説明

画像編集装置、写真シール作成装置、画像編集方法及び画像編集プログラム

【課題】
模様画像の模様をきれいに入力できる画像編集装置、写真シール作成装置、画像編集方法及び画像編集プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】
タッチペン20が、編集エリア202にタッチされた場合に、CPU103bはタッチペン20が指示するペン先領域Xの座標(x,y)を特定し、特定した座標における領域データ画像のRGB値を読み出す。そして、読み出したRGB値と同じRGB値である領域を、描画する領域Zとして特定し、特定した領域Zに対応する模様が描画されているか否かを判定する。特定した領域Zに対応する模様が描画されていなければ、特定した領域Zに相当する模様を全て描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像編集装置、写真シール作成装置、画像編集方法及び画像編集プログラムに関し、さらに詳しくは、模様画像の模様をきれいに入力できる画像編集装置、写真シール作成装置、画像編集方法及び画像編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタなどの遊戯施設には、利用者を被写体としてカメラで撮影し、その写真をシールシートに印刷して販売する写真シール作成装置が設置されている。これらの写真シール作成装置は、利用者を撮影して写真画像を取得する撮影装置と、撮影画像をタブレットディスプレイなどに表示し、付属のタッチペン20で文字や図形などを入力して画像を編集する画像編集装置とを備えたものが一般的になっている。画像編集装置で入力された文字や図形等の画像(編集画像)は写真画像と合成され、その合成画像がプリンタでシールシートに印刷され、利用者に提供される。
【0003】
このような写真シール作成装置では、仕上がった写真中の利用者の写り具合の良さだけでなく、文字や図形の入力等の画像編集機能の豊富さや簡便さも人気に影響する。利用者は、文字や図形の入力(いわゆる落書きやお絵描き)により、よりオリジナリティの高い画像を作成したいからである。
【0004】
たとえば、特開2002−185892号公報(特許文献1)には、画像に対する落書き処理を行う際に、落書き可能な範囲を制限する技術が開示されている。この技術によって、例えば背景画像の入力をする際に、被写体以外の部分のみに入力することができるため、容易に背景画像を入力することができる。
【特許文献1】特開2002−185892号公報
【0005】
また、簡単な操作で背景画像を入力するために、タッチペンで1度タッチするだけで、背景画像の全てを入力できるようにした画像編集装置を備えた写真シール作成装置もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、背景画像を入力している途中で、編集制限時間に達してしまうと、図16(A)が図示するように、背景画像に柄模様を含み、タッチペンの軌跡mによって形成されるペン先領域M上に背景画像を描画していく場合に、図16(B)が図示するように、背景(模様)画像250の柄模様が、中途半端に切れて入力されてしまうという問題があった(模様255c、255e、255h参照)。このように模様が中途半端に切れて入力されてしまうと見た目にも美しくなく、利用者は不満に思うという問題があった。
【0007】
また、タッチペンでタッチするだけで背景画像の全てを入力することができると、簡単に入力することができるものの、画像の一部だけに背景画像を入力したい場合などに、不必要な背景画像を消さなくてはならないなど、手間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、模様画像の模様をきれいに入力できる画像編集装置、写真シール作成装置、画像編集方法及び画像編集プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明の画像編集装置は、描画する模様画像を選択する選択手段と、前記模様画像を描画する位置を指定する指定手段と、前記選択手段で選択された模様画像中の模様を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された模様を描画する描画手段とを備える。
【0010】
上記発明によれば、模様画像中の模様を抽出して撮影画像上に描画するため、模様が途中で切れているなどの中途半端な状態で描画されることを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像編集装置において、前記模様画像の模様毎の領域情報を記憶する記憶手段を備え、前記抽出手段は、前記指定手段で指定した位置における領域情報を読出すことによって前記模様画像中の模様を抽出する。
【0012】
上記発明によれば、模様毎に領域情報に基づいて模様画像の模様を抽出し描画するため、切れ目のよい領域範囲で模様を描画することができる。このため、模様を美しく描画することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像編集装置において、前記模様画像の領域情報は、領域毎に施された色情報によって、複数の領域を画定する。
【0014】
上記色情報は例えばRGB値を用いることができる。RGB値なら約1658万通りの領域分割が可能であり、このような色情報を用いることによって、1つの画像を細かく領域分割することができ、多数の領域情報を持つことができる。このため、細かい模様の描画に対応することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明の写真シール作成装置は、被写体を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段で撮影した撮影画像に対して描画する模様画像を選択する選択手段と、前記撮影画像に対して模様画像を描画する位置を指定する指定手段と、前記指定手段で指定された位置に基づいて、前記選択手段で選択された模様画像中の模様を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された模様を描画する描画手段と前記模様画像と撮影画像とを合成する合成手段と、前記合成画像を出力する出力手段とを備える。
【0016】
請求項5に記載の発明の画像編集方法は、描画する模様画像を選択する選択ステップと、前記模様画像を描画する位置を指定する指定ステップと、前記指定ステップで指定された位置に基づいて、前記選択ステップで選択された模様画像中の模様を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出された模様を描画する描画ステップとを含む。
【0017】
請求項6に記載の発明の画像編集プログラムは、描画する模様画像を選択する選択ステップと、前記模様画像を描画する位置を指定する指定ステップと、前記指定ステップで指定された位置に基づいて、前記選択ステップで選択された模様画像中の模様を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出された模様を描画する描画ステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
上記発明によれば、模様画像中の模様を抽出して撮影画像上に描画するため、模様が途中で切れているなどの中途半端な状態で描画されることを防止することができる。
【0019】
また、任意の位置に模様画像250を切れ目なくきれいに描画できるため、ユーザのセンスに応じた自由度の高い編集を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
1.外観構成
図1は、本発明の実施の形態の写真シール作成装置1の斜視図、図2は、写真シール作成装置1の側面図、図3は、写真シール作成装置1の平面図、図4は、筐体3を背面側から見た斜視図である。
【0022】
図1〜図3に示すように、写真シール作成装置1は、被写体を撮影する撮影手段であるカメラ2を備えるとともに種々の処理および制御を行う機器を備える筐体3と、この筐体3におけるカメラ2と対向する位置に距離を置いて設けられている背景ユニット4と、筐体3と背景ユニット4の上部に左右一対の天井フレーム5が架設されて形成される撮影ブース6内に移動可能に設けられ、被写体である利用者7の撮影ポーズの形成を補助する撮影用椅子8とを備える。
【0023】
筐体3における利用者7に対向する側(以下、ユーザ側と記す)の面には、カメラ2のほか、カメラ2が現在撮影している画像をユーザ7に対してリアルタイムで表示し、撮影時の操作手順や選択肢を表示する撮影操作モニタ9と、撮影操作モニタ9に積層されユーザ7からの操作入力を受け付けるタッチパネル10と、撮影時に被写体を照明するストロボや蛍光灯を内部に備える照明装置11と、コインを投入するためのコイン投入口12と、撮影用椅子8の一部を収納するために凹状に形成された収納スペース13と、筐体3内に収容された各種機器のメンテナンス用のフロントドア14と、撮影操作時に音声案内やBGMを出力する撮影用スピーカ16(図5参照)とが設けられている。なお、照明装置13は上記以外に、被写体の側方及び後方にも設けられ、被写体をあらゆる方向から照明する。
【0024】
また、この筐体3のユーザ側とは反対側(以下、背面側と記す)の面には、図2〜図4に示すように、撮影ブース6において撮影した撮影画像や編集画像を表示する編集操作モニタ21と、編集操作モニタ21に積層され、付属のタッチペン20によりユーザ7からの編集画像の入力を受け付けるタッチパネル22と、編集入力操作時に音声案内やBGMを出力する編集用スピーカ26(図5参照)とが設けられている。上記タッチペン20、編集操作モニタ21、タッチパネル22、編集用スピーカ26は、画像編集装置25Aを形成する。なお、図中の23Aは、この筐体3の背面側が面する空間であってユーザ7が編集入力操作を行うスペースである編集ブース23Aである。
【0025】
さらに、図1〜図4に示すように、この筐体3の一方の側面部にはプリント取出口24が設けられ、このプリント取出口24からは、撮影画像と編集入力した画像とを合成した合成画像(編集画像を入力しなかった場合には撮影画像)が筐体3に収納されたプリンタ55によってシールシートなどの印刷媒体に印刷されたものが排出される。
【0026】
一方、図1〜図3に示すように、背景ユニット4におけるユーザ7に対向する側(以下、ユーザ側と記す)の上部には、撮影時にユーザ7の背景となる背景手段としての背景カーテン30を複数種類備えたカーテンユニット31が設けられている。それぞれの背景カーテン30は、カーテンユニット31内に巻き取られた状態で収納されており、カーテンユニット31は、ユーザ7から撮影操作モニタ9に積層されるタッチパネル10への操作を介して指定された背景カーテン30を、背景ユニット4の壁面に沿って垂下させる。
【0027】
また、背景ユニット4におけるユーザ側とは反対側(以下、背面側と記す)には、筐体3と同様、撮影ブース6において撮影した撮影画像や編集画像を表示する編集操作モニタ21と、編集操作モニタ21に積層され、付属のタッチペン20によりユーザ7からの編集画像の入力を受け付けるタッチパネル22と、編集入力操作時に音声案内やBGMを出力する編集用スピーカ26(図5参照)とが設けられている。上記タッチペン20、編集操作モニタ21、タッチパネル22、編集用スピーカ26は、画像編集装置25Bを形成する。なお、図中の23Bは、この背景ユニット4の背面側が面する空間であってユーザ7が編集入力操作を行うスペースである編集ブース23Bである。
【0028】
上記の撮影ブース6および編集ブース23A、23B(これらをまとめて編集ブース23という)の周囲には、ユーザ7がそれぞれのブースにおいて操作処理を行う際に、他の利用者から画像等の内容が見えないようにするための周囲カーテンが設けられているが、図面の煩雑化を避けるため、図示は省略している。
【0029】
この写真シール作成装置1を利用する場合、まず利用者はコイン投入口12にコインを投入する。コインを受け付けると、写真シール作成装置1は利用可能な状態にあればその旨を案内する。利用者はその案内に従って、開放されている側面から撮影ブース6に入り、筐体3のユーザ側に向かって撮影操作を行う。撮影終了後、ユーザ7は指定されたいずれかの編集ブース23に移動し、今度は編集操作モニタ21に向かって背景画像、フレーム、スタンプ、線書きなどの編集画像の入力等を行う。
【0030】
2.機能構成
図5を参照して、写真シール作成装置1は、撮影処理を実行する撮影用コンピュータ装置101aと、編集処理を実行する編集用コンピュータ装置101bと、動作中のコンピュータ装置101a,101bからの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102とを備える。撮影用コンピュータ装置101aと編集用コンピュータ装置101bとは互いに接続され、画像データなどの授受をピアツーピアで行う。これらは写真シール作成装置1の制御手段として機能する。
【0031】
コンピュータ装置101a,101bは、CPU(Central Processing
Unit)103a,103bと、本装置に所定の処理を実行させるためのプログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、入力された編集画像を記憶する記憶手段であるHDD(Hard
Disk Drive)104a,104b、プログラムの一時的な作業領域となるメモリ105a,105bとを含む。
【0032】
撮影用コンピュータ装置101aは、撮影ブース6での撮影処理を実行する。具体的には、撮影処理のプログラムの実行や、利用者の指等のタッチによりタッチパネル10で受け付けた入力操作にしたがった指示信号に基づいて、制御基板102に対して制御信号を送信する。また、撮影用コンピュータ装置101aは、カメラ2、撮影操作モニタ9、制御基板102と接続されそれらを制御する。
【0033】
編集用コンピュータ装置101bは、編集ブース23での編集処理及び印刷処理を実行する。具体的には、編集用コンピュータ装置101bは、編集プログラム及び印刷プログラムを実行し、タッチパネル22に対するタッチペン20による入力操作に応じて制御信号を制御基板102に送信する。編集用コンピュータ装置101bは、プリンタ55、編集操作モニタ21、制御基板102に接続され、それらを制御する。
【0034】
画像編集用コンピュータ装置101b内のHDD104bは、画像編集プログラムを記憶する。HDD104bはさらに、編集画像を記憶する。また、後に説明するように編集画像を入力するためのマスク画像や領域データ画像などを記憶する。
【0035】
プリンタ55は、写真画像と編集画像の合成画像をシール紙等の印刷媒体に印刷する。この実施の形態のプリンタ55は画像をシール紙に印刷するが、印刷媒体はシール紙に限定されることなく、他の印刷媒体でもよい。
【0036】
タッチパネル10は、撮影操作モニタ9の上に積層されている。タッチパネル10は、利用者の指等の接触を検知し、それに応じた指示信号を撮影用コンピュータ装置101aに送信する。撮影操作モニタ9は、撮影用コンピュータ装置101aから送信された画像、具体的には、カメラ2で撮像された写真画像、撮影のための案内、選択肢など表示する。
【0037】
タッチパネル22は、編集操作モニタ21の上に積層されている。タッチパネル22は、左右のタッチペン20の接触を検知し、それに応じた指示信号を画像編集用コンピュータ装置101bに送信する。編集操作モニタ21は、編集用コンピュータ装置101bから送信された画像、具体的には、画像編集処理の最中には描画された編集画像を写真画像上に重ねて表示する。
【0038】
制御基板102は、コンピュータ装置101a,101bの他に、ストロボ制御部110、ストロボ17、蛍光灯18、背景制御部111、コイン制御部112、サービスパネル113、印刷中LED52、印刷エラーLED53、に接続される。
【0039】
ストロボ制御部110はカメラ2に接続され、カメラ2のシャッタタイミングに応じて発光するようにストロボ17を制御する。
【0040】
背景制御部111は制御基板102を介して撮影用コンピュータ装置101aに接続される。撮影用コンピュータ装置101aの指示信号に基づいて、背景制御部111は、カーテンユニット31の必要な背景カーテン30を巻取り、あるいは繰り出しを行うよう制御する。
【0041】
撮影用スピーカ16は、撮影空間2に配備され、撮影用コンピュータ装置101aから制御基板102を介して与えられる指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。編集用スピーカ26は、編集ブース23に配備され、編集用コンピュータ装置101bから制御基板102を介して与えられる指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0042】
なお、画像編集装置25は、上記構成のうち、編集用コンピュータ装置101bと、タッチペン20と、編集操作モニタ21と、タッチパネル22とを備える。
【0043】
3.動作
上述した写真シール作成装置1の動作は次のとおりである。
【0044】
3−1.撮影空間での動作(撮影処理)
まず、撮影ブース6での写真シール作成装置1の動作を説明する。撮影用コンピュータ装置101aのCPU103aはHDD104aに記憶されたコンピュータプログラムをメモリ105aに読出して実行することにより、この撮影処理を実現する。
【0045】
図6のフローチャートを参照して、CPU103aは、写真シール作成装置1の利用を促すタイトルデモ画面を撮影操作モニタ9に表示し(S11)、その間にコイン制御部112において対価であるコインの投入を監視する(S12)。タイトルデモ画面の表示中に所定枚数のコインが投入されると(S12でYES)、CPU103aは所定の撮影を実行する(S13)。
【0046】
利用者は、撮影操作モニタ9に表示される案内に従って複数回の撮影を行う。CPU103aは、撮影回数が所定回数に達したか否かを判定する(S14)。所定回数撮影していない場合(S14でNO)、CPU103aはステップS13に戻って撮影を繰り返す。一方、所定回数撮影した場合(S14でYES)、CPU103aは、撮影で得られた複数の撮影画像のデータを編集用コンピュータ装置101bに転送する(S15)。CPU103aは編集ブース23で編集するよう促す案内を撮影操作モニタ9に表示した後、ステップS11に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
【0047】
ここでは撮影回数を制限しているが、撮影時間を制限するようにしてもよい。また、所定回数撮影した後にまだ所定の撮影制限時間が余っている場合や、編集ブース22で前の利用者がまだ落書きをしている場合は、それらが終了するまで撮影プレイを行えるようにしてもよい。
【0048】
3−2.編集空間での動作(編集処理及び印刷処理)
次に、編集ブース22での写真シール作成装置1の動作を説明する。編集用コンピュータ装置101bのCPU103bはHDD104bに記憶された編集プログラム及び印刷プログラムをメモリ105bに読出して実行することにより、編集処理及び印刷処理を実現する。
【0049】
図7のフローチャートを参照して、CPU103bは、撮影プレイから始めるよう促す待機画面を編集操作モニタ21に表示する(S21)。図6に示した撮影処理が終了すると、撮影用コンピュータ装置101aから編集用コンピュータ装置101bに撮影画像のデータが転送されて来るので、CPU103bはこれを受け付ける(S22)。そして、CPU103bは、図8が図示する編集画面を表示して、(S23)、編集タイマによって編集モード選択制限時間の計時(カウント)を開始する(S24)。そして、編集入力処理を実行する(S25)。
【0050】
編集入力処理では、撮影ブース6において撮影された撮影画像を編集操作モニタ21に表示し、タッチパネル22においてタッチペン20による模様画像やスタンプ画像などの編集画像の描画を受け付ける。編集入力処理の詳細は後述する。
【0051】
編集入力処理が終了すると(S26でYES)、撮影画像と、編集入力処理において入力した編集画像とを合成した合成画像が、編集操作モニタ21に並べて表示される(S27)。利用者はモニタに表示された合成画像から、印刷したい画像を選択する。CPU103bは、利用者の選択に基づいて、印刷すべき画像を確定する(S28)。
【0052】
印刷すべき画像を確定後、CPU103bは、利用者の操作に応じて印刷レイアウトを選択し(S29)、選択された印刷レイアウトを適用し、画像をプリンタ55で印刷する(S30)。画像を印刷したシール紙は、プリント取出口24から利用者に提供される。
【0053】
4.編集入力処理
4−1.編集入力処理概要
【0054】
図8は、編集画面の具体例を示す図である。編集操作モニタ21に表示される編集画面は領域Lと領域Rとにわかれている。領域Lは、タッチペン20Lによる操作入力を受け付け、領域Rは、タッチペン20Rによる操作入力を受け付ける。このように、編集操作モニタ21に積層されるタッチパネル22は、利用者の操作入力(タッチペン20によるタッチ)を受け付ける入力受付領域(領域Lと領域R)を複数有する。利用者は、それぞれの領域側にあるタッチペン20を使用して同時に編集や各種の選択を可能にしている。写真プリント提供装置は複数人で使用されることが多いため、複数人が同時に編集可能な構成になっている。
【0055】
編集画面は、画像編集処理が可能な残り時間を表示するためのタイマ200、撮影処理により撮影された複数の撮影画像を表示して、編集を行う撮影画像を選択するための画像選択エリア201、画像選択エリア201から選択された撮影画像を拡大表示して、背景画像、ペン画像、スタンプ画像などの編集画像を描画して編集を行うための編集エリア202、編集用の複数の編集機能を選択するための編集ツール203、各編集ツール203に対応したテンプレート204を表示するテンプレート表示エリア205、画像編集処理を終了させるためのおしまいボタン212などで主に構成されている。また、各編集ツールの各テンプレート204は、それぞれ複数のカテゴリに分類されており、タブ221によってわけられている。すなわち、タブ221はカテゴリ別に分類されており、テンプレート表示エリア205には同一カテゴリに属するテンプレート204が表示される。
【0056】
また、編集画像を描画する際の機能ツールとして、現在選択中の撮影画像に対する画像編集をはじめからやり直すためのはじめからボタン206、入力された編集画像を消去するためのけしゴムボタン207、直前の編集画像の入力を取り消すためのひとつもどるボタン209、ひとつもどるボタン209で入力を取り消した場合に、もう一度取り消した状態を復活させるためのすすむボタン210、ペン画像の太さやスタンプ画像の大きさの調整を行うサイズボタン211などが配置される。これらの機能ツールは、編集ツール203の選択状態に応じて、選択されている編集ツール203や編集状態に対応した機能を実現する。
【0057】
4−2.編集入力処理
図9を用いて編集入力処理の動作を説明する。編集入力処理では、編集ツール203のうちいずれかのツールが選択されたかを判定する(S51)。編集ツール203のいずれかが選択されていれば、選択されている編集ツール203に応じた入力処理を行う(S52)。例えば、ステップS51で「スタンプ」ツールが選択された場合はスタンプ入力処理を実行し、ステップS52で「模様」ツールが選択された場合は模様画像入力処理を実行する。模様画像入力処理は本発明の特徴であるため次に詳細を説明する。
【0058】
5.模様画像入力処理
5−1.模様画像入力処理概要
【0059】
本実施の形態において、模様画像250は1つ以上の模様255を含む画像である。模様画像250は図10(A)が図示するように被写体の後景として入力されるものであってもよいし、図10(B)が図示するように被写体の前景として入力されるものであってもよい。
【0060】
模様255は、図11(A)が図示するような星型やあるいはハート型や丸型などの形状を有する柄である。もちろん、単一形状の組み合わせでなくてもよく、図12(A)が図示するような星型やハート型や丸型など複数の模様の組み合わせであってもよい。本実施の形態における模様画像入力処理では、模様画像250を図16(B)が図示するような中途半端に切れた入力状態で終了することなく、図15が図示するように模様が切れることなく美しく入力できるようになっている。
【0061】
利用者は複数の模様画像250の中から所望の色、模様、柄が施されたものを選択し、タッチペン20で塗りつぶすように入力していく。図15が図示するように、模様画像250はタッチペン20の軌跡mと、サイズボタン211で選択されたサイズ(太さ)によって形成されるペン先領域Mに基づいて描画される。ペン先領域Mは、軌跡mを中心として描画される円の内部を含む。前述の円の半径は、サイズボタン211で選択されたサイズ(太さ)に対応する。このようにタッチペン20は模様画像を描画する位置を指定する指定手段としての機能を有する。
【0062】
本実施形態における模様画像250は、編集操作モニタ21上に表示され、実際に描画される模様画像250(図11(A))と、模様画像の模様255の輪郭を美しく描画するためのマスク画像251(図11(B))と、模様画像の模様毎にRGB値を異なるようにすることによって模様画像250の領域を分割した領域データ画像252(図11(C))とを有している。
【0063】
領域データ画像252は、図11(C)が図示するように、領域A:RGB値=(0,0,1)と領域B:RGB値=(0,0,5)と領域C:RGB値=(0,0,10)と領域D:RGB値=(0,0,15)と領域E:RGB値=(0,0,20)と領域F:RGB値=(0,0,25)と領域G:RGB値=(0,0,30)と領域H:RGB値=(0,0,35)と領域I:RGB値=(0,0,40)と領域J:RGB値=(0,0,45)とを含んで構成されており、RGB値などの色情報で区分される各領域は模様画像250の1つ1つの模様255に対応している。
【0064】
なお、図11の模様画像250のように領域同士が隣接していない場合、各々の領域のRGB値は同じ値を用いてもよい。この場合、タッチペンが指定した位置に所定のRGB値を検知した場合、同じRGB値を有する隣接した画素群のみを模様255の範囲として抽出してもよい。
【0065】
また、領域は、1つの領域に対して1つの模様に対応するという形態でなくともよい。図12を参照して、模様画像252(図12(A))の複数の模様に対応する領域データ画像252(図12(B))の領域区分(領域情報)のように、1つの領域中に複数の模様255を含んでもよい。すなわち、模様255が切れた場合に不自然にならないような領域毎であればよい。
【0066】
また、上述のような領域データ画像252の領域区分(領域情報)は、図11が図示するように、1つの模様画像250に対応する領域データ画像252の一部の領域に保持していてもよいし、図12が図示するように、1つの模様画像250に対応する領域データ画像252の全領域に保持していてもよい。
【0067】
そして、タッチペン20で各領域のうちいずれかの領域の一部がタッチされると、領域データ画像252を参照し、タッチされた位置のRGB値と同じRGB値を持つ領域が特定されて、同じ領域の全ての模様255が描画されるようになっている。
【0068】
なお、ここでは、RGB値を使用して領域を区分しているが、CMYKカラーなどその他の色情報を用いてもよい。また領域を区分できるのであれば、色情報に限定するもではなく領域毎に数値を割振ることによって領域を区分してもよい。すなわち、模様画像250中の模様255を抽出できればよい。
【0069】
次に、編集ツール203のうち「模様」ツールを選択したときの模様画像入力処理について図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0070】
5−2.模様画像入力処理
「模様」ツールが選択された状態では、デフォルトのテンプレート204(ここでは、模様画像250のテンプレート)が選択されている。まずCPU103bは、他のテンプレート204(模様画像)のうちいずれかがタッチされることにより、模様画像250が選択されたか否かを監視する(S61)。
【0071】
他のテンプレート204がタッチされることにより、模様画像250が選択された場合(S61でYES)、CPU103bは選択された模様画像250の画像データを読出してセットし(S62)、ステップS63へ進む。テンプレート204のうちいずれかが選択されない場合(S61でNO)、ステップS63へ進む。
【0072】
ついで、CPU103bは、タッチペン20が編集エリア202にタッチされたか否かを監視する(S63)。タッチペン20が編集エリア202にタッチされていない場合は(S63でNO)、ステップS61に戻り、模様画像250が選択されたかを判定する。
【0073】
タッチペン20が、編集エリア202にタッチされた場合は(S63でYES)、図14(A)が図示するように、CPU103bはタッチペン20が指定するペン先Xの座標(x,y)を特定し、現在選択中のサイズに基づいてペン先領域Mを特定する(S64)。そして、CPU103bは、図14(B)が図示するように特定したペン先領域Mにおける、領域データ画像252のRGB値を読み出す(S65)。
【0074】
そして、図14(C)が図示するように、CPU103bは読み出したRGB値と同じRGB値である領域Cを、描画する領域Zとして特定することによって(S66)、特定された領域Z(ここでは領域Cが領域Zとして特定されている)に対応する模様画像250の模様255を抽出する。そして、CPU103bは、抽出された模様255が既に描画されているか否かを判定する(S67)。
【0075】
特定された領域Zに対応する模様画像250の模様255が描画されていたら(S67でYES)、ステップS69へ進む。特定した領域Zに対応する模様画像250の模様255が描画されていなければ(S67でNO)、図14(D)が図示するように、ステップS66で特定した領域Zに相当する、抽出された模様画像250の模様255を全て描画する(S68)。
【0076】
ついで、CPU103bはタッチペン20が移動したか否かを判定する(S69)。タッチペン20が移動した場合は(S69でYES)、ステップS64へ戻り、再度ペン先の座標Xが描く軌跡mに基づくペン先領域Mを画定して模様画像250の描画を行う。
【0077】
タッチペン20が移動していない場合は(S69でNO)、タッチペン20が編集エリア202から離れたか否かを判定する(S70)。タッチペン20が編集エリア202から離れた場合は(S70でNO)、ステップS61に戻り、模様画像250が選択されたかを監視する。
【0078】
タッチペン20が編集エリア202から離れていない場合は(S70でNO)、ステップS69へ戻り、再びタッチペン20が移動したか否かと、タッチペン20が編集エリア202から離れたか否かを判定する。
【0079】
上記のように模様画像250を描画していくことによって、図15が図示するように、模様画像250の描画途中で、編集制限時間に達して編集入力処理が終了してしまったとしても、模様画像250の模様255は、中途半端に切れた不自然な状態で描画されることがない。このため見た目に違和感がなく美しい画像を利用者に提供できる。
【0080】
また、任意の位置に模様画像250を切れ目なくきれいに描画できるため、ユーザのセンスに応じた自由度の高い編集を行うことができる。
【0081】
以上、画像編集装置を備えた写真シール作成装置1を示したが、本発明による画像編集装置は、写真撮影機能を有さず、編集処理のみ実行できる画像編集装置であってもよいし、編集画像プログラムをインストールした汎用のコンピュータであってもよい。
【0082】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するため
の例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣
旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態による画像編集装置を備えた写真シール作成装置の外部構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した写真シール作成装置の外観構成を側面からみた図である。
【図3】図1及び図2に示した写真シール作成装置の外部構成を上から見た図である。
【図4】図1〜図3に示した写真シール作成装置における画像編集装置の斜視図である。
【図5】図1〜図4に示した写真シール作成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】写真シール作成装置の撮影処理の動作を示すフロー図である。
【図7】写真シール作成装置の編集処理及び印刷処理の動作を示すフロー図である。
【図8】編集画面の具体例を示す図である。
【図9】図7に示した編集処理のうち、編集入力処理の動作を示すフロー図である。
【図10】(A)模様画像を被写体の後景としている画像の具体例を示す図である。(B)模様画像を被写体の前景としている画像の具体例を示す図である。
【図11】(A)模様画像の具体例を示す図である。(B)模様画像のマスク画像の具体例を示す図である。(C)模様画像の領域データ画像の具体例を示す図である。
【図12】(A)模様画像の他の具体例を示す図である。(B)模様画像の領域データ画像の他の具体例を示す図である。
【図13】模様画像入力処理の動作を示すフロー図である。
【図14】(A)図13のステップS64でペン先領域を特定している具体例を示す図である。(B)図13のステップS65で領域データ画像に基づいて特定したペン先領域のRGB値を読み出している具体例を示す図である。(C)図13のステップS66で読出したRGB値と同じRGB値の領域を特定している具体例を示す図である。(D)図13のステップS68で特定された領域データに対応する領域の模様画像を全て描画した具体例を示す図である。
【図15】本発明を適用して模様画像を入力した画像の具体例を示す図である。
【図16】従来の方法で模様画像を入力した画像の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 写真シール作成装置、 20 タッチペン、 21 編集操作モニタ、 22 タッチパネル、25 画像編集装置、101 コンピュータ装置、250 模様画像、251 マスク画像、252 領域データ画像、255 模様


【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画する模様画像を選択する選択手段と、
前記模様画像を描画する位置を指定する指定手段と、
前記指定手段で指定された位置に基づいて、前記選択手段で選択された模様画像中の模様を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された模様を描画する描画手段とを備える画像編集装置。
【請求項2】
前記模様画像の模様毎の領域情報を記憶する記憶手段を備え、
前記抽出手段は、前記指定手段で指定した位置における領域情報を前記記憶手段から読出すことによって前記模様画像中の模様を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
前記領域情報は、領域毎に施された色情報によって、複数の領域を画定していることを特徴とする請求項2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
被写体を撮影するための撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した撮影画像に対して描画する模様画像を選択する選択手段と、
前記撮影画像に対して模様画像を描画する位置を指定する指定手段と、
前記指定手段で指定された位置に基づいて、前記選択手段で選択された模様画像中の模様を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された模様を描画する描画手段と、
前記模様画像と撮影画像とを合成する合成手段と、
前記合成画像を出力する出力手段とを備える写真シール作成装置。
【請求項5】
描画する模様画像を選択する選択ステップと、
前記模様画像を描画する位置を指定する指定ステップと
前記指定ステップで指定された位置に基づいて、前記選択ステップで選択された模様画像中の模様を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された模様を描画する描画ステップとを含む画像編集方法。
【請求項6】
描画する模様画像を選択する選択ステップと、
前記模様画像を描画する位置を指定する指定ステップと、
前記指定ステップで指定された位置に基づいて、前記選択ステップで選択された模様画像中の模様を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された模様を描画する描画ステップとを含む画像編集プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−60325(P2007−60325A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243545(P2005−243545)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】