説明

画像抽出方法

【課題】転がり軸受、ボールねじやリニアガイド等の直動装置、電動パワーステアリング装置等のステアリング装置等の機械部品や機械装置の精度、状態、特性を分析する際、各種の画像上のグラフデータを読み取り、画素に変換し、グラフ部分の画素を抽出し、グラフ座標と画素座標の対応関係を算出し、抽出した画素の位置情報をグラフ座標に変換してデータとして抽出し、周波数分析等の各種分析に使用する画像抽出方法を提供する。
【解決手段】本発明による画像抽出方法は、画素変換手段、画素抽出手段、グラフ座標と画素座標の対応関係算出手段、画素位置情報変換手段を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像上のグラフデータを読み取り、データを抽出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受、直動装置、ステアリング装置等の機械部品や機械装置の精度、状態、特性を分析する際、各種の画像上にグラフデータを得ることがある。図2は、転がり軸受の振動を測定したデータのグラフを、PDFファイルの画像として記録したものである。図2のような画像上のグラフデータは、そのままでは周波数分析等の各種分析には使用できない。
【0003】
この部分の改善の先行技術としては、特許文献1のような従来技術がある。これは、図面上の図形データを読み取り、図面を電子化する図形検出方法及び装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2621810
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法は、直線や円弧等の図形データを読み取って、図面を電子化する図形検出方法及び装置であり、図2のように複雑なグラフデータを読み取り、周波数分析等の各種分析に使用することは困難であった。
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、転がり軸受、直動装置、ステアリング装置等の機械部品や機械装置の精度、状態、特性を分析する際、各種の画像上のグラフデータを読み取り、データとして抽出し、周波数分析等の各種分析に使用する画像抽出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による画像抽出方法は、画素変換手段、画素抽出手段、グラフ座標と画素座標の対応関係算出手段、画素位置情報変換手段を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像抽出方法によれば、転がり軸受、直動装置、ステアリング装置等の機械部品や機械装置の精度、状態、特性を分析する際、各種の画像上のグラフデータを読み取り、データとして抽出し、周波数分析等の各種分析に使用する画像抽出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る画像抽出方法の一例
【図2】本発明に係る第1実施形態に用いたPDFファイル
【図3】図2のグラフ部分
【図4】本発明に係る第1実施形態のグラフ座標と画素座標の一例
【図5】本発明に係る第1実施形態のグラフ座標の一例
【図6】本発明に係る第2実施形態に用いたPDFファイル
【図7】図6のグラフ部分
【図8】本発明に係る第2実施形態のグラフ座標と画素座標の一例
【図9】本発明に係る第2実施形態のグラフ座標の一例
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明に係る画像抽出方法の一例を表した図であり、第1実施形態と第2実施形態に対応している。図2は、前述の様に、転がり軸受の振動を測定したデータのグラフを、PDFファイルの画像として記録したものである。本実施形態では、この画像を画素変換手段を用いて画素に変換する。そして、図3に示したようなグラフ1の部分の画素を、画素抽出手段を用いて抽出し、グラフ座標と画素座標の対応関係算出手段を用いて、図4のようなグラフ座標と画素座標を得る。次に、抽出した画素の位置情報をグラフ座標に変換し、図5のような2次元の座標データを得ることができる。なお、図4と図5の数値は一例であって、図2や図3のグラフには対応していない数値である。このような画像抽出方法を用いて得たデータは、周波数分析等の各種分析に使用することができる。
【0011】
<第2実施形態>
図6は、転がり軸受の内輪の軌道面の形状を測定したグラフを、PDFファイルの画像として記録したものである。本実施形態では、この画像を画素変換手段を用いて画素に変換する。そして、図7に示したようなグラフ2の部分の画素を、画素抽出手段を用いて抽出し、グラフ座標と画素座標の対応関係算出手段を用いて、図8のようなグラフ座標と画素座標を得る。次に、抽出した画素の位置情報をグラフ座標に変換し、図9のようなデータを得ることができる。なお、図8と図9の数値は一例であって、図6や図7のグラフには対応していない数値である。このような画像抽出方法を用いて得たデータは、周波数分析等の各種分析に使用することができる。
【0012】
また、上述の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を外れない限り、他の実施形態にも適用出来る。
【符号の説明】
【0013】
1、2 グラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像抽出方法において、画素変換手段、画素抽出手段、グラフ座標と画素座標の対応関係算出手段、画素位置情報変換手段を含むことを特徴とする画像抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−190295(P2012−190295A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53812(P2011−53812)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】