説明

画像提供方法および画像提供システム

【課題】ユーザに対してユーザ以外が撮影した画像を提供すること。
【解決手段】撮影装置40は、ヘルパー装置60からの撮影指示を受けて撮影し、得られた画像に画像IDを付与する。撮影装置40は、画像IDを端末装置10に通知するとともに、画像IDと画像データの組み合わせをサーバ30にアップロードする。サーバ30は、クライアント20から画像IDを指定した画像データの要求を受けた場合に、対応する画像データにユーザIDや事業者IDなどを電子透かしとして埋め込んだ透かし入り画像データを作成し、クライアント20に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像提供方法および画像提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データの活用が進んでいる。画像データの作成には、デジタルカメラを用いた撮影に加え、携帯電話端末や音楽再生装置などに搭載されたカメラによる撮影が広く用いられている。また、画像データの活用方法も多様化している。一例として、ユーザが日常的に撮影を行なって画像データを含んだ行動記録をライフログとして作成する利用方法が知られている。
【0003】
このように画像データの利用が進むにつれて、ユーザが手持ちの記録装置で撮影した画像のみならず、他者の記録装置やその装置による記録データを利用可能とすることが求められている。特に、画像データをライフログに用いる場合には、ユーザが行動した範囲について種々の画像を提供することが望まれる。
【0004】
ユーザが手持ちの記録装置で撮影する以外の画像データの利用方法としては、テーマパークなどでの記念撮影サービスや、監視カメラなどの利用方法が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】http://guide.usj.co.jp/ja/shop/j_spm_photo_op.do(2010/04/26)
【非特許文献2】http://www.ncam.net/index.html(2010/04/05)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のサービスにおいては、ユーザの手持ちの記録装置以外の装置で撮影された画像を自由に入手する手段が設けられておらず、電子データを入手して自由に利用することもできない。
【0007】
たとえば、記念撮影サービスでは、撮影を行なった場所で写真を購入するかを決定することが求められ、画像データを後から入手することができない。また、監視カメラは、その目的からユーザへの提供を想定した画像を撮影するものではなく、画像データを提供することもない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対してユーザ以外が撮影した画像を提供する画像提供方法および画像提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する画像提供方法および画像提供システムは、画像を撮影して画像識別情報を付与し、ユーザ用端末に前記画像識別情報を送信する。また、画像識別情報と画像をサーバに保持し、サーバが画像識別情報を指定した画像の要求を受けた場合は、指定された画像識別情報に対応する画像に電子透かしを埋め込んだ画像を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願の開示する画像提供方法および画像提供システムによれば、ユーザに対してユーザ以外が撮影した画像を提供する画像提供方法および画像提供システムを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施例にかかる画像提供システムの構成図である。
【図2】図2は、本実施例にかかる画像提供システムの動作説明図である。
【図3】図3は、撮影装置と端末装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、クライアントの処理動作を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、サーバの処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、端末装置10の移動と画像IDの取得についての説明図である。
【図7】図7は、行動マップの具体例の説明図である。
【図8】図8は、画像マップの具体例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる画像提供方法および画像提供システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
図1は、本実施例にかかる画像提供システムの構成図である。図1に示した画像提供システムは、端末装置10、クライアント20、サーバ30、撮影装置40およびヘルパー装置60を備える。
【0014】
端末装置10は、ユーザが携行するユーザ用端末であり、例えば携帯電話などのユーザ所有の装置やテーマパークなどから貸与された装置である。撮影装置40は、街頭や遊園地、テーマパーク、展示会場などに設置された撮影装置であり、ヘルパー装置60からの撮影指示に基づいて撮影を行なう。ヘルパー装置60は、例えばテーマパークのキャラクターの着ぐるみを着たスタッフなどが携行する撮影補助端末である。
【0015】
端末装置10を携行するユーザが、ヘルパー装置60を携行するスタッフの近傍で記念撮影などを希望する場合、端末装置10とヘルパー装置60で識別情報を交換し、ヘルパー装置60から撮影装置40に撮影指示を送信して撮影を行なう。このようにヘルパー装置60からの撮影指示に基づいて撮影を行なうことで、無作為に撮影を行なう場合に比して端末装置10を携行するユーザを確実に撮影する事ができ、また端末装置10を携行するユーザの良好な画像を得る事ができる。
【0016】
加えて、撮影装置40は、ヘルパー装置60の識別情報に基づいて撮影条件を決定する。撮影条件は、画像の背景や撮影時の効果処理を含む。また、撮影した画像データに対して行なう画像処理を含む。このように、ヘルパー装置60の識別情報に基づいて撮影条件を決定することで、ヘルパー装置60を携行するキャラクターなどに合せた画像データを得る事ができる。さらに、端末装置10の識別情報に基づいて撮影条件を決定すれば、端末装置10を携行するユーザに合せた画像データを得る事ができる。
【0017】
撮影装置40が撮影した画像は、画像IDを付与されてサーバ30に格納される。ユーザは、クライアント20から画像IDを指定した画像データの要求を行なう事で、サーバ30から所望の画像データを取得する事ができる。クライアント20は、例えばユーザが所有するコンピュータなどであってもよいし、端末装置10と一体であっても良い。
【0018】
サーバ30は、クライアント20に対して画像データを提供する際に、電子透かしを埋め込んだ画像を提供する。電子透かしには、ユーザIDなどユーザに関する情報や、事業者の識別情報など事業者に関する情報を埋め込むことができる。このように、ユーザや事業者に関する情報を電子透かしとして埋め込むことで、不正な画像の流用を監視できるため、著作権の保護などを行なうことが可能である。
【0019】
なお、ユーザ情報は、端末装置10から撮影装置40を介して取得しても良いし、クライアント20から取得しても良い。また、事業者情報は、予めサーバ30に保持しておくことが好ましい。
【0020】
図1に示したように、端末装置10は、無線信号送受信部11、データ保存部12、信号送受信部13、制御部14、表示部15を有する。無線信号送受信部11は、ヘルパー装置60に対するユーザIDの送信、ヘルパー装置60からのヘルパーIDの受信、撮影装置40に対するユーザIDとヘルパーIDの送信、撮影装置40からの画像IDの受信に用いる無線通信インタフェースである。
【0021】
制御部14は、端末装置10の動作を制御する制御部であり、ユーザからの操作に基づいてデータ保存部12からユーザIDを読み出してヘルパー装置60に送信し、ヘルパー装置60から受信したヘルパーIDをデータ保存部12に保存する。また、制御部14は、ユーザIDとヘルパーIDを撮影装置40に送信し、撮影装置40から画像IDを受信して表示部15に表示するとともに、データ保存部23に保存する。さらに、制御部14は、データ保存部12から画像IDを読み出して信号送受信部13を介してクライアント20に送信する。端末装置10は、ユーザに携行されて移動するため、複数の撮影装置から受信した画像IDを蓄積し、蓄積した画像IDをクライアント20に送信することができる。
【0022】
ヘルパー装置60は、無線信号送受信部61、制御部62、表示部63、データ保存部64を有する。無線信号送受信部61は、端末装置10からのユーザIDの受信、端末装置10へのヘルパーIDの送信、撮影装置40に対する撮影指示の送信、撮影装置40からの画像IDの受信に用いる無線通信インタフェースである。
【0023】
制御部62は、端末装置10の動作を制御する制御部であり、端末装置10から受信したユーザIDをデータ保存部64に保存し、データ保存部64からヘルパーIDを読み出して端末装置10に送信する。また、制御部62は、撮影指示を撮影装置40に送信し、撮影装置40から画像IDを受信して表示部63に表示するとともに、データ保存部64に保存する。
【0024】
撮影装置40は、撮影部41、制御部42、データ保存部43、無線信号送受信部44、信号送受信部45を有する。無線信号送受信部44は、端末装置10からのユーザIDとヘルパーIDの受信、ヘルパー装置60からの撮影指示の受信、端末装置10とヘルパー装置60への画像IDの送信に用いる無線通信インタフェースである。
【0025】
制御部42は、撮影装置40の動作を制御する制御部であり、端末装置10からユーザIDとヘルパーIDを受信してデータ保存部43に保存する。また、制御部42は、ヘルパーIDに基づいて撮影条件を設定する。具体例としては、複数のヘルパーIDについて各々撮影条件を定めたテーブルから、受信したヘルパーIDに対応する撮影条件を読み出せばよい。また、ヘルパーID自体に撮影条件の情報を持たせてもよい。
【0026】
さらに、制御部42は、ヘルパー装置60から撮影指示を受けた場合に、撮影部41による撮影を実行し、撮影によって得られた画像データに識別情報である画像IDを付与する。この画像IDには、撮影装置40の位置情報と撮影時刻の情報を含む。制御部42は、画像データと画像IDをデータ保存部43に保存し、画像IDを端末装置10とヘルパー装置60に送信する。この画像IDの送信は、撮影毎に行なう。送信の範囲は一例として10m程度である。
【0027】
また、制御部42は、データ保存部43から画像IDと画像データを読み出し、信号送受信部45を介して定期的にサーバにアップロードする。
【0028】
クライアント20は、信号送受信部21、制御部22、表示部23、データ保存部24、透かし確認部25を有する。信号送受信部21は、端末装置10およびサーバ30と通信する通信部である。信号送受信部21は、端末装置10から画像IDを受信する。また、信号送受信部21は、画像IDをサーバ30に送信することで画像データを要求し、サーバ30から画像データを受信する。
【0029】
制御部22は、クライアント20の動作を制御する処理部である。具体的には、制御部22は、端末装置10から受信した画像IDをデータ保存部24に格納する。さらに、制御部22は、画像IDを所定の地図データにプロットした行動マップを作成してデータ保存部24に格納する。制御部22は、行動マップを表示部23に表示し、ユーザから画像の取得を指示された画像IDをサーバ30に送る。サーバ30からは、電子透かしを埋め込まれた透かし入り画像データが提供される。サーバ30から透かし入り画像データを取得すると、制御部22は画像データを行動マップ上に重ねて表示した画像マップを作成し、表示部23に表示する。
【0030】
透かし確認部25は、透かし入り電子データに埋め込まれた情報を読み出して表示部23に表示する。透かし確認部25による処理は、ユーザの操作によって所望のタイミングで実行可能である。
【0031】
サーバ30は、信号送受信部31、制御部32、データ保存部33、電子透かし処理部34を有する。信号送受信部31は、撮影装置40から画像IDと画像データの組み合わせを受信する。また、信号送受信部31は、クライアント20から画像IDを指定した画像データの要求を受信し、対応する電子透かし入り画像データをクライアント20に送信する。
【0032】
制御部32は、サーバ30の動作を制御する処理部である。具体的には、制御部32は、撮影装置40などの各種撮影装置から画像IDと画像データの組み合わせを受信し、データ保存部33に格納する。また、制御部32は、クライアント20から画像IDを指定した画像データの要求があった場合に、画像IDに対応する電子透かし入り画像データをデータ保存部33から読み出してクライアント20に送信する。
【0033】
電子透かし処理部34は、画像データに対してユーザIDや事業者IDなどの情報を電子透かしとして埋め込み、透かし入り画像データを作成する処理を行なう。この電子透かし処理部34による処理は、クライアント20からの画像要求を受けてから行なっても良いし、サーバ30が画像データを取得してから画像要求を受けるまでの間に予め行なっておいても良い。以降の説明では、クライアント20からの画像要求を受けてから電子透かしを埋め込む場合を例示して説明を行なう。
【0034】
図2は、画像提供システム全体の動作説明図である。まず、端末装置10がユーザからの操作を受けてヘルパー装置60にユーザIDを通知する。ヘルパー装置60は、ユーザIDの通知を受けて端末装置10にヘルパーIDを通知する。
【0035】
端末装置10は、ユーザIDとヘルパーIDを撮影装置40に通知する。撮影装置40は、端末装置10からユーザIDとヘルパーIDの通知を受けて撮影条件を設定する。ヘルパー装置60を携行するスタッフは、撮影準備ができた場合にヘルパー装置60を操作して撮影指示を送信する。この撮影指示にはヘルパーIDを含める事で、ヘルパー装置が複数存在する場合であっても、撮影装置側で送信指示を行なったヘルパー装置を特定可能とすることが好ましい。
【0036】
撮影装置40は、撮影指示を受けて撮影を実行し、端末装置10とヘルパー装置60に画像IDを通知する。画像IDの通知を受けた端末装置10とヘルパー装置60は、それぞれ画像IDを表示するので、ユーザやスタッフは端末装置10とヘルパー装置60の表示を確認することで、撮影が正常に終了した事を確認することができる。
【0037】
撮影装置40は、画像IDと画像データをサーバ30にアップロードし、端末装置10は、画像IDをクライアント20に通知する。ここで、撮影装置40は、画像IDと画像データとともに、ユーザIDをサーバ30にアップロードすることができる。サーバ30は、クライアント20からサーバ30に画像IDを指定した画像要求が送られると、対応する画像データに電子透かしを埋め込み、透かし入り電子データをクライアント20に提供する。
【0038】
図3は、端末装置、ヘルパー装置、撮影装置の処理動作を説明するフローチャートである。端末装置10は、ユーザからの操作を受けてヘルパー装置60にユーザIDを送信し(S101)、ヘルパー装置60からヘルパーIDを受信する(S102)。端末装置10は、ユーザIDとヘルパーIDを撮影装置40に送信し(S103)、撮影装置40から画像IDを受信して(S104)、画像IDを表示し(S105)、処理を終了する。
【0039】
ヘルパー装置60は、端末装置10からユーザIDを受信して(S201)、ヘルパーIDを送信する(S202)。ヘルパー装置60は、スタッフからの操作を受けて撮影指示を撮影装置40に送信し(S203)、撮影装置40から画像IDを受信する(S204)。ヘルパー装置60は、画像IDを表示(S205)した後、スタッフの操作に基づいてユーザIDと画像IDをリセットし(S206)、処理を終了する。
【0040】
撮影装置40は、端末装置10からユーザIDとヘルパーIDを受信し(S301)、ヘルパーIDに基づいて撮影条件を設定する(S302)。撮影装置40は、ヘルパー装置60から撮影指示を受信(S303)すると、撮影を行なって画像IDを付与し(S304)、画像IDを端末装置10とヘルパー装置60に送信する(S305)。その後、撮影装置40は、画像データと画像IDをサーバに送信して(S306)、処理を終了する。なお、ここでは、撮影装置40が撮影毎に画像データと画像IDの組み合わせをサーバ30に送信する場合を例示したが、サーバ30への送信は複数回の撮影を行なった後に複数回分の画像データと画像IDを送信することとしても良い。
【0041】
図4は、クライアントの処理動作を説明するフローチャートである。クライアント20は、端末装置10から画像IDを取得し(S401)、データ保存部24に保存するとともに、ベース地図データに画像IDをプロットし、行動マップを作成する(S402)。
【0042】
ここで、ベース地図データは、クライアント20が予め保持するか、もしくは予め取得する。遊園地やテーマパークに設置された撮影装置から取得した画像IDをプロットするベース地図データは、遊園地やテーマパークなどから取得するようにしてもよい。また、街頭に設置された撮影装置から取得した画像IDをプロットするベース地図データは、例えば任意の地図データを用いることができる。
【0043】
画像IDには、撮影装置の位置情報と撮影時刻の情報が含まれているので、クライアント20は、画像IDに含まれる位置情報に基づいてベース地図データ上におけるプロット位置を決定し、撮影時刻についてはユーザに視認可能な情報として行動マップ上に表記する。
【0044】
クライアント20は、作成した行動マップを表示部23に表示する(S403)。行動マップに示した画像IDについて、ユーザから画像取得要求を受け付けた場合(S404,Yes)、クライアント20は、取得を要求された画像IDをサーバに送信し(S405)、サーバから透かし入り画像データを受信する(S406)。クライアント20は、受信した透かし入り画像データをベース地図データ、もしくは行動マップに重ねて画像マップを作成し(S407)、画像マップを表示部23に表示する(S408)。
【0045】
そして、表示部23に表示したマップに対してユーザからの画像取得要求が無くなった場合(S404,No)、クライアント20は、行動マップ、透かし入り画像データ、画像マップをデータ保存部24に格納して、処理を終了する。
【0046】
図5は、サーバの処理動作を説明するフローチャートである。サーバ30は、撮影装置40から画像ID、画像データ、ユーザIDを取得し、データ保存部33に保存する(S501)。
【0047】
サーバ30は、クライアント20から画像IDを指定した画像データの要求を受けると(S502,Yes)、画像IDに対応する画像データを選択する(S503)。サーバ30は、選択した画像データにユーザIDと事業者IDを電子透かしで追加し、透かし入り画像データを作成する(S504)。サーバ30は、この透かし入り画像データをクライアント20に提供して(S505)、処理を終了する。
【0048】
図6は、端末装置10の移動と画像IDの取得についての説明図である。図6に示した例では、撮影装置51〜53を示している。エリアA1〜エリアA3は、それぞれ撮影装置51〜53が無線通信可能な範囲であり、各エリア内に図示しないヘルパー装置を配置する。
【0049】
図6に示した例では、ユーザに携行された端末装置10はエリアA1内の位置P1、エリアA2内の位置P2、エリアA3内の位置P3の順に移動している。また、端末装置10が位置P1に存在するのが時刻T1、位置P2に存在するのが時刻T2、位置P3に存在するのが時刻T3である。
【0050】
端末装置10は、位置P1において、ヘルパー装置を介することで撮影装置51による撮影を行なうことができ、撮影した画像データに対応する画像IDを受信可能である。同様に、端末装置10は、位置P2,P3において、ヘルパー装置を介することで撮影装置52,53による撮影を行なうことができ、撮影した画像データに対応する画像IDを受信可能である。
【0051】
図7は、行動マップの具体例の説明図である。図7に示した行動マップD1は、テーマパークの地図データに画像IDに基づくプロットを行なっている。テーマパークの地図データには、アトラクションE1〜E7の位置が示されており、アトラクションE1〜E7には撮影装置51〜57が配置されている。
【0052】
クライアント20は、このテーマパークの地図データに対して画像IDに基づくプロットを行なう。図7に示した例では、端末装置10が撮影装置51から10時15分に画像IDを受信し、撮影装置52から12時30分に画像IDを受信し、撮影装置53から14時10分に画像IDを受信している。このため、行動マップD1では、アトラクションE1〜E3の近傍に入手可能な画像が存在することを示す表示と、入手可能な画像が撮影された時刻の表示を行なっている。
【0053】
ユーザが行動マップD1を見て、アトラクションE1の近傍で撮影された、すなわち撮影装置51によって撮影された画像データの入手を要求した場合、クライアント20は、対応する透かし入り画像データをサーバから取得して画像マップを作成する。
【0054】
図8は、画像マップの具体例の説明図である。図8に示した画像マップD2は、撮影装置51が撮影した画像データF1をアトラクションE1の近傍に重ね合わせて表示している。
【0055】
このように、端末装置10とヘルパー装置60で識別情報を交換し、ヘルパー装置60から撮影装置40に撮影指示を送信して撮影を行なうことで、端末装置10を携行するユーザは、希望の場所で確実に撮影する事ができ、また端末装置10を携行するユーザの良好な画像を得る事ができる。
【0056】
また、ヘルパー装置60の識別情報に基づいて撮影条件を決定することで、ヘルパー装置60を携行するキャラクターなどに合せた画像データを得る事ができる。さらに、端末装置10の識別情報に基づいて撮影条件を決定すれば、端末装置10を携行するユーザに合せた画像データを得る事ができる。
【0057】
さらに、ユーザIDや事業者IDなどの情報を電子透かしとして埋め込んだ画像を提供するので、不正な画像の流用を監視し、著作権の保護などを行なうことができる。
【0058】
なお、本実施例はあくまで一例であり、適宜変更して実施する事が可能である。例えば本実施例では、ヘルパー装置がスタッフによって携行され、操作される端末である場合を例に説明を行なったが、ヘルパー装置を撮影装置の近傍に固定し、自動で動作する装置として実施することとしても良い。
【0059】
また、本実施例では、ヘルパー装置60からの撮影指示に基づいて撮影を行なう場合の例について説明したが、撮影装置40が定期的に周囲を撮影し、撮影に際して近傍のヘルパー装置から取得したヘルパーIDや近傍の端末装置10から取得したユーザIDに基づいて撮影条件を変更する構成として実施してもよい。
【0060】
また、本実施例では、サーバ30が電子透かし処理部を有する構成を例に説明を行なったが、電子透かし処理部を撮影装置側に設けた構成であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明にかかる画像提供方法および画像提供システムは、画像データの提供に有用であり、特に、他者が撮影した画像の提供に適している。
【符号の説明】
【0062】
10 端末装置
11,44,61 無線信号送受信部
12,24,33,43,64 データ保存部
13,21,31,45 信号送受信部
14,22,32,42,62 制御部
15,23,63 表示部
20 クライアント
25 透かし確認部
30 サーバ
34 電子透かし処理部
40,51〜57 撮影装置
41 撮影部
60 ヘルパー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置が画像を撮影するステップと、
前記撮影装置が撮影した画像に画像識別情報を付与するステップと、
前記撮影装置がユーザ用端末に前記画像識別情報を送信するステップと、
前記画像識別情報と前記画像とを対応付けてサーバに格納するステップと、
前記サーバが前記画像識別情報を指定した画像の要求を受けた場合に、指定された画像識別情報に対応する画像に電子透かしを埋め込むステップと、
前記サーバが前記電子透かしを埋め込んだ画像を提供するステップと
を含んだことを特徴とする画像提供方法。
【請求項2】
撮影装置が画像を撮影するステップと、
前記撮影装置が撮影した画像に画像識別情報を付与するステップと、
前記撮影装置がユーザ用端末に前記画像識別情報を送信するステップと、
前記画像識別情報と前記画像とを対応付けてサーバに格納するステップと、
前記サーバが前記画像に電子透かしを埋め込むステップと、
前記サーバが前記画像識別情報を指定した画像の要求を受けた場合に、指定された画像識別情報に対応する前記電子透かしを埋め込んだ画像を提供するステップと
を含んだことを特徴とする画像提供方法。
【請求項3】
前記撮影装置が前記ユーザ用端末からユーザ情報を取得するステップをさらに含み、
前記電子透かしを埋め込むステップは、前記ユーザ情報を埋め込むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像提供方法。
【請求項4】
前記電子透かしを埋め込むステップは、前記サーバが保持する事業者情報を埋め込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像提供方法。
【請求項5】
前記電子透かしを埋め込んだ画像を取得したクライアント装置が、前記電子透かしに埋め込まれた情報を読み出すステップをさらに含んだことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像提供方法。
【請求項6】
画像を撮影して画像識別情報を付与し、ユーザ用端末に前記画像識別情報を送信する撮影装置と、
前記画像に電子透かしを埋め込む電子透かし処理部と、
前記画像識別情報と前記画像、もしくは前記画像識別情報と前記電子透かしを埋め込んだ画像を対応付けて保持し、前記画像識別情報を指定した画像の要求を受けた場合に、指定された画像識別情報に対応する前記電子透かしを埋め込んだ画像を提供するサーバと
を備えたことを特徴とする画像提供システム。
【請求項7】
前記撮影装置は前記ユーザ用端末からユーザ情報を取得し、
前記電子透かし処理部は、ユーザ情報を埋め込むことを特徴とする請求項6に記載の画像提供システム。
【請求項8】
前記電子透かし処理部は、事業者情報を埋め込むことを特徴とする請求項6または7に記載の画像提供システム。
【請求項9】
前記電子透かしを埋め込んだ画像を取得し、前記電子透かしに埋め込まれた情報を読み出すクライアント装置をさらに備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の画像提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−242865(P2011−242865A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112223(P2010−112223)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】