画像提供装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体
【課題】未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示する。
【解決手段】画像提供装置は、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、取得された画像の色情報と、領域の色情報と、に基づいて、取得された画像の割り当ての候補となる領域を決定する候補決定手段と、候補として決定された領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、取得されたエッジ度に基づいて、取得された画像を割り当てる領域を、候補として決定された領域の中から決定する割り当て決定手段と、割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、を備える。
【解決手段】画像提供装置は、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、取得された画像の色情報と、領域の色情報と、に基づいて、取得された画像の割り当ての候補となる領域を決定する候補決定手段と、候補として決定された領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、取得されたエッジ度に基づいて、取得された画像を割り当てる領域を、候補として決定された領域の中から決定する割り当て決定手段と、割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、端末装置から取得された画像を組み合わせてできるモザイク画像をユーザへ提示する画像提供装置及び画像処理方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば広告やイベントの告知等に用いられるポスターやＷｅｂページ等における画像の表現手法として、素材となる複数の画像（以下、「素材画像」という）をタイル状に配置してモザイク画像（例えば、モザイクアート、フォトモザイク等）として表現する方法が知られている。この表現方法においては、例えば、モザイク画像の絵柄の元となる画像（以下、「元画像」という）が複数の領域に分割される。そして、各素材画像が、例えば色調、模様等が近い領域に割り当てられる。これにより、元画像の絵柄を表現するモザイク画像が生成される。
【０００３】
また、サーバ装置が、ユーザから素材画像として提供される画像をネットワークを介して端末装置から取得し、取得した画像を用いて生成したモザイク画像を端末装置に表示させる技術が知られている。この場合、如何なる画像が素材画像となるかは、基本的に画像を提供するユーザの判断にゆだねられる。そのため、このような画像を素材画像として用いる場合には、元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を如何にして生成するかが課題となる。
【０００４】
例えば、特許文献１には、視認性が高いモザイク画像を提供することを目的とする技術が開示されている。具体的には、モザイク画像提供装置が、モザイク画像の元となる対象画像を分割した複数のブロックの中からユーザが投稿した素材画像の配置対象となるブロックを決定するとき、ユーザが選択したブロックを配置対象として決定し、または、ブロックの画像に制限されることなく自動的に配置対象を決定する。また、モザイク画像提供装置が、素材画像の基本色の平均濃度値が、配置対象のブロックの基本色の平均濃度値となるように、素材画像を色補正する。また、ユーザから投稿された素材画像の数がモザイク画像の完成に必要な数に到達するまでは、一部のブロックに対してのみ素材画像が配置された状態のモザイク画像が端末装置に表示される。つまり、未完成状態のモザイク画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０１０−４１６６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載の技術により生成される未完成状態のモザイク画像では、元画像の絵柄の視認性が高いとはいえない。その理由は、素材画像の配置対象となるブロックの決定方法に特段の基準がないからである。つまり、配置対象となるブロックが元画像の絵柄とは無関係に決定されるため、元画像の絵柄の視認性の向上に資するブロック（例えば、絵柄の輪郭部分、特徴部分等）に素材画像が配置されていない状態でモザイク画像が生成されることがあるためである。
【０００７】
仮に、色調や模様等が近いブロックに素材画像が配置されたとしても、そのことが直ちに元画像の絵柄の視認性を高めるとはいえない。色調や模様等が近いブロックが、元画像の絵柄の視認性の向上に資するブロックであるとは限らないからである。
【０００８】
本願発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる画像提供装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、請求項１に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置であって、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段と、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段と、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の画像提供装置において、前記領域の画像に含まれるエッジの度合いを示す第１エッジ度を計算する第１計算手段を更に備え、前記エッジ度取得手段は、前記計算された第１エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする。
【００１２】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域内の画像におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域に画像を優先的に割り当てることができる。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の画像提供装置において、ある前記領域の前記第１エッジ度と、前記ある領域に隣接する前記領域の前記第１エッジ度と、に基づいて、前記ある領域におけるエッジの度合いを示す第２エッジ度を計算する第２計算手段であり、各前記第１エッジ度が高いほど前記第２エッジ度が高くなるように計算する第２計算手段を更に備え、前記エッジ度取得手段は、前記計算された第２エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする。
【００１４】
この発明によれば、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域と、その領域に隣接する領域と、に優先的に画像を割り当てることができる。そのため、これらの領域に画像が割り当てられることにより、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００１５】
請求項４に記載の発明は、請求項３に記載の画像提供装置において、前記第２計算手段は、前記ある領域の前記第１エッジ度の重みが、前記隣接する領域の前記第１エッジ度の重みよりも重くなるように、各前記第１エッジ度に重み付けして前記第２エッジ度を計算することを特徴とする。
【００１６】
この発明によれば、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域と、その領域に隣接する領域と、に優先的に画像を割り当てながらも、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域の方により優先的に画像が割り当てることができる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００１７】
請求項５に記載の発明は、請求項１乃至４の何れか１項に記載の画像提供装置において、前記割り当て決定は、前記取得されたエッジ度が最も高い前記領域を、前記取得された画像を割り当てる領域に決定することを特徴とする。
【００１８】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いが最も高い領域に画像が割り当てられる。そのため、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。
【００１９】
請求項６に記載の発明は、請求項１乃至５の何れか１項に記載の画像提供装置において、前記取得された画像の代表色を値で示す色情報と、前記領域の代表色を値で示す色情報と、を取得する色情報取得手段を更に備え、前記候補決定手段は、前記取得された画像の前記色情報の値と、前記領域の前記色情報の値と、の差が閾値以下である前記領域を前記候補として決定することを特徴とする。
【００２０】
この発明によれば、取得された画像と代表する色が近い領域に画像が割り当てられる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００２１】
請求項７に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置における画像処理方法であって、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得ステップと、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定ステップと、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得ステップと、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定ステップと、前記割り当て決定ステップにおいて決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示ステップと、を含むことを特徴とする。
【００２２】
請求項８に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、として機能させることを特徴とする。
【００２３】
請求項９に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、として機能させる画像処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２４】
本発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】一実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの概要構成の一例を示す図である。
【図２】元画像１００を４８０個の分割領域に分割した場合の例を示す図である。
【図３】（ａ）は、完成した状態のモザイク画像３００ａの一例を示す図であり、（ｂ）は、未完成状態のモザイク画像３００ｂの一例を示す図である。
【図４】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図５】（ａ）は、一実施形態に係る会員情報ＤＢ１２ａに登録される内容の一例を示す図であり、（ｂ）は、元画像ＤＢ１２ｂに登録される内容の一例を示す図であり、（ｃ）は、分割領域情報に設定される内容の一例を示す図であり、（ｄ）は、投稿画像ＤＢ１２ｃに登録される内容の一例を示す図であり、（ｅ）は、投稿画像情報に設定される内容の一例を示す図であり、（ｆ）は、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録される内容の一例を示す図である。
【図６】（ａ）は、元画像１００を９０個の分割領域に分割した場合の例を示す図であり、（ｂ）は、元画像１００の各分割領域の基本エッジ度の一例を示す図である。
【図７】（ａ）は、元画像１００の各分割領域の拡張エッジ度の一例を示す図であり、（ｂ）は、各分割領域のエッジ度に対する重み係数の一例を示す図である。
【図８】（ａ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の拡張エッジ度の一例を示す図であり、（ｂ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の各分割領域のエッジ度に対する重み係数の一例を示す図である。
【図９】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の元画像登録処理における処理例を示すフローチャートである。
【図１０】一実施形態に係る画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の画面表示例を示す図である。
【図１１】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の投稿画像受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２６】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、モザイク画像提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【００２７】
［１．モザイク画像提供システムの構成及び機能概要］
先ず、本実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの構成及び機能概要について、図１乃至図３を用いて説明する。図１は、本実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの概要構成の一例を示す図である。
【００２８】
図１に示すように、モザイク画像提供システムＳは、モザイク画像提供サーバ１と、複数のユーザ端末２と、を含んで構成されている。そして、モザイク画像提供サーバ１及び各ユーザ端末２は、ネットワークＮＷを介して、例えば、通信プロトコルにＴＣＰ／ＩＰ等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、専用通信回線（例えば、ＣＡＴＶ（Community Antenna Television）回線）、移動体通信網（基地局等を含む）、及びゲートウェイ等により構築されている。
【００２９】
モザイク画像提供サーバ１（本発明における画像提供装置の一例）は、素材となる複数の画像をタイル状に配置して（組み合わせて）できるモザイク画像が表示されるＷｅｂページをユーザ端末２へ送信するＷｅｂサーバである。モザイク画像提供サーバ１は、素材となる画像を収集するため、ネットワークＮＷを介して各ユーザ端末２から画像を取得する。ユーザ端末２から取得される画像は、ユーザにより投稿された画像（以下、「投稿画像」という）である。
【００３０】
ユーザ端末２は、モザイク画像提供システムＳを利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末２は、ユーザからの操作に基づいて、モザイク画像提供サーバ１にアクセスする。これにより、ユーザ端末２は、モザイク画像提供サーバ１からＷｅｂページを受信して表示する。ユーザは、ユーザ端末２の画面に表示されるＷｅｂページを通じて、モザイク画像の素材となる画像を投稿したり、モザイク画像を表示させたりする。ユーザ端末２には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。ユーザ端末２としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【００３１】
このような構成のモザイク画像提供システムＳにおいて、モザイク画像の絵柄の元となる画像が、例えば予め用意されている。この画像が元画像である。モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像が表す絵柄が、元画像が表す絵柄に近くなるように、投稿画像の配置を行う。
【００３２】
図２は、元画像の一例を示す図である。図２に示す画像１００は、歩いている馬及びその馬に乗っている騎手の絵柄を表す画像である。ここで、馬の色は焦げ茶色であるものとする。また、騎手のズボンの色は黄色であり、騎手の上着の色は水色であるものとする。また、背景の色は白色であるものとする。なお、それぞれが均一の色で塗りつぶされているのではなく、場所によってある程度の色の変化はあるものとする。
【００３３】
元画像は、符号２００で示される複数の領域（以下、「分割領域」という）に分割されている。例えば、画像１００は、横２０個及び縦２４個の合計４８０個の分割領域に分割されている。分割領域の個数を、「分割数」という。各分割領域には、ユーザ端末２から取得された投稿画像が割り当てられる。投稿画像を分割領域に割り当てることは、モザイク画像内において、割り当て先の分割領域に対応する位置に、投稿画像を配置することを意味する。
【００３４】
モザイク画像提供サーバ１は、ユーザ端末２から投稿画像を取得するたびに、投稿画像の割り当てを行い、その時点までに収集されている投稿画像が配置されたモザイク画像が表示されるＷｅｂページを生成する。従って、元画像の分割数分の投稿画像が収集されるまでは、未完成状態のモザイク画像がＷｅｂページに表示される。つまり、モザイク画像内において、投稿画像が配置されていない領域が存在する。この状態のモザイク画像は、それを見るユーザにとって、モザイク画像が表すべき元画像の絵柄を認識しにくいものとなる場合がある。
【００３５】
そこで、モザイク画像提供サーバ１は、極力早い段階で元画像の絵柄を認識可能となるように、あるいは、収集されている投稿画像の数が多くはなくても元画像の絵柄の視認性が高くなるように、投稿画像を割り当てる分割領域を決定する。具体的に、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像と色が近い分割領域のうち、含まれるエッジの度合いが高い分割領域ほど優先的に投稿画像を割り当てる。エッジとは、例えば、画像の明度、色相、彩度等が急激に（鋭く）変化する部分をいう。モザイク画像提供サーバ１は、エッジの度合いを示す指標として、各分割領域のエッジ度を計算する。分割領域に含まれる画像の明度等が変化する度合いが高いほど、すなわち、エッジが強いほど、その分割領域のエッジ度が高くなる。また、分割領域に含まれるエッジの量が多いほど、その分割領域のエッジ度が高くなる。エッジ度が高い分割領域は、例えば、元画像の絵柄の輪郭部分、特徴部分、複雑な模様部分等であったりする。モザイク画像提供サーバ１は、このような部分に投稿画像を優先的に割り当てることで、元画像の絵柄の視認性を向上させる。
【００３６】
図３（ａ）及び図３（ｂ）は、モザイク画像の表示例を示す図である。図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すモザイク画像は、画像１００を元画像とするモザイク画像である。図３（ａ）に示すモザイク画像は、完成した状態のモザイク画像３００ａである。つまり、４８０個全ての分割領域に投稿画像が割り当てられている。一方、図３（ｂ）に示すモザイク画像は、未完成状態のモザイク画像３００ｂである。モザイク画像３００ｂにおいては、２００個程度の分割領域に投稿画像が割り当てられている。画像１００においては、馬の輪郭部分、騎手の輪郭部分、模様が細かい馬の尻尾部分等の分割領域のエッジ度が高くなる。そのため、これらの分割領域の方が、その他の分割領域よりも、投稿画像が割り当てられている度合いが高くなっている。従って、この状態であっても、モザイク画像３００ｂから馬及び騎手の認識が比較的容易になっている。つまり、エッジ度に基づいて割り当てを行わない場合よりも、元画像の絵柄の視認性が高くなる。また、モザイク画像を見たユーザは、元画像の絵柄が如何なる絵柄であるかを比較的早い段階で認識することができたり、推測することができたりする。そのため、ユーザにとっては、例えば、如何なる画像を投稿すると良いかを判断しやすくなったり、投稿する画像がどの領域に割り当てられるかを予測しやすくなったりする。
【００３７】
また、エッジ度がそれほど高くはない分割領域の中でも、エッジ度が高い分割領域に隣接する分割領域の方が、エッジ度が高い分割領域に隣接していない分割領域よりも、投稿画像が割り当てられている度合いが高くなっている。つまり、大筋では、エッジ度が高い分割領域、その分割領域の周囲にある分割領域の順で、優先的に投稿画像が割り当てられる。これにより、元画像の絵柄の視認性をより向上させることができる。
【００３８】
なお、前述したように、本実施形態においては、投稿画像と色が近い分割領域に投稿画像を割り当てることとしている。そのため、投稿画像があまり収集されていない段階であっても、投稿画像の色によっては、エッジ度が高くはない分割領域に割り当てられることもある。また、これまでに収集された投稿画像の色等によっては、収集された投稿画像の数が同じであっても視認性が変化することはある。
【００３９】
［２．モザイク画像提供サーバの構成］
次に、モザイク画像提供サーバ１の構成について、図４乃至図８を用いて説明する。
【００４０】
図４は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１の概要構成の一例を示すブロック図である。図４に示すように、モザイク画像提供サーバ１は、通信部１１と、記憶部１２と、入出力インターフェース１３と、システム制御部１４と、を備えている。そして、システム制御部１４と入出力インターフェース１３とは、システムバス１５を介して接続されている。
【００４１】
通信部１１は、ネットワークＮＷに接続して、ユーザ端末２等との通信状態を制御するようになっている。
【００４２】
記憶部１２は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部１２には、会員情報ＤＢ（データベース）１２ａ、元画像ＤＢ１２ｂ、投稿画像ＤＢ１２ｃ及びモザイク画像ＤＢ１２ｄ等が構築されている。
【００４３】
図５（ａ）は、本実施形態に係る会員情報ＤＢ１２ａに登録される内容の一例を示す図である。会員情報ＤＢ１２ａには、モザイク画像提供システムＳに会員登録しているユーザに関する会員情報が登録される。具体的に、会員情報ＤＢ１２ａには、ユーザの識別情報であるユーザＩＤ、パスワード、ニックネーム、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、電子メールアドレス等が、ユーザごとに対応付けて登録される。
【００４４】
図５（ｂ）は、本実施形態に係る元画像ＤＢ１２ｂに登録される内容の一例を示す図である。元画像ＤＢ１２ｂには、元画像及び元画像に関する情報が登録されている。具体的に、元画像ＤＢ１２ｂには、元画像の識別情報である元画像ＩＤ、元画像データ、分割数情報、複数の分割領域情報が元画像ごとに対応付けて登録される。
【００４５】
元画像ＩＤは、元画像の識別情報である。元画像データは、元画像の画像データである。モザイク画像提供システムＳにおいて用いられる画像データのフォーマットとしては、例えば、ＪＰＥＧ（Joint Photographic Experts Group）、ＴＩＦＦ（Tagged-Image File Format）、ＰＮＧ（Portable Network Graphics）等がある。
【００４６】
分割数情報は、分割数を示す情報である。具体的に、分割数情報は、元画像の分割数、横分割数及び縦分割数を含む。横分割数は、横方向の分割数である。つまり、横分割数は、元画像の横方向に並ぶ分割領域の個数である。縦分割数は、縦方向の分割数である。つまり、縦分割数は、元画像の縦方向に並ぶ分割領域の個数である。元画像の分割数は、横分割数と縦分割数とを掛け合わせることにより得られる。
【００４７】
分割領域情報は、分割領域に関する情報である。分割領域情報は、元画像の分割数分登録される。各分割領域情報は、対応する分割領域のインデックスに対応付けて登録される。各分割領域には、（Ｘ，Ｙ）という形でインデックスが割り当てられる。ここで、Ｘは、横方向における分割領域の位置を示す。また、Ｙは、縦方向における分割領域の位置を示す。元画像の左上隅に位置する分割領域のインデックスが（０，０）となる。分割領域（Ｘ，Ｙ）は、一番左からＸ＋１番目に位置する分割領域のうち、一番上からＹ＋１番目に位置する分割領域である。
【００４８】
なお、元画像を複数の領域に分割することとは、元画像全体に相当する領域を複数の領域に分割することであり、元画像内の各画素がそれぞれ何れの領域に含まれているか（あるいは、各領域が何れの画素を含むか）を特定可能にすることをいう。システム制御部１４は、元画像の縦横の画素数と、横分割数及び縦分割数とを取得することで、各画素が含まれる領域を特定することができる。そのため、元画像を複数の領域に分割することは、元画像の画像データを領域ごとの画像データに分割することを必ずしも意味するものとは限らない。よって、システム制御部１４は、領域ごとの画像データを元画像ＤＢ１２ｂに登録しても良いし、登録しなくても良い。
【００４９】
図５（ｃ）は、分割領域情報に設定される内容の一例を示す図である。図５（ｃ）に示すように、分割領域情報には、代表色値、基本エッジ度及び拡張エッジ度が設定される。
【００５０】
代表色値（本発明における色情報の一例）は、分割領域を代表する色（以下、「代表色」という）を示す値である。代表色は、例えば、分割領域全体の色を平均することにより得られる色であっても良いし、分割領域内において専有面積が最も大きい色であっても良い。代表色値は、例えば、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の各基本色（原色）ごとの値を含む。Ｒ、Ｇ、Ｂの各値は、例えば、０から２５５までの何れかの値をとる。システム制御部１４は、分割領域の代表色値と投稿画像の代表色値とを比較することにより、投稿画像を割り当てる分割領域の候補を決定する。なお、代表色値は、例えば、ＣＭＹＫ、Ｌａｂ色空間等で表現されても良い。
【００５１】
基本エッジ度（本発明における第１エッジ度の一例）は、エッジ度の一種であり、後述する拡張エッジ度の計算に用いられる。基本エッジ度は、分割領域内の画像そのものに含まれるエッジの度合いを示す。基本エッジ度は、システム制御部１４により計算される。先ず、システム制御部１４は、分割領域に含まれる各画素の画素エッジ度を計算する。画素エッジ度は、画素そのもののエッジの強さを示す。具体的に、システム制御部１４は、注目画素（画素エッジ度の計算対象となっている画素）の値と、注目画素に隣接する各画素の値との差を計算する。この計算は、基本色ごとに行われる。注目画素に隣接する画素は、注目画素の上下左右及び斜め方向に位置する８画素である。そして、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差を足し合わせ、更に８画素分の差を足し合わせて、画素エッジ度を算出する。これらの処理を式で示すと、下記の式１となる。
【００５２】
【数１】
式１において、ｘは、注目領域（基本エッジ度の計算対象となっている分割領域）の左上隅にある画素を基準とした注目画素のＸ座標であり、ｙは、注目領域の左上隅にある画素を基準とした注目画素のＹ座標である。また、Ｒ（ｘ，ｙ）、Ｇ（ｘ，ｙ）及びＢ（ｘ，ｙ）は、座標（ｘ，ｙ）にある画素のＲの画素値、Ｇの画素値及びＢの画素値である。また、ＥＰ（ｘ，ｙ）は、座標（ｘ，ｙ）にある画素の画素エッジ度である。なお、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差の絶対値をとって、その絶対値を足し合わせる代わりに、基本色ごとに計算した差の二乗をそれぞれ計算して、その計算結果を足しあわせても良い。
【００５３】
次に、システム制御部１４は、分割領域内の全画素の画素エッジ度を足し合わせて、その分割領域の基本エッジ度を算出する。この処理を式で示すと、下記の式（２）となる。
【００５４】
【数２】
式２において、ＥＢ（Ｘ，Ｙ）は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度である。また、ｗは、分割領域の横の画素数であり、ｌは、分割領域の縦の画素数である。なお、基本エッジ度の計算方法は、ここで説明された方法に限定されるものではない。例えば、システム制御部１４は、画素エッジ度を計算する際、注目画素の上下左右に位置する４画素のみについて画素値の差を計算しても良い。また、システム制御部１４は、基本色ごとに画素値の差を計算するのではなく、例えば、注目画素の色とこれに隣接する画素の色との距離を計算し、色の距離を足し合わせて画素エッジ度を計算しても良い。
【００５５】
図６（ａ）（ｂ）は、基本エッジ度の計算例を説明するための図である。図６（ａ）は、元画像１００を、図２に示したものとは異なる分割数で分割した場合の例である。図６（ａ）では、元画像１００は、符号２１０で示される複数の分割領域に分割されている。具体的に、横９個及び縦１０個の合計９０個の分割領域に分割されている。図６（ｂ）は、元画像１００の各分割領域の基本エッジ度の一例を示す図である。なお、図６（ｂ）は、各分割領域の基本エッジ度の違いが分かりやすいよう、正規化された基本エッジ度を示す。図６（ｂ）に示すように、エッジを全く含まない分割領域の基本エッジ度は０になっている。一方、馬の輪郭や騎手の輪郭を含む分割領域の基本エッジ度は、輪郭の長さに応じて高くなっている。特に、背景と明度の差が大きい馬の輪郭部分については、エッジ度が高くなっている。また、線が多い馬の尻尾部分（例えば、分割領域（０，６）、（０，７））や、模様が複雑な騎手の手元部分（例えば、分割領域（４，３））も、エッジ度が高くなっている。
【００５６】
拡張エッジ度（本発明における第２エッジ度の一例）は、エッジ度の一種であり、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するために用いられる。拡張エッジ度は、注目領域（拡張エッジ度の計算対象となっている分割領域）に隣接する分割領域の基本エッジ度を反映したエッジ度である。基本エッジ度も、システム制御部１４により計算される。具体的に、システム制御部１４は、注目領域の基本エッジ度と、これに隣接する８個の分割領域の基本エッジ度とを足し合わせる。そして、システム制御部１４は、算出した合計値を、基本エッジ度を足し合わせた分割領域の個数で割ることにより、拡張エッジ度を算出する。つまり、システム制御部１４は、基本エッ度の単純な相加平均を計算する。これらの処理を式で示すと、下記の式（３）となる。
【００５７】
【数３】
式３において、ＥＥ（Ｘ，Ｙ）は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の拡張エッジ度である。なお、分割領域によっては、隣接する分割領域が５個のみである場合や、３個のみである場合がある。このような場合、式３における１／９は、１／６または１／４に変更される。これは、分割領域の位置により、算出される拡張エッジ度が不均衡とならないようにするためである。
【００５８】
図７（ａ）は、９０個の分割領域に分割された元画像１００の各分割領域の拡張エッジ度の一例を示す図である。図７（ａ）に示すように、基本エッジ度が低い分割領域であっても、周囲の分割領域において基本エッジ度が高い分割領域は、拡張エッジ度が基本エッジ度よりも高くなっている（例えば、馬の尻尾と馬の後ろ足の画像に囲まれた背景部分の分割領域（０，８）、周囲を馬の輪郭で覆われた馬の胴体部分の分割領域（３，７）等）。システム制御部１４が、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するとき、拡張エッジ度が高い分割領域に優先的に割り当て先として決定する。従って、基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられるとともに、周囲の分割領域の基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられる。
【００５９】
ところで、式３における１／９は、各基本エッジ度に掛け合わされる重み係数に相当するものといえる。図７（ｂ）は、注目領域に対する重み係数と、注目領域に隣接する分割領域に対する重み係数と、を示す図である。図７（ｂ）に示すように、式３の場合は、全ての分割領域の基本エッジ度に同一の重み係数が掛けられることになる。つまり、全ての分割領域の基本エッジ度の重みは同一である。このようにした場合、注目領域の基本エッジ度が高くても、周囲の分割領域の基本エッジ度が低いと、拡張エッジ度が低くなる。その逆に、注目領域の基本エッジ度が低くても、周囲の分割領域の基本エッジ度が高いと、拡張エッジ度が高くなる。そうすると、分割領域間において、画像に含まれているエッジの度合いが高い分割領域よりも、画像に含まれているエッジの度合いが低い分割領域の方が優先的に投稿画像が割り当てられる可能性がある。そこで、極力基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられるように、拡張エッジ度を計算する際の注目領域の基本エッジ度の重みを重くしても良い。
【００６０】
図８（ａ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の拡張エッジ度の一例を示す図である。また、図８（ｂ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の重み係数の一例を示す図である。図８（ｂ）に示すように、注目領域の基本エッジ度の重み係数を、例えば１／３とする。一方、その他の分割領域の重み係数を、例えば、１／１２とする。全ての重み係数を足し合わせると、１になる。重み係数を求める計算式を式４に示す。
【００６１】
【数４】
式４において、Ｋは、重み係数であり、Ａ（＝１／３）は、注目領域の基本エッジ度の重み係数である。そして、拡張エッジ度は、下記の式５で計算することができる。
【００６２】
【数５】
注目領域に隣接する分割領域が５個のみである場合や、３個のみである場合、式４における１／８は、１／５または１／３に変更される。従って、注目領域に隣接する分割領域が５個のみである場合、注目領域の基本エッジ度の重み係数は１／３となり、その他の分割領域の重み係数は２／１５となる。また、注目領域に隣接する分割領域が３個のみである場合、注目領域の基本エッジ度の重み係数は１／３となり、その他の分割領域の重み係数は２／９となる。このように、拡張エッジ度に対して、注目領域の基本エッジ度が寄与する割合を一定にしている。なお、各基本エッジ度に対応する重みの付け方は、ここで説明された方法に限定されるものではない。
【００６３】
拡張エッジ度の計算方法は、ここで説明された方法に限定されるものではない。例えば、システム制御部１４は、注目領域の基本エッジ度と、注目領域の上下左右に位置する４個の分割領域の基本エッジ度とのみを足し合わせて、基本エッジ度の相加平均を計算しても良い。
【００６４】
図５（ｄ）は、本実施形態に係る投稿画像ＤＢ１２ｃに登録される内容の一例を示す図である。投稿画像ＤＢ１２ｃには、投稿画像及び投稿画像に関する情報が登録される。具体的に、投稿画像ＤＢ１２ｃには、モザイク画像ＩＤ、投稿数、投稿画像情報が登録される。モザイク画像ＩＤは、登録された投稿画像を素材として生成されるモザイク画像の識別情報である。投稿数は、これまでにユーザ端末２から取得された投稿画像の数である。投稿画像情報は、投稿数分登録される。
【００６５】
図５（ｅ）は、投稿画像情報に設定される内容の一例を示す図である。図５（ｅ）に示すように、投稿画像情報には、画像番号、ユーザＩＤ、投稿画像データ及び代表色値が対応付けて設定される。画像番号は、投稿画像に付与された番号である。各投稿画像には、投稿順（モザイク画像提供サーバ１が取得した順）に画像番号が付与される。投稿画像情報に設定されるユーザＩＤは、投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤである。つまり、投稿画像情報に設定されるユーザＩＤは、投稿画像の取得先のユーザ端末２を利用するユーザのユーザＩＤである。投稿画像データは、投稿画像の画像データである。代表色値は、投稿画像の代表色を示す値である。なお、投稿画像の代表色値の内容は、分割領域の代表色値の内容と同様である。
【００６６】
図５（ｆ）は、本実施形態に係るモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録される内容の一例を示す図である。モザイク画像ＤＢ１２ｄには、モザイク画像に関する情報が登録される。具体的に、モザイク画像ＤＢ１２ｄには、モザイク画像ＩＤ、元画像ＩＤ、複数の割り当て画像番号及びモザイク画像表示データがモザイク画像ごとに対応付けて登録される。モザイク画像ＩＤは、モザイク画像の識別情報である。元画像ＩＤは、モザイク画像の絵柄となる画像の元画像ＩＤである。割り当て画像番号は、分割領域に割り当てられた投稿画像の画像番号である。割り当て画像番号は、元画像の分割数分登録される。各割り当て画像番号は、対応する分割領域のインデックスに対応付けて登録される。まだ投稿画像が割り当てられていない分割領域（以下、「未割り当て領域」という）の割り当て画像番号には、例えば、−１等の無効な番号が設定されている。
【００６７】
モザイク画像表示データは、Ｗｅｂページ内にモザイク画像を表示するためのデータである。つまり、モザイク画像表示データは、モザイク画像の表示内容を示す。本実施形態においては、モザイク画像は、各セルに投稿画像がはめ込まれたテーブルとして表現される。例えば、モザイク画像表示データは、ＨＴＭＬ（Hyper Text Markup Language）、ＸＭＬ（Extensible Markup Language）、ＸＨＴＭＬ（Extensible Hyper Text Markup Language）等のマークアップ言語等で記述されたデータである。モザイク画像表示データは、モザイク画像が表示されるＷｅｂページのＨＴＭＬ文書の一部を構成する。システム制御部１４は、モザイク画像表示データを含むＨＴＭＬ文書をユーザ端末２へ送信することにより、このＨＴＭＬ文書に基づいてユーザ端末２によりモザイク画像を表示させる。つまり、ユーザ端末２が、ＨＴＭＬ文書に含まれるモザイク画像表示データの記述内容に従ってテーブルの各セルに投稿画像を表示することにより、Ｗｅｂページ内にモザイク画像を表示する。本実施形態では、ユーザ端末２が画面上にモザイク画像を生成（形成）することになる。
【００６８】
モザイク画像表示データにおいては、例えば、tableタグ、trタグ、tdタグ等によりテーブルが規定される。セルを示すtd開始タグとtd終了タグとの間には、例えば、
<img src="href="http://www.yyy.zzz/9876543210-0123.jpeg" >
というimgタグが設定される。ここで、"http://www.yyy.zzz/9876543210-0123.jpeg"は、投稿画像データのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）である。また、"9876543210"は、元画像ＩＤである。また、"0123"は、投稿画像の画像番号である。このように、投稿画像が割り当てられている分割領域に対応するセルには、割り当てられている投稿画像のＵＲＬを含むimgタグが設定される。なお、このＵＲＬは、投稿画像のサムネイルの画像データのＵＲＬであっても良い。モザイク画像内においては、通常、投稿画像は本来の表示サイズよりも小さいサイズで表示される。そのため、投稿画像の縦横の画素数を減らして表示サイズを縮小したサムネイルの画像データが、モザイク画像を表示しようとするユーザ端末２へ送信されても良い。この場合、システム制御部１４は、例えば、投稿画像データを投稿画像ＤＢ１２ｃに登録するとき、投稿画像データに基づいて投稿画像のサムネイルの画像データを生成し、このサムネイルの画像データを投稿画像ＤＢ１２ｃに登録する。
【００６９】
モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て画像番号の内容は、モザイク画像表示データに反映されている。そのため、モザイク画像ＤＢ１２ｄには、割り当て画像番号またはモザイク画像表示データの何れか一方のみが登録されるようになっていても良い。割り当て画像番号のみが登録される場合、システム制御部１４は、モザイク画像が表示されるＷｅｂページを送信するときに、割り当て画像番号に基づいてモザイク画像表示データを生成しても良い。
【００７０】
次に、記憶部１２に記憶されるその他の情報について説明する。記憶部１２には、Ｗｅｂページを表示するためのＨＴＭＬ文書、ＸＭＬ文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等の各種データが記憶されている。また、記憶部１２には、管理者等により設定された各種の設定値が記憶されている。設定値の中には、投稿画像の色が分割領域の色に近いか否かを判定するための閾値が含まれている。
【００７１】
また、記憶部１２には、オペレーティングシステム、ＷＷＷ（World Wide Web）サーバプログラム、ＤＢＭＳ（DataBase Management System）、モザイク画像提供プログラム等の各種プログラムが記憶されている。モザイク画像提供プログラムは、元画像の登録、投稿画像の取得、モザイク画像表示データの生成等のモザイク画像に関する処理を実行するためのプログラムである。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークＮＷを介して取得されるようにしても良いし、ＤＶＤ（Digital Versatile Disc）等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【００７２】
入出力インターフェース１３は、通信部１１及び記憶部１２とシステム制御部１４との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【００７３】
システム制御部１４は、ＣＰＵ１４ａ、ＲＯＭ（Read Only Memory）１４ｂ、ＲＡＭ（Random Access Memory）１４ｃ等により構成されている。そして、システム制御部１４は、ＣＰＵ１４ａが、各種プログラムを読み出し実行することにより、本発明における画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、第１計算手段、第２計算手段、色情報取得手段及び提示手段として機能するようになっている。
【００７４】
なお、モザイク画像提供サーバ１が、複数のサーバ装置で構成されても良い。例えば、元画像の登録、投稿画像の取得、モザイク画像表示データの生成に関する処理を行うサーバ装置、ユーザ端末２からのリクエストに応じてＷｅｂページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにＬＡＮ等で接続されても良い。
【００７５】
［３．モザイク画像提供システムの動作］
次に、モザイク画像提供システムＳの動作について、図９乃至図１１を用いて説明する。
【００７６】
図９は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の元画像登録処理における処理例を示すフローチャートである。なお、図９は、拡張エッジ度を計算するときに、注目領域の基本エッジ度の重みを、隣接する分割領域の基本エッジ度の重みよりも重くした場合の処理例を示す。
【００７７】
例えば、モザイク画像提供サーバ１の管理者が、モザイク画像提供サーバ１に接続された管理用の端末装置を操作することにより、元画像の登録を行う。具体的に、管理者は、元画像データを選択するとともに、横分割数及び縦分割数を入力する。すると、管理用の端末装置は、元画像データ、横分割数及び縦分割数を含む元画像登録リクエストを、モザイク画像提供サーバ１へ送信する。なお、例えば、ユーザが元画像を投稿することができるようになっても良い。この場合、元画像を投稿するユーザのユーザ端末２が元画像登録リクエストを送信する。
【００７８】
元画像登録処理は、モザイク画像提供サーバ１が元画像登録リクエストを受信したときに開始される。この元画像登録処理は、後述する投稿画像受信時処理よりも前に予め実行される。そして、元画像登録処理が実行されることにより、投稿画像受信時処理における投稿画像の割り当て等が可能となる。
【００７９】
元画像登録処理において、システム制御部１４は、新たな元画像ＩＤを生成する。次いで、システム制御部１４は、受信した元画像登録リクエストに含まれる横分割数及び縦分割数に基づいて、分割数情報を生成する。そして、システム制御部１４は、新たな元画像ＩＤ、元画像登録リクエストに含まれる元画像データ及び生成した分割数情報を対応付けて、元画像ＤＢ１２ｂに登録する（ステップＳ１１）。また、システム制御部１４は、元画像データに基づいて、元画像のビットマップイメージをＲＡＭ１４ｃに展開する。
【００８０】
次いで、システム制御部１４は、元画像の分割を行う。先ず、システム制御部１４は、分割領域のインデックスＹに０を設定する（ステップＳ１２）。次いで、システム制御部１４は、分割領域のインデックスＸに０を設定する（ステップＳ１３）。次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）を特定する（ステップＳ１４）。具体的に、システム制御部１４は、登録した元画像データから元画像の縦横の画素数を取得する。次いで、システム制御部１４は、元画像の縦横の画素数と、登録した分割数情報が示す横分割数及び縦分割数とに基づいて、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の座標範囲を計算する。
【００８１】
次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の代表色値を計算する（ステップＳ１５）。例えば、システム制御部１４は、ＲＡＭ１４ｃに展開された元画像のビットマップイメージから分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の値を取得する。次いで、システム制御部１４は、Ｒ、Ｇ、Ｂの各基本色ごとに、取得した画素値を足し合わせる。次いで、システム制御部１４は、基本色ごとの画素値の合計を、それぞれ分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の総数で割る。この計算により得られた基本色ごとの画素値の平均が代表色値である。次いで、システム制御部１４は、計算した代表色値を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８２】
次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる各画素の画素エッジ度を計算する（ステップＳ１６）。具体的に、システム制御部１４は、ＲＡＭ１４ｃに展開された元画像のビットマップイメージから、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる各画素の値を取得する。そして、システム制御部１４は、例えば、式１が示す計算方法で、画素エッジ度を計算する。
【００８３】
次いで、システム制御部１４は、第１計算手段として、計算した各画素エッジ度に基づいて、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度を計算する（ステップＳ１７）。例えば、システム制御部１４は、式２が示す計算方法で、基本エッジ度を計算する。そして、システム制御部１４は、計算した基本エッジ度を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８４】
次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに１を加算する（ステップＳ１８）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ１９）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ１９：ＹＥＳ）、ステップＳ１４に移行する。一方、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ１９：ＮＯ）、インデックスＹに１を加算する（ステップＳ２０）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２１）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２１：ＹＥＳ）、ステップＳ１３に移行する。システム制御部１４は、ステップＳ１３〜Ｓ２１の処理を繰り返すことにより、各分割領域の代表色値及び基本エッジ度の登録を行う。
【００８５】
そして、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２１：ＮＯ）、インデックスＹに０を設定する（ステップＳ２２）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに０を設定する（ステップＳ２３）。
【００８６】
次いで、システム制御部１４は、第２計算手段として、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度と、分割領域（Ｘ，Ｙ）に隣接する８個の分割領域の基本エッジ度に、それぞれ重み係数を掛ける（ステップＳ２４）。このとき、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度に掛け合わせる重み係数の値を、隣接する分割領域の基本エッジ度に掛け合わせる重み係数の値よりも大きくする。
【００８７】
次いで、システム制御部１４は、第２計算手段として、重み係数を掛け合わせることによって重みが付けられた各基本エッジ度を足し合わせることにより、分割領域（Ｘ，Ｙ）の拡張エッジ度を計算する（ステップＳ２５）。つまり、システム制御部１４は、ステップＳ２４及びＳ２５において、式５が示す計算方法で拡張エッジ度を計算する。そして、システム制御部１４は、計算した拡張エッジ度を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８８】
次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに１を加算する（ステップＳ２６）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２７）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２７：ＹＥＳ）、ステップＳ２４に移行する。一方、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２７：ＮＯ）、インデックスＹに１を加算する（ステップＳ２８）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２９）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２９：ＹＥＳ）、ステップＳ２３に移行する。システム制御部１４は、ステップＳ２３〜Ｓ２９の処理を繰り返すことにより、各分割領域の拡張エッジ度の登録を行う。
【００８９】
そして、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２９：ＮＯ）、新たなモザイク画像ＩＤを生成する。次いで、システム制御部１４は、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤを対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する。また、システム制御部１４は、各分割領域の割り当て画像番号として、投稿画像が割り当てられていないことを示す番号を、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤに対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する。また、システム制御部１４は、空のモザイク画像表示データを、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤに対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する（ステップＳ３０）。空のモザイク画像表示データとは、投稿画像データのＵＲＬを含むimgタグが全く設定されていないモザイク画像表示データである。
【００９０】
次いで、システム制御部１４は、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書を生成する（ステップＳ３１）。画像投稿・モザイク画像表示ページ４００は、画像を投稿するためのＷｅｂページであるとともに、モザイク画像が表示されるＷｅｂページでもある。システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書を記憶部１２に記憶させる。次いで、システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書へのハイパーリンクを設定する（ステップＳ３２）。例えば、システム制御部１４は、モザイク画像提供システムＳのＷｅｂサイトのトップページのＨＴＭＬ文書に、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書のＵＲＬを含むaタグを追加する。これにより、ユーザによる画像の投稿及びモザイク画像の閲覧が可能となる。システム制御部１４は、ステップＳ３２の処理を終えると、元画像登録処理を終了させる。
【００９１】
図１０は、本実施形態に係る画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の画面表示例を示す図である。図１０に示すように、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００は、メッセージ部４１０、投稿画像送信部４２０、モザイク画像表示部４３０等を含む。メッセージ部４１０には、例えば、モザイク画像提供システムＳに関連するサイトにおける商品やサービス等に関する告知等の情報が表示される。投稿画像送信部４２０には、画像を投稿するための各種ウィジットが表示される。例えば、投稿画像データのパス名を指定するための入力欄、ユーザ端末２に記憶されている画像データの中から投稿画像データを選択するためのダイアログを表示するための参照ボタン、投稿画像データを送信するための送信ボタン等が表示される。モザイク画像表示部４３０には、これまで投稿された画像により生成されたモザイク画像が表示される。図１０においては、一例としてモザイク画像３００ｂが表示されている。なお、元画像登録処理が完了した後、まだ画像が１つも投稿されていない場合には、モザイク画像表示部４３０にはモザイク画像は表示されない。
【００９２】
また、モザイク画像表示部４３０に表示されたモザイク画像に含まれる何れかの投稿画像がユーザにより選択された場合には、例えば、選択された投稿画像が画像投稿・モザイク画像表示ページ４００内に大きく表示されたり、選択された投稿画像を投稿したユーザに関する情報（例えば、ユーザのニックネームやプロフィール等）が画像投稿・モザイク画像表示ページ４００内に表示されたりしても良い。投稿画像を投稿したユーザに関する情報を表示する場合、システム制御部１４は、例えば、モザイク画像表示データにimgタグを設定する際、投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤをモザイク画像表示データに設定する。モザイク画像表示部４３０において、ユーザが何れかの投稿画像を選択すると、ユーザ端末２は、その投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤを含むリクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。システム制御部１４は、受信したリクエストに含まれるユーザＩＤに対応する会員情報から必要な情報を取得してユーザ端末２へ送信する。そして、ユーザ端末２は、受信した情報を表示する。
【００９３】
図１１は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の投稿画像受信時処理における処理例を示すフローチャートである。画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の投稿画像送信部４２０において、ユーザが投稿画像データを指定して送信ボタンを選択すると、ユーザ端末２は、投稿リクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。投稿リクエストは、指定された投稿画像データ、操作を行ったユーザのユーザＩＤ、生成対象のモザイク画像のモザイク画像ＩＤを含む。投稿画像受信時処理は、モザイク画像提供サーバ１が画像取得手段として投稿リクエストを受信したときに開始される。
【００９４】
先ず、システム制御部１４は、投稿リクエストに含まれるモザイク画像ＩＤ（以下、「対象モザイク画像ＩＤ」という）に対応する元画像ＩＤ（以下、「対象元画像ＩＤ」という）をモザイク画像ＤＢ１２ｄから取得する。次いで、システム制御部１４は、対象元画像ＩＤに対応する分割数情報を、元画像ＤＢ１２ｂから取得する（ステップＳ５１）。次いで、システム制御部１４は、取得した分割数情報に含まれる横分割数及び縦分割数に基づいて、対象モザイク画像ＩＤに対応する各画像割り当て番号を、モザイク画像ＤＢ１２ｄから取得する。そして、システム制御部１４は、取得した各画像割り当て番号に基づいて、未割り当て領域を特定する（ステップＳ５２）。次いで、システム制御部１４は、色情報取得手段として、対象元画像ＩＤに対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録されている分割領域情報のうち、未割り当て領域の分割領域情報から、代表色値を取得する（ステップＳ５３）。
【００９５】
次いで、システム制御部１４は、色情報取得手段として、投稿リクエストに含まれる投稿画像データが示す投稿画像（以下、「処理対象投稿画像」という）の代表色値を計算する（ステップＳ５４）。この計算方法は、元画像登録処理におけるステップＳ１５の場合と同様である。
【００９６】
ここで、システム制御部１４は、例えばミューテックス等を利用した排他制御を行い、ステップＳ５５以降の処理（クリティカルセッション）を実行することができる権限を取得した場合には、ロック操作を行う。これにより、システム制御部１４は、複数のプロセスがクリティカルセッションを同時に実行することができないようにする。
【００９７】
次いで、システム制御部１４は、候補決定手段として、未割り当て領域の中から、処理対象投稿画像との代表色値の差が閾値以下である分割領域を、処理対象投稿画像の割り当ての候補領域として抽出する（ステップＳ５５）。具体的に、システム制御部１４は、以下の式６により差を計算する。
【００９８】
【数６】
式６において、Diffは差である。Ｒ１、Ｇ１及びＢ１は、分割領域のＲ、Ｇ及びＢの代表色値である。Ｒ２、Ｇ２及びＢ２は、処理対象投稿画像のＲ、Ｇ及びＢの代表色値である。システム制御部１４は、この計算を、全ての未割り当て領域について実行する。そして、システム制御部１４は、算出された差が閾値以下である分割領域を、候補領域とする。なお、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差の二乗をそれぞれ計算して、その計算結果を足しあわせる代わりに、基本色ごとに計算した差の絶対値をとって、その絶対値を足し合わせても良い。
【００９９】
次いで、システム制御部１４は、候補領域を１つ以上抽出することができたか否かを判定する（ステップＳ５６）。このとき、システム制御部１４は、候補領域を１つも抽出することができなかったと判定した場合には（ステップＳ５６：ＮＯ）、投稿リクエストの送信元のユーザ端末２に、投稿拒否メッセージを送信する（ステップＳ５７）。投稿拒否メッセージは、画像の投稿が拒否された旨を示すメッセージである。ユーザ端末２は、受信した投稿拒否メッセージを画面に表示する。システム制御部１４は、ステップＳ５７の処理を終えると、投稿画像受信時処理を終了させる。
【０１００】
一方、システム制御部１４は、候補領域を１つ以上抽出することができたと判定した場合には（ステップＳ５６：ＹＥＳ）、エッジ度取得手段として、対象元画像ＩＤに対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録されている分割領域情報のうち、抽出された候補領域の分割領域情報から、拡張エッジ度を取得する（ステップＳ５８）。次いで、システム制御部１４は、割り当て決定手段として、抽出した候補領域のうち、拡張エッジ度が最も高い候補領域を、処理対象投稿画像を割り当てる分割領域（以下、「割り当て対象領域」という）として決定する（ステップＳ５９）。
【０１０１】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けて投稿画像ＤＢ１２ｃに登録されている投稿数に１を加算して投稿数を更新する（ステップＳ６０）。次いで、システム制御部１４は、処理対象投稿画像の画像番号に、更新後の投稿数を設定する（ステップＳ６１）。次いで、システム制御部１４は、画像番号、投稿リクエストに含まれるユーザＩＤ及び投稿画像データ、並びに処理対象投稿画像の代表色値を含む投稿画像情報を、対象モザイク画像ＩＤに対応付けて投稿画像ＤＢ１２ｃに登録する（ステップＳ６２）。
【０１０２】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けてモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て対象領域の割り当て画像番号を、処理対象投稿画像の画像番号に書き換える（ステップＳ６３）。
【０１０３】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けてモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されているモザイク画像表示データを更新する（ステップＳ６４）。具体的に、システム制御部１４は、モザイク画像表示データにおいて、割り当て対象領域のインデックスに対応するセルに、処理対象投稿画像の投稿画像データのＵＲＬを含むimgタグを設定する。
【０１０４】
次いで、システム制御部１４は、更新後のモザイク画像表示データを含む画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書を生成して、記憶部１２に記憶させる（ステップＳ６５）。次いで、システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書を、投稿リクエストの送信元のユーザ端末２へ送信する（ステップＳ６６）。ここで、システム制御部１４は、アンロック操作を行うことにより、別のプロセスがクリティカルセッションを実行することができるようにすうる。システム制御部１４は、この処理を終えると、投稿画像受信時処理を終了させる。
【０１０５】
ユーザ端末２は、受信したＨＴＭＬ文書に基づいて、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００を画面に表示する。このとき、システム制御部１４は、モザイク画像表示データに含まれるimgタグに基づいて、投稿画像データのＵＲＬを含むリクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。システム制御部１４は、受信したリクエストに含まれるＵＲＬからモザイク画像ＩＤ及び画像番号を取得する。次いで、システム制御部１４は、取得したモザイク画像ＩＤ及び画像番号に対応する投稿画像データを、投稿画像ＤＢ１２ｃから取得する。次いで、システム制御部１４は、取得した投稿画像データをユーザ端末２へ送信する。ユーザ端末２は、取得した投稿画像データに基づいて、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のモザイク画像表示部４３０内に投稿画像を表示する。これにより、例えば図１０に示すようなモザイク画像が表示される。こうして、システム制御部１４は、モザイク画像表示データを送信することにより、提示手段として、モザイク画像をユーザ端末２によりユーザに提示させる。
【０１０６】
以上説明したように、本実施形態によれば、モザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４が、ユーザにより指定された投稿画像を取得し、取得された投稿画像の代表色値と、分割領域の代表色値と、に基づいて、取得された画像の割り当ての候補となる候補領域を決定し、候補領域のエッジ度を取得し、取得されたエッジ度に基づいて、取得された投稿画像を割り当てる分割領域を、候補領域の中から決定し、決定された割り当てに基づいて、取得された投稿画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する。
【０１０７】
従って、候補領域となった分割領域におけるエッジの度合いに基づいて、投稿画像が割り当てられる分割領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する分割領域に投稿画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【０１０８】
また、システム制御部１４が、注目領域の基本エッジ度と、注目領域に隣接する分割領域の基本エッジ度と、に基づいて、各基本エッジ度が高いほど拡張エッジ度が高くなるように、注目領域におけるエッジの度合いを示す拡張エッジ度を計算し、候補領域となった分割領域における拡張エッジ度に基づいて、取得された投稿画像を割り当てる分割領域を決定する。
【０１０９】
従って、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域と、その分割領域に隣接する分割領域と、に優先的に投稿画像を割り当てることができる。そのため、これらの分割領域に投稿画像が割り当てられることにより、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【０１１０】
また、システム制御部１４が、注目領域の基本エッジ度の重みが、隣接する分割領域の基本エッジ度の重みよりも重くなるように、各基本エッジ度に重み付けして拡張エッジ度を計算する。
【０１１１】
従って、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域と、その分割領域に隣接する分割領域と、に優先的に投稿画像を割り当てながらも、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域の方により優先的に投稿画像が割り当てることができる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【０１１２】
なお、上記実施形態の投稿画像受信時処理におけるステップＳ５５において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像が割り当てられていない全ての分割領域について、投稿画像との代表色値の差を計算していた。しかしながら、分割領域を予め代表色値に基づいて並べ替えておくことにより、計算を行う分割領域の個数を減らし、計算時間を短くすることができる。例えば、システム制御部１４は、Ｒの代表色値が小さい順に分割領域を示すリスト、Ｇの代表色値が小さい順に分割領域を示すリスト、Ｂの代表色値が小さい順に分割領域を示すリストを生成する。システム制御部１４は、投稿画像データを受信して投稿画像の代表値を計算したとき、投稿画像の代表値との差が閾値以下となる代表値の最小値及び最大値を、Ｒ、Ｇ、Ｂそれぞれについて計算する。このときの閾値は、式６で差を計算した場合に用いられる閾値とは異なっていても良い。次いで、システム制御部１４は、例えば、二分探索法等により、代表値が、投稿画像の代表値との差が閾値以下となる分割領域の範囲を、生成したリストを用いて特定する。システム制御部１４は、これを、Ｒ、Ｇ、Ｂについて実行する。そして、システム制御部１４は、Ｒ、Ｇ、Ｂの全てにおいて、投稿画像との代表値の差が閾値以下になっている分割領域を、候補領域とする。
【０１１３】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するためのエッジ度として、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした拡張エッジ度を用いていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、基本エッジ度の単純な相加平均である拡張エッジ度を用いても良いし、基本エッジ度そのものを用いても良い。
【０１１４】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像の割り当ての候補領域のうち、エッジ度が最も高い候補領域を、割り当て対象領域としていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、エッジ度が高い候補領域に対して投稿画像を優先的に割り当てるものの、エッジ度が最も高い候補領域以外の分割領域に割り当てても良い。例えば、システム制御部１４は、元画像登録処理において、エッジ度の高い順に分割領域を示すリストを生成する。次いで、システム制御部１４は、エッジ度の高さが１番目から所定番目までの分割領域を、投稿画像を優先的に割り当てる優先領域とする。何番目までの分割領域を優先領域とするかは、例えば、元画像の分割数に応じて決定しても良い。例えば、元画像の分割数が４８０であり、全分割領域の２０％を優先領域とする場合、エッジどの高さが１番目から９６番目までの分割領域が優先領域となる。システム制御部１４は、候補領域の中に優先領域が１つ以上存在する場合には、その中の何れの優先領域に投稿画像を割り当てても良い。例えば、システム制御部１４は、投稿画像との代表色値の差が最も小さい優先領域に投稿画像を割り当てても良い。システム制御部１４は、候補領域の中に優先領域が存在しない場合には、例えば、エッジ度が最も高い候補領域に対して投稿画像を割り当てても良いし、投稿画像との代表色値の差が最も小さい候補領域に投稿画像を割り当てても良い。
【０１１５】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、各投稿画像をそれぞれ１つの分割領域に割り当てていたが、例えば、複数の領域に割り当てても良い。例えば、モザイク画像提供サーバ１は、候補領域の中からエッジ度が高い順に予め設定された数の候補領域に、それぞれ同一の投稿画像を割り当てても良い。
【０１１６】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像を割り当てる候補領域を、未割り当て領域の中から抽出していた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、既に投稿画像が割り当てられている分割領域からも抽出しても良い。例えば、上記実施形態においては、候補領域が複数抽出された場合、その中からエッジ度が最も高い候補領域に投稿画像が割り当てられる。従って、各投稿画像は、色が最も近い候補領域に割り当てられない場合がある。そのため、既に分割領域に割り当てられている投稿画像を、より色が近い別の分割領域に移動させることができる可能性がある。そこで、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、分割領域に既に割り当てられている投稿画像（以下、「割り当て画像」という）の色よりもこれから割り当てようとする処理対象投稿画像の色の方がその分割領域の色に近く、且つ、割り当て画像の色により近い色の分割領域が空いている場合、その空いている分割領域に割り当て画像を割り当てるとともに、今まで割り当て画像が割り当てられていた分割領域に処理対象投稿画像を割り当てても良い。
【０１１７】
具体的に、システム制御部１４は、処理対象投稿画像との代表色値の差が閾値以下である分割領域を、既に投稿画像が割り当てられているか否かに関係なく候補領域として抽出する。次いで、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域が未割り当て領域であれば、その候補領域をそのまま割り当て対象領域として決定する。一方、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域が、既に投稿画像が割り当てられている分割領域である場合には、その分割領域に割り当てられている投稿画像が移動可能であるか否かを判定する。例えば、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも小さいか否かを判定する。このとき、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差の方が小さい場合には、まだ投稿画像が割り当てられていない候補領域の中から、割り当て画像との代表色値の差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも小さい分割領域を抽出する。このとき、システム制御部１４は、１つ以上の分割領域を抽出することができた場合には、その中でエッジ度が最も高い分割領域を、割り当て画像の割り当て対象領域として決定する。そして、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域を、処理対象投稿画像の割り当て対象領域として決定する。一方、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差以上である場合、または、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも代表色値の差が小さい分割領域を抽出することができなかった場合には、エッジ度が２番目に高い候補領域について同様の処理を行う。このように、システム制御部１４は、処理対象投稿画像の割り当て対象領域が決定されるまで繰り返し処理を行う。
【０１１８】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像をユーザ端末２に表示させるためにモザイク画像表示データを含むＨＴＭＬ文書をユーザ端末２に送信していた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像の画像データそのものをユーザ端末２に送信しても良い。この場合、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、これまでに取得して投稿画像ＤＢ１２ｃに登録しておいた投稿画像データと、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て画像番号とに基づいて、割り当てられた領域の位置に各投稿画像が配置されたモザイク画像の画像データを生成する。
【０１１９】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、一つのモザイク画像の表示データの生成に、複数のユーザから投稿された画像を用いることができるようにしていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、１人のユーザから投稿された画像のみを用いてモザイク画像の表示データを生成しても良い。
【０１２０】
また、上記実施形態においては、モザイク画像提供サーバ１に画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、提示手段等を備えさせ、モザイク画像提供サーバ１が表示データをユーザ端末２に送信することにより、ユーザ端末２によりモザイク画像を提示させていた。しかしながら、例えば、ユーザ端末２等の装置に、画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、提示手段等を備えさせ、ユーザ端末２等の装置が、スタンドアローンで、エッジ度の計算、投稿画像の割り当て、モザイク画像の生成、モザイク画像の表示等を行っても良い。
【符号の説明】
【０１２１】
１ モザイク画像提供サーバ
２ ユーザ端末
１１ 通信部
１２ 記憶部
１２ａ 会員情報ＤＢ
１２ｂ 元画像ＤＢ
１２ｃ 投稿画像ＤＢ
１２ｄ モザイク画像ＤＢ
１３ 入出力インターフェース
１４ システム制御部
１４ａ ＣＰＵ
１４ｂ ＲＯＭ
１４ｃ ＲＡＭ
１５ システムバス
ＮＷ ネットワーク
Ｓ モザイク画像提供システム
【技術分野】
【０００１】
本発明は、端末装置から取得された画像を組み合わせてできるモザイク画像をユーザへ提示する画像提供装置及び画像処理方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば広告やイベントの告知等に用いられるポスターやＷｅｂページ等における画像の表現手法として、素材となる複数の画像（以下、「素材画像」という）をタイル状に配置してモザイク画像（例えば、モザイクアート、フォトモザイク等）として表現する方法が知られている。この表現方法においては、例えば、モザイク画像の絵柄の元となる画像（以下、「元画像」という）が複数の領域に分割される。そして、各素材画像が、例えば色調、模様等が近い領域に割り当てられる。これにより、元画像の絵柄を表現するモザイク画像が生成される。
【０００３】
また、サーバ装置が、ユーザから素材画像として提供される画像をネットワークを介して端末装置から取得し、取得した画像を用いて生成したモザイク画像を端末装置に表示させる技術が知られている。この場合、如何なる画像が素材画像となるかは、基本的に画像を提供するユーザの判断にゆだねられる。そのため、このような画像を素材画像として用いる場合には、元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を如何にして生成するかが課題となる。
【０００４】
例えば、特許文献１には、視認性が高いモザイク画像を提供することを目的とする技術が開示されている。具体的には、モザイク画像提供装置が、モザイク画像の元となる対象画像を分割した複数のブロックの中からユーザが投稿した素材画像の配置対象となるブロックを決定するとき、ユーザが選択したブロックを配置対象として決定し、または、ブロックの画像に制限されることなく自動的に配置対象を決定する。また、モザイク画像提供装置が、素材画像の基本色の平均濃度値が、配置対象のブロックの基本色の平均濃度値となるように、素材画像を色補正する。また、ユーザから投稿された素材画像の数がモザイク画像の完成に必要な数に到達するまでは、一部のブロックに対してのみ素材画像が配置された状態のモザイク画像が端末装置に表示される。つまり、未完成状態のモザイク画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０１０−４１６６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載の技術により生成される未完成状態のモザイク画像では、元画像の絵柄の視認性が高いとはいえない。その理由は、素材画像の配置対象となるブロックの決定方法に特段の基準がないからである。つまり、配置対象となるブロックが元画像の絵柄とは無関係に決定されるため、元画像の絵柄の視認性の向上に資するブロック（例えば、絵柄の輪郭部分、特徴部分等）に素材画像が配置されていない状態でモザイク画像が生成されることがあるためである。
【０００７】
仮に、色調や模様等が近いブロックに素材画像が配置されたとしても、そのことが直ちに元画像の絵柄の視認性を高めるとはいえない。色調や模様等が近いブロックが、元画像の絵柄の視認性の向上に資するブロックであるとは限らないからである。
【０００８】
本願発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる画像提供装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、請求項１に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置であって、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段と、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段と、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の画像提供装置において、前記領域の画像に含まれるエッジの度合いを示す第１エッジ度を計算する第１計算手段を更に備え、前記エッジ度取得手段は、前記計算された第１エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする。
【００１２】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域内の画像におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域に画像を優先的に割り当てることができる。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の画像提供装置において、ある前記領域の前記第１エッジ度と、前記ある領域に隣接する前記領域の前記第１エッジ度と、に基づいて、前記ある領域におけるエッジの度合いを示す第２エッジ度を計算する第２計算手段であり、各前記第１エッジ度が高いほど前記第２エッジ度が高くなるように計算する第２計算手段を更に備え、前記エッジ度取得手段は、前記計算された第２エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする。
【００１４】
この発明によれば、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域と、その領域に隣接する領域と、に優先的に画像を割り当てることができる。そのため、これらの領域に画像が割り当てられることにより、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００１５】
請求項４に記載の発明は、請求項３に記載の画像提供装置において、前記第２計算手段は、前記ある領域の前記第１エッジ度の重みが、前記隣接する領域の前記第１エッジ度の重みよりも重くなるように、各前記第１エッジ度に重み付けして前記第２エッジ度を計算することを特徴とする。
【００１６】
この発明によれば、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域と、その領域に隣接する領域と、に優先的に画像を割り当てながらも、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む領域の方により優先的に画像が割り当てることができる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００１７】
請求項５に記載の発明は、請求項１乃至４の何れか１項に記載の画像提供装置において、前記割り当て決定は、前記取得されたエッジ度が最も高い前記領域を、前記取得された画像を割り当てる領域に決定することを特徴とする。
【００１８】
この発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いが最も高い領域に画像が割り当てられる。そのため、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。
【００１９】
請求項６に記載の発明は、請求項１乃至５の何れか１項に記載の画像提供装置において、前記取得された画像の代表色を値で示す色情報と、前記領域の代表色を値で示す色情報と、を取得する色情報取得手段を更に備え、前記候補決定手段は、前記取得された画像の前記色情報の値と、前記領域の前記色情報の値と、の差が閾値以下である前記領域を前記候補として決定することを特徴とする。
【００２０】
この発明によれば、取得された画像と代表する色が近い領域に画像が割り当てられる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【００２１】
請求項７に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置における画像処理方法であって、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得ステップと、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定ステップと、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得ステップと、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定ステップと、前記割り当て決定ステップにおいて決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示ステップと、を含むことを特徴とする。
【００２２】
請求項８に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、として機能させることを特徴とする。
【００２３】
請求項９に記載の発明は、複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、として機能させる画像処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２４】
本発明によれば、割り当て先の候補となった領域におけるエッジの度合いに基づいて、画像が割り当てられる領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する領域に画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】一実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの概要構成の一例を示す図である。
【図２】元画像１００を４８０個の分割領域に分割した場合の例を示す図である。
【図３】（ａ）は、完成した状態のモザイク画像３００ａの一例を示す図であり、（ｂ）は、未完成状態のモザイク画像３００ｂの一例を示す図である。
【図４】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図５】（ａ）は、一実施形態に係る会員情報ＤＢ１２ａに登録される内容の一例を示す図であり、（ｂ）は、元画像ＤＢ１２ｂに登録される内容の一例を示す図であり、（ｃ）は、分割領域情報に設定される内容の一例を示す図であり、（ｄ）は、投稿画像ＤＢ１２ｃに登録される内容の一例を示す図であり、（ｅ）は、投稿画像情報に設定される内容の一例を示す図であり、（ｆ）は、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録される内容の一例を示す図である。
【図６】（ａ）は、元画像１００を９０個の分割領域に分割した場合の例を示す図であり、（ｂ）は、元画像１００の各分割領域の基本エッジ度の一例を示す図である。
【図７】（ａ）は、元画像１００の各分割領域の拡張エッジ度の一例を示す図であり、（ｂ）は、各分割領域のエッジ度に対する重み係数の一例を示す図である。
【図８】（ａ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の拡張エッジ度の一例を示す図であり、（ｂ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の各分割領域のエッジ度に対する重み係数の一例を示す図である。
【図９】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の元画像登録処理における処理例を示すフローチャートである。
【図１０】一実施形態に係る画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の画面表示例を示す図である。
【図１１】一実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の投稿画像受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２６】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、モザイク画像提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【００２７】
［１．モザイク画像提供システムの構成及び機能概要］
先ず、本実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの構成及び機能概要について、図１乃至図３を用いて説明する。図１は、本実施形態に係るモザイク画像提供システムＳの概要構成の一例を示す図である。
【００２８】
図１に示すように、モザイク画像提供システムＳは、モザイク画像提供サーバ１と、複数のユーザ端末２と、を含んで構成されている。そして、モザイク画像提供サーバ１及び各ユーザ端末２は、ネットワークＮＷを介して、例えば、通信プロトコルにＴＣＰ／ＩＰ等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、専用通信回線（例えば、ＣＡＴＶ（Community Antenna Television）回線）、移動体通信網（基地局等を含む）、及びゲートウェイ等により構築されている。
【００２９】
モザイク画像提供サーバ１（本発明における画像提供装置の一例）は、素材となる複数の画像をタイル状に配置して（組み合わせて）できるモザイク画像が表示されるＷｅｂページをユーザ端末２へ送信するＷｅｂサーバである。モザイク画像提供サーバ１は、素材となる画像を収集するため、ネットワークＮＷを介して各ユーザ端末２から画像を取得する。ユーザ端末２から取得される画像は、ユーザにより投稿された画像（以下、「投稿画像」という）である。
【００３０】
ユーザ端末２は、モザイク画像提供システムＳを利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末２は、ユーザからの操作に基づいて、モザイク画像提供サーバ１にアクセスする。これにより、ユーザ端末２は、モザイク画像提供サーバ１からＷｅｂページを受信して表示する。ユーザは、ユーザ端末２の画面に表示されるＷｅｂページを通じて、モザイク画像の素材となる画像を投稿したり、モザイク画像を表示させたりする。ユーザ端末２には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。ユーザ端末２としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【００３１】
このような構成のモザイク画像提供システムＳにおいて、モザイク画像の絵柄の元となる画像が、例えば予め用意されている。この画像が元画像である。モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像が表す絵柄が、元画像が表す絵柄に近くなるように、投稿画像の配置を行う。
【００３２】
図２は、元画像の一例を示す図である。図２に示す画像１００は、歩いている馬及びその馬に乗っている騎手の絵柄を表す画像である。ここで、馬の色は焦げ茶色であるものとする。また、騎手のズボンの色は黄色であり、騎手の上着の色は水色であるものとする。また、背景の色は白色であるものとする。なお、それぞれが均一の色で塗りつぶされているのではなく、場所によってある程度の色の変化はあるものとする。
【００３３】
元画像は、符号２００で示される複数の領域（以下、「分割領域」という）に分割されている。例えば、画像１００は、横２０個及び縦２４個の合計４８０個の分割領域に分割されている。分割領域の個数を、「分割数」という。各分割領域には、ユーザ端末２から取得された投稿画像が割り当てられる。投稿画像を分割領域に割り当てることは、モザイク画像内において、割り当て先の分割領域に対応する位置に、投稿画像を配置することを意味する。
【００３４】
モザイク画像提供サーバ１は、ユーザ端末２から投稿画像を取得するたびに、投稿画像の割り当てを行い、その時点までに収集されている投稿画像が配置されたモザイク画像が表示されるＷｅｂページを生成する。従って、元画像の分割数分の投稿画像が収集されるまでは、未完成状態のモザイク画像がＷｅｂページに表示される。つまり、モザイク画像内において、投稿画像が配置されていない領域が存在する。この状態のモザイク画像は、それを見るユーザにとって、モザイク画像が表すべき元画像の絵柄を認識しにくいものとなる場合がある。
【００３５】
そこで、モザイク画像提供サーバ１は、極力早い段階で元画像の絵柄を認識可能となるように、あるいは、収集されている投稿画像の数が多くはなくても元画像の絵柄の視認性が高くなるように、投稿画像を割り当てる分割領域を決定する。具体的に、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像と色が近い分割領域のうち、含まれるエッジの度合いが高い分割領域ほど優先的に投稿画像を割り当てる。エッジとは、例えば、画像の明度、色相、彩度等が急激に（鋭く）変化する部分をいう。モザイク画像提供サーバ１は、エッジの度合いを示す指標として、各分割領域のエッジ度を計算する。分割領域に含まれる画像の明度等が変化する度合いが高いほど、すなわち、エッジが強いほど、その分割領域のエッジ度が高くなる。また、分割領域に含まれるエッジの量が多いほど、その分割領域のエッジ度が高くなる。エッジ度が高い分割領域は、例えば、元画像の絵柄の輪郭部分、特徴部分、複雑な模様部分等であったりする。モザイク画像提供サーバ１は、このような部分に投稿画像を優先的に割り当てることで、元画像の絵柄の視認性を向上させる。
【００３６】
図３（ａ）及び図３（ｂ）は、モザイク画像の表示例を示す図である。図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すモザイク画像は、画像１００を元画像とするモザイク画像である。図３（ａ）に示すモザイク画像は、完成した状態のモザイク画像３００ａである。つまり、４８０個全ての分割領域に投稿画像が割り当てられている。一方、図３（ｂ）に示すモザイク画像は、未完成状態のモザイク画像３００ｂである。モザイク画像３００ｂにおいては、２００個程度の分割領域に投稿画像が割り当てられている。画像１００においては、馬の輪郭部分、騎手の輪郭部分、模様が細かい馬の尻尾部分等の分割領域のエッジ度が高くなる。そのため、これらの分割領域の方が、その他の分割領域よりも、投稿画像が割り当てられている度合いが高くなっている。従って、この状態であっても、モザイク画像３００ｂから馬及び騎手の認識が比較的容易になっている。つまり、エッジ度に基づいて割り当てを行わない場合よりも、元画像の絵柄の視認性が高くなる。また、モザイク画像を見たユーザは、元画像の絵柄が如何なる絵柄であるかを比較的早い段階で認識することができたり、推測することができたりする。そのため、ユーザにとっては、例えば、如何なる画像を投稿すると良いかを判断しやすくなったり、投稿する画像がどの領域に割り当てられるかを予測しやすくなったりする。
【００３７】
また、エッジ度がそれほど高くはない分割領域の中でも、エッジ度が高い分割領域に隣接する分割領域の方が、エッジ度が高い分割領域に隣接していない分割領域よりも、投稿画像が割り当てられている度合いが高くなっている。つまり、大筋では、エッジ度が高い分割領域、その分割領域の周囲にある分割領域の順で、優先的に投稿画像が割り当てられる。これにより、元画像の絵柄の視認性をより向上させることができる。
【００３８】
なお、前述したように、本実施形態においては、投稿画像と色が近い分割領域に投稿画像を割り当てることとしている。そのため、投稿画像があまり収集されていない段階であっても、投稿画像の色によっては、エッジ度が高くはない分割領域に割り当てられることもある。また、これまでに収集された投稿画像の色等によっては、収集された投稿画像の数が同じであっても視認性が変化することはある。
【００３９】
［２．モザイク画像提供サーバの構成］
次に、モザイク画像提供サーバ１の構成について、図４乃至図８を用いて説明する。
【００４０】
図４は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１の概要構成の一例を示すブロック図である。図４に示すように、モザイク画像提供サーバ１は、通信部１１と、記憶部１２と、入出力インターフェース１３と、システム制御部１４と、を備えている。そして、システム制御部１４と入出力インターフェース１３とは、システムバス１５を介して接続されている。
【００４１】
通信部１１は、ネットワークＮＷに接続して、ユーザ端末２等との通信状態を制御するようになっている。
【００４２】
記憶部１２は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部１２には、会員情報ＤＢ（データベース）１２ａ、元画像ＤＢ１２ｂ、投稿画像ＤＢ１２ｃ及びモザイク画像ＤＢ１２ｄ等が構築されている。
【００４３】
図５（ａ）は、本実施形態に係る会員情報ＤＢ１２ａに登録される内容の一例を示す図である。会員情報ＤＢ１２ａには、モザイク画像提供システムＳに会員登録しているユーザに関する会員情報が登録される。具体的に、会員情報ＤＢ１２ａには、ユーザの識別情報であるユーザＩＤ、パスワード、ニックネーム、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、電子メールアドレス等が、ユーザごとに対応付けて登録される。
【００４４】
図５（ｂ）は、本実施形態に係る元画像ＤＢ１２ｂに登録される内容の一例を示す図である。元画像ＤＢ１２ｂには、元画像及び元画像に関する情報が登録されている。具体的に、元画像ＤＢ１２ｂには、元画像の識別情報である元画像ＩＤ、元画像データ、分割数情報、複数の分割領域情報が元画像ごとに対応付けて登録される。
【００４５】
元画像ＩＤは、元画像の識別情報である。元画像データは、元画像の画像データである。モザイク画像提供システムＳにおいて用いられる画像データのフォーマットとしては、例えば、ＪＰＥＧ（Joint Photographic Experts Group）、ＴＩＦＦ（Tagged-Image File Format）、ＰＮＧ（Portable Network Graphics）等がある。
【００４６】
分割数情報は、分割数を示す情報である。具体的に、分割数情報は、元画像の分割数、横分割数及び縦分割数を含む。横分割数は、横方向の分割数である。つまり、横分割数は、元画像の横方向に並ぶ分割領域の個数である。縦分割数は、縦方向の分割数である。つまり、縦分割数は、元画像の縦方向に並ぶ分割領域の個数である。元画像の分割数は、横分割数と縦分割数とを掛け合わせることにより得られる。
【００４７】
分割領域情報は、分割領域に関する情報である。分割領域情報は、元画像の分割数分登録される。各分割領域情報は、対応する分割領域のインデックスに対応付けて登録される。各分割領域には、（Ｘ，Ｙ）という形でインデックスが割り当てられる。ここで、Ｘは、横方向における分割領域の位置を示す。また、Ｙは、縦方向における分割領域の位置を示す。元画像の左上隅に位置する分割領域のインデックスが（０，０）となる。分割領域（Ｘ，Ｙ）は、一番左からＸ＋１番目に位置する分割領域のうち、一番上からＹ＋１番目に位置する分割領域である。
【００４８】
なお、元画像を複数の領域に分割することとは、元画像全体に相当する領域を複数の領域に分割することであり、元画像内の各画素がそれぞれ何れの領域に含まれているか（あるいは、各領域が何れの画素を含むか）を特定可能にすることをいう。システム制御部１４は、元画像の縦横の画素数と、横分割数及び縦分割数とを取得することで、各画素が含まれる領域を特定することができる。そのため、元画像を複数の領域に分割することは、元画像の画像データを領域ごとの画像データに分割することを必ずしも意味するものとは限らない。よって、システム制御部１４は、領域ごとの画像データを元画像ＤＢ１２ｂに登録しても良いし、登録しなくても良い。
【００４９】
図５（ｃ）は、分割領域情報に設定される内容の一例を示す図である。図５（ｃ）に示すように、分割領域情報には、代表色値、基本エッジ度及び拡張エッジ度が設定される。
【００５０】
代表色値（本発明における色情報の一例）は、分割領域を代表する色（以下、「代表色」という）を示す値である。代表色は、例えば、分割領域全体の色を平均することにより得られる色であっても良いし、分割領域内において専有面積が最も大きい色であっても良い。代表色値は、例えば、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の各基本色（原色）ごとの値を含む。Ｒ、Ｇ、Ｂの各値は、例えば、０から２５５までの何れかの値をとる。システム制御部１４は、分割領域の代表色値と投稿画像の代表色値とを比較することにより、投稿画像を割り当てる分割領域の候補を決定する。なお、代表色値は、例えば、ＣＭＹＫ、Ｌａｂ色空間等で表現されても良い。
【００５１】
基本エッジ度（本発明における第１エッジ度の一例）は、エッジ度の一種であり、後述する拡張エッジ度の計算に用いられる。基本エッジ度は、分割領域内の画像そのものに含まれるエッジの度合いを示す。基本エッジ度は、システム制御部１４により計算される。先ず、システム制御部１４は、分割領域に含まれる各画素の画素エッジ度を計算する。画素エッジ度は、画素そのもののエッジの強さを示す。具体的に、システム制御部１４は、注目画素（画素エッジ度の計算対象となっている画素）の値と、注目画素に隣接する各画素の値との差を計算する。この計算は、基本色ごとに行われる。注目画素に隣接する画素は、注目画素の上下左右及び斜め方向に位置する８画素である。そして、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差を足し合わせ、更に８画素分の差を足し合わせて、画素エッジ度を算出する。これらの処理を式で示すと、下記の式１となる。
【００５２】
【数１】
式１において、ｘは、注目領域（基本エッジ度の計算対象となっている分割領域）の左上隅にある画素を基準とした注目画素のＸ座標であり、ｙは、注目領域の左上隅にある画素を基準とした注目画素のＹ座標である。また、Ｒ（ｘ，ｙ）、Ｇ（ｘ，ｙ）及びＢ（ｘ，ｙ）は、座標（ｘ，ｙ）にある画素のＲの画素値、Ｇの画素値及びＢの画素値である。また、ＥＰ（ｘ，ｙ）は、座標（ｘ，ｙ）にある画素の画素エッジ度である。なお、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差の絶対値をとって、その絶対値を足し合わせる代わりに、基本色ごとに計算した差の二乗をそれぞれ計算して、その計算結果を足しあわせても良い。
【００５３】
次に、システム制御部１４は、分割領域内の全画素の画素エッジ度を足し合わせて、その分割領域の基本エッジ度を算出する。この処理を式で示すと、下記の式（２）となる。
【００５４】
【数２】
式２において、ＥＢ（Ｘ，Ｙ）は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度である。また、ｗは、分割領域の横の画素数であり、ｌは、分割領域の縦の画素数である。なお、基本エッジ度の計算方法は、ここで説明された方法に限定されるものではない。例えば、システム制御部１４は、画素エッジ度を計算する際、注目画素の上下左右に位置する４画素のみについて画素値の差を計算しても良い。また、システム制御部１４は、基本色ごとに画素値の差を計算するのではなく、例えば、注目画素の色とこれに隣接する画素の色との距離を計算し、色の距離を足し合わせて画素エッジ度を計算しても良い。
【００５５】
図６（ａ）（ｂ）は、基本エッジ度の計算例を説明するための図である。図６（ａ）は、元画像１００を、図２に示したものとは異なる分割数で分割した場合の例である。図６（ａ）では、元画像１００は、符号２１０で示される複数の分割領域に分割されている。具体的に、横９個及び縦１０個の合計９０個の分割領域に分割されている。図６（ｂ）は、元画像１００の各分割領域の基本エッジ度の一例を示す図である。なお、図６（ｂ）は、各分割領域の基本エッジ度の違いが分かりやすいよう、正規化された基本エッジ度を示す。図６（ｂ）に示すように、エッジを全く含まない分割領域の基本エッジ度は０になっている。一方、馬の輪郭や騎手の輪郭を含む分割領域の基本エッジ度は、輪郭の長さに応じて高くなっている。特に、背景と明度の差が大きい馬の輪郭部分については、エッジ度が高くなっている。また、線が多い馬の尻尾部分（例えば、分割領域（０，６）、（０，７））や、模様が複雑な騎手の手元部分（例えば、分割領域（４，３））も、エッジ度が高くなっている。
【００５６】
拡張エッジ度（本発明における第２エッジ度の一例）は、エッジ度の一種であり、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するために用いられる。拡張エッジ度は、注目領域（拡張エッジ度の計算対象となっている分割領域）に隣接する分割領域の基本エッジ度を反映したエッジ度である。基本エッジ度も、システム制御部１４により計算される。具体的に、システム制御部１４は、注目領域の基本エッジ度と、これに隣接する８個の分割領域の基本エッジ度とを足し合わせる。そして、システム制御部１４は、算出した合計値を、基本エッジ度を足し合わせた分割領域の個数で割ることにより、拡張エッジ度を算出する。つまり、システム制御部１４は、基本エッ度の単純な相加平均を計算する。これらの処理を式で示すと、下記の式（３）となる。
【００５７】
【数３】
式３において、ＥＥ（Ｘ，Ｙ）は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の拡張エッジ度である。なお、分割領域によっては、隣接する分割領域が５個のみである場合や、３個のみである場合がある。このような場合、式３における１／９は、１／６または１／４に変更される。これは、分割領域の位置により、算出される拡張エッジ度が不均衡とならないようにするためである。
【００５８】
図７（ａ）は、９０個の分割領域に分割された元画像１００の各分割領域の拡張エッジ度の一例を示す図である。図７（ａ）に示すように、基本エッジ度が低い分割領域であっても、周囲の分割領域において基本エッジ度が高い分割領域は、拡張エッジ度が基本エッジ度よりも高くなっている（例えば、馬の尻尾と馬の後ろ足の画像に囲まれた背景部分の分割領域（０，８）、周囲を馬の輪郭で覆われた馬の胴体部分の分割領域（３，７）等）。システム制御部１４が、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するとき、拡張エッジ度が高い分割領域に優先的に割り当て先として決定する。従って、基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられるとともに、周囲の分割領域の基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられる。
【００５９】
ところで、式３における１／９は、各基本エッジ度に掛け合わされる重み係数に相当するものといえる。図７（ｂ）は、注目領域に対する重み係数と、注目領域に隣接する分割領域に対する重み係数と、を示す図である。図７（ｂ）に示すように、式３の場合は、全ての分割領域の基本エッジ度に同一の重み係数が掛けられることになる。つまり、全ての分割領域の基本エッジ度の重みは同一である。このようにした場合、注目領域の基本エッジ度が高くても、周囲の分割領域の基本エッジ度が低いと、拡張エッジ度が低くなる。その逆に、注目領域の基本エッジ度が低くても、周囲の分割領域の基本エッジ度が高いと、拡張エッジ度が高くなる。そうすると、分割領域間において、画像に含まれているエッジの度合いが高い分割領域よりも、画像に含まれているエッジの度合いが低い分割領域の方が優先的に投稿画像が割り当てられる可能性がある。そこで、極力基本エッジ度が高い分割領域に優先的に投稿画像が割り当てられるように、拡張エッジ度を計算する際の注目領域の基本エッジ度の重みを重くしても良い。
【００６０】
図８（ａ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の拡張エッジ度の一例を示す図である。また、図８（ｂ）は、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした場合の重み係数の一例を示す図である。図８（ｂ）に示すように、注目領域の基本エッジ度の重み係数を、例えば１／３とする。一方、その他の分割領域の重み係数を、例えば、１／１２とする。全ての重み係数を足し合わせると、１になる。重み係数を求める計算式を式４に示す。
【００６１】
【数４】
式４において、Ｋは、重み係数であり、Ａ（＝１／３）は、注目領域の基本エッジ度の重み係数である。そして、拡張エッジ度は、下記の式５で計算することができる。
【００６２】
【数５】
注目領域に隣接する分割領域が５個のみである場合や、３個のみである場合、式４における１／８は、１／５または１／３に変更される。従って、注目領域に隣接する分割領域が５個のみである場合、注目領域の基本エッジ度の重み係数は１／３となり、その他の分割領域の重み係数は２／１５となる。また、注目領域に隣接する分割領域が３個のみである場合、注目領域の基本エッジ度の重み係数は１／３となり、その他の分割領域の重み係数は２／９となる。このように、拡張エッジ度に対して、注目領域の基本エッジ度が寄与する割合を一定にしている。なお、各基本エッジ度に対応する重みの付け方は、ここで説明された方法に限定されるものではない。
【００６３】
拡張エッジ度の計算方法は、ここで説明された方法に限定されるものではない。例えば、システム制御部１４は、注目領域の基本エッジ度と、注目領域の上下左右に位置する４個の分割領域の基本エッジ度とのみを足し合わせて、基本エッジ度の相加平均を計算しても良い。
【００６４】
図５（ｄ）は、本実施形態に係る投稿画像ＤＢ１２ｃに登録される内容の一例を示す図である。投稿画像ＤＢ１２ｃには、投稿画像及び投稿画像に関する情報が登録される。具体的に、投稿画像ＤＢ１２ｃには、モザイク画像ＩＤ、投稿数、投稿画像情報が登録される。モザイク画像ＩＤは、登録された投稿画像を素材として生成されるモザイク画像の識別情報である。投稿数は、これまでにユーザ端末２から取得された投稿画像の数である。投稿画像情報は、投稿数分登録される。
【００６５】
図５（ｅ）は、投稿画像情報に設定される内容の一例を示す図である。図５（ｅ）に示すように、投稿画像情報には、画像番号、ユーザＩＤ、投稿画像データ及び代表色値が対応付けて設定される。画像番号は、投稿画像に付与された番号である。各投稿画像には、投稿順（モザイク画像提供サーバ１が取得した順）に画像番号が付与される。投稿画像情報に設定されるユーザＩＤは、投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤである。つまり、投稿画像情報に設定されるユーザＩＤは、投稿画像の取得先のユーザ端末２を利用するユーザのユーザＩＤである。投稿画像データは、投稿画像の画像データである。代表色値は、投稿画像の代表色を示す値である。なお、投稿画像の代表色値の内容は、分割領域の代表色値の内容と同様である。
【００６６】
図５（ｆ）は、本実施形態に係るモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録される内容の一例を示す図である。モザイク画像ＤＢ１２ｄには、モザイク画像に関する情報が登録される。具体的に、モザイク画像ＤＢ１２ｄには、モザイク画像ＩＤ、元画像ＩＤ、複数の割り当て画像番号及びモザイク画像表示データがモザイク画像ごとに対応付けて登録される。モザイク画像ＩＤは、モザイク画像の識別情報である。元画像ＩＤは、モザイク画像の絵柄となる画像の元画像ＩＤである。割り当て画像番号は、分割領域に割り当てられた投稿画像の画像番号である。割り当て画像番号は、元画像の分割数分登録される。各割り当て画像番号は、対応する分割領域のインデックスに対応付けて登録される。まだ投稿画像が割り当てられていない分割領域（以下、「未割り当て領域」という）の割り当て画像番号には、例えば、−１等の無効な番号が設定されている。
【００６７】
モザイク画像表示データは、Ｗｅｂページ内にモザイク画像を表示するためのデータである。つまり、モザイク画像表示データは、モザイク画像の表示内容を示す。本実施形態においては、モザイク画像は、各セルに投稿画像がはめ込まれたテーブルとして表現される。例えば、モザイク画像表示データは、ＨＴＭＬ（Hyper Text Markup Language）、ＸＭＬ（Extensible Markup Language）、ＸＨＴＭＬ（Extensible Hyper Text Markup Language）等のマークアップ言語等で記述されたデータである。モザイク画像表示データは、モザイク画像が表示されるＷｅｂページのＨＴＭＬ文書の一部を構成する。システム制御部１４は、モザイク画像表示データを含むＨＴＭＬ文書をユーザ端末２へ送信することにより、このＨＴＭＬ文書に基づいてユーザ端末２によりモザイク画像を表示させる。つまり、ユーザ端末２が、ＨＴＭＬ文書に含まれるモザイク画像表示データの記述内容に従ってテーブルの各セルに投稿画像を表示することにより、Ｗｅｂページ内にモザイク画像を表示する。本実施形態では、ユーザ端末２が画面上にモザイク画像を生成（形成）することになる。
【００６８】
モザイク画像表示データにおいては、例えば、tableタグ、trタグ、tdタグ等によりテーブルが規定される。セルを示すtd開始タグとtd終了タグとの間には、例えば、
<img src="href="http://www.yyy.zzz/9876543210-0123.jpeg" >
というimgタグが設定される。ここで、"http://www.yyy.zzz/9876543210-0123.jpeg"は、投稿画像データのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）である。また、"9876543210"は、元画像ＩＤである。また、"0123"は、投稿画像の画像番号である。このように、投稿画像が割り当てられている分割領域に対応するセルには、割り当てられている投稿画像のＵＲＬを含むimgタグが設定される。なお、このＵＲＬは、投稿画像のサムネイルの画像データのＵＲＬであっても良い。モザイク画像内においては、通常、投稿画像は本来の表示サイズよりも小さいサイズで表示される。そのため、投稿画像の縦横の画素数を減らして表示サイズを縮小したサムネイルの画像データが、モザイク画像を表示しようとするユーザ端末２へ送信されても良い。この場合、システム制御部１４は、例えば、投稿画像データを投稿画像ＤＢ１２ｃに登録するとき、投稿画像データに基づいて投稿画像のサムネイルの画像データを生成し、このサムネイルの画像データを投稿画像ＤＢ１２ｃに登録する。
【００６９】
モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て画像番号の内容は、モザイク画像表示データに反映されている。そのため、モザイク画像ＤＢ１２ｄには、割り当て画像番号またはモザイク画像表示データの何れか一方のみが登録されるようになっていても良い。割り当て画像番号のみが登録される場合、システム制御部１４は、モザイク画像が表示されるＷｅｂページを送信するときに、割り当て画像番号に基づいてモザイク画像表示データを生成しても良い。
【００７０】
次に、記憶部１２に記憶されるその他の情報について説明する。記憶部１２には、Ｗｅｂページを表示するためのＨＴＭＬ文書、ＸＭＬ文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等の各種データが記憶されている。また、記憶部１２には、管理者等により設定された各種の設定値が記憶されている。設定値の中には、投稿画像の色が分割領域の色に近いか否かを判定するための閾値が含まれている。
【００７１】
また、記憶部１２には、オペレーティングシステム、ＷＷＷ（World Wide Web）サーバプログラム、ＤＢＭＳ（DataBase Management System）、モザイク画像提供プログラム等の各種プログラムが記憶されている。モザイク画像提供プログラムは、元画像の登録、投稿画像の取得、モザイク画像表示データの生成等のモザイク画像に関する処理を実行するためのプログラムである。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークＮＷを介して取得されるようにしても良いし、ＤＶＤ（Digital Versatile Disc）等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【００７２】
入出力インターフェース１３は、通信部１１及び記憶部１２とシステム制御部１４との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【００７３】
システム制御部１４は、ＣＰＵ１４ａ、ＲＯＭ（Read Only Memory）１４ｂ、ＲＡＭ（Random Access Memory）１４ｃ等により構成されている。そして、システム制御部１４は、ＣＰＵ１４ａが、各種プログラムを読み出し実行することにより、本発明における画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、第１計算手段、第２計算手段、色情報取得手段及び提示手段として機能するようになっている。
【００７４】
なお、モザイク画像提供サーバ１が、複数のサーバ装置で構成されても良い。例えば、元画像の登録、投稿画像の取得、モザイク画像表示データの生成に関する処理を行うサーバ装置、ユーザ端末２からのリクエストに応じてＷｅｂページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにＬＡＮ等で接続されても良い。
【００７５】
［３．モザイク画像提供システムの動作］
次に、モザイク画像提供システムＳの動作について、図９乃至図１１を用いて説明する。
【００７６】
図９は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の元画像登録処理における処理例を示すフローチャートである。なお、図９は、拡張エッジ度を計算するときに、注目領域の基本エッジ度の重みを、隣接する分割領域の基本エッジ度の重みよりも重くした場合の処理例を示す。
【００７７】
例えば、モザイク画像提供サーバ１の管理者が、モザイク画像提供サーバ１に接続された管理用の端末装置を操作することにより、元画像の登録を行う。具体的に、管理者は、元画像データを選択するとともに、横分割数及び縦分割数を入力する。すると、管理用の端末装置は、元画像データ、横分割数及び縦分割数を含む元画像登録リクエストを、モザイク画像提供サーバ１へ送信する。なお、例えば、ユーザが元画像を投稿することができるようになっても良い。この場合、元画像を投稿するユーザのユーザ端末２が元画像登録リクエストを送信する。
【００７８】
元画像登録処理は、モザイク画像提供サーバ１が元画像登録リクエストを受信したときに開始される。この元画像登録処理は、後述する投稿画像受信時処理よりも前に予め実行される。そして、元画像登録処理が実行されることにより、投稿画像受信時処理における投稿画像の割り当て等が可能となる。
【００７９】
元画像登録処理において、システム制御部１４は、新たな元画像ＩＤを生成する。次いで、システム制御部１４は、受信した元画像登録リクエストに含まれる横分割数及び縦分割数に基づいて、分割数情報を生成する。そして、システム制御部１４は、新たな元画像ＩＤ、元画像登録リクエストに含まれる元画像データ及び生成した分割数情報を対応付けて、元画像ＤＢ１２ｂに登録する（ステップＳ１１）。また、システム制御部１４は、元画像データに基づいて、元画像のビットマップイメージをＲＡＭ１４ｃに展開する。
【００８０】
次いで、システム制御部１４は、元画像の分割を行う。先ず、システム制御部１４は、分割領域のインデックスＹに０を設定する（ステップＳ１２）。次いで、システム制御部１４は、分割領域のインデックスＸに０を設定する（ステップＳ１３）。次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）を特定する（ステップＳ１４）。具体的に、システム制御部１４は、登録した元画像データから元画像の縦横の画素数を取得する。次いで、システム制御部１４は、元画像の縦横の画素数と、登録した分割数情報が示す横分割数及び縦分割数とに基づいて、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の座標範囲を計算する。
【００８１】
次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の代表色値を計算する（ステップＳ１５）。例えば、システム制御部１４は、ＲＡＭ１４ｃに展開された元画像のビットマップイメージから分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の値を取得する。次いで、システム制御部１４は、Ｒ、Ｇ、Ｂの各基本色ごとに、取得した画素値を足し合わせる。次いで、システム制御部１４は、基本色ごとの画素値の合計を、それぞれ分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる画素の総数で割る。この計算により得られた基本色ごとの画素値の平均が代表色値である。次いで、システム制御部１４は、計算した代表色値を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８２】
次いで、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる各画素の画素エッジ度を計算する（ステップＳ１６）。具体的に、システム制御部１４は、ＲＡＭ１４ｃに展開された元画像のビットマップイメージから、分割領域（Ｘ，Ｙ）に含まれる各画素の値を取得する。そして、システム制御部１４は、例えば、式１が示す計算方法で、画素エッジ度を計算する。
【００８３】
次いで、システム制御部１４は、第１計算手段として、計算した各画素エッジ度に基づいて、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度を計算する（ステップＳ１７）。例えば、システム制御部１４は、式２が示す計算方法で、基本エッジ度を計算する。そして、システム制御部１４は、計算した基本エッジ度を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８４】
次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに１を加算する（ステップＳ１８）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ１９）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ１９：ＹＥＳ）、ステップＳ１４に移行する。一方、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ１９：ＮＯ）、インデックスＹに１を加算する（ステップＳ２０）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２１）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２１：ＹＥＳ）、ステップＳ１３に移行する。システム制御部１４は、ステップＳ１３〜Ｓ２１の処理を繰り返すことにより、各分割領域の代表色値及び基本エッジ度の登録を行う。
【００８５】
そして、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２１：ＮＯ）、インデックスＹに０を設定する（ステップＳ２２）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに０を設定する（ステップＳ２３）。
【００８６】
次いで、システム制御部１４は、第２計算手段として、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度と、分割領域（Ｘ，Ｙ）に隣接する８個の分割領域の基本エッジ度に、それぞれ重み係数を掛ける（ステップＳ２４）。このとき、システム制御部１４は、分割領域（Ｘ，Ｙ）の基本エッジ度に掛け合わせる重み係数の値を、隣接する分割領域の基本エッジ度に掛け合わせる重み係数の値よりも大きくする。
【００８７】
次いで、システム制御部１４は、第２計算手段として、重み係数を掛け合わせることによって重みが付けられた各基本エッジ度を足し合わせることにより、分割領域（Ｘ，Ｙ）の拡張エッジ度を計算する（ステップＳ２５）。つまり、システム制御部１４は、ステップＳ２４及びＳ２５において、式５が示す計算方法で拡張エッジ度を計算する。そして、システム制御部１４は、計算した拡張エッジ度を、新たな元画像ＩＤと、分割領域のインデックスＸ及びＹと、に対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録する。
【００８８】
次いで、システム制御部１４は、インデックスＸに１を加算する（ステップＳ２６）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２７）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２７：ＹＥＳ）、ステップＳ２４に移行する。一方、システム制御部１４は、インデックスＸが横分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２７：ＮＯ）、インデックスＹに１を加算する（ステップＳ２８）。次いで、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であるか否かを判定する（ステップＳ２９）。このとき、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満であると判定した場合には（ステップＳ２９：ＹＥＳ）、ステップＳ２３に移行する。システム制御部１４は、ステップＳ２３〜Ｓ２９の処理を繰り返すことにより、各分割領域の拡張エッジ度の登録を行う。
【００８９】
そして、システム制御部１４は、インデックスＹが縦分割数未満ではないと判定した場合には（ステップＳ２９：ＮＯ）、新たなモザイク画像ＩＤを生成する。次いで、システム制御部１４は、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤを対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する。また、システム制御部１４は、各分割領域の割り当て画像番号として、投稿画像が割り当てられていないことを示す番号を、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤに対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する。また、システム制御部１４は、空のモザイク画像表示データを、新たなモザイク画像ＩＤ及び元画像ＩＤに対応付けて、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録する（ステップＳ３０）。空のモザイク画像表示データとは、投稿画像データのＵＲＬを含むimgタグが全く設定されていないモザイク画像表示データである。
【００９０】
次いで、システム制御部１４は、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書を生成する（ステップＳ３１）。画像投稿・モザイク画像表示ページ４００は、画像を投稿するためのＷｅｂページであるとともに、モザイク画像が表示されるＷｅｂページでもある。システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書を記憶部１２に記憶させる。次いで、システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書へのハイパーリンクを設定する（ステップＳ３２）。例えば、システム制御部１４は、モザイク画像提供システムＳのＷｅｂサイトのトップページのＨＴＭＬ文書に、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書のＵＲＬを含むaタグを追加する。これにより、ユーザによる画像の投稿及びモザイク画像の閲覧が可能となる。システム制御部１４は、ステップＳ３２の処理を終えると、元画像登録処理を終了させる。
【００９１】
図１０は、本実施形態に係る画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の画面表示例を示す図である。図１０に示すように、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００は、メッセージ部４１０、投稿画像送信部４２０、モザイク画像表示部４３０等を含む。メッセージ部４１０には、例えば、モザイク画像提供システムＳに関連するサイトにおける商品やサービス等に関する告知等の情報が表示される。投稿画像送信部４２０には、画像を投稿するための各種ウィジットが表示される。例えば、投稿画像データのパス名を指定するための入力欄、ユーザ端末２に記憶されている画像データの中から投稿画像データを選択するためのダイアログを表示するための参照ボタン、投稿画像データを送信するための送信ボタン等が表示される。モザイク画像表示部４３０には、これまで投稿された画像により生成されたモザイク画像が表示される。図１０においては、一例としてモザイク画像３００ｂが表示されている。なお、元画像登録処理が完了した後、まだ画像が１つも投稿されていない場合には、モザイク画像表示部４３０にはモザイク画像は表示されない。
【００９２】
また、モザイク画像表示部４３０に表示されたモザイク画像に含まれる何れかの投稿画像がユーザにより選択された場合には、例えば、選択された投稿画像が画像投稿・モザイク画像表示ページ４００内に大きく表示されたり、選択された投稿画像を投稿したユーザに関する情報（例えば、ユーザのニックネームやプロフィール等）が画像投稿・モザイク画像表示ページ４００内に表示されたりしても良い。投稿画像を投稿したユーザに関する情報を表示する場合、システム制御部１４は、例えば、モザイク画像表示データにimgタグを設定する際、投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤをモザイク画像表示データに設定する。モザイク画像表示部４３０において、ユーザが何れかの投稿画像を選択すると、ユーザ端末２は、その投稿画像を投稿したユーザのユーザＩＤを含むリクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。システム制御部１４は、受信したリクエストに含まれるユーザＩＤに対応する会員情報から必要な情報を取得してユーザ端末２へ送信する。そして、ユーザ端末２は、受信した情報を表示する。
【００９３】
図１１は、本実施形態に係るモザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４の投稿画像受信時処理における処理例を示すフローチャートである。画像投稿・モザイク画像表示ページ４００の投稿画像送信部４２０において、ユーザが投稿画像データを指定して送信ボタンを選択すると、ユーザ端末２は、投稿リクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。投稿リクエストは、指定された投稿画像データ、操作を行ったユーザのユーザＩＤ、生成対象のモザイク画像のモザイク画像ＩＤを含む。投稿画像受信時処理は、モザイク画像提供サーバ１が画像取得手段として投稿リクエストを受信したときに開始される。
【００９４】
先ず、システム制御部１４は、投稿リクエストに含まれるモザイク画像ＩＤ（以下、「対象モザイク画像ＩＤ」という）に対応する元画像ＩＤ（以下、「対象元画像ＩＤ」という）をモザイク画像ＤＢ１２ｄから取得する。次いで、システム制御部１４は、対象元画像ＩＤに対応する分割数情報を、元画像ＤＢ１２ｂから取得する（ステップＳ５１）。次いで、システム制御部１４は、取得した分割数情報に含まれる横分割数及び縦分割数に基づいて、対象モザイク画像ＩＤに対応する各画像割り当て番号を、モザイク画像ＤＢ１２ｄから取得する。そして、システム制御部１４は、取得した各画像割り当て番号に基づいて、未割り当て領域を特定する（ステップＳ５２）。次いで、システム制御部１４は、色情報取得手段として、対象元画像ＩＤに対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録されている分割領域情報のうち、未割り当て領域の分割領域情報から、代表色値を取得する（ステップＳ５３）。
【００９５】
次いで、システム制御部１４は、色情報取得手段として、投稿リクエストに含まれる投稿画像データが示す投稿画像（以下、「処理対象投稿画像」という）の代表色値を計算する（ステップＳ５４）。この計算方法は、元画像登録処理におけるステップＳ１５の場合と同様である。
【００９６】
ここで、システム制御部１４は、例えばミューテックス等を利用した排他制御を行い、ステップＳ５５以降の処理（クリティカルセッション）を実行することができる権限を取得した場合には、ロック操作を行う。これにより、システム制御部１４は、複数のプロセスがクリティカルセッションを同時に実行することができないようにする。
【００９７】
次いで、システム制御部１４は、候補決定手段として、未割り当て領域の中から、処理対象投稿画像との代表色値の差が閾値以下である分割領域を、処理対象投稿画像の割り当ての候補領域として抽出する（ステップＳ５５）。具体的に、システム制御部１４は、以下の式６により差を計算する。
【００９８】
【数６】
式６において、Diffは差である。Ｒ１、Ｇ１及びＢ１は、分割領域のＲ、Ｇ及びＢの代表色値である。Ｒ２、Ｇ２及びＢ２は、処理対象投稿画像のＲ、Ｇ及びＢの代表色値である。システム制御部１４は、この計算を、全ての未割り当て領域について実行する。そして、システム制御部１４は、算出された差が閾値以下である分割領域を、候補領域とする。なお、システム制御部１４は、基本色ごとに計算した差の二乗をそれぞれ計算して、その計算結果を足しあわせる代わりに、基本色ごとに計算した差の絶対値をとって、その絶対値を足し合わせても良い。
【００９９】
次いで、システム制御部１４は、候補領域を１つ以上抽出することができたか否かを判定する（ステップＳ５６）。このとき、システム制御部１４は、候補領域を１つも抽出することができなかったと判定した場合には（ステップＳ５６：ＮＯ）、投稿リクエストの送信元のユーザ端末２に、投稿拒否メッセージを送信する（ステップＳ５７）。投稿拒否メッセージは、画像の投稿が拒否された旨を示すメッセージである。ユーザ端末２は、受信した投稿拒否メッセージを画面に表示する。システム制御部１４は、ステップＳ５７の処理を終えると、投稿画像受信時処理を終了させる。
【０１００】
一方、システム制御部１４は、候補領域を１つ以上抽出することができたと判定した場合には（ステップＳ５６：ＹＥＳ）、エッジ度取得手段として、対象元画像ＩＤに対応付けて元画像ＤＢ１２ｂに登録されている分割領域情報のうち、抽出された候補領域の分割領域情報から、拡張エッジ度を取得する（ステップＳ５８）。次いで、システム制御部１４は、割り当て決定手段として、抽出した候補領域のうち、拡張エッジ度が最も高い候補領域を、処理対象投稿画像を割り当てる分割領域（以下、「割り当て対象領域」という）として決定する（ステップＳ５９）。
【０１０１】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けて投稿画像ＤＢ１２ｃに登録されている投稿数に１を加算して投稿数を更新する（ステップＳ６０）。次いで、システム制御部１４は、処理対象投稿画像の画像番号に、更新後の投稿数を設定する（ステップＳ６１）。次いで、システム制御部１４は、画像番号、投稿リクエストに含まれるユーザＩＤ及び投稿画像データ、並びに処理対象投稿画像の代表色値を含む投稿画像情報を、対象モザイク画像ＩＤに対応付けて投稿画像ＤＢ１２ｃに登録する（ステップＳ６２）。
【０１０２】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けてモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て対象領域の割り当て画像番号を、処理対象投稿画像の画像番号に書き換える（ステップＳ６３）。
【０１０３】
次いで、システム制御部１４は、対象モザイク画像ＩＤに対応付けてモザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されているモザイク画像表示データを更新する（ステップＳ６４）。具体的に、システム制御部１４は、モザイク画像表示データにおいて、割り当て対象領域のインデックスに対応するセルに、処理対象投稿画像の投稿画像データのＵＲＬを含むimgタグを設定する。
【０１０４】
次いで、システム制御部１４は、更新後のモザイク画像表示データを含む画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のＨＴＭＬ文書を生成して、記憶部１２に記憶させる（ステップＳ６５）。次いで、システム制御部１４は、生成したＨＴＭＬ文書を、投稿リクエストの送信元のユーザ端末２へ送信する（ステップＳ６６）。ここで、システム制御部１４は、アンロック操作を行うことにより、別のプロセスがクリティカルセッションを実行することができるようにすうる。システム制御部１４は、この処理を終えると、投稿画像受信時処理を終了させる。
【０１０５】
ユーザ端末２は、受信したＨＴＭＬ文書に基づいて、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００を画面に表示する。このとき、システム制御部１４は、モザイク画像表示データに含まれるimgタグに基づいて、投稿画像データのＵＲＬを含むリクエストをモザイク画像提供サーバ１へ送信する。システム制御部１４は、受信したリクエストに含まれるＵＲＬからモザイク画像ＩＤ及び画像番号を取得する。次いで、システム制御部１４は、取得したモザイク画像ＩＤ及び画像番号に対応する投稿画像データを、投稿画像ＤＢ１２ｃから取得する。次いで、システム制御部１４は、取得した投稿画像データをユーザ端末２へ送信する。ユーザ端末２は、取得した投稿画像データに基づいて、画像投稿・モザイク画像表示ページ４００のモザイク画像表示部４３０内に投稿画像を表示する。これにより、例えば図１０に示すようなモザイク画像が表示される。こうして、システム制御部１４は、モザイク画像表示データを送信することにより、提示手段として、モザイク画像をユーザ端末２によりユーザに提示させる。
【０１０６】
以上説明したように、本実施形態によれば、モザイク画像提供サーバ１のシステム制御部１４が、ユーザにより指定された投稿画像を取得し、取得された投稿画像の代表色値と、分割領域の代表色値と、に基づいて、取得された画像の割り当ての候補となる候補領域を決定し、候補領域のエッジ度を取得し、取得されたエッジ度に基づいて、取得された投稿画像を割り当てる分割領域を、候補領域の中から決定し、決定された割り当てに基づいて、取得された投稿画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する。
【０１０７】
従って、候補領域となった分割領域におけるエッジの度合いに基づいて、投稿画像が割り当てられる分割領域が決定されるので、元画像の絵柄の視認性の向上に資する分割領域に投稿画像を優先的に割り当てることができる。そのため、未完成状態のモザイク画像であっても元画像の絵柄の視認性が高いモザイク画像を提示することができる。
【０１０８】
また、システム制御部１４が、注目領域の基本エッジ度と、注目領域に隣接する分割領域の基本エッジ度と、に基づいて、各基本エッジ度が高いほど拡張エッジ度が高くなるように、注目領域におけるエッジの度合いを示す拡張エッジ度を計算し、候補領域となった分割領域における拡張エッジ度に基づいて、取得された投稿画像を割り当てる分割領域を決定する。
【０１０９】
従って、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域と、その分割領域に隣接する分割領域と、に優先的に投稿画像を割り当てることができる。そのため、これらの分割領域に投稿画像が割り当てられることにより、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【０１１０】
また、システム制御部１４が、注目領域の基本エッジ度の重みが、隣接する分割領域の基本エッジ度の重みよりも重くなるように、各基本エッジ度に重み付けして拡張エッジ度を計算する。
【０１１１】
従って、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域と、その分割領域に隣接する分割領域と、に優先的に投稿画像を割り当てながらも、元画像の絵柄の視認性の向上に資する画像を含む分割領域の方により優先的に投稿画像が割り当てることができる。そのため、元画像の絵柄の視認性をより高めることができる。
【０１１２】
なお、上記実施形態の投稿画像受信時処理におけるステップＳ５５において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像が割り当てられていない全ての分割領域について、投稿画像との代表色値の差を計算していた。しかしながら、分割領域を予め代表色値に基づいて並べ替えておくことにより、計算を行う分割領域の個数を減らし、計算時間を短くすることができる。例えば、システム制御部１４は、Ｒの代表色値が小さい順に分割領域を示すリスト、Ｇの代表色値が小さい順に分割領域を示すリスト、Ｂの代表色値が小さい順に分割領域を示すリストを生成する。システム制御部１４は、投稿画像データを受信して投稿画像の代表値を計算したとき、投稿画像の代表値との差が閾値以下となる代表値の最小値及び最大値を、Ｒ、Ｇ、Ｂそれぞれについて計算する。このときの閾値は、式６で差を計算した場合に用いられる閾値とは異なっていても良い。次いで、システム制御部１４は、例えば、二分探索法等により、代表値が、投稿画像の代表値との差が閾値以下となる分割領域の範囲を、生成したリストを用いて特定する。システム制御部１４は、これを、Ｒ、Ｇ、Ｂについて実行する。そして、システム制御部１４は、Ｒ、Ｇ、Ｂの全てにおいて、投稿画像との代表値の差が閾値以下になっている分割領域を、候補領域とする。
【０１１３】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像を割り当てる分割領域を決定するためのエッジ度として、注目領域の基本エッジ度の重みを重くした拡張エッジ度を用いていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、基本エッジ度の単純な相加平均である拡張エッジ度を用いても良いし、基本エッジ度そのものを用いても良い。
【０１１４】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像の割り当ての候補領域のうち、エッジ度が最も高い候補領域を、割り当て対象領域としていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、エッジ度が高い候補領域に対して投稿画像を優先的に割り当てるものの、エッジ度が最も高い候補領域以外の分割領域に割り当てても良い。例えば、システム制御部１４は、元画像登録処理において、エッジ度の高い順に分割領域を示すリストを生成する。次いで、システム制御部１４は、エッジ度の高さが１番目から所定番目までの分割領域を、投稿画像を優先的に割り当てる優先領域とする。何番目までの分割領域を優先領域とするかは、例えば、元画像の分割数に応じて決定しても良い。例えば、元画像の分割数が４８０であり、全分割領域の２０％を優先領域とする場合、エッジどの高さが１番目から９６番目までの分割領域が優先領域となる。システム制御部１４は、候補領域の中に優先領域が１つ以上存在する場合には、その中の何れの優先領域に投稿画像を割り当てても良い。例えば、システム制御部１４は、投稿画像との代表色値の差が最も小さい優先領域に投稿画像を割り当てても良い。システム制御部１４は、候補領域の中に優先領域が存在しない場合には、例えば、エッジ度が最も高い候補領域に対して投稿画像を割り当てても良いし、投稿画像との代表色値の差が最も小さい候補領域に投稿画像を割り当てても良い。
【０１１５】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、各投稿画像をそれぞれ１つの分割領域に割り当てていたが、例えば、複数の領域に割り当てても良い。例えば、モザイク画像提供サーバ１は、候補領域の中からエッジ度が高い順に予め設定された数の候補領域に、それぞれ同一の投稿画像を割り当てても良い。
【０１１６】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、投稿画像を割り当てる候補領域を、未割り当て領域の中から抽出していた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、既に投稿画像が割り当てられている分割領域からも抽出しても良い。例えば、上記実施形態においては、候補領域が複数抽出された場合、その中からエッジ度が最も高い候補領域に投稿画像が割り当てられる。従って、各投稿画像は、色が最も近い候補領域に割り当てられない場合がある。そのため、既に分割領域に割り当てられている投稿画像を、より色が近い別の分割領域に移動させることができる可能性がある。そこで、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、分割領域に既に割り当てられている投稿画像（以下、「割り当て画像」という）の色よりもこれから割り当てようとする処理対象投稿画像の色の方がその分割領域の色に近く、且つ、割り当て画像の色により近い色の分割領域が空いている場合、その空いている分割領域に割り当て画像を割り当てるとともに、今まで割り当て画像が割り当てられていた分割領域に処理対象投稿画像を割り当てても良い。
【０１１７】
具体的に、システム制御部１４は、処理対象投稿画像との代表色値の差が閾値以下である分割領域を、既に投稿画像が割り当てられているか否かに関係なく候補領域として抽出する。次いで、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域が未割り当て領域であれば、その候補領域をそのまま割り当て対象領域として決定する。一方、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域が、既に投稿画像が割り当てられている分割領域である場合には、その分割領域に割り当てられている投稿画像が移動可能であるか否かを判定する。例えば、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも小さいか否かを判定する。このとき、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差の方が小さい場合には、まだ投稿画像が割り当てられていない候補領域の中から、割り当て画像との代表色値の差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも小さい分割領域を抽出する。このとき、システム制御部１４は、１つ以上の分割領域を抽出することができた場合には、その中でエッジ度が最も高い分割領域を、割り当て画像の割り当て対象領域として決定する。そして、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域を、処理対象投稿画像の割り当て対象領域として決定する。一方、システム制御部１４は、エッジ度が最も高い候補領域と処理対象投稿画像との代表色値との差が、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差以上である場合、または、エッジ度が最も高い候補領域と割り当て画像との代表色値の差よりも代表色値の差が小さい分割領域を抽出することができなかった場合には、エッジ度が２番目に高い候補領域について同様の処理を行う。このように、システム制御部１４は、処理対象投稿画像の割り当て対象領域が決定されるまで繰り返し処理を行う。
【０１１８】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像をユーザ端末２に表示させるためにモザイク画像表示データを含むＨＴＭＬ文書をユーザ端末２に送信していた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、モザイク画像の画像データそのものをユーザ端末２に送信しても良い。この場合、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、これまでに取得して投稿画像ＤＢ１２ｃに登録しておいた投稿画像データと、モザイク画像ＤＢ１２ｄに登録されている割り当て画像番号とに基づいて、割り当てられた領域の位置に各投稿画像が配置されたモザイク画像の画像データを生成する。
【０１１９】
また、上記実施形態において、モザイク画像提供サーバ１は、一つのモザイク画像の表示データの生成に、複数のユーザから投稿された画像を用いることができるようにしていた。しかしながら、モザイク画像提供サーバ１は、例えば、１人のユーザから投稿された画像のみを用いてモザイク画像の表示データを生成しても良い。
【０１２０】
また、上記実施形態においては、モザイク画像提供サーバ１に画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、提示手段等を備えさせ、モザイク画像提供サーバ１が表示データをユーザ端末２に送信することにより、ユーザ端末２によりモザイク画像を提示させていた。しかしながら、例えば、ユーザ端末２等の装置に、画像取得手段、候補決定手段、エッジ度取得手段、割り当て決定手段、提示手段等を備えさせ、ユーザ端末２等の装置が、スタンドアローンで、エッジ度の計算、投稿画像の割り当て、モザイク画像の生成、モザイク画像の表示等を行っても良い。
【符号の説明】
【０１２１】
１ モザイク画像提供サーバ
２ ユーザ端末
１１ 通信部
１２ 記憶部
１２ａ 会員情報ＤＢ
１２ｂ 元画像ＤＢ
１２ｃ 投稿画像ＤＢ
１２ｄ モザイク画像ＤＢ
１３ 入出力インターフェース
１４ システム制御部
１４ａ ＣＰＵ
１４ｂ ＲＯＭ
１４ｃ ＲＡＭ
１５ システムバス
ＮＷ ネットワーク
Ｓ モザイク画像提供システム
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置であって、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段と、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段と、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする画像提供装置。
【請求項２】
請求項１に記載の画像提供装置において、
前記領域の画像に含まれるエッジの度合いを示す第１エッジ度を計算する第１計算手段を更に備え、
前記エッジ度取得手段は、前記計算された第１エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする画像提供装置。
【請求項３】
請求項２に記載の画像提供装置において、
ある前記領域の前記第１エッジ度と、前記ある領域に隣接する前記領域の前記第１エッジ度と、に基づいて、前記ある領域におけるエッジの度合いを示す第２エッジ度を計算する第２計算手段であり、各前記第１エッジ度が高いほど前記第２エッジ度が高くなるように計算する第２計算手段を更に備え、
前記エッジ度取得手段は、前記計算された第２エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする画像提供装置。
【請求項４】
請求項３に記載の画像提供装置において、
前記第２計算手段は、前記ある領域の前記第１エッジ度の重みが、前記隣接する領域の前記第１エッジ度の重みよりも重くなるように、各前記第１エッジ度に重み付けして前記第２エッジ度を計算することを特徴とする画像提供装置。
【請求項５】
請求項１乃至４の何れか１項に記載の画像提供装置において、
前記割り当て決定は、前記取得されたエッジ度が最も高い前記領域を、前記取得された画像を割り当てる領域に決定することを特徴とする画像提供装置。
【請求項６】
請求項１乃至５の何れか１項に記載の画像提供装置において、
前記取得された画像の代表色を値で示す色情報と、前記領域の代表色を値で示す色情報と、を取得する色情報取得手段を更に備え、
前記候補決定手段は、前記取得された画像の前記色情報の値と、前記領域の前記色情報の値と、の差が閾値以下である前記領域を前記候補として決定することを特徴とする画像提供装置。
【請求項７】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置における画像処理方法であって、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得ステップと、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定ステップと、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得ステップと、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定ステップと、
前記割り当て決定ステップにおいて決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項８】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項９】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、
として機能させる画像処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項１】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置であって、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段と、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段と、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段と、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする画像提供装置。
【請求項２】
請求項１に記載の画像提供装置において、
前記領域の画像に含まれるエッジの度合いを示す第１エッジ度を計算する第１計算手段を更に備え、
前記エッジ度取得手段は、前記計算された第１エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする画像提供装置。
【請求項３】
請求項２に記載の画像提供装置において、
ある前記領域の前記第１エッジ度と、前記ある領域に隣接する前記領域の前記第１エッジ度と、に基づいて、前記ある領域におけるエッジの度合いを示す第２エッジ度を計算する第２計算手段であり、各前記第１エッジ度が高いほど前記第２エッジ度が高くなるように計算する第２計算手段を更に備え、
前記エッジ度取得手段は、前記計算された第２エッジ度を前記エッジ度として取得することを特徴とする画像提供装置。
【請求項４】
請求項３に記載の画像提供装置において、
前記第２計算手段は、前記ある領域の前記第１エッジ度の重みが、前記隣接する領域の前記第１エッジ度の重みよりも重くなるように、各前記第１エッジ度に重み付けして前記第２エッジ度を計算することを特徴とする画像提供装置。
【請求項５】
請求項１乃至４の何れか１項に記載の画像提供装置において、
前記割り当て決定は、前記取得されたエッジ度が最も高い前記領域を、前記取得された画像を割り当てる領域に決定することを特徴とする画像提供装置。
【請求項６】
請求項１乃至５の何れか１項に記載の画像提供装置において、
前記取得された画像の代表色を値で示す色情報と、前記領域の代表色を値で示す色情報と、を取得する色情報取得手段を更に備え、
前記候補決定手段は、前記取得された画像の前記色情報の値と、前記領域の前記色情報の値と、の差が閾値以下である前記領域を前記候補として決定することを特徴とする画像提供装置。
【請求項７】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置における画像処理方法であって、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得ステップと、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定ステップと、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得ステップと、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定ステップと、
前記割り当て決定ステップにおいて決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項８】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項９】
複数の領域に分割された元画像のモザイク画像を提供する画像提供装置に含まれるコンピュータを、
ユーザにより指定された画像を取得する画像取得手段、
前記取得された画像の色情報と、前記領域の色情報と、に基づいて、前記取得された画像の割り当ての候補となる前記領域を決定する候補決定手段、
前記候補として決定された前記領域におけるエッジの度合いを示すエッジ度を取得するエッジ度取得手段、
前記取得されたエッジ度に基づいて、前記取得された画像を割り当てる前記領域を、前記候補として決定された前記領域の中から決定する割り当て決定手段、及び、
前記割り当て決定手段により決定された割り当てに基づいて、前記取得された画像が配置されたモザイク画像をユーザへ提示する提示手段、
として機能させる画像処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【図１】
【図２】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１１】
【図３】
【図１０】
【図２】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１１】
【図３】
【図１０】
【公開番号】特開２０１３−８１９０（Ｐ２０１３−８１９０Ａ）
【公開日】平成２５年１月１０日（２０１３．１．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１４０２８８（Ｐ２０１１−１４０２８８）
【出願日】平成２３年６月２４日（２０１１．６．２４）
【出願人】（３９９０３７４０５）楽天株式会社 (416)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月１０日（２０１３．１．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月２４日（２０１１．６．２４）
【出願人】（３９９０３７４０５）楽天株式会社 (416)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]