説明

画像表示システム、画像表示方法

【課題】撮影部からプロジェクタへの情報転送速度の向上および情報転送処理の簡易化
【解決手段】スクリーンSCのしわや弛みによる膨らみに起因してスクリーンSCに投写される投写画像に部分的に歪みが生じる。画像表示システム1000は、リモートコントローラ20が歪み補正処理に用いられる歪み補正情報400を生成し、プロジェクタ10が、歪み補正情報400を用いて、入力画像データに対して、投写画像に生じる歪みとは逆方向の歪みを与える歪み補正処理を施し、この歪みの与えられた画像をライトバルブ13に表示することにより、スクリーンSC上に歪みの無い画像を表示する。撮影補正パターン画像に比してデータ量の軽い特徴点の座標情報を歪み補正情報として送信できる。従って、歪み補正処理時におけるリモートコントローラ20からプロジェクタ10への情報の伝送時間を短縮できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタのための画像処理に関し、特に、投写面に表示される画像の歪み補正技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタなどの画像表示装置を用いて、投写面に画像を表示する画像表示システムが利用されている。画像表示システムでは、例えば、画像表示システム使用時にのみ設置し、未使用時には収納される仮設型の投写面が利用される。このような仮設型の投写面には弛みが生じやすく、表示される画像に歪みが生じることがある。そのため、点図形が同一間隔で配置されたパターン画像をスクリーンに投写して、視聴者の視点位置に設置したデジタルカメラ等の撮影装置で投写画像を撮影し、スクリーン上で点図形が示される位置と元のパターン画像での点図形が示される位置とのずれに基づいて、画像に対して歪み補正を行い、歪みのない画像をスクリーンに投写する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−083949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の歪み補正技術には、例えば、デジタルカメラ等の撮影装置で撮影した補正パターンの画像を表す画像データを圧縮せずに使用することにより、精度の高い歪み補正処理を行うものがある。撮影装置が生成した画像データは、例えば、プロジェクタと撮影装置とを有線接続し、撮影装置が生成した画像データをメモリカードなどの記憶装置に保存することなくプロジェクタへ転送されたり、メモリカードに画像データを保存してメモリカードからプロジェクタへ画像データを転送されたりする。しかしながら、従来の技術では、撮影装置で撮影した補正パターンの画像を表す画像データを圧縮せずに使用しているため、プロジェクタへの画像データの転送に時間がかかるという問題があった。
【0005】
また、撮影装置で撮影した画像データの転送に有線接続を利用する場合、メモリカードに撮影画像を保存しないため撮影時には撮影装置とプロジェクタがケーブルを介して接続されている必要がある。そのため、ケーブルが短い場合には、プロジェクタから離れた位置からスクリーンに投写されている補正パターンを撮影できず、また、ケーブルが長い場合には、ケーブルの取り回しや収納が煩雑になる。一方、撮影装置で撮影した画像データの転送にメモリカードを用いる場合、補正パターンの撮影後、撮影画像が保存されているメモリカードをプロジェクタまで運搬し、カードスロットやカードリーダーを用いてプロジェクタに画像データを転送しなければならない。そのため、利用者にとっては移動や手順が増えて不便である。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、スクリーンに投写される画像の歪み補正処理において、撮影装置からプロジェクタへの情報転送速度の向上および情報転送処理の簡易化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
プロジェクタと、前記プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置とを備える画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成する撮影手段と、前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、前記生成した歪み補正情報を、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、前記プロジェクタは、光源と、画像データに基づいて前記光源から射出される光を変調し、画像を形成する画像形成部と、前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信する受信手段と、前記補正用画像を表す補正用画像データを前記画像形成部に入力する補正用画像入力手段と、前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、前記歪み補正処理が施された画像データを前記画像形成部に入力する補正画像データ入力手段と、を備える画像表示システム。
【0009】
適用例1の画像処理システムによれば、画像処理装置は撮影した撮影画像データに基づいて撮影画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成し、歪み補正情報のみをプロジェクタに送信できる。従って、撮像画像データ自体をプロジェクタに送信する場合に比して、データ転送時間を短縮できる。よって、歪み補正処理の処理時間を短縮できる。
【0010】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記プロジェクタと前記画像処理装置は、無線通信を介して通信可能に構成されており、前記送信手段は、前記無線通信を介して前記歪み補正情報を前記プロジェクタに対して送信し、
前記受信手段は、前記画像処理装置から前記無線通信を介して前記歪み補正情報を受信する。適用例1の画像表示システムによれば、歪み補正情報は撮影画像データよりもデータ量が少ないため、無線通信を介して短時間で送信できる。従って、画像処理装置とプロジェクタとをケーブルなどの物理的な接続手段を用いて接続する必要がなくなるので、利用者は、画像処理装置をプロジェクタから離れた任意の場所に移動させて投写面に表示されている補正パターン画像を撮影できる。よって、利用者の利便性を向上できる。
【0011】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記補正用画像データより表される補正用画像には、所定の図形が複数配置されており、前記歪み補正情報生成手段は、前記撮影補正用画像における少なくとも一つの前記所定の図形の表示位置を前記歪み補正情報として生成し、前記歪み補正手段は、前記所定の図形の表示位置に基づき、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す。適用例1の画像表示システムによれば、撮影画像の所定の図形の表示位置を歪み補正情報とできるため、歪み補正情報のデータ量を軽減できる。従って、画像処理装置からプロジェクタへの歪み補正情報の送信時間を短縮できる。
【0012】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記画像処理装置は、更に、前記撮影方向の設定を補助する補助手段を備える。適用例1の画像表示システムによれば、撮影方向を簡易に設定できる。従って、利用者は、撮影手段の撮影範囲内に投写面を容易に納めることができ、補正用画像の撮影ミスを抑制できる。
【0013】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記補助手段は、レーザポインタを含む。適用例1の画像処理装置によれば、画像処理装置にレーザポインタを設けることができる。従って、利用者は撮影方向をより簡易に設定できる。
【0014】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記補正用画像データにより表される補正用画像には、前記レーザポインタから射出される光線を前記投写面上の所定の位置に合わせるための位置合わせ図形が所定の位置に配置されている。適用例1の画像表示システムによれば、レーザポインタから射出される光線を位置合わせ図形にあわせることにより、撮影手段による撮影方向を投写面に投写されている補正用画像に簡易にかつ確実に合わせることができる。
【0015】
適用例1の画像表示システムにおいて、前記画像処理装置は、更に、前記プロジェクタを遠隔操作するための操作手段を備える。適用例1の画像表示システムによれば、プロジェクタの操作手段と画像処理装置とを一体的に構成できる。従って、利用者はプロジェクタの操作手段で投写面に表示されている補正用画像を撮影できる。よって、利用者の利便性を向上できる。
【0016】
[適用例2]
プロジェクタと、プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置と、前記歪み補正情報を用いて前記歪み補正処理を行う画像補正装置とを備える画像表示システムであって、前記画像処理装置は、前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成する撮影手段と、前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、前記生成した歪み補正情報を、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、前記画像補正装置は、前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信する受信手段と、前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、前記歪み補正処理が施された画像データを、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、前記プロジェクタは、光源と、画像データに基づいて前記光源から射出される光を変調し、画像を形成する画像形成部と、前記画像補正装置から前記歪み補正処理が施された画像データを受信する受信手段と、前記補正用画像を表す補正用画像データを前記画像形成部に入力する補正用画像データ入力手段と、前記歪み補正処理が施された画像データを前記画像形成部に入力する補正画像データ入力手段と、を備える画像表示システム。
【0017】
適用例2の画像表示システムによれば、画像処理装置と画像補正装置とにより歪み補正処理が行われ、プロジェクタにより歪み補正処理が施された画像データが投写面に表示される。従って、プロジェクタの処理負荷を軽減でき、プロジェクタの小型化を図ることができる。
【0018】
本発明において、上述した種々の態様は、適宜、組み合わせたり、一部を省略したりして適用することができる。また、本発明は、上述した画像表示システムとしての構成の他に、画像表示システムによる画像表示方法、画像表示システムに歪み補正を実行させるためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体等としても構成できる。いずれの構成においても、上述した各態様を適宜適用可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクや、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ハードディスク等種々の媒体を利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
A.実施例:
図1は、実施例における画像表示システムの概略構成について説明する説明図である。実施例の画像表示システム1000は、プロジェクタ10とリモートコントローラ20とを備える。リモートコントローラ20は、小型で可搬型の板状に構成されており、利用者の操作に応じてプロジェクタを遠隔制御する。また、リモートコントローラ20は、撮影機能を備えており、プロジェクタ10によってスクリーンSCに投写された投写画像320を撮影し、撮影した撮影画像を表す画像データに基づいて、投写画像の歪みの補正処理に用いられる歪み補正情報400を生成し、プロジェクタ10に対して送信する。
【0020】
プロジェクタ10は、リモートコントローラ20から送信された歪み補正情報を用いて、他の装置から入力された入力画像データに対して歪み補正処理を施し、補正された補正画像データをスクリーンSCに投写する。
【0021】
しわや弛みの発生しているスクリーンSCへの画像投写時、スクリーンSCのしわや弛みによる膨らみに起因してスクリーンSCに投写される投写画像に部分的に歪みが生じる。実施例の画像表示システム1000は、リモートコントローラ20が歪み補正処理に用いられる歪み補正情報400を生成し、プロジェクタ10が、歪み補正情報400を用いて、入力画像データに対して、投写画像に生じる歪みとは逆方向の歪みを与える歪み補正処理を施し、この歪みの与えられた画像をライトバルブ13に表示することにより、スクリーンSC上に歪みの無い画像を表示する。
【0022】
A2.機能ブロック:
図2は、実施例におけるプロジェクタ10とリモートコントローラ20の詳細構成を例示するブロック図である。図3は、実施例におけるリモートコントローラ20の操作部および撮影部について例示する説明図である。リモートコントローラ20は、CPU200、撮影部202、歪み補正情報生成部204、送信部206および操作部210を備える。CPU200は、リモートコントローラ20の全体の動作を制御する。実施例において、リモートコントローラ20が、特許請求の範囲における画像処理装置にあたる。
【0023】
操作部210は、利用者の操作に応じて、CPU100に種々の処理を実行させる。図3(a)は、リモートコントローラ20の操作部を示している。リモートコントローラ20の操作部は、図3(a)に示すように赤外線通信部21と、メニューボタン22と、補正開始ボタン23と、ズームボタン24、25と、選択ボタン26a、26b、26c、26dと、決定ボタン27とを有する。赤外線通信部21は、図示しない投光部を備え、プロジェクタ10に対してプロジェクタ10を制御する制御信号や投写画像の歪みを補正するための歪み補正情報400をアイアールディーエー(IrDA)規格の赤外線により送信する。CPU200は、利用者より押下された各種ボタンに応じてプロジェクタ10に対してプロジェクタ10の制御信号や歪み補正情報400の生成を行う。例えば、メニューボタン22が押下されると、プロジェクタ10に対してメニュー表示指示を送信し、補正開始ボタン23が押下されると、補正開始指示をプロジェクタ10に対して送信する。
【0024】
撮影部202について、図3(b)を参照して説明する。図3(b)は、リモートコントローラ20の先端面に設けられている撮影部を示している。図3(b)に示すように、リモートコントローラ20の撮影部202は、レーザポインタ28とデジタルカメラ29とを有する。レーザポインタ28は、レーザ光源を備えており、レーザ光源から射出されるレーザ光Leを用いてスクリーンSCに表示されている画像を指し示すために用いられる。デジタルカメラ29は、レンズ30と図示しない撮像素子を備える。撮影部202は、利用者の操作に応じて、レーザポインタ28の指し示す方向に存在する被写体を撮影し、A/D変換を行って画像データを生成する。実施例では、投写画像の歪み補正処理に用いる補正パターン画像を撮影対象としている。そのため、歪み補正処理の精度向上の観点から、デジタルカメラ29により生成される画像データは非圧縮のRAWデータであることが好ましい。
【0025】
歪み補正情報生成部204は、デジタルカメラ29によって撮影された補正パターン画像を表す撮影補正画像データに基づいて、スクリーンSCの曲面歪みにより投写画像に生じる歪みを補正する補正処理に用いられる歪み補正情報を算出する。
【0026】
送信部206は、赤外線送信機であり、赤外線を介して、プロジェクタ10に対して種々の制御信号や歪み補正情報生成部204が生成した歪み補正情報を送信する。
【0027】
プロジェクタ10は、光源ランプ11と、液晶ライトバルブ13と、投写光学系15とを備える。図2において、各光学系は簡略に示されている。また、プロジェクタ10は、光源ランプ駆動部12、液晶ライトバルブ駆動部14、投写光学系調整部16、画像補正部50、CPU100、メモリ110および操作部120を備える。画像補正部50は、受信部102、画像取得部104、歪み補正部106を備える。CPU100は、プロジェクタ10全体の動作を制御する。
【0028】
光源ランプ駆動部12は、光源ランプ11を駆動する。液晶ライトバルブ駆動部14は、歪み補正部106与えられる画像データに従って、液晶ライトバルブ13を駆動する。
【0029】
操作部120は、ユーザからの入力に応じて、CPU100に種々の処理を実行させる。例えば、ユーザは、操作部120を介して、投写面SCに投写される画像のコントラストを調整したりできる。
【0030】
投写光学系調整部16は、投写光学系15の位置を調整する。具体的には、投写光学系調整部16は、光源光軸LAに平行な方向に向けて、投写光学系15に含まれるレンズを移動させたり、シフト位置を調整したりする。なお、光源光軸は光源ランプ11から射出される光の中心軸を表している。なお、投写光学系調整部16は必須ではない。
【0031】
画像補正部50は、メモリ110から補正パターン画像データ300を読み出してライトバルブ駆動部14へ受け渡す、また、画像補正部50は、リモートコントローラ20から送信された歪み補正情報を用いて、プロジェクタ10に入力された画像データを処理して、入力画像データから補正画像データを生成し、補正画像データを液晶ライトバルブ駆動部14へ受け渡す。すなわち、実施例では、画像補正部50は、特許請求の範囲の「補正用画像データ入力手段」および「補正画像データ入力手段」により実現される機能を含む。
【0032】
メモリ110には、投写画像の歪み補正に用いられる補正パターン画像データ300が予め記憶されている。補正パターン画像データ300は、予めプロジェクタの光学系の設計に応じて生成されている。
【0033】
受信部102は、赤外線受信機であり、赤外線を介して、リモートコントローラ20から種々の制御信号や歪み補正情報を受信する。
【0034】
画像取得部104は、外部から与えられた画像データを歪み補正部106に受け渡す機能を有しており、例えば、A/Dコンバータにより構成される。実施例では、画像取得部104は、投写面に投写すべき画像データをメモリカードMCから取得する。
【0035】
歪み補正部106は、リモートコントローラ20から送信された歪み補正情報400を用いて、画像取得部104から受け渡された入力画像データを処理し、入力画像データから補正画像データを生成して液晶ライトバルブ駆動部14へ受け渡す。歪み補正部106は、例えば、イメージプロセッサにより構成される。
【0036】
液晶ライトバルブ駆動部14は、画像補正部50から受け渡された補正画像データを用いて液晶ライトバルブ13を駆動する。補正画像データに従って、液晶ライトバルブ13に歪み補正用の画像が形成されると、スクリーンSCには曲面歪みのない画像が表示される。歪み補正用の画像とは、投写面SCのしわや弛みによる膨らみに起因する歪みを相殺するために、結果的に歪んだ画像である。なお、スクリーンSC上に表示されている補正パターン画像は、プロジェクタ10のあおりにより生じる台形歪みが予めユーザまたはプロジェクタ10により補正されている。実施例では、液晶ライトバルブ13,液晶ライトバルブ駆動部14,投写光学系15および投写光学系調整部16が、特許請求の範囲の「画像形成部」に当たる。
【0037】
なお、プロジェクタが実施している機能の一部(特に、画像補正部50の機能)を、画像補正装置として機能するパーソナルコンピュータが実行してもよい。この場合、リモートコントローラ20は画像補正装置に歪み補正情報を送信する。画像補正装置は、歪み補正情報と投写面SCに透写すべき画像データとを用いて、歪み補正用の画像を表す補正用画像データを生成し、補正用画像データをプロジェクタに送信する。プロジェクタは、歪み補正部50を有しておらず、受信した補正用画像データを投写面SCする。こうすれば、プロジェクタの処理負荷を軽減できるとともに、小型化を図ることができる。なお、画像補正装置とプロジェクタとの間の画像データの転送には、無線通信・有線通信のいずれを用いても良い。
【0038】
A3.歪み補正処理:
図4〜図8を参照して、歪み補正処理について説明する。図4は、実施例における歪み補正処理を説明するフローチャートである。図5は、実施例における補正パターン画像の撮影について説明する説明図である。図6は、実施例における撮影補正パターン画像を例示する説明図である。図7は、実施例における歪み補正情報を例示する説明図である。図8は、実施例における歪み補正処理について説明する説明図である。歪み補正処理は、プロジェクタのCPU100とリモートコントローラ20のCPU200が各機能ブロックを制御することにより実行される。
【0039】
リモートコントローラ20のCPU200は、リモートコントローラ20の操作部210を介してユーザから歪み補正処理の開始指示が入力されると、プロジェクタ10に対して歪み補正処理の補正開始指示を送信する(ステップS100)。
【0040】
プロジェクタ10のCPU100は、リモートコントローラ20から補正開始指示を受信すると(ステップS200)、メモリ110から補正パターン画像データ300を取得し、スクリーンSCに投写する(ステップS202)。
【0041】
図5(a)は、補正パターン画像データ300に基づいてライトバルブ13に表示されている補正パターン画像310を示している。補正パターン画像310には、丸い図形で表される複数の特徴点P1、P2…Pnが、所定の配置間隔で規則的に配置されている。また、補正パターン画像310の略中心には、レーザポインタ28の位置あわせを補助するための円形の位置合わせ図形PTが配置されており、位置合わせ図形PTの中には、十字が配置されている。更に、補正パターン画像310には、利用者にレーザポインタ28の位置あわせを促すための案内メッセージMSGが含まれる。実施例では、液晶ライトバルブ13の空間を2次元のXY座標系で表す。以降、液晶ライトバルブ13に表示された補正パターン画像310の所定の特徴点Pを表す場合に、変数iを用いて、Piの座標を(Xi、Yi)と表す。変数iは、1以上の整数である。例えば、P1の座標は(X1、Y1)と表される。なお、以降の実施例の説明において、特徴点間に記載されている破線は説明の便宜上付したものであり、実際には表示されない。
【0042】
図5(b)は、図5(a)に示す補正パターン画像310をスクリーンSCに投写した投写補正パターン画像320を示している。特徴点Q1、Q2…Qnは、補正パターン画像310の各特徴点P1、P2…Pnに対応する。図5(b)に、スクリーンSCに曲面歪みが生じていない場合に補正パターン画像310の特徴点P1、P2…Pnが投写される理想投写位置の一例として、特徴点P2の理想投写位置p2を併せて示す。スクリーンSCには曲面歪みが生じているため、投写補正パターン画像320の各特徴点Q1、Q2…Qnの中には、理想投写位置からずれて表示されるものがある。例えば、特徴点Q2は、特徴点P2の理想投写位置p2から上部にずれて表示されている。また、案内メッセージMSGおよび位置合わせ図形PTも、スクリーンSCの曲面歪みによって歪んで表示される。図では、位置合わせ図形PTは歪んでいないが実際には歪んでいる。なお、図5(a)に示す特徴点の配置は一例であり、これに限られるものではない。
【0043】
図5(b)に示すように、レーザポインタ28から射出されるレーザ光Leが位置合わせ図形PTに合わせられると、デジタルカメラ29のレンズ30がスクリーンSCに向く。利用者はこの状態で撮影を実行することにより、スクリーンSCに投写されている投写補正パターン画像320を確実に撮影できる。なお、スクリーンSCに投写されている補正パターン画像の撮影時には、視聴者の視点位置から撮影されることが好ましく、リモートコントローラ20に搭載されているデジタルカメラ29の光軸とスクリーンSCの法線とがほぼ平行であることが好ましい。実施例では、投写補正パターン画像320は、デジタルカメラ29の光軸とスクリーンSCの法線とがほぼ平行な状態で、視聴者の視点位置から撮影されている。
【0044】
CPU200は、利用者の操作に応じて、投写補正パターン画像320を撮影して撮影補正パターン画像330を表す撮影補正パターン画像データを生成し(ステップS102)、撮影補正パターン画像データに基づいて歪み補正情報を生成する(ステップS104)。
【0045】
歪み補正情報の生成について、図6を参照して説明する。図6に、撮影補正パターン画像330を示す。図6において、特徴点Q1、Q2…Qnは撮影補正パターン画像330の特徴点を示している。なお、撮影部202によって撮影された画像には、補正パターン画像が投写されている投写面SCや背景が写り混んでいるが、実施例では、投写面を撮影した撮影画像から補正パターン画像を切り出した画像を撮影補正パターン画像330と扱う。撮影補正パターン画像330の切り出しは、エッジ抽出によって自動で行われる。第1実施例では、撮影補正パターン画像330の空間を2次元のxy座標系で表し、撮影補正パターン画像330を構成する各画素の位置をxy座標により表す。以降、所定の特徴点Qを表す場合に、特徴点Qを表す画素の座標を用いて、Qi(xi、yi)と表す。変数iは、1以上の整数である。
【0046】
図6に示すように、撮影補正パターン画像330では、投写補正パターン画像320と同様に、特徴点Q1、Q2…Qnは、投写面SCの曲面歪みによって理想投写位置からずれて表示されている。例えば、特徴点Q2は、特徴点P2の理想投写位置p2から情報にずれて表示されている。
【0047】
CPU100は、撮影補正パターン画像330を解析して特徴点Qiの座標(xi、yi)を検出し、CPU100は、このように算出した全特徴点の歪み量をテーブルにまとめた歪み補正情報を生成する。なお、本実施例では、リモートコントローラ20は、補正パターン画像データ300を有しておらず、撮影補正パターン画像330に表わされている特徴点の座標を歪み補正情報としているが、リモートコントローラ20が補正パターン画像データ300を有しており、撮影補正パターン画像330の各特徴点と補正パターン画像310の各特徴点との差分から撮影補正パターン画像330の各特徴点の理想表示位置からのずれ量を算出し、算出したずれ量を歪み補正情報としてもよい。更には、リモートコントローラ20とプロジェクタ10とがそれぞれ同一の複数の補正パターン画像を有しており、歪み補正処理開始時に、いずれの補正パターン画像を利用するかを通信してもよい。また、リモートコントローラ20が、補正パターン画像データ300ではなく、補正パターン画像データ300によりあらわされる補正パターン画像310の特徴点の座標のみを有しており、この補正パターン画像310の特徴点の座標を用いて撮影補正パターン画像330の各特徴点の理想表示位置からのずれ量を算出し、算出したずれ量を歪み補正情報としてもよい。
【0048】
CPU200は、撮影補正パターン画像330を解析して特徴点Qiの座標(xi、yi)を検出し、図7に示すように、検出した全特徴点Qiの座標(xi、yi)を歪み補正情報400として生成する。特徴点Qiの検出には、周知の画像検出方法を用いればよい。例えば、特徴点のエッジを抽出することにより特徴点の位置を特定したり、画像の色情報の変化に基づいて特徴点の位置を特定してもよい。撮影補正パターン画像330を表す撮影補正パターン画像データはRAWデータであるため、単なる座標情報である歪み補正情報400は、撮影補正パターン画像データに比して飛躍的にデータ量を小さくできる。
【0049】
CPU200は、生成した歪み補正情報400をプロジェクタ10に対して送信する(ステップS106)。
【0050】
CPU100は、リモートコントローラ20から送信された歪み補正情報400を受信し(ステップS204)、受信した歪み補正情報400を用いて、入力画像データに対して、歪み補正処理を施し(ステップS206)、歪み補正処理が施された補正画像データに基づいてライトバルブ13に歪み補正用の画像を表示する。(ステップS208)。なお、プロジェクタ10のCPU100は、歪み補正情報400受信時に、各特徴点Piの理想投写位置からのずれ量だけでなく、リモートコントローラ20が、特徴点ではないノイズを特徴点として検出していないかについて解析しても良い。こうすれば特徴点検出の精度を向上できる。
【0051】
歪み補正処理について図8を参照して説明する。各特徴点Qiを理想投写位置piに表示させるためには、図8(a)に示すように、各特徴点Qiに対応する補正パターン画像310の各特徴点Piの位置を算出した歪み量に応じて、各特徴点Qiの歪み方向と逆方向に移動させればよい。CPU100は、受信した歪み補正情報400と補正パターン画像データ300を用いて、すべての特徴点Qiの位置が、それぞれの特徴点Qiに対応する特徴点Piの理想投写位置pi(ai、bi)からどの方向にどれだけずれているかを表す歪み量を算出する。歪み量は、理想投写位置piの座標と特徴点Qiの座標との差分(ai−xi、bi−yi)としてもよい。例えば、図6に示すように、理想投写位置p2の座標と特徴点Q2の座標との差分(a2−x2、b2−y2)を歪み量としてもよい。
【0052】
CPU100は、算出した歪み量を用いて、特徴点の歪みと逆方向の歪みを与える歪み補正処理を入力画像データに施す。なお、入力画像データに歪み補正処理を施す場合には、各特徴点に対応する箇所のみに対して歪みを与えるだけでなく、各特徴点の周囲の領域についても、例えば、隣接する特徴点同士の歪み量に基づいて近似することにより歪みを補完することが好ましい。図8(b)に、一例として、歪み補正処理が施された補正画像データに基づいてライトバルブ13に表示される歪み補正用の画像を示す。図8(b)に示すように、例えば、歪み補正用の画像340の特徴点P2(X2、Y2)は、歪み補正情報に従って、撮影補正パターン画像330の特徴点Qiの歪みと逆方向に移動される。よって、特徴点P2(X2、Y2)はP2'(X2'、Y2')に移動される。この結果、投写面SCには歪みのない画像が表示される。
【0053】
以上説明した実施例の画像表示システムによれば、撮影補正パターン画像330に比してデータ量の軽い歪み補正情報400をリモートコントローラ20からプロジェクタ10に送信できる。従って、歪み補正処理時におけるリモートコントローラ20からプロジェクタ10への情報の伝送時間を短縮できる。従って、歪み補正処理の所要時間が短縮されるため、利用者の利便性を向上できる。
【0054】
また、実施例の画像表示システムによれば、撮影補正パターン画像に比してデータ量の軽い特徴点の座標情報を歪み補正情報として利用しているため、ケーブルなどの有線の通信回線に比してデータ転送速度の遅い無線の通信回線を利用して、リモートコントローラ20からプロジェクタ10に対して歪み補正情報を送信できる。従って、撮影するためのデジタルカメラ29と、歪み補正処理を実行するプロジェクタ10とをケーブルで接続する必要が無くなるので、プロジェクタ10から任意に離れた位置からデジタルカメラ29で補正パターン画像を撮影できる。よって、プロジェクタ10の設置位置やデジタルカメラ29の撮影位置の選択自由度を向上できる。
【0055】
また、実施例の画像表示システムによれば、補正パターン画像に位置合わせ図形が表示されているため、レーザポインタ28から射出されるレーザ光を投写面に表示されている補正パターン画像の位置合わせ図形に合わせることにより、デジタルカメラ29の撮影方向を投写面の補正パターン画像に合わせることができる。従って、利用者の撮影位置あわせを容易とすることができ、補正パターン画像を確実に撮影範囲に収めて撮影できる。
【0056】
また、実施例の画像表示システムによれば、従来から広く利用されているプロジェクタ10を操作するためのリモートコントローラ20に、デジタルカメラ29と歪み補正情報生成部とを設けているので、新たに装置を追加する必要が無い。
【0057】
また、実施例の画像表示システムによれば、利用者にレーザポインタ28の位置あわせを促す案内メッセージMSG1が含まれているため、利用者は操作方法を簡易に知ることができる。
【0058】
B.変形例1:
(1)上述の実施例では、撮影補正パターン画像の特徴点Qiの座標(xi、yi)を検出し、検出した特徴点座標を歪み補正情報としているが、例えば、特徴点Qiの座標(xi、yi)ではなく、入力画像データに投写画像の歪みとは逆方向の歪みを与える歪み補正変換式を歪み補正情報として生成してもよい。こうすれば、プロジェクタ10は、受信した歪み補正変換式を適用するだけで入力画像データに歪み補正処理を施すことができ、プロジェクタ10の処理速度を向上できる。
【0059】
(2)上述の実施例では、プロジェクタ10とリモートコントローラ20とは、IrDA規格の赤外線通信により情報の授受を行っているが、IrDA規格に限定されない。例えば、独自の赤外線通信規格により情報の授受を行っても良い。また、例えば、アイ・トリプルイー(IEEE)802の規格に沿った伝送方式やレーザ光を用いたレーザ方式により情報の授受を行っても良い。適宜、利用態様に応じた規格で通信可能とすればよい。こうすれば、種々の態様でプロジェクタ10とリモートコントローラ20との間を通信可能とでき、利用者の利便性を向上できる。
【0060】
(3)上述の実施例では、補正パターン画像には、略中心にレーザポインタの位置合わせようの位置合わせ図形を配置されているが、位置合わせ図形に限らず、どのような図形・画像でも構わない。また、配置位置も中心に限らず、補正パターン画像上のどの位置でも良い。ただし、レーザポインタ28とデジタルカメラ29との設置位置に応じて、デジタルカメラ29による撮影範囲内に、スクリーンSCに投写されている補正パターン画像が収まる位置にデジタルカメラ29の光軸が向くように位置あわせ図形を配置することが好ましい。
【0061】
(4)上述の実施例では、無線によりプロジェクタ10とリモートコントローラ20とを接続しているが、ケーブルなどを用いて有線接続してもよい。こうすれば、歪み補正情報の転送速度を更に向上できる。
【0062】
(5)上述の実施例では、デジタルカメラ29による補正パターン画像の撮影を補助する手段としてリモートコントローラ20にレーザポインタ28を設けているが、例えば、スクリーンSCにデータの送受信可能な通信装置を設け、リモートコントローラ20にもスクリーンSCの通信装置と通信可能な通信装置を設け、スクリーンSCとリモートコントローラ20とが通信し合いながら、最適な方向を設定する態様としても良い。また、例えば、更に、音声報知を行っても良い。どのような態様であっても、デジタルカメラ29の撮影を補助するものであればよい。こうすれば、利用者は簡易にデジタルカメラ29の光軸をスクリーンSCに向けることができる。
【0063】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例における画像表示システムの概略構成について説明する説明図。
【図2】実施例におけるプロジェクタ10とリモートコントローラ20の詳細構成を例示するブロック図。
【図3】実施例におけるリモートコントローラ20の外観について例示する説明図。
【図4】実施例における歪み補正処理を説明するフローチャート。
【図5】実施例における補正パターン画像の撮影について説明する説明図。
【図6】実施例における歪み補正情報生成処理について説明する説明図。
【図7】実施例における歪み補正情報400を例示する説明図。
【図8】実施例における歪み補正処理について説明する説明図。
【符号の説明】
【0065】
10…プロジェクタ
11…光源ランプ
12…光源ランプ駆動部
13…液晶ライトバルブ
14…液晶ライトバルブ駆動部
15…投写光学系
16…投写光学系調整部
20…リモートコントローラ
21…赤外線通信部
22…メニューボタン
23…補正開始ボタン
24…ズームボタン
26a…選択ボタン
27…決定ボタン
28…レーザポインタ
29…デジタルカメラ
30…レンズ
50…画像補正部
100…CPU
102…受信部
104…画像取得部
106…補正部
110…メモリ
120…操作部
200…CPU
202…撮影部
204…補正情報生成部
206…送信部
210…操作部
300…補正パターン画像データ
310…補正パターン画像
320…投写補正パターン画像
330…撮影補正パターン画像
400…歪み補正情報
1000…画像表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタと、前記プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置とを備える画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、
前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成する撮影手段と、
前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、
前記生成した歪み補正情報を、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、
前記プロジェクタは、
光源と、
画像データに基づいて前記光源から射出される光を変調し、画像を形成する画像形成部と、
前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信する受信手段と、
前記補正用画像を表す補正用画像データを前記画像形成部に入力する補正用画像入力手段と、
前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、
前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、
前記歪み補正処理が施された画像データを前記画像形成部に入力する補正画像データ入力手段と、を備える画像表示システム。
【請求項2】
請求項1記載の画像表示システムであって、
前記プロジェクタと前記画像処理装置は、無線通信を介して通信可能に構成されており、
前記送信手段は、前記無線通信を介して前記歪み補正情報を前記プロジェクタに対して送信し、
前記受信手段は、前記画像処理装置から前記無線通信を介して前記歪み補正情報を受信する、画像表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の画像表示システムであって、
前記補正用画像データより表される補正用画像には、所定の図形が複数配置されており、
前記歪み補正情報生成手段は、前記撮影補正用画像における少なくとも一つの前記所定の図形の表示位置を前記歪み補正情報として生成し、
前記歪み補正手段は、前記所定の図形の表示位置に基づき、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す、画像表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし3記載いずれかの画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、更に、
前記撮影方向の設定を補助する補助手段を備える、画像表示システム。
【請求項5】
請求項4記載の画像表示システムであって、
前記補助手段は、レーザポインタを含む、画像表示システム。
【請求項6】
請求項5いずれか記載の画像表示システムであって、
前記補正用画像データにより表される補正用画像には、前記レーザポインタから射出される光線を前記投写面上の所定の位置に合わせるための位置合わせ図形が所定の位置に配置されている、画像表示システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6いずれか記載の画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、更に、
前記プロジェクタを遠隔操作するための操作手段を備える、画像表示システム。
【請求項8】
プロジェクタと、プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置と、前記歪み補正情報を用いて前記歪み補正処理を行う画像補正装置とを備える画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、
前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成する撮影手段と、
前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、
前記生成した歪み補正情報を、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、
前記画像補正装置は、
前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信する受信手段と、
前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、
前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、
前記歪み補正処理が施された画像データを、前記プロジェクタに送信する送信手段と、を備え、
前記プロジェクタは、
光源と、
画像データに基づいて前記光源から射出される光を変調し、画像を形成する画像形成部と、
前記画像補正装置から前記歪み補正処理が施された画像データを受信する受信手段と、
前記補正用画像を表す補正用画像データを前記画像形成部に入力する補正用画像データ入力手段と、
前記歪み補正処理が施された画像データを前記画像形成部に入力する補正画像データ入力手段と、を備える画像表示システム。
【請求項9】
プロジェクタと、プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置とを備える画像表示システムが実行する画像表示方法であって、
前記プロジェクタは、
前記歪み補正処理のための補正用画像を前記投写面に投写し、
前記画像処理装置は、
前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成し、
前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成し、
前記生成した歪み補正情報を、前記プロジェクタに送信し、
前記プロジェクタは、
前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信し、
前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得し、
前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施し、
前記歪み補正処理が施された画像データにより表される画像を前記投写面に投写する、画像表示方法。
【請求項10】
プロジェクタと、プロジェクタによって投写面に形成される画像の歪み補正処理に用いられる歪み補正情報を生成する画像処理装置と、前記歪み補正情報を用いて前記歪み補正処理を行う画像補正装置とを備える画像表示システムが実行する画像表示方法であって、
前記プロジェクタは、
前記歪み補正処理のための補正用画像を前記投写面に投写し、
前記画像処理装置は、
前記プロジェクタによって前記投写面に投写されている補正用画像を撮影し撮影補正用画像データを生成し、
前記生成した撮影補正用画像データを用いて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられ、前記撮影補正用画像データよりもデータ量の少ない歪み補正情報を生成し、
前記生成した歪み補正情報を、前記画像補正装置に送信し、
前記画像補正装置は、
前記画像処理装置から前記歪み補正情報を受信し、
前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得し、
前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施し、
前記歪み補正処理が施された画像データを、前記プロジェクタに送信し、
前記プロジェクタは、
前記歪み補正処理が施された画像データを受信し、
前記受信した画像データにより表される画像を前記投写面に投写する、画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−206798(P2009−206798A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46693(P2008−46693)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】