画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラム
【課題】
システム全体としての消費電力を削減することができる画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムを提供する。
【解決手段】
本実施形態の画像監視システムは、被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、を有することを特徴とする。
システム全体としての消費電力を削減することができる画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムを提供する。
【解決手段】
本実施形態の画像監視システムは、被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、河川敷や山間部等を監視する監視カメラが整備されてきている。夜間の全く明かりのない状況においては、高感度な監視カメラを使用しても、監視対象物を撮影した画像の照度が不足しているため真っ黒な画像しかモニタには表示されず、実質的に肉眼で監視することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような監視が出来ていない状況であっても、画像監視システムを構成する各装置には常時電源が供給され続けており、電力の消費は続けられ、無駄が生じている。
【0005】
上記の事情に鑑み、システム全体としての消費する電力を削減することができる画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本実施形態の画像監視システムは、
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、
前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、
抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、
を有することを特徴とする。
【0007】
また、本実施形態の電源制御装置は、
撮影部で撮影された復号化した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断させる指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本実施形態の電源制御プログラムは、
被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化処理と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析処理と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定処理と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信処理と
を電源制御装置上で動作させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る電源制御装置を含む画像監視システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図4】第1の実施形態に係る変形例を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態に係る動作の変形例を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図7】第2の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図9】第4の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図10】第4の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図11】第5の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図12】第5の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施態様について図1乃至図12を参照しながら説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1乃至図5を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の画像監視システムは、図1に示すように、カメラ部10と、機側制御装置20と、CCTV制御装置30と、モニタ部40と通信ネットワーク100を含む構成である。
【0013】
カメラ部10は、被写体を撮像する装置である。デジタルカメラやアナログカメラ等をいう。例えば、PTZカメラ(パンチルトズームレンズ一体型)をいい、パン・チルト・ズームを行うことが可能である。また、図1に示すようにカメラ部10は、複数台のカメラ部10から構成されていても良い。カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する。
【0014】
機側制御装置20は、カメラ制御部21と、文字合成部22と、画像符号化部23と、伝送部24と、電源部25を含む構成である。
【0015】
カメラ制御部21は、管理サーバ33からカメラ部10の制御信号を受けた場合、カメラ部10のズームや旋回の指示を行う。
【0016】
文字合成部22は、カメラ部10が撮影した画像データに文字データを合成する合成部である。合成方法としては、例えば、一つの画面の画像データの中から一部の画像データ(画素データ)を削除し、その削除した画素上に文字情報制御部53からの文字データを表示するものである。このようにすることによって、撮影された画像データ上に文字データを合成することができる。
【0017】
また他の方法として、画面上の画像データを削除せずに、同一の画素上に前記画像データおよび文字データを配置させながらも、それぞれの透明度を調節することによって、撮影された画像データ上に文字データを合成することも可能である。例えば、画像データの透明度を50%、文字データの透明度を50%にすることにより合成された画像データを作成する。これらの方法以外にも、通常のアナログ放送、デジタル放送における画像に文字を合成する合成技術を代替することもできる。本実施形態では文字合成部22を利用しているが、この文字合成部22は単なる付加機能であり、システムとして備えていなくてもよい。
【0018】
画像符号化部23は、カメラ部10からの画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る。
【0019】
伝送部24は、通信ネットワーク100に接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する。例えば、ルータである。
【0020】
電源部25は、カメラ部10および機側制御部24に電力供給を行う。商用系統から電力を供給してもよいし、電池等各種電源を用いることができる。これら電源の切断および接続を例えばリレーを利用して制御を行う。後述する電源制御装置60内の信号送信部65から電源の切断する信号を受信した場合は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う。
【0021】
CCTV制御装置30は、機側制御装置20を介して複数のカメラ部10を集中制御・監視している。CCTV制御装置30は、伝送部31と、画像復号化部32と、管理サーバ33と、電源制御装置60とを含む構成である。
【0022】
伝送部31は、通信ネットワーク100により伝送部24と接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データを受信する。受信したデータを画像復号化部32へ送出する。
【0023】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化する。各種復号処理を行ういわゆるデコーダである。
【0024】
管理サーバ33は、画像監視システムを管理する。管理するための演算処理機能等を備えており、撮影部30の故障を検出やその他システム運営に必要な処理を行う。
【0025】
電源制御部60は、図2に示すように、画像復号化部61と、画像解析部62と、事象判定部63と、データ記憶部64と、信号送信部65とを含む構成である。
【0026】
画像復号化部61は、画像復号化部32と同様の画像データの復号化を行う。よって、本実施形態では画像復号化部61と画像復号化部32を別々のものとして記載しているが、同一のものを共用してもよい。
【0027】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。この際の画像データは、例えば、モニタ部40に表示され、1ピクセルが0〜255の輝度をもった「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせ約1667万色で構成されている。
【0028】
これら全ての組み合わせを利用する必要はないため、限定して利用する。例えば、16進数でこれらの色を表現する00からFFまでを、33ずつ増やしながら等分していくと、00,33,67,99,CC,FFの6個の数値が得られる。黒色を表す場合はそれぞれの値として、赤Rが「00」、緑Gが「00」、青Bが「00」で現される。逆に純白色を表す場合は、赤Rが「FF」、緑Gが「FF」、青Bが「FF」であらわされる。濃い灰色は、赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」で現される。薄い灰色は、赤Rが「CC」、緑Gが「CC」、青Bが「CC」で現される。このように、1色につき6個の数値を用いて3色組み合わせるので、6×6×6=216色の3原色の組み合わせチャートを作成し利用できる。
【0029】
画像解析部62は、これらの組み合わせチャートと、上記画像のそれぞれのピクセルとの色を比較することにより各ピクセルを16進数の画像データとして表すことができる。当該画像データから黒色と判別できるピクセル数を抽出する。例えば、それぞれのピクセルが、赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「11」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0030】
なお、16進法に限られることはなく2進法等のいわゆるN進法を用いることもでき、216色の利用に限定する必要もない。
【0031】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。色相H(Hue)は、0〜360°の値で表され、赤色が0°(360°)、黄色が60°、緑色が120°、水色が180°、青色が240°、紫色が300°として表される。彩度S(Saturation)は0〜1の値で表され、S=0の場合無彩色つまり最も淡く、1に近付くにつれて彩度が高く、つまり濃くなり、S=1が彩度最大となる。明度Vは、0〜1の値で示され、V=0が黒つまり最も暗く、1に近付くにつれて明るくなり、V=1が白つまり最も明るい状態を表す。
【0032】
「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。このように、黒色と判断されるピクセル数を画像全体のピクセル数で割ることで、画像中の黒色部を算出することができる。
【0033】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい。
【0034】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0035】
つまり、(黒色部の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0036】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出することができる。この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較をして、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多い場合は監視対象の電源を切断する信号を伝送部31および伝送部24を介して電源部25に対して電源を切断させる旨の電源を送信する。
【0037】
データ記憶部64は、上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を記憶している。データ記憶部64は、さらにカメラ部10の故障情報を記憶する。その他、各種データが記憶される媒体であり、一般に使用されるディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ等の各種記憶媒体が利用できる。これらの記憶媒体は一時記憶に利用してもよい。
【0038】
信号送信部65は、伝送部24および伝送部31と同じ機能をもつ。よって信号送信部65と伝送部31を同一のものとして利用してもよい。
【0039】
モニタ部40は、カメラ部10から送られてきた画像を表示する表示画面である。本実施形態では、画像等により表示する媒体として記載しているが、その他の出力機能、例えば、音声を出力する音声出力部であってもよい。
【0040】
入力部41は、各種情報を入力するインターフェースである。例えば、PCの入力キーボードである。この入力部41からの入力により管理サーバ部33にコマンドを入力する。また、データ記憶部64の閾値の設定を変更する。例えば、上記黒色判定において赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「11」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定したが、これを各カメラ部10枚に、例えば、赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「1F」と変更する操作に使用する。
【0041】
通信ネットワーク100は、相互通信可能な回線で構成される。例えばLAN、イントラネット等の有線通信網としているが、無線通信網に代替することができる。
【0042】
次に第1の実施形態における動作を説明する。
【0043】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS101)。
【0044】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS102)。
【0045】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS103)。
【0046】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および画像復号化部61へ送出する。
【0047】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS201、202)。
【0048】
画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS301)。
【0049】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0050】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0051】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS302)。
【0052】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0053】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0054】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS303)。
【0055】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS304)。
【0056】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS305)。
【0057】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS104)。
【0058】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、図4に示すようにこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。この場合、図5に示すように、画像復号化部32と画像復号化部61、伝送部31と信号送信部65が同一化された動作となる。
【0059】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の態様について図6、図7を参照しながら説明する。
【0061】
第1の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が一次判定部66を備える点である。 また、データ記憶部64が日々の日の出、日の入り時刻を保持している。
【0062】
一次判定部66は、データ記憶部64に保持している暦による日の入り時刻、日の出時刻により、日の入り時刻後かつ日の出時刻前である場合を判定する。
【0063】
第2の実施形態の動作について図7を参照しながら説明する。
【0064】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS401)。
【0065】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS402)。
【0066】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS403)。
【0067】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0068】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS501、502)。
【0069】
一次判定部66は、伝送部31で画像データが受信された時間が、日の入り時刻以降であって日の出時刻以前であるか否かを判定する(ステップS601)。
【0070】
日の入り時刻以降であって日の出時刻以前である場合(ステップS601−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS602)。日の入り時刻以前または、日の出時刻以降であると判定された場合(ステップS601−N)、電源制御の処理を終了する。
【0071】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0072】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0073】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS603)。
【0074】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0075】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0076】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS604)。
【0077】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS605)。
【0078】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS905の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS606)。
【0079】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS404)。
【0080】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。
【0081】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。さらに、電源制御装置60または電源制御機能の稼働時間を制限することによりさらにシステム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0082】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の態様について説明する。
【0083】
第2の実施形態との主な違いは、一時判定部66が画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かを判定する点である。これに対応して、データ記憶部64に、CCTV制御装置30が取得した各カメラ部10や機側制御装置20の故障情報が記憶される。
【0084】
一次判定部66は、画像監視システムを構成する機器からの故障情報とデータ記憶部64に保持されている故障情報と対比することにより、画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かの判定を行う。
【0085】
第3の実施形態の動作について図8を参照しながら説明する。
【0086】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS701)。
【0087】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS702)。
【0088】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS703)。
【0089】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0090】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS801、802)。
【0091】
一次判定部66は、データ記憶部64に保持されている故障情報と対比することにより、画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かの判定を行う(ステップS901)。
【0092】
故障が検出された場合(ステップS901−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS902)。
【0093】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0094】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0095】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS903)。
【0096】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0097】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0098】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS904)。
【0099】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS905)。
【0100】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS905の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS906)。
【0101】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS704)。
【0102】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。また、本実施形態では、一時判定部66は、「故障情報があるか否か」の判定を行ったが、「日の入時刻以後か否か」と「故障情報があるか否か」の両方の条件について判定を行い、どちらか一方にでも該当すると判定されれば、電源制御の処理を終了させてもよい。
【0103】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。また、故障情報による一次判定を行うことにより、故障情報などシステムの根幹に関わる情報については通信可能状態にしたままに、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0104】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の態様について図9、図10を参照しながら説明する。
【0105】
第1の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が故障情報受信部67を備えている点である。また、事象判定部63が故障情報があるか否かの判定を行い、故障情報がある場合は黒色部の割合が一定以上であったとしても電力の遮断処理を行わない点である。この故障情報はカメラ部10とCCTV制御部30とのやりとりで通常、行われている信号のやり取りを利用する。
【0106】
故障情報受信部67は、各カメラ部10の故障情報を受信し、データ記憶部64に記憶させる。
【0107】
第4の実施形態の動作について図10を参照しながら説明する。
【0108】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS1001)。
【0109】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS1002)。
【0110】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS1003)。
【0111】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0112】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS1101、1102)。
【0113】
画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS1201)。
【0114】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0115】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0116】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS1202)。
【0117】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。具体的には、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0118】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0119】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS1203)。
【0120】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS1204)。
【0121】
事象判定部63は、黒色の割合が閾値よりも多いと判定した場合(ステップS1204−Y)、さらに判定した画像を送ってきたカメラ部10がデータ記憶部64に記憶された故障情報とを比較する(ステップS1205)。当該カメラ部10が故障しているという情報があった場合は、処理を終了する(ステップS1205−Y)。
【0122】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、であって、故障がないと判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS1206)。
【0123】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS1004)。
【0124】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。なお、本実施形態の故障判定に代えて、第2の実施形態で利用した日の入り時刻、日の出時刻により、日の入り時刻後かつ日の出時刻前であるかを判定させてもよい。
【0125】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。さらに、故障を検知したカメラ部10については制御を行わない。これにより、故障情報などシステムの根幹に関わる情報については通信可能状態にしたままに、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0126】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の態様について図11、図12を参照しながら説明する。
【0127】
第2の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が再起動指示部68を備える点である。
【0128】
再起動指示部68は、データ記憶部64に記憶された日没後であって日出前に一定時間毎に電力供給を遮断しているカメラ部10を再起動させる信号を送信する。または、信号送信部65から送られてきた信号から一定時間毎に再起動信号を電力供給を遮断しているカメラ部10へ送信する。
【0129】
第5の実施形態の動作について図12を参照しながら説明する。
【0130】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS1301)。
【0131】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS1302)。
【0132】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS1303)。
【0133】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0134】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS1401、1402)。
【0135】
一次判定部66は、伝送部31で画像データが受信された時間が、日の入り時刻以降であって日の出時刻以前であるか否かを判定する(ステップS1501)。
【0136】
日の入り時刻以降であって日の出時刻以前である場合(ステップS1501−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS1502)。
【0137】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0138】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0139】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS1503)。
【0140】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0141】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0142】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS1504)。
【0143】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS1505)。
【0144】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS1506)。
【0145】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS1304)。
【0146】
再起動指示部68は、データ記憶部64に記憶された日没後であって日出前に一定時間毎に電力供給を遮断しているカメラ部10を再起動させる信号を送信する。または、信号送信部65から送られてきた信号から一定時間毎に再起動信号を電力供給を遮断しているカメラ部10へ送信する(ステップ1507)。
【0147】
電力供給の再開を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23へ電力を供給する処理を行う(ステップS1305)。
【0148】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。
【0149】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。さらに、電源制御装置60または電源制御機能の稼働時間を制限することによりさらにシステム全体としての消費する電力を削減することができる。その上、一定時間毎に再起動させることにより、故障の検出や、誤作動の防止にもなりさらなるシステムの安定性を実現する。
【0150】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、本実施形態で示した「画像」は「映像」であってもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
10 … カメラ部
20 … 機側制御部
21 … カメラ部制御部
22 … 文字合成部
23 … 画像符号化部
24 … 伝送部
25 … 電源部
30 … CCTV制御部
31 … 伝送部
32 … 画像復号化部
33 … 管理サーバ
60 … 電源制御装置
62 … 画像解析部
63 … 事象判定部
64 … データ記憶部
66 … 一次判定部
67 … 故障情報受信部
68 … 再起動指示部
100 … 通信ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、河川敷や山間部等を監視する監視カメラが整備されてきている。夜間の全く明かりのない状況においては、高感度な監視カメラを使用しても、監視対象物を撮影した画像の照度が不足しているため真っ黒な画像しかモニタには表示されず、実質的に肉眼で監視することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような監視が出来ていない状況であっても、画像監視システムを構成する各装置には常時電源が供給され続けており、電力の消費は続けられ、無駄が生じている。
【0005】
上記の事情に鑑み、システム全体としての消費する電力を削減することができる画像監視システム、電源制御装置および電源制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本実施形態の画像監視システムは、
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、
前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、
抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、
を有することを特徴とする。
【0007】
また、本実施形態の電源制御装置は、
撮影部で撮影された復号化した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断させる指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本実施形態の電源制御プログラムは、
被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化処理と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析処理と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定処理と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信処理と
を電源制御装置上で動作させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る電源制御装置を含む画像監視システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図4】第1の実施形態に係る変形例を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態に係る動作の変形例を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図7】第2の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図9】第4の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図10】第4の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【図11】第5の実施形態に係る電源制御装置の構成を示すブロック図。
【図12】第5の実施形態に係る画像監視システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施態様について図1乃至図12を参照しながら説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1乃至図5を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の画像監視システムは、図1に示すように、カメラ部10と、機側制御装置20と、CCTV制御装置30と、モニタ部40と通信ネットワーク100を含む構成である。
【0013】
カメラ部10は、被写体を撮像する装置である。デジタルカメラやアナログカメラ等をいう。例えば、PTZカメラ(パンチルトズームレンズ一体型)をいい、パン・チルト・ズームを行うことが可能である。また、図1に示すようにカメラ部10は、複数台のカメラ部10から構成されていても良い。カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する。
【0014】
機側制御装置20は、カメラ制御部21と、文字合成部22と、画像符号化部23と、伝送部24と、電源部25を含む構成である。
【0015】
カメラ制御部21は、管理サーバ33からカメラ部10の制御信号を受けた場合、カメラ部10のズームや旋回の指示を行う。
【0016】
文字合成部22は、カメラ部10が撮影した画像データに文字データを合成する合成部である。合成方法としては、例えば、一つの画面の画像データの中から一部の画像データ(画素データ)を削除し、その削除した画素上に文字情報制御部53からの文字データを表示するものである。このようにすることによって、撮影された画像データ上に文字データを合成することができる。
【0017】
また他の方法として、画面上の画像データを削除せずに、同一の画素上に前記画像データおよび文字データを配置させながらも、それぞれの透明度を調節することによって、撮影された画像データ上に文字データを合成することも可能である。例えば、画像データの透明度を50%、文字データの透明度を50%にすることにより合成された画像データを作成する。これらの方法以外にも、通常のアナログ放送、デジタル放送における画像に文字を合成する合成技術を代替することもできる。本実施形態では文字合成部22を利用しているが、この文字合成部22は単なる付加機能であり、システムとして備えていなくてもよい。
【0018】
画像符号化部23は、カメラ部10からの画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る。
【0019】
伝送部24は、通信ネットワーク100に接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する。例えば、ルータである。
【0020】
電源部25は、カメラ部10および機側制御部24に電力供給を行う。商用系統から電力を供給してもよいし、電池等各種電源を用いることができる。これら電源の切断および接続を例えばリレーを利用して制御を行う。後述する電源制御装置60内の信号送信部65から電源の切断する信号を受信した場合は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う。
【0021】
CCTV制御装置30は、機側制御装置20を介して複数のカメラ部10を集中制御・監視している。CCTV制御装置30は、伝送部31と、画像復号化部32と、管理サーバ33と、電源制御装置60とを含む構成である。
【0022】
伝送部31は、通信ネットワーク100により伝送部24と接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データを受信する。受信したデータを画像復号化部32へ送出する。
【0023】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化する。各種復号処理を行ういわゆるデコーダである。
【0024】
管理サーバ33は、画像監視システムを管理する。管理するための演算処理機能等を備えており、撮影部30の故障を検出やその他システム運営に必要な処理を行う。
【0025】
電源制御部60は、図2に示すように、画像復号化部61と、画像解析部62と、事象判定部63と、データ記憶部64と、信号送信部65とを含む構成である。
【0026】
画像復号化部61は、画像復号化部32と同様の画像データの復号化を行う。よって、本実施形態では画像復号化部61と画像復号化部32を別々のものとして記載しているが、同一のものを共用してもよい。
【0027】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。この際の画像データは、例えば、モニタ部40に表示され、1ピクセルが0〜255の輝度をもった「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせ約1667万色で構成されている。
【0028】
これら全ての組み合わせを利用する必要はないため、限定して利用する。例えば、16進数でこれらの色を表現する00からFFまでを、33ずつ増やしながら等分していくと、00,33,67,99,CC,FFの6個の数値が得られる。黒色を表す場合はそれぞれの値として、赤Rが「00」、緑Gが「00」、青Bが「00」で現される。逆に純白色を表す場合は、赤Rが「FF」、緑Gが「FF」、青Bが「FF」であらわされる。濃い灰色は、赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」で現される。薄い灰色は、赤Rが「CC」、緑Gが「CC」、青Bが「CC」で現される。このように、1色につき6個の数値を用いて3色組み合わせるので、6×6×6=216色の3原色の組み合わせチャートを作成し利用できる。
【0029】
画像解析部62は、これらの組み合わせチャートと、上記画像のそれぞれのピクセルとの色を比較することにより各ピクセルを16進数の画像データとして表すことができる。当該画像データから黒色と判別できるピクセル数を抽出する。例えば、それぞれのピクセルが、赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「11」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0030】
なお、16進法に限られることはなく2進法等のいわゆるN進法を用いることもでき、216色の利用に限定する必要もない。
【0031】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。色相H(Hue)は、0〜360°の値で表され、赤色が0°(360°)、黄色が60°、緑色が120°、水色が180°、青色が240°、紫色が300°として表される。彩度S(Saturation)は0〜1の値で表され、S=0の場合無彩色つまり最も淡く、1に近付くにつれて彩度が高く、つまり濃くなり、S=1が彩度最大となる。明度Vは、0〜1の値で示され、V=0が黒つまり最も暗く、1に近付くにつれて明るくなり、V=1が白つまり最も明るい状態を表す。
【0032】
「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。このように、黒色と判断されるピクセル数を画像全体のピクセル数で割ることで、画像中の黒色部を算出することができる。
【0033】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい。
【0034】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0035】
つまり、(黒色部の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0036】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出することができる。この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較をして、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多い場合は監視対象の電源を切断する信号を伝送部31および伝送部24を介して電源部25に対して電源を切断させる旨の電源を送信する。
【0037】
データ記憶部64は、上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を記憶している。データ記憶部64は、さらにカメラ部10の故障情報を記憶する。その他、各種データが記憶される媒体であり、一般に使用されるディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ等の各種記憶媒体が利用できる。これらの記憶媒体は一時記憶に利用してもよい。
【0038】
信号送信部65は、伝送部24および伝送部31と同じ機能をもつ。よって信号送信部65と伝送部31を同一のものとして利用してもよい。
【0039】
モニタ部40は、カメラ部10から送られてきた画像を表示する表示画面である。本実施形態では、画像等により表示する媒体として記載しているが、その他の出力機能、例えば、音声を出力する音声出力部であってもよい。
【0040】
入力部41は、各種情報を入力するインターフェースである。例えば、PCの入力キーボードである。この入力部41からの入力により管理サーバ部33にコマンドを入力する。また、データ記憶部64の閾値の設定を変更する。例えば、上記黒色判定において赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「11」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定したが、これを各カメラ部10枚に、例えば、赤Rが「11」、緑Gが「11」、青Bが「1F」と変更する操作に使用する。
【0041】
通信ネットワーク100は、相互通信可能な回線で構成される。例えばLAN、イントラネット等の有線通信網としているが、無線通信網に代替することができる。
【0042】
次に第1の実施形態における動作を説明する。
【0043】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS101)。
【0044】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS102)。
【0045】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS103)。
【0046】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および画像復号化部61へ送出する。
【0047】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS201、202)。
【0048】
画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS301)。
【0049】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0050】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0051】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS302)。
【0052】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0053】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0054】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS303)。
【0055】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS304)。
【0056】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS305)。
【0057】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS104)。
【0058】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、図4に示すようにこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。この場合、図5に示すように、画像復号化部32と画像復号化部61、伝送部31と信号送信部65が同一化された動作となる。
【0059】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の態様について図6、図7を参照しながら説明する。
【0061】
第1の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が一次判定部66を備える点である。 また、データ記憶部64が日々の日の出、日の入り時刻を保持している。
【0062】
一次判定部66は、データ記憶部64に保持している暦による日の入り時刻、日の出時刻により、日の入り時刻後かつ日の出時刻前である場合を判定する。
【0063】
第2の実施形態の動作について図7を参照しながら説明する。
【0064】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS401)。
【0065】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS402)。
【0066】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS403)。
【0067】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0068】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS501、502)。
【0069】
一次判定部66は、伝送部31で画像データが受信された時間が、日の入り時刻以降であって日の出時刻以前であるか否かを判定する(ステップS601)。
【0070】
日の入り時刻以降であって日の出時刻以前である場合(ステップS601−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS602)。日の入り時刻以前または、日の出時刻以降であると判定された場合(ステップS601−N)、電源制御の処理を終了する。
【0071】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0072】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0073】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS603)。
【0074】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0075】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0076】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS604)。
【0077】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS605)。
【0078】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS905の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS606)。
【0079】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS404)。
【0080】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。
【0081】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。さらに、電源制御装置60または電源制御機能の稼働時間を制限することによりさらにシステム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0082】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の態様について説明する。
【0083】
第2の実施形態との主な違いは、一時判定部66が画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かを判定する点である。これに対応して、データ記憶部64に、CCTV制御装置30が取得した各カメラ部10や機側制御装置20の故障情報が記憶される。
【0084】
一次判定部66は、画像監視システムを構成する機器からの故障情報とデータ記憶部64に保持されている故障情報と対比することにより、画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かの判定を行う。
【0085】
第3の実施形態の動作について図8を参照しながら説明する。
【0086】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS701)。
【0087】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS702)。
【0088】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS703)。
【0089】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0090】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS801、802)。
【0091】
一次判定部66は、データ記憶部64に保持されている故障情報と対比することにより、画像が送られてきた各カメラ部10や機側制御装置20に故障があるか否かの判定を行う(ステップS901)。
【0092】
故障が検出された場合(ステップS901−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS902)。
【0093】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0094】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0095】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS903)。
【0096】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0097】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0098】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS904)。
【0099】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS905)。
【0100】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS905の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS906)。
【0101】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS704)。
【0102】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。また、本実施形態では、一時判定部66は、「故障情報があるか否か」の判定を行ったが、「日の入時刻以後か否か」と「故障情報があるか否か」の両方の条件について判定を行い、どちらか一方にでも該当すると判定されれば、電源制御の処理を終了させてもよい。
【0103】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。また、故障情報による一次判定を行うことにより、故障情報などシステムの根幹に関わる情報については通信可能状態にしたままに、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0104】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の態様について図9、図10を参照しながら説明する。
【0105】
第1の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が故障情報受信部67を備えている点である。また、事象判定部63が故障情報があるか否かの判定を行い、故障情報がある場合は黒色部の割合が一定以上であったとしても電力の遮断処理を行わない点である。この故障情報はカメラ部10とCCTV制御部30とのやりとりで通常、行われている信号のやり取りを利用する。
【0106】
故障情報受信部67は、各カメラ部10の故障情報を受信し、データ記憶部64に記憶させる。
【0107】
第4の実施形態の動作について図10を参照しながら説明する。
【0108】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS1001)。
【0109】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS1002)。
【0110】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS1003)。
【0111】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0112】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS1101、1102)。
【0113】
画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS1201)。
【0114】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0115】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0116】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS1202)。
【0117】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。具体的には、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0118】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0119】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS1203)。
【0120】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS1204)。
【0121】
事象判定部63は、黒色の割合が閾値よりも多いと判定した場合(ステップS1204−Y)、さらに判定した画像を送ってきたカメラ部10がデータ記憶部64に記憶された故障情報とを比較する(ステップS1205)。当該カメラ部10が故障しているという情報があった場合は、処理を終了する(ステップS1205−Y)。
【0122】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、であって、故障がないと判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS1206)。
【0123】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS1004)。
【0124】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。なお、本実施形態の故障判定に代えて、第2の実施形態で利用した日の入り時刻、日の出時刻により、日の入り時刻後かつ日の出時刻前であるかを判定させてもよい。
【0125】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。さらに、故障を検知したカメラ部10については制御を行わない。これにより、故障情報などシステムの根幹に関わる情報については通信可能状態にしたままに、システム全体としての消費する電力を削減することができる。
【0126】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の態様について図11、図12を参照しながら説明する。
【0127】
第2の実施形態との違いは、主に電源制御装置60が再起動指示部68を備える点である。
【0128】
再起動指示部68は、データ記憶部64に記憶された日没後であって日出前に一定時間毎に電力供給を遮断しているカメラ部10を再起動させる信号を送信する。または、信号送信部65から送られてきた信号から一定時間毎に再起動信号を電力供給を遮断しているカメラ部10へ送信する。
【0129】
第5の実施形態の動作について図12を参照しながら説明する。
【0130】
カメラ部10は、河川等の被写体を撮像する。これらの被写体を拡大したい場合や、他の角度を撮影したい場合は、カメラ部のズームや旋回等の制御は機側制御装置20内のカメラ制御部21を介して管理サーバ33により行われる。このカメラ部10が撮像した画像を機側制御部20内の各部へ送出する(ステップS1301)。
【0131】
カメラ部10からの画像または文字合成部22により文字が合成された画像を受け取った画像符号化部23は、画像情報を標本化及び量子化により符号化するエンコーダである。符号化された画像データを伝送部24へ送る(ステップS1302)。
【0132】
伝送部24は、通信ネットワーク100により接続されており、画像符号化部23により符号化された画像データをCCTV制御部30へ送信する(ステップS1303)。
【0133】
画像符号化部23により符号化された画像データをネットワーク100を介して受信した伝送部31は、受信したデータを画像復号化部32および一次判定部66へ送出する。
【0134】
画像復号化部32は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、モニタ40へ送信され画面に映し出される(ステップS1401、1402)。
【0135】
一次判定部66は、伝送部31で画像データが受信された時間が、日の入り時刻以降であって日の出時刻以前であるか否かを判定する(ステップS1501)。
【0136】
日の入り時刻以降であって日の出時刻以前である場合(ステップS1501−Y)画像復号化部61は、伝送部31で受信された画像データを復号化し、画像解析部62へ送出する(ステップS1502)。
【0137】
画像解析部62は、画像復号化部61で復号化されたアナログ画像データから画像の黒色部分を抽出する。例えば、画像解析方法としては、カメラ部10が撮影した画像から、画像解析部62が利用できるような形式の画像データを作成することにより行うことができる。「赤R、緑G、青B」の3原色の組み合わせをから、例えば、それぞれのピクセルが、16進法で赤Rが「33」、緑Gが「33」、青Bが「33」よりも値が低い場合は、黒色であると判別するとの条件を設定することが考えられる。これらの値はデータ記憶部64に記憶されていてもよい。
【0138】
また、「赤R、緑G、青B」ではなく、「色相H、彩度S、明度V」を利用して、画像データを作成することも考えられる。「色相H、彩度S、明度V」を、「赤R、緑G、青B」と同様に、撮影した画像の各ピクセルごとに明度Vを判定し、彩度Hが一定以上かつ、例えばV=0.2からV=0.0の場合、当該ピクセルは黒色であると判断する。
【0139】
なお、黒色の算出には、上記輝度値や色値を利用した算出方法だけでなく、輝度や色の分布、エッジ量やテクスチャなどを使ってもよい(ステップS1503)。
【0140】
事象判定部63は、画像解析部62で抽出された黒色部分の画像全体に対する割合を計算する。具体的には、1フレームの画素数のうち黒色の画素数がいくつであるかを判定する。これは、撮影した画像の全てのピクセル数で割ることで黒色部の割合を算出することができる。
【0141】
つまり、(黒色の割合)=(黒のピクセル数)/(画像データのピクセル数)
として算出することができる。
【0142】
このようにして、画像データ中の黒色画素の割合を算出する(ステップS1504)。
【0143】
この割合とデータ記憶部64に記憶される閾値を比較して、閾値よりも画像(各画像フレーム)における黒色の割合が多いか否かを判定する。判定には、データ記憶部64に記憶された上記黒色の割合が一定以上か否かの判定に利用する閾値を利用し閾値以上か否かを判定する。(ステップS1505)。
【0144】
事象判定部63は、信号送信部65を介して、ステップS304の判定において黒色部の割合が閾値以上と判定された場合、黒色部の割合が閾値以上と判定されたカメラ部10の電源部25へ予め定められた各部への電力供給を遮断する指示を送信する(ステップS1506)。
【0145】
電力供給の遮断を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23への電源を切断する処理を行う(ステップS1304)。
【0146】
再起動指示部68は、データ記憶部64に記憶された日没後であって日出前に一定時間毎に電力供給を遮断しているカメラ部10を再起動させる信号を送信する。または、信号送信部65から送られてきた信号から一定時間毎に再起動信号を電力供給を遮断しているカメラ部10へ送信する(ステップ1507)。
【0147】
電力供給の再開を受信した電源部25は、カメラ部10、カメラ制御部21、文字合成部22、画像符号化部23へ電力を供給する処理を行う(ステップS1305)。
【0148】
なお、本実施形態では電源制御装置60をCCTV制御装置30内に設けているが、第1の実施形態と同様にこの電源制御装置60の機能を発揮させるプログラムを管理サーバ33内に供えさせてもよい。
【0149】
このように、夜間に明かりが全くない状態で河川・砂防等を監視する際に、撮像された画像または画像を解析し、撮像範囲に対する黒色部分つまり撮影画像としての役割を果たされていない部分が任意の閾値を超えるとシステムを構成する一部の装置の電源を強制的に遮断する。これにより、システム全体としての消費する電力を削減することができる。さらに、電源制御装置60または電源制御機能の稼働時間を制限することによりさらにシステム全体としての消費する電力を削減することができる。その上、一定時間毎に再起動させることにより、故障の検出や、誤作動の防止にもなりさらなるシステムの安定性を実現する。
【0150】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、本実施形態で示した「画像」は「映像」であってもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
10 … カメラ部
20 … 機側制御部
21 … カメラ部制御部
22 … 文字合成部
23 … 画像符号化部
24 … 伝送部
25 … 電源部
30 … CCTV制御部
31 … 伝送部
32 … 画像復号化部
33 … 管理サーバ
60 … 電源制御装置
62 … 画像解析部
63 … 事象判定部
64 … データ記憶部
66 … 一次判定部
67 … 故障情報受信部
68 … 再起動指示部
100 … 通信ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、
前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、
抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、
を備えることを特徴とする画像監視システム。
【請求項2】
撮影部で撮影された復号化した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断させる指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項3】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から画像が送られてくる時間が日没以後、日の出前か否かを判定する一次判定部と、
前記一次判定部が日没以後、日の出前であると判定した場合に、被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部分の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項4】
前記一次判定部は、
前記画像を送ってきた撮像部が故障しているか否かを判定し、
前記復号化部は、
前記一次判定部が前記撮影部が故障していると判定した場合に、前記画像を復号化
すること
を特徴とする請求項3に記載する電源制御装置。
【請求項5】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否か、および、前記撮影部が故障か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であり、かつ、前記撮影部が故障でないと判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項6】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から画像が送られてくる時間が日没以後、日の出前か否かを判定する一次判定部と、
前記一次判定部が日没以後、日の出前であると判定した場合に、被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部分の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と、
日没以後、一定時間毎に前記撮影部へ再起動を指示する指示部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項7】
被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化処理と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析処理と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定処理と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信処理と
を電源制御装置上で動作させることを特徴とする電源制御プログラム。
【請求項1】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部と、
前記撮影部で取得された前記画像の黒色部分を抽出する抽出部と、
抽出された前記黒色部分から、前記画像中における前記黒色部分の割合を算出し、前記割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部への電力供給を遮断する電源部と、
を備えることを特徴とする画像監視システム。
【請求項2】
撮影部で撮影された復号化した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断させる指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項3】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から画像が送られてくる時間が日没以後、日の出前か否かを判定する一次判定部と、
前記一次判定部が日没以後、日の出前であると判定した場合に、被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部分の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項4】
前記一次判定部は、
前記画像を送ってきた撮像部が故障しているか否かを判定し、
前記復号化部は、
前記一次判定部が前記撮影部が故障していると判定した場合に、前記画像を復号化
すること
を特徴とする請求項3に記載する電源制御装置。
【請求項5】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否か、および、前記撮影部が故障か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であり、かつ、前記撮影部が故障でないと判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項6】
被撮影対象を撮影し電力を使用して稼働する撮影部から画像が送られてくる時間が日没以後、日の出前か否かを判定する一次判定部と、
前記一次判定部が日没以後、日の出前であると判定した場合に、被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化部と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析部と、
前記黒色部分の割合が閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信部と、
日没以後、一定時間毎に前記撮影部へ再起動を指示する指示部と
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項7】
被撮影対象を撮影し電力により稼働する撮影部から送られてくる画像を復号化する復号化処理と、
前記復号化部が復号した画像の黒色部分の割合を算出する解析処理と、
前記黒色部の割合が閾値以上か否かを判定する判定処理と、
前記判定部が前記閾値以上であると判定した場合には、前記撮影部の電力供給を遮断の指示を前記撮影部へ送出する信号送信処理と
を電源制御装置上で動作させることを特徴とする電源制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−34228(P2012−34228A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172738(P2010−172738)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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