説明

画像表示装置及び保護フィルム

【課題】 偏光サングラスを通して視認した際にも画像を良好に視認でき、パネル飛散や傷付きを防止するための保護フィルムを設けた場合にも薄型化しやすく、かつ干渉縞が生じ難い画像表示装置を実現する。
【解決手段】 画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有し、前記透明パネルの少なくとも一面に保護フィルムが貼り付けられた画像表示装置であって、前記保護フィルムが、1/4λ位相差フィルムの少なくとも一面にハードコート層を有する保護フィルムであり、画像表示面表面において、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2とが共に15〜75°である画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有し、前記透明パネルの少なくとも一面に保護フィルムが貼り付けられた画像表示装置、及び、当該画像表示装置に用いる保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の画像表示装置は、パソコンを始めとする広範な分野で用いられている。特に電子手帳、携帯電話、スマートフォン、携帯オーディオプレイヤー、PDA、タブレット端末等の携帯電子端末においては、近年益々小型化や薄型化が進み、更に動画再生機能等への対応から高精細化の要求も高くなっている。このような画像表示装置として、例えば、LCDモジュールや有機ELモジュール等の画像表示モジュールをその構成中に有し、当該画像表示モジュール上部に当該画像表示モジュールを保護する透明パネルが設けられた構成の画像表示装置が使用されている。
【0003】
LCD等の画像表示装置においては、モジュールの構成上の都合から出射光が直線偏光となる場合が多い。そのため、偏光サングラス等を使用して画像を見た場合においては、出射した直線偏光が偏光サングラスと直交し、画像が見えなくなる問題があった。
【0004】
この問題を解決する手段としては、画像表示装置中に位相差フィルムや偏光フィルムを貼付することで直線偏光を円偏光に変換する方法がある(特許文献1参照)。しかし、画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールを有する画像表示装置においては、画像表示モジュール中に既に偏光板や偏光フィルムを有することから、画像表示モジュール上に、さらに位相差フィルムや偏光フィルムを設けた場合には、他数の位相差フィルムにより光の透過性の低下が大きくなる問題や、材料及び製造コストが増大する問題があった。また、携帯電子端末においては、これら位相差フィルムや偏光フィルムを設けた場合には、薄型化の要請への対応が困難であった。
【0005】
また、近年では、電子機器のデザイン性や質感を高める目的から上記透明パネルとしてガラスパネルを用いることが多く、ガラスへの傷つき防止や破損した際のガラスの飛散を防止するための保護フィルムが透明パネルに設けられている(特許文献2参照)。しかし、上記のような画像表示モジュール内に位相差フィルムや偏光フィルムを有する構成において、当該保護フィルムを設けると、画像表示装置の薄型化の要請への対応が困難であった。また、当該保護フィルムを設けた構成においては、干渉縞が生じて視認性が悪化する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−268835号公報
【特許文献2】特開2010−275385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、偏光サングラスを通して視認した際にも画像を良好に視認でき、パネル飛散や傷付きを防止するための保護フィルムを設けた場合にも薄型化しやすく、かつ干渉縞が生じ難い画像表示装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有し、前記透明パネルの少なくとも一面に保護フィルムが貼り付けられた画像表示装置であって、前記保護フィルムが、1/4λ位相差フィルムの少なくとも一面にハードコート層を有する保護フィルムであり、画像表示面表面において、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2とが共に15〜75°であることを特徴とする画像表示装置により上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像表示装置によれば、画像表示モジュール内に位相差フィルムや偏光フィルムを設けずとも、偏光サングラスを通して視認した際にも画像を良好に視認することができる。また、多数の位相差フィルムや偏光フィルムを有する必要がなく、表面保護フィルムを設けた際に生じやすい干渉縞を抑制できることから、良好な視認性を実現できる。さらに、これら良好な視認性と、パネル飛散や傷付き防止性とを有しつつ、薄型化がしやすい。このため、本発明の画像表示装置は、屋外で使用されることも多く、携帯に際して薄型化の要請が高く、また、操作時の落下等による傷付きやパネル割れが生じる場合がある携帯電子端末用途に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に使用する保護フィルムの形状例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像表示装置における直線偏光の偏光方向を示す概略図である。
【図3】本発明の画像表示装置における保護フィルムに使用する位相差フィルムの遅相軸方向を示す概略図である。
【図4】本発明の画像表示装置における直線偏光の偏光方向と、位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ1及びθ2を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例における画像視認性の評価の概略図である。
【図6】本発明の実施例1の画像表示装置における画像視認性の評価結果である。
【図7】本発明の実施例4の画像表示装置における画像視認性の評価結果である。
【図8】本発明の比較例3の画像表示装置における画像視認性の評価結果である。
【図9】本発明の比較例7の画像表示装置における画像視認性の評価結果である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有し、前記透明パネルの少なくとも一面に保護フィルムが貼り付けられた画像表示装置であって、前記保護フィルムが、1/4λ位相差フィルムを基材とする保護フィルムであり、画像表示面表面において、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2とが共に15〜75°であることを特徴とする画像表示装置及び当該画像表示装置に用いる保護フィルムである。
【0012】
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、画像表示装置表層の画像表示面表面において、画像表示モジュールの画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの他方の伸軸方向とがなす角度θ2とが共に15〜75°となるように、画像表示モジュールの上部に、上記の保護フィルムが貼り付けられた透明パネルが設けられた画像表示装置である。以下、図面を用いて当該構成の例を説明する。
【0013】
本発明における直線偏光の偏光方向とは、直線偏光3を出射する画像表示モジュール1の上部に透明パネル2を有する画像表示装置において、当該透明パネル2が画像表示装置表層の画像表示面表面4を構成する場合に、画像表示面表面4にて直線偏光3の偏光方向5(偏光軸)をいう(図2)。当該偏光方向は任意の方向であってよいが、画像表示モジュールの画像表示部が略方形形状である場合には、当該偏光方向と画像表示部の側辺とがなす角ψ1又は当該偏光方向と底辺とがなす角ψ2が0〜15°であることが好ましい。角度ψ1がこの範囲にあることで直線偏光の偏光方向が容易に認識できるため、直線偏光の偏光方向と1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、直線偏光の偏光方向と1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2を調整しやすくなる。
【0014】
また、保護フィルムは、使用する態様に応じて打ち抜き加工等により所望の形状、好ましくは方形形状に成型される。この際、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムにおける遅相軸方向は任意の方向であってよい。例えば、方形形状の保護フィルムの場合には、保護フィルム6の各辺と軸方向7及び8が一致する保護フィルム(図3(a))であっても、保護フィルム6の各辺と軸方向7及び8が一致しない保護フィルム(図3(b))であってもよい(図3中の矢印は1/4λ位相差フィルムの軸方向)。
【0015】
本発明の画像表示装置は、画像表示面表面において、画像表示モジュールの画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向5と、1/4λ位相差フィルムの遅相伸軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2は、15〜75°であり、好ましくは30〜60°である。また、さらに好ましくは40〜50°であり最も好ましくは43〜47°である。本発明においては、これらθ1及びθ2を上記範囲とすることで、偏光サングラスを使用した場合にもあらゆる方向からの視認性を簡易かつ安価に確保できる。
【0016】
方形形状の保護フィルムにおけるθ1及びθ2は、図4(a)(b)のとおりであり、画像表示面表面4において、画像表示モジュールの画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向5と、1/4λ位相差フィルムの一方の遅相軸方向7とがなす角度がθ1、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向5と、1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向8とがなす角度がθ2である。なお、θ1及びθ2は、偏光方向と軸方向とがなす角のうち狭角側の角度である。また、軸方向はいずれを基準としてもよい。
【0017】
1/4λ位相差フィルムの軸方向が直交していない場合には、θ1及びθ2のそれぞれが上記範囲となるよう画像表示装置を構成すればよい。
【0018】
[画像表示モジュール]
本発明における画像表示モジュールとしては、画像表示部からの出射光が直線偏光であるものであれば特に限定されず、例えば、LCDモジュール、有機ELモジュール等が挙げられる。また、本発明のモジュールには、これらのモジュールの上部にタッチパネルモジュール等を設けたモジュールの積層体も含む。
【0019】
前記画像表示モジュールの画像表示部の形状は、略方形形状であることが好ましい。略方形形状であることで各種の表示装置、特に小型電子端末に組み込みやすくなる。本発明において、略方形形状とは、長方形や正方形の方形形状(図1(a))の他、当該方形形状の任意の角、好ましくは4つの角が面取りされた形状(図1(b),(c))等の方形形状に近似した形状を含む。
【0020】
前記画像表示モジュールの画像表示部が略方形形状である場合において、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、画像表示部の側辺とがなす角度ψ1は0〜5°であることが好ましい。前記に示したように角度ψ1がこの範囲にあることで直線偏光の偏光方向が容易に認識できるため、直線偏光の偏光方向と1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、直線偏光の偏光方向と1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2を調整しやすくなる。
【0021】
また、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、画像表示部の底辺とがなす角度ψ2が0〜5°である場合も好ましい。この範囲でも同様に直線偏光の偏光方向が容易に認識できるため、角度θ1及び角度θ2を調整しやすくなる。
【0022】
[透明パネル]
本発明に使用する透明パネルは、特に限定されないが、一般的に使用されるパネルとして、ガラス板、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等がある。特に近年では、電子機器のデザイン性や質感を高める目的からガラスパネルを用いることが好ましい。
【0023】
上記ガラスパネルは、強化ガラス板であることが好ましい。強化ガラスとしては、例えば、HOYA社製強化ガラス、コーニング社製Gorillaガラス、石塚ガラス社製IG3等が挙げられる。ガラス板を強化する方法としては、物理的強化法と化学的強化法が挙げられる。特に、化学的強化法はイオン交換法と風冷強化法がある。該ガラス板の材質は、フロートガラス、アルカリガラス、無アルカリガラスが挙げられる
【0024】
また、透明パネルには、電極層等がパターニングされ、それ自身がタッチセンサー等の機能を有する場合も含む。
【0025】
透明パネルには装飾部が設けられる場合がある。装飾部は、携帯電子端末の画面表示部の周囲に視認される文字や図形、あるいはこれらの背面に設けられる黒色や白色の下地などがある。これら装飾部は、透明パネルへの印刷により設けることが容易であるため好ましい。印刷方法や印刷インキ等は特に制限されず、シルク印刷、パッド印刷等の通常使用される印刷方法や印刷インキを使用できる。
【0026】
透明パネルの厚さは、50μm〜3mmのものが好ましく、75μm〜2mmのものが好ましく、100μm〜1mmのものがさらに好ましい。透明パネルの厚さが上記の範囲内だと、電子端末への適用時に薄型化が可能となる。
【0027】
[保護フィルム]
本発明に使用する保護フィルムは、1/4λ位相差フィルムを基材とし、当該基材の少なくとも一面にハードコート層を有する保護フィルムである。
【0028】
本発明に使用する保護フィルムの形状は、任意の形状であってよいが、略方形形状とすることで、各種の表示装置、特に小型電子端末に組み込みやすくなるため好ましい。
【0029】
本発明に使用する保護フィルムは、その形状が略方形形状である場合には、1/4λ位相差フィルム基材の遅相軸方向と当該基材の一辺とがなす角度α1、及び、1/4λ位相差フィルム基材の他方の軸方向と当該基材の一辺と直行する辺とがなす角度α2とが15〜70°であることが好ましく、30〜65°であることが更に好ましい。具体的には、例えば、略方形形状の保護フィルムの側辺と、1/4λ位相差フィルム基材の遅相軸方向とがなす角度α1を15〜70°とし、底辺(又は頂辺)と1/4λ位相差フィルム基材の他方の軸方向とがなす角度α2を15〜70°とする。なお、α1及びα2は、保護フィルムの各辺と軸方向とがなす角のうち狭角側の角度であり、軸方向はいずれを基準としてもよい。
【0030】
本発明に使用する保護フィルムは、その総厚さを300μm以下、好ましくは50〜300μm、さらには、100〜250μmとすることが好ましい。厚みをこの範囲にすることで、パネルへの傷付防止性や衝撃への耐久性と画像表示装置の薄型化を両立しやすくなる。
【0031】
本発明の保護フィルムは、画像表示装置に使用する点から、高い透明性を有していることが好ましい。
【0032】
本発明の保護フィルムの可視光波長領域における全光線透過率が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、ヘイズが1.0以下が好ましく、0.5以下が特に好ましい。全光線透過率及びヘイズが上記の範囲内だと、保護フィルムは高い透明性を有しており、表示画面の高精細化しやすくなる。
【0033】
[1/4λ位相差フィルム]
上記保護フィルムの基材となる1/4λ位相差フィルムは、550nmの測定光における分光透過率測定によって得られる面内位相差[Re]の数値が120〜170nmの範囲であることが好ましい。また、面内位相差の数値が130〜160nmの範囲であることがさらに好ましく、135〜150nmであることが最も好ましい。
【0034】
1/4λ位相差フィルムの例としては、液晶ポリマーフィルム、ポリカーボネート系フィルム、シクロオレフィン樹脂系フィルム、アクリル樹脂系のフィルム等がある。
【0035】
また、上記1/4λ位相差フィルムは、ポリカーボネート系の1/4λ位相差フィルム、ノンボルネン系の1/4λ位相差フィルム、1/4λ位相差ゼオノアフィルム等が好ましく、さらにポリカーボネート系の1/4λ位相差フィルムを用いることが最も好ましい。ポリカーボネートを主体とするポリカーボネート系フィルム、特にポリカーボネートからなる1/4λ位相差フィルムを使用することで、透明パネルと貼り合わせた際の干渉縞を抑制することが可能になる。また、高温環境下において、フィルム内部から発生するガスの量を低減しやすく、発泡による視認性の悪化を抑制しやすくなる。
【0036】
上記1/4λ位相差フィルムの厚みとしては、25〜200μmであることが好ましく、さらに50〜150μmであることが好ましく、さらに75〜125μmであることが最も好ましい。厚みをこの範囲にすることで、パネルへの傷付防止性や衝撃への耐久性と画像表示装置の薄型化を両立しやすくなる。
【0037】
[ハードコート層]
本発明に使用するハードコート層は、画像表示装置等の保護フィルムとして通常使用されているハードコート層を使用でき、傷付きを防止できるものであれば、特段の制限なく使用できる。当該ハードコート層としては、上記位相差フィルムと積層してハードコートフィルムを形成した際に、ハードコート層表面の鉛筆硬度がF以上となるものであるものが好ましく、H以上であることが好ましい。硬度をF以上にすることで透明パネルへの傷つき防止性能を向上することができる。
【0038】
また、ハードコート層は、透明性が高いものや、偏光性物質を含まないものが好適な視認性を得やすくなるため好ましい。ハードコート層の透明性としては、当該ハードコート層の全光線透過率が85%、好ましくは90%以上であることが好ましい。また、ヘイズ値が、1.0以下が好ましく、0.5以下が特に好ましい。
【0039】
ハードコート層に使用するハードコート剤としては、上記特性を有するものであれば、特に制限されないが、ハードコート層の形成が容易であることから、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなるハードコート剤を好適に使用できる。このような活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としては、多官能アクリレート系樹脂組成物が好ましく、なかでも、ウレタンアクリレート系のハードコート剤が好ましい。
【0040】
なかでも、ウレタンアクリレート系のハードコート剤としては、ポリイソシアネート(a1)と1分子中に1つの水酸基及び2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート(a2)との付加反応物であるウレタンアクリレート(A)を含有するハードコート剤を好ましく使用できる。また、当該ウレタンアクリレート(A)に、側鎖に反応性官能基を有する(メタ)アクリレート系重合体(b1)に前記反応性官能基と反応が可能な官能基を有するα,β−不飽和化合物(b2)を反応させた(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)を併用することも好ましい。
【0041】
ポリイソシアネート(a1)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添メチレンビスフェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式炭化水素に結合したイソシアネート基を2個有する化合物(以下、脂環式ジイソシアネートと略す。);トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族炭化水素に結合したイソシアネート基を2個有する化合物(以下、脂肪族ジイソシアネートと略す。)などが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0042】
また、これらのポリイソシアネート(a1)のうち、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートが好ましく、中でも、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添メチレンビスフェニレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。とりわけ、ノルボルナンジイソシアネートが最も好ましい。
【0043】
1分子中に1つの水酸基及び2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート(a2)としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多価水酸基含有化合物のポリアクリレート類が挙げられ、これらのポリアクリレート類とε―カプロラクトンとの付加物、これらのポリアクリレート類とアルキレンオキサイドとの付加物、エポキシアクリレート類などが挙げられる。これらのアクリレート(a2)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0044】
また、これらのアクリレート(a2)のうち、1分子中に1つの水酸基及び3〜5つの(メタ)アクリロイル基を有するアクリレートが好ましい。このようなアクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられ、これらは高硬度の硬化被膜が得られるので特に好ましい。
【0045】
本発明に用いるウレタンアクリレート(A)は、前記ポリイソシアネート(a1)と前記アクリレート(a2)の2成分を付加反応させることにより得られる。前記アクリレート(a2)のポリイソシアネート(a1)中のイソシアネート1当量に対する比率は、水酸基当量として、通常、0.1〜50が好ましく、0.1〜10がより好ましく、0.9〜1.2がさらに好ましい。また、前記ポリイソシアネート(a1)と前記アクリレート(a2)との反応温度は、30〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
【0046】
樹脂組成物中の樹脂成分の合計100重量部中の前記ウレタンアクリレート(A)の配合量は、5〜90重量部が好ましく、10〜70重量部がより好ましく、10〜60重量部がさらに好ましい。ウレタンアクリレート(A)の配合量がこの範囲であれば、十分に高い硬度の硬化被膜が得られ、かつ塗膜欠陥がなく、表面の防汚性に優れ、かつ硬化収縮が小さくなるので、この硬化被膜を有するフィルムのカールも小さくすることができる。
【0047】
前記ウレタンアクリレート(A)の分子量は、500〜1,500の範囲が好ましい。分子量がこの範囲であれば、十分に高い硬度の硬化被膜が得られ、硬化収縮が小さくなるので、この硬化被膜を有するフィルムのカールも小さくすることができる。
【0048】
樹脂組成物中の樹脂成分の合計100重量部中の前記ウレタンアクリレート(A)の配合量は、5〜90重量部が好ましく、10〜70重量部がより好ましく、10〜60重量部がさらに好ましい。ウレタンアクリレート(A)の配合量がこの範囲であれば、十分に高い硬度の硬化被膜が得られ、かつ塗膜欠陥がなく、表面の防汚性に優れ、かつ硬化収縮が小さくなるので、この硬化被膜を有するフィルムのカールも小さくすることができる。
【0049】
本発明に用いる側鎖に反応性官能基を有する(メタ)アクリレート系重合体(b1)の反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が好ましい。また、これらの反応性官能基と反応が可能なα,β−不飽和化合物(b2)が有する官能基としては、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、水酸基、エポキシ基等が好ましい。なお、側鎖に反応性官能基を有する(メタ)アクリレート系重合体(b1)に前記反応性官能基と反応が可能な官能基を有するα,β−不飽和化合物(b2)を反応させた(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)の製造方法は、特に限定はなく、種々の方法で製造することができる。
【0050】
本発明に使用するハードコートフィルムは、フィルム基材上にハードコート剤を塗布して硬化させることで製造できる。
【0051】
ハードコート剤をフィルム基材に塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、かけ渡しコート、ディップコート、スピンナーコート、ホイーラーコート、刷毛塗り、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート等が挙げられる。また、オフセット印刷、活版印刷等の印刷方式でも良い。これらの中でも、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、ワイヤーバーコート、フローコートは、より厚さが一定な塗膜が得られるため好ましい。
【0052】
ハードコート剤の硬化は使用するハードコート剤に応じて適宜しようすれば良いが、ハードコート剤として上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を使用する場合には、光、電子線、放射線等の活性エネルギー線により硬化させればよい。具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、または走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
【0053】
これらの中でも特に紫外線であることが好ましく、重合効率化の点で窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射することが好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、活性エネルギー線にて硬化した後、熱処理を行ってもよい。
【0054】
活性エネルギー線を照射する装置として、紫外線を用いる場合には、光発生源として、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LED等が挙げられる。また、本発明に使用する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をフィルム基材に塗布し、硬化被膜を形成する際には、閃光的に照射するキセノン−フラッシュランプを使用すると、フィルム基材への熱の影響を小さくできるので好ましい。
【0055】
[粘着剤層]
また、本発明に使用する保護フィルムにおいては、上記1/4λ位相差フィルムからなる基材の一面に粘着剤層を設けることも好ましい。当該構成の保護フィルムは、透明パネルへの貼付が容易となるため好ましい。
【0056】
粘着剤層としては、厚さが5〜50μmの粘着剤層を使用することが好ましい。本発明においては、粘着剤層の厚さを当該厚さとすることで、被着対象との十分な粘着力を発現できると共に、保護粘着フィルムの表面で応力集中が生じた場合にも、保護粘着フィルム全体の弾性率を高く保持できるため、パネルへの傷付きを防止しやすくなる。
【0057】
また、粘着剤層に使用される粘着剤には、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系の粘着樹脂を使用することができる。そのなかでも、炭素数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体成分として含有するアクリル系共重合体が、透明性、耐光性・耐熱性の点から好ましい。
【0058】
炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、具体的には、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
【0059】
そのなかでも、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル単量体又は炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステル単量体がより好ましい。なかでもn−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素数のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することで、好適な粘着力を確保しやすくなる。
【0060】
粘着剤層に使用するアクリル系共重合体を構成する単量体中の炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の上記炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量にすることで、好適な粘着力を確保しやすくなる。
【0061】
アクリル系共重合体には、さらに単量体成分として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体やその他のビニル系単量体を含有することが好ましい。
【0062】
水酸基を有する単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートを使用でき、中で2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートを共重合成分として使用するのが好ましい。
【0063】
カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸2量体、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用するのが好ましい。
【0064】
窒素原子を有する単量体としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−(パーヒドロフタルイミド−N−イル)エチルアクリレート等のアミド基含有ビニルモノマーを使用でき、中でもN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリンを共重合成分として使用するのが好ましい。
【0065】
その他の極性基を有するビニル系単量体として、酢酸ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
【0066】
極性基を有する単量体の含有量は、アクリル系共重合体を構成する単量体成分の0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜13重量%であることがより好ましく、1.5〜8重量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の凝集力や保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすい。
【0067】
なお、当該アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。
【0068】
さらに粘着剤層の凝集力をあげるために、粘着剤中に架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等が挙げられる。架橋剤の添加量としては、粘着剤層のゲル分率30〜90%になるよう調整するのが好ましい。さらに好ましいゲル分率は、50〜85%である。そのなかでも60〜80%が最も好ましい。ゲル分率が30%以上であると、保護粘着フィルムをパネルに貼付したときの表面鉛筆硬度の低下を抑制しやすくなる。また、高温環境下において1/4λ位相差フィルムから発生するアウトガスを抑制しやすくなり、粘着剤層とフィルムとの界面における気泡の発生を抑制できる。一方、ゲル分率が90%以下とすることで、好適な接着性を得やすくなる。ゲル分率は、養生後の粘着剤層をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の重量を測定し、元の重量に対する百分率で表す。
【0069】
さらに粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。本発明の粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂は、アクリル系共重合体、ロジンやロジンのエステル化物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。100℃14日放置後の粘着剤層のb*値を6以下にするためには、不飽和二重結合が少ない、水添ロジンや不均化ロジンのエステル化物や、脂肪族や芳香族系石油樹等を粘着剤層に添加することが好ましい
【0070】
粘着付与樹脂の添加量としては、粘着剤樹脂がアクリル系共重合体である場合は、アクリル系共重合体100重量部に対して10〜60重量部を添加するのが好ましい。接着性を重視する場合は、20〜50重量部を添加するのが最も好ましい。また、粘着剤樹脂がゴム系の樹脂である場合は、ゴム系の樹脂100重量部に対して、粘着付与樹脂を80〜150重量部添加するのが好ましい。なお、一般的に粘着剤樹脂がシリコーン系樹脂である場合は、粘着付与樹脂を添加しない。
【0071】
粘着剤には、上記以外に公知慣用の添加剤を添加することができる。例えば、ガラスへの接着性を向上するために、0.001〜0.005の範囲でシランカップリング剤を添加することができる。その他、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等が添加できる。
【0072】
粘着剤層に使用するアクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは40万〜140万であることが好ましく、60万〜120万であることが、より好ましい。当該アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが上記範囲内であると、好適な接着力を確保しやすく、保護粘着フィルムとした際に、フィルム表面への荷重を好適に緩和することができる。
【0073】
また、上記粘着剤の周波数1Hzで測定される動的粘弾性スペクトルの85℃での貯蔵弾性率(G’)が3.0×10〜2.0×10の範囲が好ましく、5.0×10〜1.5×10の範囲がさらに好ましく、7.0×10〜1.2×10の範囲が最も好ましい。85℃での貯蔵弾性率を上記の範囲にすることにより、高温環境下(85°)における1/4λ位相差フィルムへの密着性と粘着剤内部の凝集力を両立することができ、1/4λ位相差フィルムから発生するアウトガスを抑制しやすくなる。
【0074】
本発明における粘着剤層の動的粘弾性は、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定することで得られる。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。
【実施例】
【0075】
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0076】
[ハードコート剤の作製]
<ウレタンアクリレート(UA1)の合成>
攪拌機、ガス導入管、冷却管、及び温度計を備えたフラスコに、酢酸ブチル254重量部、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」という。)222重量部、p−メトキシフェノール0.5重量部、ジブチル錫ジアセテート0.5重量部を仕込み、70℃に昇温した後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下、「PE3A」という。)/ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以下、「PE4A」という。)混合物(重量比75/25の混合物)795重量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応させ、さらにイソシアネート基を示す2250cm−1の赤外線吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA1)/PE4A混合物(重量比80/20の混合物、不揮発分80重量%の酢酸ブチル溶液)を得た。なお、ウレタンアクリレート(UA1)の分子量は818であった。
【0077】
<重合体の合成>
攪拌機、ガス導入管、冷却管、及び温度計を備えたフラスコに、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。)250重量部、ラウリルメルカプタン1.3重量部、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)1000重量部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という。)7.5重量部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、1時間かけて90℃に昇温し、90℃で1時間反応させた。次いで、90℃で攪拌しながら、GMA750重量部、ラウリルメルカプタン3.7重量部、AIBN22.5重量部からなる混合液を2時間かけて滴下した後、100℃で3時間反応させた。その後、AIBN10重量部を仕込み、さらに100℃で1時間反応させた後、120℃付近に昇温し、2時間反応させた。60℃まで冷却し、窒素導入管を、空気導入管に付け替え、アクリル酸(以下、「AA」という。)507重量部、p−メトキシフェノール2重量部、トリフェニルホスフィン5.4重量部を加えて混合した後、空気で反応液をバブリングしながら、110℃まで昇温し、8時間反応させた。その後、p−メトキシフェノール1.4重量部を加え、室温まで冷却後、不揮発分が50重量%になるように、MIBKを加え、上記重合体(不揮発分50重量%のMIBK溶液)を得た。なお、得られた上記重合体の重量平均分子量は31,000(GPCによるポリスチレン換算による)で、(メタ)アクリロイル基当量は300g/eqであった。
【0078】
酢酸エチル3.1重量部、ウレタンアクリレート(UA1)/PE4A混合物(重量比80/20の混合物)の酢酸ブチル溶液(不揮発分80%)40.0重量部、上記重合体のMIBK溶液(不揮発分50%)64.0重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、「DPHA」という。)16.0重量部、光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(以下、「HCPK」という。)1.63重量部、光開始剤ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィン=オキシド(以下、「TPO」という。)1.16重量部を均一に混合し、樹脂組成物(不揮発分65%)を調製した。
【0079】
<ハードコート剤の調整>
上記方法により調製した樹脂組成物のMIBK溶液(不揮発分50重量%)100重量部、反応性フッ素防汚剤(オプツールDAC;ダイキン工業株式会社製、不揮発分20重量%)2重量部を均一に混合した後、不揮発分が40重量%となるように酢酸エチルで希釈して、ハードコート剤(A)を得た。
【0080】
[粘着剤組成物の調製]
<アクリル共重合体等の調製>
アクリル共重合体及びアクリル混合物を表1の配合(表中の配合量は質量部)にて以下のとおり調製した。
【0081】
<アクリル共重合体(1)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート85質量部、メチルメタクリレート15質量部、アクリル酸4質量部、ジメチルアミノエチルアクリレート1質量部を酢酸エチルに溶解し、重合を行い、質量平均分子量(Mw)70万のアクリル共重合体(1)を得た(固形分25%)。
【0082】
<アクリル共重合体(2)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート30質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部を酢酸エチルに溶解し、重合を行い、質量平均分子量(Mw)40万のアクリル共重合体(2)を得た(固形分48%)
【0083】
[粘着剤組成物の調製]
上記アクリル共重合体を使用して、粘着剤組成物を表2の配合(表中の配合量は質量部)にて以下のとおり調製した。
【0084】
<粘着剤組成物(a)>
アクリル共重合体(1)100質量部に対し、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−2XM 固形分2%)を0.60質量部添加し、20分間攪拌機で攪拌し、粘着剤組成物(a)を得た。
【0085】
<粘着剤組成物(b)>
アクリル共重合体(1)100質量部に対し、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−2XM 固形分2%)を1.20質量部添加し、20分間攪拌機で攪拌し、粘着剤組成物(b)を得た。
【0086】
<粘着剤組成物(c)>
アクリル共重合体(2)100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートHL 固形分75%)を0.05質量部添加し、20分間攪拌機で攪拌し、粘着剤組成物(c)を得た。
【0087】
<粘着剤組成物(d)>
アクリル共重合体(2)100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートHL 固形分75%)を0.25質量部添加し、20分間攪拌機で攪拌し、粘着剤組成物(d)を得た。
【0088】
[保護フィルムの作製]
上記ハードコート剤及び粘着剤組成物を使用して、保護フィルムを以下のとおり作製した。
【0089】
<保護フィルムAの作製>
厚さ70μmのPC製1/4λ位相差フィルム(帝人化成社製ピュアエース)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(以下#38剥離フィルム)を貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚128μmの保護粘着フィルムAを得た。
【0090】
<保護フィルムBの作製>
厚さ70μmのPC製1/4λ位相差フィルム(帝人化成社製ピュアエース)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(b)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚128μmの保護粘着フィルムBを得た。
【0091】
<保護フィルムCの作製>
厚さ70μmのPC製1/4λ位相差フィルム(帝人化成社製ピュアエース)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(c)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚128μmの保護粘着フィルムCを得た。
【0092】
<保護フィルムDの作製>
厚さ70μmのPC製1/4λ位相差フィルム(帝人化成社製ピュアエース)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(d)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚128μmの保護粘着フィルムDを得た。
【0093】
<保護フィルムEの作製>
厚さ87μmの1/4λ位相差ゼオノアフィルム(日本ゼオン社製)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚145μmの保護粘着フィルムEを得た。
【0094】
<保護フィルムFの作製>
厚さ75μmのPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚133μmの保護粘着フィルムFを得た。
【0095】
<保護フィルムGの作製>
厚さ75μmのPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(b)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚133μmの保護粘着フィルムGを得た。
【0096】
<保護フィルムHの作製>
厚さ75μmのPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(c)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚133μmの保護粘着フィルムHを得た。
【0097】
<保護フィルムIの作製>
厚さ75μmのPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(d)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚133μmの保護粘着フィルムIを得た。
【0098】
<保護フィルムJの作製>
厚さ80μmの等方性PCフィルム(三菱ガス化学社製ユーピロン)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚138μmの保護粘着フィルムJを得た。
【0099】
<保護フィルムKの作製>
厚さ80μmの等方性PCフィルム(三菱ガス化学社製ユーピロン)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが7μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(b)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚138μmの保護粘着フィルムKを得た。
【0100】
<保護フィルムLの作製>
厚さ80μmの等方性PCフィルム(三菱ガス化学社製ユーピロン)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが7μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(c)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚138μmの保護粘着フィルムLを得た。
【0101】
<保護フィルムMの作製>
厚さ80μmの等方性PCフィルム(三菱ガス化学社製ユーピロン)の片面に、上記で調製したハードコート剤(A)を塗布して60℃で90秒間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「F450」、ランプ:120W/cm、Hバルブ)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射し、厚さが10μmのハードコート層を形成した。次いで、非ハードコート処理面を、コロナ処理装置により、表面張力55ダイン/cmになるよう表面処理してハードコートフィルムを得た。このハードコートフィルムのコロナ処理面の上に粘着剤(d)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚138μmの保護粘着フィルムMを得た。
【0102】
<保護フィルムNの作製>
厚さ70μmのPC製1/4λ位相差フィルム(帝人化成社製ピュアエース)の片面に粘着剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥した。得られた粘着剤層面に、以下#38剥離フィルムを貼り合わせ、40℃で2日間熟成し、総厚118μmの保護粘着フィルムNを得た。
【0103】
上記にて得られた保護フィルムの粘着剤層のゲル分率及び貯蔵弾性率を以下のとおり測定した。得られた結果を表1〜2に示す。
【0104】
[粘着剤層のゲル分率]
上記保護粘着フィルムの製造条件に準じて、乾燥後の厚みが10μmになるように、粘着剤層をポリエステルフィルム(剥離処理したもの)の上に設けて試験片を調製した。試験片を20mm×100mmの大きさに切断し、ポリエステルフィルムを剥がして、トルエン抽出前の重量aを測定した。次に、同一試験片をトルエン中に24時間浸漬後、ゲル物を取り出し、100℃で2時間乾燥し、トルエン抽出後の重量bを測定した。ゲル分率は、以下の計算式より算出した。
ゲル分率(%)=(b/a)×100
【0105】
[粘着剤層の貯蔵弾性率]
上記保護粘着フィルムの製造条件に準じて、乾燥後の厚みが50μmになるように、粘着剤層をポリエステルフィルム(剥離処理したもの)の上に設けて試験片を調製した。粘着剤層からなるシートを作成し、1mm厚みまで重ね合わせて試験片を作製した。粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KFRTN1)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温速度2℃/minで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)を測定し、85℃の貯蔵弾性率を得た。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【0108】
[画像表示装置の作製]
上記保護フィルムを使用して、画像表示装置を以下のとおり作製した。
【0109】
<実施例1>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0110】
<実施例2>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が50°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0111】
<実施例3>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が40°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0112】
<実施例4>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が30°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0113】
<実施例5>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が60°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0114】
<実施例6>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムBを貼り合わせ、保護フィルムBを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0115】
<実施例7>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムCを貼り合わせ、保護フィルムCを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0116】
<実施例8>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムDを貼り合わせ、保護フィルムDを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0117】
<実施例9>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムEを貼り合わせ、保護フィルムEを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0118】
<比較例1>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が90°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0119】
<比較例2>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムAを貼り合わせ、保護フィルムAを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が0°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0120】
<比較例3>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムFを貼り合わせ、保護フィルムFを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの二軸延伸PETフィルムの一方の延伸軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。なお、45°が輝度が一番向上した角度であった。
【0121】
<比較例4>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムGを貼り合わせ、保護フィルムGを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムのPETフィルムの一方の延伸軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0122】
<比較例5>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムHを貼り合わせ、保護フィルムHを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムのPETフィルムの一方の延伸軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0123】
<比較例6>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムIを貼り合わせ、保護フィルムIを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムのPETフィルムの一方の延伸軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0124】
<比較例7>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムJを貼り合わせ、保護フィルムJを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時の保護フィルムの側辺と液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度γが0°、30°、60°、90°となるよう固定して画像表示装置を作製した。
【0125】
<比較例8>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムKを貼り合わせ、保護フィルムKを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時の保護フィルムの側辺と液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度γが0°、30°、60°、90°となるよう固定して画像表示装置を作製した。
【0126】
<比較例9>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムLを貼り合わせ、保護フィルムLを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時の保護フィルムの側辺と液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度γが0°、30°、60°、90°となるよう固定して画像表示装置を作製した。
【0127】
<比較例10>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムMを貼り合わせ、保護フィルムMを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時の保護フィルムの側辺と液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度γが0°、30°、60°、90°となるよう固定して画像表示装置を作製した。
【0128】
<比較例11>
透明なガラスパネルの一面に長方形に切り出した保護フィルムNを貼り合わせ、保護フィルムNを貼り合わせたガラスパネルと、画像表示部からの出射光が直線偏光である液晶モジュールとを、ガラスパネルが最上部に位置するように固定した。この時、ガラスパネル表面(画像表示面表面)において、保護フィルムの1/4λ位相差フィルムの遅相軸方向と、液晶モジュールの画像表示部から出射される直線偏光とがなす角度が45°になる角度で固定して画像表示装置を作製した。
【0129】
上記実施例及び比較例にて得られた画像表示装置につき、以下の評価を行った。得られた結果を表3〜4に示す。
【0130】
[画像の視認性の確認]
上記実施例及び比較例にて作製した画像表示装置の上部に、液晶モジュールから出射される直線偏光と直交する直線偏光のみが透過する偏光板を設置した。偏光板を360°回転させ、画像表示装置から射出される画像の視認性を確認した(図5)。評価基準は以下の通りとした。評価結果を表4〜6に示した。また、実施例1の画像表示装置の視認性を確認した結果を図6に、実施例3の画像表示装置にて輝度が落ちる領域での視認性を確認した結果を図7に、比較例1の画像表示装置において画像が暗くなる領域での視認性を確認した結果を図8に示した。なお図6〜8中のカーソルは画像表示部の画像である。
◎:回転域全域で輝度が変化せず、非常に良好な輝度を有し、回転域全域での画像の視認性が極めて良好である。
○:回転域全域で輝度がほとんど変化せず、良好な輝度を有し、回転域全域での画像の視認性が良好である。
△:回転域の一部で輝度が落ちる領域があり、当該領域で若干暗さを感じるが、回転域全域で実用可能な画像視認性を有する。
×:回転域の一部で画像が暗くなり、当該領域では画像がほとんど見えない。
【0131】
[干渉縞]
上記実施例及び比較例にて作製した画像表示装置において画像表示装置から射出される画像確認し、干渉縞が発生しているか確認した。
評価基準は以下の通りとした。
○:干渉縞なし
×:干渉縞あり
【0132】
[ガラスパネルの飛散防止性]
ガラスの強度及び飛散防止性の評価は、JIS R1601規格の3点曲げ試験法に基づき行った。上記実施例及び比較例にて作製した画像表示装置の保護フィルムを貼り合わせたガラスパネル(比較例16は保護フィルム無しのガラスパネル)の保護フィルム側の面を2点で固定した。次にガラスパネル側の中央に応力をかけ、ガラスが割れた際の応力とガラスの飛散度を確認した。ガラス飛散の評価基準は以下の通りとした。
○:ガラス破片の飛散なし
×:ガラス破片の飛散あり
【0133】
[表面鉛筆硬度の測定]
上記記の実施例及び比較例で得られた保護フィルムの剥離フィルムを剥がしてガラス板に貼り付けた。ハードコート層表面の鉛筆硬度を、JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づき、株式会社井元製作所製の塗膜用鉛筆引掻き試験機(手動式)を用いて測定した。評価基準は以下の通りとした。
○:硬度Hの鉛筆で傷がつかない
△:硬度Fの鉛筆で傷がつかない
×:硬度Fの鉛筆で傷がつく
【0134】
[耐熱試験]
上記方法にて作製した保護フィルムを、厚み5mm、長さ50mm、幅40mmガラス板(画像表示装置の代替品)に貼り合わせ、5気圧、50℃、20分の条件で加熱加圧処理を行った。その後、貼り合わせサンプルを85℃の加熱機に投入し、24時間経過後にパネル全体をマイクロスコープ(倍率300倍)で観察した場合において、気泡の混入又は剥がれ等があるか確認した。評価基準は以下の通りとした。
◎:5μm以上の気泡なし
○:直径30μm以上の気泡なし
△:直径30μm以上の気泡20個以内
×:直径30μm以上の気泡20個以上又は剥がれ
【0135】
[全光線透過率及びヘイズの測定]
上記保護フィルムを、厚さ0.5mm、長さ50mm、幅40mmのガラス板に貼り付けた後、5気圧、50℃、20分の条件で加熱加圧処理を行い固定した。村上色彩技術研究所社製「HR−100型」を使用して、サンプルのJIS K7105及びJIS K7136に基づいて全光線透過率及びヘイズを測定した。
【0136】
【表3】

【0137】
【表4】

【0138】
【表5】

【符号の説明】
【0139】
1 画像表示モジュール
2 透明パネル
3 画像表示モジュールから出射される直線偏光
4 画像表示面表面
5 直線偏光の偏光方向
6 保護フィルム
7 フィルム基材の遅相軸方向
8 フィルム基材の他方の軸方向
11 直線偏光を出射する液晶モジュール
12 保護フィルム
13 透明ガラスパネル
14 偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有し、前記透明パネルの少なくとも一面に保護フィルムが貼り付けられた画像表示装置であって、前記保護フィルムが、1/4λ位相差フィルムの少なくとも一面にハードコート層を有する保護フィルムであり、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、前記位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度θ1、及び、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、前記1/4λ位相差フィルムの他方の軸方向とがなす角度θ2とが共に15〜75°であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記1/4λ位相差フィルムがポリカーボネート系フィルムである請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記保護フィルムが、1/4λ位相差フィルムの透明パネルに貼りつける面側に粘着剤層を有する保護フィルムである請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記粘着剤層の周波数1Hzで測定される動的粘弾性スペクトルの85℃での貯蔵弾性率が3.0×10〜2.0×10の範囲である請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記粘着剤層のゲル分率が30〜90%の範囲である請求項3又は4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画像表示モジュールの画像表示部が略方形形状であり、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、画像表示部の側辺とがなす角度ψ1が0〜15°である請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記画像表示モジュールの画像表示部が略方形形状であり、前記画像表示部から出射される直線偏光の偏光方向と、画像表示部の底辺とがなす角度ψ2が0〜15°である請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
画像表示部からの出射光が直線偏光である画像表示モジュールと、前記画像表示モジュールの上部に設けられる透明パネルとを有する画像表示装置の前記透明パネルの少なくとも一面に貼り付けられる保護フィルムであって、1/4λ位相差フィルムの少なくとも一面にハードコート層を有することを特徴とする保護フィルム。
【請求項9】
前記1/4λ位相差フィルムがポリカーボネート系フィルムである請求項8に記載の保護フィルム。
【請求項10】
前記1/4λ位相差フィルムの透明パネルに貼りつける面側に粘着剤層を有する請求項8又は9に記載の保護フィルム。
【請求項11】
前記粘着剤層の周波数1Hzで測定される動的粘弾性スペクトルの85℃での貯蔵弾性率が3.0×10〜2.0×10の範囲である請求項10に記載の保護フィルム
【請求項12】
前記粘着剤層のゲル分率が30〜90%の範囲である請求項10又は11に記載の保護フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−97041(P2013−97041A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237200(P2011−237200)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】