説明

画像表示装置、及び画像表示装置の制御方法

【課題】リモコンによる操作が行われず、本体操作部のみで使われていた回数が所定回数を越えた場合、他の機器のリモコン操作に反応して動作してしまうのを防止することが可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】電源をオンしてからオフするまでの間、リモコン25による操作が一度も行われず、本体操作部23のみによって操作された本体操作使用回数21aが所定の回数を越えた場合(ステップS114:Y)にリモコン操作保留フラグ21bをセット(ステップS115)し、次にリモコン25で操作しようとした場合(ステップS118:Y)に、その操作を保留(ステップS119:Y)し、報知部30により報知(ステップS120)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、及び画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する画像表示装置(例えば、プロジェクター)を使用する場合、筐体に備えられた操作キー(本体キー)により操作する方法と、リモートコントローラー(リモコン)により遠隔操作する方法がある。プロジェクターを会議机の上に設置して共用で使用する場合、リモコンを使わずに本体キーのみで操作することが多い。このため、近くで他のプロジェクターがリモコン操作により使用されている場合、リモコンの操作信号に反応して意図しない動作をしてしまうことがあった。
【0003】
他のプロジェクターのリモコン操作信号に反応してしまうのを防ぐため、メニュー設定により、リモコン操作を禁止し、本体キーのみで操作する方法もある。しかし、リモコン操作を禁止していること知らないユーザーがリモコンにより操作しようとした場合、反応しないために故障と間違えてしまう虞があった。
【0004】
特許文献1には、複数のリモコンにそれぞれ別個のIDを持たせ、IDの異なるリモコンによる操作信号を受信した場合にその旨の警告を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−239720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなID機能を持つリモコンは、一般のリモコンに比べてコストアップになってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、入力する画像情報に応じた画像を表示部に表示する画像表示装置であって、当該画像表示装置本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、当該画像表示装置を遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、当該画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、前記リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、前記本体操作部のみによって操作された当該画像表示装置の使用回数を示す本体操作使用回数、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号を保留するリモートコントローラー操作保留フラグを記憶する記憶部と、前記本体操作部が受け付けた前記入力操作、および前記操作信号受信部が受信した操作信号に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御部と、前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知部と、を備え、前記制御部は、当該画像表示装置が本体操作部の電源オン操作により起動したときに前記本体操作使用回数を加算した後、加算後の前記本体操作使用回数が所定回数を越えた場合に、前記リモートコントローラー操作保留フラグをセットし、前記制御部は、前記リモートコントローラー操作保留フラグがセットされた状態において、前記リモートコントローラーからの操作信号を受信した場合、前記操作信号による操作を保留し、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知することを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、本体操作部のみによって操作された使用回数が所定の回数を越えた場合にリモートコントローラー操作保留フラグをセットし、次にリモートコントローラーで操作しようとした場合に、その操作を保留し、報知部により報知する。つまり、長期間、リモートコントローラーを使わずに本体操作部だけの操作により画像表示装置を使用していた状態において、リモートコントローラー操作を検出した場合、その操作を実行せずにユーザーに保留状態を報知するので、リモートコントローラーの故障でなく、保留状態であることがわかり、周辺のほかの機器のリモートコントローラー操作信号を受信したのか、しばらく使っていなかったリモートコントローラーを使って画像表示装置を操作しようとしたのか確認を促すことが可能となる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、画像表示部に保留メッセージを表示させることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、リモートコントローラー操作が保留されている状態において、報知部での報知とともに画像表示部でリモートコントローラー操作が保留されていることを確認できるので、ユーザーに対し、周辺のほかの機器のリモートコントローラー操作信号を受信したのか、ユーザーがしばらく使っていなかったリモートコントローラーを使って画像表示装置を操作しようとしたのか、より確実に確認を促すことが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、前記操作信号受信部が所定の操作信号を受信した場合に前記リモートコントローラー操作保留フラグをクリアすることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、リモートコントローラーによる操作が保留されている報知状態において、所定の操作信号を受信した場合にリモートコントローラー操作保留フラグをクリアし、保留状態を解除する。これにより、長期間、リモートコントローラーを使わずに本体操作部だけの操作により画像表示装置を使用していた状態において、リモートコントローラーによる操作を検出した場合に、その操作を実行せずにユーザーに報知し、所定の操作を行わない限り、その操作を保留するので、周辺の機器のリモートコントローラー操作信号を受信したような場合は、ユーザーの意図しない動作を画像表示装置がしてしまうことを防止し、ユーザーがリモートコントローラーにより操作しようとした場合は、所定の確認操作により、以降は報知することなく、リモートコントローラーによる操作が可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記記憶部は、前記リモートコントローラーから送信される操作信号を無効にするリモートコントローラー操作無効フラグをさらに記憶し、前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、前記本体操作部が所定の入力操作を受け付けた場合に前記リモートコントローラー操作無効フラグをセットし、前記制御部は、前記リモートコントローラー操作無効フラグがセットされている場合、前記リモートコントローラーからの操作信号を無効にすることを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、リモートコントローラーによる操作が保留されている報知状態において、本体操作部による所定の操作を受け付けた場合にリモートコントローラー操作無効フラグをセットし、以後のリモートコントローラーによる操作を無効にする。これにより、リモートコントローラーを使わずに本体操作部だけの操作によりプロジェクター1を使用中に周辺機器のリモートコントローラーによる操作に反応してリモートコントローラーの保留状態が報知された場合、直ちにリモートコントローラーによる操作を無効にし、以後リモートコントローラー操作信号を受信するたびに保留状態が報知されるのを防止することが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例4に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、所定時間内に、前記本体操作部による入力操作、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号のいずれも検出しなかった場合に前記リモートコントローラー操作無効フラグをセットすることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、リモートコントローラーによる操作が保留されている報知状態において、所定時間内に本体操作部による所定の入力操作、リモートコントローラーによる所定の操作信号のいずれも検出しなかった場合にリモートコントローラー操作無効フラグをセットし、以後リモートコントローラーによる操作を無効にする。これにより、例えば、ユーザーが画像表示装置から離れており、報知部の報知に気づかない場合、所定時間経過後は以後のリモートコントローラーによる操作が無効になり、周辺の他の機器のリモートコントローラー操作信号に反応して、都度報知が繰り返され、画像表示装置の動作に影響を及ぼすことを防止することが可能となる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、入力する画像情報に応じた画像を表示する表示部と、当該画像表示装置本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、当該画像表示装置を遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、当該画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、前記リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、前記本体操作部のみによって操作された当該画像表示装置の使用回数を示す本体操作使用回数、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号を保留するリモートコントローラー操作保留フラグを記憶する記憶部と、前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知部と、を備えた画像表示装置の制御方法であって、当該画像表示装置が本体操作部の電源オン操作により起動したときに前記本体操作使用回数を加算する、本体操作使用回数加算ステップと、前記本体操作使用回数が所定回数を越えた場合に、前記リモートコントローラー操作保留フラグをセットするリモートコントローラー操作保留ステップと、前記リモートコントローラー操作保留フラグがセットされた状態において、前記リモートコントローラーからの操作信号を受信した場合、前記操作信号による操作を保留し、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知ステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、本体操作部のみによって操作された使用回数が所定の回数を越えた場合にリモートコントローラー操作保留フラグをセットし、次にリモートコントローラーにより操作しようとした場合に、その操作を保留し、報知部により報知する。これにより、長期間、リモートコントローラーを使わずに本体操作部だけの操作により画像表示装置を使用していた状態において、リモートコントローラーによる操作を検出した場合に、その操作を実行せずにユーザーに保留状態を報知するので、リモートコントローラーの故障でなく、保留状態であることがわかり、周辺のほかの機器のリモートコントローラー操作信号を受信したのか、しばらく使っていなかったリモートコントローラーを使って画像表示装置を操作しようとしたのか確認を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図3】プロジェクターの報知メッセージM1を示す図。
【図4】プロジェクターの本体操作部のキーを示す図。
【図5】プロジェクターのリモコンの操作キーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるプロジェクター1について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像表示装置としてのプロジェクター1は、表示部としての画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、本体操作部23、操作信号受信部24、画像信号入力部5、画像信号処理部3、OSD処理部4、電源端子6、電源部7、報知部30等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0023】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0024】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0025】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0026】
上記実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。
なお、上記実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0027】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。また、制御部20には、時間の計測を行うためのタイマー20aが備えられている。
【0028】
本体操作部23は、プロジェクター1の本体筐体外面に備えられ、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。
図4に示すように、本体操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キー23aや、画像信号入力部5に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー23b、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー23c、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー23d、決定キー23e、エスケープキー23f、ヘルプキー23g等がある。ユーザーが本体操作部23の各種操作キーを操作すると、本体操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
【0029】
図1に示すように、操作信号受信部24は、遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン/RCとも称する)25からの操作信号を受信し、ユーザーの操作内容に応じた、操作信号を制御部20に出力する。
図5に示すように、リモコン25が備える操作キーとしては、本体操作部23と同等である、電源キー25a、入力切替キー25b、メニューキー25c、カーソルキー25d、決定キー25e、エスケープキー25f、ヘルプキー25gのキーに加え、画面ミュートキー25h、画面縦横比切替キー25i、カラーモード切替キー25j、番号入力キー25k等がある。
【0030】
図1に示すように、記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では、電源をオンしてからオフするまでの間、リモコン25による操作が一度も行われず、本体操作部23のみによって操作されたプロジェクター1の使用回数を示す本体操作使用回数21a、リモコン25から送信される操作信号を保留するリモートコントローラー(リモコン)操作保留フラグ21b、及びリモコン25から送信される操作信号を無効にするリモートコントローラー(リモコン)操作無効フラグ21cが記憶部21に保存される。
【0031】
本体操作使用回数21aは、本体操作部23の電源オン操作により起動したときにカウントアップされ、リモコン操作保留フラグ21bがクリアされた状態で、リモコン25からの操作信号を受信したときにリセットされる。
【0032】
リモコン操作保留フラグ21bは、本体操作部23の電源オン操作によって起動し、本体操作使用回数21aがカウントアップされた後、本体操作使用回数21aが所定の回数(例えば20回)を越えていた場合にセットされる。
リモコン操作保留フラグ21bがセットされた状態でリモコン25による操作信号を検出した場合、報知部30によりリモコン25による操作が保留されていることをユーザーに報知する。リモコン操作保留フラグ21bは、上述した報知状態において、リモコン25による所定の操作を検出した場合にクリアされ、以後、リモコン25による操作は有効となる。
【0033】
リモコン操作無効フラグ21cは、リモコン操作保留フラグ21bがセットされた状態でリモコン25による操作信号を検出した場合、報知部30によりリモコン25による操作が保留されていることをユーザーに報知した後、本体操作部23による所定の操作を受け付けた場合にセットされる。リモコン操作無効フラグ21cがセットされた状態においてリモコン25による操作信号を検出した場合、その操作は無効となる。リモコン操作無効フラグ21cはプロジェクター1の電源オン時にクリアされる。
【0034】
画像信号入力部5は、上述したように図示しない複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0035】
画像信号処理部3は、画像信号入力部5から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0036】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0037】
液晶駆動部14は、本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0038】
電源部7には、AC100V等の電力が電源端子6を介して外部から供給される。電源部7は、例えば、商用電源(交流電源)からの交流電力を、所定の電圧の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部7は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0039】
報知部30は、LED(Light Emitting Diode)、ブザーなどで構成され、制御部20からの指示により、リモコン操作保留フラグ21bがセットされた状態でリモコン25による入力操作を検出したときに報知する。
【0040】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0041】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。
図2はプロジェクター1の動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、プロジェクター1がスタンバイ状態において、本体操作部23またはリモコン25の操作信号により電源オン操作を検出すると(ステップS101)、制御部20は、電源オン(ON)操作がリモコン25によるものか否かを調べる(ステップS102)。
リモコン25による電源オン操作の場合は(ステップS102:Y)、ステップS103に遷移する。一方、リモコン25による電源オン操作でない場合、即ち本体操作部23による電源オン操作の場合は(ステップS102:N)、ステップS112に遷移する。
【0042】
ステップS103において制御部20は、リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されているか、否かを調べる。リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されている場合(ステップS103:Y)、ステップS104に遷移する。一方、リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されていない場合(ステップS103:N)、ステップS109に遷移する。
【0043】
ステップS104において制御部20は、報知部30により、リモコン25による操作が保留されていることを報知し、タイマー20aにより計時をスタートさせ、ステップS105に遷移する。
【0044】
ステップS105において制御部20は、リモコン25による所定の確認操作の操作信号(例えば、決定キー25e)を検出したか否かを調べる。確認操作を検出した場合(ステップS105:Y)、ステップS109に遷移する。一方、確認操作を検出していない場合(ステップS105:N)、ステップS106に遷移する。
【0045】
ステップS106において制御部20は、タイマー20aによる計時が所定時間(例えば10秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが所定時間を経過した場合(ステップS106:Y)、ステップS107に遷移する。一方、タイマー20aが所定時間を経過していない場合(ステップS106:N)、ステップS105に遷移する。
【0046】
ステップS107において制御部20は、報知部30による報知を終了し、タイマー20aによる計時を停止した後、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行し(ステップS108)、本フローを終了する。
【0047】
ステップS109において制御部20は、リモコン操作保留フラグ21bをクリア(OFF)し、タイマー20aによる計時を停止した後、報知部30による報知を終了し、
ステップS110に遷移する。
【0048】
ステップS110において制御部20は、プロジェクター1の電源をオン(ON)し、動作状態に移行した後、ステップS111に遷移する。
【0049】
ステップS111において制御部20は、本体操作使用回数21aをリセットし、ステップS116に遷移する。
【0050】
ステップS112において制御部20は、プロジェクター1の電源をオン(ON)し、動作状態に移行した後、ステップS113に遷移する。
【0051】
ステップS113において制御部20は、本体操作使用回数21aの値を1増やし、ステップS114に遷移する。
【0052】
ステップS114において制御部20は、本体操作使用回数21aの値が所定回数(例えば20回)を越えたか否かを調べる。本体操作使用回数21aが所定回数を越えた場合(ステップS114:Y)、リモコン操作保留フラグ21bをセット(ON)し(ステップS115)、ステップS116に遷移する。
一方、本体操作使用回数21aが所定回数を越えていない場合(ステップS114:N)、ステップS116に遷移する。
【0053】
ステップS116において制御部20は、本体操作部23による操作(本体キー操作)を検出したか否かを調べる。本体操作部23による操作を検出した場合(ステップS116:Y)、ステップS130に遷移する。一方、本体操作部23による操作を検出していない場合(ステップS116:N)、ステップS117に遷移する。
【0054】
ステップS130において制御部20は、ステップS117において検出した操作が電源オフ操作か否かを調べる。電源オフ操作の場合(ステップS130:Y)、ステップS132に遷移する。一方、電源オフ操作でない場合(ステップS130:N)、検出した操作に基づく処理(操作入力処理)を行い(ステップS124)、ステップS116に遷移する。
【0055】
ステップS117において制御部20は、リモコン操作無効フラグ21cがセット(ON)されているか否かを調べる。リモコン操作無効フラグ21cがセット(ON)されている場合(ステップS117:Y)、ステップS116に遷移する。一方、リモコン操作無効フラグ21cがセット(ON)されていない場合(ステップS117:N)、ステップS118に遷移する。
【0056】
ステップS118において制御部20は、操作信号受信部24がリモコン25の操作信号を検出したか否かを調べる。リモコン25の操作信号を検出した場合(ステップS118:Y)、ステップS119に遷移する。一方、リモコン25の操作信号を検出していない場合(ステップS118:N)、ステップS116に遷移する。
【0057】
ステップS119において制御部20は、リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されているか否かを調べる。リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されている場合(ステップS119:Y)、ステップS120に遷移する。一方、リモコン操作保留フラグ21bがセット(ON)されていない場合(ステップS119:N)、ステップS131に遷移する。
【0058】
ステップS131において制御部20は、ステップS118において検出した操作が電源オフ操作か否かを調べる。電源オフ操作の場合(ステップS131:Y)、ステップS132に遷移する。一方、電源オフ操作でない場合(ステップS131:N)、検出した操作に基づく処理(操作入力処理)を行い(ステップS125)、本体操作使用回数21aをリセットし(ステップS126)、ステップS116に遷移する。
【0059】
ステップS120において制御部20は、報知部30による報知を行い、画像投写部10に報知メッセージM1を投写した後、ステップS121に遷移する。この時の報知メッセージM1を図3に示す。
【0060】
ステップS121において制御部20は、操作信号受信部24がリモコン25による所定の操作(例えば、決定キー25eなどによる確認操作)の操作信号を検出したか否かを調べる。確認操作を検出した場合(ステップS121:Y)、ステップS127に遷移する。一方、確認操作を検出していない場合(ステップS121:N)、ステップS122に遷移する。
【0061】
ステップS122において制御部20は、本体操作部23が所定の操作(例えば、決定キー23eなどによる確認操作)を受け付けたか否か調べる。確認操作を検出した場合(ステップS122:Y)、ステップS123に遷移する。一方、確認操作を検出していない場合(ステップS122:N)、ステップS121に遷移する。
【0062】
ステップS123において制御部20は、リモコン操作無効フラグ21cをセット(ON)し、ステップS129に遷移する。
【0063】
ステップS127において制御部20は、リモコン操作保留フラグ21bをクリア(OFF)し、ステップS128に遷移する。
【0064】
ステップS128において制御部20は、本体操作使用回数21aをリセットし、ステップS129に遷移する。
【0065】
ステップS129において制御部20は、報知部30による報知を終了し、画像投写部10への報知メッセージM1の投写を終了し、ステップS116に遷移する。
【0066】
ステップS132において制御部20は、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行し、本動作フローを終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、電源をオンしてからオフするまでの間、リモコン25による操作が一度も行われず、本体操作部23のみによって操作された本体操作使用回数21aが所定の回数を越えた場合にリモコン操作保留フラグ21bをセットし、次にリモコン25で操作しようとした場合に、その操作を保留し、報知部30により報知される。
【0068】
これにより、長期間、リモコン25を使わずに本体操作部23だけの操作によりプロジェクター1を使用していた場合、リモコン25による操作を検出したときに、その操作を実行せずにユーザーに報知するので、リモコン25の故障でなく、保留状態であることがわかり、周辺のほかの機器のリモコン操作信号を受信したのか、ユーザーがしばらく使っていなかったリモコン25を使ってプロジェクター1を操作しようとしたのか確認を促すことが可能となる。
【0069】
また、上述した報知部30による報知を行った後、リモコン25による所定の操作を検出した場合、リモコン操作保留フラグ21bをクリアし、保留状態を解除する。これにより、周辺の機器のリモコン操作信号を受信したような場合は、ユーザーの意図しない動作をしてしまうことを防止し、ユーザーがリモコン25により操作しようとした場合は、所定の確認操作により、以降は報知することなく、リモコン25による操作が可能となる。
【0070】
また、上述した報知部30による報知を行った後、本体操作部23による所定の操作を検出した場合、リモコン操作無効フラグ21cをセットし、以後のリモコン25による操作を無効にする。これにより、リモコン25を使わずに本体操作部23だけの操作によりプロジェクター1を使用中に周辺機器のリモコン操作に反応してリモコン25の操作保留状態が報知された場合、直ちにリモコン25による操作を無効にし、以後リモコン操作信号を受信するたびに保留状態が報知されるのを防止することが可能となる。
【0071】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、報知部30による報知を行った後、所定時間内(例えば10秒)に、本体操作部23による入力操作、及びリモコン25から送信される操作信号のいずれも検出しなかった場合にリモコン操作無効フラグ21cをセットし、以降のリモコン操作を無効にするようにしてもよい。
これにより、例えば、ユーザーがプロジェクター1から離れており、報知部30の報知に気づかない場合、所定時間経過後は以後のリモコン25による操作が無効になり、周辺の他の機器のリモコン操作信号に反応して、都度報知が繰り返され、プロジェクター1の動作に影響を及ぼすことを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1…プロジェクター、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…画像信号入力部、6…電源端子、7…電源部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、20a…タイマー、21…記憶部、21a…本体操作使用回数、21b…リモートコントローラー(リモコン)操作保留フラグ、21c…リモートコントローラー(リモコン)操作無効フラグ、22…光源制御部、23…本体操作部、24…操作信号受信部、25…リモートコントローラー(リモコン/RC)、30…報知部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する画像情報に応じた画像を表示部に表示する画像表示装置であって、
当該画像表示装置本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、
当該画像表示装置を遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、
当該画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、前記リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、前記本体操作部のみによって操作された当該画像表示装置の使用回数を示す本体操作使用回数、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号を保留するリモートコントローラー操作保留フラグを記憶する記憶部と、
前記本体操作部が受け付けた前記入力操作、および前記操作信号受信部が受信した操作信号に基づいて、当該画像表示装置の動作を制御する制御部と、
前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知部と、を備え、
前記制御部は、当該画像表示装置が本体操作部の電源オン操作により起動したときに前記本体操作使用回数を加算した後、加算後の前記本体操作使用回数が所定回数を越えた場合に、前記リモートコントローラー操作保留フラグをセットし、
前記制御部は、前記リモートコントローラー操作保留フラグがセットされた状態において、前記リモートコントローラーからの操作信号を受信した場合、前記操作信号による操作を保留し、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知することを特徴とする、画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、画像表示部に保留メッセージを表示させることを特徴とする、画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、前記操作信号受信部が所定の操作信号を受信した場合に前記リモートコントローラー操作保留フラグをクリアすることを特徴とする、画像表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記記憶部は、前記リモートコントローラーから送信される操作信号を無効にするリモートコントローラー操作無効フラグをさらに記憶し、
前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、前記本体操作部が所定の入力操作を受け付けた場合に前記リモートコントローラー操作無効フラグをセットし、
前記制御部は、前記リモートコントローラー操作無効フラグがセットされている場合、前記リモートコントローラーからの操作信号を無効にすることを特徴とする、画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知した状態において、所定時間内に、前記本体操作部による入力操作、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号のいずれも検出しなかった場合に前記リモートコントローラー操作無効フラグをセットすることを特徴とする、画像表示装置。
【請求項6】
入力する画像情報に応じた画像を表示する表示部と、
当該画像表示装置本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、
当該画像表示装置を遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、
当該画像表示装置の電源をオンしてからオフするまでの間、前記リモートコントローラーによる操作が一度も行われず、前記本体操作部のみによって操作された当該画像表示装置の使用回数を示す本体操作使用回数、及び前記リモートコントローラーから送信される操作信号を保留するリモートコントローラー操作保留フラグを記憶する記憶部と、
前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知部と、
を備えた画像表示装置の制御方法であって、
当該画像表示装置が本体操作部の電源オン操作により起動したときに前記本体操作使用回数を加算する、本体操作使用回数加算ステップと、
前記本体操作使用回数が所定回数を越えた場合に、前記リモートコントローラー操作保留フラグをセットするリモートコントローラー操作保留ステップと、
前記リモートコントローラー操作保留フラグがセットされた状態において、前記リモートコントローラーからの操作信号を受信した場合、前記操作信号による操作を保留し、前記報知部により前記リモートコントローラーによる操作が保留されていることを報知する報知ステップと、
を有することを特徴とする、画像表示装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−178648(P2012−178648A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39527(P2011−39527)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】