画像形成装置
【課題】原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナー容器の揺動機能を有する画像形成装置において、原稿搬送速度が遅い読み取りモードに設定されているとき、廃トナー容器の揺動に起因する画像への影響を防止する。
【解決手段】原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿搬送制御部17と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、記録用紙に転写されずに像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナーボトルと、廃トナーボトルの揺動を制御する廃トナーボトル揺動制御部16を有する。廃トナーボトル揺動制御部16は、カラー読み取りモードに設定されている場合、原稿読み取り部が動作している時は廃トナーボトルを揺動させない。
【解決手段】原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿搬送制御部17と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、記録用紙に転写されずに像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナーボトルと、廃トナーボトルの揺動を制御する廃トナーボトル揺動制御部16を有する。廃トナーボトル揺動制御部16は、カラー読み取りモードに設定されている場合、原稿読み取り部が動作している時は廃トナーボトルを揺動させない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナーボトルや廃トナータンクなどの廃トナー容器を揺動させる手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成部においては、像担持体である感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させることでトナー像を現像し、トナー像を記録用紙上に転写して画像を形成する。このとき、記録用紙上に転写しきれずに感光体上に残留する、廃トナーと呼ばれるトナーが存在する。この廃トナーは感光体表面に当接するクリーニングブレードやクリーニングブラシ等からなるクリーニング部材によって感光体上から除去され、搬送手段によって廃トナーを収容する廃トナーボトルに収容される。そして、廃トナーボトルが満杯になったことが廃トナーセンサにより検知されると、画像形成部から取り外され、回収される。
【0003】
しかし、廃トナーを廃トナーボトルに収容する際、最も簡単な、自由落下によって下方に設置された廃トナーボトルの上部から廃トナーを落下させる構成を持つものが多いため、廃トナーの落下地点で廃トナーが山を形成してしまい、廃トナーボトルに十分な容量があっても、満杯であると検知されてしまうという問題がある。
【0004】
この問題に対処した画像形成装置として、特許文献1に記載された画像形成装置がある。この画像形成装置は、CCDなどのイメージセンサを備えた原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えた画像形成装置において、廃トナーセンサが廃トナータンク内の廃トナーを検知したとき、廃トナータンクを揺動させることで、廃トナータンク内の廃トナーを平滑化し、満杯であるとの誤検知を防止する。
【0005】
しかしながら、このような廃トナー容器を揺動させる機能を有する画像形成装置には以下の問題がある。即ち、モノクロ読み取りの時は読み取り中に廃トナー容器を揺動させても原稿搬送速度(線速)との兼ね合いで、画像はあまり影響を受けなかった。しかし、カラー読み取りの場合、原稿搬送速度が遅くなるので、機体の少しの揺れでも画像に影響が出てしまう。特に、カラーの読み取りで画像ズレを起こしてしまうことがある。また、廃トナー容器の揺動や他の要素での振動を原稿読み取り部に伝わらなくするには、フレーム構成や機械構成を変更する必要があり、コストがかかってしまう。また、モノクロ読み取りであっても、高倍率読み取りのために原稿搬送速度を遅くした場合、設置環境などで画像に影響してしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナー容器の揺動機能を有する画像形成装置において、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、廃トナー容器の揺動に起因する画像への影響を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿読み取り部と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、前記記録用紙に転写されずに前記像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナー容器と、当該廃トナー容器を揺動させる廃トナー容器揺動部と、当該廃トナー容器揺動部の動作を制御する制御部とを有し、当該制御部は、前記複数の読み取りモードのうち、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、前記原稿読み取り部の動作中は前記廃トナー容器揺動部を動作させない画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナー容器の揺動機能を有する画像形成装置において、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、廃トナー容器の揺動に起因する画像への影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の機械的な概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の制御系の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置における廃トナーボトル揺動設定画面を示す図である。
【図4】図2における廃トナーボトル揺動制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2における原稿搬送制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第1の例及び第2の例の一部を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第1の例及び第2の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第3の例及び第4の例の一部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第3の例及び第4の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第5の例及び第6の例の一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第5の例及び第6の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
〈画像形成装置の機械的な概略構成〉
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の機械的な概略構成を示す図である。
この画像形成装置は、本体筐体2内に、画像形成部3、定着部4、排紙部5、原稿読み取り部11、及び図示しない給紙部、給紙部から記録用紙を画像形成部3に搬送する用紙搬送部等が収納されており、さらに、原稿台8、記録紙搬送部9、排紙トレイ10及び操作表示部12等が設けられている。また、画像形成装置の背面側に原稿排紙トレイ13が設けられている。各部は一体に構成されている。
【0011】
給紙部には、複数枚のシート状の記録用紙がセットされ、用紙搬送部は、レジストレーションローラ21等を備えて、給紙部の適宜の記録用紙をレジストレーションローラ21でタイミング調整した後、画像形成部3に搬送する。
【0012】
画像形成部3は、図の反時計方向に回転駆動される像担持体である感光体31を中心として、帯電部32、光書込部33、現像部34、転写部35、クリーニング部36等を備えており、帯電部32は感光体31を一様に帯電させる。ここで、画像形成部3として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4組の画像形成部を設けることで、カラー画像を形成することができる。また、Kの画像形成部のみを動作させることで、モノクロ画像を形成することができる。
【0013】
画像形成部3では、一様に帯電した感光体31に、原稿読み取り部11で読み取った原稿の画像データや図示しない外部とのインターフェース回路、例えばLAN(Local Area Network)を介して接続された外部装置から入力されたプリンタドライバデータを展開した画像データに基づいて点灯制御される光を光書込部33が感光体31に照射することで、光の照射された部分の感光体31の表面に静電潜像を形成して、静電潜像の形成された感光体31に現像部34がトナーを付着させてトナー画像を形成する。次に画像形成部3では、感光体31上に形成したトナー画像を、給紙部から搬送されてきた記録用紙に転写部35で転写し、転写の完了した記録用紙を記録紙搬送部9で定着部4に搬送する。
【0014】
また、画像形成部3では、転写の完了した感光体31上の残留トナーをクリーニング部36でクリーニングし、廃トナーボトル14に収容する。廃トナーボトル14には、内部に収容されている廃トナーの量を検知する廃トナー量センサ15、及び廃トナーボトル14を揺動させる廃トナーボトル揺動部(図示せず)が設けられている。
【0015】
定着部4は、所定の定着温度に加熱される加熱ローラと加熱ローラに圧接されている加圧ローラを備え、画像形成部3から記録紙搬送部9により搬送されてくるトナー画像の形成されている記録用紙を搬送しつつ加熱・加圧して、トナー画像を記録用紙に定着させて、定着の完了した記録用紙を排紙部5に排出する。排紙部5は、定着の完了した記録紙を排紙トレイ10上に排出する。
【0016】
原稿読み取り部11は、ステッピングモータ40、入口搬送ローラ41、一次元カラー読み取りセンサであるCIS(Contact Image Sensor)42、CIS42と対向する位置に設けられている白色ローラ43、出口搬送ローラ44、排出ローラ45、挿入センサ46、原稿長センサ47、及び排紙センサ48等を備えている。
【0017】
原稿読み取り部11では、原稿台8上にセットされた原稿が押し入れられると、当該原稿を挿入センサ46で検出して、入口搬送ローラ41に原稿の先端を突き当てることで原稿をまっすぐに整列させるとともに、原稿を挿入センサ46で検出して、所定の時間をおいたあと、入口搬送ローラ41により原稿をCIS42と白色ローラ43の間に搬送する。
【0018】
そして、原稿の先端が原稿長センサ47の位置に搬送されてくると、原稿長センサ47の出力が変化し、原稿の後端が原稿長センサ47を抜けることで、原稿長センサ47の出力が再度変化する。
【0019】
原稿長センサ47が原稿の先端を検知した後、原稿の後端を検知する間に、入口搬送ローラ41、出口搬送ローラ44、排出ローラ45等を駆動するステッピングモータ40に対して供給したクロックパルス(ステップ)数をカウントすることで原稿の長さを検知する。原稿長センサ47で検知した原稿長さ信号は、図示しない画像処理部に入力され、副走査方向の有効領域信号としても使用される。
【0020】
原稿読み取り部11では、原稿を入口搬送ローラ41によりCIS42と白色ローラ43との間を搬送した後、さらに搬送して、出口搬送ローラ44で挟持させて、それ以降の搬送を主に出口搬送ローラ44によって搬送させる。
【0021】
原稿読み取り部11では、原稿を白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44で搬送しつつCIS42で原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取る。即ち、CIS42は、その光源から原稿に読み取り光を照射し、原稿で反射された画像情報を含む反射光を光電変換してアナログの画像信号を出力する。このとき、3色(R、G、B)の光源を順次切り換えて点灯させることでカラー読み取りを行うことができ、Gの光源のみを点灯させることでモノクロ読み取りを行うことができる。読み取りの完了した原稿は出口搬送ローラ44により原稿排紙トレイ13上に排出される。
【0022】
ここで、モノクロ読み取りとカラー読み取りの原稿搬送速度について説明する。モノクロ読み取りの場合には、Gの光源が点灯している間にCIS42で得られた画像データをモノクロ画像データとする。また、カラー読み取りの場合には、R、G、Bそれぞれの光を照射している間に、CIS42が出力した画像データを後段で合成してカラー画像データとする。この場合、原稿搬送速度を少なくとも三分の一にして、R、G、Bをそれぞれ照射し、三ラインの画像を得て、それを合成することでモノクロ読み取りでの一ラインにあたる範囲の画像データを取得する。実際には、光源切換に時間がかかるため、原稿搬送速度はモノクロ読み取り時の三分の一よりも遅くなる。
【0023】
白色ローラ43は、照明ムラやCIS42の画素毎の感度ムラに等に起因するバラツキを補正するシェーディング補正に利用される。画像形成装置は、この白色ローラ43を読み取ったときのCIS42の出力するデータをシェーディングデータ(白基準データ)として用いてシェーディング補正する。
【0024】
上記白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44は、ステッピングモータ40によって回転駆動され、原稿読み取り時の原稿の搬送を行う。以下、必要に応じてこれらの白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44を総称して、原稿搬送ローラという。
【0025】
操作表示部12は、テンキーやスタートキー等の操作キー及び各種機能キー等が設けられているとともに、表示手段及び報知手段としてのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等を備え、操作キーからは、コピー操作等の各種命令が入力され、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容や操作内容及び画像形成装置からユーザーに通知する各種情報が表示される。
【0026】
〈画像形成装置の制御系の要部の構成〉
図2は、本発明の実施形態の画像形成装置の制御系の要部の構成を示すブロック図である。図示のように、本実施形態の画像形成装置は、エンジン制御部19と、それぞれエンジン制御部19に接続された操作表示部12、廃トナー量センサ15、廃トナーボトル揺動制御部16、原稿搬送制御部17、及び状態記憶部18を備えている。この図において、図1と対応する部分には、図1と同じ参照符号を付した。
【0027】
エンジン制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。ROMは、各種プログラム及びそれらを実行するのに必要な各種データを格納しており、RAMは、CPUのワークメモリとして利用される。CPUは、ROM内のプログラムに基づき、RAMをワークメモリとして使用して画像形成装置の各部を制御する。
【0028】
廃トナー量センサ15は、廃トナーボトル14内に収容されているトナーの量を検知し、満杯もしくはもうすぐ満杯になったとき、エンジン制御部19に通知する。廃トナーボトル揺動制御部16は、エンジン制御部19の指示に従って、廃トナーボトル揺動部の動作を制御する。原稿搬送制御部17は、エンジン制御部19の指示に従って、原稿読み取り部11の動作を制御する。状態記憶部18は、不揮発性のメモリからなり、各種テーブルやフラグなどのデータを記憶する。
【0029】
〈廃トナーボトル揺動設定画面〉
図3は、操作表示部12に表示される廃トナーボトル揺動設定画面を示す図である。この画面では、「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」、「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」、「モノクロ原稿倍率」の設定が可能である。
【0030】
「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」では、カラー原稿、モノクロ原稿の各々に対して、原稿読み取り時に廃トナーボトル揺動制御を行うか否かの設定が可能である。図では、カラー原稿、モノクロ原稿の双方に対して、原稿読み取り時に廃トナーボトル揺動制御を行う(有り)ことが設定されている。つまり、カラー原稿を読み取る際も、モノクロ原稿を読み取る際も、廃トナーボトル揺動制御を行うように設定されている。ここで、カラー原稿に対する「有り」の設定を設定a、モノクロ原稿に対する「有り」の設定を設定bとした。
【0031】
「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」では、カラー原稿、モノクロ原稿の各々に対して、廃トナーボトル揺動時に原稿読み取り抑止制御を行うか否かの設定が可能である。図では、カラー原稿、モノクロ原稿の双方に対して、廃トナーボトル揺動時に原稿読み取り抑止制御を行うこと(有り)が設定されている。ここで、カラー原稿に対する「有り」の設定を設定c、モノクロ原稿に対する「有り」の設定を設定dとした。
【0032】
「モノクロ原稿倍率」では、モノクロ原稿読み取りの際に、廃トナーボトル揺動制御を行う倍率の閾値を設定することができる。ここでは、200%に設定されているので、モノクロ原稿複写時の倍率が200%を超える場合のみ、設定b及び設定dが有効となる。この200%の倍率設定を設定eとする。
【0033】
〈廃トナーボトル揺動制御部及び原稿搬送制御部の動作〉
図4は、図2における廃トナーボトル揺動制御部16の動作を示すフローチャートであり、図5は、図2における原稿搬送制御部17の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示すように、廃トナーボトル揺動制御部16は、エンジン制御部19から廃トナーボトル揺動開始指示を受けると(ステップS1:Yes)、廃トナーボトル揺動部の動作を開始させ、予め設定された揺動時間の経過を待つ(ステップS2)。そして、揺動時間が経過したとき、エンジン制御部19に揺動終了を通知する(ステップS3)。
【0035】
図5に示すように、原稿搬送制御部17は、エンジン制御部19から原稿読み取り開始指示を受けると(ステップS11:Yes)、読み取りの終了を待つ(ステップS12)。そして、読み取りが終了したとき、エンジン制御部19に読み取り終了を通知する(ステップS13)。
【0036】
〈画像形成装置の動作の第1の例、第2の例〉
図6は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第1の例及び第2の例の一部を示すフローチャートであり、図7は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第1の例及び第2の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図を用いて、カラー原稿読み取り中に廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知した場合の動作(第1の例)、及び廃トナーボトルの揺動中にカラー読み取り指示を受けた場合の動作(第2の例)について説明する。
【0037】
《第1の例:カラー原稿読み取り中に廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知した場合の動作》
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0038】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、ユーザーの設定がカラー読み取りであるか否か判断する(ステップS23)。判断の結果、カラー読み取りであった場合(ステップS23:Yes)、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、状態記憶部18に読み取り中フラグをセットする(ステップS25)。その後、原稿搬送制御部17にユーザーによる設定値で動作するように指示を出す(ステップS26)。原稿搬送制御部17は図5に示す動作を実行する。
【0039】
読み取り終了が原稿搬送制御部17から通知されるまで待機するが(ステップS27)、その間に、廃トナー量センサ15が廃トナーボトルの満杯を検知した場合に(ステップS29:Yes)、状態記憶部18を参照し、原稿読み取り中フラグがセットされているので、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動待機フラグをセットし(ステップS30)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出さないで待機する。
【0040】
その後、原稿搬送制御部17から読み取り終了が通知されたとき(ステップS27:Yes)、読み取り中フラグをリセットし(ステップS28)、廃トナーボトル揺動待機フラグがセットされていたら(ステップS31:Yes))、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出すことで(ステップS34)、カラー原稿読み取り中の廃トナーボトルの揺動制御を抑止し、読み取りが終了してから揺動させることができる。
【0041】
《第2の例:廃トナーボトルの揺動中にカラー読み取り指示を受けた場合の動作》
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS31:Yes)、状態記憶部18を参照して、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0042】
その後、廃トナーボトル揺動待機フラグをリセットし(ステップS33)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合に、カラー原稿か否かを判断し、モノクロ原稿だったら、読み取り指示を出し、カラー原稿だった場合、カラー原稿読み取り待機中フラグをセットし、読み取り指示を抑止する。
【0043】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16から揺動終了通知を受けたら(ステップS35:Yes)、廃トナーボトル揺動中フラグをリセットし(ステップS36)、カラー原稿読み取り待機中フラグがセットされていたら、原稿搬送制御部17に読み取り指示を出すことで、廃トナーボトル揺動中のカラー原稿読み取りを抑止することができる。
【0044】
〈画像形成装置の動作の第3の例、第4の例〉
図8は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第3の例及び第4の例の一部を示すフローチャートであり、図9は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第3の例及び第4の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図において、図6、図7と同一又は対応する処理には図6、図7と同じ参照符号(ステップ番号)を付している。これらの図を用いて、廃トナーボトル揺動設定画面(図3)における「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」の設定に応じた処理(第3の例)、「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定に応じた処理(第4の例)について説明する。
【0045】
《第3の例:原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、カラー原稿:有り、なし」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0046】
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0047】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、ユーザーの設定がカラー読み取りであると判断した場合(ステップS23:Yes)、状態記憶部18を参照して、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、図3の設定a(「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、カラー原稿:有り」)の有無を判断する(ステップS245)。
【0048】
判断の結果、「図3の設定a=なし」であった場合は(ステップS245:No)、読み取り中フラグをセットしない。「図3の設定a=あり」であった場合(ステップS245:Yes)、読み取り中フラグをセットし(ステップS25)、読み取り開始を指示する(ステップS26)。以後の動作は、「画像形成装置の動作の第1の例」と同じである。このように、カラー原稿読み取り中でも、設定によって廃トナーボトル揺動制御を抑止するか否かを実現することができる。
【0049】
《第4の例:廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御、カラー原稿:有り、なし」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0050】
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS31:Yes)、状態記憶部18を参照して、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0051】
その後、廃トナーボトル揺動待機フラグをリセットし(ステップS33)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合に、状態記憶部18を参照して、「図3の設定c」(「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御、カラー原稿:有り」)の有無を判断する(ステップS315)。
【0052】
判断の結果、「図3の設定c=なし」であった場合は(ステップS315:No)、原稿の種類を確認せず読み取り指示を原稿搬送制御部17に通知し、「図3の設定c=あり」であった場合は(ステップS315:Yes)、「画像形成装置の動作の第2の例」と同様の動作を行うことで、廃トナーボトル揺動中でも、設定によって、カラー原稿読み取りを抑止するか否かを実現することができる。
【0053】
〈画像形成装置の動作の第5の例、第6の例〉
図10は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第5の例及び第6の例の一部を示すフローチャートであり、図11は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第5の例及び第6の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図において、図6、図7と同一又は対応する処理には図6、図7と同じ参照符号(ステップ番号)を付している。これらの図を用いて、廃トナーボトル揺動設定画面(図3)における「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」の設定及び「モノクロ原稿時倍率」の設定に応じた処理(第5の例)、並びに「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定及び「モノクロ原稿時倍率」の設定に応じた処理(第6の例)について説明する。
【0054】
《第5の例:原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御の設定、及びモノクロ原稿時倍率の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、モノクロ原稿:有り、なし」の設定、及び「モノクロ原稿時倍率」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0055】
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0056】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、指示がモノクロ読み取り、かつユーザーに指示された倍率が設定倍率(ここでは200%)より大きいと判断した場合((ステップS23:No→S41:Yes)、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、状態記憶部18に読み取り中フラグをセットする((ステップS25))。前記条件(指示がモノクロ読み取り、かつ指示された倍率が設定倍率より大きい)が満たされていない場合、読み取り中フラグをセットしない。
【0057】
その後、原稿搬送制御部17にユーザー設定した設定値で動作するように指示を出す(ステップS26)。原稿搬送制御部17は図5に示す動作を実行する。読み取り終了が原稿搬送制御部17から通知されるまで待機するが(ステップS27)、その間に、廃トナー量センサ15が満杯を検知した場合に(ステップS44:Yes)、状態記憶部18の設定倍率を確認する(ステップS45)。
【0058】
指示倍率が設定倍率を超えている場合(ステップS45:Yes)、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動待機フラグをセットし(ステップS46)、揺動指示を出さないで待機する。その後、原稿搬送制御部17から読み取り終了が通知されたら(ステップS27:Yes)、廃トナー揺動待機フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS42)。
【0059】
判断の結果、セットされていたら(ステップS42:Yes)、廃トナーボトル揺動制御部16に廃トナーボトル揺動指示を出す(ステップS43)。セットされていない場合は(ステップS42:No)、処理を終了させる。
【0060】
これにより、モノクロ原稿読み取り時は、読み取り倍率によって、原稿搬送中に廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを切り分けて制御することができる。
【0061】
《第6の例:廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御の設定及びモノクロ原稿時倍率の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定、及び「モノクロ原稿時倍率」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0062】
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS311:Yes)、状態記憶部18を確認し、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し(ステップS312:No)、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0063】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合にモノクロ原稿か否かを判断し、モノクロ原稿で指示倍率が設定倍率より大きい時か(ステップS48:Yes→S49:Yes)、モノクロ原稿でなく、カラー原稿であった場合(ステップS48:No)、カラー原稿読み取り待機中フラグをセットし(ステップS50)、読み取り指示を抑止する。カラー原稿でなく、モノクロ原稿で指示倍率が設定倍率以下の時は(ステップS48:Yes→S49:No)、読み取り指示を出す(ステップS51)。
【0064】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16から揺動終了通知を受けたら(ステップS35:Yes)、廃トナーボトル揺動中フラグをリセットし(ステップS36)、カラー原稿読み取り待機中フラグがセットされていたら(ステップS52:Yes)、原稿搬送制御部17に読み取り指示を出すことで(ステップS53)、モノクロ原稿でも高倍率の場合は廃トナーボトル揺動中の読み取りを抑止することができる。
【0065】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態の画像形成装置は、下記(1)〜(5)の効果を有する。
(1)カラー読み取りかモノクロ読み取りかを判断して、読み取り中の廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを決めているので、廃トナーボトルの揺動による機体の振動で読み取り画像に影響が出るカラー読み取り中のみ揺動を抑止することができる。そのため、モノクロ原稿の生産性を落とすことなく、カラー原稿の色ずれを抑止することができる。
(2)廃トナーボトル揺動中に読み取り指示が来た場合に、カラー読み取りかモノクロ読み取りかを判断して、カラー読み取りの場合のみを揺動が終わるまで待たせるので、モノクロ原稿の生産性を落とすことなくカラー原稿の色ずれを抑止することができる。
(3)廃トナーボトル揺動中のカラー読み取りを抑止するか否かを設定することができるので、色ずれが出てもよい場合にカラー原稿の生産性を落とすことなく読み取りを行うことができる。
(4)モノクロ読み取り中でも廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを読み取り倍率によって設定できるので、通常より機械の揺れやすい設置場所などでも、モノクロ原稿の読み取りずれを抑止することができる。
(5)廃トナーボトル揺動中のモノクロ読み取りを抑止するか否かを読み取り倍率によって設定できるので、通常より機械の揺れやすい設置場所などでも、モノクロ原稿の読み取りずれを抑止することができる。
【符号の説明】
【0066】
3…画像形成部、11…原稿読み取り部、12…操作表示部、14…廃トナーボトル、15…廃トナー量センサ、16…廃トナーボトル揺動制御部、17…原稿搬送制御部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2008−3523号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナーボトルや廃トナータンクなどの廃トナー容器を揺動させる手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成部においては、像担持体である感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させることでトナー像を現像し、トナー像を記録用紙上に転写して画像を形成する。このとき、記録用紙上に転写しきれずに感光体上に残留する、廃トナーと呼ばれるトナーが存在する。この廃トナーは感光体表面に当接するクリーニングブレードやクリーニングブラシ等からなるクリーニング部材によって感光体上から除去され、搬送手段によって廃トナーを収容する廃トナーボトルに収容される。そして、廃トナーボトルが満杯になったことが廃トナーセンサにより検知されると、画像形成部から取り外され、回収される。
【0003】
しかし、廃トナーを廃トナーボトルに収容する際、最も簡単な、自由落下によって下方に設置された廃トナーボトルの上部から廃トナーを落下させる構成を持つものが多いため、廃トナーの落下地点で廃トナーが山を形成してしまい、廃トナーボトルに十分な容量があっても、満杯であると検知されてしまうという問題がある。
【0004】
この問題に対処した画像形成装置として、特許文献1に記載された画像形成装置がある。この画像形成装置は、CCDなどのイメージセンサを備えた原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えた画像形成装置において、廃トナーセンサが廃トナータンク内の廃トナーを検知したとき、廃トナータンクを揺動させることで、廃トナータンク内の廃トナーを平滑化し、満杯であるとの誤検知を防止する。
【0005】
しかしながら、このような廃トナー容器を揺動させる機能を有する画像形成装置には以下の問題がある。即ち、モノクロ読み取りの時は読み取り中に廃トナー容器を揺動させても原稿搬送速度(線速)との兼ね合いで、画像はあまり影響を受けなかった。しかし、カラー読み取りの場合、原稿搬送速度が遅くなるので、機体の少しの揺れでも画像に影響が出てしまう。特に、カラーの読み取りで画像ズレを起こしてしまうことがある。また、廃トナー容器の揺動や他の要素での振動を原稿読み取り部に伝わらなくするには、フレーム構成や機械構成を変更する必要があり、コストがかかってしまう。また、モノクロ読み取りであっても、高倍率読み取りのために原稿搬送速度を遅くした場合、設置環境などで画像に影響してしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナー容器の揺動機能を有する画像形成装置において、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、廃トナー容器の揺動に起因する画像への影響を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿読み取り部と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、前記記録用紙に転写されずに前記像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナー容器と、当該廃トナー容器を揺動させる廃トナー容器揺動部と、当該廃トナー容器揺動部の動作を制御する制御部とを有し、当該制御部は、前記複数の読み取りモードのうち、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、前記原稿読み取り部の動作中は前記廃トナー容器揺動部を動作させない画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原稿読み取り部及び電子写真方式の画像形成部を備えるとともに、廃トナー容器の揺動機能を有する画像形成装置において、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、廃トナー容器の揺動に起因する画像への影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の機械的な概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の制御系の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置における廃トナーボトル揺動設定画面を示す図である。
【図4】図2における廃トナーボトル揺動制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2における原稿搬送制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第1の例及び第2の例の一部を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第1の例及び第2の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第3の例及び第4の例の一部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第3の例及び第4の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第5の例及び第6の例の一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の画像形成装置の動作の第5の例及び第6の例の残りの部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
〈画像形成装置の機械的な概略構成〉
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の機械的な概略構成を示す図である。
この画像形成装置は、本体筐体2内に、画像形成部3、定着部4、排紙部5、原稿読み取り部11、及び図示しない給紙部、給紙部から記録用紙を画像形成部3に搬送する用紙搬送部等が収納されており、さらに、原稿台8、記録紙搬送部9、排紙トレイ10及び操作表示部12等が設けられている。また、画像形成装置の背面側に原稿排紙トレイ13が設けられている。各部は一体に構成されている。
【0011】
給紙部には、複数枚のシート状の記録用紙がセットされ、用紙搬送部は、レジストレーションローラ21等を備えて、給紙部の適宜の記録用紙をレジストレーションローラ21でタイミング調整した後、画像形成部3に搬送する。
【0012】
画像形成部3は、図の反時計方向に回転駆動される像担持体である感光体31を中心として、帯電部32、光書込部33、現像部34、転写部35、クリーニング部36等を備えており、帯電部32は感光体31を一様に帯電させる。ここで、画像形成部3として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4組の画像形成部を設けることで、カラー画像を形成することができる。また、Kの画像形成部のみを動作させることで、モノクロ画像を形成することができる。
【0013】
画像形成部3では、一様に帯電した感光体31に、原稿読み取り部11で読み取った原稿の画像データや図示しない外部とのインターフェース回路、例えばLAN(Local Area Network)を介して接続された外部装置から入力されたプリンタドライバデータを展開した画像データに基づいて点灯制御される光を光書込部33が感光体31に照射することで、光の照射された部分の感光体31の表面に静電潜像を形成して、静電潜像の形成された感光体31に現像部34がトナーを付着させてトナー画像を形成する。次に画像形成部3では、感光体31上に形成したトナー画像を、給紙部から搬送されてきた記録用紙に転写部35で転写し、転写の完了した記録用紙を記録紙搬送部9で定着部4に搬送する。
【0014】
また、画像形成部3では、転写の完了した感光体31上の残留トナーをクリーニング部36でクリーニングし、廃トナーボトル14に収容する。廃トナーボトル14には、内部に収容されている廃トナーの量を検知する廃トナー量センサ15、及び廃トナーボトル14を揺動させる廃トナーボトル揺動部(図示せず)が設けられている。
【0015】
定着部4は、所定の定着温度に加熱される加熱ローラと加熱ローラに圧接されている加圧ローラを備え、画像形成部3から記録紙搬送部9により搬送されてくるトナー画像の形成されている記録用紙を搬送しつつ加熱・加圧して、トナー画像を記録用紙に定着させて、定着の完了した記録用紙を排紙部5に排出する。排紙部5は、定着の完了した記録紙を排紙トレイ10上に排出する。
【0016】
原稿読み取り部11は、ステッピングモータ40、入口搬送ローラ41、一次元カラー読み取りセンサであるCIS(Contact Image Sensor)42、CIS42と対向する位置に設けられている白色ローラ43、出口搬送ローラ44、排出ローラ45、挿入センサ46、原稿長センサ47、及び排紙センサ48等を備えている。
【0017】
原稿読み取り部11では、原稿台8上にセットされた原稿が押し入れられると、当該原稿を挿入センサ46で検出して、入口搬送ローラ41に原稿の先端を突き当てることで原稿をまっすぐに整列させるとともに、原稿を挿入センサ46で検出して、所定の時間をおいたあと、入口搬送ローラ41により原稿をCIS42と白色ローラ43の間に搬送する。
【0018】
そして、原稿の先端が原稿長センサ47の位置に搬送されてくると、原稿長センサ47の出力が変化し、原稿の後端が原稿長センサ47を抜けることで、原稿長センサ47の出力が再度変化する。
【0019】
原稿長センサ47が原稿の先端を検知した後、原稿の後端を検知する間に、入口搬送ローラ41、出口搬送ローラ44、排出ローラ45等を駆動するステッピングモータ40に対して供給したクロックパルス(ステップ)数をカウントすることで原稿の長さを検知する。原稿長センサ47で検知した原稿長さ信号は、図示しない画像処理部に入力され、副走査方向の有効領域信号としても使用される。
【0020】
原稿読み取り部11では、原稿を入口搬送ローラ41によりCIS42と白色ローラ43との間を搬送した後、さらに搬送して、出口搬送ローラ44で挟持させて、それ以降の搬送を主に出口搬送ローラ44によって搬送させる。
【0021】
原稿読み取り部11では、原稿を白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44で搬送しつつCIS42で原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取る。即ち、CIS42は、その光源から原稿に読み取り光を照射し、原稿で反射された画像情報を含む反射光を光電変換してアナログの画像信号を出力する。このとき、3色(R、G、B)の光源を順次切り換えて点灯させることでカラー読み取りを行うことができ、Gの光源のみを点灯させることでモノクロ読み取りを行うことができる。読み取りの完了した原稿は出口搬送ローラ44により原稿排紙トレイ13上に排出される。
【0022】
ここで、モノクロ読み取りとカラー読み取りの原稿搬送速度について説明する。モノクロ読み取りの場合には、Gの光源が点灯している間にCIS42で得られた画像データをモノクロ画像データとする。また、カラー読み取りの場合には、R、G、Bそれぞれの光を照射している間に、CIS42が出力した画像データを後段で合成してカラー画像データとする。この場合、原稿搬送速度を少なくとも三分の一にして、R、G、Bをそれぞれ照射し、三ラインの画像を得て、それを合成することでモノクロ読み取りでの一ラインにあたる範囲の画像データを取得する。実際には、光源切換に時間がかかるため、原稿搬送速度はモノクロ読み取り時の三分の一よりも遅くなる。
【0023】
白色ローラ43は、照明ムラやCIS42の画素毎の感度ムラに等に起因するバラツキを補正するシェーディング補正に利用される。画像形成装置は、この白色ローラ43を読み取ったときのCIS42の出力するデータをシェーディングデータ(白基準データ)として用いてシェーディング補正する。
【0024】
上記白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44は、ステッピングモータ40によって回転駆動され、原稿読み取り時の原稿の搬送を行う。以下、必要に応じてこれらの白色ローラ43、入口搬送ローラ41及び出口搬送ローラ44を総称して、原稿搬送ローラという。
【0025】
操作表示部12は、テンキーやスタートキー等の操作キー及び各種機能キー等が設けられているとともに、表示手段及び報知手段としてのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等を備え、操作キーからは、コピー操作等の各種命令が入力され、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容や操作内容及び画像形成装置からユーザーに通知する各種情報が表示される。
【0026】
〈画像形成装置の制御系の要部の構成〉
図2は、本発明の実施形態の画像形成装置の制御系の要部の構成を示すブロック図である。図示のように、本実施形態の画像形成装置は、エンジン制御部19と、それぞれエンジン制御部19に接続された操作表示部12、廃トナー量センサ15、廃トナーボトル揺動制御部16、原稿搬送制御部17、及び状態記憶部18を備えている。この図において、図1と対応する部分には、図1と同じ参照符号を付した。
【0027】
エンジン制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。ROMは、各種プログラム及びそれらを実行するのに必要な各種データを格納しており、RAMは、CPUのワークメモリとして利用される。CPUは、ROM内のプログラムに基づき、RAMをワークメモリとして使用して画像形成装置の各部を制御する。
【0028】
廃トナー量センサ15は、廃トナーボトル14内に収容されているトナーの量を検知し、満杯もしくはもうすぐ満杯になったとき、エンジン制御部19に通知する。廃トナーボトル揺動制御部16は、エンジン制御部19の指示に従って、廃トナーボトル揺動部の動作を制御する。原稿搬送制御部17は、エンジン制御部19の指示に従って、原稿読み取り部11の動作を制御する。状態記憶部18は、不揮発性のメモリからなり、各種テーブルやフラグなどのデータを記憶する。
【0029】
〈廃トナーボトル揺動設定画面〉
図3は、操作表示部12に表示される廃トナーボトル揺動設定画面を示す図である。この画面では、「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」、「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」、「モノクロ原稿倍率」の設定が可能である。
【0030】
「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」では、カラー原稿、モノクロ原稿の各々に対して、原稿読み取り時に廃トナーボトル揺動制御を行うか否かの設定が可能である。図では、カラー原稿、モノクロ原稿の双方に対して、原稿読み取り時に廃トナーボトル揺動制御を行う(有り)ことが設定されている。つまり、カラー原稿を読み取る際も、モノクロ原稿を読み取る際も、廃トナーボトル揺動制御を行うように設定されている。ここで、カラー原稿に対する「有り」の設定を設定a、モノクロ原稿に対する「有り」の設定を設定bとした。
【0031】
「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」では、カラー原稿、モノクロ原稿の各々に対して、廃トナーボトル揺動時に原稿読み取り抑止制御を行うか否かの設定が可能である。図では、カラー原稿、モノクロ原稿の双方に対して、廃トナーボトル揺動時に原稿読み取り抑止制御を行うこと(有り)が設定されている。ここで、カラー原稿に対する「有り」の設定を設定c、モノクロ原稿に対する「有り」の設定を設定dとした。
【0032】
「モノクロ原稿倍率」では、モノクロ原稿読み取りの際に、廃トナーボトル揺動制御を行う倍率の閾値を設定することができる。ここでは、200%に設定されているので、モノクロ原稿複写時の倍率が200%を超える場合のみ、設定b及び設定dが有効となる。この200%の倍率設定を設定eとする。
【0033】
〈廃トナーボトル揺動制御部及び原稿搬送制御部の動作〉
図4は、図2における廃トナーボトル揺動制御部16の動作を示すフローチャートであり、図5は、図2における原稿搬送制御部17の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示すように、廃トナーボトル揺動制御部16は、エンジン制御部19から廃トナーボトル揺動開始指示を受けると(ステップS1:Yes)、廃トナーボトル揺動部の動作を開始させ、予め設定された揺動時間の経過を待つ(ステップS2)。そして、揺動時間が経過したとき、エンジン制御部19に揺動終了を通知する(ステップS3)。
【0035】
図5に示すように、原稿搬送制御部17は、エンジン制御部19から原稿読み取り開始指示を受けると(ステップS11:Yes)、読み取りの終了を待つ(ステップS12)。そして、読み取りが終了したとき、エンジン制御部19に読み取り終了を通知する(ステップS13)。
【0036】
〈画像形成装置の動作の第1の例、第2の例〉
図6は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第1の例及び第2の例の一部を示すフローチャートであり、図7は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第1の例及び第2の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図を用いて、カラー原稿読み取り中に廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知した場合の動作(第1の例)、及び廃トナーボトルの揺動中にカラー読み取り指示を受けた場合の動作(第2の例)について説明する。
【0037】
《第1の例:カラー原稿読み取り中に廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知した場合の動作》
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0038】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、ユーザーの設定がカラー読み取りであるか否か判断する(ステップS23)。判断の結果、カラー読み取りであった場合(ステップS23:Yes)、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、状態記憶部18に読み取り中フラグをセットする(ステップS25)。その後、原稿搬送制御部17にユーザーによる設定値で動作するように指示を出す(ステップS26)。原稿搬送制御部17は図5に示す動作を実行する。
【0039】
読み取り終了が原稿搬送制御部17から通知されるまで待機するが(ステップS27)、その間に、廃トナー量センサ15が廃トナーボトルの満杯を検知した場合に(ステップS29:Yes)、状態記憶部18を参照し、原稿読み取り中フラグがセットされているので、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動待機フラグをセットし(ステップS30)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出さないで待機する。
【0040】
その後、原稿搬送制御部17から読み取り終了が通知されたとき(ステップS27:Yes)、読み取り中フラグをリセットし(ステップS28)、廃トナーボトル揺動待機フラグがセットされていたら(ステップS31:Yes))、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出すことで(ステップS34)、カラー原稿読み取り中の廃トナーボトルの揺動制御を抑止し、読み取りが終了してから揺動させることができる。
【0041】
《第2の例:廃トナーボトルの揺動中にカラー読み取り指示を受けた場合の動作》
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS31:Yes)、状態記憶部18を参照して、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0042】
その後、廃トナーボトル揺動待機フラグをリセットし(ステップS33)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合に、カラー原稿か否かを判断し、モノクロ原稿だったら、読み取り指示を出し、カラー原稿だった場合、カラー原稿読み取り待機中フラグをセットし、読み取り指示を抑止する。
【0043】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16から揺動終了通知を受けたら(ステップS35:Yes)、廃トナーボトル揺動中フラグをリセットし(ステップS36)、カラー原稿読み取り待機中フラグがセットされていたら、原稿搬送制御部17に読み取り指示を出すことで、廃トナーボトル揺動中のカラー原稿読み取りを抑止することができる。
【0044】
〈画像形成装置の動作の第3の例、第4の例〉
図8は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第3の例及び第4の例の一部を示すフローチャートであり、図9は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第3の例及び第4の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図において、図6、図7と同一又は対応する処理には図6、図7と同じ参照符号(ステップ番号)を付している。これらの図を用いて、廃トナーボトル揺動設定画面(図3)における「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」の設定に応じた処理(第3の例)、「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定に応じた処理(第4の例)について説明する。
【0045】
《第3の例:原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、カラー原稿:有り、なし」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0046】
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0047】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、ユーザーの設定がカラー読み取りであると判断した場合(ステップS23:Yes)、状態記憶部18を参照して、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、図3の設定a(「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、カラー原稿:有り」)の有無を判断する(ステップS245)。
【0048】
判断の結果、「図3の設定a=なし」であった場合は(ステップS245:No)、読み取り中フラグをセットしない。「図3の設定a=あり」であった場合(ステップS245:Yes)、読み取り中フラグをセットし(ステップS25)、読み取り開始を指示する(ステップS26)。以後の動作は、「画像形成装置の動作の第1の例」と同じである。このように、カラー原稿読み取り中でも、設定によって廃トナーボトル揺動制御を抑止するか否かを実現することができる。
【0049】
《第4の例:廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御、カラー原稿:有り、なし」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0050】
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS31:Yes)、状態記憶部18を参照して、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0051】
その後、廃トナーボトル揺動待機フラグをリセットし(ステップS33)、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合に、状態記憶部18を参照して、「図3の設定c」(「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御、カラー原稿:有り」)の有無を判断する(ステップS315)。
【0052】
判断の結果、「図3の設定c=なし」であった場合は(ステップS315:No)、原稿の種類を確認せず読み取り指示を原稿搬送制御部17に通知し、「図3の設定c=あり」であった場合は(ステップS315:Yes)、「画像形成装置の動作の第2の例」と同様の動作を行うことで、廃トナーボトル揺動中でも、設定によって、カラー原稿読み取りを抑止するか否かを実現することができる。
【0053】
〈画像形成装置の動作の第5の例、第6の例〉
図10は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第5の例及び第6の例の一部を示すフローチャートであり、図11は、本発明の実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部19の動作の第5の例及び第6の例の残りの部分を示すフローチャートである。これらの図において、図6、図7と同一又は対応する処理には図6、図7と同じ参照符号(ステップ番号)を付している。これらの図を用いて、廃トナーボトル揺動設定画面(図3)における「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御」の設定及び「モノクロ原稿時倍率」の設定に応じた処理(第5の例)、並びに「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定及び「モノクロ原稿時倍率」の設定に応じた処理(第6の例)について説明する。
【0054】
《第5の例:原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御の設定、及びモノクロ原稿時倍率の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「原稿読み取り時、廃トナーボトル揺動制御、モノクロ原稿:有り、なし」の設定、及び「モノクロ原稿時倍率」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0055】
最初に、状態記憶部18における原稿読み取り中フラグ及び廃トナーボトル揺動中フラグを初期化する(ステップS21)。原稿読み取り中、廃トナーボトル揺動中は、それぞれのフラグをセット状態とする。
【0056】
操作表示部12からユーザーが入力した読み取りモード、サイズ等の設定がエンジン制御部19に通知される(ステップS22)。エンジン制御部19は前記通知を受け、指示がモノクロ読み取り、かつユーザーに指示された倍率が設定倍率(ここでは200%)より大きいと判断した場合((ステップS23:No→S41:Yes)、廃トナーボトルが揺動中ではないことを確認し(ステップS24:Yes)、状態記憶部18に読み取り中フラグをセットする((ステップS25))。前記条件(指示がモノクロ読み取り、かつ指示された倍率が設定倍率より大きい)が満たされていない場合、読み取り中フラグをセットしない。
【0057】
その後、原稿搬送制御部17にユーザー設定した設定値で動作するように指示を出す(ステップS26)。原稿搬送制御部17は図5に示す動作を実行する。読み取り終了が原稿搬送制御部17から通知されるまで待機するが(ステップS27)、その間に、廃トナー量センサ15が満杯を検知した場合に(ステップS44:Yes)、状態記憶部18の設定倍率を確認する(ステップS45)。
【0058】
指示倍率が設定倍率を超えている場合(ステップS45:Yes)、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動待機フラグをセットし(ステップS46)、揺動指示を出さないで待機する。その後、原稿搬送制御部17から読み取り終了が通知されたら(ステップS27:Yes)、廃トナー揺動待機フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS42)。
【0059】
判断の結果、セットされていたら(ステップS42:Yes)、廃トナーボトル揺動制御部16に廃トナーボトル揺動指示を出す(ステップS43)。セットされていない場合は(ステップS42:No)、処理を終了させる。
【0060】
これにより、モノクロ原稿読み取り時は、読み取り倍率によって、原稿搬送中に廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを切り分けて制御することができる。
【0061】
《第6の例:廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御の設定及びモノクロ原稿時倍率の設定に応じた処理》
予め廃トナーボトル揺動設定画面(図3)で「廃トナーボトル揺動時の読み取り抑止制御」の設定、及び「モノクロ原稿時倍率」の設定を行い、状態記憶部18に保存しておく。
【0062】
用紙搬送が終了し、廃トナー量センサ15が満杯もしくはもうすぐ満杯を検知したら(ステップS311:Yes)、状態記憶部18を確認し、読み取り中フラグがセットされていないことを確認し(ステップS312:No)、状態記憶部18に廃トナーボトル揺動中フラグをセットする(ステップS32)。
【0063】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16に揺動指示を出す(ステップS34)。廃トナーボトル揺動制御部16は図4に示す動作を実行する。廃トナーボトル揺動制御部16から揺動制御終了通知を受けるまで待機するが(ステップS35)、その間に、原稿読み取り指示を受けた場合にモノクロ原稿か否かを判断し、モノクロ原稿で指示倍率が設定倍率より大きい時か(ステップS48:Yes→S49:Yes)、モノクロ原稿でなく、カラー原稿であった場合(ステップS48:No)、カラー原稿読み取り待機中フラグをセットし(ステップS50)、読み取り指示を抑止する。カラー原稿でなく、モノクロ原稿で指示倍率が設定倍率以下の時は(ステップS48:Yes→S49:No)、読み取り指示を出す(ステップS51)。
【0064】
その後、廃トナーボトル揺動制御部16から揺動終了通知を受けたら(ステップS35:Yes)、廃トナーボトル揺動中フラグをリセットし(ステップS36)、カラー原稿読み取り待機中フラグがセットされていたら(ステップS52:Yes)、原稿搬送制御部17に読み取り指示を出すことで(ステップS53)、モノクロ原稿でも高倍率の場合は廃トナーボトル揺動中の読み取りを抑止することができる。
【0065】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態の画像形成装置は、下記(1)〜(5)の効果を有する。
(1)カラー読み取りかモノクロ読み取りかを判断して、読み取り中の廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを決めているので、廃トナーボトルの揺動による機体の振動で読み取り画像に影響が出るカラー読み取り中のみ揺動を抑止することができる。そのため、モノクロ原稿の生産性を落とすことなく、カラー原稿の色ずれを抑止することができる。
(2)廃トナーボトル揺動中に読み取り指示が来た場合に、カラー読み取りかモノクロ読み取りかを判断して、カラー読み取りの場合のみを揺動が終わるまで待たせるので、モノクロ原稿の生産性を落とすことなくカラー原稿の色ずれを抑止することができる。
(3)廃トナーボトル揺動中のカラー読み取りを抑止するか否かを設定することができるので、色ずれが出てもよい場合にカラー原稿の生産性を落とすことなく読み取りを行うことができる。
(4)モノクロ読み取り中でも廃トナーボトルの揺動を抑止するか否かを読み取り倍率によって設定できるので、通常より機械の揺れやすい設置場所などでも、モノクロ原稿の読み取りずれを抑止することができる。
(5)廃トナーボトル揺動中のモノクロ読み取りを抑止するか否かを読み取り倍率によって設定できるので、通常より機械の揺れやすい設置場所などでも、モノクロ原稿の読み取りずれを抑止することができる。
【符号の説明】
【0066】
3…画像形成部、11…原稿読み取り部、12…操作表示部、14…廃トナーボトル、15…廃トナー量センサ、16…廃トナーボトル揺動制御部、17…原稿搬送制御部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2008−3523号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿読み取り部と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、前記記録用紙に転写されずに前記像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナー容器と、当該廃トナー容器を揺動させる廃トナー容器揺動部と、当該廃トナー容器揺動部の動作を制御する制御部とを有し、
当該制御部は、前記複数の読み取りモードのうち、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、前記原稿読み取り部の動作中は前記廃トナー容器揺動部を動作させない画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記複数の読み取りモードはカラー読み取りモードとモノクロ読み取りモードであり、前記原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードはカラー読み取りモードである画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記複数の読み取りモードは変倍率の異なる複数のモノクロ読み取りモードであり、前記原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードは変倍率が所定値を超えるモノクロ読み取りモードである画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載された画像形成装置において、
ユーザーの入力操作に基づいて前記所定値を設定する手段を有する画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記廃トナー容器内の廃トナー量の検知手段を有し、前記制御部は、当該検知手段による所定量以上の廃トナー量の検知に応じて、当該廃トナー容器揺動部を動作させる画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
ユーザーの入力操作に基づいて、前記制御部による前記廃トナー容器揺動部を動作させない機能を働かせるか否かを設定する手段を有する画像形成装置。
【請求項1】
原稿搬送速度が異なる複数の読み取りモードを有する原稿読み取り部と、像担持体上にトナー像を形成し、記録用紙に転写する画像形成部と、前記記録用紙に転写されずに前記像担持体上に残留したトナーを収容する廃トナー容器と、当該廃トナー容器を揺動させる廃トナー容器揺動部と、当該廃トナー容器揺動部の動作を制御する制御部とを有し、
当該制御部は、前記複数の読み取りモードのうち、原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードに設定されているとき、前記原稿読み取り部の動作中は前記廃トナー容器揺動部を動作させない画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記複数の読み取りモードはカラー読み取りモードとモノクロ読み取りモードであり、前記原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードはカラー読み取りモードである画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記複数の読み取りモードは変倍率の異なる複数のモノクロ読み取りモードであり、前記原稿搬送速度が相対的に遅い読み取りモードは変倍率が所定値を超えるモノクロ読み取りモードである画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載された画像形成装置において、
ユーザーの入力操作に基づいて前記所定値を設定する手段を有する画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記廃トナー容器内の廃トナー量の検知手段を有し、前記制御部は、当該検知手段による所定量以上の廃トナー量の検知に応じて、当該廃トナー容器揺動部を動作させる画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
ユーザーの入力操作に基づいて、前記制御部による前記廃トナー容器揺動部を動作させない機能を働かせるか否かを設定する手段を有する画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−64862(P2013−64862A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203310(P2011−203310)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]