説明

画像撮影装置

【課題】撮影画像の画角変更指示時に、撮影画像の撮影状態の評価が大きく変動しないで撮影を遂行することが可能な画像撮影装置を提供する。
【解決手段】画像撮影装置は、撮影手段110、状態評価手段132、制御手段101、撮影指示手段104、切替手段104を有する。状態評価手段は、撮影画像の指定評価領域の撮影状態を評価する。制御手段は、評価撮影状態に応じて撮影手段を制御する。撮影指示手段は、所定画角領域での画像撮影を指示する。切替手段は、第1と第2の撮影モードの間でモードを切り替える。制御手段は、第1の撮影モード時に画像撮影が指示された場合、指示時の評価領域を維持し、評価領域の撮影状態に応じて撮影手段を制御する。第1の撮影モードから第2の撮影モードへの切り替え後に、画像撮影が指示された場合、評価領域を所定画角領域に対応する領域にし、評価領域の撮影状態に応じて撮影手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラやデジタルカメラなどの画像撮影装置に関し、より具体的には、画角を変更して撮影が可能な画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、動画撮影はビデオカメラで、静止画撮影はデジタルスチルカメラで行うという様に、製品ごとに撮影するカテゴリーが分かれていた。しかし最近は、ビデオカメラで静止画撮影ができるものや、デジタルスチルカメラで動画撮影ができるものが市販されている。この様に動画撮影機能と静止画撮影機能を搭載し、撮像センサを1つしか持たない製品で、動画撮影モードから静止画を撮影しようとする場合、一旦、動画撮影モードから静止画撮影モードに移行して静止画を撮影した後、再び動画撮影モードに戻ることになる。この様に動画撮影と静止画撮影でモードを分ける第1の理由は、高解像度が要求される静止画撮影と解像度よりもフレームレートが要求される動画撮影とでは、CCDやCMOSといった撮像センサの駆動方法が異なるためである。第2の理由は、近年、動画はアスペクト比16:9のハイビジョン規格で撮影されることが一般的になっているのに対して、静止画はアスペクト比4:3又は3:2で撮影されるためである。
【0003】
こうした技術状況において、撮影する画像の画角に合わせて、制御対象となる撮影領域の画角を切り替え、各種自動制御(AE/AF/AWB)のための演算処理を行う撮影装置が提案されている(特許文献1参照)。また、動画撮影時に静止画撮影に切り替えると、動画撮影中の絞り、シャッター速度、被写体輝度、感度に基づき静止画撮影用の露出値を決め、切り替え時間が最小となる絞りとシャッター速度で静止画撮影を実行する撮影装置が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−347901号公報
【特許文献2】特開2006−287586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、撮影する画像の画角に合わせて制御対象の撮影領域の画角を切り替えると、写っていなかった被写体が入ってきたり、写っていた被写体が出ていってしまったりする場合がある。例えば動画撮影モードから静止画撮影を行う際に、出入りする被写体が太陽などであれば露出が大きく変動し、フィードバック制御が収束するまでに時間が掛かる。そのため、静止画が撮影できる様になるまでに時間が掛かってしまう。また、出入りする被写体が人物であれば、露出対象やフォーカス対象となる主被写体が変わってしまうことがある。
【0006】
また、画角によって撮像センサの駆動方法が切り替わる場合、画角変化前に露出やフォーカスを固定させてしまうと、切り替え後の撮像センサの駆動に対して最適な露出制御やフォーカス制御にならない場合がある。また、動画撮影モードにおいて露出やフォーカスが安定していない状態で静止画撮影を指示すると、それらが安定してから画角を切り替える必要があるため、ユーザーが静止画撮影時の画角を確認するまでに時間が掛かる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明の画像撮影装置は、画像を撮影する撮影手段と、状態評価手段と、制御手段と、撮影指示手段と、切替手段と、を有する。状態評価手段は、前記撮影された画像の指定された評価領域に対して撮影状態を評価する。制御手段は、状態評価手段が評価した評価領域に対する撮影状態に応じて撮影手段を制御する。撮影指示手段は、撮影手段による所定の画角の領域での画像撮影を指示する。切替手段は、第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間で撮影モードを切り替える。そして、制御手段は、前記第1の撮影モードのときに撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、指示時の評価領域を維持し、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、前記画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。
【0008】
また、切替手段により前記第1の撮影モードから前記第2の撮影モードへの切り替えが行われた後に、撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、次の様にする。すなわち、指示時の評価領域に係らず評価領域を前記画角の領域に対応する評価領域にし、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、前記画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影する画像の画角変更が指示された際に、その指示時の状態に応じて、前記評価領域の調整を行うので、撮影画像に対する撮影状態の評価があまり大きく変動しない様にして画像撮影を遂行できる可能性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像撮影装置であるビデオカメラ本体の構成(a)と、撮像センサの持つ2つの読み出しモード(b)を説明する図。
【図2】撮像センサの画素配置と水平垂直画素加算読み出しの概略図。
【図3】同じ被写体を動画と静止画とで撮影した際の画像(a−1、a−2)と、同じく動画と静止画とで撮影した際のLCD126での表示画面(b−1、b−2)を示す図。
【図4】操作部の外形(a)と、MOVIEモード(動画撮影モードとも記す)における状態遷移(b)を示す図。
【図5】STILLモード(静止画撮影モードとも記す)における状態遷移(a)と、第1の実施形態のSEAMLESSモード(シームレス撮影モードとも記す)における状態遷移(b)を示す図。
【図6】MOVIEモードでの評価用の領域(a)と、STILLモードでの評価用の領域(b)と、SEAMLESSモードでの評価用の領域(c)を示す図。
【図7】MOVIEモードでの特徴検出用の領域(a)と、STILLモードでの特徴検出用の領域(b)と、SEAMLESSモードでの特徴検出用の領域(c)を示す図。
【図8】第2の実施形態のSEAMLESSモードにおける状態遷移を示す図。
【図9】第2の実施形態のSEAMLESSモードで動画撮影から静止画撮影に状態遷移した場合の評価領域を説明する図(a−1〜a−3)と、同SEAMLESSモードで静止画撮影から動画撮影に状態遷移した場合の評価領域を説明する図(b−1〜b−3)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像撮影装置の実施形態を説明する。本発明の画像撮影装置において重要な点は、次の点である。後述のシームレス撮影モードの如き第1の撮影モードのときに撮影指示手段で画像撮影が指示された場合は、指示時の評価領域を維持し、状態評価手段が評価した該評価領域の撮影状態に応じて、所定の画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。他方、切替手段で第1の撮影モードから後述の静止画や動画の撮影モードの如き第2の撮影モードへの切り替えが行われた後に、撮影指示手段で画像撮影が指示された場合は、指示時の評価領域に係らず評価領域を所定の画角の領域に対応する評価領域にする。そして、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、所定の画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。
【0012】
この考え方に基づき、本発明の画像撮影装置の基本的な形態は、上述した様な構成を有する。この基本的な形態を基に、次に述べる様な実施形態が可能である。例えば、撮影指示手段は、第1の画角の領域での画像撮影を指示する第1の撮影指示手段と、第2の画角の領域での画像撮影を指示する第2の撮影指示手段を備えることができる。この場合、前記第1の撮影モードは、第1及び第2の撮影指示手段の指示に応じて、夫々、前記第1の及び第2の画角の領域での画像撮影が可能なシームレス撮影モードである。そして、前記第2の撮影モードは、第1又は第2の撮影指示手段の指示に応じて前記第1又は第2の画角の領域での画像撮影が可能な動画撮影モード又は静止画撮影モードである(後述の第1及び第2の実施形態を参照)。
【0013】
また、制御手段は、前記第1の撮影モードのときに、撮影指示手段による指示があってから、所定時間内は指示時の評価領域を維持して撮影手段の制御を行う様にすることができる。そして、所定時間の経過後は、評価領域を所定の画角の領域に対応する評価領域にして撮影手段の制御を行う様にする(後述の第2の実施形態を参照)。
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を用いて実施形態を説明する。図1(a)は本発明の実施形態における画像撮影装置のブロック図である。以下、メモリカードに動画や静止画を記録するビデオカメラとして説明する。初めにビデオカメラ100の構成について説明する。
【0015】
ビデオカメラ100は、図1(a)中の101〜105で示す制御系ブロックを備える。制御手段を構成するCPU101は、内部バス105を介して、RAM102、ROM103及びその他の各ブロックに接続され、ROM103に格納された制御プログラムを基に、各ブロックの制御を行う。CPU101は、動作時の一時的なデータの格納場所としてRAM102を用いる。CPU101に接続されモード切替手段と撮影指示手段を含む操作部104は、モードダイヤルや各種ボタンなどに対するユーザー操作の入力内容を伝え、CPU101はユーザーの指示に応じて、各種処理を行う。
【0016】
また、ビデオカメラ100は、図1(a)中の110〜114で示すカメラ系ブロックを備える。撮影手段を構成するレンズユニット110を通過した光は、同じく撮影手段を構成するCMOS、CCDなどのイメージセンサ113の撮像面上に結像し、撮像面の光学像が電気信号に変換される。制御手段を構成するレンズドライバ112は、同じく制御手段を構成するCPU101の制御により、レンズユニット110のズームレンズとフォーカスレンズを駆動して、光学ズームとフォーカスの調整を行う。レンズドライバ112は絞り111を駆動して、絞り量の調整も行う。イメージセンサ113は、CPU101に指示されたシャッター速度に応じた期間、電荷の蓄積を行う。そして、AFE(アナログフロントエンド)114はイメージセンサ113を駆動して画像信号を読み出し、画像信号のサンプル・ホールドと増幅、デジタル信号への変換を行う。
【0017】
また、ビデオカメラ100は、図1(a)中の120〜125で示す画像処理系ブロックを備える。画像入力部120は、AFE114から入力された画像信号をバッファメモリ121に格納する。画像処理部122は、バッファメモリ121に格納された画像信号を読み出して、色変換や色調整、リサイズなどの画像処理を行い、変換後の画像データをバッファメモリ123に格納する。描画部124は、文字や図形などの重畳用画像データを描画してバッファメモリ123に格納する。合成部125は、バッファメモリ123に格納された前記画像データに重畳用画像データを重畳して合成し、LCD(液晶ディスプレイ)126及び外部出力端子127に出力する。
【0018】
また、ビデオカメラ100は、図(a)中の130〜133で示す評価系ブロックを備える。状態評価手段を構成する露出評価部130は、画像入力部120から得た画像信号に対して、CPU101から指定された領域(評価領域)の露出の状態(撮影状態)を評価する。同じく状態評価手段を構成するホワイトバランス評価部131とフォーカス評価部132も、画像入力部120から得た画像信号に対して、夫々CPU101から指定された評価領域のホワイトバランス(撮影状態)とフォーカスの状態(撮影状態)を評価する。同じく状態評価手段を構成する特徴検出部133は、バッファメモリ123に格納された画像データに対して、CPU101から指定された評価領域に含まれる人物の顔部分の数と、それらの大きさと位置(特徴部分)を検出する。CPU101は、これら評価系ブロックの評価結果に基づき、シャッター速度と絞り量を調整して露出を制御し、色調整によってホワイトバランスを制御し、フォーカスレンズを調整してフォーカスを制御する。その際、特徴検出部133で検出された特徴部分から主被写体が特定できた場合には、その部分に対する評価系ブロックの評価結果に従って、露出とホワイトバランス、フォーカスが最適になる様に制御する。この様に、状態評価手段は、撮影された画像の露出、ホワイトバランス、フォーカスのうちの少なくとも1つの状態を評価し、制御手段は、撮影手段による露出、ホワイトバランス、フォーカスの少なくとも1つを制御する。
【0019】
また、ビデオカメラ100は、図(a)中の140〜142で示すレコーダ系ブロックを備える。動画の記録時、CODEC(符号化・復号化部)140はバッファメモリ123から得た動画像データをMPEG4/AVC方式で符号化し、バッファメモリ141に格納する。静止画の記録時、CODEC140はバッファメモリ123から得た静止画像データをJPEG方式で符号化し、バッファメモリ141に格納する。動画又は静止画の記録時、メモリカードコントローラ142はバッファメモリ141に格納された符号化データを読み出して、管理情報とともに外部のメモリカード150に書き込む。動画又は静止画の再生時、メモリカードコントローラ142は外部のメモリカード150から管理情報と符号化データを読み出して、バッファメモリ141に格納する。更に、動画又は静止画の再生時、CODEC140はバッファメモリ141に格納された符号化データを復号化して、バッファメモリ123に格納する。
【0020】
次に、イメージセンサ113の持つ2つの読み出しモードについて説明する。図1(b)はイメージセンサ113の読み出し範囲を示す概略図である。第1の読み出しモードは、動画の撮影時における読み出し方法であって、イメージセンサ113に含まれるアスペクト比16:9の領域202(第1の画角の領域)に格子状に配置された水平3840画素×垂直2160画素をプログレッシブスキャンで読み出す。動画は60又は50フィールド/秒で撮影されるため、センサ113からは60又は50フレーム/秒で画像を読み出す必要がある。しかし、読み出す画素数が約830万画素と大きいため、伝送路の帯域幅の制限から、60又は50フレーム/秒でAFE114を介して画像入力部120に伝送することができない。そこで、第1の読み出しモードでは、イメージセンサ113内部で垂直方向に隣り合う同色2画素と、水平方向に隣り合う同色2画素の計4画素を加算(水平垂直画素加算)して、水平1920画素×垂直1080画素の画像信号として、画像入力部120に伝送する。図2は水平垂直画素加算の概略図である。イメージセンサ113の受光面にはベイヤー配列のRGBカラーフィルターが取り付けられており、水平4画素×垂直4画素の領域301を切り出すと図示の様にR、G、Bの画素が配置されている。図2中でR、G、Bに続く2桁の数字は水平方向と垂直方向の位置を夫々示しており、水平垂直画素加算によって水平2画素×垂直2画素の画像信号302となる。例えばG00+G02+G20+G22は、G00とG02とG20とG22との加算を示す。
【0021】
第2の読み出しモードは、静止画の撮影時における読み出し方法であって、イメージセンサ113のアスペクト比4:3の全領域201(第2の画角の領域)に格子状に配置された水平3840画素×垂直2880画素をプログレッシブスキャンで読み出す。第2の読み出しモードでは画素加算が行われないため、静止画撮影時には記録待機状態(静止画プレビュー)と、記録時(静止画キャプチャ)ともに、センサから1フレームの画像を1/15又は1/12.5秒で読み出す。この様に、静止画撮影時の第2の画角の領域は、動画撮影時の第1の画角の領域を包含する様に設定される。
【0022】
図3(a−1)、(a−2)は同じ被写体を動画と静止画とで撮影した際の画像データの例を示す図である。図3(a−1)に示す様に、動画として撮影した画像データ410には山401が写っている。これに対して、図3(a−2)に示す様に、静止画として撮影した画像データ420は、画像データ410に比べて上下に撮影範囲が広がり、山401に加えて太陽402も写っている。また、図3(b−1)、(b−2)は同じ被写体を動画と静止画とで撮影した際のLCD126での表示画面を示す図である。LCD126はアスペクト比が16:9であって、動画として撮影した画像データ410はそのままの画角で画像510として表示される。これに対して、静止画として撮影した画像データ420は、左右に黒帯を付けて画像520として表示される。
【0023】
次に、本実施形態のビデオカメラ100における撮影モードの切り替えについて説明する。撮影モードには、第1のモードである動画撮影(MOVIE)モードと、第2のモードである静止画撮影(STILL)モードと、同じく第2のモードである動画静止画シームレス撮影(SEAMLESS)モードの3つがある。本実施形態では、SEAMLESSモードでは動画撮影の記録待機の状態から静止画を撮影することが可能である。
【0024】
図4(a)は、操作部104が備えるモードダイヤル610と、動画記録開始/停止(REC)ボタン620と、静止画記録(PHOTO)ボタン630の外形を示す。モード切替手段を構成するモードダイヤル610は円周方向に回すことが可能なダイヤルスイッチである。目印601を本体外装のMOVIEポジション602か、SEAMLESSポジション603か、STILLポジション604に合わせることで、夫々に対応する撮影モードへの移行をCPU101に指示することができる。第2の撮影指示手段を構成するPHOTOボタン630は、押し込み量によって、半押し状態のシャッターポジション1(S1)と全押し状態のシャッターポジション2(S2)をCPU101に指示することができる。
【0025】
次に、各撮影モードにおける状態遷移について説明する。図4(b)はMOVIEモードにおける状態遷移を示す。初期状態はRECポーズ状態701であって、アスペクト比16:9の動画撮影を行ったまま記録待機している。RECポーズ状態701において、第1の撮影指示手段を構成するRECボタン620が押下されるとREC状態702に移行する。REC状態702では撮影されているアスペクト比16:9の動画がメモリカード150へ記録される。REC状態702において、RECボタン620が押下されるとメモリカード150への記録が停止されてポーズ状態701へと戻る。
【0026】
図5(a)はSTILLモードにおける状態遷移を示す。初期状態はプレビュー状態803であって、アスペクト比4:3の静止画を1/15又は1/12.5秒ごとに表示するプレビュー動作を行っている。プレビュー状態803でPHOTOボタン630がS1又はS2となった場合、露出とホワイトバランス、フォーカスを最適な状態に調整してからロック状態804に移行する。ロック状態804では、プレビュー状態803で調整された露出とホワイトバランス、フォーカスを固定した状態で、アスペクト比4:3の静止画のプレビュー動作を続ける。ロック状態804でPHOTOボタン630がS2となった場合には、キャプチャ状態805に移行して、移行時に撮影した静止画をメモリカード150に記録するキャプチャ動作を行う。キャプチャ動作時は、メモリカード150への記録が終了するまでカメラ系ブロックからの画像入力は中断され、記録される静止画が表示され続ける。キャプチャ状態805でメモリカード150への記録が終了するか、又は、ロック状態804からキャプチャ状態805に入らないままPHOTOボタン630がS1から解除された場合には、プレビュー状態803に戻る。
【0027】
図5(b)はSEAMLESSモードにおける状態遷移を示す。初期状態はRECポーズ状態901であって、アスペクト比16:9の動画撮影を行ったまま記録待機している。RECポーズ状態901において、RECボタン620が押下されるとREC状態902に移行する。REC状態902では、撮影されているアスペクト比16:9の動画がメモリカード150へ記録される。REC状態902において、RECボタン620が押下されると、メモリカード150への記録が停止されてRECポーズ状態901へと戻る。一方、RECポーズ状態901において、PHOTOボタン630がS1又はS2となった場合、静止画プレビュー状態903に移行してアスペクト比4:3の静止画のプレビュー動作を行う。プレビュー状態903でPHOTOボタン630がS1又はS2となった状態であれば、露出とホワイトバランス、フォーカスを最適な状態に調整してからロック状態904に移行する。ロック状態904ではプレビュー状態903で調整された露出とホワイトバランス、フォーカスを固定した状態で、アスペクト比4:3の静止画のプレビュー動作を続ける。ロック状態904でPHOTOボタン630がS2となった場合には、キャプチャ状態905に移行して、移行時に撮影した静止画をメモリカード150に記録するキャプチャ動作を行う。キャプチャ状態でメモリカード150への記録が終了するか、又は、ロック状態904からキャプチャ状態905に入らないままPHOTOボタン630がS1から解除された場合には、プレビュー状態903に戻る。プレビュー状態903では、S1及びS2が解除された状態で、所定時間が経過したらRECポーズ状態901に戻る。また、プレビュー状態903でRECボタン620が押下されると、REC状態902へ移行して動画撮影を行い、メモリカード150への記録を行う。
【0028】
次に、夫々の撮影モードにおける露出とホワイトバランス、フォーカスの状態評価、特徴検出の方法について説明する。図6(a−1)、(a−2)は、MOVIEモードとSTILLモードにおいて同じ被写体を撮影した際に、露出とホワイトバランス、フォーカスの評価を行う領域を示す。MOVIEモードにおいては、撮影されたアスペクト比16:9の画像信号1010に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1001が設定される。図示した例では、この領域に被写体として山401が写っている。なお、実際には、図示した評価領域のなかで、露出とホワイトバランス、フォーカスに対して夫々任意の位置に複数の評価枠を配置して評価を行うことが可能である。一方、STILLモードにおいては、撮影されたアスペクト比4:3の画像信号1020に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1002が設定される。この評価領域1002は、MOVIEモードにおける評価用の領域1001に比べて、上下に評価する領域が広がっている。図示した例では、評価領域には山401に加えて太陽402も写っているため、露出やホワイトバランス、フォーカスの評価に対する影響は大きく、それらに対する制御も大きく変わってくる。そのため、モードダイヤル610によりMOVIEモードでの動画撮影からSTILLモードでの静止画撮影に移行した場合には、撮影画像の撮影状態に対する評価がすぐには安定せず、速やかに静止画をキャプチャすることができない。反面、STILLモードでは、アスペクト比4:3の画像信号のほぼ全範囲に対して適切な露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行い静止画を撮影することができる。
【0029】
図6(b−1)、(b−2)は、SEAMLESSモードにおいて、図6(a−1)、(a−2)と同じ被写体を撮影した際に露出とホワイトバランス、フォーカスの評価を行う領域を示す。動画撮影時においては、アスペクト比16:9で撮影した画像信号1110に対して、MOVIEモードと同じく中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1101が設定される。一方、静止画撮影時においては、STILLモードとは異なり、アスペクト比4:3で撮影した画像信号1120に対しても、動画撮影時と同じ範囲に評価用の領域1102が設定される。評価領域に入っている被写体は変化しないので、露出やホワイトバランス、フォーカスの評価に対する影響は非常に小さい。そのため、SEAMLESSモードで動画撮影から静止画撮影に移行した場合には、すぐに静止画キャプチャを実行することができる。反面、SEAMLESSモードでは、アスペクト比4:3の画像信号の上下に広がった領域は無視して、露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行い静止画を撮影することになる。
【0030】
図7(a−1)、(a−2)はMOVIEモードとSTILLモードにおいて、同じ被写体を撮影した際に特徴検出を行う領域を示す。MOVIEモードにおいては、撮影されたアスペクト比16:9の画像信号1210に対して、全領域から特徴検出を行う様に評価用の領域が設定され、人物の顔1211と1212とが検出されている。一方、STILLモードにおいては、撮影されたアスペクト比4:3の画像信号1220に対して、全領域から特徴検出を行う様に評価用の領域が設定される。この評価領域は、MOVIEモードにおける評価領域に比べて、上下に評価する領域が広がっている。本図の例では、MOVIEモードでは検出されなかった人物の顔1213も加えて検出されており、主となる被写体の選択やそれに対する露出とホワイトバランス、フォーカスの評価に対する影響が出る場合がある。すなわち、モードダイヤル610によりMOVIEモードでの動画撮影からSTILLモードでの静止画撮影に移行した場合には、撮影画像の撮影状態に対する評価がすぐには安定せず、すぐに静止画をキャプチャすることができない場合がある。反面、STILLモードでは、アスペクト比4:3の画像信号の全範囲に対して特徴検出を行い、それに対する適切な露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行って静止画を撮影することができる。
【0031】
図7(b−1)、(b−2)は、SEAMLESSモードにおいて、図7(a−1)、(a−2)と同じ被写体を撮影した際に特徴検出を行う領域を示す。動画撮影時にアスペクト比16:9で撮影した画像信号1310に対しては、MOVIEモードと同じく全領域から特徴検出を行う様に評価用の領域が設定され、本図の例では人物の顔1311と1312とが検出されている。一方、静止画撮影時は、STILLモードとは異なり、アスペクト比4:3で撮影した画像信号1320に対しても、動画撮影時と同じ範囲に評価用の領域1310が設定される。評価領域に入っている被写体は変化しないので、検出される特徴部分も変化しない。そのため、SEAMLESSモードで動画撮影から静止画撮影に移行した場合には、すぐに静止画キャプチャを実行することができる。反面、SEAMLESSモードでは、アスペクト比4:3の画像信号の上下に広がった領域にある特徴部分は無視して露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行って、静止画を撮影することになる。
【0032】
以上に説明した様に、本実施形態では、制御手段は、第1の撮影モード(ここではシームレス撮影モード)のときに撮影指示手段(ここではボタン620又はボタン630)により画像撮影が指示された場合は、次の様にする。すなわち、指示時の評価領域を維持し、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、各画角の領域(16:9又は4:3)での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。また、切替手段(ここではモードダイヤル610)により第1の撮影モードから第2の撮影モード(ここでは静止画撮影モード又は動画撮影モード)への切り替えが行われた後に、撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、次の様にする。すなわち、指示時の評価領域に係らず評価領域を各画角の領域に対応する評価領域にし、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、各画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。こうした構成とすることで、結果的に次の様な制御が可能となる。制御手段は、撮影指示手段による画角変更の指示時の状態に応じて、状態評価手段が評価する評価領域を、変更前の領域のまま維持する様に制御するモードと、変更後の画角に応じた領域にする様に制御するモードとの間で切り替えられる。本実施形態によれば、SEAMLESSモードで動画撮影の記録待機中に静止画撮影が指示された際には、撮影画像の撮影状態に対する評価が大きく変動しない様に評価領域を設定して撮影状態を制御するので、速やかに静止画記録を行うことができる。また、STILLモードでは、静止画に最適な撮影画像の評価領域を設定して評価を行い、それに応じて撮影状態を制御して、静止画記録を行うことができる。つまり、撮影する画像の画角変更が指示された際に、その指示状態に応じて、評価領域の設定を行うので、撮影画像の撮影状態に対する評価があまり大きく変動しない様にして画像撮影を遂行できる可能性が高くなる。従って、撮影する画像の記録を速やかに開始できる可能性が高くなる。また、評価領域を維持する場合には、画角の変更を速やかに行うことができる。
【0033】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の画像撮影装置について説明する。この装置は、第1の実施形態の装置に比べ、イメージセンサ113が第3の読み出しモードを備える点と、SEAMLESSモードにおける状態遷移の点と、第3の読み出しモードで動画撮影を行う状態がある点が異なる。
【0034】
まず、イメージセンサ113の第3の読み出しモードについて説明する。第3の読み出しモードは、動画の撮影時における読み出し方法であって、イメージセンサ113のアスペクト比4:3の全領域201に格子状に配置された水平3840画素×垂直2880画素をプログレッシブスキャンで読み出す。動画撮影時はセンサ113から60又は50フレーム/秒で画像を読み出す必要がある。そのため、第1の読み出しモードと同様に、イメージセンサ113内部で水平垂直画素加算を行って、水平1920画素×垂直1440画素の画像信号として、画像入力部120に伝送する。なお、第3の読み出しモードで動画撮影を行っている場合、CODEC140は、上下の不要領域を除いたアスペクト比16:9の画像データを符号化し、バッファメモリ141に格納する。また、画像処理ブロックの合成部125は、上下の不要領域を省いたアスペクト比16:9の画像データを、LCD126及び外部出力端子127に出力する。
【0035】
次に、SEAMLESSモードにおける状態遷移について説明する。図8は本実施形態のSEAMLESSモードにおける状態遷移を示す。本図において、下半分にある5つの状態1401〜1405が第1の実施形態における状態901〜905に対応しており、アスペクト比16:9で撮影した画像信号に合わせて評価用の領域を設定し、動画撮影と静止画撮影とを行う。また、上半分にある5つの状態1411〜1415は状態1401〜1405と対称的になっており、こちらはアスペクト比4:3で撮影した画像信号に合わせて評価用の領域を設定し、動画撮影と静止画撮影とを行う。下半分は、どちらかと言えば静止画撮影に適した静止画適応モード部であり、上半分は、どちらかと言えば動画撮影に適した動画適応モード部である。
【0036】
図8の下半分の状態1401〜1405について説明する。本実施形態のSEAMLESSモードの初期状態はRECポーズ状態1401であって、前記第1の読み出しモードでアスペクト比16:9の動画撮影を行ったまま記録待機している。RECポーズ状態1401において、RECボタン620が押下されるとREC状態1402に移行する。REC状態1402では、第1の読み出しモードでアスペクト比16:9の動画が撮影されメモリカード150へ記録される。REC状態1402において、RECボタン620が押下されるとメモリカード150への記録が停止されてRECポーズ状態1401へと戻る。一方、RECポーズ状態1401において、PHOTOボタン630がS1又はS2となった場合、静止画プレビュー状態1403に移行して、前記第2の読み出しモードでアスペクト比4:3の静止画を撮影し、プレビュー動作を行う。プレビュー状態1403でPHOTOボタン630がS1又はS2となった状態であれば、露出とホワイトバランス、フォーカスを最適な状態に調整してからロック状態1404に移行する。ロック状態1404では、プレビュー状態1403で調整された露出とホワイトバランス、フォーカスを固定した状態で、第2の読み出しモードでアスペクト比4:3の静止画を撮影し、プレビュー動作を続ける。ロック状態1404でPHOTOボタン630がS2となった場合には、キャプチャ状態1405に移行して、移行時に第2の読み出しモードで静止画を撮影し、メモリカード150に記録するキャプチャ動作を行う。キャプチャ状態で、メモリカード150への記録が終了するか、又は、ロック状態1404からキャプチャ状態1405に入らないままPHOTOボタン630がS1から解除された場合には、プレビュー状態1403に戻る。プレビュー状態1403では、S1及びS2が解除された状態で、所定時間が経過したら、上半分の状態1411〜1415に含まれるプレビュー状態1413へ移行する。また、プレビュー状態1403でRECボタン620が押下されるとREC状態1402へ移行して第1の読み出しモードで動画撮影を行い、メモリカード150への記録を行う。
【0037】
図8の上半分の状態1411〜1415について説明する。前述の通り、下半分の状態1401〜1405に含まれるプレビュー状態1403で、S1及びS2が解除された状態で所定時間が経過したら、プレビュー状態1413へ移行する。プレビュー状態1413でもプレビュー状態1403と同じく第2の読み出しモードで静止画撮影を行うが、露出とホワイトバランス、フォーカスの評価用の領域がアスペクト比4:3で撮影した画像信号に合わせて設定される点が異なる。この様に、本実施形態では、制御手段は、第1の撮影モード(シームレス撮影モード)のときに、撮影指示手段(PHOTOボタン630)による指示があってから、所定時間内は指示時の評価領域を維持して撮影手段の制御を行う様にする。そして、所定時間の経過後は、評価領域を所定の画角の領域(4:3の領域)に対応する評価領域にして撮影手段の制御を行う様にする。プレビュー状態1413でPHOTOボタン630がS1又はS2となれば、露出とホワイトバランス、フォーカスを最適な状態に調整してからロック状態1414に移行する。ロック状態1414では、プレビュー状態1413で調整された露出とホワイトバランス、フォーカスを固定した状態で、第2の読み出しモードでアスペクト比4:3の静止画を撮影し、プレビュー動作を続ける。ロック状態1414でPHOTOボタン630がS2となった場合には、キャプチャ状態1415に移行して、移行時に第2の読み出しモードで静止画を撮影し、メモリカード150に記録するキャプチャ動作を行う。キャプチャ状態でメモリカード150への記録が終了するか、又は、ロック状態1414からキャプチャ状態1415に入らないままPHOTOボタン630がS1から解除された場合には、プレビュー状態1413に戻る。プレビュー状態1413でRECボタン620が押下されると、REC状態1412へ移行して動画撮影を行う。REC状態1412では、第3の読み出しモードで撮影されているアスペクト比4:3の動画から上下の不要領域を除いた動画がメモリカード150へ記録される。REC状態1412においてRECボタン620が押下されると、メモリカード150への記録が停止されてRECポーズ状態1411へと移行する。RECポーズ状態1411では、第3の読み出しモードでアスペクト比4:3の動画撮影を行ったまま記録待機しており、RECボタン620が押下されるとREC状態1412に移行する。また、RECポーズ状態1411でRECボタン620が押下されずに所定時間が経過すると、下半分の状態1401〜1405に含まれるRECポーズ状態1401に移行する。
【0038】
次に、本実施形態のSEAMLESSモードにおける露出とホワイトバランス、フォーカスの状態評価と、特徴検出の方法について説明する。図9(a−1)〜(a−3)は、SEAMLESSモードにおいて、RECポーズ状態1401での動画撮影から、プレビュー状態1403での静止画撮影を経由して、プレビュー状態1413での静止画撮影に至る状態遷移を行った際に、夫々の状態における露出とホワイトバランス、フォーカスの評価を行う領域を示す。RECポーズ状態1401での動画撮影時は、第1の読み出しモードで撮影したアスペクト比16:9の画像信号1510に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1501が設定される。プレビュー状態1403での静止画撮影時は、第2の読み出しモードで撮影したアスペクト比4:3の画像信号1520に対して、RECポーズ状態1401での動画撮影時と同じ範囲に評価用の領域1502が設定される。状態が遷移しても評価領域に入っている被写体は変化しないので、露出やホワイトバランス、フォーカスの状態評価に対する影響は非常に小さい。そのため、この状態からすぐに静止画キャプチャを実行することができる。
【0039】
一方、プレビュー状態1413での静止画撮影時は、第2の読み出しモードで撮影したアスペクト比4:3の画像信号1530に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1503が設定される。この領域1503は、状態遷移前の評価用の領域1502に比べて、上下に評価する領域が広がっている。図示した例では、評価用の領域には山401に加えて太陽402も写っている。そのため、露出やホワイトバランス、フォーカスの状態評価に対する影響は大きく、それらに基づく制御も大きく変わってくる。反面、アスペクト比4:3の画像信号のほぼ全範囲に対して適切な露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行って静止画を撮影することができる。
【0040】
図9(b−1)〜(b−3)は、SEAMLESSモードで、プレビュー状態1413での静止画撮影から、REC状態1412とRECポーズ状態1411での動画撮影を経由して、RECポーズ状態1401での動画撮影に至る状態遷移を行った際に、夫々の状態における露出とホワイトバランス、フォーカスの評価を行う領域を示す。プレビュー状態1413での静止画撮影時は、第2の読み出しモードで撮影したアスペクト比4:3の画像信号1610に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価領域1601が設定される。REC状態1412とRECポーズ状態1411での動画撮影時は、第3の読み出しモードで撮影したアスペクト比4:3の画像信号1620に対して、プレビュー状態1413での静止画撮影時と同じ範囲に評価用の領域1602が設定される。この領域1602は、メモリカード150に記録、またLCD126及び外部出力端子127に出力されるアスペクト比16:9の画像1621を超える範囲となっている。状態が遷移しても評価領域に入っている被写体は変化しないので、露出やホワイトバランス、フォーカスの評価に対する影響は非常に小さい。そのため、この状態からすぐに記録を開始しても記録開始時に動画の露出やホワイトバランス、フォーカスが大きく変動することはない。一方、RECポーズ状態1401での動画撮影時は、第1の読み出しモードで撮影したアスペクト比16:9の画像信号1630に対して、中央よりのほぼ全範囲を評価する様に評価用の領域1603が設定される。この領域1603は、状態遷移前の評価領域1602に比べて、上下に評価する領域が狭まっている。図示した例では、評価用の領域には太陽402が入らなくなっているため、露出やホワイトバランス、フォーカスの状態評価に対する影響は大きく、それらに基づく制御も大きく変わってくる。反面、アスペクト比16:9の画像信号に対して適切な露出やホワイトバランス、フォーカスの制御を行って動画を撮影することができる。
【0041】
本実施形態によれば、SEAMLESSモードの動画適応モード部で動画撮影の記録待機中に静止画撮影が指示された際に、撮影画像に対する状態評価が大きく変動しない様になっている。すなわち、評価領域を動画適応モード部のものに維持し、この状態評価に応じて撮影手段による撮影状態を制御し、速やかに静止画記録を行うことができる。更に、SEAMLESSモードの静止画適応モード部でプレビュー状態において動画撮影が指示された際にも、撮影画像の状態評価が大きく変動しない様に評価領域を該モード部のものに維持し、該評価に応じて撮影手段を制御し、動画記録を行うことができる。
【0042】
また、動画適応モード部での動画撮影の待機状態からプレビュー状態1403への遷移後に、所定時間が経過すれば、静止画適応モード部に移って静止画に最適な撮影画像の評価領域に対する状態評価を行い、静止画記録を行うことができる。更に、静止画適応モード部での動画撮影の待機状態であるRECポーズ状態1411への遷移後に、所定時間が経過すれば、動画適応モード部に移って動画に最適な撮影画像の評価領域に対する状態評価を行い、動画記録を行うことができる。
【0043】
また、本実施形態でも、制御手段は、第1の撮影モード(ここではシームレス撮影モード)のときに撮影指示手段(ここではボタン620又はボタン630)により画像撮影が指示された場合は、次の様にする。すなわち、指示時の評価領域を維持し、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、各画角の領域(16:9又は4:3)での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。また、本実施形態でも、切替手段(ここではモードダイヤル610)により第1の撮影モードから第2の撮影モード(ここでは静止画撮影モード又は動画撮影モード)への切り替えが行われた後に、撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、次の様にする。すなわち、指示時の評価領域に係らず評価領域を各画角の領域に対応する評価領域にし、状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、各画角の領域での画像撮影を実行すべく撮影手段を制御する。
【符号の説明】
【0044】
101…CPU(制御手段)、104,620,630…操作部(撮影指示手段、切替手段)、610…操作部(切替手段)、110…レンズユニット(撮影手段)、112…レンズドライバ(制御手段)、113…撮像センサ(撮影手段)、130…露出評価部(状態評価手段)、132…フォーカス評価部(状態評価手段)、133…特徴検出部(状態評価手段)、131…ホワイトバランス評価部(状態評価手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影された画像の指定された評価領域に対して撮影状態を評価する状態評価手段と、
前記状態評価手段が評価した評価領域に対する撮影状態に応じて前記撮影手段を制御する制御手段と、
前記撮影手段による所定の画角の領域での画像撮影を指示する撮影指示手段と、
第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間で撮影モードを切り替えるための切替手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記第1の撮影モードのときに前記撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、指示時の評価領域を維持し、前記状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、前記画角の領域での画像撮影を実行すべく前記撮影手段を制御し、
前記切替手段により前記第1の撮影モードから前記第2の撮影モードへの切り替えが行われた後に、前記撮影指示手段により画像撮影が指示された場合は、指示時の評価領域に係らず評価領域を前記画角の領域に対応する評価領域にし、前記状態評価手段が評価した該評価領域に対する撮影状態に応じて、前記画角の領域での画像撮影を実行すべく前記撮影手段を制御することを特徴とする画像撮影装置。
【請求項2】
前記撮影指示手段は、第1の画角の領域での画像撮影を指示する第1の撮影指示手段と、第2の画角の領域での画像撮影を指示する第2の撮影指示手段を備え、
前記第1の撮影モードは、前記第1及び第2の撮影指示手段の指示に応じて、夫々、前記第1の及び第2の画角の領域での画像撮影が可能なシームレス撮影モードであり、
前記第2の撮影モードは、前記第1又は第2の撮影指示手段の指示に応じて前記第1又は第2の画角の領域での画像撮影が可能な動画撮影モード又は静止画撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項3】
前記第2の画角の領域は、前記第1の画角の領域を包含する様に設定されることを特徴とする請求項2に記載の画像撮影装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の撮影モードのときに、前記撮影指示手段による指示があってから、所定時間内は指示時の評価領域を維持して前記撮影手段の制御を行い、前記所定時間の経過後は、前記評価領域を前記画角の領域に対応する評価領域にして前記撮影手段の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項5】
前記状態評価手段は、撮影された画像の露出、ホワイトバランス、フォーカスのうちの少なくとも1つの状態を評価し、
前記制御手段は、前記撮影手段による露出、ホワイトバランス、フォーカスの少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像撮影装置。
【請求項6】
前記状態評価手段は、撮影された画像の評価領域に含まれる特徴部分を検出して、該特徴部分の撮影状態を評価することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−101164(P2011−101164A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253946(P2009−253946)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】