説明

画像編集装置、文書管理装置、及びプログラム並びに記憶媒体

【課題】原稿画像に対して1つのテンプレートを適用して画像編集する。
【解決手段】文書管理装置10は、文書管理I/F提供部1、処理制御部2、データアクセス部3、文書管理エンジン4、文書管理DB5からなる文書管理部と、画像編集I/F提供部6、画像データ展開部7、テンプレート作成部8を含む画像編集部を有する。画像編集時、文書管理部により編集しようとする原稿画像を表示部に表示する。原稿画像上で図形オブジェクトを描画し編集領域(マスキングオブジェクト)を作成し、編集領域のプロパティ情報を入力する。処理制御部2は、編集領域の位置情報及びプロパティ情報を取得し、テンプレート作成部8に渡す。該作成部8は、全編集領域群を1つのテンプレートデータとして作成し、文書管理DB5に保存する。このデータを読み出し原稿画像データの拡張ヘッダ部に挿入し原稿画像を編集する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿画像上で画像領域を特定し、該画像領域の原稿画像を指示された表示形態に書き換える画像編集装置、該画像編集装置を備えた文書管理装置、及びプログラム並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文書画像を読取り、読み取られた画像情報にマスク処理を行って、必要個所のみが印刷されるように編集する画像編集装置が開発されている。
【0003】
この画像編集装置は、スキャナ等の画像入力部、入力画像を記憶するイメージメモリ、イメージメモリの画像データをページ単位で記憶するページメモリ、入力画像をページ単位で表示可能な表示部、画像編集用マスクの様式を記憶するHDD装置、RAM、CPU、マウス等による操作部を備えている。
【0004】
前記画像編集装置で画像編集を行うときの動作は、概ね、次のようなものである。ユーザーは、1)スキャナで読み取られた原稿画像の1ページ分を、コマンド情報等の付属情報と共に画像編集装置の表示部に表示させ、2)HDD装置から原稿画像に対してマスク処理を行うフォーム(様式)を読み出して原稿画像に重ねる。3)CPUは、この様式の位置データをRAMに展開する。4)ユーザーは、表示画面上でフォーム中の印刷出力したい部分、及びその部分中で印刷出力を行わない部分を指定する。5)CPUは、印刷しない部分の位置データをRAMから読み出し、印刷しない部分の位置決めを行う。そして原稿画像上に印刷しない部分が反転された原稿画像を表示させる。6)ユーザーは、この原稿画像を見て印刷しないように指示した部分の位置が、原稿画像上でずれていないか確認する。ずれている場合、マウス等で位置ずれを直す。7)CPUは、位置ずれが修正された原稿画像とその印刷をしない部分が重畳された画面を表示させる。8)ユーザーは、この画面を確認して印刷を指示する(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特許第2661031号明細書(3頁5欄31行〜50行、及び同頁6欄1行〜50行、4頁7欄1行〜25行、図4)
【0006】
上述の画像編集装置によれば、1件1件の原稿(文書)画像に対してユーザーが印刷出力を希望しない個所を手動で調整してマスクするので、その個所が確実に印刷されない印刷物を入手することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユーザーは、原稿画像の画像編集を行うとき、原稿画像毎に印刷を行わない部分の指定及びその部分の位置ずれの確認、調整をする方式を採っているので、編集部分の指定及びその位置調整等の前処理を原稿画像毎に行うと多大な手間、時間がかかっていた。そのとき、印刷を行わない部分が1件の原稿中で多数個所になると、前処理の手間、時間は一層余計にかかっていた。また原稿画像の構成形式が異なるとき、新たにその形式の原稿画像に合わせた前処理を行わなければならず、構成形式の種類が多数になると、ユーザーは各形式に合わせた前処理に慣れるのに時間がかかり、画像編集作業は容易でなかった。
【0008】
そこで本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、原稿画像毎に画像編集のための前処理を行わないようにすることであり、第2の目的は、原稿の構成形式が異なる原稿画像の場合であってもユーザーが容易に画像編集処理を行えるようにすることである。また第3の目的は、原稿画像の画像編集を自動的に行うようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿画像上で指示された画像領域内の原稿画像を、指示された表示形態に編集する画像編集装置において、画像領域の位置情報及び表示形態を示す特性情報を取得する手段と、位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段と、作成された編集情報を保存する手段と、編集情報に基いて原稿画像を編集する手段と、を備えたことを特徴とする画像編集装置である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像編集装置において、前記位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段は、異なる表示形式の原稿画像毎に編集情報を作成することを特徴とする画像編集装置である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の画像編集装置において、前記編集情報を読み出す手段と、編集情報に基いて複数の原稿画像を順次編集する手段と、全ての原稿画像の編集が終了したか否かを判断する手段と、全ての原稿画像の編集が終了したとき、原稿画像の編集を終了する手段と、を備えたことを特徴とする画像編集装置である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像編集装置を備えた文書管理装置である。
【0013】
請求項5の発明は、文書管理装置のコンピュータを、画像領域の位置情報及び表示形態を示す特性情報を取得する手段、位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段、作成された編集情報を保存させる手段、編集情報に基いて原稿画像を編集する手段、として機能させるためのプログラム。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記憶媒体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
はじめに、本発明の実施形態に係る文書管理装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る文書管理装置のブロック構成図である。図1において、文書管理装置10は、不図示の液晶型の表示部及びキーボード又はマウスによる操作部を有し、文書管理部及び画像編集部から構成される。図1の点線囲み部分は、画像編集部を示す。
【0016】
文書管理ユーザーインターフェース提供部1は、ユーザーがキー操作又はマウス操作により原稿画像の登録、検索要求を行ったとき、この要求を処理制御部2に伝える。
【0017】
処理制御部2は、CPU、ROM、RAMを有し、文書管理ユーザーインターフェース提供部1又は後述する画像編集ユーザーインターフェース6を介してユーザーの要求を判断し、下位モジュールに要求を伝え、その要求に対して得られた結果を文書管理インターフェース提供部1又は画像編集インターフェース6介し表示部(ユーザー)に返す。
【0018】
データアクセス部3は、処理制御部2からの原稿画像の検索要求を文書管理エンジン4に伝え、該文書管理エンジン4からの応答を処理制御部2に返す。
【0019】
文書管理エンジン4は、データアクセス部3から検索要求された原稿画像データを文書管理データベース5にアクセスし取得する。そして取得した原稿画像データをデータアクセス部3に返す。
【0020】
文書管理データベース5は、HDD装置型の記憶装置であり、基本的には階層構造によるファイルシステムにより各階層のファイルに所定の原稿画像データ30をTIFF形式で保存する。また後述するマスキングオブジェクトテンプレートデータ20及びテンプレート管理データ40を保存する。
【0021】
画像編集ユーザーインターフェース提供部6は、ユーザーがキー(又はマウス)操作により、原稿画像データの編集、表示要求を行ったとき、この要求を処理制御部2に伝え、また編集された原稿画像データを表示部に伝える。
【0022】
画像データ展開部7は、テンプレートデータ作成部8が作成した原稿画像データを読み込んで、表示部が表示できる画像データに展開する。
【0023】
テンプレートデータ作成部8は、後述するマスキングオブジェクトテンプレートデータ及び該マスキングオブジェクトテンプレートデータが挿入された原稿画像データを作成する。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る文書管理装置が実施する文書管理及び画像編集について説明する。
ユーザーは、文書管理装置10を起動すると、上述の文書管理ユーザーインターフェース提供部1、処理制御部2、データアクセス部3、文書管理エンジン4、文書管理データベース(HDD装置)5が作動し、表示部には文書管理データベース5に記憶された原稿画像の格納状況を示す階層構造のファイルシステムが表示される。ユーザーは、このファイルシステムに基いて所定のファイルから取得したい文書をマウスのクリック動作等により選択する。
【0025】
選択された文書は、該文書の検索要求として、文書管理ユーザーインターフェース提供部1から処理制御部2、データアクセス部3、文書管理エンジン4に伝えられ、文書管理データベース5から該文書の画像データが読み出される。読み出された原稿画像データは、前記と反対の経路を経て表示部に転送され原稿画像が表示される。
【0026】
ユーザーは、原稿画像の編集を行うとき、表示された原稿画像上で編集を行う。このためにユーザーは、マウスにより表示部に表示されている画像編集ボタン(不図示)をクリックし、画像編集ユーザーインターフェース提供部6、画像データ展開部7、テンプレートデータ作成部8、それに処理制御部2、文書管理データベース5を含む画像編集部を起動する。画像編集部の起動により表示部のツールバー(不図示)には、原稿画像を加工する描画オブジェクトが表示される。
【0027】
描画オブジェクトは、ツールバー上では、矩形、円形、楕円等のマークで表示されており、ユーザーは任意のマークを原稿画像上にドラッグし、矩形の対角線距離や円形の直径を変化させることができる描画ソフトウエアとして構成されている。
【0028】
ユーザーは、描画オブジェクトを原稿画像上にドラッグし、描画により原稿画像を編集する領域を指定する、即ちマスキングオブジェクトを作成する。例えば、原稿画像の特定部分を消去したり或いは強調して表示する領域(編集領域)を指定する。またこの編集領域をどのように編集するか、例えば、全く視認できないように消去する或いは網掛け状で見えるように消去する、或いは着色表示で強調する等の表示形態を指示する。表示形態の指示は、例えば文字の着色を換えるときは、ツールバー上に表示されているフォント色を選択することにより行う。
【0029】
処理制御部2は、これらの指示の有無を判断し、指示がなされたと判断したとき、指示された領域の座標位置情報、サイズ情報、及び前記表示形態を表すプロパティ情報をテンプレートデータ作成部8に渡す。
【0030】
テンプレートデータ作成部8は、これらの情報を取得すると、マスキングオブジェクトテンプレートデータ作成用フォーマットの所定の領域に前記情報を書き込んでマスキングオブジェクトテンプレートデータを作成する。またこのデータを原稿画像データの所定の領域に書き込んで原稿画像データを作成する。
【0031】
図2は、編集原稿画像データのデータ構造を示す図であり、図2(A)は、マスキングオブジェクトテンプレートデータのデータ構造を示し、図2(B)は、原稿画像データのデータ構造を示す。
【0032】
図2(A)に記載するように、マスキングオブジェクトテンプレートデータ20は、マスキングオブジェクト数21、マスキングオブジェクト毎の、座標情報22、サイズ情報23、プロパティ情報24からなる。作成されたマスキングオブジェクトテンプレートデータは、文書管理データベース5に格納される。
【0033】
また図2(B)に記載するように、原稿画像データ30は、ヘッダ情報31、拡張ヘッダ情報32、原稿(オリジナル)画像データ33からなる。拡張ヘッダ情報領域は、当初、何も記載されない空の状態にあるがマスキングオブジェクトテンプレートデータ20が作成されたとき、この領域に該データ20が書き込まれる。マスキングオブジェクトテンプレートデータ20が書込まれた原稿画像データ(以下、編集原稿画像データ30’)は文書管理データベース5の格納される。
【0034】
編集原稿画像データ30’は、画像データ展開部7で表示可能なデータに展開され、画像編集ユーザーインターフェース提供部6を経て表示部に表示される。
【0035】
図3は、編集原稿画像データの作成と表示の手順を示すフロー図であり、図3を参照してその手順を説明する。なお、図中、点線で記載したブロックはユーザーが手動で行う動作のブロックであり、実線で記載し、処理ステップ番号Sを付したブロックは画像編集部が行う動作のブロックである。
【0036】
図3において、ユーザーは、原稿画像を表示部に表示し、画像編集開始を指示すると、画像編集部が起動し、ツールバー上に描画オブジェクトを表示し画像編集動作開始待ち状態に入る。そこで、ユーザーは、原稿画像上の編集領域にツールバー上の描画オブジェクトをドラッグして、位置、サイズを調整し、マスキングオブジェクトを描画作成する。描画オブジェクトは、複数配置され、複数のマスキングオブジェクトが作成されることがある。この作成が終了した後、ユーザーは、更にマスキングオブジェクトテンプレートデータの作成を表示画面上の所定のマーク(不図示)をポイントすることにより指示する。
【0037】
処理制御部2は、マスキングオブジェクトテンプレートデータの作成指示を判断して、作成されたマスキングオブジェクトの各種データ(位置情報、サイズ情報等)を、テンプレートデータ作成部8に渡し、テンプレートデータ作成部8は、マスキングオブジェクトテンプレートデータ構造の所定の領域に前記各種データを取込んでマスキングオブジェクトテンプレートデータ(画像編集情報)20を作成し、文書管理データベース5に渡す(S1)。
【0038】
次にユーザーから、当該原稿画像に対してマスキングオブジェクトテンプレートの適用が指示されると、処理制御部2は、この指示を判断し、文書管理データベース5からマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を取得、テンプレートデータ作成部8に渡す(S2)。テンプレートデータ作成部8は、渡されたマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を原稿画像データの拡張ヘッダ部32に挿入し、編集原稿画像データ30’を作成する(S3)。
【0039】
続いて、画像データ展開部7は、編集原稿画像データ30’を展開、解析して画像編集ユーザーインターフェース提供部6を介して表示部に表示する(S4)。
【0040】
本実施形態の文書管理装置によれば、所定形式の原稿画像に対して、複数のマスキングオブジェクト(マスキングオブジェクト群)からなる1つのテンプレートデータを作成、保存しておくので、形式が同じ原稿画像に対して原稿画像毎に新たにマスキングオブジェクトテンプレートデータを作成する必要がなくなり、画像編集作業に手間、時間がかからないようになる。
【0041】
マスキングオブジェクトテンプレートデータは、原稿の構成形式が異なる原稿画像に対してはそれぞれの形式の原稿画像に対するマスキングオブジェクトテンプレートデータが作成されることになる。
【0042】
そこで、本発明の実施形態の文書管理装置は、異なる形式の原稿画像に対して当該形式の原稿画像用のマスキングオブジェクトテンプレートデータを作成、保存し、必要に応じて所要のマスキングオブジェクトテンプレートデータを読み出し、これを原稿画像データに挿入して原稿画像データを作成、表示する。
【0043】
図4は、異なる形式の原稿画像に対して当該形式の原稿画像用のマスキングオブジェクトテンプレートデータを作成し、その編集画像を表示する処理のフロー図である。なお、図中、点線で記載したブロックはユーザーが手動で行う動作のブロックであり、実線で記載し処理ステップ番号Sを付したブロックは画像編集部が実施する動作のブロックである。
【0044】
図4において、ユーザーは、原稿画像を表示部に表示し、画像編集の開始を指示すると、文書管理装置の画像編集部は、ツールバー上に描画オブジェクトを表示し画像編集動作開始待ち状態に入る。そこで、ユーザーは、原稿画像上の編集領域にツールバー上の描画オブジェクトをドラッグして原稿画像上に配置し、位置、サイズを調整してマスキングオブジェクトを作成する。描画オブジェクトは、複数配置され、複数のマスキングオブジェクトが作成されることがある。この作成が終了したとき、ユーザーは、更に画像編集部に対してマスキングオブジェクトテンプレートデータの作成を指示する。
【0045】
処理制御部2は、マスキングオブジェクトテンプレートデータの作成指示を判断して、作成されたマスキングオブジェクトの各種データ(位置情報、サイズ情報等)を、テンプレートデータ作成部8に渡す。テンプレートデータ作成部8は、マスキングオブジェクトテンプレートデータ構造の所定の領域に前記各種データを取込んでマスキングオブジェクトテンプレートデータを作成する(S11)と共に、作成したマスキングオブジェクトテンプレートデータを管理可能にするデータ名又は識別情報等のテンプレート管理データ50を作成し(S12)、これらを文書管理データベース5に渡す。
【0046】
次にユーザーから所定の原稿画像に対してマスキングオブジェクトテンプレートの適用が指示されると、処理制御部2は、この指示を判断し、ユーザーに対し、文書管理データベース5からテンプレート管理データ50に基いて前記所定の原稿画像に対するマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を選択するよう画面上で催促する。
【0047】
この催促に従ってユーザーは、所定のテンプレート管理データ50を指定する。処理制御部2は、このテンプレート管理データ50に基いて文書管理データベース5から対応するマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を読み出し、テンプレートデータ作成部8に渡す(S14)。テンプレートデータ作成部8は、渡されたマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を原稿画像データの拡張ヘッダ部32に挿入し、編集原稿画像データ30’を作成する(S15)。
【0048】
続いて、画像データ展開部7は、編集原稿画像データ30’を解析して画像編集ユーザーインターフェース提供部6を介して表示部に表示する(S16)。
【0049】
本実施形態の文書管理装置によれば、原稿の構成形式が異なる原稿画像に対して、形式毎にマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を作成、保存、管理し、必要に応じてそのテンプレート管理データ40に基いて当該形式原稿画像用のマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を読み出し、これを原稿画像データに挿入して編集原稿画像データ30’を作成、表示するので、ユーザーは容易に画像編集作業をすることができる。
【0050】
前記実施形態の文書管理装置は、ユーザーにより手動で、作成されたマスキングオブジェクトテンプレートデータを当該原稿画像データ毎に挿入して原稿画像データを作成している。
【0051】
そこで、本実施形態の文書管理装置は、管理されているマスキングオブジェクトテンプレートデータの1つのテンプレートデータを所定の複数の原稿画像データに自動的に挿入して原稿画像データを作成する。
【0052】
図5は、その処理を行うフローを示す図であり、同図を参照してその手順を説明する。図5R>5において、ユーザーは、文書管理データベース5から編集対象となる複数の原稿画像を選択する。選択された原稿画像は、原稿画像自体が表示部に表示されることがあり、又はその識別番号が表示されることもある。
【0053】
ユーザーは更に、選択された原稿画像に対して所定のマスキングオブジェクトテンプレートデータの適用を表示画面からマウスの操作により指示する。
【0054】
この指示に従って、処理制御部2は、文書管理データベース5からマスキングオブジェクトテンプレートデータ20を読出し、ユーザーに対して必要なマスキングオブジェクトテンプレートデータを選択するよう促す(S21)。
【0055】
ユーザーは、この催促に従って所定の所定のマスキングオブジェクトテンプレートデータを選択する。
【0056】
処理制御部2は、選択されたマスキングオブジェクトテンプレートデータを文書管理データベース5から読出し、テンプレートデータ作成部8に渡す(S22)。テンプレートデータ作成部8は、渡されたマスキングオブジェクトテンプレートデータを、編集対象となる複数の原稿画像データの第1番目の原稿画像データの拡張ヘッダ部32に挿入し、編集原稿画像データ30’を作成する(S23)。
【0057】
処理制御部2は、全ての原稿画像データへのマスキングオブジェクトテンプレートデータの挿入が終了するまで、マスキングオブジェクトテンプレートデータの挿入を行う(S24,S25)。
【0058】
本実施形態の文書管理装置によれば、管理されているマスキングオブジェクトテンプレートデータの1つのテンプレートデータを所定の複数の原稿画像データに自動的に挿入して編集原稿画像データを作成することができる。従って、ユーザーは、マスキングオブジェクトテンプレートデータを原稿画像データに挿入する手間を省くことができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態に係る文書管理装置における画像編集動作について説明したが、この動作を汎用の文書管理装置のコンピュータに実行させるためにプログラム化し、このプログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MO等の任意の記録媒体に記録し、これを文書管理装置のコンピュータに読み取らせる。これにより容易に文書管理装置において画像編集を容易に行うことができるようになる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1,4に対応する効果:画像領域を原稿画像上で規定する画像編集情報を予め作成、保存し、画像編集するとき、この画像編集情報を使用するので、画像編集するための前処理を行う必要がなくなり画像編集作業が効率化する。
請求項2に対応する効果:前記画像編集情報を異なる形式の原稿画像に対応して予め作成、保存するので、異なる形式の原稿画像毎に画像編集するための前処理を行う必要がなくなり画像編集を容易に行うことができる。
請求項3に対応する効果:複数の原稿画像の画像編集作業を自動的に行うことができる。
請求項5,6に対応する効果:文書管理装置を容易に画像編集装置として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る文書管理装置のブロック構成図である。
【図2】編集原稿画像データのデータ構造を示す図である。
【図3】編集原稿画像データの作成と表示の手順を示すフロー図である。
【図4】異なる形式の原稿画像に対するマスキングオブジェクトテンプレートデータの作成と編集画像表示の手順を示すフロー図である。
【図5】1つのテンプレートデータにより複数の原稿画像データを自動的に作成する手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…文書管理ユーザーインターフェース提供部、2…処理制御部、3…データアクセス部、4…文書管理エンジン、5…文書管理データベース、6…画像編集ユーザーインターフェース提供部、7…画像データ展開部、8…テンプレートデータ作成部、20・・・マスキングオブジェクトテンプレートデータ、30・・・原稿画像データ、30’・・・編集原稿画像データ、40・・・テンプレート管理データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像上で指示された画像領域内の原稿画像を、指示された表示形態に編集する画像編集装置において、
画像領域の位置情報及び表示形態を示す特性情報を取得する手段と、
位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段と、
作成された編集情報を保存する手段と、
編集情報に基いて原稿画像を編集する手段と、
を備えたことを特徴とする画像編集装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像編集装置において、
前記位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段は、異なる表示形式の原稿画像毎に編集情報を作成することを特徴とする画像編集装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像編集装置において、
前記編集情報を読み出す手段と、編集情報に基いて複数の原稿画像を順次編集する手段と、全ての原稿画像の編集が終了したか否かを判断する手段と、全ての原稿画像の編集が終了したとき、原稿画像の編集を終了する手段と、
を備えたことを特徴とする画像編集装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像編集装置を備えた文書管理装置。
【請求項5】
文書管理装置のコンピュータを、
画像領域の位置情報及び表示形態を示す特性情報を取得する手段、
位置情報で規定される画像領域の原稿画像を前記特性情報により編集する情報を作成する手段、
作成された編集情報を保存させる手段、
編集情報に基いて原稿画像を編集する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2004−287582(P2004−287582A)
【公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−76089(P2003−76089)
【出願日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】