説明

画像形成装置

【課題】 像担持体表面を傷つけるのを抑制しつつ、像担持体とクリーニングブレードとの間に紙粉等の異物が挟まることに起因して起こるトナーのすり抜けや、像担持体のキズによる画像スジの発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】 像担持体をクリーニングするモードとして、クリーニングブレードの硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるように加熱手段に電圧を印加して像担持体を加熱し、検出手段が検出する温度情報が閾値を超えた状態で像担持体を空回転させるモードを実行する制御を行う制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子写真方式や静電記録方式を用いるファックス、プリンター、複写機等の画像形成装置に関し、特に、クリーニングブレードを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年プリンター、複写機等の画像形成装置の長寿命化がさまざまな方法により図られている。使用する像担持体の表面を削れにくい材質にする、感光体ドラムにフッ素微粒子を分散させて滑り性を付与させるといった方法や、帯電方法を接触式のAC帯電方式やDC帯電方式からコロナ帯電方式に変更するといった方法が用いられてきた。
【0003】
この像担持体の長寿命化に合せて、クリーニングブレードの寿命も延ばすことが望まれている。そこで、クリーニングブレードとして従来よりも高硬度な硬度75IRHD〜80IRHDにも及ぶウレタンゴムを使用して像担持体との滑り性を上げる方法や、クリーニングブレードのゴム材の像担持体と当接する当接面に樹脂層をコーティングして、クリーニングブレードに掛かる像担持体との摩擦力を低減させてクリーニングブレードの長寿命化を図る方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
上述したようなクリーニングブレードの当接部の硬度を高める処理をした硬度化処理部を備えるクリーニングブレードを用いる構成とすると、一方で、クリーニングブレードと像担持体との当接部(ニップ部)に紙粉等の異物が挟まり易くなる。クリーニングブレードと像担持体との当接部に異物が挟まると、異物により出来る隙間から転写残トナーがすり抜けたり、挟まった異物が像担持体表面を摺擦することでキズをつけることがある。特に、上述のように像担持体の耐久寿命が伸びた画像形成装置においては、像担持体表面に一度キズが付いてしまうと、像担持体が削れにくいために長期間、画像スジが発生してしまう。
【0005】
そこで、クリーニングブレードと像担持体との間に挟まった紙粉等の異物を除去する構成として、クリーニングブレードを像担持体表面に接触させた状態で像担持体の移動方向と直交する方向(ブレード長手方向)に往復移動させる方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−122213
【特許文献2】特開平6−186898
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、硬度を高める処理をした硬度化処理部を像担持体との当接部に備えるクリーニングブレードを用いる場合に、紙粉等の異物を除去するためにクリーニングブレードを像担持体表面に当接させた状態でブレード長手方向に往復移動させると、クリーニングブレードにおける硬度の高い硬度化処理部が像担持体に余計な負荷を掛けてしまい、像担持体表面を傷つけて画像不良を引き起こしてしまう恐れがある。また、紙粉等の異物が当接部に挟まった状態でブレードを長手方向に往復移動させるのも、像担持体表面を傷つけて画像不良を引き起こしてしまう恐れがある。
【0008】
一方で、硬度化処理部を像担持体との当接部に備えるクリーニングブレードでは、紙粉等の異物がブレードと像担持体との当接部に一旦挟まると、紙粉は簡単には除去されず挟まったままとなり、転写残トナーのすり抜け等を引き起こしてしまう。これは、硬度化処理部は硬度化処理していないクリーニングブレードに比べてクリーニング時の損失正接が高く変形しづらいため、当接部に挟まった紙粉を簡単には除去できないためである。
【0009】
そこで、本発明は硬度化処理部を備えるクリーニングブレードにおいても像担持体表面を傷つけるのを抑制しながら、像担持体とクリーニングブレードとの間に紙粉等の異物が挟まることに起因して起こるトナーのすり抜けや、像担持体のキズによる画像スジの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の画像形成装置は以下の構成を有する。即ち、回転しトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体の内部に備えられ電圧を印加されて前記像担持体を加熱する加熱手段と、前記像担持体表面の温度情報を検出する検出手段と、
前記像担持体との当接部の一部又は全域に硬度を高める処理をされた硬度化処理部を備え前記像担持体に当接して前記像担持体に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、前記像担持体をクリーニングするモードとして、前記加熱手段に電圧を印加して前記硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるように前記像担持体を加熱し、前記検出手段が検出する温度情報が閾値を超えた状態で前記像担持体を空回転させるモードを実行可能となるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、回転しトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体を回転駆動する駆動手段と、前記像担持体表面の温度情報を検出する検出手段と、前記像担持体との当接部の一部又は全域に硬度を高める処理をされた硬度化処理部を備え前記像担持体に当接して前記像担持体に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、前記像担持体をクリーニングするモードとして、前記硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるように、前記検出手段が検出する温度情報が閾値を超えるまで前記像担持体の回転速度を画像形成時よりも速めて空回転させるモードを実行可能とするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
像担持体表面を傷つけるのを抑制しつつ、像担持体とクリーニングブレードの当接部に紙粉等の異物が挟まることに起因して起こるトナーのすり抜けや、像担持体表面のキズにより画像スジが発生するのを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】実施例1に係るクリーニングブレードを示した斜視図である。
【図3】実施例1におけるクリーニングブレードの温度に対応する損失正接(tanδ)を示した図である。
【図4】実施例1に係る感光体ドラムとドラムヒータを説明するための図である。
【図5】実施例1における紙粉除去モードを示したフローチャート図である。
【図6】実施例1における感光体ドラムの表面温度と画像スジの関係について行った実験結果である。
【図7】実施例2における紙粉除去モードを示したフローチャート図である。
【図8】実施例2におけるドラムヒータのオン時間と感光体ドラムの表面温度との関係について示した図である。
【図9】実施例3における紙粉除去モードを示したフローチャート図である。
【図10】実施例3における感光体ドラムの空回転時間と感光体ドラム1の表面温度との関係について示した図である。
【図11】実施例4に係る紙粉除去モードを示したフローチャート図である。
【図12】その他実施例について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
【0015】
(実施例1)
まず、本実施例の画像形成装置として複写機を例にして説明する。図1は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示した図である。
【0016】
<画像形成装置の全体構成>
図1に示すように、画像形成装置は、回転し静電潜像が形成される像担持体であるドラム型の感光体ドラム1を有している。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電手段である一次帯電器2、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー像へと現像する現像手段である現像器41、感光体ドラム上のトナー像を転写する転写手段である転写ローラ4、分離帯電器5、および感光体ドラム上のトナーや紙粉等を除去するクリーニングブレード13を備えるクリーニング装置14が感光体ドラムの回転方向に順次配置されている。
【0017】
感光体ドラム1の上方には、原稿画像を走査(スキャン)して得られた原稿画像に対応する画像露光3を、感光体ドラム表面に照射する不図示の光学系が設けられている。また、転写ローラ4の最上流には、給紙部としての給紙カセット9が配置されている。そして、記録材24がこの給紙カセット9から、給紙ローラ10およびレジストローラ11によって給送され、さらに転写ローラ4のある転写部へと搬送される。
【0018】
分離帯電器5の下流側には、転写されたトナー像を記録材へと定着する定着器15が設けられている。さらに定着器15の下流側には、記録材24を機外に排出するため排紙ローラと排紙トレイとからなる排紙部が配置されている。
【0019】
また、感光体ドラム表面の温度情報を検知する検出手段であるサーミスタ200と、感光体ドラム1を回転駆動する駆動部であるモータ301と、モータ301の駆動を制御する制御部であるCPU303と、サーミスタで検知した温度情報を変換してCPU303に入力するA/D変換器302と、を有し、感光体ドラム1の回転駆動の制御をCPU303により行っている。
【0020】
<画像形成装置の画像形成動作>
以上のように構成された画像形成装置における画像形成プロセスについて説明する。
【0021】
まず、駆動部であるモータ301により駆動される感光体ドラム1の表面が、一次帯電器2によって帯電される。その後、一次帯電器2によって帯電された帯電領域に、画像露光3が照射されることにより、感光体ドラム1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
【0022】
感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は現像器41によって現像されてトナー像とされた後、感光体ドラム1の回転により転写部に到達し記録材へと転写される。その際、搬送されてきた記録材24はレジストローラ11により感光体ドラム1上のトナー像と同期がとられて、転写部へと送り込まれる。そして、転写ローラ4により、送り込まれてきた記録材へとトナー像が転写される。
【0023】
トナー像が転写された記録材24は、分離帯電器5において感光体ドラム1から分離され、続けて、定着器15によってトナー像が定着された後に、機外へと排出される。また、トナー像の転写後、感光体ドラム1の表面に残留しているトナーや紙粉等の残留物は、クリーニング装置14のクリーニングブレード13により感光体ドラム1の表面から掻き取られ、除去される。
【0024】
<クリーニングブレード>
以下、本実施例で用いるクリーニングブレード13について詳しく説明する。
【0025】
図2は、本実施例のクリーニングブレード13を示した斜視図である。クリーニングブレードには、自由長方向及び厚み方向に、エッジ部としてL字の断面形状を有する硬度化処理部(硬化層)100が、感光体ドラム1との当接部、つまりは自由長方向(x方向)先端に、クリーニングブレード13の長手方向に対して両端部を含む全域に一様に形成されている。実施例では図2に示すようにL字型の硬度化処理部の断面形状を用いたが、その他に例えば、矩形、三角形、台形、L字形等とすることもできる。ただし、本実施例のような断面形状は、製造が容易であり、端部に十分な厚みの硬度化処理部が形成されるため、自由長部のゴム弾性が損なわれにくく好ましい。
【0026】
以下、クリーニングブレードの各寸法について説明する。硬度化処理部の自由長方向の長さL1(x方向)は、硬度化処理部の効果を十分なものとするため、0.2mm以上が好ましく、1mm以上が更に好ましい。また、支持部の十分なゴム弾性を実現するために、クリーニングブレードの自由長方向の長さの50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。L1を、ここに記載の範囲内とすることにより、当接部の進入による線圧の急峻な増加を抑制できるため、安定した当接圧を得ることができる。なお、クリーニングブレードの自由長方向の長さは、5mm以上15mm以下が好ましい。
【0027】
クリーニングブレードの厚み方向の長さL2(y方向)は、硬度化処理部の効果を十分なものとするため、0.2mm以上が好ましく、1mm以上が更に好ましい。硬度化処理部の厚み方向の長さT1(y方向)は0.12mm以上とされ、0.15mm以上が更に好ましく、また、1.0mm以下が好ましい。
【0028】
硬度化処理部の厚さT1(y方向)が、この範囲であればクリーニングブレードの表面が摩耗したとしても、クリーニングブレードの表面の良好な特性は維持されやすい。また、硬度化処理部が十分な厚みを有しているため、像担持体との摺動によりクリーニングブレードの表面が大きく変形することが抑制され、近年頻繁に用いられつつある微小なトナーや球形トナーも効果的に除去することができ、またクリーニングブレードのめくれも抑制できる。
【0029】
本実施例ではクリーニングブレードの先端(当接部)は、ポリウレタン樹脂中に元々存在する活性水素を持ったウレタン結合基に着目し、イソシアネート化合物とポリウレタン樹脂をアロファネート結合を介して強固に結合させ硬度化処理部としている。さらに活性水素化合物と反応しない余剰のイソシアネート化合物を自己重合させることにより製造されている。また、硬度化処理部はクリーニングブレードにイソシアネート化合物を含浸させて含浸処理した後、ポリウレタン樹脂とイソシアネート化合物とを反応させて形成させている。
【0030】
本実施例のブレード基材を形成するポリウレタンとしては、高分子ポリオール、ポリイソシアネート、および硬化剤を反応させたものを用いることが出来る。また、硬化させる際に、通常ウレタン硬化に用いる触媒を用いても良い。
【0031】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、カプロラクトンエステルポリオール、ポリカーボネートエステルポリオール、シリコーンポリオールなどが用いられる。
【0032】
イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
クリーニングブレードの成形方法としては、上述した各成分を一度に混合して、金型または遠心成形円筒金型に注型して成形するワンショット法;イソシアネートとポリオールをあらかじめ反応させておきプレポリマーとし、その後、架橋剤を混合して金型または遠心成形円筒金型に注型して成形するプレポリマー法;イソシアネートにポリオールを反応させたセミプレポリマーと、架橋剤にポリオールを添加した硬化剤を反応させて金型または遠心成形円筒金型に注型して成形するセミワンショット法などを用いることが出来る。
【0034】
クリーニングブレードに含浸させるイソシアネート化合物は分子中に1個以上のイソシアネート基を有するもので、1個のイソシアネート基を有するものはオクタデシルイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、芳香族モノイソシアネート等が使用できる。
【0035】
2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物は環境中の水を介在したウレア結合による高分子化反応が進行し、上記の三次元分岐構造と合わせて網目構造を形成し、硬度化処理部が形成される。硬度化処理部の厚さは比較的薄くとも、感光体ドラムとの摩擦力の低減に効果がある。
【0036】
本実施例における硬度化処理部100の国際ゴム硬度(IRHD)は、クリーニングブレードの良好な耐久性を実現し、感光体ドラムがクリーニングブレードにより損傷されることを防止するために自由長部の硬度より高く、また75IRHD以上が好ましく、77IRHD以上が更に好ましい。また、100IRHD以下が好ましく、90IRHD以下が更に好ましい。この数値は、クリーニングブレードが適度な反発弾性を有することで、トナーのすり抜けを防止し、かつ感光体との摩擦で生じる微振動を吸収する上で好ましい。
【0037】
また、硬度化処理部の摩擦係数は、クリーニングブレードの摺動特性の観点から、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい。またクリーニングブレードは、適度なモジュラスを有することが耐摩耗性による長寿命化の観点から好ましい。クリーニングブレードに関わるこれらの物性は、JIS K 6251等で規定される測定方法により測定される。
【0038】
本実施例におけるクリーニングブレードとしては、未処理部分のIRHD硬度が68IRHD、イソシアネート処理した像担持体との硬度化処理部(当接エッジ部分近傍)のIRHD硬度が85IRHDであるものを作成し、損失正接tanδを測定する実験を行った。後述する図3から分かるとおり、硬度化処理部のtanδのピーク値(一番値が高い部分)は未処理部と比べて高温側にシフトするとともに、tanδの値は18℃付近で交差するため、通常の使用温度条件においては、硬度化処理部のtanδの値は未処理部と比較して大きな値になっている。
【0039】
本実施例のクリーニングブレードにおける硬度化処理部の損失正接(動的粘性の動的弾性に対する割合=tanδ)は、ブレード部材の動的な粘弾性特性の指標となる。そこで、本実施例のクリーニングブレードにおける損失正接と温度との関係を図3に示す。ここで、損失正接tanδとは、貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比、G”/G’を損失正接(損失係数)と呼び、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するかを示している。測定は動的粘弾性測定装置で行い、損失正接tan δの値が大きいほどエネルギーを吸収し、衝撃緩衝試験では反発弾性率が小さくなり、加振試験においては共振倍率が低くなる。損失正接tanδ値の測定としては、クリーニングブレードの硬度化処理部のみ切断し、粘弾性測定装置RSA2(レオメトリックス社製)を用い、10Hzでtanδの温度依存性を測定した。クリーニングブレードの当接部の実用温度領域(0℃以上70℃以下)において、損失正接tanδの値が小さいほど、クリーニングブレードの当接部の異物の除去能力が向上して紙粉等の異物の挟まりが抑制される。
【0040】
また、クリーニングブレードに用いられる通常のポリウレタン、イソシアネート処理した硬度化処理部は実使用温度範囲の下限付近で、tanδが高くなっている。つまり、実使用温度範囲の下限付近での粘性の割合が高いので、回転する像坦持体と当接するクリーニングブレードの当接部分が変形しづらく、異物の除去能力が低下してしまう。電子写真プロセス、即ち像担持体の回転速度が高速なほどその傾向は顕著になる。
【0041】
また、ポリウレタン樹脂や含浸するイソシアネートの種類、処理方法によって異なるが、未処理部のtanδと硬度化処理部のtanδは15℃から50℃の間で逆転する傾向がある。
【0042】
<ヒータ>
次に、本実施例に係るドラムヒータ300について図4を用いて説明する。像担持体の加熱手段であるドラムヒータ300として、発熱用のコイルをポリカーボネート製のシート上に配置した面状発熱体を使用した。面状発熱体は円筒状にした状態で感光体ドラム1の内部に備えられ、図4に示すように本実施例では感光体ドラム1に装着される。すなわち、面状発熱体300が感光体ドラム1の内側に沿うように装着される。発熱体である面状発熱体はヒータ電源201から電圧が印加されて発熱し、感光体ドラム1を加熱する。その際、加熱される感光体ドラム1の表面はサーミスタ200で温度情報を検出されてCPU303により温調されている。
【0043】
なお、感光体ドラム1とドラムヒータ300が回転可能となるようにヒータ電源201からの供給ラインとCPU303からサーミスタ200へのラインは直結されている。実際には、スリップリング等を介して接続できるが、これについての説明は省略する。なお、ドラムヒータの消費電力は60Wとした。
【0044】
<紙粉除去のクリーニングモード>
続いて、本実施例において実行される紙粉除去のクリーニングモード(紙粉除去モード)について説明する。まず、図1を用いてドラムヒータ300のON/OFF制御について説明する。本実施例におけるドラムヒータの温度制御は、制御手段であるCPU303(制御部)によって統括的にコントロールされるようになっている。CPU303の内部構造は、かかる役割を担うために、システムコントローラに搭載されたROMに格納されたプログラムによって、あらかじめ決められたドラムの温度調整シーケンスに関わる様々なシーケンス制御を実行可能に制御するようになっている。また、CPU303はそのシーケンス制御を実行する際、一時的又は、恒久的に保存することが必要なデータを格納するRAMも搭載されている。
【0045】
CPU303は感光体ドラム内部に配置されたドラムヒータ300の加熱についても、ドラムヒータ300へ電圧を印加するヒータ電源201のON/OFFを切り替えることで制御している。この際、感光体ドラム1には、感光体ドラム1の表面温度を検出する検出手段であるサーミスタ200が設けられており、感光体ドラム1の温度変化に応じたサーミスタ200の抵抗変化がA/D変換器302によって電圧値に変換され、デジタル値としてCPU303に入力される。そして、CPU303に入力された感光体ドラム表面の温度情報に関する入力値が、所望の温度ターゲットに達しているか、否かで、ドラムヒータ300を加熱するか、しないかの決定をCPU303で行い、それに従いドラムヒータ300に印加する電圧を制御する。
【0046】
後述する紙粉除去モードでは、感光体ドラム表面のターゲット温度(閾値)を通常の画像形成時とは切り替えるようにシーケンスが組まれている。まず、サーミスタ200の抵抗変化がA/D変換器302によって電圧値に変換された後、CPU303に入力される。そしてCPU303は、ドラムヒータのヒータ電源201がONであるか、OFFであるかを判断し、それぞれの状態で所望の温度に達しているか、否かで、ドラムヒータ300を点灯か、消灯かの決定をして、ドラムヒータの電源201に電圧印加するか否かを判断するというシーケンス制御により、感光体ドラム1の温調が行われる。
【0047】
本実施例で用いる紙粉の除去を目的とするクリーニングモード(紙粉除去モード)について以下説明する。図5は紙粉除去のクリーニングモードを説明するためのフローチャート図である。ここでは紙粉の出易い紙として再生紙を挙げているが、これに限定されずにさまざまな種類の記録材で本発明は効果を得ることができる。
【0048】
また、転写紙が再生紙かどうかは、給紙カセットに入れた時点で確認しておいてもよいし、プリント動作指示を受けた時に、ユーザーに確認してもよいし、各種提案されている紙種センサを用いても良い。
【0049】
画像形成装置が画像形成信号を入力されたら、最初に転写紙として再生紙など紙粉の出易い紙を指定されかどうかを確認する。出易い紙であった場合、一定枚数プリントされる毎に紙粉除去のシーケンス制御を実行する。
【0050】
一定枚数以上プリントされていた場合、まず、感光体ドラム表面の温度を検知し、目標温度以下かどうかを判断する。本実施例では感光体ドラム表面の目標温度を後述するクリーニングブレードの損失正接が0.3以下となるように32℃に設定している。感光体ドラム表面温度が目標温度以下だった場合、ヒータ電源をONにしてドラムヒータをONにする。その後もCPU303は感光体ドラム表面温度を検知し続けて、ターゲット温度(閾値)に達したら、感光体ドラムの空回転をおこなう。
【0051】
その後、感光体ドラムの空回転を一定時間おこなってクリーニングブレードに挟まった紙粉をクリーニングブレードから吐き出して通過させる。空回転が終了したら、次の作像動作に戻るか、もしくはスタンバイ状態に戻る。即ち、像担持体をクリーニングするモードとして、硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるようにドラムヒータに電圧を印加して像担持体を加熱し、サーミスタが検出する温度情報が閾値を超えた状態で像担持体を空回転させるモードを実行する制御を行う。このような制御とすることでクリーニングブレードの温度を高い状態にしてから紙粉除去をしている。尚、感光体ドラムの空回転実行時は帯電、現像、転写バイアスを適宜選択して印加しても良いし、全てオフにしても良い。
【0052】
本実施例では、クリーニングブレードの損失正接を一時的に小さくして紙粉を除去するモード(紙粉除去モード)を実行するが、その際ドラムヒータの熱を用いてクリーニングブレードを加熱することにより、クリーニングブレードの動的粘弾性特性(損失正接)を小さくしている。これにより、クリーニングブレードの像担持体との当接部の像担持体回転方向への変化量(移動量)が大きくなるため、クリーニングブレードに挟まった紙粉等の異物が取れやすくなる。ブレードの硬度化処理部の損失正接tanδの値としては、後述する図6に示す0.3以下まで低下する温度(30度)に感光ドラム1の表面温度が達すると、紙粉等の付着物がクリーニングブレードの当接部から吐き出されて取れやすくなるため望ましい。
【0053】
図6には、本実施例で用いるクリーニングブレードを有する画像形成装置を用いて耐久試験をおこなった結果を示した。耐久試験としては、感光ドラム1の表面の目標温度を10〜40度の間の図に示す5種類の温度とした上で紙粉除去モードを実行し、その時に画像スジの画像不良が起こるかどうかを判定した。
【0054】
ここで、損失正接tanδの値は、クリーニングブレードの硬度化処理部のみを切断して、各温度で測定したときの値を示している。結果を見て分かるとおり、ブレードの損失正接tanδの値が0.3以下まで低下する温度(30度)に感光ドラム1の表面温度が達したところでクリーニングブレードと感光ドラム1とのニップ部から紙粉を除去することができることが分かる。
【0055】
本実施例で示した紙粉除去モードを実行しかつ当接部に硬度化処理部を備えるクリーニングブレードと、従来例で示した感光体ドラム移動方向と直交する方向に周期的に往復運動(レシプロ動作)を行い、ウレタンゴムから成るクリーニングブレード(従来例1)、当接部に硬度化処理部を備えるクリーニングブレード(従来例2)、の3つの条件で比較実験をおこなった。実験条件としては、記録材としてA4サイズの再生紙(EW−100)を横送りで合計10万枚送って画像を定着させ、その時の記録材上の画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0056】
なお、本実施例の紙粉除去モードとして、記録材500枚毎に1回、紙粉除去のシーケンス制御を実行した。また、従来例のクリーニングブレードの長手方向への往復運動幅は、中心から左右約3mmとし、往復運動の周期は1Hzとした。
【0057】
【表1】

【0058】
表1から分かる通り、従来例1の条件では紙粉の除去が十分でなく、転写残トナーのクリーニング不良による画像不良とともに、ブレードの往復運動(レシプロ運動)によって、像担持体表面のブレードによる摺擦傷の幅が広がったとみられる軽微の画像スジが発生した。
【0059】
従来例2の条件では、感光体ドラムとクリーニングブレードの当接部に滞留した紙粉に起因すると見られる、転写残トナーのクリーニング不良による軽微の画像スジが長期にわたって発生した。
【0060】
本実施例で示した紙粉除去モードを行った条件では、10万枚の画像を形成する耐久終了までクリーニング不良や画像スジなどが発生せず、最後まで良好な画像を得ることができた。
【0061】
尚、本実施例では感光体に当接するクリーニングブレードを用いて説明したが、転写ベルトに当接し転写ベルト表面をクリーニングするクリーニングブレードであっても、二次転写ローラに当接し二次転写ローラ表面をクリーニングするクリーニングブレードであっても良い。
【0062】
また、硬度化処理部100はクリーニングブレードの先端全域に限定されず、クリーニングブレードの先端の長手方向の両端部のみに形成し、中央部は硬度化処理しないで未処理部としても良い。即ち、少なくともクリーニングブレードの当接部である先端の一部が硬度化処理されていれば良い。この場合には、硬度化処理部と未処理部との境界は最大画像形成領域よりも長手方向外側に形成すれば、より紙粉がブレードの当接部に挟まりづらいため望ましい。
【0063】
(実施例2)
本実施例では、感光体ドラム1の機内温度を検知して、あらかじめCPU内のROMに記録されたテーブルに従って、ドラムヒータにより感光体ドラム1を加熱する時間を決定することを特徴としている。
【0064】
図7は本実施例の紙粉除去モードのフローチャートを示した図である。通常、感光体ドラムの表面温度は画像形成装置本体内温度よりも高くなっているため、サーミスタ200で感光体ドラム表面の温度を検知することが必要になる。ただし、本実施例では、画像形成装置本体内の温度を検知する検知センサの温度情報を用いて、感光体ドラムの表面温度を検出することとしてある。
【0065】
例えば、検知センサによる温度検知情報の検出開始時に、本体内温度23℃であれば、感光体ドラム表面温度(T1)は略27℃となる。また、目標温度(T2)は32℃とする。このとき、感光体ドラム表面の目標温度上昇は+5℃となるので、あらかじめCPU303に記録されたテーブルに従って、ドラムヒータにより感光体ドラム1は所定時間加熱される。
【0066】
図8(a)は、本実施例で用いたドラムヒータをオンとしたときの感光体ドラム表面の温度推移を示している。また、図8(b)は、図8(a)から算出した必要な上昇温度とヒータをオンする時間との関係を示した図である。
【0067】
本実施例の場合、あらかじめCPU303に記録されたテーブルから目標温度32℃に、5℃温度上昇させるのに約2.7分間ドラムヒータをオンして加熱する必要があることが分かる。そこで、ドラムヒータをオンしてから2.7分が経過したら、感光体ドラム1の空回転をおこない、その後スタンバイ状態に戻るか、次のプリント動作(画像形成動作)をおこなう。本実施例を用いれば、クリーニングブレードと感光体ドラムとの当接部に滞留する紙粉の除去をおこなうことができる。
【0068】
尚、この温度情報、ドラムヒータ加熱に必要な時間を操作パネルに表示することでユーザーに知らせてもよい。その場合には、所定の時間定着器の加熱をオフするなど省エネルギー効果を得ることが可能となる。
【0069】
(実施例3)
本実施例では、実施例1の紙粉除去モードを実行するかどうかを選択可能にしていることを特徴としている。図9は本実施例のシーケンス制御を示したフローチャート図であり、これを用いて以下、本実施例のシーケンス制御について説明する。
【0070】
前回の紙粉除去モードを実行してから所定枚数以上の再生紙を通紙したとき、画像形成装置の操作パネル上に紙粉除去モードを実行するかどうかユーザーに確認するメッセージを表示する。ユーザーが紙粉除去モードを選択した場合には、紙粉除去モードが選択されて感光体ドラム表面温度を確認した後、ドラムヒータをONにして目標温度まで感光体ドラム表面を加熱する。
【0071】
目標温度に達したら、感光体ドラムの空回転動作を実行して、スタンバイ状態に入る。ユーザーが紙粉の挟まりによる画像スジが出ていない、又は目立たないと判断した場合には、紙粉除去モードを選択しないことも可能となる。
【0072】
本実施例を用いれば、クリーニングブレードへの紙粉の挟まりが画像に影響が出ていない場合には、紙粉除去モードをキャンセルすることで、画像形成の生産性を向上させることが可能である。
【0073】
(実施例4)
本実施例は、紙粉除去モード時に感光体ドラム1の回転速度を画像形成時の回転速度よりも速くすることで感光体ドラム1の表面温度、クリーニングブレード13の温度を高めることを特徴としている。
【0074】
本実施例で用いた画像形成装置の画像形成速度である感光体ドラムの画像形成時の回転速度(プロセススピード)は約300mm/secである。一方、紙粉除去モードを実行するときには、一時的に感光体ドラムの回転速度を画像形成時の倍の600mm/secに上昇させて感光体ドラム1の表面温度、クリーニングブレードの温度を高めている。
【0075】
図10は各プロセススピードにおける、感光体ドラム表面の温度上昇カーブを示した図である。温度計測開始時の感光体ドラム1の表面温度が25℃、目標温度を32℃とする場合、画像形成時の感光体ドラム1の回転速度(300mm/sec)では目標温度に達するまで600秒以上かかっても上昇させることが出来ない。一方、感光体ドラム1の回転速度を600mm/secまで速めると、約130秒で32℃まで到達することが可能である。尚、ここで目標温度を32°としたのは、実施例1と同様にクリーニングブレードの損失正接が0.3以下となるようにするためである。
【0076】
図11は本実施例の紙粉除去モードのフローチャートを示した図である。感光体ドラム1の表面温度が目標温度以下かを判断するフローまでは、実施例1と同一のフローであり説明は省略する。ここで、感光体ドラム1の表面温度が目標温度以下と判定された場合に、感光体ドラム1は画像形成時のプロセススピードよりも速い回転速度(600mm/sec)で空回転駆動(増速空回転)を実行する。本実施例では感光体ドラム1表面温度が目標温度に到達したら、感光体ドラム1の増速空回転駆動を停止し、再度プロセススピードを制御して画像形成動作を実行するが、このとき600mm/secのまま画像形成動作を実行しても、600mm/secから300mm/secに減速させて画像形成動作を実行しても良い。
【0077】
本実施例を用いれば、クリーニングブレードと感光体ドラムの当接部からの紙粉の除去をおこなう紙粉除去モードを実行するのに、ドラムヒータなどの加熱手段が必要ない上に、さらに画像形成速度と同じ速度で感光体ドラム1を空回転駆動させるよりも紙粉除去に要する時間を短縮できるため、生産性を向上させることが可能である。
【0078】
尚、本実施例による増速空回転によるクリーニングブレードの加熱と、実施例1〜3のドラムヒータとを組み合わせて、感光体ドラムの加熱を行うとしても良い。
【0079】
(その他の実施例)
本発明のその他の実施例として、紙粉除去モードを図12に示すように中間転写体クリーニング装置として中間転写体クリーニングブレード401を用いる。即ち、図に示すような中間転写体クリーニングブレード401を有する画像形成装置において、中間転写体ヒータのような加熱手段を備えて紙粉除去モード時に中間転写体400の表面温度を高くして中間転写体を空回転させる、もしくは、中間転写体400の移動速度を画像形成時よりも紙粉除去モード時に速くすることによって中間転写体表面温度を高くして中間転写体を空回転させる。このような構成とすることにより、中間転写体400と中間転写体クリーニングブレード401との当接部(ニップ部)に滞留する紙粉を除去する効果を得ることができる。
【0080】
尚、本実施例による中間転写体上の紙粉除去モードと、実施例1〜4の感光体ドラム上の紙粉除去モードを組み合わせて行うとしても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 一次帯電器
3 画像露光
4 転写帯電器
5 分離帯電器
9 排紙トレイ
10 排紙ローラ
11 レジストローラ
13 クリーニングブレード
14 クリーニング装置
15 定着器
24 転写材
41 現像器
100 硬度化処理部
200 サーミスタ(検出手段)
201 ヒータ電源
300 ドラムヒータ(面状発熱体)
301 モータ
302 A/D変換器
303 CPU(制御部)
400 中間転写体
401 中間転写体クリーニングブレード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体の内部に備えられ電圧を印加されて前記像担持体を加熱する加熱手段と、前記像担持体表面の温度情報を検出する検出手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体との当接部の一部又は全域に硬度を高める処理をされた硬度化処理部を備え前記像担持体に当接して前記像担持体に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、前記像担持体をクリーニングするモードとして、前記加熱手段に電圧を印加して前記硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるように前記像担持体を加熱し、前記検出手段が検出する温度情報が閾値を超えた状態で前記像担持体を空回転させるモードを実行可能とするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記モードとして前記硬度化処理部の損失正接が0.3以下となるまで前記像担持体を加熱して、前記像担持体を空回転させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記硬度化処理部は、前記クリーニングブレードにおける前記当接部の長手方向の両端部であって、未処理部との境界が最大画像形成領域よりも長手方向外側となるように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
回転しトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体を回転駆動する駆動手段と、前記像担持体表面の温度情報を検出する検出手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体との当接部の一部又は全域に硬度を高める処理をされた硬度化処理部を備え前記像担持体に当接して前記像担持体に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、前記像担持体をクリーニングするモードとして、前記硬度化処理部の損失正接が画像形成時よりも小さくなるように、前記検出手段が検出する温度情報が閾値を超えるまで前記像担持体の回転速度を画像形成時よりも速めて空回転させるモードを実行可能とするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体は、静電潜像を形成されるドラム型の感光体ドラムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニングブレードはポリウレタン樹脂からなり、前記硬度化処理部はポリウレタン樹脂にイソシアネート化合物が含浸処理されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出手段は、画像形成装置本体内の機内の温度情報を検知する検知センサに基づいて前記像担持体表面の温度情報を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−83723(P2013−83723A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222145(P2011−222145)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】