説明

画像表示媒体、及び画像表示装置

【課題】 表示画像の画質に影響を与えることなく、画質維持性が改善でき、さらには、駆動電圧が改善できる画像表示媒体、及び画像表示装置。
【解決手段】 画像表示装置10は、透明電極16、及び誘電体層18を有する表示基板14と、電極22、及び誘電体層24を有する背面基板20とを仕切る仕切り部材26を主体に構成される画像表示媒体12と、当該画像表示媒体12に電圧を印加して電界を付与する電圧印加部30とを有して概略構成されている。
誘電体層18、24の間には、前記白色粒子28A、及び黒色粒子28Bよりも粒子径が小さい導電性の小径粒子28Cも封入されている。
小径粒子28Cは粒子径が小さいため、該直流電圧により、白色粒子28A、及び黒色粒子28Bに先駆け、まず小径粒子28Cが移動を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性を有する表面基板と、前記表面基板に対向配置された背面基板と、の間に正又は負に帯電した粒子群を封入し、電界をかけることで画像が表示される画像表示媒体、及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電界により着色粒子を移動させて画像表示を行う画像表示媒体、及び画像表示装置として、例えば、特許文献1に記載された画像表示媒体、及び画像表示装置が知られている。
【0003】
特許文献1では、設定される駆動電圧が高いという課題と共に、画像表示の濃度コントラストが不安定であるという課題を、以下の特徴において解決している。即ち、特許文献1に記載された画像表示媒体は、対向配置された一対の基板と、該一対の基板間の空隙に封入された少なくとも色が異なる2種類以上の粒子からなる粒子群と、からなり、該2種類以上の粒子が、そのうちの少なくとも1種類が正に、他の少なくとも1種類が負に帯電し得る性質を有し、且つ前記正負に帯電し得る粒子が相互に異なる色である画像表示媒体であって、前記正負に帯電し得る双方の粒子の形状係数が、形状係数={(L2/S)/4π}×100(ここでLは、Sは粒子面積、Lは周囲長を表す)としたとき、100<形状係数≦140であることを特徴とするものである。
【0004】
この構成によれば、色が異なることで、前記正に帯電し得る粒子群からなる画像部位と、前記負に帯電し得る粒子群からなる画像部位との間に濃度コントラストが得られる。また、形状係数を上記特定の範囲とすることで、相互の粒子間に適当な空間が生じて粒子群の流動性が向上し、前記正負に帯電し得る双方の粒子の摩擦帯電分布をシャープにすることができる。一方、帯電極性が相反する粒子と基板の接触による粒子基板間の付着力もこの正負粒子間に適当な空間が存在するために弱められる。このため、長期にわたって繰返し書き換えても画像濃度の変化が小さく、また濃度均一性の変化が小さく、安定した濃度コントラストの画像表示ができ、さらには画像表示に必要な駆動電圧も低減することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−57688公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状ではさらなる性能向上が要求されており、表示画像の画質に影響を与えることなく、画像濃度の安定性や均一性、濃度コントラストの安定性、ドット欠陥の防止等の画質維持性の改善、及び画像表示媒体を駆動させる駆動電圧の印加手段の自由度をさらに拡大させるための改善が求められている。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、表示画像の画質に影響を与えることなく、画質維持性が改善できると共に、画像表示媒体を駆動させる駆動電圧が改善できる画像表示媒体、及び画像表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、透明性を有する表面基板と、前記表面基板に対向配置された背面基板と、前記表面基板と前記背面基板との基板間を複数のセルに仕切る仕切り部材と、前記複数のセル内に封入され、前記基板間に付与された電界に応じて前記セル内を前記表面基板方向又は前記背面基板方向に移動する正又は負に帯電すると共に、少なくとも2種の異なる表面色又は濃度を持つ粒子群と、を備え、画像表示を行なう画像表示媒体であって、前記粒子群には、相対的に粒子径が異なる前記画像表示における色または濃度に寄与する大径粒子群と前記画像表示における色または濃度に寄与しない小径粒子群とが混合されていることを特徴としている。
【0008】
このように、第1の発明では、粒子群に混合されている画像表示における色または濃度に寄与しない小径粒子群が、表示画像の画質に影響を与えることはなく、基板間に付与された電界に応じて、大径粒子群に先だってセル内を表面基板方向又は背面基板方向に移動する。この移動に追従するように、大径粒子群が移動し易くなる。
【0009】
そして、第1の発明は、表示画像の画質に影響を与えることなく、画質維持性が改善できると共に、画像表示媒体を駆動させる駆動電圧が改善できる。
【0010】
また、第1の発明においては、前記粒子群は、前記小径粒子群は、前記大径粒子群よりも比重が小さいことを特徴としている。
【0011】
さらに、第1の発明においては、前記大径粒子群と前記小径粒子群とは、同一電界の空間において、前記大径粒子群及び前記小径粒子群と前記表面基板表面又は前記背面基板表面との間に働く付着力が相違することを特徴としている。
【0012】
小径粒子群は、大径粒子群よりも粒子径が小さく、比重も小さい。そして、同一電界の空間において、小径粒子群と大径粒子群とは、表面基板表面又は前記背面基板表面との間に働く付着力が相違する。このため、小径粒子群が移動を開始したときの電界を生じさせる電圧は小さい。第1の発明の効果は、このような移動開始が容易な小径粒子群の存在による。
【0013】
第2の発明は、透明性を有する表面基板と、前記表面基板に対向配置された背面基板と、前記表面基板と前記背面基板との基板間を複数のセルに仕切る仕切り部材と、前記複数のセル内に封入され、前記基板間に付与された電界に応じて前記セル内を前記表面基板方向又は前記背面基板方向に移動する正又は負に帯電すると共に、少なくとも2種の異なる表面色又は濃度を持つ大径粒子群と、前記大径粒子群に混在し、且つ相対的に小径とされ前記画像表示における色または濃度に寄与しない小径粒子群とで構成される画像表示媒体と、電圧が印加されることにより、前記画像表示媒体を構成する表面電極と背面電極との間に、前記電界を付与する一対の電極と、前記電圧を印加する電圧印加手段と、前記一対の電極への前記電圧の印加を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0014】
第2の発明は、第1の発明と同様に作用する画像表示媒体を備えるので、第1の発明と同様に、表示画像の画質に影響を与えることなく、画質維持性が改善できると共に、画像表示媒体を駆動させる駆動電圧が改善できる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明は、表示画像の画質に影響を与えることなく、画質維持性が改善できると共に、画像表示媒体を駆動させる駆動電圧が改善できる画像表示媒体、及び画像表示装置を得るという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置を示す。
【0017】
画像表示装置10は、画像表示する画像表示媒体12と、当該画像表示媒体12に電圧を印加して電界を付与する電圧印加部30とで概略構成されている。
【0018】
まず、画像表示媒体12の詳細を説明する。画像表示媒体12は、透明電極16、及び誘電体層18を有する表示基板14と、電極22、及び誘電体層24を有する背面基板20とを仕切る仕切り部材26を主体に構成される。
【0019】
画像表示媒体12は、前記表示基板14の方向から表示内容が見られる構成であり、該表示基板14に対向するように配置された前記背面基板20と、表示基板14と背面基板20との間を微小な間隔に対向配置させて保持するとともに、表示基板14、及び背面基板20に平行な方向に仕切って複数のセルを形成する仕切り部材26と、表示基板14と背面基板20との間の微小な間隔が空けられた構成されている。
【0020】
前記微小な間隔には、主として画像表示に寄与する大径粒子としての白色粒子28A、黒色粒子28Bが封入されている。また、前記微小な空間には、主として当該間隔における白色粒子28A、黒色粒子28Bの移動円滑性を促す作用を持つ小径粒子28Cが封入されている(小径粒子28Cについては後述にて詳細に説明する)。
【0021】
表示基板14は、透明性を有しており、透明な帯状の透明電極16と、透明電極16を保護するとともに白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電特性を安定化させる部材で形成された誘電体層18とを積層して構成されている。なお、第1の実施の形態でいう透明性とは、可能な限り透明度が高いことが望ましいが、半透明又は有色透明であってもよい。
【0022】
透明電極16は、透明導電性材料を用い形成したもの、あるいは半透明になる程度に薄く形成したものが用いられる。
【0023】
また、第1の実施の形態の透明電極16は、1つのセルに1本設けられる構成となっているが、解像度を上げるために複数本設けてもよい。
【0024】
誘電体層18は、透明性を有している。また、誘電体層18は、透明電極16への電圧印加が終了した後でも、表示基板14側に付着した白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電が保持されるようにするために、絶縁性、あるいは半導電性の素材が用いられるようになっている。
【0025】
なお、誘電体層18は封入する白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電特性に応じて、その絶縁性材料中に電荷輸送物質を含有させることができる。電荷輸送物質を含有させることにより、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電性の向上や、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電量を安定させるなどの効果を得ることができる。
【0026】
背面基板20の片面には、紙面と垂直方向に所定間隔で平行に配設された帯状の電極22と、電極22を保護するとともに、白色粒子28Aの帯電性特性を安定化させる誘電体層24とを有して構成されている。また、誘電体層24は、電極22への電圧印加が終了した後でも、背面基板20側に付着した白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの帯電が保持されるようにするために、誘電体層18と同様に絶縁性、あるいは半導電性の素材が用いられるようになっている。
【0027】
前記電極22は、透明電極16と同様に、1つのセルに1本ではなく、複数設けてもよい。
【0028】
誘電体層24は、着色層、例えば、着色材を背面基板20に塗布、あるいはフィルム状にしたものを貼付して形成した層としてもよい。この場合は、白色粒子28A、及び黒色粒子28Bの2色とあわせて3色表示とすることができる。背面基板20の色を画面表示させるには、その対象セルに対応する電極間に所定の周波数の交番電圧を印加することにより、対象セルに存在する粒子を周辺に退避させ、着色層上に白色粒子28A及び黒色粒子28Bが存在しないようにし、表示基板14を通して背面基板20の色が見えるようにすればよい。
【0029】
背面基板20の誘電体層24上に形成される仕切り部材26は、誘電体層24上に形成された仕切り部材26の端面と表示基板14側の誘電体層18とは、接着剤により接合される。
【0030】
なお、図1において、1つのセルのみを図示しているが、実際には、透明電極16と電極22は交差するように配置され、多数のセルが2次元アレイ状に配列されており、単純マトリックス駆動により透明電極16と電極22との間のセルに電圧が印加されるように構成されている。
【0031】
次に、電圧印加部30の詳細を説明する。電圧印加部30は、初期化用の交番電圧を発生する交番電圧発生部(図示省略)と、白色粒子28A及び黒色粒子28Bによる2色表示を行うための直流電圧を発生する直流電圧発生部(図示省略)とを含む電源装置32、当該電源装置32に接続される制御装置34、電極22を駆動する電極駆動部36、及び透明電極16を駆動する透明電極駆動部38を備えている。前記制御装置34は電源装置32から供給される電力により作動する。また、電源装置32及び制御装置34は電極駆動部36及び透明電極駆動部38に接続されている。
【0032】
電源装置32に含まれる交番電圧発生部は、初期状態、例えば、白色粒子28Aを一方の基板側に付着させ、黒色粒子28Bを他方の基板側に付着させるために用いられ、所定の周波数(例えば、200Hz〜10kHz)の交番電圧(例えば、±100V〜300V)を全部のセルに印加するようになっている。
【0033】
一方、電源装置32に含まれる直流電圧発生部は、直流電圧(例えば、+140V〜+210V又は−140V〜−210V)を出力して白色粒子28A及び黒色粒子28Bを用いて2色表示を行う際に用いられるようになっている。
【0034】
制御装置34は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース(I/F)回路等(各々図示省略)を備えて構成されている。CPUは、ROMに格納された制御プログラムに従って交番電圧発生部、及び直流電圧発生部の1つを選択して動作させるとともに、画像記憶部(図示省略)からの画像データに基づいて透明電極16、及び電極22に電圧を印加させるようになっている。
【0035】
ところで、画像表示媒体12の表示画像のコントラストを向上させるためには、画像の書き込みに先立って画像表示媒体12の各セルの表示濃度を一律に白色又は黒色にすること(以下、これを「リフレッシュ」と称する)が有効であることが確認されている。
【0036】
図2に示すように、電源装置32にはリフレッシュ用電源40と駆動用電源42が設けられている。
【0037】
とろこで、画像表示媒体12は、電極22と透明電極16の間に印加する電圧を比較的大きくした場合にも、印加電圧の増大に対して若干ではあるものの濃度(表示画像のコントラスト)が変化する特性を有している。これに対して、画像表示媒体12に画像を書き込むに先立って画像表示媒体12の表示をリフレッシュする(全セルの表示濃度をより濃度の低い白又は濃い黒にする)と表示画像のコントラストの改善を図ることができる。当該表示画像のコントラストは、この際に、より高い電圧を印加した方が向上するため、第1の実施の形態では電源装置32にリフレッシュ用電源40を設けてある。
【0038】
当該リフレッシュ用電源40は、例えば図3に示す構成を採用することができる。
【0039】
図3に示す構成では、直流電源62A、62Bが設けられており、直流電源62Aのマイナス端子と直流電源62Bのプラス端子は互いに接続されると共に接地されている。なお、これに代えて後述する基準電位VCLに維持するようにしてもよい。また、直流電源62A、62Bには出力電位を安定させるための大容量のコンデンサ(図示省略)が並列に接続されている。さらに、直流電源62Aのプラス端子はスイッチング部64の2個の入力端の一方に接続されており、他方の入力端は直流電源62Bのマイナス端子に接続されている。
【0040】
スイッチング部64は半導体スイッチング素子(例えば、MOSFET)等で構成されており、2個の入力端を介して入力された2つの信号(電位)のうちの一方を選択的に出力するように構成されている。スイッチング部64は制御装置34に接続(図示省略)されており、出力する信号(電位)が一定周期で切り替わるように制御される。従って、リフレッシュ用電源40からは、リフレッシュ用の出力として、一定周期で極性が切り替わる電位(図3に示す波形も参照)が出力されることになる。
【0041】
これにより、図4に例として示されるリフレッシュ期間のように、画像表示媒体12の透明電極16と電極22の各交差位置(各セル位置)において、透明電極16と電極22の間に、一定周期で極性が切り替わるリフレッシュ電圧が印加されることになり、このリフレッシュ電圧の印加に伴って生ずる交番電界により、表示基板14側と背面基板20側の間隙に封入されている白色粒子28A及び黒色粒子28Bが大きく移動し、画像表示媒体12の全面の表示濃度が濃い黒→より濃度の低い真っ白→濃い黒と切り替わることになる。
【0042】
なお、リフレッシュ期間に行われるリフレッシュの駆動シーケンスは予め定められている。
【0043】
一方、駆動用電源42は、電極駆動部36に供給する電位を発生させるための第1電源部42Aと、透明電極駆動部38に供給する電位を発生させるための第2電源部42Bを含んで構成されている。第1電源部42Aは、電極22の基準電位VCLを発生させる基準電位発生部44と、基準電位VCLを接地電位として電位差(VCH−VCL)を発生させることで高圧出力を出力する高圧出力部48と、基準電位VCLを接地電位として電位差TTLを発生させることで信号電源出力としての電位(VCL+TTL)を出力する信号電源出力部50を備えている。なお、高圧出力部48にも出力電位を安定させるための大容量のコンデンサが並列に接続されている。
【0044】
上記構成により、第1電源部42Aは高圧出力(電位VCH)、GND出力(基準電位VCL)及び信号電源出力(電位(VCL+TTL))を出力する。第1電源部42Aは電極駆動部36に接続されており、上記各出力のうち、GND出力及び信号電源出力は電極駆動部36に直接供給される。また、第1電源部42Aの高圧出力は切替部60に入力され、リフレッシュ用電源40のリフレッシュ用の出力も切替部60に入力される。
【0045】
切替部60も半導体スイッチング素子(例えばMOSFET)等で構成されており、入力された第1電源部42Aの高圧出力及びリフレッシュ用電源40のリフレッシュ用の出力の一方を選択的に出力するように構成されている。切替部60は制御装置34に接続されており、高圧出力及びリフレッシュ用の出力の何れを出力するかは制御装置34によって制御される。切替部60の出力端は電極駆動部36接続されており、切替部60から出力された高圧出力又はリフレッシュ用の出力は電極駆動部36に供給される。
【0046】
また、第2電源部42Bは、透明電極16の基準電位VRHを発生させる基準電位発生部46と、基準電位VRHを接地電位として電位差(VRL−VRH)を発生させることで高圧出力としての電位VRLを出力する高圧出力部52と、基準電位VRHを接地電位として電位差TTLを発生させることで信号電源出力としての電位(VRH+TTL)を出力する信号電源出力部54を備えている。第2電源部42Bは透明電極駆動部38に接続されており、高圧出力(電位VRL)、GND出力(基準電位VRH)及び信号電源出力(電位(VRH+TTL))が透明電極駆動部38に供給される。
【0047】
一方、電極駆動部36は、画像表示媒体12に設けられている電極22の数と同数のスイッチング素子56を備えており、第1電源部42AからのGND出力(基準電位VCL)と、切替部60からの高圧出力又はリフレッシュ用の出力は個々のスイッチング素子56に各々供給される。
【0048】
ところで、図2ではスイッチング素子56を模式的にスイッチとして示しているが、スイッチング素子56は実際には半導体スイッチング素子(例えばMOSFET等)で構成されている。
【0049】
個々のスイッチング素子56は、第1電源部42Aから供給された信号電源出力を電源とし、GND出力(基準電位VCL)を基準電位として動作し、オン状態では高圧出力(又はリフレッシュ用の出力)を、オフ状態ではGND出力(基準電位VCL)を出力する。なお、個々のスイッチング素子56には制御装置34から供給された制御信号も入力され、個々のスイッチング素子56のオンオフは制御装置34によって制御されるようになっている。。
【0050】
図1にも示されるように、電極駆動部36は画像表示媒体12の背面基板20側に取付けられており、電極駆動部36の個々のスイッチング素子56は、背面基板20側に形成された個々の電極22と接続されている。従って、画像表示媒体12の個々の電極22の電位は、接続されているスイッチング素子56のオンオフの状態に応じて高圧出力に相当する電位VCH又はリフレッシュ用の出力に相当する電位又は基準電位VCLに切り替わることになる。
【0051】
また、透明電極駆動部38は、画像表示媒体12に設けられている透明電極16の数と同数のスイッチング素子58を備えており、第2電源部42Bからの高圧出力(電位VRL)及びGND出力(基準電位VRH)は個々のスイッチング素子58に各々供給される。スイッチング素子58も実際には半導体素子(例えば、MOSFET等)で構成されている。個々のスイッチング素子58は、第2電源部42Bから供給された信号電源出力を電源とし、GND出力(基準電位VRH)を基準電位として動作し、オン状態では高圧出力(電位VRL)を、オフ状態ではGND出力(基準電位VRH)を出力する。なお、個々のスイッチング素子58には制御装置34から供給された制御信号も入力され、個々のスイッチング素子58のオンオフは制御装置34によって制御される。
【0052】
図1にも示されるように、透明電極駆動部38は画像表示媒体12の表示基板14側に取付けられており、透明電極駆動部38の個々のスイッチング素子58は、表示基板14側に形成された個々の透明電極16と接続されている。従って、画像表示媒体12の個々の透明電極16の電位は、接続されているスイッチング素子58のオンオフの状態に応じて電位VRL又は基準電位VRHに切り替わることになる。
【0053】
電極22の電位を電位VCH又は基準電位VCLに切り替えると共に、透明電極16の電位を電位VRL又は基準電位VRHに切り替えることで、単純マトリクス方式により画像表示媒体12を駆動するので、電極22と透明電極16の間には、画像表示媒体12の駆動
時に、次の表1に示す電圧V1〜V4の何れかが印加されるようになっている。
【0054】
なお、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの移動は、電圧V1が印加されたときに生じるようになっている。このように、電圧V1が印加されたときにセルの表示濃度は変化する。
【0055】
【表1】

【0056】
これに対し、表1に示す電圧V2〜V4(即ち、前記電圧V1以外)は、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの移動を生じさせない大きさである必要がある。従って、画像表示媒体12における保持電圧の最大値をXとすると、
|V2|<X、|V3|<X、|V4|<X
よって
|VCH−VRH|<X、|VCL−VRL|<X、|VCL−VRH|<X
となる。また、
|V2|=(VCH−VCL)―(VRH−VCL)<X
―X<(VCH−VCL)―(VRH−VCL)<X
従って、
−2X<(VCH−VCL)<2X
同様に
−2X<(VRH−VRL)<2X
となり、画像表示媒体12の駆動時における電極22の電位VCH/VCLの電位差、透明電極16の電位VRL/VRHの電位差は、何れも保持電圧の最大値Xの2倍が限度となっている。従って、画像表示媒体12の駆動時に電極22と透明電極16の間に印加可能な最大電圧(電位差)は、
|V1|=(VCH−VRL)<2X+X=3X
となる。
【0057】
次に、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの各々の粒子について説明する。
【0058】
白色粒子28A、黒色粒子28B同士は、相互の摩擦による摩擦帯電により、互いに異なる極性に帯電する。ここでは、白色粒子28Aは負に帯電しており、黒色粒子28Bは正に帯電するようになっている。
【0059】
小径粒子28Cは、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと同様に導電性粒子であり、金属粒子、若しくは酸化金属粒子等で形成される。白色粒子28A及び黒色粒子28Bの粒子径と小径粒子28Cの粒子径との比は、10:1〜1:10である。第1の実施の形態では、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと小径粒子28Cとで同じ材質が使われているため、粒子径の差が粒子の比重の差に比例する。こうして、小径粒子28Cは、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと比較して粒子径が小さく、比重が小さくなるように形成されている。
【0060】
粒子径が小さく、比重が小さなるように形成されているため、小径粒子28Cは、直流電圧が印加されることにより、白色粒子28A及び黒色粒子28Bに先駆け、まず移動を開始する。このように、小径粒子28Cは移動開始が容易である。
【0061】
ところで、基板間に形成される電界にしたがって、粒子が基板間を移動する際、粒子が移動を開始する電圧は粒子に作用する電界強度によるクーロン力が、粒子と基板表面との間に働く付着力(静電気力、ファンデルワールス力)に打ち勝ったときであることから、この付着力が弱いことを意味する。基板間に封入された粒子群が移動開始しやすくなるメカニズムとして、動きやすい粒子、即ち粒子径が小さく、比重が小さなるように形成されていることで移動開始が容易な小径粒子28Cが先ず移動を開始し、これらが所謂「呼び水」となって、比較的移動開始が容易ではない他の白色粒子28A及び黒色粒子28Bに衝突してほぼ同電圧にて移動を開始させ、全体として移動開始電圧の低下を実現していると考えられる。また、これに伴い、多くの白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cが移動して画像表示濃度がほぼ飽和する電圧も低くすることが可能となり、画像表示媒体12を駆動させる駆動電圧の低減化を図ることができる。
【0062】
また、画像表示を繰り返していると、移動開始電圧が上昇し、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cが凝集して移動しにくくなったり、摩擦帯電量が低下したりして、画像のドット欠陥等が生じることが知られているが、第1の実施の形態のように、小径粒子28Cを添加混合することにより、ドット欠陥を防止し、画質を維持した画像表示の繰り返し回数の増加が可能となる。
【0063】
小径粒子28Cは、移動開始が容易であるとともに透明電極16、及び電極22への付着力が小さいことをその特性としている。かかる小径粒子28Cとしては、小径粒子の表面をミラーコートした粒子を用いる。小径粒子28Cの粒子表面をミラーコートすることにより、小径粒子28Cの色が周辺の色と同化する。従って、当該小径粒子28Cの存在により、表示画像の画質が低下することはない。
【0064】
ところで、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと小径粒子28Cとの上記特性の差あるいは移動開始の容易性の差が小さい場合ほど、小径粒子28Cを多めに添加混合する必要がある。なお、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと粒子径の差が小さい小径粒子28Cを大量に加えるよりも、白色粒子28A及び黒色粒子28Bとの粒子径の差が大きい小径粒子28Cを少量加えた方がより大きな効果が望める点で好ましい。
【0065】
なお、小径粒子28Cは、透明なガラス等の素材で形成された粒子であってもよい。ガラス等の透明な素材で形成すると、小径粒子28C自身が透明となり、見えなくなる。従って、当該小径粒子28Cの存在により、表示画像の画質が低下することはない。
【0066】
また、第1の実施の形態においては、白色、及び黒色の2種類の白色粒子28A及び黒色粒子28Bを混合したものを示したが、2種類に限らず、3種類以上(赤色、青色等)であってもよい。また、小径粒子28Cも2種類以上を混合してもよい。
【0067】
次に、この第1の実施の形態に係る画像表示装置10の動作を説明する。
【0068】
制御装置34は、画像表示媒体12の全面が所定の表示濃度(例えば、より濃度の低い白に相当する表示濃度)となっている状態で、第1電源部42Aからの高圧出力が電極駆動部36に供給されるように切替部60を制御し、且つ、入力された画像データに基づき、電極駆動部36の各スイッチング素子56、及び透明電極駆動部38の各スイッチング素子58を各々オンオフさせることで、単純マトリクス方式により画像表示媒体12に画像を書き込む。
【0069】
即ち、制御装置34は、まず透明電極駆動部38の各スイッチング素子58のうち、特定の透明電極16(書き込み対象の透明電極16)に接続されたスイッチング素子58のみをオンさせる(他のスイッチング素子58はオフ状態とする)。これにより、書き込み対象の透明電極16のみが電位VRHに切り替わり、他の透明電極16は基準電位VRLのまま維持される。また制御装置34は、前述の画像データから、書き込み対象の透明電極16と各電極22との交差位置に相当する各セルのデータを抽出し、抽出したデータが表す各セルの階調値(濃度)が白か黒かに応じて、電極駆動部36の各スイッチング素子56のオンオフを制御する(例えば階調値が黒のセルについてのみスイッチング素子56をオンする等)。
【0070】
これにより、接続されているスイッチング素子56がオンされた電極22は電位VCHに切り替わるので、該電極22と書き込み対象の透明電極16との交差位置に位置しているセルに電圧V1(表1参照)が印加されることで白色粒子28A及び黒色粒子28Bの移動が生じ、該セルの表示濃度が変化する(例えばより濃度の低い白→黒へ変化する)。また、接続されているスイッチング素子56がオフされている電極22は基準電位VCLとされるので、該電極22と書き込み対象の透明電極16との交差位置に位置しているセルには電圧V3(表1参照)が印加されることになり、該セルの表示濃度の変化は生じない。
【0071】
なお、この間、書き込み対象の透明電極16以外の各透明電極16と各電極22との交差位置に相当する各セルは、上述のように電極22は電位VCH又は基準電位VCLとされるものの、透明電極16が基準電位VRLのまま維持されているために電圧V3又は電圧V4が印加されることになるので、前記各セルは表示濃度が変化しない状態で維持される。
【0072】
制御装置34は、特定の透明電極16に接続されたスイッチング素子58をオンさせてから所定時間が経過する毎に、書き込み対象の透明電極16を別の透明電極16に切り替えて上記処理を行うことを繰り返す。これにより、透明電極16が単純マトリクス方式における走査電極として用いられ、電極22がデータ電極として用いられることになり、書込対象の画像が画像表示媒体12に書き込まれることになる。
【0073】
透明電極16、電極22への電圧の印加を停止しても、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cと誘電体層18、24との間の静電付着力が維持されるため、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cは誘電体層18、24の内面に付着したまま保持され、長時間に渡り白黒画像が表示される。
【0074】
初期状態にする場合には、制御部は、電圧印加部30の交番電圧発生部を動作させ、透明電極16に所定の周波数(例えば、400Hz)の交番電圧(例えば、±210V)を印加するとともに、これと逆位相の交番電圧(例えば、±210V)を電極22に印加し、最終パルスとして例えば透明電極16に正の直流電圧を印加することにより、白色粒子28Aが表示基板14の誘電体層18の内面全体に付着し、黒色粒子28Bが背面基板20の誘電体層24の内面全体に付着し、初期状態に戻される。このとき、画像表示媒体12を表示基板14側から見ると、白色粒子28Aによる白色画面のみが見えている。
【0075】
次に、小径粒子28Cのリフレッシュの駆動シーケンスを図5のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
図5(A)に示すように、まず、ステップ100で、小径粒子リフレッシュを行なう。ここで、小径粒子リフレッシュとは、表示基板14と背面基板20との基板間に前述した電圧V2を印加して行なうリフレッシュである。前述の通り、基板間に電圧V2を印加したとしても、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの移動が生ずることはない。しかし、粒子径が小さく、比重の小さな小径粒子28Cは電圧V2の印加によっても移動が生じ、当該移動により、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと接触する。そして、当該接触により、小径粒子28Cは、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの凝集を破壊すると共に、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの摩擦帯電量を、接触による摩擦により、適切なレベルに復活させる。
【0077】
次に、ステップ102へ移行し、通常リフレッシュを行なう。ここで、通常リフレッシュとは、基板間に前述した電圧V1を印加して行なうリフレッシュであり、当該通常リフレッシュにより、白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28Cの各々に移動が生ずる。
【0078】
このように、当該リフレッシュの駆動シーケンスでは、まず、小径粒子リフレッシュにより、小径粒子28Cに移動が生じ、白色粒子28A及び黒色粒子28Bの凝集を破壊すると共に、摩擦帯電量を上げる。これにより、従来、白色粒子28A及び黒色粒子28Bに対して行なわれていたリフレッシュよりも低い電圧の印加により、画像表示媒体12のリフレッシュの効果を上げることが可能となる。
【0079】
なお、図5(B)に示すように、まず、ステップ110で、前記通常リフレッシュを行い、次に、ステップ112で、前記小径粒子リフレッシュを行なってもよい。
【0080】
また、画像表示媒体12における画像表示は、当該通常リフレッシュ電圧の印加を開始してから所定時間が経過してから行なわれる。
(リフレッシュの駆動シーケンスの変形例1)
図6には、リフレッシュの駆動シーケンスの変形例1のフローチャートが示されている。
【0081】
まず、n(nは整数である)に「1」が代入される(ステップ120)。
【0082】
次に、n番目のセルのみの前述の通常リフレッシュが行なわれ(ステップ122)、当該n番目のセルのみに画像が書き込まれる(ステップ124)。
【0083】
次に、ステップ126では、n=n+1のように、nに「1」が加算される。
【0084】
次に、ステップ128では、nが「N」(「N」は、全てのセルの数である)を超えたか否か、即ち、全てのセルが通常リフレッシュ、及び画像の書き込みが行なわれたか否かが判断される。Nを超えて肯定された場合は当該フローは終了し、前記ステップ118で否定された場合は、前記ステップ120へ移行する。
(リフレッシュの駆動シーケンスの変形例2)
図7には、リフレッシュの駆動シーケンスの変形例2のフローチャートが示されている。
【0085】
まず、n(nは整数である)に「L(Lは「1」以上、且つ前記「N」以下の整数である)」が代入される(ステップ130)。
【0086】
次に、n番目のセルのみに前述の通常リフレッシュが行なわれ(ステップ132)、当該n番目のセルのみに画像が書き込まれる(ステップ134)。
【0087】
次に、ステップ136では、n=n+1のように、nに「1」が加算される。
【0088】
次に、ステップ138では、nが「M(「M」は前記「L」以上、且つ前記「N」以下の整数である)」を超えたか否か、即ち、特定(「L」以上「M」以下)のセルが通常リフレッシュ、及び画像の書き込みが行なわれたか否かが判断される。「M」を超えて肯定された場合は当該フローは終了し、前記ステップ138で否定された場合は、前記ステップ130へ移行する。
(リフレッシュの駆動シーケンスの変形例3)
図8には、リフレッシュの駆動シーケンスの変形例3のフローチャートが示されている。
【0089】
当該変形例3では、まず、全てのセルに前述の通常リフレッシュを行い(ステップ140)、次に、全てのセルに画像を書き込む(ステップ142)。
【0090】
なお、上記の第1の実施の形態においては、一対の電極(電極22、透明電極16)を一対の基板(表示基板14、背面基板20)に設けたが、一対の電極は画像表示媒体12の外に設けてもよい。これにより、表示基板14の透明度が高くなる点で望ましい。また、一対の電極は、全面電極とセル電極、又はセル電極同士の組み合わせでもよい。
【0091】
このように、第1の実施の形態における白色粒子28A、黒色粒子28B、及び小径粒子28C群は、白色粒子28A及び黒色粒子28Bと小径粒子28Cとを所定の割合で混合して得られる混合粒子群である。こうして、第1の実施の形態では、小径粒子28Cの粒子径が小さいため、白色粒子28A及び黒色粒子28Bに混ぜても目立ちにくく、表示画像の画質に影響を与えることなく、ドット欠陥の防止等の表示画像の画質の低下を防ぐことができる。
【0092】
また、表示濃度が略飽和する電圧を低くすることが可能となるため、駆動用電源42から印加する電圧の低電圧化を実現することができる。
【0093】
さらに、小径粒子28Cは、複数種類の粒子を採用可能である。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0094】
第2の実施の形態の特徴は、小径粒子28Cに、形成される磁界により移動を開始する磁気粒子を適用する点にある。
【0095】
図9に示すように、第2の実施の形態の画像表示媒体70は、表示基板14面を矢印10Aで示すように移動可能な磁気ヘッド72を備えている。磁気ヘッド72には、磁気コイル(図示省略)が入っており、表示基板14面上を移動させられることにより、表示基板14と背面基板20との間の微小な間隔に封入されている小径粒子28Cを振動させるようになっている。
【0096】
こうして、第2の実施の形態では、小径粒子28Cの振動により、画像表示媒体12のリフレッシュを行なうようになっている。リフレッシュの駆動シーケンスは、第1の実施の形態と同様である。
【0097】
このように、第2の実施の形態は、小径粒子28Cとして、磁気粒子を採用することで、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施の形態に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電源装置、電極駆動部、及び透明電極駆動部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るリフレッシュ用電源の構成の一例を示す。
【図4】第1の実施の形態に係る画像表示媒体の特定のセルに印加される電圧の推移の一例を示す線図である。
【図5】第1の実施の形態に係るリフレッシュの駆動シーケンスが示されている。
【図6】第1の実施の形態に係るリフレッシュの駆動シーケンスの変形例1の流れが示されている。
【図7】第1の実施の形態に係るリフレッシュの駆動シーケンスの変形例2の流れが示されている。
【図8】第1の実施の形態に係るリフレッシュの駆動シーケンスの変形例3の流れが示されている。
【図9】第2の実施の形態に係る画像表示媒体の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
14 表示基板
16 透明電極
18 誘電体層
20 背面基板
22 電極
24 誘電体層
26 仕切り部材
28 粒子
30 電圧印加部
32 電源装置
34 制御装置
36 電極駆動部
38 透明電極駆動部
40 リフレッシュ用電源
42 駆動用電源
42A 第1電源部
42B 第2電源部
44、46 基準電位発生部
48、52 高圧出力部
50、54 信号電源出力部
56、58 スイッチング素子
60 切替部
62A、62B 直流電源
64 スイッチング部
70 画像表示媒体
72 磁気ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性を有する表面基板と、前記表面基板に対向配置された背面基板と、前記表面基板と前記背面基板との基板間を複数のセルに仕切る仕切り部材と、前記複数のセル内に封入され、前記基板間に付与された電界に応じて前記セル内を前記表面基板方向又は前記背面基板方向に移動する正又は負に帯電すると共に、少なくとも2種の異なる表面色又は濃度を持つ粒子群と、を備え、画像表示を行なう画像表示媒体であって、
前記粒子群には、相対的に粒子径が異なる前記画像表示における色または濃度に寄与する大径粒子群と前記画像表示における色または濃度に寄与しない小径粒子群とが混在されていることを特徴とする画像表示媒体。
【請求項2】
前記小径粒子群は、前記大径粒子群よりも比重が小さいことを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体。
【請求項3】
前記大径粒子群と前記小径粒子群とは、同一電界の空間において、前記大径粒子群及び前記小径粒子群と前記表面基板表面又は前記背面基板表面との間に働く付着力が相違することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像表示媒体。
【請求項4】
透明性を有する表面基板と、前記表面基板に対向配置された背面基板と、前記表面基板と前記背面基板との基板間を複数のセルに仕切る仕切り部材と、前記複数のセル内に封入され、前記基板間に付与された電界に応じて前記セル内を前記表面基板方向又は前記背面基板方向に移動する正又は負に帯電すると共に、少なくとも2種の異なる表面色又は濃度を持つ大径粒子群と、前記大径粒子群に混在し、且つ相対的に小径とされ前記画像表示における色または濃度に寄与しない小径粒子群とで構成される画像表示媒体と、
電圧が印加されることにより、前記画像表示媒体を構成する表面電極と背面電極との間に、前記電界を付与する一対の電極と、
前記電圧を印加する電圧印加手段と、
前記一対の電極への前記電圧の印加を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−108347(P2007−108347A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298035(P2005−298035)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】