説明

画像表示装置及びプログラム

【課題】ユーザーのアクションに反応して画像を変化させることができるとともに、その変化内容をユーザーが設定可能な画像表示装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像表示装置1は、表示部11と、表示部11に画像を表示させるCPU18と、ユーザーによる所定の音声入力を検知する音声センサ171とを備える。CPU18は、表示部11に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様を、変化領域R及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定する。CPU18は、表示部11に画像が表示されている間、音声センサ171により所定の音声入力が検知された場合に、設定された上記変化領域Rを上記変化態様で変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種画像を表示可能なデジタルフォトフレーム等の画像表示装置が広く普及している。この種の画像表示装置においては、単純に画像を表示させるだけでなく、何がしか興趣を高めることのできる画像表示手法が望まれている。
【0003】
そこで、例えば特許文献1では、画面に表示されたキャラクターがユーザーの音声に反応して所定の動作を行うように、キャラクターの画像を変化させることができるキャラクター表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−181897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、特定のキャラクターが特定の動作を行うように画像の変化内容が予め決定されており、任意の画像に対して変化内容をユーザーが設定することはできなかった。
【0006】
本発明の課題は、ユーザーのアクションに反応して画像を変化させることができるとともに、その変化内容をユーザーが設定可能な画像表示装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像表示装置において、
表示手段と、
前記表示手段に画像を表示させる画像表示制御手段と、
前記表示手段に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様を、変化領域及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定する画像変化設定手段と、
ユーザーによる所定の入力を検知する検知手段と、
前記画像表示制御手段により前記画像が表示されている間、前記検知手段により前記所定の入力が検知された場合に、当該画像内の前記変化領域を前記変化態様で変化させる画像変化表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、
前記画像変化設定手段は、前記変化領域及び前記変化態様と、前記所定の入力とを対応付けて記憶させ、
前記画像変化表示制御手段は、前記検知手段により検知された前記所定の入力に対応する前記変化領域及び前記変化態様を読み出して、当該変化領域を当該変化態様で変化させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像表示装置において、
前記画像変化表示制御手段は、前記変化態様が前記変化領域を反復動作させる変化である場合に、前記所定の入力が検知されてからの時間の経過に伴って当該変化領域の反復移動幅を徐々に減少させ、所定時間の経過後に元の静止画像を表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示装置において、
前記所定の入力は、所定の音声入力であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、プログラムにおいて、
表示手段と、ユーザーによる所定の入力を検知する検知手段とを備えるコンピュータに、
前記表示手段に画像を表示させる画像表示制御機能と、
前記表示手段に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様を、変化領域及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定する画像変化設定機能と、
前記画像表示制御機能により前記画像が表示されている間、前記検知手段により前記所定の入力が検知された場合に、当該画像内の前記変化領域を前記変化態様で変化させる画像変化表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示手段に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様が、変化領域及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定され、表示手段に画像が表示されている間、ユーザーによる所定の入力が検知された場合に、画像内の上記変化領域が上記変化態様で変化する。したがって、特定の画像についての変化領域やその変化態様といった画像の変化内容が予め決められていた従来と異なり、表示手段に表示された画像をユーザーのアクションに反応させて、ユーザーが設定した変化内容で変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態における画像表示装置の正面図である。
【図2】画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】画像内変化データを説明するための図である。
【図4】画像内変化登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画像内変化登録処理における変化領域設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像内変化実行処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】画像内変化登録処理での表示部の表示内容を示す図である。
【図8】画像内変化登録処理での表示部の表示内容を示す図である。
【図9】画像内変化実行処理での表示部の表示内容を示す図である。
【図10】画像内変化実行処理での表示部の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。但し、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0015】
[1 構成]
図1は、本実施形態における画像表示装置1の正面図であり、図2は、画像表示装置1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像表示装置1は、卓上等に設置されるデジタルフォトフレームであり、外部機器(例えば、デジタルカメラ等)等から画像データを取得し、取得した画像データに基づく表示を行うようになっている。特に、画像表示装置1は、ユーザー操作に基づいて、表示した画像内の所定の領域を所定の変化態様で変化させることができるようになっている。
【0016】
具体的には、画像表示装置1は、図2に示すように、表示部11と、入力部12と、通信部13と、記憶媒体読取部14と、ROM15と、RAM16と、検知部17と、CPU18等とを備えて構成されている。
【0017】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence:EL)ディスプレイ等からなり、CPU18からの表示信号に従って各種情報を表示するようになっている。また、表示部11は、いわゆるタッチパネル122と一体的に形成されており、ユーザーのタッチ操作による入力を受け付けるようになっている。
【0018】
入力部12は、例えば、画像データの選択、送り操作等を行うためのカーソルキーや決定キー、表示部11による表示を終了させる表示終了キー等の各種機能キーからなるキー操作部121を備えており、ユーザにより操作されたキーの操作信号をCPU18に出力するようになっている。なお、図1では、キー操作部121の図示を省略している。
また、入力部12は、上述のタッチパネル122を備えており、ユーザーによるタッチ操作に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0019】
通信部13は、他の電子機器との間でデータ通信を行うものであり、本実施形態においては、ROM15内の情報を送受信できるようになっている。
【0020】
記憶媒体読取部14は、カードスロット140を備えており、当該カードスロット140に装着された外部情報記憶媒体14aから情報を読み出したり、当該外部情報記憶媒体14aに情報を記録したりするようになっている。なお、この外部情報記憶媒体14aには、ROM15やRAM16内の情報を記録できるようになっている。
【0021】
ROM15は、画像表示装置1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施形態においては、ROM15は、画像内変化登録プログラム151と、画像内変化実行プログラム152と、画像ファイルデータベース153等とを有している。
【0022】
画像内変化登録プログラム151は、後述の画像内変化登録処理(図4参照)をCPU18に実行させるためのプログラムである。
画像内変化実行プログラム152は、後述の画像内変化実行処理(図6参照)をCPU18に実行させるためのプログラムである。
画像ファイルデータベース153には、外部機器等から取得された画像データがファイルごとに格納されるようになっている。
【0023】
RAM16は、CPU18が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えており、本実施形態においては、画像内変化データ記憶領域161を有している。この画像内変化データ記憶領域161には、後述の画像内変化登録処理(図4参照)において、表示部11に表示された画像を変化させるための各種情報から構成された画像内変化データDが格納されるようになっている。
【0024】
画像内変化データDは、図3に示すように、画像ファイルデータベース153内の特定の画像データ(ファイル)へのリンク情報である画像ファイルリンク情報と、画像内のうち変化を生じさせる変化領域R(図8(a)参照)に関する変化領域情報と、変化領域Rの変化態様に関する変化態様情報と、変化領域Rの変化を開始させる入力に関する変化開始条件情報とを有している。このうち、変化領域情報は、変化領域Rの中心位置や形状,傾斜角度等に関する情報を含んでいる。
【0025】
検知部17は、図2に示すように、ユーザーによる所定の入力等を検知してCPU18に出力するものであり、音声センサ171と、振動センサ172と、方位センサ173と、測位センサ174とを有している。音声センサ171は、外部の音声を検知する。振動センサ172は、画像表示装置1に加えられる振動を検知する。方位センサ173は、画像表示装置1の表示部11が向いている方位(方角)を検知する。測位センサ174は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信機であり、画像表示装置1の現在位置を検知する。
【0026】
CPU18は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、画像表示装置1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU18は、入力部12から入力される操作信号等に応じてROM15に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU18は、処理結果をRAM16に保存するとともに、当該処理結果を表示部11に適宜出力させる。
【0027】
[2 動作]
<2.1 画像内変化登録処理の動作>
続いて、表示部11に表示される画像の変化内容を登録する際に行われる画像内変化登録処理について説明する。
図4は、画像内変化登録処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、画像内変化登録処理における後述の変化領域設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
まず、ユーザーによる入力部12の操作により、画像データが選択されるとともに当該画像に対する画像内変化登録処理が開始されると、図4に示すように、CPU18は、選択された画像データを画像ファイルデータベース153から読み出して、その画像を表示部11に表示させる(ステップS1)。なお、ここで表示される画像は静止画像である。
【0029】
次に、CPU18は、表示部11に表示された画像内のうち表示を変化させる変化領域R(図8(a)参照)を設定するための変化領域設定処理を行う(ステップS2)。
この変化領域設定処理では、図5に示すように、まず、CPU18は、ユーザーによる入力部12の操作によって、画像内で矩形状の範囲の指定指示が入力されたか否かを判定し(ステップS21)、入力されないと判定した場合には(ステップS21;No)、当該ステップS21を繰り返す。
【0030】
ステップS21でユーザーによる範囲指定指示が入力されたと判定した場合には(ステップS21;Yes)、CPU18は、指定された矩形の指定範囲R0(図7(b)参照)を破線で囲うなどして表示部11に表示させる(ステップS22)。なお、この時点での指定範囲R0の形状は、表示部11の上下方向及び左右方向に平行な各辺からなる矩形(四角形)となっている。
【0031】
次に、CPU18は、ユーザーにより指定範囲R0の形状種別の変更指示が入力されたか否かを判定する(ステップS23)。ここでは、ユーザーは、入力部12の操作によって、変更後の形状を台形や三角形,楕円形等から選択することで、指定範囲R0の形状変更指示を入力することができる。
【0032】
ステップS23で指定範囲R0の形状変更指示が入力されたと判定した場合には(ステップS23;Yes)、CPU18は、表示部11に表示された指定範囲R0の形状を、矩形から指定された形状に変形させる(ステップS24)。一方、ステップS23で指定範囲R0の形状変更指示が入力されないと判定した場合には(ステップS23;No)、CPU18は、後述のステップS25へ移行する。
【0033】
次に、CPU18は、ユーザーにより指定範囲R0の回転指示が入力されたか否かを判定する(ステップS25)。ここでは、ユーザーは、キー操作部121の操作により指定範囲R0内の回転中心位置と回転角度とを指定することで指定範囲R0の回転指示を入力してもよいし、タッチパネル122でのタッチ操作によって指定範囲R0の回転指示を入力してもよい。
【0034】
ステップS25で指定範囲R0の回転指示が入力されたと判定した場合には(ステップS25;Yes)、CPU18は、表示部11に表示された指定範囲R0を、入力された回転指示に基づいて回転させる(ステップS26)。一方、ステップS25で指定範囲R0の回転指示が入力されないと判定した場合には(ステップS25;No)、CPU18は、後述のステップS27へ移行する。
【0035】
次に、CPU18は、ユーザーにより決定指示が入力されたか否かを判定し(ステップS27)、入力されないと判定した場合には(ステップS27;No)、上述のステップS21へ移行する。また、決定指示が入力されたと判定した場合には(ステップS27;Yes)、CPU18は、この時点での指定範囲R0を変化領域R(図8(a)参照)として設定し(ステップS28)、変化領域設定処理を終了させる。
【0036】
次に、CPU18は、図4に示すように、ユーザー操作に基づいて、変化領域Rが変化する態様を変化態様として設定し(ステップS3)、設定された変化態様で変化領域Rが変化した状態の画像を表示部11にプレビュー表示させる。具体的には、ユーザーは、入力部12の操作によって、変化領域Rの並進動作や回転動作,或いは色変化や拡大縮小等を、変化態様として設定することができる。また、変化領域Rを動作させる場合(並進動作,回転動作,拡大縮小等の場合)には、ユーザーは、当該動作として反復動作を選択することができ、このときには、変化領域Rを指定した反復移動幅で反復動作させることができる。
【0037】
次に、CPU18は、ユーザー操作に基づいて、画像変化を開始させるための変化開始条件を設定する(ステップS4)。ここでは、ユーザーによる所定の入力が検知部17によって検知されたときに画像変化が開始するように変化開始条件が設定される。具体的には、ユーザーは、音声センサ171により所定の音声入力が検知されたときか、振動センサ172により振動が検知されたときか、方位センサ173により画像表示装置1が所定の方位を向いたことが検知されたときか、測位センサ174により画像表示装置1が所定の測位に位置したことが検知されたときかの何れかを、変化開始条件として設定することができる。
【0038】
次に、CPU18は、ステップS1で選択された画像データと、ステップS2で設定された変化領域Rと、ステップS3で設定された変化態様と、ステップS4で設定された変化開始条件とを対応付けて、これらに関する情報を画像内変化データDとして画像内変化データ記憶領域161に記憶させる(ステップS5)。
【0039】
次に、CPU18は、ユーザーにより画像内変化登録処理の終了指示が入力されたか否かを判定し(ステップS6)、入力されないと判定した場合には(ステップS6;No)、上述のステップS2に移行する。ここでステップS2〜S6を繰り返すことにより、単一の画像に対して複数の画像変化を登録することができる。
【0040】
そして、ステップS6で画像内変化登録処理の終了指示が入力されたと判定した場合には(ステップS6;Yes)、CPU18は、画像内変化登録処理を終了させる。
【0041】
<2.2 画像内変化実行処理の動作>
続いて、上述の画像内変化登録処理で登録された画像変化を実行する際に行われる画像内変化実行処理について説明する。
図6は、画像内変化実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
この画像内変化実行処理では、図6に示すように、まず、CPU18は、ユーザーにより選択された画像データを画像ファイルデータベース153から読み出して、その画像を表示部11に表示させる(ステップT1)。
【0043】
次に、CPU18は、検知部17によりユーザーからの入力が検知されたか否かを判定し(ステップT2)、検知されないと判定した場合には(ステップT2;No)、当該ステップT2を繰り返す。
【0044】
ステップT2でユーザーからの入力が検知されたと判定した場合には(ステップT2;Yes)、CPU18は、画像内変化データ記憶領域161に記憶された画像内変化データDのうち、ステップT1で読み出された画像データへのリンク情報を有するものを参照して、当該入力が上述のステップS4で設定された変化開始条件であるか否かを判定し(ステップT3)、当該入力は変化開始条件ではないと判定した場合には(ステップT3;No)、その他の処理へ移行する。
【0045】
また、検知された入力が変化開始条件であると判定した場合には(ステップT3;Yes)、CPU18は、画像内変化データDから当該変化開始条件に対応する変化領域R及びその変化態様を読み出して、表示部11に表示させた画像内で、当該変化領域Rの当該変化態様での変化を開始させる(ステップT4)。
【0046】
次に、CPU18は、画像内変化データDを参照して変化領域Rの変化態様が反復動作であるか否かを判定し(ステップT5)、反復動作ではないと判定した場合には(ステップT5;No)、後述のステップT7へ移行する。
【0047】
また、変化領域Rの変化態様が反復動作であると判定した場合には(ステップT5;Yes)、CPU18は、画像変化が開始されてから(ユーザーからの入力が検知されてから)の時間の経過に伴って、当該反復動作の反復移動幅を徐々に減少させる(ステップT6)。
【0048】
次に、CPU18は、画像変化が開始されてから所定時間の経過後に、ステップT1で表示された元の静止画像を表示部11に表示させ(ステップT7)、画像内変化実行処理を終了させる。
【0049】
[3 動作例]
<3.1 画像内変化登録処理の動作例>
続いて、上述の画像内変化登録処理を具体的に説明する。
図7及び図8は、画像内変化登録処理での表示部11の表示内容を示す図である。
【0050】
まず、ユーザーが入力部12を操作して、画像データを選択するとともに当該画像に対する画像内変化登録処理を開始させると、図7(a)に示すように、選択された画像データが画像ファイルデータベース153から読み出されて、その画像(静止画像)が表示部11に表示される(ステップS1)。本動作例では、少年が肘を曲げて手の平を正面に向けている画像が表示される。
【0051】
次に、変化領域設定処理が行われ(ステップS2)、画像内で少年の前腕が含まれるようにユーザーが矩形状の範囲の指定指示を入力すると(ステップS21;Yes)、図7(b)に示すように、指定された矩形の指定範囲R0が表示部11に表示される(ステップS22)。
【0052】
次に、指定範囲R0の形状を楕円形に変更させる変更指示をユーザーが入力すると(ステップS23;Yes)、図7(c)に示すように、表示部11に表示された指定範囲R0の形状が、矩形から当該矩形に近い形状の楕円形に変形される(ステップS24)。この変形により、指定範囲R0は、より少年の前腕に一致した形状となる。
【0053】
次に、ユーザーが指定範囲R0の回転指示を入力すると(ステップS25;Yes)、図8(a)に示すように、表示部11に表示された指定範囲R0が、入力された回転指示に基づいて回転する(ステップS26)。ここでは、指定範囲R0が少年の前腕に沿って傾斜するように、楕円の中心を回転中心として約10°回転させる。
【0054】
次に、ユーザーが決定指示を入力すると(ステップS27;Yes)、この時点での指定範囲R0が変化領域Rとして設定され(ステップS28)、変化領域設定処理が終了する。
【0055】
次に、画像内で少年の前腕が±20°の角度範囲で回転動作するように、ユーザーが変化領域Rの変化態様を設定する(ステップS3)。具体的には、ユーザーが入力部12を操作して、少年の肘を支点Fに指定するとともに20°の角度範囲を入力すると、図8(b)に示すように、支点Fを中心として変化領域R(少年の前腕)が20°回転した状態の画像がプレビュー表示される。また、ここでは、ユーザーはこの変化態様を反復動作に設定する。
【0056】
次に、ユーザーが、入力部12を操作して変化開始条件として音声入力を選択するとともに、「おーい」という音声を検知部17(音声センサ171)に検知させることにより、画像変化を開始させるための変化開始条件として「おーい」という音声入力が設定される(ステップS4)。
【0057】
次に、ステップS1で選択された画像データと、ステップS2で設定された変化領域Rと、ステップS3で設定された変化態様と、ステップS4で設定された変化開始条件とが対応付けられて、これらに関する情報が画像内変化データDとして画像内変化データ記憶領域161に記憶される(ステップS5)。
【0058】
次に、ユーザーが画像内変化登録処理の終了指示を入力すると(ステップS6;Yes)、画像内変化登録処理が終了する。
【0059】
<3.2 画像内変化実行処理の動作例>
続いて、上述の画像内変化実行処理を具体的に説明する。ここでは、上述の「3.1 画像内変化登録処理の動作例」で登録された画像変化を実行する際の動作について説明する。
図9及び図10は、画像内変化実行処理での表示部11の表示内容を示す図である。
【0060】
まず、ユーザーが画像データを選択すると、図9(a)に示すように、選択された画像データが画像ファイルデータベース153から読み出されて、その画像(静止画像)が表示部11に表示される(ステップT1)。ここでは、上述の「3.1 画像内変化登録処理の動作例」で画像変化が登録された画像が表示される。
【0061】
次に、ユーザーによる「おーい」という音声入力が検知部17(音声センサ171)により検知されると(ステップT2;Yes)、画像内変化データ記憶領域161に記憶された画像内変化データDが参照されて当該音声入力が変化開始条件であると判定され(ステップT3;Yes)、この画像内変化データDから当該音声入力(変化開始条件)に対応する変化領域R(少年の前腕部分)及びその変化態様(肘を支点Fとする±20°の角度範囲での回転動作)が読み出されて、図9(b),(c)に示すように、表示部11に表示された画像内で、少年の前腕が肘を支点Fとして±20°の角度範囲で回転動作する変化が表示され(ステップT4)、あたかもユーザーに向かって少年が手を振るかのような動作が表示される。
【0062】
次に、変化領域Rの変化態様が反復動作として設定されているため(ステップT5;Yes)、図10(a)に示すように、画像変化が開始されてから(ユーザーからの入力が検知されてから)の時間の経過に伴って、画像内で少年の前腕の振れ幅が徐々に減少する(ステップT6)。
【0063】
そして、画像変化が開始されてから所定時間の経過後に、あたかも少年が手を振る動作を自然に止めたかのように、ステップT1で表示された元の静止画像が表示部11に表示され(ステップT7)、画像内変化実行処理が終了する。
【0064】
[4 作用・効果]
以上のように、本実施形態の画像表示装置1によれば、図4のステップS2,S3や、図6のステップT2〜T4、及び図7〜図9等に示したように、表示部11に表示される画像内の変化領域R及びその変化態様がユーザー操作に基づいて設定され、表示部11に画像が表示されている間、ユーザーによる所定の入力が検知された場合に、画像内の変化領域Rがその変化態様で変化する。したがって、特定の画像についての変化領域やその変化態様といった画像の変化内容が予め決められていた従来と異なり、表示部11に表示された画像をユーザーのアクション(入力)に反応させて、ユーザーが設定した変化内容で変化させることができる。これによりユーザーは、好きな画像での自由な画像変化を楽しむことができる。
【0065】
また、図4のステップS5や、図6のステップT3等に示したように、変化領域R及びその変化態様と、ユーザーによる所定の入力とが対応付けて記憶され、表示部11に画像が表示されている間、ユーザーによる所定の入力が検知された場合に、当該所定の入力に対応する変化領域R及びその変化態様が読み出されて、当該変化領域Rが当該変化態様で変化する。したがって、画像の変化内容をユーザーの入力ごとに対応付けて設定することができ、ユーザーのアクションに応じた複数の変化内容で画像を変化させることができる。
【0066】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、画像表示装置1をデジタルフォトフレームとして説明したが、本発明が適用可能なものは、デジタルフォトフレーム等に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、デジタルカメラなどの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係るプログラム(画像内変化登録プログラム151及び画像内変化実行プログラム152)は、画像表示装置1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0068】
また、画像変化を開始させるためのユーザーからの所定の入力(変化開始条件)は、検知部17によって検知されるものでなくともよく、タッチパネル122へのタッチ操作としてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 画像表示装置
11 表示部
12 入力部
15 ROM
16 RAM
17 検知部
18 CPU
151 画像内変化登録プログラム
152 画像内変化実行プログラム
161 画像内変化データ記憶領域
D 画像内変化データ
R 変化領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に画像を表示させる画像表示制御手段と、
前記表示手段に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様を、変化領域及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定する画像変化設定手段と、
ユーザーによる所定の入力を検知する検知手段と、
前記画像表示制御手段により前記画像が表示されている間、前記検知手段により前記所定の入力が検知された場合に、当該画像内の前記変化領域を前記変化態様で変化させる画像変化表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像変化設定手段は、前記変化領域及び前記変化態様と、前記所定の入力とを対応付けて記憶させ、
前記画像変化表示制御手段は、前記検知手段により検知された前記所定の入力に対応する前記変化領域及び前記変化態様を読み出して、当該変化領域を当該変化態様で変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像変化表示制御手段は、前記変化態様が前記変化領域を反復動作させる変化である場合に、前記所定の入力が検知されてからの時間の経過に伴って当該変化領域の反復移動幅を徐々に減少させ、所定時間の経過後に元の静止画像を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記所定の入力は、所定の音声入力であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
表示手段と、ユーザーによる所定の入力を検知する検知手段とを備えるコンピュータに、
前記表示手段に画像を表示させる画像表示制御機能と、
前記表示手段に表示される画像内の所定の領域、及び当該所定の領域が変化する所定の態様を、変化領域及び変化態様としてユーザー操作に基づいて設定する画像変化設定機能と、
前記画像表示制御機能により前記画像が表示されている間、前記検知手段により前記所定の入力が検知された場合に、当該画像内の前記変化領域を前記変化態様で変化させる画像変化表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−138035(P2012−138035A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291442(P2010−291442)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】