画像表示方法及び画像表示装置
【課題】フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示する。
【解決手段】フィールド周期で変化し所定数のフィールド周期で繰り返すパターンカウントが表示用所定値となったフィールドで該フィールドとそれの隣接フィールドを基にフレームを合成し出力し、各フィールド毎に、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一であるかを判断し、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一であれば、更に、パターンカウントが初期化用所定値であれば、パターンカウントを初期値に初期化し、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一でなくても、パターンカウントが初期化用所定値であり且つ現在フィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可用所定値以上であれば、パターンカウントを初期値に初期化する。
【解決手段】フィールド周期で変化し所定数のフィールド周期で繰り返すパターンカウントが表示用所定値となったフィールドで該フィールドとそれの隣接フィールドを基にフレームを合成し出力し、各フィールド毎に、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一であるかを判断し、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一であれば、更に、パターンカウントが初期化用所定値であれば、パターンカウントを初期値に初期化し、2フィールド前画像データと現在フィールドの画像データが同一でなくても、パターンカウントが初期化用所定値であり且つ現在フィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可用所定値以上であれば、パターンカウントを初期値に初期化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示する画像表示方法及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータで、テレビを視聴する場合、NTSC(National Television Standards Committee)方式、PAL(Phase Alternation by Line)方式又はSECAM(SEquential Couleur A Memoire)方式の映像信号をパーソナルコンピュータのノンインターレス(プログレッシブ)・モニタに表示するために、偶数フィールド及び奇数フィールドをインターリーブ合成して作成したフレームにコーミング(combing)除去処理を施していた。
【特許文献1】特開2001−339694号公報
【特許文献2】特開2002−185933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記処理をした場合、1秒間に表示されるフレーム数は、約30又は約25であるため、処理前の画像に比べ、動きの滑らかさが劣る問題があった。また、コーミング除去方法によっては、映像全体がぼやけたり、映像のディテイル(detail)が潰れてしまう問題があった。
【0004】
このような、問題を改善するための方法として、例えば、NTSC信号の各フィールドをそれぞれ1つのフレームに変換して、1秒間に約60フレーム表示できるようにするインターレス/プログレッシブ変換方法がある。このインターレス/プログレッシブ変換方法では、インターレス信号の各フィールドについて画素単位で映像の動きを判定し、その画素が動き部分のものであるのか静止部分のものであるかにより補間方法を適応的に切り換える。
【0005】
特許文献1には、高速スクロールの画面に対しインターレス/プログレッシブ変換を行う際に発生する動き検出の破綻を軽減することを目的とした発明が記載されているが、この発明によれば、動き検出のためのしきい値を可変とするので、1フレーム分余計なバッファ・メモリが必要となる。
【0006】
特許文献2には、動き補正を伴うインターレス/プログレッシブ変換における動き検出の精度を向上させることを目的とした発明が記載されているが、1フィールド前、2フィールド前、3フィールド前及び6フィールド前のフィールドデータを利用する必要があり、このために、4フィールド分の余分なバッファ・メモリが必要となる。
【0007】
また、インターレス/プログレッシブ変換方法においては、動きの判定が正しくできないために、動画部分が静止画部分と判断され、これにより、その部分に静止画用の補間処理が適用される場合があった。そして、動画部分に対し静止画用の補間処理が適用されると、映像にゴミ状のノイズが含まれることとなる。このようなノイズは視覚上目立ってしまう。
【0008】
本発明は、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示する画像表示方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、を備えることを特徴とする画像表示方法が提供される。
【0010】
また、本発明の第2の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置が提供される。
【0011】
更に、本発明の第3の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、を備えるので、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1の効果を説明するための第1の図である。
【図3】本発明の実施形態1の効果を説明するための第2の図である。
【図4】図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置により行われるインターレス/プログレッシブ変換方法について説明するためのフロー・チャートである。
【図5】本発明の実施形態2によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図7】本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態4によるノイズ除去フィルタの構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態5による、レンダラを含んだインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第1のタイミング図である。
【図11】図9に示すインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第2のタイミング図である。
【図12】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するためのフロー・チャートである。
【図13】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第1のタイミング図である。
【図14】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第2のタイミング図である。
【図15】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第3のタイミング図である。
【図16】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第4のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
第1のフィールド・メモリ101−1は、処理対象となっているフィールドの1つ先のフィールドの画像データを格納する。第2のフィールド・メモリ101−2は、処理対象となっているフィールドの画像データを格納する。第3のフィールド・メモリ101−3は、処理対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画像データを格納する。
【0017】
画像データ書込部103は、第1乃至第3のフィールド・メモリ101−1、101−2及び101−3に画像データを書き込む。なお、第1乃至第3のフィールド・メモリ101−1、101−2及び101−3をリング・バッファ構成とし、循環的に、3つのフィールドの画像データをこれらのフィールド・メモリに格納するようにしても良い。
【0018】
動画補間画素生成部105は、第2のフィールド・メモリ101−2に格納されている画像データを基に、動画補間画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(1)に従って、動画補間画素A(n,i,j)を生成する。
【0019】
【数1】
ここで、x(n,i−1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ上の画素の値であり、x(n,i+1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ下の画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素の所定の近傍の画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0020】
静止画補間画素生成部107は、第1のフィールド・メモリ101−1に格納されている画素データ及び第3のフィールド・メモリ101−3に格納されている画素データを基に、静止画画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(2)に従って、動画補間画素B(n,i,j)を生成する。
【0021】
【数2】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n+1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ後のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの近傍のフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素と同一の位置にある画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0022】
差分計算部109は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素についての差分C(n,i,j)を式(3)に従って求める。
【0023】
【数3】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n+1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ後のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。差分C(n,i,j)は、動き量の基本となる。
【0024】
差分補正部111は、式(4)に従って、補正された差分D(n,i,j)を求める。
【0025】
【数4】
ここで、Δcの値は、ノイズのレベル等により決定され、補正値保持部113に格納されている。
【0026】
差分累積部115は、累積動き量メモリ117に格納されている累積動き量m(i,j)を式(5)に従って更新する。
【0027】
【数5】
ここで、THの値は、視覚特性等により決定され、しきい値保持部119に格納されている。THの値は、例えば、16である。
【0028】
上式に従って、累積動き量m(i,j)を計算することにより、あるフィールドである量の動きが検出された場合には、そのフィールドでは、累積動き量m(i,j)は、その前のフィールドでの累積動き量にその動きの量を加算してから1引いた値又は、動き量が大きい場合には、しきい値THとなり、それから1フィールド経過する度に1ずつ減少する。こうすることにより、動き検出は、尾を引くこととなる。これにより、動きがあった後に動画部が間違って静止画部であると判断される可能性を低くすることができる。動画部が間違って静止画部であると判断された場合には、動画部として正しく処理された時に算出される補間値とは全く異なった補間値が算出され、視覚上問題となる。一方、静止画部が間違って動画部であると判断された場合には、解像度が落ちるだけであり、視覚上問題とはならない。特に、実際に動きが検出された部分の周辺の静止画部は、動画部であると間違って判断されたとしても、その部分の解像度の低下は実際に動きがある部分によるマスキング効果により視覚されない。従って、式(5)を導入して、動画部が間違って静止画部と判断される可能性を低くすることの長所は、静止画部が間違って動画部と判断される可能性が増える欠点を上回るので、式(5)を導入することは、全体として、画質改善に役立つ。また、文字が固定されているテロップ部等の多くの静止画部は、式(5)を導入しても、間違って、動画部であると判断されることはない。
【0029】
動き量計算部121は、式(6)に従って動き量M(i,j)を算出する。
【0030】
【数6】
合成補間画素生成部123は、式(7)に従って合成補間画素x’(n,i,j)を計算する。
【0031】
【数7】
選択部125は、ライン毎に実在画素x(n,i,j)と補間画素x’(n,i,j)を切り換えて、プログレッシブ走査の画像データを出力する。
【0032】
なお、図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0033】
次に、式(6)に従って動き量M(i,j)を計算することの効果について説明する。
【0034】
図2に示すように、白い平坦な背景上を黒い縦線が右に移動する場合を想定する。また、考察を容易にするために、動き累積量m(i,j)を式(8)に従って計算するものとする。
【0035】
【数8】
そうすると、式(6)を用いずに、仮に、式(9)に従って、動き量M(i,j)を計算することとすると、図2に示すように、動きが検出されずに、静止画補間画素により補間が行われることとなり、コーミングが発生する。
【0036】
【数9】
すなわち、図2において、四角の画素は元々ある画素であり、丸の画素は補完するべき画素である。例えば、画素134と画素334との差分の絶対値が画素234の動き量となるが、この値はゼロであるため、画素234は、静止画画素であると間違って判断される。そうすると、画素134と画素334の平均値が画素234の補間値となり、画素234は白となってしまう。画素214、254についても同様である。そうすると、画素224、244、264が正しく黒であるのに対し、画素214、234、254は間違って白となってしまい、コーミングが発生する。
【0037】
一方、本発明に従って、式(6)に従って、動き量M(i,j)を計算することとすると、図3に示すように、正しく動きが検出され、動画補間画素により補間が行われることとなり、コーミングが発生しない。
【0038】
すなわち、図3において、図2の場合と同様に、四角の画素は元々ある画素であり、丸の画素は補完するべき画素である。例えば、画素134と画素334との差分の絶対値と画素044と画素244との差分の絶対値の和としきい値THのうちの小さい方が画素234の動き量となるが、この値はしきい値THであるため、画素234は、動画画素であると正しく判断される。そうすると、画素224と画素244の平均値が画素234の補間値となり、画素234は黒となる。画素214、254についても同様である。そうすると、画素224、244、264が正しく黒であり、且つ、画素214、234、254も正しく黒であるため、コーミングは発生しない。
【0039】
このように、式(6)に従って動き量M(i,j)を計算することにより、動画画素が間違って静止画画素であると判断されることを回避することができる。
【0040】
次に、図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置により行われるインターレス/プログレッシブ変換方法について説明する。
【0041】
図4を参照すると、まず、動画補間画素生成部105は、式(1)に従って、動画補間画素を生成する(ステップS201)。次に、静止画補間画素生成部107は、式(2)に従って、静止画補間画素を生成する(ステップS203)。次に、差分計算部109は、式(3)に従って、差分を計算する(ステップS205)。次に、差分補正部111は、式(4)に従って、差分を補正する(ステップS207)。次に、差分累積部115は、式(5)に従って、累積動き量を更新する(ステップS209)。次に、動き量計算部121は、式(6)に従って、動き量を計算する(ステップS211)。次に、合成補間画素生成部123は、式(7)に従って、合成補間画素を生成する(ステップS213)。
【0042】
[実施形態2]
実施形態1の構成でインターレス/プログレッシブ変換を行うと、動画像に付随する音声に対して動画像のタイミングが遅れてしまう場合がある。実施形態2は、音声に対して動画像のタイミングが遅れないようにするものである。このために、将来のフィールドの画像データを用いずに処理を行う。
【0043】
図5は、本発明の実施形態2によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
第1のフィールド・メモリ131−1は、処理対象となっているフィールドの画像データを格納する。第2のフィールド・メモリ131−2は、処理対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画像データを格納する。第3のフィールド・メモリ131−3は、処理対象となっているフィールドの2つ前のフィールドの画像データを格納する。第4のフィールド・メモリ131−4は、処理対象となっているフィールドの3つ前のフィールドの画像データを格納する。
【0045】
画像データ書込部133は、第1乃至第4のフィールド・メモリ131−1、131−2、131−3及び131−4に画像データを書き込む。なお、第1乃至第4のフィールド・メモリ131−1、131−2、131−3及び131−3をリング・バッファ構成とし、循環的に、4つのフィールドの画像データをこれらのフィールド・メモリに格納するようにしても良い。
【0046】
動画補間画素生成部105は、第1のフィールド・メモリ131−1に格納されている画像データを基に、動画補間画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(10)に従って、動画補間画素A(n,i,j)を生成する。
【0047】
【数10】
ここで、x(n,i−1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ上の画素の値であり、x(n,i+1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ下の画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素の所定の近傍の画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0048】
静止画補間画素生成部137は、第2のフィールド・メモリ131−2に格納されている画素データを基に、静止画画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(11)に従って、動画補間画素B(n,i,j)を生成する。
【0049】
【数11】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。但し、処理の対象となっているフィールドの過去の近傍のフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素と同一の位置にある画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0050】
差分計算部139は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素についての差分C(n,i,j)を式(12)に従って求める。
【0051】
【数12】
ここで、x(n−3,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの3つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。差分C(n,i,j)は、動き量の基本となる。
【0052】
差分補正部141は、式(13)に従って、補正された差分D(n,i,j)を求める。
【0053】
【数13】
ここで、Δcの値は、ノイズのレベル等により決定され、補正値保持部113に格納されている。
【0054】
差分累積部145は、累積動き量メモリ147に格納されている累積動き量m(i,j)を式(14)に従って更新する。
【0055】
【数14】
ここで、THの値は、視覚特性等により決定され、しきい値保持部149に格納されている。THの値は、例えば、16である。
【0056】
上式に従って、累積動き量m(i,j)を計算することにより、あるフィールドである量の動きが検出された場合には、そのフィールドでは、累積動き量m(i,j)は、その前のフィールドでの累積動き量にその動きの量を加算してから1引いた値又は、動き量が大きい場合には、しきい値THとなり、1フィールド経過する度に1ずつ減少する。こうすることにより、動き検出は、尾を引くこととなる。これにより、動きがあった後に動画部が間違って静止画部であると判断される可能性を低くすることができる。
【0057】
動き量計算部151は、式(15)に従って動き量M(i,j)を算出する。
【0058】
【数15】
合成補間画素生成部153は、式(16)に従って合成補間画素x’(n,i,j)を計算する。
【0059】
【数16】
選択部155は、ライン毎に実在画素x(n,i,j)と補間画素x’(n,i,j)を切り換えて、プログレッシブ走査の画像データを出力する。
【0060】
なお、図5に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図5に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0061】
[実施形態3]
実施形態1の構成に従った場合、図6に示すように、シーンチェンジの境界の前後のフィールド(図6の例では、フィールドB2とフィールドA3)では、全ての補間画素について動画補間(フィールド内補間)をするべきである。しかし、画像データの内容によっては、一部の補間画素について静止画補間が行われる可能性がある。そこで、実施形態3では、各フィールド毎にシーンチェンジを検出し、シーンチェンジの境界の前後のフィールドでは、全ての補間画素について強制的に動画補間(フィールド内補間)を行う。
【0062】
図7は、本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
図7と図1を比較すると明らかなように、実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置は、実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置と比較すると、シーンチェンジ検出部161が追加されている点のみが異なる。従って、シーンチェンジ検出部161及びその周辺部のみについて説明する。
【0064】
図6を参照すると、フィールドB2について処理を行っている時には、フィールドB2の直前のフィールドであるフィールドA2とフィールドB2の直後のフィールドであるフィールドA3が異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。同様に、フィールドA3について処理を行っている時には、フィールドA3の直前のフィールドであるフィールドB2とフィールドA3の直後のフィールドであるフィールドB3が異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。従って、処理しているフィールドの直前のフィールドと直後のフィールドが異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。異なったシーンに属するものであるかを検出するためには、例えば、両フィールドの間の相互相関値がしきい値以下であるか否かを判断したり、両フィールドの間の相互相関値が急に変化したか否かを判断すればよい。
【0065】
このために、シーンチェンジ検出部161は、第1のフィールド・メモリ101−1から現在のフィールドの1つ後のフィールドの画像データを入力し、第3のフィールド・メモリ101−3から現在のフィールドの1つ前のフィールドの画像データを入力し、両画像データの間の相互相関値等を計算することにより、シーンチェンジを検出する。シーンチェンジ検出部161は、シーンチェンジを検出した場合には、累積動き量メモリ117に格納されている全ての累積動き量をしきい値THに設定する。こうすることにより、フィールド内の全ての補間画素は、動画補間画素となる。
【0066】
なお、図7に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図7に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0067】
[実施形態4]
実施形態4では、画像データ書込部133の前段にノイズ除去フィルタを配置する。このノイズ除去フィルタにより平坦部のノイズを除去する。
【0068】
図8にノイズ除去フィルタの構成例を示す。図8を参照すると、このノイズ除去フィルタは、遅延回路171−1〜171−6、掛算器172−1〜172−7、加算器173、比較器174及びセレクタ175を備える。
【0069】
遅延回路171−1〜171−6は、1画素単位で画素を遅延させる。掛算器172−1〜172−7と加算器173は積和回路を構成する。掛算器172−1〜172−7の係数を適切に選ぶことにより(例えば、1/8、1/8、1/8、2/8、1/8、1/8、1/8)、遅延回路171−1〜171−6、掛算器172−1〜172−7及び加算器173を低域通過フィルタにする。比較器174は、加算器173の出力データの値が、遅延回路171−3の出力データの値から所定値を減算した値と遅延回路171−3の出力データの値に所定値を加算した値との間にあるか否かを判断する。セレクタ175は、加算器173の出力データの値が、遅延回路171−3の出力データの値から所定値を減算した値と遅延回路171−3の出力データの値に所定値を加算した値との間にある場合には、加算器173の出力データを選択し、そうでない場合には、遅延回路171−3の出力データを選択する。こうすることにより、平坦部のノイズを除去することが可能となる。
【0070】
なお、図8に示すノイズ除去フィルタは、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図8に示すノイズ除去フィルタとして機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0071】
[実施形態5]
実施形態1から実施形態4では、レンダラを考慮していなかったが、図9に示すように、インターレス/プログレッシブ変換装置の最終段にはレンダラ191が存在する。レンダラ191は、画像データをモニタのクロック周波数、水平同期周波数及びフレーム周波数でモニタに出力する機能を持つ。
【0072】
図9を参照すると、レンダラ191は、書込部192、Aフレーム・メモリ193、Bフレーム・メモリ194及び読出部195を備える。Aフレーム・メモリ193及びBフレーム・メモリ194は、交互に、相補的に、書込みフレーム・メモリ及び表示フレーム・メモリとなる。
【0073】
書込部192は、Aフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在書込みフレーム・メモリとなっているものに画像データを書き込む。読出部195は、Aフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在表示フレーム・メモリとなっているものから画像データを読み出し、それをモニタに供給する。
【0074】
図9に示すフィールド・メモリ群101(又は131)は、例えば、図1の例でいうと、フィールド・メモリ101−1〜101−3の群である。画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は182C)は、例えば、図1の例でいうと、図1の符号182Aの枠で囲まれたブロック群を含む。書込み時刻メモリ181には、画像データ書込部103(又は133)が、画像データをフィールド・メモリ群101(又は131)に書き込む時刻を格納する。タイミング制御部183は、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は182C)が画像データの読出し及び補間を行い、その結果得られたプログレッシブの画像データを書込部192に供給し、書込部192がAフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在書込みフレーム・メモリとなっているものに画像データを書き込むためのタイミングを制御する。
【0075】
次に、図10を参照して、特に、タイミング制御部183により行われるタイミング制御を説明する。
【0076】
図10を参照すると、画像データ書込部103(又は133)が、最初に、画像データをフィールド・メモリ101(又は131)に書き込む時刻をT−In(1)とする。時刻T−In(1)は、書込み時刻メモリ181に書き込まれる。以降、画像データ書込部103(又は133)が、画像データをフィールド・メモリ101(又は131)に書き込む度に、書き込み時刻T−In(2)、T−In(3)、T−In(4)、・・・が書込み時刻メモリ181に書き込まれる。
【0077】
時刻T−In(1)において、タイミング制御部183は、書込部192に対し、書き込み要求を出力する。図10では、VRAM取得の短冊の左端が書込み要求を出力する時刻である。この時、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194に既に画像データが書き込まれている(Bフレーム・メモリ194の画像データはまだ読み出されていない)ので、読出部195によるAフレーム・メモリ183からの画像データの読み出しの処理が完了してAフレーム・メモリ193が空く時刻T−R(1)まで待ちが発生し、時刻T−R(1)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。図10では、VRAM取得の短冊の右端が肯定応答を返す時刻である。従って、VRAM取得の短冊の幅は、タイミング制御部183が書き込み要求を書込部192に出力してから書込部192が肯定応答をタイミング制御部183に返すまでの待ち期間を表す。
【0078】
そして、時刻T−R(1)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。図10では、処理の短冊で表される部分がインターレス/プログレッシブ変換の処理及び書込みを行っている期間である。
【0079】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、次に述べるように、diff(2)及びT−Out(2)の計算等を行う。図10では、計算の短冊の部分がこの計算等を行う期間である。まず、インターレス/プログレッシブ変換の処理及び書込みの終了の時刻を、時刻T−In(1)から所定のオフセット時間ΔTだけ遅れた時刻T−Out(1)と比較する。この例では、前者が後者よりも遅いので、「遅れ」が発生していると判断する。そして、この例では、その「遅れ」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(2)=Diff(1)+α1にする。ここで、Diff(1)は、Diff(i)の初期値である。diff(i)は、T−Out(i)からT−Out(i+1)までの時間差である。従って、T−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)となる。また、タイミング制御部183が、i回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、常に、時刻T−Out(i)からオフセット時間ΔTだけ先行した時刻である。従って、タイミング制御部183が、(i+1)回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、タイミング制御部183が、i回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻からdiff(i)だけ遅れた時刻となる。
【0080】
タイミング制御部183が、1回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)であるので、タイミング制御部183が、2回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)である。タイミング制御部183が、2回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻でも、書込みフレーム・メモリであるAフレーム・メモリ193に既に画像データが書き込まれている(Aフレーム・メモリ183に書き込まれている画像データはまだ読み出されていない)ので、読出部195によるBフレーム・メモリ194からの画像データの読み出しの処理が完了してBフレーム・メモリ194が空く時刻T−R(2)まで待ちが発生し、時刻T−R(2)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、時刻T−R(2)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをBフレーム・メモリ193に書き込む。
【0081】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(2)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(2)=T−out(1)+diff(1)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(2)よりも遅いので、「遅れ」が発生していると判断する。そして、この例では、その「遅れ」が所定値未満である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(3)=Diff(2)にする。
【0082】
タイミング制御部183が、3回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)+diff(2)である。タイミング制御部183が、3回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻では、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194に既に画像データが書き込まれているので、読出部195による読み出しの処理が完了してAフレーム・メモリ194が空く時刻T−R(3)まで待ちが発生し、時刻T−R(3)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、時刻T−R(3)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。
【0083】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(3)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(3)=T−out(2)+diff(2)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(3)よりも早いので、「進み」が発生していると判断する。そして、この例では、その「進み」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(4)=Diff(3)−α2にする。
【0084】
タイミング制御部183が、4回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)+diff(2)+diff(3)である。タイミング制御部183が、4回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻では、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194が空いているので、待ちが発生せず、その時刻の直後に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、肯定応答(ACK)の返信の直後から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。
【0085】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(4)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(4)=T−out(3)+diff(3)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(4)よりも早いので、「進み」が発生していると判断する。そして、この例では、その「進み」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(5)=Diff(4)−α2にする。
【0086】
以下、同様なことが繰り返される。このようにして、diffの値が進み又は遅れかにより更新されていき、次回の書き込み要求を出力する時刻は、今回の書込み要求を出力する時刻にdiffを加算した時刻となり、次回のインターレス/プログレッシブ変換処理を終了した時刻は、今回の時刻T−outにdiffを加算した時刻と比較され、再度、diffの値が進み又は遅れかにより更新されていく。この結果、Aフレーム・メモリ193又はBフレーム・メモリの何れかが空いている期間に、インターレス/プログレッシブ変換処理及び空いているフレーム・メモリへの画像データの書込みが行われる。収束状態においては、図10に示すように、diffの値は振動する。
【0087】
また、レンダラの動作周波数が遅い場合には、書込み時刻T−Inの周期が読出し時刻T−Outの周期と比べて短くなることがある。このような場合、タイミング制御部183は、書込み時刻メモリ181に書き込まれている最後の時刻T−Inから今回の時刻T−Outまでの時間が所定時間以上である場合には、最後の時刻T−Inに書き込まれた画像データを破棄する。この様子を図11に示す。
【0088】
なお、図9に示すレンダラ191及びタイミング制御部183は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図9に示すレンダラ191及びタイミング制御部183として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0089】
[実施形態6]
実施形態6は、24fpsのフィルム画像データから作成された約60fpsのインターレス画像データを、元の24fpsのフィルム画像データとして表示するものである。
【0090】
図12を参照すると、まず、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する(ステップS221)。この判断のためには、例えば、画素毎の差分の絶対値を求め、その絶対値がフィールドの全部又は一部の画素についてしきい値以下であるか否かを判断する。
【0091】
同一である(変化がない)と判断した場合には(ステップS221で「変化なし」)、変数である「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する(ステップS222)。「パターン・カウント」は、フィルム画像から作成された画像データを表示している期間は、5、4,3、2、1、5、4、3、2、1、5・・・と変化し、フィルム画像から作成されたのでない画像を表示している期間は、ゼロである。
【0092】
「パターン・カウント」がゼロである場合には(ステップS222で「=0」)、「パターン・カウント」を5に初期化し、また、変数である「24fps可能性」を1増加させる(ステップS224)。ステップS224で「パターン・カウント」を5に初期化することにより、「パターン・カウント」の位相が初期化される。「24fps可能性」は、現在のフィールドがフィルム画像から得られたものである可能性を示すものであり、この値が大きいほど、その可能性が高い。
【0093】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS222で「≠0」)、ステップS224をスキップする。これは、静止画である場合、又は、変化があるのに間違って変化がないと判断された場合に生じる。
【0094】
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない(変化がある)と判断した場合には(ステップS221で「変化あり」)、「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する(ステップS223)。
【0095】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS223で「≠0」)、「24fps可能性」を1だけ増加させる(ステップS226)。但し、「24fps可能性」の上限値を、一例として、11とする。従って、1だけ増加させて12になる場合には、11とする。フィルム画像から得られたフィールドのうち、重複しないフィールドを処理している時には、ステップS226を実行することとなる。
【0096】
「パターン・カウント」がゼロである場合には(ステップS223で「=0」)、「24fps可能性」を1だけ減少させ、また、「24fps可能性」が10以上である場合には、「パターン・カウント」を5に初期化する(ステップS225)。但し、「24fps可能性」を1だけ減少させる場合には、「24fps可能性」の下限値を、一例として、ゼロとする。従って、1だけ減少させて−1になる場合には、ゼロとする。フィルム画像から得られたフィールドのうち重複しているフィールドを処理しているのに、ステップS221で、誤って、「変化あり」と判断した場合に、ステップS225を実行することとなる。また、フィルム画像から得られたのではないフィールドを処理する場合にも、ステップS225を実行することとなる。
【0097】
ステップS224で「≠0」である場合にステップS227に進む。また、ステップS224、S225又はS226からもステップS227に進む。
【0098】
ステップS227では、「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する。「パターン・カウント」がゼロであるとは、現在のフィールドが、フィルム画像から得られたものではないことを意味するので、このような場合には(ステップS227で「=0」)、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、これにより得られた画像を表示する(ステップS231)。インターレス/プログレッシブ変換処理のためには、実施形態1乃至4を利用する。
【0099】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS227で「≠0」)、「パターン・カウント」を1だけ減少させる(ステップS228)。これにより、フィルム画像から得られたフィールドが連続している場合に、各フィールド毎に「パターン・カウント」が1だけ減少するようになる。
【0100】
次に、「24fps可能性」が5以上であるか否かを判断する(ステップS229)。
【0101】
「24fps可能性」が5未満である場合には(ステップS229で「<5」)、「パターン・カウント」がゼロではなくても、現在のフィールドがフィルム画像から得られたものではない可能性が高いので、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、これにより得られた画像を表示する(ステップS231)。
【0102】
「24fps可能性」が5以上である場合には(ステップS229で「>=5」)、「パターン・カウント」が2又は0であるか否かを判断する(ステップS230)。
【0103】
「パターン・カウント」が2又は0である場合には、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であると判断されたフィールドから2フィールド後又は4フィールド後のフィールドを現在扱っていることを意味する。このようなフィールドは、重複したフィールドを除いて考えると、フィルム画像から得られた2つのフィールドのうちの後半部のフィールドである。従って、このような場合には(ステップS230で「=2または=0」)、1つ前のフィールドと現在のフィールドを合わせてフレームを作成し、このフレームを表示する(ステップS232)。1つ前のフィールドと現在のフィールドを合わせてフレームを作成するためには、インターレス/プログレッシブ変換処理装置において、現在のフレームの全ての領域が静止画領域であるとして扱った上で処理を行えばよい。
【0104】
「パターン・カウント」が2でも0でもない場合には、最後のフレームの画像データをそのまま再度表示する(ステップS233)。
【0105】
ステップS227で「=0」である場合、及びステップS229で「<5」である場合には、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、その結果得られるフレームを表示する(ステップS231)。
【0106】
ステップS221での判断ミスが全くない場合の動作を図13及び図14に示す。また、図13及び図14に示す処理を行った後にステップS221での第1種の判断ミスが1回生じた場合の動作を図15に示す。更に、図13及び図14に示す処理を行った後にステップS221で第2種の判断ミスが3回生じた場合の動作を図16に示す。図15及び図16に示すように、ステップS221で判断ミスが生じた場合であっても、正しい処理が最終的に選択されることが分かる。
【0107】
なお、図12に示す表示方法は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図12に示す表示方法を行わせるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【符号の説明】
【0108】
101−1〜101−3 フィールド・メモリ
103 画像データ書込部
105 動画補間画素生成部
107 静止画補間画素生成部
109 差分計算部
111 差分補正部
113 補正値保持部
115 差分累積部
117 累積動き量メモリ
119 しきい値保持部
121 動き量計算部
123 合成補間画素生成部
125 選択部
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示する画像表示方法及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータで、テレビを視聴する場合、NTSC(National Television Standards Committee)方式、PAL(Phase Alternation by Line)方式又はSECAM(SEquential Couleur A Memoire)方式の映像信号をパーソナルコンピュータのノンインターレス(プログレッシブ)・モニタに表示するために、偶数フィールド及び奇数フィールドをインターリーブ合成して作成したフレームにコーミング(combing)除去処理を施していた。
【特許文献1】特開2001−339694号公報
【特許文献2】特開2002−185933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記処理をした場合、1秒間に表示されるフレーム数は、約30又は約25であるため、処理前の画像に比べ、動きの滑らかさが劣る問題があった。また、コーミング除去方法によっては、映像全体がぼやけたり、映像のディテイル(detail)が潰れてしまう問題があった。
【0004】
このような、問題を改善するための方法として、例えば、NTSC信号の各フィールドをそれぞれ1つのフレームに変換して、1秒間に約60フレーム表示できるようにするインターレス/プログレッシブ変換方法がある。このインターレス/プログレッシブ変換方法では、インターレス信号の各フィールドについて画素単位で映像の動きを判定し、その画素が動き部分のものであるのか静止部分のものであるかにより補間方法を適応的に切り換える。
【0005】
特許文献1には、高速スクロールの画面に対しインターレス/プログレッシブ変換を行う際に発生する動き検出の破綻を軽減することを目的とした発明が記載されているが、この発明によれば、動き検出のためのしきい値を可変とするので、1フレーム分余計なバッファ・メモリが必要となる。
【0006】
特許文献2には、動き補正を伴うインターレス/プログレッシブ変換における動き検出の精度を向上させることを目的とした発明が記載されているが、1フィールド前、2フィールド前、3フィールド前及び6フィールド前のフィールドデータを利用する必要があり、このために、4フィールド分の余分なバッファ・メモリが必要となる。
【0007】
また、インターレス/プログレッシブ変換方法においては、動きの判定が正しくできないために、動画部分が静止画部分と判断され、これにより、その部分に静止画用の補間処理が適用される場合があった。そして、動画部分に対し静止画用の補間処理が適用されると、映像にゴミ状のノイズが含まれることとなる。このようなノイズは視覚上目立ってしまう。
【0008】
本発明は、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示する画像表示方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、を備えることを特徴とする画像表示方法が提供される。
【0010】
また、本発明の第2の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置が提供される。
【0011】
更に、本発明の第3の観点によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、を備えるので、フィルム画像データからインターレス画像データを再生して表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1の効果を説明するための第1の図である。
【図3】本発明の実施形態1の効果を説明するための第2の図である。
【図4】図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置により行われるインターレス/プログレッシブ変換方法について説明するためのフロー・チャートである。
【図5】本発明の実施形態2によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図7】本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態4によるノイズ除去フィルタの構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態5による、レンダラを含んだインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第1のタイミング図である。
【図11】図9に示すインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第2のタイミング図である。
【図12】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するためのフロー・チャートである。
【図13】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第1のタイミング図である。
【図14】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第2のタイミング図である。
【図15】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第3のタイミング図である。
【図16】本発明の実施形態6による、フィルム画像変換機能を有するインターレス/プログレッシブ変換装置の動作を説明するための第4のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
第1のフィールド・メモリ101−1は、処理対象となっているフィールドの1つ先のフィールドの画像データを格納する。第2のフィールド・メモリ101−2は、処理対象となっているフィールドの画像データを格納する。第3のフィールド・メモリ101−3は、処理対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画像データを格納する。
【0017】
画像データ書込部103は、第1乃至第3のフィールド・メモリ101−1、101−2及び101−3に画像データを書き込む。なお、第1乃至第3のフィールド・メモリ101−1、101−2及び101−3をリング・バッファ構成とし、循環的に、3つのフィールドの画像データをこれらのフィールド・メモリに格納するようにしても良い。
【0018】
動画補間画素生成部105は、第2のフィールド・メモリ101−2に格納されている画像データを基に、動画補間画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(1)に従って、動画補間画素A(n,i,j)を生成する。
【0019】
【数1】
ここで、x(n,i−1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ上の画素の値であり、x(n,i+1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ下の画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素の所定の近傍の画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0020】
静止画補間画素生成部107は、第1のフィールド・メモリ101−1に格納されている画素データ及び第3のフィールド・メモリ101−3に格納されている画素データを基に、静止画画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(2)に従って、動画補間画素B(n,i,j)を生成する。
【0021】
【数2】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n+1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ後のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの近傍のフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素と同一の位置にある画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0022】
差分計算部109は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素についての差分C(n,i,j)を式(3)に従って求める。
【0023】
【数3】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n+1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ後のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。差分C(n,i,j)は、動き量の基本となる。
【0024】
差分補正部111は、式(4)に従って、補正された差分D(n,i,j)を求める。
【0025】
【数4】
ここで、Δcの値は、ノイズのレベル等により決定され、補正値保持部113に格納されている。
【0026】
差分累積部115は、累積動き量メモリ117に格納されている累積動き量m(i,j)を式(5)に従って更新する。
【0027】
【数5】
ここで、THの値は、視覚特性等により決定され、しきい値保持部119に格納されている。THの値は、例えば、16である。
【0028】
上式に従って、累積動き量m(i,j)を計算することにより、あるフィールドである量の動きが検出された場合には、そのフィールドでは、累積動き量m(i,j)は、その前のフィールドでの累積動き量にその動きの量を加算してから1引いた値又は、動き量が大きい場合には、しきい値THとなり、それから1フィールド経過する度に1ずつ減少する。こうすることにより、動き検出は、尾を引くこととなる。これにより、動きがあった後に動画部が間違って静止画部であると判断される可能性を低くすることができる。動画部が間違って静止画部であると判断された場合には、動画部として正しく処理された時に算出される補間値とは全く異なった補間値が算出され、視覚上問題となる。一方、静止画部が間違って動画部であると判断された場合には、解像度が落ちるだけであり、視覚上問題とはならない。特に、実際に動きが検出された部分の周辺の静止画部は、動画部であると間違って判断されたとしても、その部分の解像度の低下は実際に動きがある部分によるマスキング効果により視覚されない。従って、式(5)を導入して、動画部が間違って静止画部と判断される可能性を低くすることの長所は、静止画部が間違って動画部と判断される可能性が増える欠点を上回るので、式(5)を導入することは、全体として、画質改善に役立つ。また、文字が固定されているテロップ部等の多くの静止画部は、式(5)を導入しても、間違って、動画部であると判断されることはない。
【0029】
動き量計算部121は、式(6)に従って動き量M(i,j)を算出する。
【0030】
【数6】
合成補間画素生成部123は、式(7)に従って合成補間画素x’(n,i,j)を計算する。
【0031】
【数7】
選択部125は、ライン毎に実在画素x(n,i,j)と補間画素x’(n,i,j)を切り換えて、プログレッシブ走査の画像データを出力する。
【0032】
なお、図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0033】
次に、式(6)に従って動き量M(i,j)を計算することの効果について説明する。
【0034】
図2に示すように、白い平坦な背景上を黒い縦線が右に移動する場合を想定する。また、考察を容易にするために、動き累積量m(i,j)を式(8)に従って計算するものとする。
【0035】
【数8】
そうすると、式(6)を用いずに、仮に、式(9)に従って、動き量M(i,j)を計算することとすると、図2に示すように、動きが検出されずに、静止画補間画素により補間が行われることとなり、コーミングが発生する。
【0036】
【数9】
すなわち、図2において、四角の画素は元々ある画素であり、丸の画素は補完するべき画素である。例えば、画素134と画素334との差分の絶対値が画素234の動き量となるが、この値はゼロであるため、画素234は、静止画画素であると間違って判断される。そうすると、画素134と画素334の平均値が画素234の補間値となり、画素234は白となってしまう。画素214、254についても同様である。そうすると、画素224、244、264が正しく黒であるのに対し、画素214、234、254は間違って白となってしまい、コーミングが発生する。
【0037】
一方、本発明に従って、式(6)に従って、動き量M(i,j)を計算することとすると、図3に示すように、正しく動きが検出され、動画補間画素により補間が行われることとなり、コーミングが発生しない。
【0038】
すなわち、図3において、図2の場合と同様に、四角の画素は元々ある画素であり、丸の画素は補完するべき画素である。例えば、画素134と画素334との差分の絶対値と画素044と画素244との差分の絶対値の和としきい値THのうちの小さい方が画素234の動き量となるが、この値はしきい値THであるため、画素234は、動画画素であると正しく判断される。そうすると、画素224と画素244の平均値が画素234の補間値となり、画素234は黒となる。画素214、254についても同様である。そうすると、画素224、244、264が正しく黒であり、且つ、画素214、234、254も正しく黒であるため、コーミングは発生しない。
【0039】
このように、式(6)に従って動き量M(i,j)を計算することにより、動画画素が間違って静止画画素であると判断されることを回避することができる。
【0040】
次に、図1に示すインターレス/プログレッシブ変換装置により行われるインターレス/プログレッシブ変換方法について説明する。
【0041】
図4を参照すると、まず、動画補間画素生成部105は、式(1)に従って、動画補間画素を生成する(ステップS201)。次に、静止画補間画素生成部107は、式(2)に従って、静止画補間画素を生成する(ステップS203)。次に、差分計算部109は、式(3)に従って、差分を計算する(ステップS205)。次に、差分補正部111は、式(4)に従って、差分を補正する(ステップS207)。次に、差分累積部115は、式(5)に従って、累積動き量を更新する(ステップS209)。次に、動き量計算部121は、式(6)に従って、動き量を計算する(ステップS211)。次に、合成補間画素生成部123は、式(7)に従って、合成補間画素を生成する(ステップS213)。
【0042】
[実施形態2]
実施形態1の構成でインターレス/プログレッシブ変換を行うと、動画像に付随する音声に対して動画像のタイミングが遅れてしまう場合がある。実施形態2は、音声に対して動画像のタイミングが遅れないようにするものである。このために、将来のフィールドの画像データを用いずに処理を行う。
【0043】
図5は、本発明の実施形態2によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
第1のフィールド・メモリ131−1は、処理対象となっているフィールドの画像データを格納する。第2のフィールド・メモリ131−2は、処理対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画像データを格納する。第3のフィールド・メモリ131−3は、処理対象となっているフィールドの2つ前のフィールドの画像データを格納する。第4のフィールド・メモリ131−4は、処理対象となっているフィールドの3つ前のフィールドの画像データを格納する。
【0045】
画像データ書込部133は、第1乃至第4のフィールド・メモリ131−1、131−2、131−3及び131−4に画像データを書き込む。なお、第1乃至第4のフィールド・メモリ131−1、131−2、131−3及び131−3をリング・バッファ構成とし、循環的に、4つのフィールドの画像データをこれらのフィールド・メモリに格納するようにしても良い。
【0046】
動画補間画素生成部105は、第1のフィールド・メモリ131−1に格納されている画像データを基に、動画補間画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(10)に従って、動画補間画素A(n,i,j)を生成する。
【0047】
【数10】
ここで、x(n,i−1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ上の画素の値であり、x(n,i+1,j)は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素の1つ下の画素の値である。上記では、これらの2つの画素の値の平均値を処理の対象となっている画素の値としているが、これらの2つの画素のうちの1つの画素の値を処理の対象となっている画素の値としてもよい。また、処理の対象となっているフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素の所定の近傍の画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0048】
静止画補間画素生成部137は、第2のフィールド・メモリ131−2に格納されている画素データを基に、静止画画素を生成する。例えば、現在処理の対象となっているフィールドの番号をn、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の垂直方向位置をi、そのフィールドにおいて、補間するべき画素として現在処理の対象となっている画素の水平方向位置をjとした場合、式(11)に従って、動画補間画素B(n,i,j)を生成する。
【0049】
【数11】
ここで、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。但し、処理の対象となっているフィールドの過去の近傍のフィールドの画素のうちの処理の対象となっている画素と同一の位置にある画素の値の加重平均を処理の対象となっている画素の値としてもよい。
【0050】
差分計算部139は、処理の対象となっているフィールドの処理の対象となっている画素についての差分C(n,i,j)を式(12)に従って求める。
【0051】
【数12】
ここで、x(n−3,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの3つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値であり、x(n−1,i,j)は、処理の対象となっているフィールドの1つ前のフィールドの画素のうち、処理の対象となっている画素と同一の位置(i,j)にある画素の値である。差分C(n,i,j)は、動き量の基本となる。
【0052】
差分補正部141は、式(13)に従って、補正された差分D(n,i,j)を求める。
【0053】
【数13】
ここで、Δcの値は、ノイズのレベル等により決定され、補正値保持部113に格納されている。
【0054】
差分累積部145は、累積動き量メモリ147に格納されている累積動き量m(i,j)を式(14)に従って更新する。
【0055】
【数14】
ここで、THの値は、視覚特性等により決定され、しきい値保持部149に格納されている。THの値は、例えば、16である。
【0056】
上式に従って、累積動き量m(i,j)を計算することにより、あるフィールドである量の動きが検出された場合には、そのフィールドでは、累積動き量m(i,j)は、その前のフィールドでの累積動き量にその動きの量を加算してから1引いた値又は、動き量が大きい場合には、しきい値THとなり、1フィールド経過する度に1ずつ減少する。こうすることにより、動き検出は、尾を引くこととなる。これにより、動きがあった後に動画部が間違って静止画部であると判断される可能性を低くすることができる。
【0057】
動き量計算部151は、式(15)に従って動き量M(i,j)を算出する。
【0058】
【数15】
合成補間画素生成部153は、式(16)に従って合成補間画素x’(n,i,j)を計算する。
【0059】
【数16】
選択部155は、ライン毎に実在画素x(n,i,j)と補間画素x’(n,i,j)を切り換えて、プログレッシブ走査の画像データを出力する。
【0060】
なお、図5に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図5に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0061】
[実施形態3]
実施形態1の構成に従った場合、図6に示すように、シーンチェンジの境界の前後のフィールド(図6の例では、フィールドB2とフィールドA3)では、全ての補間画素について動画補間(フィールド内補間)をするべきである。しかし、画像データの内容によっては、一部の補間画素について静止画補間が行われる可能性がある。そこで、実施形態3では、各フィールド毎にシーンチェンジを検出し、シーンチェンジの境界の前後のフィールドでは、全ての補間画素について強制的に動画補間(フィールド内補間)を行う。
【0062】
図7は、本発明の実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
図7と図1を比較すると明らかなように、実施形態3によるインターレス/プログレッシブ変換装置は、実施形態1によるインターレス/プログレッシブ変換装置と比較すると、シーンチェンジ検出部161が追加されている点のみが異なる。従って、シーンチェンジ検出部161及びその周辺部のみについて説明する。
【0064】
図6を参照すると、フィールドB2について処理を行っている時には、フィールドB2の直前のフィールドであるフィールドA2とフィールドB2の直後のフィールドであるフィールドA3が異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。同様に、フィールドA3について処理を行っている時には、フィールドA3の直前のフィールドであるフィールドB2とフィールドA3の直後のフィールドであるフィールドB3が異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。従って、処理しているフィールドの直前のフィールドと直後のフィールドが異なったシーンに属するものであることを検出すればよい。異なったシーンに属するものであるかを検出するためには、例えば、両フィールドの間の相互相関値がしきい値以下であるか否かを判断したり、両フィールドの間の相互相関値が急に変化したか否かを判断すればよい。
【0065】
このために、シーンチェンジ検出部161は、第1のフィールド・メモリ101−1から現在のフィールドの1つ後のフィールドの画像データを入力し、第3のフィールド・メモリ101−3から現在のフィールドの1つ前のフィールドの画像データを入力し、両画像データの間の相互相関値等を計算することにより、シーンチェンジを検出する。シーンチェンジ検出部161は、シーンチェンジを検出した場合には、累積動き量メモリ117に格納されている全ての累積動き量をしきい値THに設定する。こうすることにより、フィールド内の全ての補間画素は、動画補間画素となる。
【0066】
なお、図7に示すインターレス/プログレッシブ変換装置は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図7に示すインターレス/プログレッシブ変換装置として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0067】
[実施形態4]
実施形態4では、画像データ書込部133の前段にノイズ除去フィルタを配置する。このノイズ除去フィルタにより平坦部のノイズを除去する。
【0068】
図8にノイズ除去フィルタの構成例を示す。図8を参照すると、このノイズ除去フィルタは、遅延回路171−1〜171−6、掛算器172−1〜172−7、加算器173、比較器174及びセレクタ175を備える。
【0069】
遅延回路171−1〜171−6は、1画素単位で画素を遅延させる。掛算器172−1〜172−7と加算器173は積和回路を構成する。掛算器172−1〜172−7の係数を適切に選ぶことにより(例えば、1/8、1/8、1/8、2/8、1/8、1/8、1/8)、遅延回路171−1〜171−6、掛算器172−1〜172−7及び加算器173を低域通過フィルタにする。比較器174は、加算器173の出力データの値が、遅延回路171−3の出力データの値から所定値を減算した値と遅延回路171−3の出力データの値に所定値を加算した値との間にあるか否かを判断する。セレクタ175は、加算器173の出力データの値が、遅延回路171−3の出力データの値から所定値を減算した値と遅延回路171−3の出力データの値に所定値を加算した値との間にある場合には、加算器173の出力データを選択し、そうでない場合には、遅延回路171−3の出力データを選択する。こうすることにより、平坦部のノイズを除去することが可能となる。
【0070】
なお、図8に示すノイズ除去フィルタは、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図8に示すノイズ除去フィルタとして機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0071】
[実施形態5]
実施形態1から実施形態4では、レンダラを考慮していなかったが、図9に示すように、インターレス/プログレッシブ変換装置の最終段にはレンダラ191が存在する。レンダラ191は、画像データをモニタのクロック周波数、水平同期周波数及びフレーム周波数でモニタに出力する機能を持つ。
【0072】
図9を参照すると、レンダラ191は、書込部192、Aフレーム・メモリ193、Bフレーム・メモリ194及び読出部195を備える。Aフレーム・メモリ193及びBフレーム・メモリ194は、交互に、相補的に、書込みフレーム・メモリ及び表示フレーム・メモリとなる。
【0073】
書込部192は、Aフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在書込みフレーム・メモリとなっているものに画像データを書き込む。読出部195は、Aフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在表示フレーム・メモリとなっているものから画像データを読み出し、それをモニタに供給する。
【0074】
図9に示すフィールド・メモリ群101(又は131)は、例えば、図1の例でいうと、フィールド・メモリ101−1〜101−3の群である。画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は182C)は、例えば、図1の例でいうと、図1の符号182Aの枠で囲まれたブロック群を含む。書込み時刻メモリ181には、画像データ書込部103(又は133)が、画像データをフィールド・メモリ群101(又は131)に書き込む時刻を格納する。タイミング制御部183は、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は182C)が画像データの読出し及び補間を行い、その結果得られたプログレッシブの画像データを書込部192に供給し、書込部192がAフレーム・メモリ193とBフレーム・メモリ194のうち現在書込みフレーム・メモリとなっているものに画像データを書き込むためのタイミングを制御する。
【0075】
次に、図10を参照して、特に、タイミング制御部183により行われるタイミング制御を説明する。
【0076】
図10を参照すると、画像データ書込部103(又は133)が、最初に、画像データをフィールド・メモリ101(又は131)に書き込む時刻をT−In(1)とする。時刻T−In(1)は、書込み時刻メモリ181に書き込まれる。以降、画像データ書込部103(又は133)が、画像データをフィールド・メモリ101(又は131)に書き込む度に、書き込み時刻T−In(2)、T−In(3)、T−In(4)、・・・が書込み時刻メモリ181に書き込まれる。
【0077】
時刻T−In(1)において、タイミング制御部183は、書込部192に対し、書き込み要求を出力する。図10では、VRAM取得の短冊の左端が書込み要求を出力する時刻である。この時、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194に既に画像データが書き込まれている(Bフレーム・メモリ194の画像データはまだ読み出されていない)ので、読出部195によるAフレーム・メモリ183からの画像データの読み出しの処理が完了してAフレーム・メモリ193が空く時刻T−R(1)まで待ちが発生し、時刻T−R(1)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。図10では、VRAM取得の短冊の右端が肯定応答を返す時刻である。従って、VRAM取得の短冊の幅は、タイミング制御部183が書き込み要求を書込部192に出力してから書込部192が肯定応答をタイミング制御部183に返すまでの待ち期間を表す。
【0078】
そして、時刻T−R(1)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。図10では、処理の短冊で表される部分がインターレス/プログレッシブ変換の処理及び書込みを行っている期間である。
【0079】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、次に述べるように、diff(2)及びT−Out(2)の計算等を行う。図10では、計算の短冊の部分がこの計算等を行う期間である。まず、インターレス/プログレッシブ変換の処理及び書込みの終了の時刻を、時刻T−In(1)から所定のオフセット時間ΔTだけ遅れた時刻T−Out(1)と比較する。この例では、前者が後者よりも遅いので、「遅れ」が発生していると判断する。そして、この例では、その「遅れ」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(2)=Diff(1)+α1にする。ここで、Diff(1)は、Diff(i)の初期値である。diff(i)は、T−Out(i)からT−Out(i+1)までの時間差である。従って、T−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)となる。また、タイミング制御部183が、i回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、常に、時刻T−Out(i)からオフセット時間ΔTだけ先行した時刻である。従って、タイミング制御部183が、(i+1)回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、タイミング制御部183が、i回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻からdiff(i)だけ遅れた時刻となる。
【0080】
タイミング制御部183が、1回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)であるので、タイミング制御部183が、2回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)である。タイミング制御部183が、2回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻でも、書込みフレーム・メモリであるAフレーム・メモリ193に既に画像データが書き込まれている(Aフレーム・メモリ183に書き込まれている画像データはまだ読み出されていない)ので、読出部195によるBフレーム・メモリ194からの画像データの読み出しの処理が完了してBフレーム・メモリ194が空く時刻T−R(2)まで待ちが発生し、時刻T−R(2)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、時刻T−R(2)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをBフレーム・メモリ193に書き込む。
【0081】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(2)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(2)=T−out(1)+diff(1)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(2)よりも遅いので、「遅れ」が発生していると判断する。そして、この例では、その「遅れ」が所定値未満である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(3)=Diff(2)にする。
【0082】
タイミング制御部183が、3回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)+diff(2)である。タイミング制御部183が、3回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻では、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194に既に画像データが書き込まれているので、読出部195による読み出しの処理が完了してAフレーム・メモリ194が空く時刻T−R(3)まで待ちが発生し、時刻T−R(3)に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、時刻T−R(3)から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。
【0083】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(3)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(3)=T−out(2)+diff(2)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(3)よりも早いので、「進み」が発生していると判断する。そして、この例では、その「進み」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(4)=Diff(3)−α2にする。
【0084】
タイミング制御部183が、4回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻は、T−In(1)+diff(1)+diff(2)+diff(3)である。タイミング制御部183が、4回目に、書込部192に対し、書き込み要求を出力する時刻では、書込みフレーム・メモリであるBフレーム・メモリ194が空いているので、待ちが発生せず、その時刻の直後に書込部192は、タイミング制御部183に肯定応答(ACK)を返す。そして、肯定応答(ACK)の返信の直後から画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)は、インターレス/プログレッシブ変換の処理を開始する。インターレス/プログレッシブ変換の処理と並行して、書込部192は、変換後の画像データをAフレーム・メモリ193に書き込む。
【0085】
そして、画像データ読出し/補間部182A(又は182B又は183C)がインターレス/プログレッシブ変換の処理を終了したならば、タイミング制御部183は、終了の時刻を、時刻T−Out(4)と比較する。但し、上述したようにT−Out(i+1)=T−Out(i)+diff(i)であるので、時刻T−Out(4)=T−out(3)+diff(3)である。この例では、インターレス/プログレッシブ変換の処理の終了の時刻が時刻T−Out(4)よりも早いので、「進み」が発生していると判断する。そして、この例では、その「進み」が所定値以上である。この場合、タイミング制御部183は、Diff(5)=Diff(4)−α2にする。
【0086】
以下、同様なことが繰り返される。このようにして、diffの値が進み又は遅れかにより更新されていき、次回の書き込み要求を出力する時刻は、今回の書込み要求を出力する時刻にdiffを加算した時刻となり、次回のインターレス/プログレッシブ変換処理を終了した時刻は、今回の時刻T−outにdiffを加算した時刻と比較され、再度、diffの値が進み又は遅れかにより更新されていく。この結果、Aフレーム・メモリ193又はBフレーム・メモリの何れかが空いている期間に、インターレス/プログレッシブ変換処理及び空いているフレーム・メモリへの画像データの書込みが行われる。収束状態においては、図10に示すように、diffの値は振動する。
【0087】
また、レンダラの動作周波数が遅い場合には、書込み時刻T−Inの周期が読出し時刻T−Outの周期と比べて短くなることがある。このような場合、タイミング制御部183は、書込み時刻メモリ181に書き込まれている最後の時刻T−Inから今回の時刻T−Outまでの時間が所定時間以上である場合には、最後の時刻T−Inに書き込まれた画像データを破棄する。この様子を図11に示す。
【0088】
なお、図9に示すレンダラ191及びタイミング制御部183は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図9に示すレンダラ191及びタイミング制御部183として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0089】
[実施形態6]
実施形態6は、24fpsのフィルム画像データから作成された約60fpsのインターレス画像データを、元の24fpsのフィルム画像データとして表示するものである。
【0090】
図12を参照すると、まず、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する(ステップS221)。この判断のためには、例えば、画素毎の差分の絶対値を求め、その絶対値がフィールドの全部又は一部の画素についてしきい値以下であるか否かを判断する。
【0091】
同一である(変化がない)と判断した場合には(ステップS221で「変化なし」)、変数である「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する(ステップS222)。「パターン・カウント」は、フィルム画像から作成された画像データを表示している期間は、5、4,3、2、1、5、4、3、2、1、5・・・と変化し、フィルム画像から作成されたのでない画像を表示している期間は、ゼロである。
【0092】
「パターン・カウント」がゼロである場合には(ステップS222で「=0」)、「パターン・カウント」を5に初期化し、また、変数である「24fps可能性」を1増加させる(ステップS224)。ステップS224で「パターン・カウント」を5に初期化することにより、「パターン・カウント」の位相が初期化される。「24fps可能性」は、現在のフィールドがフィルム画像から得られたものである可能性を示すものであり、この値が大きいほど、その可能性が高い。
【0093】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS222で「≠0」)、ステップS224をスキップする。これは、静止画である場合、又は、変化があるのに間違って変化がないと判断された場合に生じる。
【0094】
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない(変化がある)と判断した場合には(ステップS221で「変化あり」)、「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する(ステップS223)。
【0095】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS223で「≠0」)、「24fps可能性」を1だけ増加させる(ステップS226)。但し、「24fps可能性」の上限値を、一例として、11とする。従って、1だけ増加させて12になる場合には、11とする。フィルム画像から得られたフィールドのうち、重複しないフィールドを処理している時には、ステップS226を実行することとなる。
【0096】
「パターン・カウント」がゼロである場合には(ステップS223で「=0」)、「24fps可能性」を1だけ減少させ、また、「24fps可能性」が10以上である場合には、「パターン・カウント」を5に初期化する(ステップS225)。但し、「24fps可能性」を1だけ減少させる場合には、「24fps可能性」の下限値を、一例として、ゼロとする。従って、1だけ減少させて−1になる場合には、ゼロとする。フィルム画像から得られたフィールドのうち重複しているフィールドを処理しているのに、ステップS221で、誤って、「変化あり」と判断した場合に、ステップS225を実行することとなる。また、フィルム画像から得られたのではないフィールドを処理する場合にも、ステップS225を実行することとなる。
【0097】
ステップS224で「≠0」である場合にステップS227に進む。また、ステップS224、S225又はS226からもステップS227に進む。
【0098】
ステップS227では、「パターン・カウント」がゼロであるか否かを判断する。「パターン・カウント」がゼロであるとは、現在のフィールドが、フィルム画像から得られたものではないことを意味するので、このような場合には(ステップS227で「=0」)、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、これにより得られた画像を表示する(ステップS231)。インターレス/プログレッシブ変換処理のためには、実施形態1乃至4を利用する。
【0099】
「パターン・カウント」がゼロでない場合には(ステップS227で「≠0」)、「パターン・カウント」を1だけ減少させる(ステップS228)。これにより、フィルム画像から得られたフィールドが連続している場合に、各フィールド毎に「パターン・カウント」が1だけ減少するようになる。
【0100】
次に、「24fps可能性」が5以上であるか否かを判断する(ステップS229)。
【0101】
「24fps可能性」が5未満である場合には(ステップS229で「<5」)、「パターン・カウント」がゼロではなくても、現在のフィールドがフィルム画像から得られたものではない可能性が高いので、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、これにより得られた画像を表示する(ステップS231)。
【0102】
「24fps可能性」が5以上である場合には(ステップS229で「>=5」)、「パターン・カウント」が2又は0であるか否かを判断する(ステップS230)。
【0103】
「パターン・カウント」が2又は0である場合には、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であると判断されたフィールドから2フィールド後又は4フィールド後のフィールドを現在扱っていることを意味する。このようなフィールドは、重複したフィールドを除いて考えると、フィルム画像から得られた2つのフィールドのうちの後半部のフィールドである。従って、このような場合には(ステップS230で「=2または=0」)、1つ前のフィールドと現在のフィールドを合わせてフレームを作成し、このフレームを表示する(ステップS232)。1つ前のフィールドと現在のフィールドを合わせてフレームを作成するためには、インターレス/プログレッシブ変換処理装置において、現在のフレームの全ての領域が静止画領域であるとして扱った上で処理を行えばよい。
【0104】
「パターン・カウント」が2でも0でもない場合には、最後のフレームの画像データをそのまま再度表示する(ステップS233)。
【0105】
ステップS227で「=0」である場合、及びステップS229で「<5」である場合には、インターレス/プログレッシブ変換処理を行い、その結果得られるフレームを表示する(ステップS231)。
【0106】
ステップS221での判断ミスが全くない場合の動作を図13及び図14に示す。また、図13及び図14に示す処理を行った後にステップS221での第1種の判断ミスが1回生じた場合の動作を図15に示す。更に、図13及び図14に示す処理を行った後にステップS221で第2種の判断ミスが3回生じた場合の動作を図16に示す。図15及び図16に示すように、ステップS221で判断ミスが生じた場合であっても、正しい処理が最終的に選択されることが分かる。
【0107】
なお、図12に示す表示方法は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータを図12に示す表示方法を行わせるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【符号の説明】
【0108】
101−1〜101−3 フィールド・メモリ
103 画像データ書込部
105 動画補間画素生成部
107 静止画補間画素生成部
109 差分計算部
111 差分補正部
113 補正値保持部
115 差分累積部
117 累積動き量メモリ
119 しきい値保持部
121 動き量計算部
123 合成補間画素生成部
125 選択部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示方法において、
所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが前記表示のための所定値となるフィールドとは、所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが第1の表示のための所定値となるフィールド及び所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが第2の表示のための所定値となるフィールドであることを特徴とする画像表示方法。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示方法において、
前記パターン・カウントが前記表示のための所定値となったフィールドであっても、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が表示可能のための所定値未満であるならば、他の画像処理をすることによりフレームを合成し出力することを特徴とする画像表示方法。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示方法において、
前記他の画像処理とは、インターレス/プログレッシブ変換処理であることを特徴とする画像表示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示方法において、
前記インターレス/プログレッシブ変換処理は、
インターレス画像データをプログレッシブ画像データに変換する方法において、
対象となっているフィールドの補間をするべき画素について第1の動き量を算出するステップと、
対象となっているフィールドと隣接するフィールドの画素のうちの、前記対象となっているフィールドの補間をするべき画素から垂直方向に離れた画素について第2の動き量を算出するステップと、
前記第1の動き量を基に、第1の累積動き量を算出するステップと、
前記第2の動き量を基に、第2の累積動き量を算出するステップと、
前記第1の累積動き量と前記第2の累積動き量を基に、第3の動き量を算出するステップと、
前記第3の動き量を基に、対象となっているフィールドの補間をするべき画素の値を算出するステップと、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
請求項1に記載の画像表示方法において、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を増加させるステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を減少させるステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値でないならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を増加させるステップと、
を更にそなえることを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置において、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示方法において、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断するステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化するステップと、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示方法において、
所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが前記表示のための所定値となるフィールドとは、所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが第1の表示のための所定値となるフィールド及び所定の周期で繰り返す前記パターン・カウントが第2の表示のための所定値となるフィールドであることを特徴とする画像表示方法。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示方法において、
前記パターン・カウントが前記表示のための所定値となったフィールドであっても、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が表示可能のための所定値未満であるならば、他の画像処理をすることによりフレームを合成し出力することを特徴とする画像表示方法。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示方法において、
前記他の画像処理とは、インターレス/プログレッシブ変換処理であることを特徴とする画像表示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示方法において、
前記インターレス/プログレッシブ変換処理は、
インターレス画像データをプログレッシブ画像データに変換する方法において、
対象となっているフィールドの補間をするべき画素について第1の動き量を算出するステップと、
対象となっているフィールドと隣接するフィールドの画素のうちの、前記対象となっているフィールドの補間をするべき画素から垂直方向に離れた画素について第2の動き量を算出するステップと、
前記第1の動き量を基に、第1の累積動き量を算出するステップと、
前記第2の動き量を基に、第2の累積動き量を算出するステップと、
前記第1の累積動き量と前記第2の累積動き量を基に、第3の動き量を算出するステップと、
前記第3の動き量を基に、対象となっているフィールドの補間をするべき画素の値を算出するステップと、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
請求項1に記載の画像表示方法において、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を増加させるステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を減少させるステップと、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値でないならば、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数を増加させるステップと、
を更にそなえることを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置において、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
フィルム画像から生成された画像データを再生する場合に、フィールド周期で変化するとともに所定数のフィールド周期で繰り返すパターン・カウントが表示のための所定値となったフィールドでそのフィールドとそれに隣接するフィールドを基にフレームを合成し出力する画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、
各フィールド毎に、2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一であるか否かを判断する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一である場合に、更に、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
2フィールド前の画像データと現在のフィールドの画像データが同一でない場合であっても、前記パターン・カウントが初期化のための所定値であり、且つ、現在のフィールドがフィルム画像から生成されたフィールドである可能性を示す変数の値が初期化許可のための所定値以上であるならば、前記パターン・カウントを初期値に初期化する手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−45148(P2011−45148A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265738(P2010−265738)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2005−49023(P2005−49023)の分割
【原出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2005−49023(P2005−49023)の分割
【原出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
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