説明

画像管理システム、レポート作成端末、医用画像管理サーバ、リンク設定プログラム、及び医用画像管理プログラム

【課題】 複数の医用画像データを1ファイルに記録した束画像データに含まれる医用画像データにリンクを設定し、そのリンクに基づき束画像データ内の医用画像データを抽出する技術を提供することにある。
【解決手段】 医用画像データの前記読影レポート内へのリンク付け操作に応じて、リンク付けする医用画像データを束画像データ内で特定する画像特定情報を含むリンクデータを生成し、生成された前記リンクデータを前記読影レポートに埋め込み、リンク付けされた医用画像の要求操作に応じて、前記束画像データ内の前記画像特定情報で特定される医用画像データを、前記束画像データから抜き出し、抜き出された医用画像データを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の医用画像データを1ファイルに記録した束画像データ(エンハンスドデータ又はマルチフレーム画像データとも呼ばれる)に含まれる医用画像データにリンクを設定し、そのリンクに基づき束画像データ内の医用画像データを抽出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置やMRI装置や超音波診断装置や核医学診断装置等の医用画像診断装置で発生した医用画像データは、画像を管理するサーバで管理されてネットワーク内の端末で閲覧できるようになっている。読影レポートの作成を支援する装置では、サーバから医用画像データを受信してモニタに表示し、読影の用に供する。読影レポートは、表示された医用画像を読影医が読影し、その医用画像から推測される問題を表した文書である。この読影レポートの作成を支援する装置では、医用画像データを読影レポートにリンク付けする場合もある(例えば、「特許文献1」参照。)。
【0003】
この医用画像データのリンク付けでは、読影レポートの作成を支援する装置は、医用画像データの保管先を示すリンクデータを生成し、そのリンクデータを読影レポートに埋め込む。従来、医用画像データは、一枚一枚が1ファイルとなっていたため、そのファイル名をリンクデータに含めることで、リンク付けしようとする医用画像データを特定することができた。
【0004】
近年、DICOM規格では、複数の医用画像データを1ファイルに記録した束画像データという概念が登場してきた。医用画像診断装置で発生した複数の医用画像データを1ファイルにまとめてしまう。この束画像データは、エンハンスドデータ、又はマルチフレーム画像データとも呼ばれる。医用画像データの1枚1枚が1ファイルとなっていると、一つ一つの医用画像データを送受信する度に通信を確立する必要が生じるため、医用画像データを送信する装置と受信する装置とで多くのやりとりが必要となり、通信トラフィックに多大なる負荷が発生する。しかし、束画像データでは、一回の通信で全ての医用画像が送受信できるため、多くのやりとりをする必要なく、通信トラフィックが軽減される。
【0005】
このような束画像データを前提とした場合、従来のリンク付け方式を採用すると、即ち束画像データに記録されている医用画像データにはファイル名が存在しないため、束画像データのファイル名をリンクデータに含める方式を採用すると、読影レポートで実際に引用されている医用画像データは、束画像データのごく一部であるが、その医用画像データを取得するために、束画像データをまるごと受信する必要が生じる。そうすると、所望の医用画像データを表示するには、相当な時間を要してしまい、読影レポートを参照した医療行為の効率が極端に低下してしまう。読影レポートを閲覧する端末によっては、この大容量の束画像データにリソースが耐えられない場合もあり、その場合の医療効率の低下は甚だしい。また、束画像データをまるごと受信するとネットワーク内の通信トラフィックに多大なる負荷が生じてしまう。
【0006】
【特許文献1】特開2005−301453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の医用画像データを1ファイルに記録した束画像データに含まれる医用画像データにリンクを設定し、そのリンクに基づき束画像データ内の医用画像データを抽出する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、1ファイルに複数の医用画像データを含む束画像データを保管する保管手段と、読影レポートの作成画面を表示するレポート作成画面と前記束画像データに記録された複数枚の医用画像データのそれぞれとを表示する第1の表示装置と、作成された前記読影レポートを表示する第2の表示装置と、前記第1の表示装置でのリンク付け操作に応じて、リンク付けする医用画像データを前記束画像データ内で特定する画像特定情報を含むリンクデータを生成するリンクデータ生成手段と、前記リンクデータ生成手段で生成された前記リンクデータを前記読影レポートに埋め込むリンクデータ埋め込み手段と、前記第2の表示装置でのリンク付けされた医用画像の要求操作に応じて、前記リンクデータに基づき、前記束画像データ内の前記画像特定情報で特定される医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出す抽出手段と、前記抽出手段で抜き出された医用画像データを前記第2の表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
前記リンクデータ生成手段は、前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を前記リンクデータに含ませ、前記抽出手段は、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報で表される位置に存在する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すようにしてもよい。
【0010】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、前記リンクデータ生成手段は、前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報を前記リンクデータに含ませ、前記抽出手段は、前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、をさらに備え、前記リンクデータ生成手段は、前記リンクデータ生成時の前記世代情報を前記リンクデータにさらに含ませ、前記抽出手段は、前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報が示していた現世代の束画像データ内での位置を特定する変更吸収手段を含み、特定された位置に存在する医用画像データを抜き出すこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、前記抽出手段は、前記画像特定情報で特定される医用画像データに加え、この特定された医用画像データに対応する前記画像順序情報が表す画像順序の前後所定枚数の医用画像データを、前記画像順序情報に基づきさらに抜き出し、前記表示制御手段は、前記抽出手段でさらに抜き出された医用画像データを前記第2の表示装置にさらに表示させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の態様によっては、束画像データ(エンハンスドデータ又はマルチフレーム画像データとも呼ばれる)内の1データ要素である医用画像データにリンクを設定することができ、かつ束画像データ内からリンク付けされたデータ列だけを抽出して閲覧することができる。従って、束画像データ全体をリンク付けする必要が無くなるため、読影レポートの閲覧において通信トラフィックが軽減される。また、送信されてきた束画像データから読影レポートで実際に引用された医用画像データを探す手間が省け、診療効率が向上する。
【0014】
本発明の第2の態様によっては、束画像データの内容が変更されてもそれ以前に作成された読影レポート内のリンクデータを用いて適正な医用画像データをリンクさせ続けることができ、リンク付けの実効性に富む。
【0015】
本発明の第3の態様によっては、読影レポートで引用された医用画像の前後を別途取得したり、読影レポートの作成時に前後の画像もリンク付けしたりする必要が無くなり、診療効率や読影効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るリンク設定技術の好適な各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
(医用画像管理システムの構成)
図1は、リンク設定技術の実施形態に係る医用画像管理システムのシステム構成を示す図である。
【0018】
医用画像管理システム1は、医用画像診断装置2から受信した医用画像データを保管し、閲覧可能とするシステムである。医用画像診断装置2は、例えば、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、核医学診断装置等の所謂モダリティである。医用画像診断装置2は、被検体を撮影して、その撮影結果である医用画像データを医用画像管理システム1に送信する。医用画像データは、被検体内の画像を表すデータである。
【0019】
この医用画像管理システム1は、画像管理サーバ3とレポート作成端末4とレポート閲覧端末5とをネットワークNを介して接続して構成されている。この画像管理サーバ3とレポート作成端末4とレポート閲覧端末5は、それぞれ所謂コンピュータで構成され、CPUとHDDとRAMと通信インターフェースとを少なくとも有する。レポート作成端末4とレポート閲覧端末5とは、このコンピュータにキーボードやマウス等の入力インターフェースとCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等のモニタとを接続して構成されている。
【0020】
画像管理サーバ3とレポート作成端末4とレポート閲覧端末5には、それぞれオペレーティングシステムとこのオペレーティングシステム上で動作する制御アプリケーションとが搭載され、データの入出力や操作者の操作をトリガとしてオペレーティングシステムや制御アプリケーションをHDDから読み出してRAMに展開し、CPUで命令実行し、通信インターフェースを介してデータの入出力を行う。
【0021】
医用画像診断装置2やレポート作成端末4やレポート閲覧端末5は、ネットワークN上に複数設置されている場合もある。レポート閲覧端末5は、その複数台が別々の性能を有し、性能に差が存在する場合もある。
【0022】
このような医用画像管理システム1では、医用画像診断装置2で医用画像データが発生すると、医用画像診断装置2は、医用画像データを画像管理サーバ3へ送信する。画像管理サーバ3は、受信した医用画像データをデータベース登録した上で保管する。
【0023】
読影医は、医用画像の読影を依頼されると、レポート作成端末4を用いて医用画像を読影し、読影レポートを作成する。読影レポートは、医用画像を読影した結果が記述されたドキュメントである。レポート作成端末4は、第1の表示装置として画像管理サーバ3から医用画像データを受信してモニタに表示し、レポート作成画面をモニタに表示して、入力インターフェースの操作に応じて読影レポートを作成していく。
【0024】
読影レポートには、医用画像データのリンクが貼られる場合がある。例えば、操作者が入力インターフェースを用いて、表示している医用画像データをドラッグし、読影レポート内の文字列にドロップすると、レポート作成端末4は、ドラッグされた医用画像データを表すリンクデータを生成し、ドロップされた文字列に対応付けてこのリンクデータを読影レポートのデータ内に埋め込む。
【0025】
このレポート作成端末4は、1台のコンピュータであっても、読影レポートを作成するレポート作成装置4aと、医用画像データを表示する画像表示装置4bとの2台のコンピュータにより構成される端末であってもよい。
【0026】
レポート作成装置4aと画像表示装置4bとにより構成される場合は、レポート作成装置4a側にレポート作成画面を表示するモニタを配し、画像表示装置4bに医用画像データを表示するモニタを配し、レポート作成装置4aと画像表示装置4bとをLAN接続する等して通信可能とし、互いを連動させる。
【0027】
例えば、LAN接続によって、レポート作成装置4aと画像表示装置4bとが連動して動作するように、互いにデータ通信させる。連動動作としては、例えばレポート作成装置4aのモニタからカーソルが画像表示装置4bのモニタへ移動可能にしておく。また、ドラッグされた医用画像データのドラッグ状態をレポート作成装置4aに引き継ぎさせる。また、医用画像データのリンクデータを画像表示装置4bからレポート作成装置4aへ送信する。また、レポート作成装置4aで行ったリンクデータの要求操作に応じて医用画像データを画像表示装置4bで受信させる等である。
【0028】
読影を依頼した主治医等の依頼医は、レポート閲覧端末5を用いて読影レポートを閲覧する。レポート閲覧端末5は、作成された読影レポートを受信して、第2の表示装置としてこの読影レポートをモニタに表示する。読影レポートに医用画像データの画像リンク文字列等が貼られている場合に、操作者がそのリンク文字列を入力インターフェースを用いて選択すると、レポート閲覧端末5は、読影レポートに埋め込まれたリンクデータを画像管理サーバ3に送信し、リンクデータが表す医用画像データを要求する。
【0029】
画像管理サーバ3は、リンクデータをレポート閲覧端末5から受信すると、リンクデータを解析して、リンクデータが示す医用画像データをレポート閲覧端末5へ送信する。
【0030】
レポート閲覧端末5は、医用画像データを受信すると、モニタに受信した医用画像データを表示させる。
【0031】
このような医用画像管理システム1において扱われる医用画像データには、一枚一枚が一つのファイルとなった医用画像データ(以下、通常医用画像データという)や、複数の医用画像データを1ファイルに記録した束画像データ100とが存在する。束画像データ100は、俗にエンハンスドデータやマルチフレーム画像データとも呼ばれる。この束画像データ100は、医用画像撮影装置2で被検体を撮影したときに生成され、画像管理サーバ3へ送信される。この束画像データ100によると、生成した医用画像データを一度の通信で全て送信可能となるために通信トラフィックが軽減される。
【0032】
図2は、この医用画像管理システム1で扱われる束画像データ100のデータ構成を示す図である。
【0033】
束画像データ100は、画像情報領域110と共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130の3つパートでデータが構成されている。
【0034】
画像情報領域110には、医用画像撮影装置2で発生した各シリーズに属する各医用画像データ111が記録されている。この医用画像データ111の記録順、換言すると束画像データ100の中に含まれる医用画像データ111のデータ先頭からの並び順は、シリーズ及び表示順序を問わず、ばらばらである。1枚目に並ぶ医用画像データ111が第2シリーズの3枚目の画像であり、2枚目に並ぶ医用画像データ111が第1シリーズの5枚目の画像である場合もある。ここで、シリーズとは、ある医用画像データ111のグループを示し、例えば撮影部位毎や撮影条件毎に分けられる。第1シリーズは、頭部部分を撮影して得た医用画像データ群、第2シリーズは、腹部部分を撮影して得た医用画像データ群というふうに分けられる。また、第1シリーズは、造影剤を投与して撮影して得た医用画像データ群、第2シリーズは、造影剤を投与せずに撮影して得た医用画像データ群というふうに分けられる。
【0035】
この画像情報領域110には、各医用画像データ111の先頭にデータの大きさ情報112が付加されており、このデータの大きさ情報112以下に配されている医用画像データ111のデータ量記述されている。このデータの大きさ情報112を加算していくことで、X枚目に並ぶ医用画像データ111が画像情報領域110の何バイト目に存在するか認識できる。
【0036】
共通付帯情報領域120には、この束画像データ100の特定情報が記述されている。例えば、この束画像データ100の特定情報は、医用画像診断装置2で撮影された被検体の患者ID121や、検査IDや、医用画像診断装置2の種類や機体名や、束画像データ100自体に一つ付与されるシリーズIDや画像ID等である。
【0037】
フレーム情報領域130には、束画像データ100に記録されている各医用画像データ111の個別の付帯情報が記述されている。特に、フレーム情報領域130には、撮影位置情報131と画像順序情報132とが記述されている。撮影位置情報131は、医用画像データ111の被検体上での撮影位置を座標系で表した情報である。画像順序情報132は、医用画像診断装置2が決定して医用画像データ111に付す情報であり、束画像データ100に含まれる各医用画像データ111を表示するときには表示順序を表す情報としても用いられる。
【0038】
画像順序情報132は、グループ情報133とグループ内順序情報134とにより構成される。グループ情報133は、束画像データ100に記録されている医用画像データ111がそれぞれどのグループに属するか表す。グループ内順序情報134は、グループ内で何枚目の医用画像データ111であるかを表す。
【0039】
グループ情報133は、例えばシリーズ毎に付されている。グループ内順序情報134は、例えばシリーズ内の順番毎に付されている。束画像データ100上では、このグループ情報133として、Stack(スタックID)が付されている。グループ内順序情報134としては、束画像データ100上では、TindexID(Temporary Index ID,テンポラリインデックスID)が付されている。例えば、ある画像順序情報132が「SatcID:2」及び「TindexID:3」であれば、この画像順序情報132に対応する医用画像データ111は、第2グループの3枚目の医用画像データ111であることが示され、束画像データ100を表示する際には、第2グループの医用画像として3枚目に表示する。
【0040】
尚、画像順序情報132には、StackIDとTindexIDのほか、ImageType、InStackPositionNumber、frame Acquisition Number、Diffusionsequence等のようなDICOMで規定された情報が含まれる場合がある。医用画像診断装置2によっては、シリーズにTindexIDを対応させ、シリーズ内の順番にStackIDを対応させるようにして束画像データ100を作成するものもある。ImageTypeは、画像種を示す情報であり、このImageTypeによってTindexとStackIDの意味が入れ替わる場合がある。画像管理サーバ3が束画像データ100を管理する際、及びレポート作成端末4が束画像データ100を医用画像データ111に分解してそれぞれ表示させる際には、ImageTypeを参照して、StackIDとTindexIDの意味を解析し、どちらがシリーズでどちらがシリーズ内の順番を表すか決定する。
【0041】
この撮影位置情報131と画像順序情報132の対は、医用画像データ111毎にフレーム情報領域130に付帯されている。また、この撮影位置情報131と画像順序情報132の対は、画像情報領域110に並ぶ医用画像データ111の記録順に倣った順に並べられている。従って、画像情報領域110の3枚目に並ぶ医用画像データ111は、フレーム情報領域130の3番目の画像順序情報132を参照することで、その医用画像データ111のシリーズや順番が特定される。
【0042】
図3は、読影医が操作するレポート作成端末4における束画像データ100を扱う詳細構成を示す図である。
【0043】
レポート作成端末4は、読影対象となる医用画像データ111の表示、レポート作成画面の表示及び読影レポート作成の支援、そして表示している医用画像データ111を読影レポート内の文字列にリンク付けする処理を行う。
【0044】
このレポート作成端末4は、操作部401を備えている。操作部401は、主に読影医によって操作される入力インターフェースで構成される。この操作部401は、レポート作成操作やリンク付け操作を示す信号をレポート作成装置4aと画像表示装置4bに入力する。
【0045】
また、レポート作成端末4は、レポート作成画面の表示及び読影レポート作成の支援処理のために、レポート作成部402とレポート表示制御部403とレポート表示部404とを備える。これら各構成は、コンピュータであるレポート作成装置4aがオペレーティングシステムや制御アプリケーションを実行することで実現される。これら各構成は、特にレポート作成プログラムによって実現される。
【0046】
レポート作成部402は、主にレポート作成装置4aに配されたCPUを含み構成される。このレポート作成部402は、読影レポートを作成する。操作部401から入力された押下信号従って、入力された押下信号に対応付けられた文字や記号等のキャラクタを読影レポートに埋め込む。
【0047】
レポート表示制御部403は、主にレポート作成装置4aに配されたCPUやGPUを含み構成される。このレポート表示制御部403は、レポート作成画面を表す描画データを生成し、レポート表示部404に表示させる。レポート表示部404は、主にモニタを含み構成される。レポート表示制御部403は、レポート作成部402が作成中の読影レポートを描画データに反映する。レポート作成部402で更新された読影レポートはリアルタイムにレポート表示制御部403が作成する描画データに反映され、レポート表示部404に表示される。
【0048】
また、レポート作成端末4は、読影対象となる医用画像データ111の表示のために、画像受信部405と画像展開部406と画像表示制御部407と画像表示部408とを備える。これら各構成は、コンピュータである画像表示装置4bがオペレーティングシステムや制御アプリケーションを実行することで実現される。これら各構成は、特にビューアプログラムによって実現される。
【0049】
画像受信部405は、主に通信インターフェースを含み構成される。この画像受信部405は、画像管理サーバ3から通常画像データや束画像データ100を受信する。
【0050】
画像展開部406は、主にCPUを含み構成される。この画像展開部406は、束画像データ100を当該束画像データ100に含まれる医用画像データ111に分解し、この束画像データ100を分析してファイル構造管理テーブルを作成する。ファイル構造管理テーブルは、展開した医用画像データ111の展開先を示すメモリアドレスと、この医用画像データ111の画像順序情報132と、束画像データ100内での存在位置情報の対である。
【0051】
存在位置情報は、リンク付けされた医用画像データ111が束画像データ100のどの位置に存在するかを表す情報である。この存在位置情報は、束画像データ100の先頭から何バイト目に存在するかを表すオフセット値である。
【0052】
画像表示制御部407は、主にCPUやGPUを含み構成される。この画像表示制御部407は、画像展開部406で分解された各医用画像データ111を画像表示部408に表示させる。画像表示部408は、画像表示装置4bが備えるモニタである。この画像表示制御部407は、ファイル構造管理テーブルを参照して、医用画像データ111のグループ毎に、グループ内順序情報134に従った表示順で医用画像データ111を表示する。例えば、モニタの表示領域をグループ毎に設定し、その表示領域に同一グループの医用画像データ111を並び順に従って重ね表示させる。
【0053】
尚、束画像データ100によって「StackID」と「TindexID」が表す意味が異なるため、この画像展開部406は、束画像データ100の共通付帯情報領域120から撮影した医用画像診断装置2を識別する情報を取得する。そして、医用画像診断装置2の機体名毎にStackIDとTindexIDのどちらがグループを表し、また順番を表すのかを示すテーブルを参照して、どちらがグループ情報133に相当し、どちらがグループ内順序情報134に相当するのか判断してから表示する。
【0054】
また、レポート作成端末4は、表示している医用画像データ111を読影レポート内の文字列にリンク付けする処理のために、リンク生成部409と時計IC411とリンクデータ埋込部410を備える。リンク生成部409と時計IC411とは、画像表示装置4bに備える。リンクデータ埋込部410は、レポート作成装置4aに備える。
【0055】
これら各構成は、コンピュータであるレポート作成装置4aと画像表示装置4bとがそれぞれオペレーティングシステムや制御アプリケーションを実行することで実現される。これら画像表示装置4bとレポート作成装置4aの各構成は、特にそれぞれの役割に応じて記憶されているリンク付けのための制御プログラムによって実現される。
【0056】
リンク生成部409は、主にCPUを含み構成される。このリンク生成部409は、読影レポートに埋め込む医用画像データ111のリンクデータを生成する。リンク生成部409は、画像表示装置4bのモニタに表示されている医用画像データ111のうちの1又は複数がドラッグされ、読影レポート中の文字列にドロップされると、ドラッグ&ドロップされた医用画像データ111を特定する各リンクデータを生成する。
【0057】
医用画像データ111が束画像データ100由来であると、リンク生成部409は、ドラッグ&ドロップされた医用画像データ111が束画像データ100内に記録されている複数の医用画像データ111のうちのどれに該当するかを表す画像特定情報を生成し、リンクデータに含める。
【0058】
この束画像データ100内のどの医用画像データ111がリンク付けされているかを表す画像特定情報は、存在位置情報又は画像順序情報132である。存在位置情報に該当する位置から存在するデータ列を束画像データ100から抜き出せば、リンク付けされている医用画像データ111が抜き出されたこととなる。また、リンクデータに含まれた画像順序情報132のフレーム情報領域130内での並び順をカウントし、画像情報領域110内からその並び順と同数の記録順に記録されているデータ列を抜き出せば、リンク付けされている医用画像データ111が抜き出されたこととなる。
【0059】
画像展開部406で作成されたファイル構造管理テーブルによって表示されている医用画像データ111の画像順序情報132や存在位置情報が特定されている。リンク生成部409は、ファイル構造管理テーブルを参照することで、リンク付けする医用画像データの存在位置情報や画像順序情報132をリンクデータに含めることでリンクデータを生成する。
【0060】
リンクデータ埋込部410は、主にCPUを含み構成される。このリンクデータ埋込部410は、レポート作成部402を実現するレポート作成プログラムに含まれるレポート作成装置4a側のリンク付けの制御プログラムによって実現される。このリンクデータ埋込部410は、リンク生成部409で生成されたリンクデータを画像表示装置4b側から受信して、この受信したリンクデータをドロップ対象となった文字列に関連づけて読影レポートに埋め込む。即ち、リンクデータを、文字列データに関連づけつつ、読影レポートのデータに加える。
【0061】
尚、レポート表示制御部403は、このリンクデータ埋込部410によってリンク付けがなされると、このリンク処理がなされたことを視認できるようにレポート表示部404に表示させる。例えば、レポート表示制御部403は、リンク付け対象となった文字列の表示色を青色等に変更し、この文字列に下線を引いた描画データを作成し、レポート表示部404に表示させる。
【0062】
図4は、読影レポートの閲覧者が操作するレポート閲覧端末5の詳細構成を示す図である。
【0063】
レポート閲覧端末5は、読影レポートの表示と読影レポートにリンク付けされた医用画像データ111の表示を行う。このレポート閲覧端末5は、レポート記憶部501と表示制御部502と表示部503と操作部504とリンク先要求部505と画像受信部506とを備える。
【0064】
操作部504は、主に読影レポートを閲覧しようとする医師によって操作される入力インターフェースで構成される。この操作部504は、レポートの表示操作を示す信号やリンク先のデータを要求する操作を示す信号をレポート閲覧端末5に入力する。表示部503は、主にモニタで構成される。この表示部503は、読影レポートやリンク付けされた医用画像データ111を表示する。
【0065】
レポート記憶部501は、主にRAMを含み構成される。このレポート記憶部501は、表示しようとする読影レポートを一時的に記憶する。読影レポートは、図示しないネットワークN上のレポートサーバに記憶されており、このレポートサーバから受信する。レポート記憶部501は、レポートサーバから受信した読影レポートを一時的に記憶する。
【0066】
リンク先要求部505は、主にCPUと通信インターフェースを含み構成される。このリンク先要求部505は、読影レポートにリンク付けされたリンク先を要求するコマンドを生成し、画像管理サーバ3に送信する。操作部504を用いて閲覧者が読影レポート上のリンクを選択すると、そのリンクデータをレポート記憶部501に記憶されている読影レポートから取得する。そして、リンク先要求部505は、この取得したリンクデータを要求コマンドに付帯させて画像管理サーバ3に送信する。
【0067】
画像受信部506は、主に通信インターフェースを含み構成される。この画像受信部506は、画像管理サーバ3から医用画像データ111を受信する。画像受信部506は、リンク先要求部505が送信したリンクデータに従って画像管理サーバ3が送信したリンク付けされた医用画像データ111を受信する。
【0068】
表示制御部502は、主にCPUやGPUを含み構成される。この表示制御部502は、読影レポートと医用画像データ111を表示部503に表示させる。表示制御部502は、レポート記憶部501から読影レポートを読み出し、この読み出した読影レポートを表示部503に表示させる。また、表示制御部502は、画像受信部506が読影レポートにリンク付けされていた医用画像データ111を画像管理サーバ3から受信すると、受信した医用画像データ111を表示部503に表示させる。
【0069】
図5は、束画像データ100を管理する画像管理サーバ3の詳細構成を示す図である。
【0070】
画像管理サーバ3は、通常画像データと束画像データ100のデータベース管理と、通常画像データや束画像データ100のレポート作成端末4への送信処理と、リンク付けされた医用画像データ111の送信処理とを行う。
【0071】
まず、この画像管理サーバ3は、通常画像データと束画像データ100のデータベース管理のために、画像受信部301と受信画像分析部302と通常画像データ登録部303と束画像データ登録部304と画像保管部305と画像データベース306とを備える。これら各構成は、コンピュータである画像管理サーバ3がオペレーティングシステムや画像管理プログラムを実行することで実現される。
【0072】
画像受信部301は、主に通信インターフェースを含み構成される。この画像受信部301は、医用画像診断装置2から送信された通常医用画像データ又は束画像データ100を受信する。
【0073】
受信画像分析部302は、主にCPUを含み構成される。この受信画像分析部302は、受信したデータが通常医用画像データであるか束画像データ100であるか判断する。受信したデータを解析し、フレーム情報領域130が存在すれば、束画像データ100とし、束画像データ登録部304で処理されるように、束画像データ登録部304として機能させるプログラムを展開し実行させる。フレーム情報領域130が存在しなければ、通常画像データとして、通常画像データ登録部303で処理されるように、通常画像データ登録部303として機能させるプログラムを展開し実行させる。通常医用画像データと束画像データ100にそれぞれその種別を示す符号等の情報が付帯している場合には、受信画像分析部302は、その情報を参照して通常画像データであるか束画像データ100であるか判断する。
【0074】
通常画像データ登録部303は、主にCPUを含み構成される。この通常画像データ登録部303は、受信した通常画像データを画像データベース306に登録した上で画像保管部305に保管させる。
【0075】
画像データベース306は、主にHDDを含み構成されている。この画像データベース306は、受信した通常画像データや束画像データ100のデータベースである。これら画像データの患者氏名や患者ID、撮影した医用画像診断装置2の種類や機体名、及び画像保管部305のどこに保管したかを示す保管先を対にしたレコードを記憶する。
【0076】
画像保管部305は、主にHDDを含み構成される。この画像保管部305は、受信した通常画像データや束画像データ100を保管する。
【0077】
通常画像データ登録部303は、通常画像データに付帯する付帯情報及び画像保管先から、この保管した通常画像データのレコードを作成し、画像データベース306に記憶させる。
【0078】
束画像データ登録部304は、主にCPUを含み構成される。この束画像データ登録部304は、受信した束画像データ100の付帯情報及び画像保管先を画像データベース306に登録した上で画像保管部305に保管させる。
【0079】
この束画像データ登録部304は、束画像データ100を画像データベース306に登録させる際に、束画像データ100の共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130とを参照して、束画像データ100に記録されている各医用画像データ111の付帯情報と、束画像データ100に記録されている各医用画像データ111のグループ情報133及びグループ内順序情報134の対と抜き出し、各医用画像データ111毎に束画像データ100のレコードに含める。
【0080】
また、この画像管理サーバ3は、通常画像データや束画像データ100のレポート作成端末4への送信処理のために、画像送信部307を備える。これら各構成は、コンピュータである画像管理サーバ3がオペレーティングシステムや画像管理プログラムを実行することで実現される。
【0081】
画像送信部307は、主にCPUと通信インターフェースを含み構成される。この画像送信部307は、レポート作成端末4に通常画像データや束画像データ100を送信する。レポート作成端末4から画像データの一覧要求を表すコマンドが送信されてくると、このコマンドに付帯した検査キーを用いて画像データベース306を検索し、該当するレコードを抽出する。この抽出したレコードをレポート作成端末4に送信し、レポート作成端末4から一の画像データを示す情報を受信すると、画像送信部307は、画像データベース306を検索して、この画像データの保管先を表す情報を取得し、取得した保管先に存在する通常画像データや束画像データ100をレポート作成端末4に送信する。
【0082】
また、この画像管理サーバ3は、リンク付けされた医用画像データ111の送信処理のために、画像抽出部308を備える。これら各構成は、コンピュータである画像管理サーバ3がオペレーティングシステムや画像管理プログラムを実行することで実現される。
【0083】
画像抽出部308は、主にCPUを含み構成される。この画像抽出部308は、リンク付けされた医用画像データ111を束画像データ100から抜き出し、リンク先を要求したレポート閲覧端末5へ送信する。レポート閲覧端末5からリンクデータを受信すると、そのリンクデータに含まれる画像特定情報を用いて束画像データ100内のリンク付けされた医用画像データ111を抜き出す。そして、抜き出した医用画像データ111に共通付帯情報領域120及びフレーム情報領域130を加えてレポート閲覧端末5へ送信する。
【0084】
画像特定情報が存在位置情報である場合には、画像抽出部308は、その存在位置情報が示すデータからそのデータ直後に記述されているデータの大きさ情報112が示すデータ量分のデータを抜き出す。この抜き出したデータがリンク付けされた医用画像データ111に相当する。
【0085】
画像特定情報が画像順序情報132である場合には、画像抽出部308は、その画像順序情報132のフレーム情報領域130における並び順をカウントし、画像情報領域110においてその並び順と同数の記録順に存在するデータ以降を、データの大きさ情報112が示すデータ量分抜き出す。この抜き出したデータがリンク付けされた医用画像データ111に相当する。
【0086】
以下、このような各構成を有する医用画像管理システム1における束画像データ100に関する各種処理について説明する。
【0087】
(リンク付け処理の第1の態様)
まず、存在位置情報を画像特定情報としてリンクデータに含める場合のリンク付け処理について説明する。図6は、存在位置情報を用いたリンク付け動作の第1の態様を示すフローチャートである。
【0088】
レポート作成端末4では、画像受信部405が束画像データ100を画像管理サーバ3から受信すると(S01)、画像展開部406は、束画像データ100を分析し(S02)、束画像データ100のファイル構造管理テーブルを作成する(S03)。
【0089】
図7は、束画像データ100の展開時に作成されるファイル構造管理テーブルの一例を示す模式図である。
【0090】
画像展開部406は、束画像データ100を共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130と各医用画像データ111とに順次分解して、束画像データ100の先頭から順番にRAM上に展開する。このとき、それぞれの格納領域を示すRAM上のメモリアドレス番号をファイル構造管理テーブルに記憶させていく。
【0091】
さらに、画像展開部406は、共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130と各束画像データ100の格納領域を表すメモリアドレス番号に対応させて、これらの領域に記憶されたデータを識別するStackIDとTindexIDの対をファイル構造管理テーブルに記憶させていく。医用画像データ111をRAM上に展開する際には、フレーム情報領域130においてその展開順と同数の並び順に記録されている画像順序情報132を展開データ識別情報として読み出し、展開した医用画像データ111のメモリアドレス番号に対応付けてファイル構造管理テーブルに記憶させていく。
【0092】
さらに、画像展開部406は、共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130と各医用画像データ111をRAMに格納する際に、束画像データ100のデータ先頭から順番に、分解したデータのデータ量を加算していく。この加算値は、次のデータのオフセット値に該当する。画像展開部406は、このオフセット値を対応付けてファイル構造管理テーブルに記憶させていく。
【0093】
束画像データ100のファイル構造管理テーブルが作成されると、画像表示制御部407は、ファイル構造管理テーブルを参照して、StackID毎にTindexId順に医用画像データ111を表示する(S04)。
【0094】
ここで、操作部401を用いて次順の画像を表示させる操作がなされると、画像表示制御部407は、現在表示している医用画像データ111の次の画像順序を表す画像順序情報132と対になっているメモリアドレス番号をファイル構造管理テーブルから読み出し、このメモリアドレス番号に対応するRAM上の格納領域に記憶されている医用画像データ111を画像表示部408に表示させる。
【0095】
例えば、図7に示すように、StackID:2及びTindexID:3の医用画像データ111が表示されている状態で次画像を表示する操作がなされると、画像表示制御部407は、StackID:2及びTindexID:4をファイル構造管理テーブルから検索して、該当する展開データ識別情報に関連づけられている601番〜700番のアドレス番号に対応する格納領域の医用画像データ111を読み出し、画像表示部408に表示させる。
【0096】
読影医が操作部401を用いて、読影レポートに入力した所定の文字列を範囲選択し(S05)、表示されている医用画像データ111のドラッグを開始すると(S06)、リンク生成部409は、表示されている医用画像データ111に対応するファイル構造管理テーブル上の項目からオフセット値を読み出す(S07)。さらに、リンク生成部409は、束画像データ100の共通付帯情報領域120から束画像データ100を特定する情報を読み出す(S08)。
【0097】
例えば、図7に示すように、StackID:2及びTindexID:4の医用画像データ111が表示されている状態で医用画像データ111がドラッグされれば、ファイル構造管理テーブル上のStackID:2及びTindexID:4の医用画像データ111に関する項目から900Kbyteのオフセット値を読み出す。
【0098】
リンク生成部409は、オフセット値と束画像データ100の特定情報を読み出すと、これらを含めたリンクデータを生成する(S09)。
【0099】
図8は、存在位置情報を用いたリンクデータを示す模式図である。
【0100】
リンク生成部409は、予め特定されている画像管理サーバ3のIPアドレスと、束画像データ100の特定情報と存在位置情報とを対にしたリンクデータを生成する。画像管理サーバ3のIPアドレスは、予めHDDに記憶されているか、若しくは画像管理サーバ3のAEタイトル等から問い合わせする。束画像データ100の特定情報は、例えば、X線CT装置、MRI装置等の撮影に使用した医用画像診断装置2の種類、束画像データ100の情報主体である患者の患者ID、及び検査IDの対である。存在位置情報は、ファイル構造管理テーブルから読み出した900Kbyte等のオフセット値である。
【0101】
リンクデータが生成されると、リンクデータ埋込部410は、この生成されたリンクデータを範囲選択された文字列のデータに関連づけて読影レポート内に埋め込む(S10)。
【0102】
このように、この医用画像管理システム1では、束画像データ100を特定する情報と、リンク付けする医用画像データ111の束画像データ100内での存在位置を示す存在位置情報とを対にしてリンクデータを構成することによって、どの束画像データ100のどの位置にあるデータがリンク付けされているのか特定され、束画像データ100内の一データ要素である医用画像データ111にリンクを設定することができる。
【0103】
尚、本実施形態では、まず画像展開時にオフセット値を計算してファイル構造管理テーブルを作成するようにしたが、束画像データ100の格納領域を確保して、その格納領域に束画像データ100をデータ先頭から順番に記憶させていき、その格納領域のうちの領域のデータがドラッグされたかを判断して、そのドラッグされたデータの格納領域が束画像データ100全体のどの位置の領域であるかを計算して、その結果をオフセット値としてもよい。
【0104】
また、束画像データ100に記憶されている各医用画像データ111のフレーム情報内に、束画像データ100の生成段階で撮影位置情報や画像順序情報132に加えてオフセット値情報を書き加えるようにしておき、この書き加えられたオフセット値情報を存在位置情報としてリンクデータに含めてもよい。
【0105】
(リンク付け処理の第2の態様)
次に画像順序情報132をリンクデータに含める場合のリンク付け処理について説明する。図9は、画像順序情報132を用いたリンク付け動作の第2の態様を示すフローチャートである。
【0106】
レポート作成端末4では、画像受信部405が束画像データ100を画像管理サーバ3から受信すると(S11)、画像展開部406は、束画像データ100を分析し(S12)、束画像データ100のファイル構造管理テーブル(図7参照)を作成する(S13)。
【0107】
束画像データ100のファイル構造管理テーブルが作成されると、画像表示制御部407は、ファイル構造管理テーブルを参照して、StackID毎にTindexId順に医用画像データ111を表示する(S14)。
【0108】
読影医が操作部401を用いて、読影レポートに入力した所定の文字列を範囲選択し(S15)、表示されている医用画像データ111のドラッグを開始すると(S16)、リンク生成部409は、表示されている医用画像データ111に対応するファイル構造管理テーブル上の項目からStackID及びTindexIDを読み出す(S17)。さらに、リンク生成部409は、束画像データ100の共通付帯情報領域120から束画像データ100を特定する情報を読み出す(S18)。
【0109】
例えば、図7に示すように、StackID:2及びTindexID:4の医用画像データ111が表示されている状態で医用画像データ111がドラッグされれば、ファイル構造管理テーブル上の表示されている医用画像データ111に関する項目からStackID:2及びTindexID:4を読み出す。
【0110】
リンク生成部409は、ドラッグされた医用画像データ111のStackID及びTindexIDと束画像データ100の特定情報を読み出すと、これらを含めたリンクデータを生成する(S19)。
【0111】
図10は、画像順序情報132を用いたリンクデータを示す模式図である。
【0112】
リンク生成部409は、予め特定されている画像管理サーバ3のIPアドレスと、束画像データ100の特定情報と画像順序情報132とを対にしたリンクデータを生成する。画像順序情報132は、ファイル構造管理テーブルから読み出したStackID:2及びTindexID:4等である。
【0113】
リンクデータが生成されると、リンクデータ埋込部410は、この生成されたリンクデータを範囲選択された文字列のデータに関連づけて読影レポート内に埋め込む(S20)。
【0114】
(第1のリンク付け処理に対応するリンク付けされた画像の送信処理)
次に、存在位置情報を画像特定情報としてリンクデータに含めた場合のリンク先の医用画像を送信する処理について説明する。図11は、存在位置情報を用いたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作を示すフローチャートである。また、図12は、この医用画像データ111を送信する態様を示す模式図である。
【0115】
まず、画像管理サーバ3がレポート閲覧端末5からリンクデータを含んだリンクされた医用画像データ111の取得要求を受信すると(S21)、画像抽出部308は、リンクデータから束画像データ100の特定情報を取り出す(S22)。
【0116】
この束画像データ100の特定情報を取り出すと、図12の(a)に示すように、画像抽出部308は、この特定情報を検索キーとして画像データベース306を検索して(S23)、この検索キーと対になった画像保管先を示す情報を取得し、画像保管先を示す情報が表す保管先に存在する束画像データ100を画像保管部305から特定する(S24)。
【0117】
次に、図12の(b)に示すように、画像抽出部308は、リンクデータからオフセット値を取り出し(S25)、束画像データ100の先頭を基準にオフセット値から始まるリンク付けされた医用画像データ111を特定する(S26)。例えば、オフセット値が900Kbyteであると、束画像データ100の先頭から900Kbyte目のデータから始まる医用画像データ111が特定される。
【0118】
医用画像データ111が特定されると、図12の(c)に示すように、画像抽出部308は、この医用画像データ111のヘッダに存在するデータの大きさ情報112を読み取り(S27)、オフセット値からデータの大きさ情報112が表すデータ量のデータ列をリンク付けされた医用画像データ111として抜き出す(S28)。
【0119】
そして、画像抽出部308は、図12の(d)に示すように、束画像データ100から共通付帯情報領域120と少なくともフレーム情報領域130の必要な部分も抜き出して医用画像データ111に付帯させて(S29)、抜き出した医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する(S30)。
【0120】
(第2のリンク付け処理に対応するリンク付けされた画像の送信処理)
画像順序情報132を画像特定情報としてリンクデータに含めた場合のリンク先の医用画像を送信する処理について説明する。図13は、画像順序情報132を用いたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作を示すフローチャートである。また、図14は、この医用画像データ111を送信する態様を示す模式図である。
【0121】
まず、画像管理サーバ3がレポート閲覧端末5からリンクデータを含んだリンクされた医用画像データ111の取得要求を受信すると(S31)、画像抽出部308は、リンクデータから束画像データ100の特定情報を取り出す(S32)。
【0122】
この束画像データ100の特定情報を取り出すと、図14の(a)に示すように、画像抽出部308は、この特定情報を検索キーとして画像データベース306を検索して(S33)、この検索キーと対になった画像保管先を示す情報を取得し、画像保管先を示す情報が表す保管先に存在する束画像データ100を画像保管部305から特定する(S34)。
【0123】
次に、図14の(b)に示すように、画像抽出部308は、リンクデータからStackIDとTindexIDを取り出し(S35)、束画像データ100のフレーム情報領域130から、取り出したStackIDとTindexIDと同一の画像順序情報132を束画像データ100から検索する(S36)。例えば、リンクデータから画像順序情報132としてStackID:2及びTindexID:4を取り出すと、このStackID:2及びTindexID:4を表す画像順序情報132を束画像データ100から検索する。
【0124】
束画像データ100内の画像順序情報132が特定されると、図14の(c)に示すように、画像抽出部308は、この特定された画像順序情報132の並び順をカウントする(S37)。並び順が特定されると、画像抽出部308は、図14の(d)に示すように、データの大きさ情報112を辿りながら、画像情報領域110内においてこの並び順と同数の記録順に記録された医用画像データ111を特定する(S38)。
【0125】
画像抽出部308は、図14(e)に示すように、束画像データ100から医用画像データ111を特定すると、この医用画像データ111を抜き出す(S39)。そして、画像抽出部308は、図14の(f)に示すように、束画像データ100から共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130も抜き出して医用画像データ111に付帯させて(S40)、抜き出した医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する(S41)。
【0126】
(リンク付けされた画像の送信処理の変形例)
この変形例に係る医用画像管理システム1は、リンク付けされた医用画像データ111の他に、この前後の画像順序に並ぶ複数枚の医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する。
【0127】
画像抽出部308は、さらにHDDを含み構成され、送信枚数設定テーブルを有している。図15は、送信枚数設定テーブルを示す模式図である。
【0128】
送信枚数設定テーブルは、ネットワークN上に存在する複数のレポート閲覧端末5のそれぞれを示す情報と対にして、レポート閲覧端末5に送信するリンク付けされた医用画像データ111以外の枚数情報が記憶されている。枚数情報が1であれば、この枚数情報が対応付けられたレポート閲覧端末5に対してリンク付けされた医用画像データ111に加えて、画像順がリンク付けされた医用画像データ111の前後1枚に相当する医用画像データ111も送信する。枚数情報が0であれば、リンク付けされた医用画像データ111以外には送信しない。
【0129】
図16は、存在位置情報を含むリンクデータによってリンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作の変形例を示すフローチャートである。また、図17は、存在位置情報を含むリンクデータを用いて複数枚の医用画像を抜き出す態様を示す模式図である。
【0130】
画像管理サーバ3がレポート閲覧端末5からリンクデータを受信し、束画像データ100を特定すると、図17の(a)に示すように、画像抽出部308は、リンクデータからオフセット値を取り出し(S51)、束画像データ100の先頭を基準にオフセット値から始まるリンク付けされた医用画像データ111を特定する(S52)。このリンク付けされた医用画像データ111をキー画像という。
【0131】
キー画像が特定されると、図17の(b)に示すように、画像抽出部308は、このキー画像となる医用画像データ111の画像情報領域110における記録順をカウントし(S53)、図17の(c)に示すように、フレーム情報領域130において、得られた記録順と同数の並び順に位置する画像順序情報132を特定する(S54)。
【0132】
画像抽出部308は、図17の(d)に示すように、送信枚数設定テーブルを参照してリンク先を要求したレポート閲覧端末5へキー画像以外で送信するキー画像前後の医用画像データ111の各枚数を確認する(S55)。キー画像以外で送信するキー画像前後の医用画像データ111を前後画像という。
【0133】
そして、画像抽出部308は、図17の(e)に示すように、確認された枚数までの各自然数をキー画像のTindexIDに加算及び減算して前後画像の画像順序情報132を特定し(S56)、フレーム情報領域130から検索する(S57)。例えば、キー画像の画像順序情報132がStackID:2及びTindexID:3であり、リンクデータを送信したレポート閲覧端末5と送信枚数設定テーブルにおいて対応付けられた枚数情報が1である場合、StackID:2及びTindexID:2の画像順序情報132とStackID:2及びTindexID:4の画像順序情報132とをフレーム情報領域130から検索する。
【0134】
前後画像の画像順序情報132を検索すると、画像抽出部308は、図17の(f)に示すように、検索された前後画像の画像順序情報132のフレーム情報領域130内での並び順をカウントし(S58)、図17の(g)に示すように、カウントした並び順と同数の記録順に存在する前後画像を特定して(S59)、束画像データ100から抜き出す(S60)。
【0135】
そして、このキー画像とともに前後画像をレポート閲覧端末5に送信し、レポート閲覧端末5でキー画像とともにその前後画像が表示される。
【0136】
図18は、画像順序情報132を含むリンクデータによってリンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作の変形例を示すフローチャートである。また、図19は、画像順序情報132を含むリンクデータを用いて複数枚の医用画像を抜き出す態様を示す模式図である。
【0137】
まず、画像抽出部308は、リンクデータがレポート閲覧端末5から送信されてくると、図19の(a)に示すように、送信枚数設定テーブルを参照してこのレポート閲覧端末5へ送信する前後画像の前後の枚数を確認する(S61)。
【0138】
前後の枚数を確認すると、画像抽出部308は、リンクデータからキー画像のStackIDとTindexIDを取り出し(S62)、確認された枚数までの各自然数をキー画像のTindexIDに加算及び減算して前後画像の画像順序情報132を特定し(S63)、図19の(b)に示すように、フレーム情報領域130から検索する(S64)。
【0139】
前後画像の画像順序情報132を検索すると、画像抽出部308は、図19の(c)に示すように、検索されたキー画像と前後画像の画像順序情報132のフレーム情報領域130内での並び順をカウントし(S65)、図19の(d)に示すように、カウントした並び順と同数の記録順に存在するキー画像と前後画像を特定して(S66)、束画像データ100から抜き出す(S67)。
【0140】
そして、このキー画像とともに前後画像をレポート閲覧端末5に送信し、レポート閲覧端末5でキー画像とともにその前後画像が表示される。
【0141】
尚、この変形例では、送信する前後画像の枚数をレポート閲覧端末5と関連づけてテーブル化したが、その他にもリンク先を要求したレポート閲覧端末5から、その端末のCPUやRAMやブロードバンドかナローバンドか等の構成を取得して、その端末の性能を演算し、演算結果をもとに送信枚数を決定するようにしてもよい。
【0142】
また、画像データベース306のレコードにファイル構造管理テーブルと同様の項目を含めるようにし、束画像データ100を解析することなく、画像データベース306を参照してキー画像の保管先や前後画像の保管先を特定し、その保管先から読み出すようにしてもよい。
【0143】
この場合、束画像データ登録部304は、束画像データ100を解析して、束画像データ100に記録されている医用画像データ111の画像保管部305上の記憶先を示すメモリアドレス番号と、医用画像データ111の画像順序情報132と、オフセット値とを束画像データ100のレコードに含めて記憶させておく。
【0144】
そして、画像抽出部308は、リンクデータに含まれるオフセット値と対になったメモリアドレス番号に対応する記憶先の医用画像データ111を画像保管部305から読み出すことで、リンク付けされた医用画像データ111を抜き出すことができる。また、リンクデータに含まれる画像順序情報132と対になったメモリアドレス番号に対応する記憶先の医用画像データ111を画像保管部305から読み出すことで、リンク付けされた医用画像データ111を抜き出すことができる。
【0145】
また、画像抽出部308は、画像データベース306上でリンクデータに含まれるオフセット値と対になった画像順序情報132を読み出し、又はリンクデータに含まれる画像順序情報132を用いて、この画像順序情報132と送信枚数設定テーブルとから前後画像の画像順序情報132を取得し、この取得した画像順序情報132と対になったメモリアドレス番号に対応する記憶先の医用画像データ111を画像保管部305から読み出すことで、リンク付けされた医用画像データ111とその前後の医用画像データ111を抜き出すことができる。
【0146】
(リンクデータ生成処理及び画像送信処理のさらなる変形例)
医用画像診断装置2で発生した束画像データ100は、画像管理サーバ3に登録された後にその内容が変更される場合もある。束画像データ100の内容が変更されてもそれ以前に生成されたリンクデータを用いてリンク付けした医用画像データが特定でき、レポート閲覧端末5に送信することができなければならない。以下、束画像データ100が変更されることを前提としたリンクデータの生成処理及びリンク付けされた医用画像データを特定してレポート閲覧端末5に送信する処理を説明する。
【0147】
図20は、束画像データ100が変更されることを前提としたレポート作成端末4の構成を示すブロック図である。
【0148】
このレポート作成端末4では、時計IC411をさらに備える。時計IC411は、現在時刻を計時する。リンク生成部409は、この時計IC411を利用してリンクデータに世代情報を含める。
【0149】
リンクデータに含められる世代情報は、束画像データ100のリンクデータ生成時点における世代を示す情報である。具体的には、この世代情報は、リンクデータ生成時点での日時である。リンク生成部409は、時計IC411からそのときの日時情報を取得し、リンクデータを生成するときに日時情報を世代情報としてリンクデータに含める。
【0150】
図21は、束画像データ100の変更が変更されることを前提とした場合の画像管理サーバ3の構成の変形例を示す図である。
【0151】
画像管理サーバ3は、通常画像データや束画像データ100のデータ内容変更処理及び変更履歴の管理処理をさらに行う。この画像管理サーバ3は、通常画像データや束画像データ100のデータ内容変更処理及び変更履歴の管理処理のために、データ変更部309を備える。データ変更部309は、コンピュータである画像管理サーバ3がオペレーティングシステムや画像管理プログラムを実行することで実現される。
【0152】
データ変更部309は、主にCPUを含み構成される。このデータ変更部309は、通常画像データや束画像データ100の内容を変更する。ネットワークNに接続された画像データを扱う端末から画像管理サーバ3に保管されている束画像データ100の内容を変更する通信データを受信すると、データ変更部309はその変更内容を反映する。通信データには、画像順序情報132等のフレーム情報領域130に記述された医用画像データ111の付帯情報が含まれている。
【0153】
データ変更部309は、通信データに含まれている付帯情報によって削除対象の医用画像データ111を特定し、画像保管部305から変更される通常画像データや束画像データ100を読み出して変更を加える。束画像データ100の変更は、例えば、束画像データ100に記録されている医用画像データ111のうちの一部の削除、又は医用画像データ111のグループ変更やグループ内の画像順の並び替えである。
【0154】
一部の医用画像データ111を削除する通信データを受信すると、データ変更部309は、束画像データ100から削除対象の医用画像データ111とフレーム情報領域130に記述された対応する付帯情報を削除する。即ち、削除対象の撮影位置情報131及び画像順序情報132等も削除する。
【0155】
さらにデータ変更部309は、削除した医用画像データ111と同一グループで、かつ削除した医用画像データ111の画像順以降に並ぶ他の医用画像データ111の束画像データ100内におけるグループ内順序情報134の値を繰り上げる。
【0156】
このデータ変更部309は、変更内容を画像データベース306に登録する変更履歴管理部310を備える。変更履歴管理部310は、変更履歴を画像データベース306に登録する。変更履歴は、変更前と変更後とを対にした変更内容を表す情報と、変更日時を表す世代情報である。
【0157】
例えば、あるグループのある順番の医用画像データ111が削除されれば、変更履歴管理部310は、その変更日時を表す世代情報を画像データベース306に書き加え、画像データベース306に登録されている各医用画像データ111のグループ内順序情報134を、変更前の順番と変更後の順番とを対にした情報に書き替える。
【0158】
変更履歴管理部310は、変更が加わる毎にこの変更履歴を登録する。例えばあるグループのある順番の医用画像データ111の削除が2度行われたとする。この場合、変更履歴管理部310は、その2度の削除に対する新たな2つの世代情報を束画像データ100を書き加える。さらに、その2度の削除に対応して、画像データベース306に登録されているグループ内順序情報134を、1回目の削除による変更前の順番と、1回目の削除により変化した順番と、2回目の削除により変化した順番とを対にした情報に書き替える。
【0159】
画像抽出部308は、リンクデータに含まれる画像特定情報が現在の束画像データ100内のどの医用画像データ111に相当するかを画像データベース306内の変更履歴を参照して特定し、その特定された医用画像データ111を抜き出す。
【0160】
尚、世代情報は、束画像データ100の世代を表す情報として、版、即ちバージョンを表す情報であってもよい。この場合、束画像データ登録部304は、束画像データ100を画像管理サーバ3に保管する際に、束画像データ100に最初の版であることを示す「1」等の世代情報を書き加える。または、医用画像診断装置2で束画像データ100を生成したときに、最初の世代情報を付帯させる。データ変更部309は、束画像データ100の内容を変更した際に、束画像データ100内の世代情報を新しいバージョンを表す値に変更する。変更履歴管理部310は、このバージョンを表す世代情報を変更履歴に書き加える。リンク生成部409は、束画像データ100に記述された世代情報をリンクデータに含める。
【0161】
(束画像データ100の変更を前提としたリンク付けされた画像の第1の送信処理)
図22は、束画像データ100の変更を吸収して、存在位置情報で構成されたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作を示すフローチャートである。
【0162】
まず、画像管理サーバ3がレポート閲覧端末5からリンクデータを含み、リンクされた医用画像データ111の取得を要求する通信データを受信すると(S71)、画像抽出部308は、リンクデータから束画像データ100の特定情報を取り出し、この特定情報と画像データベース306とを参照して束画像データ100を画像保管部305から特定する(S72)。
【0163】
次に、画像抽出部308は、リンクデータからオフセット値と世代情報を取り出し(S73)、また、特定された束画像データ100のレコードから変更履歴を読み出す(S74)。
【0164】
図23は、存在位置情報と世代情報を含めて作成されたリンクデータのデータ構成を示す一例である。例えば、2005年1月1日にリンクデータを生成すると、時計IC411により2005年1月1日が計時されて一時的に記憶される。そして、この束画像データ100のオフセット値が900Kbyteのところから始まる医用画像データ111についてのリンク付けが読影レポートになされると、リンク生成部409は、一時的に記憶している「20050101」を世代情報として及び「900」を存在位置情報として含めてリンクデータを生成する。この世代情報と存在位置情報とを含んだリンクデータは、リンクデータ埋込部410により読影レポートに埋め込まれる。
【0165】
図24は、画像データベース306に記録されている変更履歴を示す一例である。例えば、最初に2004年1月1日に束画像データ100のデータ列200K〜300Kbyteのところに相当する医用画像データ111がデータ変更部309により削除されると、画像データベース306には、この削除対象となった束画像データ100のレコードに、変更履歴として、「20040101」で表される世代情報と「200〜300削除」で表される変更内容が記録される。さらに、2006年1月1日にデータ列200K〜300Kbyteのところが削除され、2006年6月1日にデータ列1200K〜1300Kbyteのところが削除され、2007年1月1日にデータ列400K〜500Kbyteのところが削除されると、順次これら変更内容が記録される。
【0166】
画像抽出部308は、オフセット値と世代情報と変更履歴を読み出すと、リンクデータから読み出した世代情報と変更履歴に記述された世代情報とを比較する(S75)。リンクデータから読み出した世代情報が変更履歴に記述された世代情報よりも古い場合(S75,Yes)、変更履歴内のリンクデータから読み出した世代情報よりも新しい世代情報と対になった変更内容を参照して、リンクデータから読み出したオフセット値を、現在の束画像データ100におけるオフセット値に変換する(S76)。
【0167】
例えば、図23のリンクデータ、図24の変更履歴を例にとる。リンクデータの「20050101」で表される世代情報と変更履歴の「20040101」で表される世代情報とを比較すると、リンクデータの世代情報のほうが新しいため、オフセット値を変換しない。このリンクデータに含まれるオフセット値は、既に2005年1月1日の束画像データ100の変更を反映した値だからである。
【0168】
次に、リンクデータの「20050101」で表される世代情報と変更履歴の「20060101」で表される世代情報とを比較すると、リンクデータの世代情報のほうが古いため、リンクデータに含まれたオフセット値と変更内容とをさらに比較する。比較の結果、リンクデータに含まれたオフセット値が900Kで、削除されたデータ列が500K〜600Kであり、リンクデータに含まれたオフセット値のほうが削除されたデータ列よりも後にあるため、リンクデータから読み出したオフセット値をこの変更内容を反映した値に変更する。リンクデータに含まれたオフセット値が示す箇所は、2006年1月1日の変更によりオフセット値が繰り上がっているからである。画像抽出部308は、削除されたデータ列の大きさを算出し、この算出結果をリンクデータから読み出したオフセット値から減じる。これにより、リンクデータから読み出されたオフセット値は、「800K」に変換される。
【0169】
次に、リンクデータの「20050101」で表される世代情報と変更履歴の「20060601」で表される世代情報とを比較すると、リンクデータの世代情報のほうが古いため、リンクデータに含まれたオフセット値と変更内容とをさらに比較する。比較の結果、リンクデータに含まれたオフセット値を変換した値が800Kで、削除されたデータ列が1200K〜1300Kであり、リンクデータに含まれたオフセット値のほうが削除されたデータ列よりも前にあるため、リンクデータから読み出したオフセット値に対するさらなる変換は、行わない。
【0170】
次に、リンクデータの「20050101」で表される世代情報と変更履歴の「20070101」で表される世代情報とを比較すると、リンクデータの世代情報のほうが古いため、リンクデータに含まれたオフセット値と変更内容とをさらに比較する。比較の結果、リンクデータに含まれたオフセット値を変換した値が800Kで、削除されたデータ列が400K〜500Kであり、リンクデータに含まれたオフセット値のほうが削除されたデータ列よりも後にあるため、リンクデータから読み出したオフセット値をこの変更内容を反映した値に変更する。これにより、リンクデータから読み出されたオフセット値は、「700K」に変換される。
【0171】
この読み出されたオフセット値の変換処理を全ての変更履歴に対して順番に行う。尚、この変換処理は、リンクデータから読み出したオフセット値に対して施し、リンクデータに含まれているオフセット値の変換は行わない。
【0172】
この変換処理によって現在の束画像データ100におけるオフセット値を得ると、画像データベース306に記憶されているファイル構造管理テーブルを読み出し(S77)、変換して得たオフセット値を検索し(S78)、該当するオフセット値に対応して記憶されている保管先情報が示す画像保管部305上の記憶領域から医用画像データ111を読み出す(S79)。そして、この読み出された医用画像データ111は、束画像データ100に付帯する共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130とともにレポート閲覧端末5に送信され、画像送信処理が終了する。
【0173】
(束画像データ100の変更を前提としたリンク付けされた画像の第2の送信処理)
図25は、束画像データ100の変更を吸収して、画像順序情報132で構成されたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データ111をレポート閲覧端末5に送信する動作を示すフローチャートである。
【0174】
まず、画像管理サーバ3がレポート閲覧端末5からリンクデータを含んだリンクされた医用画像データ111の取得要求を受信すると(S81)、リンクデータから束画像データ100の特定情報を取り出し、この特定情報と画像データベース306とを参照して束画像データ100を画像保管部305から特定する(S82)。
【0175】
次に、画像抽出部308は、リンクデータからStackIDとTindexIDと世代情報を取り出し(S83)、また、特定された束画像データ100のレコードから変更履歴を読み出す(S84)。
【0176】
図26は、画像順序情報132と世代情報を含めて作成されたリンクデータのデータ構成を示す一例である。例えば、リンクデータを2006年1月1日に作成し、StackID:2及びTindexID:4の医用画像データ111についてのリンク付けが読影レポートになされると、リンク生成部409は、「20060101」を世代情報として及び「StackID=2&TindexID=4」を存在位置情報として含めてリンクデータを生成する。この世代情報と画像順序情報132とを含んだリンクデータは、リンクデータ埋込部410により読影レポートに埋め込まれる。
【0177】
図27は、画像データベース306に記録されている変更履歴を示すさらなる一例である。例えば、2007年1月1日に束画像データ100に含まれるStackID:2及びTindexID:3の医用画像データ111がデータ変更部309により削除されると、画像データベース306には、この削除対象となった束画像データ100のレコードに、変更履歴として、「20070101」で表される世代情報と、削除された医用画像データ111と同一グループで画像順が削除された医用画像データ111以降であった医用画像データのグループ情報133とグループ内順序情報134の変更前及び変更後が記録される。StackID:2及びTindexID:3の医用画像データ111が削除された場合、StackID:2及びTindexID:4の医用画像データ111がStackID:2及びTindexID:3となった旨、StackID:2及びTindexID:5の医用画像データ111がStackID:2及びTindexID:4となった旨、・・・が記録される。
【0178】
画像抽出部308は、リンクデータからStackID及びTindexIDと世代情報を読み出し、画像データベース306から変更履歴を読み出すと、リンクデータから読み出した世代情報と変更履歴に記述された世代情報とを比較する(S85)。リンクデータから読み出した世代情報が変更履歴に記述された世代情報よりも古い場合(S85,Yes)、変更履歴内のリンクデータから読み出した世代情報よりも新しい世代情報と対になった変更内容を参照して、リンクデータから読み出したStackID及びTindexIDを、現在の束画像データ100におけるStackID及びTindexIDに変換する(S86)。
【0179】
例えば、図27のリンクデータ、図28の変更履歴を例にとる。リンクデータの「20060101」で表される世代情報と変更履歴の「20070101」で表される世代情報とを比較すると、リンクデータの世代情報のほうが古いため、リンクデータに含まれたStackID及びTindexIDが変更内容に記述された変更前に存在するかを検索する。検索の結果、リンクデータに含まれるStackID:2及びTindexID:4が変更内容に記述された変更前の項目に見つかるため、リンクデータから読み出したStackID及びTindexIDをこの変更内容に記述された変更後の項目に変更する。これにより、リンクデータから読み出されたStackID及びTindexIDは、「StackID=2&TindexID=3」に変換される。
【0180】
この変換処理によって現在の束画像データ100におけるStackID及びTindexIDを得ると、画像抽出部308は、画像データベース306に記憶されている束画像データ100のファイル構造管理テーブルを読み出して(S87)、ファイル構造管理テーブルから新たに得たStackIDとTindexIDと同一の画像順序情報132を検索し(S88)、この画像順序情報132に対応して記憶されている保管先情報が示す画像保管部305上の記憶領域から医用画像データ111を読み出す(S89)。そして、この読み出された医用画像データ111は、束画像データ100に付帯する共通付帯情報領域120とフレーム情報領域130とともにレポート閲覧端末5に送信され、画像送信処理が終了する。
【0181】
このように、この医用画像管理システム1では、束画像データ100を特定する情報と、リンク付けする医用画像データ111の束画像データ100内での位置を示す存在位置情報をリンクデータに含めることによって、またリンク付けする医用画像データ111の束画像データ100内での画像順序を示す画像順序情報132と含めることによって、束画像データ内の1データ要素である医用画像データにリンクを設定することができ、かつ束画像データ内からリンク付けされたデータ列だけを抽出して閲覧することができる。
【0182】
従って、束画像データ全体をリンク付けする必要が無くなるため、読影レポートの閲覧において通信トラフィックが軽減される。また、送信されてきた束画像データから読影レポートで実際に引用された医用画像データを探す手間が省け、医療効率が向上する。
【0183】
また、リンクされた医用画像データ111を送信する際、そのリンクされた医用画像データ111と画像順序が前後する前後複数枚の医用画像データ111を共に送信するようにしてもよい。読影レポートにリンクされた医用画像データ111と同様にその前後の医用画像データ111も診断等において重要視されることが多い。そのため、従来、読影レポートを閲覧している者は、それら画像を画像管理サーバ3から別途取得する。又は従来、読影レポートの作成時にこれら画像もリンク付けしていた。この変形例では、このような作業を必要とせずに前後の医用画像データ111も閲覧できるため、診療効率や読影効率が向上する。
【0184】
また、リンクデータに束画像データ100受信時の世代情報を付し、束画像データ100の変更の履歴を記録しておき、リンクデータに含まれた世代情報と変更履歴とを比較対照して、リンクデータに含まれる医用画像データ111を特定する情報が現在の束画像データ100のどのデータに相当するのかを演算させるようにしてもよい。これによって、束画像データ100の内容が変更されてもそれ以前に作成された読影レポート内のリンクデータを用いて適正な医用画像データ111をリンクさせ続けることができ、リンク付けの実効性に富む。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】医用画像管理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】束画像データのデータ構成を示す図である。
【図3】レポート作成端末における束画像データを扱う詳細構成を示す図である。
【図4】レポート閲覧端末の詳細構成を示す図である。
【図5】束画像データを管理する画像管理サーバの詳細構成を示す図である。
【図6】存在位置情報を用いたリンク付け動作の第1の態様を示すフローチャートである。
【図7】束画像データの展開時に作成されるファイル構造管理テーブルの一例を示す模式図である。
【図8】存在位置情報を用いたリンクデータを示す模式図である。
【図9】画像順序情報を用いたリンク付け動作の第2の態様を示すフローチャートである。
【図10】画像順序情報を用いたリンクデータを示す模式図である。
【図11】存在位置情報を用いたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作を示すフローチャートである。
【図12】存在位置情報を用いたリンクデータに基づき、医用画像データを送信する態様を示す模式図である。
【図13】画像順序情報を用いたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作を示すフローチャートである。
【図14】画像順序情報を用いたリンクデータに基づき、医用画像データを送信する態様を示す模式図である。
【図15】送信枚数設定テーブルを示す模式図である。
【図16】存在位置情報を含むリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作の変形例を示すフローチャートである。
【図17】存在位置情報を含むリンクデータを用いて複数枚の医用画像を抜き出す態様を示す模式図である。
【図18】画像順序情報を含むリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作の変形例を示すフローチャートである。
【図19】画像順序情報を含むリンクデータを用いて複数枚の医用画像を抜き出す態様を示す模式図である。
【図20】束画像データが変更されることを前提としたレポート作成端末の構成を示すブロック図である。
【図21】束画像データの変更が変更されることを前提とした場合の画像管理サーバ3の構成の変形例を示す図である。
【図22】束画像データの変更を吸収して、存在位置情報で構成されたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作を示すフローチャートである。
【図23】存在位置情報と世代情報を含めて作成されたリンクデータのデータ構成を示す一例である。
【図24】画像データベースに記録されている変更履歴を示す一例である。
【図25】束画像データの変更を吸収して、画像順序情報で構成されたリンクデータに基づき、リンク付けされた医用画像データを送信する動作を示すフローチャートである。
【図26】画像順序情報と世代情報を含めて作成されたリンクデータのデータ構成を示す一例である。
【図27】画像データベースに記録されている変更履歴を示すさらなる一例である。
【符号の説明】
【0186】
1 医用画像管理システム
2 医用画像診断装置
3 画像管理サーバ
301 画像受信部
302 受信画像分析部
303 通常画像データ登録部
304 束画像データ登録部
305 画像保管部
306 画像データベース
307 画像送信部
308 画像抽出部
309 データ変更部
310 変更履歴管理部
4 レポート作成端末
4a レポート作成装置
4b 画像表示装置
401 操作部
402 レポート作成部
403 レポート表示制御部
404 レポート表示部
405 画像受信部
406 画像展開部
407 画像表示制御部
408 画像表示部
409 リンク生成部
410 リンクデータ埋込部
411 時計IC
5 レポート閲覧端末
501 レポート記憶部
502 表示制御部
503 表示部
504 操作部
505 リンク先要求部
506 画像受信部
100 束画像データ
110 画像情報領域
111 医用画像データ
112 データの大きさ情報
120 共通付帯情報領域
130 フレーム情報領域
131 撮影位置情報
132 画像順序情報
133 グループ情報
134 グループ内順序情報
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ファイルに複数の医用画像データを含む束画像データを保管する保管手段と、
読影レポートの作成画面を表示するレポート作成画面と前記束画像データに記録された複数枚の医用画像データのそれぞれとを表示する第1の表示装置と、
作成された前記読影レポートを表示する第2の表示装置と、
前記第1の表示装置でのリンク付け操作に応じて、リンク付けする医用画像データを前記束画像データ内で特定する画像特定情報を含むリンクデータを生成するリンクデータ生成手段と、
前記リンクデータ生成手段で生成された前記リンクデータを前記読影レポートに埋め込むリンクデータ埋め込み手段と、
前記第2の表示装置でのリンク付けされた医用画像の要求操作に応じて、前記リンクデータに基づき、前記束画像データ内の前記画像特定情報で特定される医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出す抽出手段と、
前記抽出手段で抜き出された医用画像データを前記第2の表示装置に表示させる表示制御手段と、
を備えること、
を特徴とする画像管理システム。
【請求項2】
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を前記リンクデータに含ませ、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報で表される位置に存在する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すこと、
を特徴とする請求項1記載の画像管理システム。
【請求項3】
前記リンクデータ生成手段は、
前記存在位置情報として、前記束画像データの先頭からのオフセット値を前記リンクデータに含ませ、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記オフセット値が表すデータから始まる前記医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項2記載の画像管理システム。
【請求項4】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報を前記リンクデータに含ませ、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すこと、
を特徴とする請求項1記載の画像管理システム。
【請求項5】
前記束画像データは、複数グループの医用画像データを含むとともに、前記画像順序情報として、それぞれの医用画像データが属するグループ情報とグループ内での画像順序を表すグループ内順序情報との対を含み、
前記リンクデータ生成手段は、
前記グループ情報と前記グループ内順序情報との対を前記リンクデータに含ませ、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記グループ情報と前記グループ内順序情報に対応する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すこと、
を特徴とする請求項4記載の画像管理システム。
【請求項6】
前記グループ情報と前記グループ内順序情報は、それぞれDICOMで規定されるStackIDとTindexIDであるか、又は、それぞれDICOMで規定されるTindexIDとStackIDであること、
を特徴とする請求項5記載の画像管理システム。
【請求項7】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
をさらに備え、
前記リンクデータ生成手段は、
前記リンクデータ生成時の前記世代情報を前記リンクデータにさらに含ませ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報が示していた現世代の束画像データ内での位置を特定する変更吸収手段を含み、
特定された位置に存在する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項2記載の画像管理システム。
【請求項8】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
をさらに備え、
前記リンクデータ生成手段は、
前記リンクデータ生成時の前記世代情報を前記リンクデータにさらに含ませ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する現世代の束画像データ内に記録されている画像順序情報を特定する変更吸収手段を含み、
特定された画像順序情報に対応する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項4記載の画像管理システム。
【請求項9】
前記世代情報は、日付又は日時情報であること、
を特徴とする請求項7又は8記載の画像管理システム。
【請求項10】
前記世代情報は、版情報であること、
を特徴とする請求項7又は8記載の画像管理システム。
【請求項11】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記抽出手段は、
前記画像特定情報で特定される医用画像データに加え、この特定された医用画像データに対応する前記画像順序情報が表す画像順序の前後所定枚数の医用画像データを、前記画像順序情報に基づきさらに抜き出し、
前記表示制御手段は、前記抽出手段でさらに抜き出された医用画像データを前記第2の表示装置にさらに表示させること、
を特徴とする請求項1記載の画像管理システム。
【請求項12】
前記第2の表示装置は、コンピュータを含む端末であり、
前記抽出手段は、
端末を識別する端末識別情報と前記所定枚数との対を記憶する送信枚数テーブルを含み、
リンク付けされた医用画像データを要求した端末を識別する前記端末識別情報と前記送信枚数テーブル上で対になった前記所定枚数分の医用画像データをさらに抜き出すこと、
を特徴とする請求項11記載の画像管理システム。
【請求項13】
1ファイルに複数の医用画像データが含まれる束画像データを前記複数の医用画像データに展開して表示するとともに、読影レポートのレポート作成画面を表示するレポート作成端末であって、
リンク付けする医用画像データを前記束画像データ内で特定する画像特定情報を含み、前記読影レポートに埋め込まれるリンクデータを生成するリンクデータ生成手段を備えること、
を特徴とするレポート作成端末。
【請求項14】
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を前記リンクデータに含ませること、
を特徴とする請求項13記載のレポート作成端末。
【請求項15】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報を前記リンクデータに含ませること、
を特徴とする請求項13記載のレポート作成端末。
【請求項16】
1ファイルに複数の医用画像データを含む束画像データを保管する保管手段を有し、読影レポートを表示する端末にこの読影レポートにリンク付けされた医用画像データを送信する医用画像管理サーバであって、
前記端末から、リンク付けされた医用画像データを前記束画像データ内で特定する画像特定情報を含んだリンクデータを受信する受信手段と、
前記リンクデータを受信すると、前記リンクデータに含まれる前記画像特定情報で特定される医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出す抽出手段と、
前記抽出手段で抜き出された医用画像データを前記端末に送信する送信手段と、
を備えること、
を特徴とする医用画像管理サーバ。
【請求項17】
前記リンクデータは、前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を含み、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報で表される位置に存在する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すこと、
を特徴とする請求項16記載の医用画像管理サーバ。
【請求項18】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報が前記リンクデータに含まれ、
前記抽出手段は、
前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出すこと、
を特徴とする請求項16記載の医用画像管理サーバ。
【請求項19】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
をさらに備え、
前記リンクデータには、前記リンクデータ生成時の前記世代情報がさらに含まれ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報が示していた現世代の束画像データ内での位置を特定する変更吸収手段を含み、
前記変更吸収手段で特定された位置に存在する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項16記載の医用画像管理サーバ。
【請求項20】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
をさらに備え、
前記リンクデータには、前記リンクデータ生成時の前記世代情報がさらに含まれ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する現世代の束画像データ内に記録されている画像順序情報を特定する変更吸収手段を含み、
特定された画像順序情報に対応する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項16記載の医用画像管理サーバ。
【請求項21】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記抽出手段は、
前記画像特定情報で特定される医用画像データに加え、この特定された医用画像データに対応する前記画像順序情報が表す画像順序の前後所定枚数の医用画像データを、前記画像順序情報に基づきさらに抜き出し、
前記送信手段は、
前記抽出手段でさらに抜き出された医用画像データを前記端末にさらに送信すること、
を特徴とする請求項16記載の医用画像管理サーバ。
【請求項22】
前記抽出手段は、
端末を識別する端末識別情報と前記所定枚数との対を記憶する送信枚数テーブルを含み、
リンク付けされた医用画像データを要求した端末を識別する前記端末識別情報と前記送信枚数テーブル上で対になった前記所定枚数分の医用画像データをさらに抜き出すこと、
を特徴とする請求項18記載の医用画像管理サーバ。
【請求項23】
1ファイルに複数の医用画像データを含む束画像データを前記複数の医用画像データに展開して表示するとともに、読影レポートのレポート作成画面を表示するコンピュータを、
リンク付けする医用画像データを前記束画像データ内で特定する画像特定情報を含み、前記読影レポートに埋め込まれるリンクデータを生成するリンクデータ生成手段と、
前記リンクデータ生成手段で生成された前記リンクデータを前記読影レポートに埋め込むリンクデータ埋め込み手段と、
して機能させること、
を特徴とするリンク設定プログラム。
【請求項24】
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を前記リンクデータに含ませること、
を特徴とする請求項23記載のリンク設定プログラム。
【請求項25】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記リンクデータ生成手段は、
前記画像特定情報として、リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報を前記リンクデータに含ませること、
を特徴とする請求項23記載のリンク設定プログラム。
【請求項26】
1ファイルに複数の医用画像データを含む束画像データを保管する保管手段を有し、読影レポートを表示する端末にこの読影レポートにリンク付けされた医用画像データを送信するコンピュータを、
前記端末から、リンク付けされた医用画像データの前記束画像データ内での存在位置を表す存在位置情報を含んだリンクデータを受信する受信手段と、
前記リンクデータを受信すると、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報で表される位置に存在する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出す抽出手段と、
前記抽出手段で抜き出された医用画像データを前記端末に送信する送信手段と、
して機能させること、
を特徴とする医用画像管理プログラム。
【請求項27】
1ファイルに複数の医用画像データと画像順序情報とを含む束画像データを保管する保管手段を有し、読影レポートを表示する端末にこの読影レポートにリンク付けされた医用画像データを送信するコンピュータを、
前記端末から、リンク付けする医用画像データの前記画像順序情報を含んだリンクデータを受信する受信手段と、
前記リンクデータを受信すると、前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する医用画像データを、前記保管手段に保管された前記束画像データから抜き出す抽出手段と、
前記抽出手段で抜き出された医用画像データを前記端末に送信する送信手段と、
して機能させること、
を特徴とする医用画像管理プログラム。
【請求項28】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
してさらに機能させ、
前記リンクデータには、前記リンクデータ生成時の前記世代情報がさらに含まれ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記存在位置情報が示していた現世代の束画像データ内での位置を特定する変更吸収手段を含み、
特定された位置に存在する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項26記載の医用画像管理プログラム。
【請求項29】
前記束画像データ内の前記医用画像データの記録順を変更し、又は前記束画像データから前記医用画像データの一部を削除する束画像データ変更手段と、
前記束画像データ変更手段による変更内容と変更による前記束画像データの世代情報とを含む変更履歴を記憶しておく変更履歴管理手段と、
してさらに機能させ、
前記リンクデータには、前記リンクデータ生成時の前記世代情報がさらに含まれ、
前記抽出手段は、
前記変更履歴管理手段に記憶された前記変更履歴と前記リンクデータに含まれた世代情報とに基づき、前記リンクデータに含まれる前記画像順序情報に対応する現世代の束画像データ内に記録されている画像順序情報を特定する変更吸収手段を含み、
特定された画像順序情報に対応する医用画像データを抜き出すこと、
を特徴とする請求項27記載の医用画像管理プログラム。
【請求項30】
前記束画像データは、前記医用画像データの画像順序情報を含み、
前記抽出手段は、
前記画像特定情報で特定される医用画像データに加え、この特定された医用画像データに対応する前記画像順序情報が表す画像順序の前後所定枚数の医用画像データを、前記画像順序情報に基づきさらに抜き出し、
前記送信手段は、
前記抽出手段でさらに抜き出された医用画像データを前記端末にさらに送信すること、
を特徴とする請求項26又は27記載の医用画像管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−257544(P2008−257544A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100155(P2007−100155)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】