説明

画像表示装置、その制御方法、及び画像表示システム

【課題】複数の照明ブロックに分割され照明ブロック毎に点灯を制御可能なバックライトを備えた画像表示装置の消費電力を低減する技術を提供する。
【解決手段】各照明ブロックに対応する表示パネル上の領域を分割エリアとし、バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなるバックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、それ以外の照明ブロックを消灯させ、入力する画像信号に基づく画像をバックライト点灯領域に表示させる。バックライト点灯領域候補が複数ある場合、バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときのバックライトの消費電力を取得し、消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、その制御方法、及び画像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バックライトを複数のブロックに分割してブロック毎にバックライトの点灯を制御することができる画像表示装置がある。このような画像表示装置において、光源に電力を供給するバッテリーの残量が閾値より低くなった場合にバックライト点灯領域を縮小し、表示画像も同様に縮小する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、バックライトの一部が点灯できないことを検出してバックライトが点灯可能な領域に合わせて表示画像を縮小する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−156728号公報
【特許文献2】特開2008−244696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、バックライト点灯領域を縮小する際に、バッテリー残量は考慮されているもののバックライトのブロック毎の消費電力のバラツキは考慮されていないため、十分に消費電力を低減することができない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、複数の照明ブロックに分割され照明ブロック毎に点灯を制御可能なバックライトを備えた画像表示装置の消費電力を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
前記バックライトの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記バックライト及び前記表示パネルを制御する制御手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記制御手段は、
前記バックライトの消費電力が所定の閾値を超える場合に、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定手段と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、それ以外の照明ブロックを消灯させる点灯制御手段と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御手段と、を含み、
前記決定手段は、
前記点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とし、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得し、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定することを特徴とする画像表示装置である。
【0007】
本発明は、独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
前記バックライトの照明ブロック毎の消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記バックライト及び前記表示パネルを制御する制御手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記制御手段は、
複数の照明ブロックのうちに、消費電力が所定の閾値を超える劣化照明ブロックがある場合に、当該劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定手段と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、劣化照明ブロックを消灯させる点灯制御手段と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御手段と、を含み、
前記決定手段は、
前記劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とし、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得し、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定することを特徴とする画像表示装置である。
【0008】
本発明は、独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
を備える画像表示装置の制御方法であって、
前記バックライトの消費電力を取得する消費電力取得工程と、
前記バックライトの消費電力が所定の閾値を超える場合に、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定工程と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、それ以外の照明ブロックを消灯させる点灯制御工程と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御工程と、
を有し、
前記決定工程は、
前記点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とする工程と、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得する工程と、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する工程と、
を有することを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
【0009】
本発明は、独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
を備える画像表示装置の制御方法であって、
前記バックライトの照明ブロック毎の消費電力を取得する消費電力取得工程と、
複数の照明ブロックのうちに、消費電力が所定の閾値を超える劣化照明ブロックがある場合に、当該劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定工程と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、劣化照明ブロックを消灯させる点灯制御工程と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御工程と、
を有し、
前記決定工程は、
前記劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とする工程と、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得する工程と、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する工程と、
を含むことを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の照明ブロックに分割され照明ブロック毎に点灯を制御可能なバックライトを備えた画像表示装置の消費電力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図
【図2】バックライト部の照明ブロックを表す図
【図3】パネル輝度に対するバックライト部の消費電力を示すグラフ
【図4】照明ブロック毎の消費電力及びバックライト点灯領域候補を示す図
【図5】バックライト点灯領域を示す図
【図6】バックライト点灯領域を決定する処理手順を示すフローチャート
【図7】出力画像の画素数の決定及び表示の処理手順を示すフローチャート
【図8】実施例2に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図
【図9】照明ブロック毎の消費電力及びバックライト点灯領域を示す図
【図10】バックライト点灯領域を決定する処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示装置100と画像出力装置101とからなる画像表示システムの概略構成を示す。図1において、画像表示装置100は、画像入力部102と、表示画素数記憶部103と、外光センサ部104と、ユーザ操作部105と、画像表示制御部106と、画像表示位置補正部107と、表示パネル部108と、バックライト部109と、バックライト点灯制御部110と、バックライト電力測定部111と、消費電力閾値記憶部112と、を有する。
【0013】
画像表示装置100は、画像出力装置101と接続され、画像出力装置101が出力する画像を表示する表示装置であり、画素数が横1920ピクセル×縦1080ピクセルまでの画像を表示することが可能であるとする。なお、表示可能な画像の画素数は一例であ
って前記の値に限らない。
画像入力部102は、画像出力装置101から入力された画像信号をデコードし、画像表示位置補正部107に出力する。
【0014】
表示画素数記憶部103は、画像表示装置100の表示可能画素数を格納するメモリである。画像出力装置101は、表示画素数記憶部103に格納された表示可能画素数情報を取得して、画像表示装置100にてデコード可能な画素数の画像を出力する。
外光センサ部104は、画像表示装置100の周囲の環境光の明るさを検出し、画像表示制御部106に出力する。
【0015】
ユーザ操作部105は、ユーザが画像表示装置100への指示を入力するための操作を受け付けるインターフェースであり、ユーザはユーザ操作部105により、例えば、表示パネル部108の輝度の設定値を指示するための操作を行うことができる。ユーザ操作部105は、ユーザによる操作情報を画像表示制御部106に出力する。
【0016】
バックライト部109は、透過型の表示パネル部108の背後に配置され表示パネル部108を照明する直下型バックライトである。バックライト部109は、独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックから構成され、各照明ブロックには複数の白色LED(Light Emitting Diode)が配置される。なお、バックライト部109の光源は白色LEDに限らない。
【0017】
バックライト部109の構成について図2を用いて説明する。図2は、表示パネル部108及びバックライト部109の全体構成を示す概念図である。図2(B)に示すように、バックライト部109は、横4個、縦3個の格子状にバックライト部109を分割する12個の照明ブロックからなる。各照明ブロックは、図2(A)に示す、表示パネル部108の全表示領域(横1920ピクセル×縦1080ピクセル)を分割する横480ピクセル×縦360ピクセルの複数の分割エリアの各々に対応する。バックライト部109の各照明ブロックは、バックライト点灯制御部110からの情報に基づいて、独立して点灯のオン・オフ制御及び輝度の制御をすることができる。
【0018】
バックライト電力測定部111は、測定によりバックライト部109の消費電力取得を行い、測定結果を画像表示制御部106に送信する。
消費電力閾値記憶部112は、バックライト部109の消費電力の閾値を格納するメモリである。
【0019】
画像表示制御部106は、バックライト部109の消費電力に応じて、どの照明ブロックを点灯させるか決定する。画像表示制御部106は、点灯する照明ブロックに対応する表示パネル部108の分割エリアの集合であるバックライト点灯領域の画素数の情報を表示画素数記憶部103に書き込む。画像表示制御部106は、さらに、表示パネル部108のバックライト点灯領域に画像を表示させるために、画像表示位置補正部107に対して画像表示領域情報を送信する。画像表示領域情報はバックライト点灯領域の位置を示す情報(座標値など)である。
【0020】
バックライト部109の消費電力に応じた点灯させる照明ブロックの変更及びバックライト点灯領域の画素数について図3を用いて説明する。さらに、表示パネル部108のバックライト点灯領域に画像表示するための画像表示位置補正について図4及び図5を用いて説明する。
【0021】
まず、図3は、表示パネル部108の輝度の設定値に対するバックライト部109の消費電力を示すグラフである。本実施例において、照明ブロックは、表示パネル部108を
12個に分割する横480ピクセル×縦360ピクセルの分割エリアの各々に対応して全部で12個ある。各照明ブロックは、図示しない複数のLEDから構成される。表示パネル部108の輝度の設定値が100cdの場合に各照明ブロックの消費電力は平均10Wとなるものとする。表示パネル部108の輝度の設定値が150cdの場合に各照明ブロックの消費電力は平均15Wとなるものとする。表示パネル部108の輝度の設定値が200cdの場合に各照明ブロックの消費電力は平均20Wとなるものとする。表示パネル部108の輝度の設定値と照明ブロック1個あたりの消費電力との対応関係は図示しない記憶手段に記憶されている。或いは、画像表示制御部106は、バックライト電力測定部111によりバックライト部109の消費電力を測定する。そして、測定された消費電力を点灯していた照明ブロックの数で除した値を、表示パネル部108の輝度の設定値に応じた照明ブロック1個あたりの平均消費電力としても良い。
【0022】
図3では、全ての照明ブロックが点灯した場合のバックライト部109の消費電力を実線Aで表す。また、9個の照明ブロックが点灯した場合のバックライト部109の消費電力を実線Bで表す。また、6個の照明ブロックが点灯した場合のバックライト部109の消費電力を実線Cで表す。また、バックライト消費電力150Wの破線は、あらかじめ消費電力閾値記憶部112に格納されている消費電力の閾値を表す。画像表示制御部106は、複数の照明ブロックを点灯させる場合の消費電力の合計が閾値以下となる場合に、当該複数の照明ブロックを点灯可能と判断する。なお、消費電力の閾値の具体的な値は一例であり、上記の例に限らない。消費電力の閾値は、バックライト部109に電力を供給するバッテリーの残量等の外部要因に応じた可変値であっても良いし、ユーザが指定可能な値であっても良い。
【0023】
表示パネル部108の輝度の設定値が100cdの場合、図3に示すように、照明ブロックが全て(12個)点灯するときのバックライト部109の消費電力は120Wとなり、閾値の150Wを超えない。従って、画像表示制御部106は、12個全ての照明ブロックを点灯可能であると判断し、12個の照明ブロックの集合に対応する横4個×縦3個の分割エリアからなる表示パネル部108の表示領域をバックライト点灯領域とする。この場合、バックライト点灯領域の画素数は横1920ピクセル×縦1080ピクセルとなる。
【0024】
また、表示パネル部108の輝度の設定値が150cdの場合、図3に示すように、照明ブロックが12個点灯するときのバックライト部109の消費電力は閾値を超えるが、照明ブロックが9個点灯するときの消費電力は135Wとなり閾値の150Wを超えない。従って、画像表示制御部106は、9個の照明ブロックを点灯可能と判断し、横3個×縦3個の9個の照明ブロックを点灯させる照明ブロックの集合とする。そして、画像表示制御部106は、この照明ブロックの集合に対応する横3個×縦3個の分割エリアからなる表示パネル部108の表示領域をバックライト点灯領域とする。この場合、バックライト点灯領域の画素数は横1440ピクセル×縦1080ピクセルとなる。
【0025】
また、表示パネル部108の輝度の設定値が200cdの場合、図3に示すように、照明ブロックが12個点灯するとき及び6個点灯するときのバックライト部109の消費電力は閾値を超える。しかし、照明ブロックが6個点灯するときの消費電力は120Wとなり閾値の150Wを超えない。従って、画像表示制御部106は、6個の照明ブロックを点灯可能と判断し、横3個×縦2個の6個の照明ブロックを点灯させる照明ブロックの集合とする。画像表示制御部106は、この照明ブロックの集合に対応する横3個×縦2個の分割エリアからなる表示パネル部108の表示領域をバックライト点灯領域とする。この場合、バックライト点灯領域の画素数は横1440ピクセル×縦720ピクセルとなる。
【0026】
次に、図4は、画像表示装置100の表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合の各照明ブロックの消費電力及びバックライト点灯領域に関する図である。
図4(A)は、照明ブロック毎の実際の消費電力を示す。照明ブロックによって消費電力が異なるのは、各照明ブロックを構成するLEDの個体差やバックライト部109の温度分布による各照明ブロックの温度差により、照明ブロック毎にLEDの発光特性にばらつきが生じるからである。
【0027】
表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合、上述したバックライト部109の消費電力と消費電力閾値記憶部112に格納された閾値との比較により、画像表示制御部106は、点灯可能な照明ブロック数は9個と判断する。画像表示制御部106は、横3個×縦3個の照明ブロックの集合に対応する横3個×縦3個の分割エリアからなる表示パネル部108の表示領域をバックライト点灯領域候補として決定する。この場合、画像表示制御部106は、図4(B)及び(C)に示すとおり、2つのバックライト点灯領域候補を決定する。すなわち、表示パネル部108の左寄りに位置するバックライト点灯領域候補1と、右寄りに位置するバックライト点灯領域候補2である。
【0028】
画像表示制御部106は、バックライト点灯制御部110に対して、バックライト点灯領域候補1に対応する照明ブロックの点灯と、バックライト点灯領域候補2に対応する照明ブロックの点灯と、をそれぞれ行うよう指示する。バックライト電力測定部111は、バックライト点灯領域候補1に対応する照明ブロックを点灯させた場合のバックライト部109の消費電力と、バックライト点灯領域候補2に対応する照明ブロックを点灯させた場合のバックライト部109の消費電力の測定を行う。その結果、バックライト点灯領域候補1に対応する照明ブロックを点灯させた場合の消費電力が135Wで、バックライト点灯領域候補2に対応する照明ブロックを点灯させた場合の消費電力が130Wであったとする。画像表示制御部106は、測定されたバックライト部109の消費電力が低い方のバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として選択する。この場合、画像表示制御部106は、バックライト点灯領域候補2をバックライト点灯領域として選択する。
【0029】
図5は、画像表示装置100の表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合の画像表示位置補正に関する図である。上述のように、表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合のバックライト点灯領域は、図4(C)に示すバックライト点灯領域2である。このバックライト点灯領域は、(横,縦)=(480,0)、(480,1080)、(1920,0)、(1920,1080)の画素を頂点とする横1440ピクセル×縦1080ピクセルの矩形領域である。なお、これらの座標値は、表示パネル部108の最も左上の画素を原点とする座標系での値である。よって、画像表示制御部106は、画像表示位置補正部107に対して、画像表示領域の情報として、上記バックライト点灯領域の座標情報を送信する。画像表示位置補正部107は、画像表示制御部106から取得した画像表示領域の情報に基づき、当該画像表示領域を、表示パネル部108において画像入力部102から入力する画像を表示させる領域として決定する。これにより、図5に示すように、点灯する照明ブロックに対応する表示パネル部108上の領域に入力画像(「A」の文字を含む画像)が表示されるようになる。
【0030】
図6は、実施例1において、画像表示制御部106がバックライト点灯領域を決定する処理手順を示すフローチャートであり、ユーザが画像表示装置100の電源を投入することを契機に処理が開始される。図6の処理は、ユーザにより画像表示装置の設定値(表示パネルの輝度など)が変更された場合や、外光センサ部104による検出値に応じて表示パネル部108の輝度の設定値を変更する場合、または所定時間おきに定期的に行ってもよい。
【0031】
また、図7は、実施例1において、画像表示制御部106が点灯する照明ブロック数を決定した後に画像表示領域を決定するフローチャートであり、画像表示制御部106が照明ブロック数を決定したことを契機に処理が開始される。
【0032】
下記に図6及び図7を用いて実施例1における画像表示制御部106の動作を説明する。
【0033】
S601において、画像表示制御部106は、表示パネル部108の輝度の設定値が変更されたか判定する。画像表示制御部106は、ユーザ操作部105を介してユーザが表示パネル部108の輝度の設定値を変更した場合に、S602へ遷移する。或いは、画像表示制御部106は、外光センサ部104による検出値に応じて表示パネル部108の輝度の設定値を変更する輝度制御を行い、この輝度制御によって表示パネル部108の輝度の設定値を変更した場合に、S602へ遷移する。例えば、周辺環境の明るさが一定上明るくなった場合に、画像表示制御部106は、表示パネル部108の輝度の設定値を100cdから150cdへ上昇させる。画像表示制御部106は、表示パネル部108の輝度の設定値が変更されたと判定した場合はS602に遷移し、変更されていないと判定した場合はS601の処理を繰り返す。
【0034】
S602において、バックライト電力測定部111は、照明ブロック12個全てが点灯している状態のバックライト部109の消費電力を測定し、測定結果を画像表示制御部106へ送信して、S603に遷移する。ここでは、一例として、照明ブロック12個全てが点灯する場合のバックライト部109の消費電力が180Wであったとする。
【0035】
S603において、画像表示制御部106は、消費電力閾値記憶部112から消費電力の閾値の読み出しを行い、バックライト電力測定部111から取得したバックライト部109の消費電力の測定値と閾値とを比較する。バックライト部109の消費電力の測定値が閾値より小さい場合、画像表示制御部106はS604に遷移し、バックライト部109の消費電力の測定値が閾値以上の場合、画像表示制御部106はS601に遷移する。ここでは、閾値が150W、バックライト部109の消費電力の測定値が180Wであるから、画像表示制御部106は、S604に遷移する。
【0036】
S604において、画像表示制御部106は、バックライト部109の消費電力の測定値と、当該測定値が得られたときに点灯していた照明ブロック数と、に基づき、照明ブロック1個あたりの平均消費電力を算出する。ここでは、点灯している照明ブロック数が12個の場合のバックライト部109の消費電力が180Wであったことから、照明ブロック1個あたりの平均消費電力は15Wであると算出される。そして、画像表示制御部106は、算出した照明ブロック1個あたりの平均消費電力に基づき、バックライト部109の消費電力が閾値より低くするための、点灯する照明ブロック数を決定する。ここでは、照明ブロック1個あたりの平均消費電力が15Wであるから、画像表示制御部106は、閾値の150Wよりバックライト消費電力を低くするために、点灯する照明ブロック数を9個と決定して、S605およびS701に遷移する。
【0037】
S605において、画像表示制御部106は、前記決定した点灯する照明ブロック数に基づき、バックライト点灯領域候補を決定する。ここでは、点灯する照明ブロック数が9個であるから、画像表示制御部106は、バックライト点灯領域の候補として、図4(B)及び(C)に示したバックライト点灯領域候補1及びバックライト点灯領域候補2の2種類を決定して、S606に遷移する。
【0038】
S606において、バックライト電力測定部111は、前記決定されたバックライト点灯領域候補毎に、対応する照明ブロックを点灯させた場合のバックライト部109の消費
電力を測定し、測定結果を画像表示制御部106へ送信する。ここでは、バックライト電力測定部111は、2通りの消費電力の測定値を画像表示制御部106に送信し、S607に遷移する。すなわち、図4(B)に示すバックライト点灯領域候補1に対応する照明ブロックを点灯させた場合の消費電力の測定値135Wと、図4(C)に示すバックライト点灯領域候補2に対応する照明ブロックを点灯させた場合の消費電力の測定値130Wである。
【0039】
S607において、画像表示制御部106は、バックライト電力測定部111によるバックライト部109の消費電力の測定値を比較し、消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定し、処理を終了する。ここでは、画像表示制御部106は、バックライト点灯領域候補1の消費電力135Wとバックライト点灯領域候補2の消費電力130Wを比較し、消費電力の低いバックライト点灯領域候補2をバックライト点灯領域として決定する。
【0040】
S701において、画像表示制御部106は、前記決定された点灯する照明ブロック数に応じたバックライト点灯領域の画素数によって、表示画素数記憶部103に格納されている表示画素数の情報を更新してS702に遷移する。ここでは、点灯する照明ブロック数が9個であることから、バックライト点灯領域の画素数は横1440ピクセル×縦1080ピクセルである。画像表示制御部106は、表示画素数記憶部103に格納されている表示画素数を横1440ピクセル×縦1080ピクセルに更新する。
【0041】
S702において、画像出力装置101は、表示画素数記憶部103から表示画素数の情報を取得し、出力する画像の画素数を取得した表示画素数の情報に基づき変更、S703に遷移する。ここでは、画像出力装置101は、出力する画像の画素数を横1440ピクセル×縦1080ピクセルに変更する。
【0042】
S703において、画像表示位置補正部107は、画像入力部102から入力される、S702で変更された画素数の画像が、表示パネル部108におけるS607にて決定したバックライト点灯領域に表示されるように、表示パネル部108に表示データを出力する。ここでは、画像表示位置補正部107は、画像入力部102から入力される横1440ピクセル×縦1080ピクセルの画像を、表示パネル部108における図5に示すバックライト点灯領域に出力する。
【0043】
実施例1によれば、バックライト部109の消費電力が閾値を超えないように、点灯する照明ブロック数が減らされる。そして、点灯する照明ブロック数に応じたバックライト点灯領域候補が複数ある場合、バックライト点灯領域候補毎にバックライト部109の消費電力が測定され、消費電力が最も低くなるバックライト点灯領域が選択される。これにより、照明ブロック毎の消費電力のばらつきが考慮されるので、点灯する照明ブロック数を減らすことによる消費電力の低減効果がより確実に得られる。また、画像出力装置が、バックライト点灯領域の画素数に応じた画素数の画像の画像信号を出力するので、バックライト点灯領域における画像の視認性が向上する。すなわち、従来技術では、点灯させる照明ブロックに対応する分割エリアからなる表示エリアに、画像出力装置から入力される画像を画像表示装置にて縮小処理して表示していた。そのため、入力画像と表示エリアのアスペクト比が異なる場合などに画質劣化が生じる場合があった。本実施例の場合は、バックライト点灯領域の画素数と同じ画素数の画像の画像信号が画像出力装置から入力され、この画像信号に基づく画像がそのままバックライト点灯領域に表示されるので、従来技術のような画質劣化が抑えられる。
【0044】
なお、本実施例では、バックライトの消費電力が閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数の最大値に最も近い数と同数の分割エリアからなる表示パネル上の矩形領
域をバックライト点灯領域として決定する例を説明した。すなわち、表示パネル部108の輝度の設定値が150cdの場合、照明ブロック1個あたりの消費電力は15Wであるから、バックライトの消費電力が閾値150W以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数の最大値は10である。この最大値に最も近い数で矩形領域を構成可能な分割エリアの数は9であるから、9個の分割エリアからなる矩形領域をバックライト点灯領域として決定した。しかし、バックライト点灯領域を構成する分割エリアの数は、バックライトの消費電力が閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数の最大値に最も近い数に限らない。例えば、上記実施例の場合、6個の分割エリアからなる矩形領域をバックライト点灯領域として決定しても良い。
【0045】
また、本実施例では、画像出力装置が、横方向及び縦方向の画素数のいずれもバックライト点灯領域の横方向及び縦方向の画素数と等しい画像の画像信号を出力する例を説明した。しかし、画像出力装置は、横方向の画素数がバックライト点灯領域の横方向の画素数以下、かつ、縦方向の画素数がバックライト点灯領域の縦方向の画素数以下である画像の画像信号を出力しても良い。例えば、バックライト点灯領域が図5に示すような横1440ピクセル×縦1080ピクセルの場合、画像出力装置は、全画面表示の場合と同じアスペクト比となる横1440ピクセル×縦810ピクセルの画像の画像信号を出力しても良い。その場合、画像表示位置補正部107は、バックライト点灯領域内の任意の位置に画像出力装置から入力する画像信号に基づく画像を表示させれば良い。この場合、画像表示位置補正部107は、バックライト点灯領域内で入力する画像信号に基づく画像が表示されない領域は、黒表示やGUI表示などを行うようにしても良い。
【0046】
(実施例2)
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。
実施例1では、バックライト部109全体の消費電力を測定して、バックライト点灯領域を変更した。これに対し実施例2では、照明ブロックごとに消費電力を測定し、寿命期の迫っている劣化度合の大きいLEDを含む照明ブロックを検出し、検出結果に応じてバックライト点灯領域を決定する。これにより、バックライトの消費電力を低減するとともに、ユーザが全画面表示を必要とする場合以外では劣化度合の大きいLEDを含む照明ブロックを点灯させないようにすることで、当該LEDの寿命到達時間を延ばすことを特徴とする。
【0047】
下記に、実施例1と異なる部分を主として実施例2について説明する。実施例2の画像表示装置は、実施例1で説明した図1の画像表示装置100の構成に、バックライト部109の照明ブロック毎の消費電力を測定する照明ブロック消費電力測定部800を追加した構成である。
【0048】
図8は、実施例2に係わる画像表示装置100におけるバックライト部109と照明ブロック消費電力測定部800に関する図である。照明ブロック消費電力測定部800、バックライト部109の照明ブロック1〜12の各々の消費電力を個別に測定する。
【0049】
照明ブロック消費電力測定部800は、照明ブロック毎の消費電力の測定結果を画像表示制御部106へ送信する。画像表示制御部106は、照明ブロック毎の消費電力の測定結果に基づき、照明ブロック毎に、LEDの部品個体差による消費電力のばらつきと、バックライト部109内部での温度分布による消費電力のばらつきを取得する。
【0050】
実施例2では、消費電力閾値記憶部112は、バックライト部109全体の消費電力の閾値ではなく、照明ブロック単位での消費電力の閾値を記憶している。ここでは、一例として、使用開始時の各照明ブロックの最大消費電力の2倍を消費電力の閾値として設定されているものとする。例えば、使用開始時の照明ブロックの消費電力が、表示パネル部1
08の輝度の設定値が100cdの場合は10W,150cdの場合は15W,200cdの場合は20Wであったとする。この場合、照明ブロックの消費電力の閾値は、表示パネル部108の輝度の設定値が100cdの場合は20W,150cdの場合は30W、200cdの場合は40Wとなる。
【0051】
図9(A)は、画像表示装置100の表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合のバックライト部109の各照明ブロックの消費電力の一例を表す図である。表示パネル部108の輝度の設定値が150cdである場合には、上述したように消費電力閾値記憶部112に格納される照明ブロックの消費電力の閾値は30Wである。画像表示制御部106は、各照明ブロックの消費電力の測定値と閾値を比較し、消費電力の方が大きい照明ブロックは劣化度合が大きい劣化照明ブロックと判断し、劣化照明ブロックを消灯する照明ブロックとして決定する。図9(A)の例では、消費電力の測定値が35Wで閾値を超えている照明ブロック4が劣化照明ブロックと判断され、消灯する照明ブロックとして決定される。画像表示制御部106は、消灯する照明ブロックに対応する表示パネル部108の分割エリアを含まない、1以上の分割エリアからなる最大の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する。
【0052】
図9(B)は、図9(A)のように消灯する照明ブロックが決定された場合のバックライト点灯領域を示す図である。ここでは、消灯する照明ブロックは照明ブロック4であり、これに対応する分割エリア4を含まない最大の領域は図9(B)に示すように画素数が横1440ピクセル×縦1080ピクセルの領域であり、これがバックライト点灯領域となる。このバックライト点灯領域は、点灯する照明ブロックのうち照明ブロック1,2,3,5,6,7,9,10,11に対応する分割エリアの集合である。画像表示位置補正部107は、バックライト点灯領域に合わせて画像表示領域の位置を決定する。なお、バックライト点灯領域に対応する照明ブロックに含まれない照明ブロック8,12は、照明ブロック4とともに消灯しても良い。或いは、これらの照明ブロックは消費電力が閾値より低いので、点灯状態として、例えば入力画像以外のGUIなどの所定の画像を表示してもよい。
【0053】
なお、図9の例では、劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない最大の矩形領域は表示パネル部108に1つしか設定できないため、画像表示制御部106は、この矩形領域をそのままバックライト点灯領域と決定した。しかし、劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない最大の矩形領域が表示パネル部108に複数通り設定可能な場合、画像表示制御部106は、実施例1と同様の処理を行う。すなわち、画像表示制御部106は、当該設定可能な各矩形領域をバックライト点灯領域候補とし、バックライト点灯領域候補毎に消費電力を測定し、消費電力の最も低いバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する。
【0054】
図10は、実施例2において、画像表示制御部106がバックライト点灯領域を決定する処理手順を示すフローチャートであり、ユーザが画像表示装置100の電源を投入することを契機に処理が開始される。図10の処理は図6の処理と同様、ユーザにより画像表示装置の設定値(表示パネルの輝度など)が変更された場合や、外光センサ部104による検出値に応じて表示パネルの輝度の設定値を変更する場合、または所定時間おきに定期的に行ってもよい。
【0055】
図10において、実施例1で説明した図6、図7のフローチャートと同内容の処理を行うステップには図6、図7と同じ符号を付し、詳細な説明を省く。ここでは、S601において、表示パネル部108の輝度の設定値を100cdから150cdへ変更すると判断されたものとして、実施例1と異なる部分の動作を主に説明する。
【0056】
S1102において、照明ブロック消費電力測定部800は、各照明ブロックの消費電力を測定して、測定結果を画像表示制御部106に送信し、S1103に遷移する。
【0057】
S1103において、画像表示制御部106は、消費電力閾値記憶部112から照明ブロックの消費電力の閾値の読み出しを行い、照明ブロック消費電力測定部800から取得した各照明ブロックの消費電力の測定値と閾値を比較する。画像表示制御部106は、各照明ブロックの消費電力の測定値のうちに閾値を超えるものがあった場合、S1104へ遷移し、閾値より全ての照明ブロックの消費電力が低い場合には、S601へ遷移する。ここでは、照明ブロック4の消費電力が閾値の30Wを超えるため、画像表示制御部106はS1104に遷移する。
【0058】
S1104において、画像表示制御部106は、閾値より消費電力が高い照明ブロックを消灯する照明ブロックとして決定し、S1105に遷移する。ここでは、照明ブロック4の消費電力が閾値より高いため、画像表示制御部106は、照明ブロック4を消灯する照明ブロックとして決定する。
【0059】
S1105において、画像表示制御部106は、前記決定された消灯する照明ブロックに対応する分割エリアを含まない、1以上の分割エリアからなる表示パネル部108における最大の矩形領域を、バックライト点灯領域候補として決定する。ここでは、画像表示制御部106は、消灯する照明ブロック4に対応する分割エリア4を含まない、1以上の分割エリアからなる最大の矩形領域をバックライト点灯領域候補として決定する。
【0060】
その後、S606〜S607,S701〜S703において、実施例1と同様に、バックライト点灯領域候補毎に消費電力が測定され、消費電力の最も低かったバックライト点灯領域候補がバックライト点灯領域として決定される。そして、バックライト点灯領域の画素数に合わせて画像出力装置101が出力する画像の画素数を変更し、バックライト点灯領域と横方向及び縦方向の画素数が等しい画像が表示パネル部108の前記決定されたバックライト点灯領域に表示される。
【0061】
実施例2によれば、照明ブロック毎に消費電力が測定され、寿命期の近いLEDを含む照明ブロックは消灯されるので、バックライトの消費電力を効果的に低減できるとともに、バックライトの寿命到達時間を延ばすことができる。なお、ユーザ操作部105において、ユーザにより、表示パネル部108に画像を全画面表示する指示が入力された場合、画像表示制御部106は、全ての照明ブロックを点灯させ、表示パネル部108の全表示領域をバックライト点灯領域として決定しても良い。この場合も、ユーザが明示的に全画面表示を指示した場合以外は、劣化照明ブロックは消灯させられるので、バックライトの寿命到達時間を延ばすことができる。
【0062】
なお、実施例2では、消灯する照明ブロックに対応する分割エリアを含まない、1以上の分割エリアからなる表示パネル上の最大の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する例を説明した。しかし、消灯する照明ブロックに対応する分割エリアを含まない、という条件を満たす矩形領域であれば、バックライト点灯領域は、当該条件を満たす最大の矩形領域に限定されない。例えば、図9(B)の例では、分割エリア1,2,3,5,6,7からなる矩形領域をバックライト点灯領域としても良い。また、実施例2では、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロック及び劣化照明ブロック以外の照明ブロックを消灯させても良いし、点灯させても良い。点灯させる場合、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロック及び劣化照明ブロック以外の照明ブロックに対応する分割エリアに、入力する画像信号に基づく画像以外の所定の画像を表示させるようにしても良い。
【0063】
バックライトの消費電力の閾値や、照明ブロックの消費電力の閾値は、固定値であっても良いし、バックライトや照明ブロックに電力を供給するバッテリーの残量に応じて閾値を可変させる閾値決定処理を画像表示制御部106が行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0064】
100 画像表示装置、106 画像表示制御部、107 画像表示位置補正部、108
表示パネル部、109 バックライト部、110 バックライト点灯制御部、111 バックライト電力測定部、112 消費電力閾値記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
前記バックライトの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記バックライト及び前記表示パネルを制御する制御手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記制御手段は、
前記バックライトの消費電力が所定の閾値を超える場合に、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定手段と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、それ以外の照明ブロックを消灯させる点灯制御手段と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御手段と、を含み、
前記決定手段は、
前記点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とし、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得し、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの最大値に最も近い数と同数の分割エリアからなる矩形領域をバックライト点灯領域として決定する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
前記バックライトの照明ブロック毎の消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記バックライト及び前記表示パネルを制御する制御手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記制御手段は、
複数の照明ブロックのうちに、消費電力が所定の閾値を超える劣化照明ブロックがある場合に、当該劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定手段と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、劣化照明ブロックを消灯させる点灯制御手段と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御手段と、を含み、
前記決定手段は、
前記劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とし、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得し、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域
として決定することを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる最大の矩形領域をバックライト点灯領域とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記点灯制御手段は、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロック及び劣化照明ブロック以外の照明ブロックを消灯させる請求項3又は4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記点灯制御手段は、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロック及び劣化照明ブロック以外の照明ブロックを点灯させ、
前記表示制御手段は、前記バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロック及び劣化照明ブロック以外の照明ブロックに対応する分割エリアに、入力する画像信号に基づく画像以外の所定の画像を表示させる請求項3又は4に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記バックライトに電力を供給するバッテリーの残量に応じて前記閾値を可変させる閾値決定手段を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
ユーザによる画像表示装置への指示を入力するための操作を受け付ける操作部を備え、
前記操作部において、前記表示パネルに画像を全画面表示する指示が入力された場合、前記点灯制御手段は前記劣化照明ブロックを含む全ての照明ブロックを点灯させ、前記決定手段は全表示領域をバックライト点灯領域として決定する請求項3〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルの輝度の設定値と、照明ブロック1個あたりの消費電力と、の対応関係を記憶する記憶手段を備え、
前記決定手段は、前記表示パネルの輝度の設定値に応じた照明ブロック1個あたりの消費電力に基づいて、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数を算出する請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記消費電力取得手段により取得される前記バックライトの消費電力を、当該消費電力が取得されたときに点灯していた照明ブロックの数で除して、当該消費電力が取得されたときの前記表示パネルの輝度の設定値に応じた照明ブロック1個あたりの平均消費電力を算出し、算出した平均消費電力に基づいて、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数を算出する請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
ユーザによる画像表示装置への指示を入力するための操作を受け付ける操作部を備え、
前記操作部において前記表示パネルの輝度の設定値を変更する指示が入力された場合に、前記制御手段は前記バックライト点灯領域を決定する処理及びバックライト点灯領域に応じた照明ブロック毎の点灯及び消灯を決定する処理を行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像表示装置の周囲の環境光の明るさを検出するセンサと、前記センサによる検出値に応じて前記表示パネルの輝度の設定値を変更する輝度制御手段と、を備え、前記輝度制御手段により前記表示パネルの輝度の設定値が変更された場合に、前記制御手段は前記バックライト点灯領域を決定する処理及びバックライト点灯領域に応じた照明ブロック毎の点灯及び消灯を決定する処理を行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像表示装置と、
前記画像表示装置へ画像信号を出力する画像出力装置と、
からなる画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、
前記画像出力装置からの画像信号を入力する入力手段と、
前記決定手段により決定されたバックライト点灯領域の横方向及び縦方向の画素数の情報を前記画像出力装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記画像出力装置は、
前記画像表示装置から前記バックライト点灯領域の横方向及び縦方向の画素数の情報を取得する取得手段と、
横方向の画素数が前記バックライト点灯領域の横方向の画素数以下、かつ、縦方向の画素数が前記バックライト点灯領域の縦方向の画素数以下である画像の画像信号を出力する出力手段と、を備える
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項14】
独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
を備える画像表示装置の制御方法であって、
前記バックライトの消費電力を取得する消費電力取得工程と、
前記バックライトの消費電力が所定の閾値を超える場合に、前記バックライトの消費電力が前記閾値以下となる範囲内で点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定工程と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、それ以外の照明ブロックを消灯させる点灯制御工程と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域に表示させる表示制御工程と、
を有し、
前記決定工程は、
前記点灯可能な照明ブロックの数と同数の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とする工程と、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得する工程と、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する工程と、
を有することを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項15】
独立に点灯を制御可能な複数の照明ブロックからなるバックライトと、
前記複数の照明ブロックの各々に対応する複数の分割エリアによって表示領域が分割される透過型の表示パネルと、
を備える画像表示装置の制御方法であって、
前記バックライトの照明ブロック毎の消費電力を取得する消費電力取得工程と、
複数の照明ブロックのうちに、消費電力が所定の閾値を超える劣化照明ブロックがある場合に、当該劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる前記表示パネル上の矩形領域をバックライト点灯領域として決定する決定工程と、
前記複数の照明ブロックのうち、バックライト点灯領域を構成する分割エリアに対応する照明ブロックを点灯させ、劣化照明ブロックを消灯させる点灯制御工程と、
入力する画像信号に基づく画像を、前記表示パネルにおける前記バックライト点灯領域
に表示させる表示制御工程と、
を有し、
前記決定工程は、
前記劣化照明ブロックに対応する分割エリアを含まない1以上の分割エリアからなる矩形領域が前記表示パネル上に複数通り設定可能な場合、当該設定可能な複数通りの矩形領域の各々をバックライト点灯領域候補とする工程と、
バックライト点灯領域候補毎に、バックライト点灯領域候補に対応する照明ブロックを点灯させたときの前記バックライトの消費電力を取得する工程と、
取得した消費電力が最も低かったバックライト点灯領域候補をバックライト点灯領域として決定する工程と、
を含むことを特徴とする画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25090(P2013−25090A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159813(P2011−159813)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】