説明

画像表示装置、および画像表示装置の制御方法

【課題】記録媒体表面の画像を、記録媒体を画像再生装置から取り出すことなく、表示することができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】DVDメディアMは、画像再生装置1設けられた表面画像読取部276を通りながら画像再生装置1の内部に搬送される。このとき表面画像読取部276は、DVDメディアMの表面画像21aを読み取り、記憶部21に表面画像21aを記憶させ、記憶部21に記録されたDVDメディアMの表面画像21aを、画像表示部としての画像投写部10によって表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録されている画像情報を再生する画像再生部を備えた画像表示装置および、その制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する画像表示装置(例えば、プロジェクター)において、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されている画像情報を再生するための画像再生手段を一体的に備えたものが知られている(特許文献1)。このような画像表示装置を用いれば、外部の画像再生装置を接続する必要なく、記録媒体に記録されている画像情報に基づく画像を容易に鑑賞することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−99617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像表示装置に装着されているDVDメディアなどのタイトルを確認したい場合、メニュー操作を使ってタイトルを確認する方法がある。しかし、市販のDVDでなく、個人で作成、コピーしたDVDの場合、表面のラベルを見ないと、内容がわからないことがあった。この場合、一度再生を停止してDVDメディアを取り出し、部屋を明るくする必要がある。また、再度DVDを挿入して読み込ませるときには時間がかかり、取り出し前に再生していた箇所まで戻すにも手間がかかるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、記録媒体に記録されている画像情報を読み出す読出部と、前記記録媒体の表面画像を読み取る表面画像読取部と、前記表面画像読取部が読み取った前記記録媒体の表面画像を記憶する記憶部と、前記読出部が読み出した前記画像情報に基づいて画像を表示する画像表示部と、入力操作を受け付ける入力操作部と、前記入力操作部が受け付けた前記入力操作に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御部と、を備えた画像表示装置であって、前記制御部は、所定の入力操作を受け付けると、前記記憶部に記録された、前記記録媒体の表面画像を前記画像表示部に表示させることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、当該画像表示装置に記録媒体を挿入する際に記録媒体の表面画像を読み取って記憶部に保存し、所定の操作で表示する。例えば、記録媒体の一例であるDVDメディア表面に記載された内容を確認したいときに、DVDメディアの再生を停止して、DVDメディアを取り出す必要がないので、DVDメディアを再度挿入し、読み込み終了後、取り出し前に再生していた箇所を探すような時間と手間が発生するのを防止することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記記録媒体を当該画像表示装置に搬送するための記録媒体装着部をさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、当該画像表示装置に記録媒体を挿入する際には、記録媒体装着部によって記録媒体を搬送する。例えば、画像表示装置前面に開閉可能に設置されたディスクトレイによって、DVDメディアを容易に当該画像表示装置内へ搬送、および取り出しすることが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記記憶部に記録された、前記記録媒体の表面画像を指定の角度で回転させる画像回転部をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、画像表示装置で再生中の記録媒体の、記録された表面画像を表示する際に回転させることができるので、記録媒体を挿入したときの角度がどのような位置であっても、表面画像を見やすい角度に回転させて見ることが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記記憶部は、当該画像再生装置で画像情報を読み出した、複数の記録媒体の表面画像を記憶することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、画像表示装置によって、過去に再生された記録媒体の表面画像を複数記憶し、表示させることができる。これによって、例えば学校や公共施設などで、不正にコピーされたDVDメディアが再生されたことがないかどうか確認することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、記録媒体に記録されている画像情報を読み出して表示する画像表示部を備えた画像表示装置の制御方法であって、前記記録媒体の表面画像を読み取る、表面画像読み取りステップと、前記表面画像読取部が読み取った前記記録媒体の表面画像を記憶する表面画像記憶ステップと、前記読出部が読み出した前記画像情報に基づいて前記画像表示部に画像を表示する画像表示ステップと、入力操作を受け付ける入力操作ステップと、前記入力操作ステップが受け付けた前記入力操作に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御ステップと、前記入力操作ステップが所定の入力操作を受け付けると、前記表面画像記憶ステップにより記録された、前記記録媒体の表面画像を前記画像表示部に表示させる、表面画像表示ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、当該画像表示装置に記録媒体を挿入する際に記録媒体の表面画像を読み取って記憶部に保存し、所定の操作で表示する。例えば、DVDメディア表面に記載された内容を確認したいときに、DVDメディアの再生を停止して、DVDメディアを取り出す必要がないので、DVDメディアを再度挿入し、読み込み終了後、取り出し前に再生していた箇所を探すような時間と手間が発生するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクターの斜視図。
【図2】プロジェクターのDVDメディア挿入状態を示す上面図。
【図3】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図4】プロジェクターのDVDメディア挿入時の動作を示すフローチャート。
【図5】DVDメディアの表面画像表示状態を示す図であり、(a)は表面画像を読み込んだ状態を示し、(b)は表面画像を回転させて表示させた状態を示す図。
【図6】変形例1のプロジェクターのDVDメディア挿入状態を示す斜視図。
【図7】変形例1のプロジェクターのDVDメディア挿入状態を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の画像表示装置の一実施形態であるプロジェクターについて説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの斜視図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、外装を構成する筐体2によって装置本体が覆われた構成を有している。筐体2の前面2fには、外部のスクリーンSC(図3参照)等に画像(画像光)を投写する投写レンズ13が露出しており、投写レンズ13の下側には、記録媒体であるDVDメディアM(図2参照)を挿入するためのディスクスロット3が設けられている。また、筐体2の前面2fには、リモートコントローラー(リモコンとも称する)23から送信される操作信号を受信するための操作信号受信部24が配置されている。
【0019】
筐体2には、複数の操作キー(操作ボタン)を備えて構成される本体操作部22が設けられており、プロジェクター1に対して各種指示を行うことが可能になっている。本体操作部22を構成する複数の操作キーのうち、ディスクスロット3からDVDメディアを排出するための操作キー(イジェクトキー)は、筐体2の前面2f(ディスクスロット3の近傍)に配置されており、それ以外の操作キーは、筐体2の上面2tに配置されている。
また、リモコン23にも、本体操作部22と同様、プロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーが備えられており、プロジェクター1を遠隔操作することが可能になっている。
【0020】
図2は、本実施形態のプロジェクターのDVDメディア挿入状態を示す上面図である。
図2に示すように、筐体2の前面2fに設けられたディスクスロット3より挿入されたDVDメディアMは、ディスクスロット3近傍に配置された表面画像読取部276(詳しくは後述する。)を通りながら筐体2の内部に搬送される。
【0021】
図3は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター1は、画像表示部としての画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部37、入力操作部としての本体操作部22、操作信号受信部24、入力端子25、入力選択部33、DVD再生部27、画像処理部34、OSD処理部35、電源部36、電源端子4等で構成されており、これらは筐体2の内部に収容されている。
【0022】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0023】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0024】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
【0025】
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。上記実施形態では、光源としてランプを用いて投射するプロジェクター1を例示したが、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。
【0026】
なお、上述した実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、表示原理については、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式を採用しても良い。
【0027】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0028】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。本実施形態では後述する、表面画像読取部276によって読み込まれた表面画像21aが記憶される。
【0029】
本体操作部22、及びリモコン23は、上述したように複数の操作キーを備えており、ユーザーからの入力操作(操作キーの操作)を受け付ける入力操作部に相当するものである。複数の操作キーには、上述したイジェクトキーの他に、電源のオンとオフとを切り替えるための電源キーや、DVDメディアMの再生を開始させるための再生キー、DVDメディアMの再生を停止させるための停止キー、画像情報の入力元(入力ソース)を切り替えるための入力切替キー等が含まれ、これらは、本体操作部22、及びリモコン23の双方に備えられている。
また、設定メニュー等を重畳表示させるためのメニューキー、設定メニュー等で項目の選択に用いられる方向キー(上下左右に対応する4つの操作キー)、選択された項目を確定させる決定キー、動作の取り消し等を行うための取消キー、暗証番号を入力するための数字キー(0〜9に対応する10個の操作キー)等は、リモコン23にのみ備えられている。
【0030】
ユーザーが本体操作部22の各種操作キーを操作すると、本体操作部22は、ユーザーの操作内容(操作された操作キー)に応じた操作信号を制御部20に出力する。また、ユーザーがリモコン23の各種操作キーを操作すると、リモコン23は、ユーザーの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発し、操作信号受信部24がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0031】
入力端子25には、パーソナルコンピューターやビデオ再生装置等、外部の画像出力装置から、各種形式の画像情報がケーブル(図示せず)を介して入力される。入力端子25に入力された画像情報は、入力選択部33に供給される。
【0032】
入力選択部33は、入力端子25から入力される画像情報(外部入力画像情報)と、DVD再生部27から入力される画像情報(DVD画像情報)のいずれか一方を、制御部20の指示に基づいて選択し、選択した画像情報を画像処理部34に出力する。
ユーザーが、本体操作部22、或いはリモコン23に備わる入力切替キーを操作して所望の画像情報を指定すると、制御部20は、指定された画像情報が画像処理部34に出力されるよう、入力選択部33に指示をする。
つまり、入力選択部33は、外部入力画像情報に基づく画像(外部入力画像)を投写(表示)する状態と、DVD再生部27によって再生されたDVD画像情報に基づく画像(DVD画像)を投写(表示)する状態とを、ユーザーの入力操作に応じて切り替えることができる。
【0033】
DVD再生部27は、記録媒体としてのDVDメディアMに記録された画像情報を再生する画像再生部に相当するものであり、挿入センサー271、メディア搬送部272、装着センサー273、データ読取部274、データ処理部275及び表面画像読取部276等を含んで構成されている。
【0034】
挿入センサー271は、ディスクスロット3の近傍に配置され、DVDメディアMの一部がディスクスロット3に挿入されたことを検出して制御部20に通知する。
【0035】
メディア搬送部272は、DVDメディアMを搬送するための搬送ローラー、及び搬送ローラーを回転駆動する駆動モーター(いずれも図示せず)等によって構成され、制御部20の指示に基づいて、DVD再生部27内におけるDVDメディアMの搬送を行う。具体的には、ユーザーがDVDメディアMの一部をディスクスロット3に挿入し、挿入センサー271がこの挿入を検出すると、制御部20は、メディア搬送部272に指示をして、DVDメディアMをDVD再生部27内部に引き込んでターンテーブル(図示せず)上に装着させる。また、ユーザーにより本体操作部22のイジェクトキーが操作されると、制御部20は、メディア搬送部272に指示をして、ターンテーブルからDVDメディアMを離脱させ、DVDメディアMをディスクスロット3から排出させる。
【0036】
表面画像読取部276は、DVDメディアMの表面画像を読み取る、表面画像の読み取り部であり、例えば、ラインスキャナーなどの光学式読み取り装置で構成される。表面画像読取部276は、ディスクスロット3の近傍に配置され、制御部20の指示に基づいてDVD再生部27内にDVDメディアMを搬送する際に、DVDメディアMの表面の画像を順次読み取り、記憶部21に表面画像21aを記憶させる。
【0037】
装着センサー273は、ターンテーブルの近傍に配置され、ターンテーブルにDVDメディアMが装着されていることを検出して制御部20に通知する。
【0038】
読出部としてのデータ読取部274は、DVDメディアMに記録されている画像情報を読み出す読み出し部であり、制御部20の指示に基づいて、ターンテーブル上に装着されたDVDメディアMをスピンドルモーター(図示せず)で回転させるとともに、光ピックアップ(図示せず)を走査して、DVDメディアMに記録されているデータストリームを順次読み取る。このデータストリームは、符号化された画像情報や音声情報が多重化された情報であり、データ読取部274によって読み取られたデータストリームは、データ処理部275に順次出力される。
【0039】
データ処理部275は、デマルチプレクサーやデコーダー等で構成され、制御部20の指示に基づいて、データ読取部274から入力されるデータストリームを画像情報と音声情報とに分離する処理や、分離した画像情報及び音声情報をデコード(復号化)する処理等を行う。
データ処理部275は、復号化された画像情報を入力選択部33に出力し、復号化された音声情報を図示しない音声出力手段に出力する。なお、DVD再生部27が、DVDメディアMからデータストリームを読み取って、このデータストリームに基づく画像情報を出力することを、本明細書では「画像情報を再生する」又は「DVDを再生する」と表記する。
【0040】
制御部20は、本体操作部22又はリモコン23からの再生キーの操作信号を受け付けると、DVD再生部27に指示をして、画像情報の再生を開始させる。
また、制御部20は、本体操作部22又はリモコン23からの停止キーの操作信号を受け付けると、DVD再生部27に指示をして、画像情報の再生を停止させる。
【0041】
挿入センサー271及び装着センサー273は、例えば、メカニカルスイッチ、光センサー、磁気センサー等の各種検出手段を用いて構成することができる。また、装着センサー273に関しては、上述した光ピックアップが受光する反射光の信号レベルによってDVDメディアMの装着の有無を検出する態様とすることも可能である。
【0042】
画像処理部34は、入力選択部33から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。さらに、画像処理部34は、制御部20の指示に基づいて、変換した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等を調整するための画質調整処理等を行う。画像処理部34で画質調整等がなされた画像情報は、OSD処理部35に出力される。
【0043】
OSD処理部35は、制御部20の指示に基づいて、投写画像(外部入力画像又はDVD画像)上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。
OSD処理部35は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部35は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像処理部34から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部35は、画像処理部34から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0044】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部35から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0045】
電源部36には、AC100V等の商用電源が電源端子4を介して外部から供給される。電源部36は、商用電源(交流電源)を所定の電圧の直流電源に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部36は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0046】
光源制御部37は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0047】
本実施形態のプロジェクター1は、上記のように構成されているため、電源端子4に電源ケーブル(図示せず)が接続され、電源部36に商用電源が供給されると、電源部36は、少なくとも制御部20、記憶部21、本体操作部22、及び操作信号受信部24に電力(スタンバイ電力)の供給を行い、制御部20は、この電力供給を受けて、制御プログラムに従った動作を開始する。
商用電源が供給された直後には、プロジェクター1は、スタンバイ状態(「電源オフ状態」ともいう。)であり、光源11を消灯させた状態を維持している。そして、本体操作部22又はリモコン23に備わる電源キーがユーザーにより操作されると、制御部20は、電源部36に指示をして、各部への動作電力の供給を開始させ、プロジェクター1を電源オン状態に移行させる。
【0048】
プロジェクター1が電源オン状態に移行すると、制御部20は、光源制御部37に指示をして光源11を点灯させる。そして、ユーザーが画像出力装置とプロジェクター1(入力端子25)を接続して、画像出力装置からの画像情報の出力を開始させると、入力端子25に外部入力画像情報が入力される。そして、ユーザーが必要に応じて入力切替キーを操作して外部入力画像情報を指定すると、画像投写部10から外部入力画像が投写される。
一方、ユーザーがDVDメディアMをディスクスロット3に挿入すると、DVD再生部27は、DVD画像情報の再生を開始し、画像投写部10からDVD画像が投写される。また、DVD画像情報の再生が行われている状態で停止キーが操作されると、DVD再生部27は、DVD画像情報の再生を停止する。
【0049】
次に、本実施形態のプロジェクター1にDVDメディアMが挿入されたときの動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
図4に示すように、まずプロジェクター1がDVDメディアMの挿入を検出すると(ステップS101)、制御部20の指示により、メディア搬送部272によりDVDメディアMをプロジェクター1の内部に搬送しながら、表面画像読取部276によって、DVDメディアMの表面の画像を読み取り、記憶部21に表面画像21aとして保存する(ステップS102)。
【0050】
次に制御部20は、ステップS103においてDVD再生部27に装着されているDVDメディアMに記録された画像情報の再生を開始し、ステップS104に移行する。
【0051】
ステップS104において制御部20は、本体操作部22またはリモコン23から表面画像の表示を指示する操作信号を受信(検出)したか否かを調べる。操作信号を受信(検出)した場合(ステップS104:Y)はステップS107に移行し、操作信号を受信(検出)していない場合(ステップS104:N)はステップS105に移行する。
【0052】
ステップS107において制御部20は、DVDメディアMの再生を停止する。次に、制御部20は、保存された表面画像21aを画像投写部10に投写させ(ステップS108)、ステップS109に移行する。このときの表面画像21aの表示状態を図5(a)に示す。
【0053】
ステップS109において制御部20は、本体操作部22またはリモコン23から表示中の表面画像21aを回転させる操作信号を受信(検出)したか否かを調べる。操作信号を受信(検出)した場合(ステップS109:Y)は、表示中の表面画像21aを指定の角度で回転させて画像投写部10に投写させ(ステップS110)、ステップS109に移行する。回転後の表面画像21aの表示状態を図5(b)に示す。
一方、操作信号を受信(検出)していない場合(ステップS109:N)は、ステップS111に移行する。
【0054】
ステップS111において制御部20は、本体操作部22またはリモコン23から表面画像の表示を終了させる操作信号を受信(検出)したか否かを調べる。操作信号を受信(検出)した場合(ステップS111:Y)は、ステップS112に移行し、操作信号を受信(検出)していない場合(ステップS111:N)、ステップS109からの動作を繰り返す。
【0055】
ステップS112において制御部20は、表示中の表面画像21aを表示画面より消去した後、DVDメディアMの再生を再開し、ステップS104に移行する。
【0056】
ステップS105において制御部20は、本体操作部22またはリモコン23からDVDメディアMを排出する操作信号を受信(検出)したか否かを調べる。操作信号を受信(検出)した場合(ステップS105:Y)は、ステップS106に移行し、操作信号を受信(検出)していない場合(ステップS105:N)、ステップS104からの動作を繰り返す。
【0057】
ステップS106において制御部20は、DVDメディアMの再生を停止した後、DVDメディアMを筐体2の外部に排出し、本動作フローを終了する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、DVDメディアMをプロジェクター1の内部に搬送する際にDVDメディアMの表面画像を表面画像読取部276で読み取って記憶部21に表面画像21aとして保存し、所定の操作によって画像投写部10に投写する。これにより、DVDメディアMの表面に記載された内容を確認したいときに、DVDメディアMの再生を停止して取り出す必要がなく、DVDメディアMを再度挿入し、読み込み終了後、取り出し前に再生していた箇所を探すような時間と手間が発生するのを防止することが可能となる。
【0059】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態では、DVDメディアMを筐体2に取り込む際、スロットイン方式を採用しているが、開閉式のディスクトレイによってDVDメディアMを取り込むようにしてもよい。
本変形例のプロジェクター1のDVDメディアMの挿入状態を図6、図7を用いて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
【0060】
図6は、本変形例のプロジェクター1のDVDメディアM挿入状態を示す斜視図である。
図6に示すように、プロジェクター1の筐体2の前面2fには開閉式のディスクトレイ40が配置され、ディスクトレイ40を開閉するための操作キー(本体操作部22)が、筐体2の前面2f(ディスクトレイ挿入口41の近傍)に配置されている。
【0061】
図7は、本変形例のプロジェクター1のDVDメディアM挿入状態を示す上面図である。
図7に示すように、筐体2の前面2fに開閉式に設けられたディスクトレイ40のトレイ上に置かれたDVDメディアMは、ディスクトレイ挿入口41近傍に配置された表面画像読取部276を通りながら筐体2の内部に搬送される。
【0062】
(変形例2)
上記実施形態では現在再生中のDVDメディアMの表面画像21aのみを表示するようにしているが、再生された複数のDVDメディアMの表面画像21aを記憶部21に保存していき、所定の操作で読み出して画像投写部10で表示するようにしてもよい。これによって、例えば学校や公共施設などで、不正にコピーされたDVDメディアが再生されたことがないかどうかを過去に再生したDVDメディアMの表面画像21aを見ながら確認することが可能となる。
【0063】
(変形例3)
上記実施形態ではDVD(Digital Varsatile Disc)メディアMを再生する場合について説明したが、これに限るものでなく、例えばBlu−rayディスク(商標)などのように円盤型で表面画像を読み取り可能な記録媒体を再生する装置にしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…プロジェクター、2…筐体、3…ディスクスロット、4…電源端子、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、21a…表面画像、22…本体操作部、23…リモートコントローラー、24…操作信号受信部、25…入力端子、27…DVD再生部、271…挿入センサー、272…メディア搬送部、273…装着センサー、274…データ読取部、275…データ処理部、276…表面画像読取部、33…入力選択部、34…画像処理部、35…OSD処理部、36…電源部、37…光源制御部、40…ディスクトレイ(記録媒体装着部)、41…ディスクトレイ挿入口、M…DVDメディア(記録媒体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されている画像情報を読み出す読出部と、
前記記録媒体の表面画像を読み取る表面画像読み取り部と、
前記表面画像読取部が読み取った前記記録媒体の表面画像を記憶する記憶部と、
前記読出部が読み出した前記画像情報に基づいて画像を表示する画像表示部と、
入力操作を受け付ける入力操作部と、
前記入力操作部が受け付けた前記入力操作に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御部と、を備えた画像表示装置であって、
前記制御部は、所定の入力操作を受け付けると、前記記憶部に記録された、前記記録媒体の表面画像を前記画像表示部に表示させることを特徴とする、画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記記録媒体を当該画像表示装置に搬送するための記録媒体装着部をさらに備えたことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置であって、
前記記憶部に記録された、前記記録媒体の表面画像を指定の角度で回転させる画像回転部をさらに備えたことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置であって、
前記記憶部は、当該画像再生装置で画像情報を読み出した、複数の記録媒体の表面画像を記憶することを特徴とする、画像表示装置。
【請求項5】
記録媒体に記録されている画像情報を読み出して表示する画像表示部を備えた画像表示装置の制御方法であって、
前記記録媒体の表面画像を読み取る、表面画像読み取りステップと、
前記表面画像読取部が読み取った前記記録媒体の表面画像を記憶する表面画像記憶ステップと、
前記読出部が読み出した前記画像情報に基づいて前記画像表示部に画像を表示する画像表示ステップと、
入力操作を受け付ける入力操作ステップと、
前記入力操作ステップが受け付けた前記入力操作に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御ステップと、
前記入力操作ステップが所定の入力操作を受け付けると、前記表面画像記憶ステップにより記録された、前記記録媒体の表面画像を前記画像表示部に表示させる、表面画像表示ステップと、
を備えたことを特徴とする、画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−150864(P2012−150864A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8622(P2011−8622)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】