙搬送手段とを備えた画像形成装置において、
前記キャリッジガイド部材はキャリッジを片持ち梁で支持し、
前記用紙搬送手段の着脱時に前記キャリッジを前記キャリッジガイド部材から取り除き、前記キャリッジガイド部材以外の前記搬送ベルトの上方に現れる空間から、前記用紙搬送手段を着脱することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記ローラの一方を軸に回動させた前記用紙搬送手段の前記ローラの他方から着脱することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記用紙搬送手段は、前記搬送ベルトの外周部よりも突出した突起部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記筐体の一部に前記用紙搬送手段を締結部材で締結する締結方向は前記用紙搬送手段の着脱方向と略同じであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
前記締結部材で前記用紙搬送手段が前記筐体の一部に締結される締結部には、弾性加工が施されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記締結部材は、ネジ又は爪形状のスナップフィットであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
用紙上に記録液を吐出する記録ヘッドを搭載するキャリッジと、該キャリッジを支持しながら用紙が搬送される方向の副走査方向に対して直交する主走査方向に前記キャリッジが移動走査するキャリッジガイド部材と、ベルト上に用紙を吸着させて搬送する無端状の搬送ベルト及び該搬送ベルトを張架して副走査方向に周回する一対のローラを一体化した、装置本体に着脱可能に取り付けられる用紙搬送手段とを備えた画像形成装置において、
前記キャリッジガイド部材はキャリッジを片持ち梁で支持し、
前記用紙搬送手段の着脱時に前記キャリッジを前記キャリッジガイド部材から取り除き、前記キャリッジガイド部材以外の前記搬送ベルトの上方に現れる空間から、前記用紙搬送手段を着脱することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記ローラの一方を軸に回動させた前記用紙搬送手段の前記ローラの他方から着脱することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記用紙搬送手段は、前記搬送ベルトの外周部よりも突出した突起部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記筐体の一部に前記用紙搬送手段を締結部材で締結する締結方向は前記用紙搬送手段の着脱方向と略同じであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
前記締結部材で前記用紙搬送手段が前記筐体の一部に締結される締結部には、弾性加工が施されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記締結部材は、ネジ又は爪形状のスナップフィットであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図9】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図9】
【図10】
【図13】
【公開番号】特開2013−35260(P2013−35260A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175619(P2011−175619)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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